JP2015059644A - 密封装置およびこれを備えた車輪用軸受装置 - Google Patents

密封装置およびこれを備えた車輪用軸受装置 Download PDF

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日雅 鈴木
純一 佐仲
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純一 佐仲
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Abstract

【課題】パックシールにおけるシールリップの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めると共に、泥水環境での密封性の向上を図った密封装置およびこれを備えた車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】断面が略L字状に形成されて互いに対向配置された環状のシール板12とスリンガ13とからなるパックシールで構成され、シール板12が、外方部材2の端部内周に圧入される芯金14と、これに接合されたシール部材15を備え、スリンガ13が、内輪3の外嵌される円筒部13aと、これから径方向外方に延びる立板部13bとからなり、シール部材15が、立板部13bに摺接するサイドリップ15bと、この内径側に二股状に形成され、円筒部13aに摺接するグリースリップ15cとダストリップ15dを備え、これにガータースプリング17a、17bが装着され、被水し難い部位の締付力が被水し易い部位の締付力がよりも小さく設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、軸受空間を密封する密封装置およびこれを備えた車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
こうした車輪用軸受では、軸受内部に封入されたグリースの漏れを防止すると共に、外部から雨水やダスト等の侵入を防止するために密封装置が装着されている。この密封装置の早期破損原因の一つとして泥水環境が厳しいことが挙げられる。そのため、シール部材の緊迫力を長期間に亘って保持でき、また、追従性が悪化することのないようガータースプリングを設け、安定した密封性を維持することがなされている。
このようなガータースプリングを備えた従来の密封装置を図15に示す。この密封装置50は、互いに相対回転し、かつ同心状に配置された内側部材51と外側部材52との間に配設され、内側部材51に固定されるスリンガ53と、外側部材52に固定されると共に、スリンガ53に摺接するシール板54とを備えている。
スリンガ53は、内側部材51に圧入される円筒部53aと、この円筒部53aから径方向外方に突出する円環部53bを有している。一方、シール板54は、外側部材52の内周面に嵌合される円筒部55aと、この円筒部55aから径方向内方に延びる円環部55bを有する芯金55と、この芯金55に加硫接着により一体に接合されたシール部材56を備えている。
このシール部材56はゴム材からなり、スリンガ53の円筒部53aに摺接するグリースリップ56aとダストリップ56bと、円環部53bに摺接するアキシアルリップ56cとを有している。
スリンガ53の円筒部53aと芯金55の円筒部55aとは、径方向に間隔をあけて対向して配置されている。スリンガの円環部53bと、芯金55の円環部55bとは、前者を軸方向外側に配置し、後者を軸方向内側に配置した状態で、軸方向に間隔をあけて対向して配置されている。そして、スリンガ53の円環部53bの径方向外端面57と、芯金の円筒部55aとの間には隙間Sが形成され、ラビリンスシールを構成している。
スリンガ53の円環部53bの径方向外端面57は、機械加工により仕上られており、当該円環部53bの外径寸法φa2および芯金55の円筒部55aとの間の隙間Sの寸法e2が高い精度で設定されている。これにより、スリンガ53の加工により生ずるバリ等の余剰材料を含まない面にすることができ、隙間Sを可及的に小さくして密封性を高めることができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2010−190323号公報
この従来の密封装置50では、ダストリップ56bにガータースプリング58が設けられ、緊迫力を保持できると共に、追従性が悪化するのを防止することができる。然しながら、ダストリップ56bの緊迫力の増大に伴い回転トルクも増大するため、昨今の車両の低燃費化に対しては課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軸受の被水の度合いは周方向で一律でなく、必要な部位に限定してシールリップの緊迫力を確保することに着目し、パックシールにおけるシールリップの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めると共に、泥水環境での密封性の向上を図った密封装置およびこれを備えた車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるシールで構成され、前記シール板が、円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材とを備え、前記スリンガが、円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部とからなり、前記シール部材が、径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に摺接するサイドリップと、このサイドリップの内径側に径方向内方に傾斜して形成され、前記スリンガの円筒部に摺接するダストリップを備え、このダストリップにガータースプリングが装着された密封装置において、前記密封装置が被水し易い部位と被水し難い部位とで、前記シール部材が周方向で異なる構造を有している。
