JP2865455B2 - 駆動力伝達装置 - Google Patents

駆動力伝達装置

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JP2865455B2 JP21271191A JP21271191A JP2865455B2 JP 2865455 B2 JP2865455 B2 JP 2865455B2 JP 21271191 A JP21271191 A JP 21271191A JP 21271191 A JP21271191 A JP 21271191A JP 2865455 B2 JP2865455 B2 JP 2865455B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同軸的に支持された一
対の回転部材間に介装されてこれら両部材間においてト
ルク伝達を行う駆動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来技術】かかる駆動力伝達装置は、互いに同軸的に
支持された両回転部材間に介装されてこれら両部材の相
対回転時これら両部材を互いにトルク伝達可能に連結す
るもので、従動側回転部材を駆動させる連結機構として
使用されるものと、これら両部材間の回転差を制限させ
る差動制限機構として使用されるもの等に大別される。
前者の連結機構は主としてリアルタイム式の四輪駆動車
における一方の動力伝達系路に介装され、また後者の差
動制限機構は主として車両における各ディファレンシャ
ルに介装される。
【0003】しかして、従来の駆動力伝達装置としては
特開昭63−240429号公報に示されているように
同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両回転部材間に
配設され、これら両回転部材の相対回転により作動して
両回転部材をトルク伝達可能に連結する摩擦係合力を発
生させるとともに付与される軸方向の押圧力に応じて前
記摩擦係合力を増減させる摩擦クラッチ、および両回転
部材の相対回転に応じた軸方向の押圧力を発生させて同
押圧力を前記摩擦クラッチに付与する押圧力発生手段を
備え、同押圧力発生手段を、前記両回転部材間に液密的
に軸方向へ摺動可能かつ外側回転部材に一体回転可能に
組付けられて前記摩擦クラッチの一側に対向する作動ピ
ストンと、前記外側回転部材と前記作動ピストン間に形
成され軸方向に所定間隔を有して粘性流体が封入される
流体室と、同流体室にて前記内側回転部材に一体回転可
能に組付けられ回転時前記流体室内に流体圧を発生させ
るロータとにより構成してなる駆動力伝達装置がある。
【0004】この種形式の駆動力伝達装置においては、
両回転部材間に相対回転が生じると外側回転部材に一体
回転可能に組付けた作動ピストンと内側回転部材に一体
回転可能に組付けたロータとの間に相対回転が生じ、流
体室の前記ロータにて流体室内の粘性流体が強制的に流
動させられ、流体室内では流動抵抗等に起因して流体圧
が発生する。すなわち、押圧力発生手段に差動回転数に
応じた圧力が発生する。この圧力は作動ピストンを軸方
向に押圧して摩擦クラッチを押圧し、同クラッチに両回
転部材をトルク伝達可能に連結する摩擦係合力を発生さ
せる。かかる摩擦係合力は差動回転数に比例し、両回転
部材間では差動回転数に比例したトルクが一方から他方
へ伝達される。従って、当該駆動力伝達装置は四輪駆動
車の一方の動力伝達系路における駆動側回転部材と従動
側回転部材との連結機構として機能するとともに、駆動
側および従動側回転部材間、両駆動側回転部材間または
両従動側回転部材間の差動制限機構としても機能する。
【0005】ところで、上記した形式の駆動力伝達装置
においては、当該駆動力伝達装置を四輪駆動車の駆動力
伝達装置として採用する場合には、前後輪の差動回転に
応じて駆動力を伝達することはもちろんであるが、四輪
駆動特有の循環トルクを吸収するとともに、走行中の前
後輪間の回転位相差に伴う振動および籠り音を防止し、
かつアンチロックブレーキシステム(ABS)制御時に
おける外乱を避けることが必要である。しかしながら、
上記した駆動力伝達装置においては、駆動輪側の回転が
高くなる正トルク伝達時にもまた従動輪側の回転が高く
なる逆トルク伝達時にも略同一の伝達特性であるため、
