JP2008164004A - 車輪用軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外方部材とナックル間の密封性を向上させて発錆を防止した車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】インナー側のシール9が、内輪3と外方部材10にそれぞれ圧入され、互いに対向配置された断面略L字状の環状のスリンガ11とシール板12とからなり、このシール板12が、芯金13と、この芯金13に接合され、スリンガ11に摺接する複数のシールリップを有するシール部材14からなる車輪用軸受装置において、シール部材14の外周部に、径方向外方に延び、断面略くの字形の外周リップ17が形成され、この外周リップ17が外方部材10とナックルNの鍔部18との間隙eに嵌り込むように配置されると共に、外周リップ17のリップ頂点17aの径dが鍔部18の内径面取り部18aの外径Dよりも大径に設定され、鍔部18に対してφ0.1以上の掛かり代δを持って当接されている。
【選択図】図3
【解決手段】インナー側のシール9が、内輪3と外方部材10にそれぞれ圧入され、互いに対向配置された断面略L字状の環状のスリンガ11とシール板12とからなり、このシール板12が、芯金13と、この芯金13に接合され、スリンガ11に摺接する複数のシールリップを有するシール部材14からなる車輪用軸受装置において、シール部材14の外周部に、径方向外方に延び、断面略くの字形の外周リップ17が形成され、この外周リップ17が外方部材10とナックルNの鍔部18との間隙eに嵌り込むように配置されると共に、外周リップ17のリップ頂点17aの径dが鍔部18の内径面取り部18aの外径Dよりも大径に設定され、鍔部18に対してφ0.1以上の掛かり代δを持って当接されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置に関し、詳しくは、外方部材とナックル間の密封性を向上させて発錆を防止した車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
これらの軸受部には、軸受内部に封入されたグリースの漏れを防止すると共に、外部から雨水やダスト等の侵入を防止するためにシールが装着されている。近年、自動車のメンテナンスフリー化が進み、車輪用軸受装置においてもさらなる長寿命化が要求されるようになっているが、市場回収品の軸受損傷状況を検証すると、剥離等の本来の軸受寿命よりも、シール不具合あるいは密封性の低下により軸受内に雨水やダスト等が侵入して軸受が損傷する事例が少なくない。したがって、シールの密封性を向上させることにより、軸受寿命の向上を図ることができる。
従来から、密封性を高めたシールに関しては種々提案されているが、こうしたシールの代表的な一例を図4に示す。このシール50は、内輪51と外方部材52との間を密封し、内輪51および外方部材52に各々装着されて互いに対向する断面L字状の環状のスリンガ53とシール板54とを備えている。
スリンガ53は鋼板からプレス加工によって形成され、内輪51の外径面に圧入された円筒部53aと、この円筒部53aから立ち上がった立板部53bとを有している。この立板部53bの側面には、ゴム磁石等からなる磁気エンコーダ55が一体に加硫接着されている。また、この磁気エンコーダ55は、周方向に交互に磁極N、Sが着磁され、車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。
一方、シール板54は鋼板からプレス加工によって形成され、外方部材52に圧入された芯金56と、この芯金56に加硫接着により一体に接合されたシール部材57とからなる。シール部材57はゴムまたは合成樹脂等の弾性体からなり、スリンガ53の立板部53bに摺接するサイドリップ57aと、円筒部53aに摺接する一対のラジアルリップ57b、57cとを備えている。そして、シール部材57の外周部とスリンガ53の立板部53bが僅かな径方向すきまを介して対向し、ラビリンスシール58が構成されている。
また、シール部材57の外周端縁には径方向外方に延びる突出リップ59が形成されている。この突出リップ59は断面がくの字形に形成され、外方部材52とナックル60との間隙eに嵌り込むように配置されている。これにより、外方部材52とナックル60との間隙eまで封鎖することができ、外部からの泥水等がこの間隙eに浸入して回り込むのを防止することができ、外方部材52とナックル60の発錆を防止することができる。
特開2003−56579号公報
こうした従来のシール50では、図5(a)に示すように、突出リップ59のリップ頂点59aとナックル60との掛かり代δが少ない場合、すなわち、リップ頂点59aを適切な位置に設定しないと、(b)に示すように、ナックル60を組み込んだ後、ナックル60の内径側に突出リップ59がはみ出してしまう。これでは、外方部材52との間にすきまが生じ、外方部材52とナックル60との間の密封性を確保することができないだけでなく、突出リップ59が損傷する恐れがあった。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、外方部材とナックル間の密封性を向上させて発錆を防止した車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、これらシールのうちインナー側のシールが、前記内方部材と外方部材にそれぞれ圧入され、互いに対向配置された断面略L字状の環状のスリンガとシール板とからなり、このシール板が、鋼板製の芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合され、前記スリンガに摺接する複数のシールリップを有するシール部材からなる車輪用軸受装置において、前記シール部材の外周部に、径方向外方に延び、断面略くの字形の外周リップが形成され、この外周リップが前記外方部材とナックルの鍔部との間隙に嵌り込むように配置されると共に、当該外周リップのリップ頂点の径が所定値に設定され、前記ナックルの鍔部に対して所定の掛かり代を持って当接されている。