このように、軸受空間の開口部を密封する密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるシールで構成され、シール板が、円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材とを備え、スリンガが、円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部とからなり、シール部材が、径方向外方に傾斜して形成され、スリンガの立板部に摺接するサイドリップと、このサイドリップの内径側に径方向内方に傾斜して形成され、スリンガの円筒部に摺接するダストリップを備え、このダストリップにガータースプリングが装着された密封装置において、密封装置が被水し易い部位と被水し難い部位とで、シール部材が周方向で異なる構造を有しているので、密封装置におけるシールリップの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めると共に、泥水環境での密封性の向上を図った密封装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記シール部材のサイドリップまたはダストリップの周方向で、被水し難い部位の緊迫力が被水し易い部位の緊迫力よりも弱く設定されていれば、密封装置におけるシールリップの緊迫力の増大を抑えて低トルク化を図ると共に、泥水環境での密封性の向上を図ることができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記シール部材のダストリップにおける前記ガータースプリングの周方向で、被水し難い部位の締付力が被水し易い部位の締付力よりも小さく設定されていれば、シール部材の金型を細工することなく、周方向でダストリップの緊迫力を変化させることができ、密封装置におけるダストリップの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めると共に、泥水環境での密封性の向上を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記シール部材のサイドリップまたはダストリップの周方向で、被水し難い部位の肉厚が被水し易い部位の肉厚よりも薄く設定されていれば、被水し易い部位はシールリップの剛性が高くなると共に、被水し難い部位はシールリップの剛性が低くなり、周方向でシールリップの緊迫力を変化させ、シールリップの緊迫力の増大を抑えることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記シール部材の開口端部と前記スリンガの立板部の外縁が径方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシールを構成すると共に、このラビリンスシールの周方向で、被水し易い部位に、前記シール部材の開口端部から径方向内方に傾斜して延びるひさし部が形成されていれば、シールリップの緊迫力を強くしなくても被水し易い部位の密封性が高くなり、密封装置におけるシールリップの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めることができると共に、泥水環境での密封性の向上を図ることができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記ひさし部のうち路面側に最も近い部位が一部欠如され、ドレン部が形成されていれば、内部に浸入した泥水の排水性を高めることができ、被水し易い部位の密封性が高くなって全体としての密封性の向上を図ることができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記シール部材の露出面に識別マークが付与されていれば、密封装置を軸受に装着する際、被水し易い部位か被水し難い部位か、その位相が容易に識別でき、誤組を防止して組立性の向上を図ることができる。
また、本発明のうち請求項8記載の発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する密封装置と、を備えた車輪用軸受装置において、前記密封装置が、前記請求項1乃至7いずれかに記載の密封装置である。
このように、外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する密封装置を備えた車輪用軸受装置において、密封装置が、前記請求項1乃至7いずれかに記載の密封装置であるので、密封装置におけるシールリップの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めると共に、泥水環境での密封性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