上記した循環トルクを十分に吸収することができないと
ともに、ABSに十分に対処し得ない。
【0006】これに対処すべく、本出願人は特開平2−
21038号公報に示すように、正トルク伝達時には従
動輪側に十分にトルク伝達がなされ、かつ逆トルク伝達
時には従動輪側へのトルク伝達が十分に規制される駆動
力伝達装置を提案している。当該駆動力伝達装置におい
ては、ロータにおける回転方向のー方側と他方側との形
状を相違させて同ロータの正回転時と逆回転時とで摩擦
クラッチに対する押圧力を相違させ、これにより正逆ト
ルク伝達時の伝達トルクに差異を生じさせている。従っ
て、機能的にはほぼ満足のいくものであるが、差動回転
方向が反転する際の粘性流体と気体との位置的置換に時
間がかかり、圧力の応答に時間遅れを生じるおそれがあ
る。
【0007】かかる問題に対処する駆動力伝達装置とし
て、本出願人は前記ロータを円盤状に形成して同ロータ
の側面部に一方の回転方向に対する傾斜面を有する凹所
を周方向に多数設けた駆動力伝達装置を特願平2−27
4291号にて出願している。当該駆動力伝達装置にお
いては、前記ロータの回転方向の相違により同ロータの
凹所が有する傾斜面の流体に対するくさび作用を異に
し、くさび作用を生じまたはくさび作用の大きい方向の
回転時には押圧力発生手段にて発生する押圧力が大きく
て、摩擦クラッチに対して大きな押圧力を付与する構成
となっている。また、ロータが上記とは逆方向の回転時
にはくさび作用が発生せずまたはくさび作用が小さく
て、押圧力発生手段にて発生する押圧力が小さくて、摩
擦クラッチに対する押圧力が小さくなるように構成され
ている。
【0008】このため、正逆トルク伝達時の伝達トルク
に大きな差異が生じて良好な機能を発揮し得るととも
に、差動回転方向が反転する際の粘性流体と気体との位
置的置換は各凹所内という小さな部位で行われるために
瞬時になされ、圧力の応答性が良好となる。また、上記
したロータにおいて各凹所に正逆両回転方向に対する傾
斜面を形成した場合には正逆伝達トルクは同一になる
が、低差動領域における応答性が良好になるという利点
がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、当該駆動力
伝達装置においては粘性流体に対するくさび作用はロー
タの凹所が有する傾斜面と流体室の側壁間で発生する
が、流体室内に圧力が発生して作動ピストンが移動する
と同作動ピストンとロータ間の間隙が大きくなるため、
高差動回転域においては流体室内に発生する圧力の差動
回転数に対する上昇率は大きく減少して早期に一定の伝
達トルクとなり、高差動回転域ではトルク伝達が不足す
る傾向になる。図5の破線グラフは当該駆動力伝達装置
における差動回転数と伝達トルクの関係を示している。
従って、本発明の目的はかかる問題に対処することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、同軸的かつ相
対回転可能に位置する内外両回転部材間に配設され、こ
れら両回転部材の相対回転により作動して両回転部材を
トルク伝達可能に連結する摩擦係合力を発生させるとと
もに付与される軸方向の押圧力に応じて前記摩擦係合力
を増減させる摩擦クラッチ、および前記両回転部材の相
対回転に応じた軸方向の押圧力を発生させて同押圧力を
前記摩擦クラッチに付与する押圧力発生手段を備え、同
押圧力発生手段を、前記両回転部材間に液密的に軸方向
へ摺動可能かつ外側回転部材に一体回転可能に組付けら
れて前記摩擦クラッチの一側に対向する作動ピストン
と、前記外側回転部材と前記作動ピストン間に形成され
軸方向に所定間隔を有して粘性流体が封入される流体室
と、同流体室にて前記内側回転部材に一体回転可能に組
付けられ回転時前記流体室内に流体圧を発生させるロー
タとにより構成してなる駆動力伝達装置において、前記
ロータを円盤状に形成して同ロータの側面部に少なくと
も一方の回転方向に対する傾斜面を有する凹所を周方向
に多数設けるとともに、同ロータの外周部に径外方へ突
出する1または複数のベーンを設けたことを特徴とする
ものである。
【0011】
【発明の作用・効果】かかる構成の駆動力伝達装置にお
いては、差動回転が発生するとロータが外側回転部材に
対して相対回転する。当該ロータにおいては、側面部に
