JPH03140634A - ビスカスカップリング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明は、粘性流体を介し°Ｃトルク伝達を行うビス
カスカップリングに関する。

（従来の技術） 例えば４輪駆ｌ１ｌ（４ＷＤ）車の中には、前後輪間に
差動装置を設けずに、例えば前輪側をエンジン直結にし
後輪側をビスカスカップリングを介して駆動するよう（
構成されたものがある。この場合後輪側へ大きな駆動力
を伝達−するにはこのビスカスカップリングの伝達トル
クは大きくしたい。

しかし、このような４ＷＤ車に制動時の車輪ロックを防
止するアンチロックブレーキシスデム（ＡＢＳ）を適用
した場合、ビスカスカップリングの伝達トルクが大きい
と、例えば前輪側の制動力がビスカスカップリングを介
して後輪側に大きく作用するからＡＢＳになじまない。

一方、従来のビスカスカップリングは一方の相対回転方
向（正転）と他方の相対回転方向く逆転）とでトルク伝
達特性を変えることができない。従って、従来はビスカ
スカップリングの伝達トルクを小さくして車両の走破性
を犠牲にしＡＢＳとのマツチングを行なわざるを得なか
った。

又、ＡＢＳとのマツチングと走破性を両立させるには実
開昭６４−１４５３２号公報に記載されたような複雑な
構成のドグクラッチを用いて制動時に前輪と後輪との切
離しを行わなければならない。

（発明が解決しようとする課題） このように、前者では車両の走破性が犠牲にされ、後者
ではドグクラッチの装備分だけコスト高、重！１１ｍ加
、信頼性低下を招く。

そこで、この発明は正転と逆転とでトルク伝達特性を変
えることが可能で、例えば上記のような／ＩＷＤ車に用
いた揚台走破性を犠牲にすることなく、又特別な装置を
装備せずに、ＡＢＳとのマツチングを行えるビスカスカ
ップリングの提供を目的とする。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） この発明のビスカスカップリングは、相対回転自在に配
置された一対の連結部材と、これらの間に形成され高粘
度の流体が封入された作ＦＩＩ至と、この作動室内で軸
方向に交互配置され前記連結部材に各別に連結され欠損
部を有する複数枚のプレートとを備え、少くとも一方の
連結部材側のプレートはこの連結部材に対し周方向揺動
自在に連結された揺動プレート及び周方向に固定された
固定プレートからなり、これらプレートの欠損部の重な
りにより形成される開口面積が揺動プレートのｊ♂勤に
より変化することを特徴とする。

（作用） 反対方向のトルクを受けて揺動プレートが揺＃ｌＩする
と固定プレートとの間で互いの欠損部の重なりが形成す
る開口面積が変化する。間口面積が増せば粘性流体の剪
断抵抗が大きくなって伝達トルクが増大し、開口面積が
減れば伝達トルクは低下する。

（実施例） 第１図ないし第３図により第１実施例の説明をする。第
３図はこの実施例を用いた４ＷＤ車の動力系を示ず。以
下、車両左右の方向は第１図での左右の方向としその左
方向はこの車両の前方（第３図の上方）に相当する。

この車両の動力系は、エンジン１、トランスミッション
３、トランスファ５、フロントデフ７（前輪側のデファ
レンシャル装置）、前車軸９゜１１、左右の前輪１３．
１５、この実施例のビスカスカップリング１７、プロペ
ラシャフト１９、リヤデフ２１（後輪側のデフアレンジ
９ル装置）、後車軸２３．２５、左右の後輪２７．２９
などを備えてＪ５す、このように前輪側はエンジン直結
状態で後輪側はビスカスカップリング１７を介して駆動
される。又、この車両はＡＢＳを装備している。

ビスカスカップリング１７はハウジング３１（連結部ｖ
Ｉ）と、ハウジング３１の内部に相対回転自在に配置さ
れたハブ３３（連結部材）を備えている。ハウジング３
１はフランジ面３５に設けられたボルト穴３７によりト
ランスファ５側にフランジ連結されており、ハブ３３は
スプライン３９によりプロペラシャフト１９側の軸３６
に連結されている。ハウジング３１は左端部をベアリン
グ４１を介して軸３６に支承され、右端部をベアリング
４３を介してハブ３３に支承されている。