本発明に係る密封装置は、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるシールで構成され、前記シール板が、円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材とを備え、前記スリンガが、円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部とからなり、前記シール部材が、径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に摺接するサイドリップと、このサイドリップの内径側に径方向内方に傾斜して形成され、前記スリンガの円筒部に摺接するダストリップを備え、このダストリップにガータースプリングが装着された密封装置において、前記密封装置が被水し易い部位と被水し難い部位とで、前記シール部材が周方向で異なる構造を有しているので、密封装置におけるシールリップの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めると共に、泥水環境での密封性の向上を図った密封装置を提供することができる。
また、本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する密封装置と、を備えた車輪用軸受装置において、前記密封装置が、前記請求項1乃至7いずれかに記載の密封装置であるので、密封装置におけるシールリップの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めると共に、泥水環境での密封性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
本発明に係る密封装置を備えた車輪用軸受の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の一方の密封装置を示す側面図である。 (a)は、図2の密封装置のA−A線に沿った要部断面図、(b)は、図2の密封装置のB−B線に沿った要部断面図である。 図3の密封装置の図2におけるC部のガータースプリングを示す斜視図である。 図2の密封装置の変形例で、(a)は、図2における部位のA−A線に沿った要部断面図、(b)は、同上、B−B線に沿った要部断面図である。 図5の密封装置の図2におけるC部のガータースプリングを示す斜視図である。 図2の密封装置の他の変形例で、(a)は、図2における部位のA−A線に沿った要部断面図、(b)は、同上、B−B線に沿った要部断面図である。 図7の密封装置の図2におけるC部のガータースプリングを示す斜視図である。 図2の密封装置の他の変形例で、(a)は、図2におけるA−A線に沿った要部断面図、(b)は、同上、B−B線に沿った要部断面図である。 図2の密封装置の他の変形例で、(a)は、図2におけるA−A線に沿った要部断面図、(b)は、同上、B−B線に沿った要部断面図である。 図10の密封装置の変形例を示す側面図である。 図11の密封装置のD−D線に沿った要部断面図である。 図11の密封装置のE−E線に沿った要部断面図である。 図11の密封装置のF−F線に沿った要部断面図である。 従来の密封装置を示す拡大断面図である。
内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された一対の内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する密封装置と、を備えた車輪用軸受装置において、前記密封装置が、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるシールで構成され、前記シール板が、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材とを備え、前記スリンガが、前記内輪の外径に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部とからなり、前記シール部材が、前記芯金の内周面を覆う基部と、この基部から径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に摺接するサイドリップと、このサイドリップの内径側に二股状に形成され、前記スリンガの円筒部に摺接するグリースリップとダストリップを備え、このダストリップにガータースプリングが装着されると共に、このガータースプリングの周方向で線材の線径を変え、被水し難い部位の締付力が被水し易い部位の締付力よりも小さく設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る密封装置を備えた車輪用軸受の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の一方の密封装置を示す側面図、図3(a)は、図2の密封装置のA−A線に沿った要部断面図、(b)は、図2の密封装置のB−B線に沿った要部断面図、図4は、図3の密封装置の図2におけるC部のガータースプリングを示す斜視図、図5は、図2の密封装置の変形例で、(a)は、図2における部位のA−A線に沿った要部断面図、(b)は、同上、B−B線に沿った要部断面図、図6は、図5の密封装置の図2におけるC部のガータースプリングを示す斜視図、図7は、図2の密封装置の他の変形例で、(a)は、図2における部位のA−A線に沿った要部断面図、(b)は、同上、B−B線に沿った要部断面図、図8は、図7の密封装置の図2におけるC部のガータースプリングを示す斜視図、図9は、図2の密封装置の他の変形例で、(a)は、図2におけるA−A線に沿った要部断面図、(b)は、同上、B−B線に沿った要部断面図、図10は、図2の密封装置の他の変形例で、(a)は、図2におけるA−A線に沿った要部断面図、(b)は、同上、B−B線に沿った要部断面図、図11は、図10の密封装置の変形例を示す側面図、図12は、図11の密封装置のD−D線に沿った要部断面図、図13は、図11の密封装置のE−E線に沿った要部断面図、図14は、図11の密封装置のF−F線に沿った要部断面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