このように、外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールを備え、これらシールのうちインナー側のシールが、内方部材と外方部材にそれぞれ圧入され、互いに対向配置された断面略L字状の環状のスリンガとシール板とからなり、このシール板が、鋼板製の芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合され、スリンガに摺接する複数のシールリップを有するシール部材からなる車輪用軸受装置において、シール部材の外周部に、径方向外方に延び、断面略くの字形の外周リップが形成され、この外周リップが外方部材とナックルの鍔部との間隙に嵌り込むように配置されると共に、当該外周リップのリップ頂点の径が所定値に設定され、ナックルの鍔部に対して所定の掛かり代を持って当接されているので、ナックル組み込み後の外周リップのはみ出しを防止することができ、外方部材とナックルとの間の密封性を確保することができると共に、外周リップが損傷するのを防止して外部からの泥水等がこの間隙に浸入して回り込むのを防止することができ、外方部材とナックル間の密封性を向上させて発錆を防止することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記掛かり代がφ0.1以上に設定されていれば、外周リップのナックルからのはみ出しを確実に防止することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記ナックルの組み込み途中で、前記外周リップの先端部が前記外方部材の端面との間に所定の軸方向すきまがある状態で、当該外周リップのリップ頂点が前記ナックルの鍔部に当接されていれば、所望のシメシロを確保して外方部材とナックルとの間の密封性を確保することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記ナックルの鍔部の内径に面取り部が形成され、前記外周リップのリップ頂点の径が、前記面取り部の外径よりも大径に設定されていれば、ナックル組み込み時に外周リップが損傷するのを防止することができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記シール部材が、前記芯金の円筒部の外表面に回り込んで固着され、前記外方部材との嵌合部に密着されていれば、シール嵌合部の気密性の向上を図ることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、これらシールのうちインナー側のシールが、前記内方部材と外方部材にそれぞれ圧入され、互いに対向配置された断面略L字状の環状のスリンガとシール板とからなり、このシール板が、鋼板製の芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合され、前記スリンガに摺接する複数のシールリップを有するシール部材からなる車輪用軸受装置において、前記シール部材の外周部に、径方向外方に延び、断面略くの字形の外周リップが形成され、この外周リップが前記外方部材とナックルの鍔部との間隙に嵌り込むように配置されると共に、当該外周リップのリップ頂点の径が所定値に設定され、前記ナックルの鍔部に対して所定の掛かり代を持って当接されているので、ナックル組み込み後の外周リップのはみ出しを防止することができ、外方部材とナックルとの間の密封性を確保することができると共に、外周リップが損傷するのを防止して外部からの泥水等がこの間隙に浸入して回り込むのを防止することができ、外方部材とナックル間の密封性を向上させて発錆を防止することができる。
外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、これらシールのうちインナー側のシールが、前記内輪と外方部材にそれぞれ圧入され、互いに対向配置された断面略L字状の環状のスリンガとシール板とからなり、このシール板が、鋼板製の芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合され、前記スリンガに摺接する複数のシールリップを有するシール部材からなる車輪用軸受装置において、前記シール部材の外周部に、径方向外方に延び、断面略くの字形の外周リップが形成され、この外周リップが前記外方部材とナックルの鍔部との間隙に嵌り込むように配置されると共に、当該外周リップのリップ頂点の径が前記ナックルにおける鍔部の内径面取り部の外径よりも大径に設定され、当該鍔部に対してφ0.1以上の掛かり代を持って当接されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3(a)は、ナックル組み込み途中を示す説明図、(b)は、ナックル組み込み後を示す説明図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3(a)は、ナックル組み込み途中を示す説明図、(b)は、ナックル組み込み後を示す説明図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は駆動輪用で、内方部材1と外方部材10、および両部材1、10間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)7、7とを備え、第3世代と称される構成をなしている。内方部材1は、ハブ輪2と、このハブ輪2に所定のシメシロを介して圧入された内輪3とからなる。
ハブ輪2は、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面2aと、この内側転走面2aから軸方向に延びる小径段部2bが形成されている。また、車輪取付フランジ4の周方向等配位置にはハブボルト5が植設されている。内輪3は、外周に他方(インナー側)の内側転走面3aが形成され、ハブ輪2の小径段部2bに所定のシメシロを介して圧入されている。
ハブ輪2はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、内側転走面2aをはじめ、アウター側のシール8のシールランド部となる車輪取付フランジ4の基部から小径段部2bに亙って高周波焼入れによって58〜64HRCの範囲に表面が硬化処理されている。一方、内輪3および転動体7は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
外方部材10は、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ10bを一体に有し、内周に内方部材1の内側転走面2a、3aに対向する複列の外側転走面10a、10aが一体に形成されている。これら両転走面10a、2aおよび10a、3a間には保持器6を介して複列の転動体7、7が転動自在に収容されている。この外方部材10はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面10a、10aが、高周波焼入れによって58〜64HRCの範囲に表面が硬化処理されている。
外方部材10の両端部にはシール8、9が装着され、外方部材10と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部を密封している。このシール8、9により、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
ここで、シール8、9のうちインナー側のシール9は、図2に拡大して示すように、互いに対向配置されたスリンガ11と環状のシール板12とからなる、所謂ハイパックシールで構成されている。スリンガ11は、強磁性体の鋼鈑、例えば、フェライト系のステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、内輪3に圧入される円筒部11aと、この円筒部11aから径方向外方に延びる立板部11bとからなる。これにより、スリンガ11の発錆を防止してシール9の耐久性を向上させることができる。
