JPH0193631A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は入力軸と出力軸間のトルク伝達を多板クラッチ
を介して行う駆動力伝達装置に関する。

〈従来の技術〉 一般に４輪で駆動する自動車においては車速か低速で操
舵角が大きい場合に、前、後輪の旋回半径の差によりて
前、後輪の伝達系に捩りトルクが発生するタイトコーナ
ブレーキング現象が生ずる。

このタイトブレーキング現象を回避するために、前、後
輪の伝達系には差動制限装置が設けられている。

この差動制限装置の中には従来、前輪駆動軸もしくは後
輪駆動軸と一体の円筒状の出力軸と、この出力軸の内径
内に環状の隙間を有して同心で配置され一後輪軸もしく
は前輪軸と一体的な出力軸と、前記隙間の軸線方向に複
数のインナプレートとアウタプレートとを交互に並列し
た多板クラッチと、この多板クラッチの押付力を制御す
る環状ピストンとを備え、この環状ピストンの多板クラ
ッチを押圧する押付力を入力軸と出力軸の回転速度差に
より制御する差動ポンプ等を備えている。

〈発明が解決しようとする問題点〉 しかし、このような装置では常に多少の滑りを伴いなが
らトルクの伝達を行うため、脱輪時等にクラッチ板に過
大な伝達トルクが長時間加わった場合にはクラッチ板に
摩擦熱が発生してクラッチ板を破損させる恐れがあった
。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明は上述した問題を解決するためになされるもので
、多板クラッチと並列に配置され出力軸と係合する伝達
プレートを設け、この伝達プレートの前記多板クラッチ
のある側の端面に前記出力軸の軸心から径方向に歯形を
形成したトルク伝達面を設け、この伝達面と噛合すると
ともに前記インナープレートとスプライン係合し前記出
力軸に対して相対回転および摺動自在なクラッチハブを
設け、このクラッチハブを前記トルク伝達面に押圧する
スプリングを設けたことを特徴とするものである。

く作用〉 通常、入力軸と出力軸の回転速度差が小さく伝達トルク
が小さい場合には回転速度差に応じた押付力が環状ピス
トンによって多板クラッチに与えられ、この回転速度差
が所定値以上に成るとクラッチハブ側の歯形が噛合する
伝達プレートの伝達面の歯形をスプリングの押圧力に抗
して乗り越え様とすることにより、クラッチハブが軸方
向に変位して多板クラッチの押付力を増大し、多板クラ
ッチの滑りを無くして破損を防止する。

〈実施例〉 以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図において１０は円筒状に形成された出力軸であり
、この出力軸１０の内径内には隙間１１を持って入力軸
１２が同心で設けらている。この出力軸１２と前記出力
軸１０はそれぞれ囲路の前輪駆動軸と後輪駆動軸に結合
されている。

前記隙間１１には出力軸１０にスプライン係合し、軸方
向に微少間隔をあけて複数のアウタプレート１３が並列
されている。この複数のアウタプレート１３の間にはイ
ンナプレート１４が配設されており、インナプレート１
４とアウタプレート１４で多板クラッチ１５を構成して
いる。この多板クラッチ１５の軸方向には環状ピストン
１６が摺動可能に設けられており、この環状ピストン１
６の多板クラッチと係合する面と逆側には、空間１７を
開けてサイドキャップ１８が設けられており、多板クラ
ッチ１５および環状ピストン１６を入力軸１０の内周内
に密封している。

前記空間１７にはこの空間１７の軸方向幅と同程度の肉
厚を有し、空間１７を円周上複数に区画する羽根１９を
形成したロータ２０が入力軸１２に結合され、この空間
１７にはシリコンオイル等の高粘度油が封入されている
。

一方、前記インナプレート１４は出力軸１２の外周に出
力軸１２に対して相対回転および摺動可能に設けられた
クラッチハブ２１に係合している。

このクラッチハブ２１の環状ピストン１６側端面２２に
は回転中心から径方向に歯形２３が形成されている。こ
の端面２２には第２図に示すように入力軸１２と対向し
た伝達プレート２４のトルク伝達面３０が前記歯形２３
と同形の歯形２５をもって噛合し、さらに前記クラッチ
ハブ２１の端面２２と逆の端面が皿バネ２５によって押
圧され、クラッチハブ２１と伝達プレート２４に皿バネ
２６の押圧力で決定される所定以上の回転力が加わった
時のみに歯形２３が歯形２５の斜面に乗り上げてクラッ
チハブ２１が皿バネ２６の押圧力に抗して軸方向に移動
する。