図1に示す車輪用軸受1は第1世代と呼称され、内周にそれぞれ外向きに開いたテーパ状の複列の外側転走面2a、2aが一体に形成された外輪(外方部材)2と、外周にこれら複列の外側転走面2a、2aに対向するテーパ状の内側転走面3aが形成された一対の内輪3、3と、両転走面間に保持器4を介して転動自在に収容された複列の転動体(円錐ころ)5、5とを備えている。
内輪3の内側転走面3aの大径側には転動体5を案内するための大鍔部3bが形成されると共に、小径側には転動体5の脱落を防止するための小鍔部3cが形成されている。そして、一対の内輪3、3の小径側端面が突き合された状態でセットされ、背面合せタイプの車輪用軸受1を構成している。
外輪2と内輪3および転動体5はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。また、外輪2と一対の内輪3、3との間に形成される環状空間の開口部には密封装置6、7が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
一対の内輪3、3の小径側の端部内周には環状溝8、8が形成され、この環状溝8、8に連結環9が装着されている。この連結環9は、工具鋼やばね鋼等の鋼板をプレス加工により断面略コの字状に、全体として有端のリング状に形成され、表面に調質あるいは焼入れにより40〜55HRCの範囲に硬化処理が施されている。
この連結環9を弾性変形させて環状溝8、8に装着することにより、一対の内輪3、3はガタなく強固に一体化され、分解・組立の作業性を簡便化することができる。また、補修時等、車軸に圧入固定された一対の内輪3、3を一体的に抜くことができるため、アウター側の内輪3のみが車軸に残るような不具合が発生することはない。
なお、ここでは、車輪用軸受1として転動体5に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受で構成されたものを例示したが、これに限らず転動体5にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受で構成されていても良い。また、軸受構造は例示した第1世代に限らず、例えば、外輪にフランジを有する第2世代構造でも良いし、ハブ輪の外周に直接内側転走面が形成された第3世代構造、あるいは等速自在継手の外側継手部材の外周に直接内側転走面が形成された第4世代構造であっても良い。
アウター側の密封装置6は、外輪2の端部内周に圧入された芯金10と、この芯金10に加硫接着によって一体に接合されたシール部材11とからなる一体型シールで構成されている。芯金10は、オーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)や冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて断面が略L字状に形成されている。
一方、シール部材11はNBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなり、内輪3の外径に摺接する二股状のラジアルリップ11a、11bを有している。そして、芯金10の外表面を覆うように、シール部材11が回り込んで接合され、所謂ハーフメタル構造をなしている。これにより、気密性を高めて軸受内部を保護することができる。
なお、シール部材11の材質としては、例示したNBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等をはじめ、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
この種の車輪用軸受1において、被水し易い部位と被水し難い部位が存在する。これらの部位は、車種毎の足廻り構造によって多少異なると考えられるが、ここでは、暫定的に、路面・反路面側を被水し易い部位、路面・反路面側に対して90°方向の部位を被水し難い部位として説明する。本発明は、車輪用軸受1の被水の度合いは周方向で一律でなく、必要な部位に限定し、後述するダストリップ15d等のシールリップの緊迫力を確保することに着目した。
ここで、インナー側の密封装置7は、図3(a)に拡大して示すように、断面が略L字状に形成されて互いに対向配置された環状のシール板12とスリンガ13とからなる、所謂パックシールを構成している。シール板12は、外輪2に圧入される芯金14と、この芯金14に一体に加硫接着されたシール部材15とからなる。
芯金14は、オーステナイト系ステンレス鋼板または冷間圧延鋼板からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、外輪2の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部14aと、この嵌合部14aの一端部から径方向内方に延びる内径部14bを備えている。そして、芯金14の嵌合部14aの先端部が薄肉に形成されると共に、この先端部を覆うようにシール部材15が回り込んで接合され、ハーフメタル構造をなしている。
シール部材15はNBR等の合成ゴムからなり、芯金14の嵌合部14aの内周面を覆う基部15aと、この基部15aから径方向外方に傾斜して形成されたサイドリップ15bと、このサイドリップ15bの内径側に二股状に形成されグリースリップ15cとダストリップ15dを備えている。そして、ダストリップ15dにオーステナイト系等のステンレス材からなるガータースプリング17が装着されている。これにより、長期間に亘って高耐食性を確保することができる。なお、シール部材15の材質としては、例示したNBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR、EPDM、ACM、FKM、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