ハウジング３１とハブ３３の間にはリング状の作動室４
５が形成され、この作動室４５には高粘度のシリコンオ
イルが封入されている。ハウジング３１とハブ３３の間
には、作動室４５の左右に、Ｘリング４７．４７　（断
面がＸ字状のシール）が配置され作動室４５を液密状態
に保つでいる。

作動室４５の内部では内側のプレート４つと外側のプレ
ート５１が軸方向に相互配置されＣおり、プレート４つ
はハブ３３のスプライン５３に軸方向移動可能に連結さ
れプレート５１はハウジング３１のスプライン５５に連
結されている。プレート５１は、後述のように、揺動プ
レート５７と固定プレート５９とで１組を構成し各粗角
に内側のプレート４つの間に配置されている。各組の間
にはスペーサリング６１が配置され、ハウジング３１の
Ｂ６両側壁６３．６５内周には両プレート５７．５９を
当接状態に保つ皿バネ６７．６７が配置されている。各
プレート４９．５１には、第１図（ｂ　）　　（ｃ　）
に示すように、それぞれスリット６９．７１．７３　（
欠損部）が設けられている。

ハウジング３１とハブ３３の一方が回転すると、この回
転はシリコンオイルの剪断抵抗によりプレー１−４９．
５１間で授受され他方を回転させる。

このとぎ、両部材３１．３３間の回転差が大きい程これ
らの差動は大きく制限されて大きなトルクが伝達され、
回転差が小さい程差動制限力は小さく伝達トルクも小さ
くなる。又、各スリット６９゜７１．７３が大きい程シ
リコンオイルの剪断抵抗が大きくなり、差動制限力と伝
達トルクとが大きくなる。

第１図（ｂ　）　　（ｃ　）に示すように、固定プレー
ト５９は外周の凸部７５の幅がハウジング３１のスプラ
イン５５の各溝７７の幅にほぼ等しく、従ってハウジン
グ３１に対し周方向に固定されている。一方、揺動プレ
ート５７は外周の凸部７９の幅が溝７７の幅のほぼ半分
でありこの幅の差だけハウジング３１に対して揺動可能
である。

第１図（ｂ）に示すように、ハウジング３１が車両の前
進時の回転方向く矢印８１）に回転しハブ３３より先行
回転するとき、各プレート５７゜５９の各スリット７１
．７３は重なり合い全体としての開口面積は最大になる
。従って、シリコンオイルの剪断抵抗は最大になりこの
ときの伝達トルクは第２図の右半部に実線で示すグラフ
８３のようになる。又、第１図（Ｃ）に示すように、ハ
ブ３３が矢印８５の方向にハウジング３１より先行回転
するとき、各プレート５７．５９は互いのスリット７１
．７３を塞ぎ合い全体としての開口面積は零になる。従
って、剪断抵抗は最小になり第２図の左半部に実線のグ
ラフ８７で示される。

このときの伝達トルクは同図に破線のグラフ８９で示さ
れる実施例より小さくなる。なお、このグラフ８９は回
転方向によってスリット面積の変らない従来のビスカス
カップリングのトルク伝達特性である。このように、正
転と逆転とでスリットの開口面積が変化し、異ったトル
ク伝達特性が得られる。

次に、このように構成されたビスカスカップリング１７
の機能を第３図の車両の動力特性に即して説明する。

エンジン１の駆動力はトランスミッション３で変速され
フロントデフ７のデフケースからトランスファ５に入力
すると共に、フロントデフ７を介して左右の前輪１３．
１５に分割出力される。又、トランスファ５からビスカ
スカップリング１７を介して伝達されリヤデフ２１を介
して左右の後輪２７．２９に分割出力される。

良路上を直進する場合のように前後輪間の回転差が小さ
い状態ではビスカスカップリング１７の回転差が小さく
後輪側にはほとんど駆動力が伝達されない。従って、車
両は実質的に前輪駆動の２輪駆動状態となると共に、燃
費が向上する。