設けた多数の凹所と外周部に設けたベーンの作用により
流体室内に流体圧が発生し、かかる流体圧が作動ピスト
ンを介して摩擦クラッチを押圧する。この結果、摩擦ク
ラッチは内外両回転部材をトルク伝達可能に連結し、こ
れら両回転部材間でトルク伝達がなされる。
【0012】しかして、当該駆動力伝達装置において
は、ロータにおける側面部の各凹所と外周部のベーンの
両者が流体室内での流体圧の発生作用を行い、特に各凹
所が低差動領域における圧力応答性の向上に機能し、か
つベーンが高差動領域におけるトルク伝達向上に機能す
る。当該駆動力伝達装置における差動回転数と伝達トル
クの関係は図5の実線グラフのとうりとなる。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
るに、図1には本発明にかかる駆動力伝達装置の一実施
例が示されている。当該駆動力伝達装置10は図6に示
すように、リアルタイム式の四輪駆動車の後輪側動力伝
達系路に配設される。当該四輪駆動車は前輪側が常時駆
動するとともに後輪側が必要時駆動するもので、エンジ
ン21の一側に組付けたトランスアクスル22はトラン
スミッションおよびトランスフアを備え、エンジン21
からの動力をアクスルシャフト23に出力して前輪24
を駆動させるとともに、第1プロペラシャフト25に出
力する。第1プロペラシャフト25は駆動力伝達装置1
0を介して第2プロペラシャフト26に連結していて、
これら両シャフト25,26がトルク伝達可能な場合動
力がリヤディファレンシャル27を介してアクスルシャ
フト28に出力され、後輪29が駆動する。
【0014】駆動力伝達装置10は外側回転部材である
アウタケース11およびエンドカバー15と、内側回転
部材であるインナシャフト12からなる環状の作動室内
に押圧力発生手段10aおよび摩擦クラッチ10bを備
えている。アウタケース11は所定長さの筒部11aの
一端に内向フランジ部11bを備え、筒部11aの他端
開口部にエンドカバー15が螺着されている。インナシ
ャフト12は所定長さの段付きの筒部12aの中間部外
周に外向フランジ部12bを備え、フランジ部12bの
外周にて軸方向へ延びる外スプライン部に摩擦クラッチ
10bが組付けられている。
【0015】かかるインナシャフト12においては、筒
部12aの一端側内周に設けた軸方向へ延びる内スプラ
イン部に第2プロペラシャフト26がスプライン嵌合し
て固定されており、また筒部12aの一端がアウタケー
ス11の内向フランジ部11bの内孔内に、かつその他
端がエンドカバー15の内孔内に液密的かつ回転可能に
嵌合されて支持されている。アウタケース11において
は、第1プロペラシャフト25の後端が固定されてい
る。
【0016】押圧力発生手段10aは作動ピストン13
およびロータ14を備え、かつ摩擦クラッチ10bは湿
式多板クラッチ式のもので、多数のクラッチプレート1
6aおよびクラッチディスク16bを備えている。各ク
ラッチプレート16aはその外周のスプライン部をアウ
タケース11の内周に設けたスプライン部11cに嵌合
されて、同ケース11に一体回転可能かつ軸方向へ移動
可能に組付けられている。各クラッチディスク16bは
その内周のスプライン部をインナシャフト12の外スプ
ライン部12cに嵌合されて各クラッチプレート16a
間に位置し、同シャフト12に一体回転可能かつ軸方向
へ移動可能に組付けられている。これらのクラッチプレ
ート16aおよびクラッチディスク16bの収容室には
クラッチ用オイルと気体とが所定量封入されている。
【0017】押圧力発生手段10aを構成する作動ピス
トン13はアウタケース11の筒部11aの他端側内周
に液密的に一体回転可能かつ軸方向へ摺動可能に、また
インナシャフト12に対してはその外周に液密的に回転
可能かつ軸方向へ摺動可能にそれぞれ組付けられてい
る。ロータ14は図1〜図3に示すように構成されてお
り、同ロータ14の詳細な説明については後述するが、
同シャフト12に対して一体回転可能に組付けられてい
る。かかるロータ14は作動ピストン13の一側に設け
た環状凹所13aの深さと略同じ厚みに形成されてい
て、環状凹所13a内に嵌合している。
【0018】エンドカバー15はインナシャフト12の
筒部12aの他端側外周に液密的に軸方向へ摺動可能か
つ回転可能に嵌合され、アウタケース11に対しては進