また、シール部材15の基部15aが芯金14の嵌合部14aの先端部に向かって傾斜して形成されると共に、シール部材15の開口端部とスリンガ13の立板部13bの外縁が僅かな径方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシール16を構成している。これにより、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止すると共に、一旦侵入してきた雨水やダスト等が密封装置内に滞留することなく遠心力によって容易に外部に排出でき、密封性を向上させることができる。
スリンガ13は、強磁性体の鋼板、例えば、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)や防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、内輪3の外径に圧入される円筒部13aと、この円筒部13aから径方向外方に延びる立板部13bとからなる。そして、シール部材15のサイドリップ15bが立板部13bに所定の軸方向シメシロを介して摺接されると共に、グリースリップ15cとダストリップ15dが円筒部13aに所定の径方向シメシロを介して摺接されている。
スリンガ13の立板部13bのインナー側の側面には磁気エンコーダ18が加硫接着によって一体に接合されている。この磁気エンコーダ18は、合成ゴムにフェライト等の磁性体粉が混入され、周方向に交互に等ピッチで磁極N、Sが着磁されている。本実施形態では、スリンガ13の材質に強磁性体の鋼板を採用したので、スリンガ13が発錆するのを長期間に亘って防止すると共に、磁気エンコーダ18の磁気出力が強くなり安定した検出精度を確保することができる。
図3(a)は、図2の密封装置7のA−A線に沿った要部断面図を示し、また、(b)は、図2の密封装置7のB−B線に沿った要部断面図を示す。ここで、本発明は、密封装置7の周方向で異なるシール構造を備えている。換言すれば、密封装置7が、被水し易い部位と被水し難い部位とでダストリップ15dの緊迫力が異なる構造に構成されている。すなわち、密封装置7の周方向において、被水し易い部位はガータースプリング17の締付力を大きくしてダストリップ15dの緊迫力を強くすると共に、被水し難い部位はガータースプリング17の締付力を小さくしてダストリップ15dの緊迫力を弱くしている。これにより、密封装置7におけるダストリップ15dの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めると共に、泥水環境での密封性の向上を図った車輪用軸受1の密封装置7を提供することができる。
具体的には、図3の(a)、(b)でガータースプリング17(17a、17b)の外径は同じであるが、コイル状に巻回される線材の線径が異なっている。すなわち、図4に示すように、図3(a)の被水し易い部位においてはその線径が大きく、(b)の被水し難い部位においては線径が小さく設定されている。これにより、被水し易い部位はガータースプリング17の締付力が大きくなると共に、被水し難い部位はガータースプリング17の締付力が小さくなり、シール部材15の金型を細工することなく、周方向でダストリップ15dの緊迫力を変化させることができ、密封装置7におけるダストリップ15dの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めることができると共に、泥水環境での密封性の向上を図ることができる。
なお、密封装置7を軸受に装着する際、すなわち、シール板12を外方部材2に圧入する際、被水し易い部位か被水し難い部位か、その位相が容易に識別できるように、例えば、シール部材15の反路面側の露出面(ここでは、開口端面)に凹部またはペイント等の識別マークを付与すれば、誤組を防止して組立性の向上を図ることができる。
図5(a)、(b)に、前述した密封装置7の変形例を示す。なお、この密封装置19は、前述した密封装置7と基本的にはガータースプリング17の構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図5(a)は、密封装置19の図2におけるA−A線に沿った要部断面図を示し、また、(b)は、密封装置19の図2におけるB−B線に沿った要部断面図を示す。本実施形態では、図5の(a)、(b)でガータースプリング20の線径は同じであるが、図6に示すように、周方向で巻回されているコイル径が異なっている。すなわち、図5(a)の被水し易い部位においてはそのコイル径が大きい大径部20aが配置され、(b)の被水し難い部位においてはコイル径が小さい小径部20bが配置されている。これにより、被水し易い部位はガータースプリング20の締付力が大きくなると共に、被水し難い部位はガータースプリング20の締付力が小さくなり、周方向でダストリップ15dの緊迫力を変化させることができ、密封装置19におけるダストリップ15dの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めることができると共に、泥水環境での密封性の向上を図ることができる。
なお、例示した実施形態に限らず、図示はしないが、例えば、ガータースプリングは前周に亙って線材がコイル状に巻回されると共に、周方向で、被水し易い部位においては弾性係数の高い線材を適用し、また、被水し難い部位においては弾性係数の低い線材を適用するようにしても良い。