また、立板部15bのインナー側の側面には、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入された磁気エンコーダ15が一体に加硫接着されている。この磁気エンコーダ15は、周方向に交互に磁極N、Sが着磁され、車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。
一方、シール板12は、外方部材10の端部に内嵌される円筒部13aと、この円筒部13aの一端から径方向内方に延びる立板部13bとからなる芯金13と、この芯金13に加硫接着されたシール部材14とからなる。芯金13は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて形成されている。
シール部材14はニトリルゴム等の弾性部材からなり、スリンガ11の立板部11bに摺接するサイドリップ14aと、円筒部11aに摺接するラジアルリップ14b、14cとを有している。サイドリップ14aは芯金13の立板部13bから外径側に傾斜して形成され、先端がスリンガ11の立板部11bに所定のシメシロをもって摺接している。また、スリンガ11における立板部11bの外縁とシール部材14の外周部とが僅かな径方向すきまを介して対峙してラビリンスシール16が構成され、外部から雨水やダスト等が直接サイドリップ14aに降りかかるのを防止して密封性を向上させている。
ここで、本実施形態では、シール部材14は芯金13の円筒部13aの外表面に回り込んで固着され、外方部材10との嵌合部に密着されて気密性の向上が図られると共に、外周部の端部から径方向外方に延びる外周リップ17が形成されている。この外周リップ17は断面がくの字形に形成され、外方部材10とナックルNの鍔部18との間隙eに嵌り込むように配置されている。そして、外周リップ17のリップ頂点17aの径dが所定値に設定されている。すなわち、図3(a)に示すように、ナックルNの組み込み途中で、外周リップ17の先端部17bが外方部材10の端面との間に所定の軸方向すきまe0がある状態で、リップ頂点17aとナックルNとの掛かり代δが所定値以上になるように設定されている。
本出願人が実施した嵌合試験による検証結果を表1に示すが、外周リップ17のリップ頂点17aの径dを、ナックルNの鍔部18の内径面取り部18aの外径Dよりもφ0.1以上に設定することで、(b)に示すように、ナックルNの組み込み後、外周リップ17の先端部17bとリップ頂点17aが外方部材10の端面とナックルNの鍔部18に所定のシメシロで当接すると共に、外周リップ17のはみ出しを確実に防止することができる。これにより、外方部材10とナックルNとの間の密封性を確保することができると共に、外周リップ17が損傷するのを防止して外部からの泥水等がこの間隙eに浸入して回り込むのを防止することができ、外方部材10とナックルN間の密封性を向上させて発錆を防止することができる。
なお、ここでは、転動体7にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受を例示したが、本発明はこれに限らず、転動体7に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受であっても良い。また、ハブ輪2の外周に直接内側転走面2aが形成された第3世代構造について説明したが、本発明はこうした構造に限定されるものではなく、例えば、図示しないが、ハブ輪の小径段部に一対の内輪が圧入された第1世代や第2世代構造であっても良い。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、インナー側のシールにハイパックシールを使用した第1乃至第3世代の車輪用軸受装置に適用できる。
1・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
2・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
2a、3a・・・・・・・・・・・・内側転走面
2b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
3・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
3b・・・・・・・・・・・・・・・外径面
4・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
6・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
7・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
8・・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
9・・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
10・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
10a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
10b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
11・・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
11a、13a・・・・・・・・・・円筒部
11b、13b・・・・・・・・・・立板部
12・・・・・・・・・・・・・・・シール板
13・・・・・・・・・・・・・・・芯金
14・・・・・・・・・・・・・・・シール部材
14a・・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
14b、14c・・・・・・・・・・ラジアルリップ
15・・・・・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
16・・・・・・・・・・・・・・・ラビリンスシール
16b・・・・・・・・・・・・・・内径面
17・・・・・・・・・・・・・・・外周リップ
17a・・・・・・・・・・・・・・リップ頂点
17b・・・・・・・・・・・・・・先端部
18・・・・・・・・・・・・・・・鍔部
18a・・・・・・・・・・・・・・内径面取り部
50・・・・・・・・・・・・・・・シール
51・・・・・・・・・・・・・・・内輪
52・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
53・・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
53a・・・・・・・・・・・・・・円筒部
53b・・・・・・・・・・・・・・立板部
54・・・・・・・・・・・・・・・シール板