退可能に螺着され、かつ液密的となっている。かかるエ
ンドカバー15においては、軸方向の位置調整がなされ
てアウタケース11にカシメ手段にて固定され、その一
側面15aにて作動ピストン13の一側の環状外縁面に
当接し、その一側面15aと作動ピストン13の環状凹
所13aとによりロータ14が位置する流体室を形成し
ている。この流体室内にはシリコンオイル等高粘性流体
が封入されている。
【0019】しかして、ロータ14は図1〜図3に示す
ように円盤状を呈しており、環状本体14aの両側面に
は多数の凹所14bが形成されている。各凹所14bは
円周方向に等間隔に配設されて、外周方向へ放射状に延
びている。凹所14bは中央部の底面14b1と同底面
14b1の周方向の縁部から周方向の表面に延びる一対
の傾斜面14b2,14b3を備えた構造に形成されて
いる。なお、凹所14bの中央部の底面14b1はこれ
を切欠いて環状本体14aの両側面の凹所14bを互い
に連通させてもよい。また、ロータ14においては、環
状本体14aの外周に3枚のベーン14cが形成されて
いる。ベーン14cは略円弧状を呈しており、当該円弧
部における周方向の一端14c1が径外方へ所定量突出
していて、突出量が突出端14c1から周方向へ漸次減
少して隣接するベーン14cの突出端14c1にて最低
の突出量となっていて、円弧状傾斜面14c2に形成さ
れている。
【0020】かかるロータ14においては、環状本体1
4aの厚みが作動ピストン13の環状凹所13aの深さ
と略同じに形成されているとともに、各ベーン14cの
突出端14c1が環状凹所13aの外周面に略摺接する
突出量に形成されていて、インナシャフト12の外周に
一体回転可能に組付けられて同環状凹所13a内に嵌合
している。かかる状態において、ロータ14における環
状本体14aの各側面部と作動ピストン13の環状凹所
13aの一側面部およびエンドカバー15の一側面部間
には、各凹所14bに対応する多数の第1流体室R1が
形成され、かつ環状本体14aの外周部と環状凹所13
aの外周部間には各ベーン14cの円弧状傾斜面14c
2に対応する3つの第2流体室R2が形成されている。
【0021】かかる構成の駆動力伝達装置10において
は、第1、第2両プロペラシャフト25,26間に相対
回転が生じるとトルク伝達がなされる。すなわち、これ
ら両シャフト25,26に相対回転が生じると、第1プ
ロペラシャフト25に一体回転可能に組付けられている
アウタケース11、作動ピストン13およびエンドカバ
ー15と、第2プロペラシャフト26に一体回転可能に
組付けられているインナシャフト12およびロータ14
との間に相対回転が生じる。
【0022】従って、押圧力発生手段10aにおいて
は、第1および第2流体室R1,R2内の粘性流体が相
対回転数に比例した速度にて強制的に流動させられ、周
方向に順次相対移行する流体室R1,R2内では流動抵
抗に起因して各凹所14bおよび各ベーン14cの上流
側端から下流側端に向って漸次増圧される圧力分布が発
生する。この圧力分布の増圧部分は差動回転数に比例し
て増大するもので、作動ピストン13を軸方向へ押圧す
る。この結果、作動ピストン13は摩擦クラッチ10b
を押圧し、各クラッチプレート16aとクラッチディス
ク16bをクラッチオイルを介して摩擦係合させる。こ
れにより、摩擦クラッチ10bにおいては差動回転数に
比例したトルクをアウタケース11からインナシャフト
12に伝達し、車両は4輪駆動状態となる。また、この
4輪駆動状態においては前後輪の差動回転を許容し、タ
イトコーナブレーキング現象の発生も防止される。
【0023】しかして、当該駆動力伝達装置10におい
ては、ロータ14の正逆両方向の相対回転時各凹所14
bを構成する各傾斜面14b2,14b3のいずれかに
てくさび作用が発生して各凹所14bが形成する第1流
体室R1内に流体圧が発生し、かつロータ14の正転時
には各ベーン14cを構成する円弧面14c2にてくさ
び作用が発生して各ベーン14cが形成する第2流体室
R2内に流体圧が発生する。第1流体室R1内に発生す
る流体圧は、低差動領域における差動回転方向が反転す
る際の粘性流体と気体との位置的置換が瞬時になされる
ことから応答性が高く、また第2流体室R2内で発生す
る流体圧は差動回転数に対応するので、高差動領域にお