図7(a)、(b)に、前述した密封装置7の他の変形例を示す。なお、この密封装置21は、前述した密封装置7と基本的にはガータースプリング17の構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図7(a)は、密封装置21の図2におけるA−A線に沿った要部断面図を示し、また、(b)は、密封装置21の図2におけるB−B線に沿った要部断面図を示す。本実施形態では、図7の(a)、(b)でガータースプリング22の線径は同じであるが、図8に示すように、周方向で線材の巻回の有無が異なっている。すなわち、図7(a)の被水し易い部位においては線材がコイル状に巻回された巻回部22aが配置され、(b)の被水し難い部位においては線材のままで巻回されていない線状部22bが配置されている。これにより、被水し易い部位はガータースプリング22の締付力が大きくなると共に、被水し難い部位はガータースプリング22の締付力が小さくなり、周方向でダストリップ15dの緊迫力を変化させることができ、密封装置21におけるダストリップ15dの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めることができると共に、泥水環境での密封性の向上を図ることができる。
なお、例示した実施形態に限らず、図示はしないが、例えば、ガータースプリングの線径は同じで、周方向に亙って線材がコイル状に巻回されるが、周方向で、被水し易い部位においてはその巻回される巻き数が多く、また、被水し難い部位においては巻き数が少なくなるようにしても良い。さらに、ガータースプリングの形状を真円以外の異形にし、例えば、楕円形状にして、周方向で、被水し易い部位においてはガータースプリングの自然状態での内径が小さく、また、被水し難い部位においてはその内径が大きくなるようにしても良い。
図9(a)、(b)に、前述した密封装置7の他の変形例を示す。なお、この密封装置23は、前述した密封装置7と基本的にはダストリップ15dの構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図9(a)は、密封装置23の図2におけるA−A線に沿った要部断面図を示し、また、(b)は、密封装置23の図2におけるB−B線に沿った要部断面図を示す。本実施形態では、図9の(a)、(b)でガータースプリング17自体は同じであるが、周方向でダストリップ(24a、24b)の構成が異なっている。すなわち、図9(a)の被水し易い部位においては、シール部材24を構成するダストリップの肉厚部24aが配置され、(b)の被水し難い部位においてはダストリップの薄肉部24bが配置されている。これにより、被水し易い部位はダストリップの肉厚部24aの剛性が高くなると共に、被水し難い部位はダストリップの薄肉部24bの剛性が低くなり、周方向でダストリップ(24a、24b)の緊迫力を変化させることができ、密封装置23におけるダストリップ(24a、24b)の緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めることができると共に、泥水環境での密封性の向上を図ることができる。
図10(a)、(b)に、前述した密封装置7の他の変形例を示す。なお、この密封装置25は、前述した密封装置7と基本的にはシール部材15の構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図10(a)は、密封装置25の図2におけるA−A線に沿った要部断面図を示し、また、(b)は、密封装置25の図2におけるB−B線に沿った要部断面図を示す。本実施形態では、図10の(a)、(b)でガータースプリング17およびダストリップ15dの構成は同じであるが、周方向でラビリンスシール16の構成が異なっている。すなわち、図10(a)の被水し易い部位においては、シール部材26の基部15aが芯金14の嵌合部14aの先端部に向かって傾斜して形成されると共に、シール部材26の開口端部26aから径方向内方に傾斜して延びるひさし部27が形成され、シール部材26の開口端部26aとスリンガ13の立板部13bの外縁およびひさし部27と磁気エンコーダ18の外縁とが僅かな径方向すきまを介して対峙し、2つのラビリンスシール16、28を構成している。
一方、図10(b)の被水し難い部位においては、前述したシール部材15と同様、シール部材26の基部15aが芯金14の嵌合部14aの先端部に向かって傾斜して形成され、シール部材26の開口端部26aとスリンガ13の立板部13bの外縁とが僅かな径方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシール16を構成している。これにより、ダストリップ15d等の緊迫力を強くしなくても被水し易い部位の密封性が高くなり、密封装置25におけるダストリップ15dの緊迫力の増大を抑えてトルクの増加を最小限に止めることができると共に、泥水環境での密封性の向上を図ることができる。
図11に、前述した密封装置25の変形例を示す。なお、この密封装置29は、前述した密封装置25と基本的には路面側にドレン部31を設けたことと、周方向でサイドリップ15bの構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図12は、密封装置29の図11におけるD−D線に沿った要部断面図を示す。この密封装置29は、シール部材30はNBR等の合成ゴムからなり、芯金14の嵌合部14aの内周面を覆う基部15aと、この基部15aから径方向外方に傾斜して形成されたサイドリップ30aと、このサイドリップ30aの内径側に二股状に形成されグリースリップ15cとダストリップ15dを備えている。そして、ダストリップ15cにオーステナイト系等のステンレス材からなるガータースプリング17が装着されている。