55・・・・・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
56・・・・・・・・・・・・・・・芯金
57・・・・・・・・・・・・・・・シール部材
57a・・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
57b、57c・・・・・・・・・・ラジアルリップ
58・・・・・・・・・・・・・・・ラビリンスシール
59・・・・・・・・・・・・・・・突出リップ
60・・・・・・・・・・・・・・・ナックル
d・・・・・・・・・・・・・・・・リップ頂点径
D・・・・・・・・・・・・・・・・ナックルの鍔部内径面取り部の外径
e・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材とナックルとの間隙
e0・・・・・・・・・・・・・・・軸方向すきま
N・・・・・・・・・・・・・・・・ナックル
δ・・・・・・・・・・・・・・・・掛かり代
2・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
2a、3a・・・・・・・・・・・・内側転走面
2b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
3・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
3b・・・・・・・・・・・・・・・外径面
4・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
6・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
7・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
8・・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
9・・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
10・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
10a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
10b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
11・・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
11a、13a・・・・・・・・・・円筒部
11b、13b・・・・・・・・・・立板部
12・・・・・・・・・・・・・・・シール板
13・・・・・・・・・・・・・・・芯金
14・・・・・・・・・・・・・・・シール部材
14a・・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
14b、14c・・・・・・・・・・ラジアルリップ
15・・・・・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
16・・・・・・・・・・・・・・・ラビリンスシール
16b・・・・・・・・・・・・・・内径面
17・・・・・・・・・・・・・・・外周リップ
17a・・・・・・・・・・・・・・リップ頂点
17b・・・・・・・・・・・・・・先端部
18・・・・・・・・・・・・・・・鍔部
18a・・・・・・・・・・・・・・内径面取り部
50・・・・・・・・・・・・・・・シール
51・・・・・・・・・・・・・・・内輪
52・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
53・・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
53a・・・・・・・・・・・・・・円筒部
53b・・・・・・・・・・・・・・立板部
54・・・・・・・・・・・・・・・シール板
55・・・・・・・・・・・・・・・磁気エンコーダ
56・・・・・・・・・・・・・・・芯金
57・・・・・・・・・・・・・・・シール部材
57a・・・・・・・・・・・・・・サイドリップ
57b、57c・・・・・・・・・・ラジアルリップ
58・・・・・・・・・・・・・・・ラビリンスシール
59・・・・・・・・・・・・・・・突出リップ
60・・・・・・・・・・・・・・・ナックル
d・・・・・・・・・・・・・・・・リップ頂点径
D・・・・・・・・・・・・・・・・ナックルの鍔部内径面取り部の外径
e・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材とナックルとの間隙
e0・・・・・・・・・・・・・・・軸方向すきま
N・・・・・・・・・・・・・・・・ナックル
δ・・・・・・・・・・・・・・・・掛かり代
Claims (5)
- 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、
前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、
これらシールのうちインナー側のシールが、前記内方部材と外方部材にそれぞれ圧入され、互いに対向配置された断面略L字状の環状のスリンガとシール板とからなり、このシール板が、鋼板製の芯金と、この芯金に加硫接着により一体に接合され、前記スリンガに摺接する複数のシールリップを有するシール部材からなる車輪用軸受装置において、
前記シール部材の外周部に、径方向外方に延び、断面略くの字形の外周リップが形成され、この外周リップが前記外方部材とナックルの鍔部との間隙に嵌り込むように配置されると共に、当該外周リップのリップ頂点の径が所定値に設定され、前記ナックルの鍔部に対して所定の掛かり代を持って当接されていることを特徴とする車輪用軸受装置。 - 前記掛かり代がφ0.1以上に設定されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
- 前記ナックルの組み込み途中で、前記外周リップの先端部が前記外方部材の端面との間に所定の軸方向すきまがある状態で、当該外周リップのリップ頂点が前記ナックルの鍔部に当接されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
- 前記ナックルの鍔部の内径に面取り部が形成され、前記外周リップのリップ頂点の径が、前記面取り部の外径よりも大径に設定されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
- 前記シール部材が、前記芯金の円筒部の外表面に回り込んで固着され、前記外方部材との嵌合部に密着されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
Priority Applications (5)
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