いて高くなる。従って、ロータ14の相対回転方向が正
転方向の場合には図5の実線グラフに示すように、両流
体室R1,R2内で発生する流体圧が低差動領域と高差
動領域でのトルク伝達を互いに補い、全差動領域でのト
ルク伝達特性を向上させる。
【0024】なお、当該駆動力伝達装置10において
は、各ベーン14cを回転方向の方向性を付与した形状
に構成している。すなわち、各ベーン14cにおける円
弧面14c2はロータ14の正転方向に対する円弧状傾
斜面に形成されていて、正転方向への回転時にのみ各ベ
ーン14cがくさび作用を発生する。このため、高差動
領域においては正転時の伝達トルクが大きいとともに逆
転時の伝達トルクは小さく、従って四輪駆動特有の循環
トルクを吸収することができるとともに、車両走行中の
前後輪間の回転位相差に伴う振動および籠り音を防止で
き、かつアンチロックブレーキシステム(ABS)制御
時における外乱を避けることができる。
【0025】図4には当該駆動力伝達装置10を構成す
るロータの変形例が示されている。当該ロータ14Aに
おいては、各凹所14dの数がロータ14の凹所14b
の数より少なく、かつベーン14eも外周に2つ形成さ
れている。各凹所14dおよび各ベーン14eは正逆回
転方向に対して対称の形状に形成されていて、正逆転時
の伝達トルクが略同一となるように構成されている。な
お、上記両ロータ14,14Aにおいて各凹所14b,
14dを構成する両傾斜面のいずれかを廃止すれば正転
時の伝達トルクを大きくかつ逆転時の伝達トルクを小さ
く設定することができて、上記循環トルク、振動および
籠り音、アンチロックブレーキシステム(ABS)制御
時における外乱等に十分対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る駆動力伝達装置の断面
図である。
【図2】同駆動力伝達装置における押圧力発生手段を構
成するロータの拡大正面図ある。
【図3】同ロータにおける図2の矢印3−3線方向の拡
大断面図である。
【図4】同駆動力伝達装置におけるロータの変形例を示
す図2に対応する正面図である。
【図5】同駆動力伝達装置における差動回転数と伝達ト
ルクの関係を示すグラフである。
【図6】同駆動力伝達装置を採用した四輪駆動車の概略
構成図である。
【符号の説明】
10…駆動力伝達装置、10a…押圧力発生手段、10
b…第1摩擦クラッチ、11…アウタケース、12…イ
ンナシャフト、13…作動ピストン、14,14A…ロ
ータ、14b,14d…凹所、14c,14e…ベー
ン、14b2,14b3…傾斜面、14c2…円弧状傾
斜面、15…エンドカバー、16a…クラッチプレー
ト、16b…クラッチディスク、25,26…プロペラ
シャフト、R1,R2…流体室。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同軸的かつ相対回転可能に位置する内外両
    回転部材間に配設され、これら両回転部材の相対回転に
    より作動して両回転部材をトルク伝達可能に連結する摩
    擦係合力を発生させるとともに付与される軸方向の押圧
    力に応じて前記摩擦係合力を増減させる摩擦クラッチ、
    および前記両回転部材の相対回転に応じた軸方向の押圧
    力を発生させて同押圧力を前記摩擦クラッチに付与する
    押圧力発生手段を備え、同押圧力発生手段を、前記両回
    転部材間に液密的に軸方向へ摺動可能かつ外側回転部材
    に一体回転可能に組付けられて前記摩擦クラッチの一側
    に対向する作動ピストンと、前記外側回転部材と前記作
    動ピストン間に形成され軸方向に所定間隔を有して粘性
    流体が封入される流体室と、同流体室にて前記内側回転
    部材に一体回転可能に組付けられ回転時前記流体室内に
    流体圧を発生させるロータとにより構成してなる駆動力
    伝達装置において、前記ロータを円盤状に形成して同ロ
    ータの側面部に少なくとも一方の回転方向に対する傾斜
    面を有する凹所を周方向に多数設けるとともに、同ロー
    タの外周部に径外方へ突出する1または複数のベーンを
    設けたことを特徴とする駆動力伝達装置。
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