本実施形態では、被水し易い部位であるため、シール部材26の基部15aが芯金14の嵌合部14aの先端部に向かって傾斜して形成されると共に、シール部材30の開口端部26aから径方向内方に傾斜して延びるひさし部27が形成されている。また、サイドリップ30aは、前述した実施形態のサイドリップ15bと異なり、薄肉に形成されている。
図13は、密封装置29の図11におけるE−E線に沿った要部断面図を示す。この実施形態では、被水し難い部位であるため、シール部材26の開口端部26aにひさし部27は設けておらず、前述したシール部材30と同様、サイドリップ30aが薄肉に形成されている。
図14は、密封装置29の図11におけるF−F線に沿った要部断面図を示す。この実施形態では、被水し易い部位であるため、シール部材30のサイドリップ15bが他の部位よりも厚肉に形成されると共に、シール部材30の開口端部26aから径方向内方に傾斜して延びるひさし部27が形成され、このひさし部27のうち路面側に最も近い部位が一部欠如され、ラビリンスシール16によってドレン部31が形成されている。これにより、被水し易い部位の密封性が高くなり、密封装置29におけるサイドリップ30aの緊迫力が減少して低トルク化を図ることができると共に、内部に浸入した泥水の排水性を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受の密封装置は、内輪回転タイプの第1乃至第4世代構造の車輪用軸受に装着される密封装置に適用することができる。
1 車輪用軸受
2 外輪
2a 外側転走面
3 内輪
3a 内側転走面
3b 大鍔部
3c 小鍔部
4 保持器
5 転動体
6 アウター側の密封装置
7、19、21、23、25、29 インナー側の密封装置
8 環状溝
9 連結環
10、14 芯金
11、15、24、26、30 シール部材
11a、11b ラジアルリップ
12 シール板
13 スリンガ
13a 円筒部
13b 立板部
14a 嵌合部
14b 内径部
15a シール部材の基部
15b、30a サイドリップ
15c グリースリップ
15d ダストリップ
16、28 ラビリンスシール
17、20、22 ガータースプリング
18 磁気エンコーダ
20a ガータースプリングの大径部
20b ガータースプリングの小径部
22a ガータースプリングの巻回部
22b ガータースプリングの線状部
24a ダストリップの厚肉部
24b ダストリップの薄肉部
26a シール部材の開口端部
27 ひさし部
31 ドレン部
50 密封装置
51 内側部材
52 外側部材
53 スリンガ
53a、55a 円筒部
53b、55b 円環部
54 シール板
55 芯金
56 シール部材
56a グリースリップ
56b ダストリップ
56c アキシアルリップ
57 径方向外端面
58 ガータースプリング
a2 円環部の外径寸法
e2 隙間の寸法
S 隙間

Claims (8)

  1. 互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるシールで構成され、
    前記シール板が、円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材とを備え、
    前記スリンガが、円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部とからなり、
    前記シール部材が、径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に摺接するサイドリップと、このサイドリップの内径側に径方向内方に傾斜して形成され、前記スリンガの円筒部に摺接するダストリップを備え、
    このダストリップにガータースプリングが装着された密封装置において、
    前記密封装置が被水し易い部位と被水し難い部位とで、前記シール部材が周方向で異なる構造を有していることを特徴とする密封装置。
  2. 前記シール部材のサイドリップまたはダストリップの周方向で、被水し難い部位の緊迫力が被水し易い部位の緊迫力よりも弱く設定されている請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記シール部材のダストリップにおける前記ガータースプリングの周方向で、被水し難い部位の締付力が被水し易い部位の締付力よりも小さく設定されている請求項1または2に記載の密封装置。
  4. 前記シール部材のサイドリップまたはダストリップの周方向で、被水し難い部位の肉厚が被水し易い部位の肉厚よりも薄く設定されている請求項1乃至3いずれかに記載の密封装置。
  5. 前記シール部材の開口端部と前記スリンガの立板部の外縁が径方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシールを構成すると共に、このラビリンスシールの周方向で、被水し易い部位に、前記シール部材の開口端部から径方向内方に傾斜して延びるひさし部が形成されている請求項1に記載の密封装置。
  6. 前記ひさし部のうち路面側に最も近い部位が一部欠如され、ドレン部が形成されている請求項5に記載の密封装置。
  7. 前記シール部材の露出面に識別マークが付与されている請求項1乃至5いずれかに記載の密封装置。
  8. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する密封装置と、
    を備えた車輪用軸受装置において、
    前記密封装置が、前記請求項1乃至7いずれかに記載の密封装置であることを特徴とする車輪用軸受装置。
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