悪路などで前輪側が空転状態になると、ビスカスカップ
リング１７で回転差が生じ後輪側に駆動力が伝達される
。このときの回転方向は第１図（ｂ）に示す正転状態と
なり、第２図のグラフ８３のように大きな駆動力が後輪
側に送られ、走破性が向上する。

制動時に前輪側の制動力が大きくなると後輪側が先行回
転し、ビスカスカップリング１７は第１図（Ｃ）に示す
ような逆転状態となり、第２図のグラフ８７のように伝
達トルク（差動制限力）が小さくなる。従って、前輪側
の制動力が後輪側に与える影響が小さく、ＡＢＳは正常
に機能する。

車庫入れやＵターン時に前後輪間に生じる小さい回転差
はビスカスカップリング１７で吸収されるからタイトコ
ーナーブレーキング現象が防止される。

上記のように、制動時には伝達トルクを小さくできるか
ら、例えばスリット面積を大ぎくして駆動時の伝達トル
クを大きくし、走破性の向上及びＡＢＳとのマツチング
を高度に両立させることができる。又、従来例のような
特別な切離し装置が不要であるから、低コストであり、
重量の増加や信頼性の低下がない。

揺動プレートと固定プレートは第１実施例のようにハウ
ジング３１側ではなく、ハブ３３側に配置してもよい。

第４図に示す第２実施例はそのように構成されている。

以下、同一の部材には同一の番号を付して引用しながら
第１実施例との相異点を説明する。

作動室４５内において、ハウジング３１には外側のプレ
ート９３がスプライン９５で連結されている。又、揺動
プレート９７と固定プレート９つを１組とするプレート
組からなる内側のプレート１０１が外側のプレート９３
と軸方向相互に配置されている。揺動プレート９７はハ
ブ３３のスプライン１０３に周方向揺動自在に連結され
、固定プレート９９はスプライン１０３によりハブ３３
に周方向に固定されている。揺動プレート９７と固定プ
レート９つのスリットは、正転時には重なり合って開口
面積が最大となり逆転時には塞がれる。その他の構成、
機能、効果は第１実施例と同様である。

上記各実施例において、内外の各プレートのスリットに
逆回転のときにシリコンオイルが径方向内側へかき集め
られるような傾斜を与えれば、逆転時の伝達トルクを更
に小ざくすることができる。

なお、欠損部はスリットに限らず、例えば丸穴のような
他の形状でもよい。又、固定プレートと揺動プレートの
組合わせは２枚−組には限らない。

例えば各組に互いに異った位置、大きさ、形状の欠損部
をもった２枚以上の揺動プレートを配置し、でもよい。

更に、同じビスカスカップリングで内外で両プレートを
上記のような複数形成にしてもよい。両プレートの組合
せは部分的なものでもよい。

［発明の効果」 この発明のビスカスカップリングは、プレートの構成を
揺動プレートを含む複数構成にし回転方向によって欠損
部の開口面積が変化するように構成したから、正転と逆
転とで異ったトルク伝達特性が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図＜ａ　＞は第１実施例の断面図、同図（ｂ　）（
Ｃ）はそれぞれ正転時と逆転時とを示す（ａ）のＡ−Ａ
断面図、第２図はこの実施例と従来例の特性を比較する
ためのグラフ、第３図はこの実施例を用いた車両の動力
系を示すスケルトン構成図、第４図は第２実施例の断面
図である。 ３１・・・ハウジング（連結部材） ３３・・・ハブ（連結部材） ４５・・・作動室 ４９．５１．９３．１０１・・・プレート５７．９７・
・・揺動プレート ５９．９９・・・固定プレート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 相対回転自在に配置された一対の連結部材と、これらの
   間に形成され高粘度の流体が封入された作動室と、この
   作動室内で軸方向に交互配置され前記連結部材に各別に
   連結され欠損部を有する複数枚のプレートとを備え、少
   くとも一方の連結部材側のプレートはこの連結部材に対
   し周方向揺動自在に連結された揺動プレート及び周方向
   に固定された固定プレートからなり、これらプレートの
   欠損部の重なりにより形成される開口面積が揺動プレー
   トの揺動により変化することを特徴とするビスカスカッ
   プリング。