以上のような構成で動作について説明する。

入力軸１２と出力軸１０に回転速度差が生じると入力軸
１２に結合されたロータと出力軸１０とが相対回転し１
９羽根１９が空間１７内の高粘度油をかきまわす。これ
により、空間１７内の高粘度油には圧力が発生し、環状
ピストン１６が多板クラッチ１５の方向に移動すること
により、インチプレート１４とアウタプレート１３が圧
接され、インナプレート１４からアウタプレート１３へ
滑りを生じながら駆動力が伝達される。この駆動力が伝
達される量すなわち伝達トルクＴは第３図に示ように入
力軸１２と出力軸１０の回転速度差ΔＮに比例して環状
ピストンの多板クラッチを押し付ける力も大きくなるた
め同様に増大してゆくが、皿バネ２６の押圧力で決定さ
れる所定の回転速度差Ａになると上述したように歯形２
３が歯形２５の斜面に乗り上げてクラ、ツチハブ２１が
皿バネ２６の押圧力に抗して軸方向に移動し、インナプ
レート１４がアウタプレート１３を環状ピストン１６の
圧接力以上に圧接するので、アウタプレート１３とイン
ナプレート１４は滑りを伴わない完全な密着状態で駆動
力の伝達が行え、摩擦熱の発生を抑えて多板クラッチ１
５の破損を防止する。

さらに第３図実線イで示すように環状ピストンのみで多
板クラッチ１５を圧接した場合の破線口の特性に比べて
回転速度差Ａ以上で急激に伝達トルクが立ち上がるため
脱輪等、大きな駆動力が必要な場合に有効な特性となる
。

また、歯形２３．２５の高さを変更することで、クラッ
チハブ２１と伝達プレート２４の間で所定回転速度差以
上では空回りさせて駆動力の伝達を行わないようにして
摩擦熱の発生を防止してもよい。

〈発明の効果〉 以上述べたように本発明においては、多板クラッチのイ
ンナプレートを入力軸に対して相対回転および摺動自在
なクラッチハブに係合し、このクラッチハブの軸方向端
面に入力軸中心から径方向に形成された歯形と、この歯
形に噛合し入力軸と結合された伝達プレートと、前記ク
ラッチハブの歯形端面とは逆の端面にクラッチハブと伝
達プレートが歯形面を密着させるスプリングを設けたこ
とにより入力軸と出力軸の回転速度差が大きい場合には
インナプレートとアウタプレートを完全密着させて多板
クラッチ間の滑りをなくし、摩擦熱の発生を防止し、多
板クラッチの破損を防止するとともに脱輪等で回転速度
差が大きくなった場合には伝達トルクを急上昇させて短
時間で脱出することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は駆動力伝
達装置の断面図、第２図は本発明に係わる駆動力伝達装
置の要部拡大図、第３図は実施例の駆動力伝達装置と従
来の駆動力伝達装置の回転速度差−伝達トルク特性を示
す図である。 １０・・・出力軸、１２・・・入力軸、１５・・・多板
クラッチ、１６・・・環状ピストン、２１・・・クラッ
チハブ、２３．２５・・・歯形、２４・・・伝達プレー
ト、２６・・・皿バネ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）円筒状に形成された出力軸と、この出力軸の内径
   内に環状の隙間を有して配置された入力軸と、前記隙間
   の軸線方向に複数枚のインナプレートとアウタプレート
   とを交互に並列した多板クラッチと、この多板クラッチ
   の押付力を制御する環状ピストンを備え前記入力軸と出
   力軸との間でトルク伝達を行う駆動力伝達装置において
   、前記多板クラッチと並列に配置され前記入力軸と係合
   する伝達プレートを設け、この伝達プレートの端面に前
   記入力軸の軸心から径方向に歯形を形成したトルク伝達
   面を設け、この伝達面と噛合するとともに前記インナー
   プレートとスプライン係合し前記入力軸に対して相対回
   転および摺動自在なクラッチハブを設け、このクラッチ
   ハブを前記トルク伝達面に押圧するスプリングを設けた
   ことを特徴とする駆動力伝達装置。