JPH0532670Y2 - - Google Patents

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JPH0532670Y2
JPH0532670Y2 JP1988068772U JP6877288U JPH0532670Y2 JP H0532670 Y2 JPH0532670 Y2 JP H0532670Y2 JP 1988068772 U JP1988068772 U JP 1988068772U JP 6877288 U JP6877288 U JP 6877288U JP H0532670 Y2 JPH0532670 Y2 JP H0532670Y2
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【考案の詳細な説明】 [考案の目的] (産業上の利用分野) この考案は、車両の動力伝達系等に組込まれ、
粘性流体を利用したビスカスカツプリングに関す
る。
(従来の技術) 従来の前輪駆動車ベースの四輪駆動車の動力伝
達系にあつては、前輪がトランスミツシヨンから
のトルクによつて直接的に駆動され、後輪は粘性
流体を利用したビスカスカツプリングを介して駆
動されるものがある。このような従来のビスカス
カツプリングとして第4図に示すようなものがあ
り、相対回転可能な第1回転部材101および第
2回転部材102と、この第1回転部材101お
よび第2回転部材102によつて画成され、粘性
流体が封入された作動室103と、この作動室1
03内に収納され、前記第1回転部材101およ
び第2回転部材102のそれぞれと交互にスプラ
イン連結(係合)する複数の第1抵抗板104お
よび第2抵抗板105とから構成されている。複
数の第2抵抗板105間にスペーサリング106
が介装されている。また、第1抵抗板104およ
び第2抵抗板105はそれぞれ第5図および第6
図に示すように切り欠き部104a,105aが
形成されている。ここで、前記第1回転部材10
1はトランスフアと、また前記第2回転部材10
2はプロペラシヤフトと連結されている。
前輪が路面摩擦係数の低い悪路でスリツプする
と、前輪と後輪との間には回転数差が生じる。こ
のため、第1抵抗板104と第2抵抗板105は
相対回転して粘性流体を剪断し、剪断抵抗をトル
クとして伝達するが、さらに相対回転が続くと次
にハンプ現象が起きる。ハンプ現象が起きると、
前記第1回転部材101と前記第2回転部材は略
直結状態となりトルクが後輪へ直接に伝達され、
この後輪によつて車両を押し出してスリツプ状態
から脱出している。
ところで、ハンプ現象というのは、ビスカスカ
ツプリングの第1、第2の抵抗板104,105
間の相対回転がある程度続き、粘性流体と第1、
第2抵抗板105,105との流体摩擦によつて
ビスカスカツプリングは発熱し、この内圧が上昇
する。ビスカスカツプリングの内圧が所定以上に
なると、第1抵抗板104の両側に圧力差が発生
し、第1、第2抵抗板104,105相互が密着
して伝達トルクが急激に上昇する状態をいう。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来のビスカスカツ
プリングにあつては、第1抵抗板104を第1回
転部材101にスプライン連結させるために作動
室103内に組み込むと、第1抵抗板104の切
り欠き部104a同士が対向することがある。こ
のように、第1抵抗板104の切り欠き部104
a同士が対向すると、隣接する第2抵抗板105
によつて区画された粘性流体にとつて第1抵抗板
104は壁とはならない。このため、第1抵抗板
104によつて区画された粘性流体は、隣りに区
画された粘性流体と連通していることになる。
ここで、第1抵抗板104と第2抵抗板105
とが相対回転して粘性流体が剪断されると、区画
された粘性流体の圧力においてアンバランス状態
が生じようとする。しかし、区画された粘性流体
は相互に連通しているので、粘性流体のアンバラ
ンス状態はなくなつてしまう。したがつて、この
粘性流体の圧力のアンバランス状態が生じて、第
1抵抗板104が壁となつて押圧され、第2抵抗
板105側に移動してこれと密着するというハン
プ現象は必ずしも起きなくなる。その結果、ビス
カスカツプリングの仕様やこれに封入された粘性
流体の粘度および充填率等が同じであつても、組
み立てられたビスカスカツプリングによつてはハ
ンプ現象が起きるものと起きないものとがあると
いう課題があつた。
[考案の構成] (課題を解決するための手段) このような問題を解決するために、この考案に
あつては、第1回転部材のスプラインに切歯部を
形成すると共に、この切歯部に係合する抵抗板側
欠歯部を第1抵抗板のスプライン歯に形成し、抵
抗板側欠歯部と対向する位置に切り欠き部が設け
られた抵抗板Aと抵抗板側欠歯部と対向する位置
に切り欠き部のない抵抗板Bとの2種類の第1抵
抗板を形成して、抵抗板Aと抵抗板Bとを第2抵
抗板を間に挟んで交互に配置し、第1抵抗板の切
り欠き部同士が相互に対向しないようにしたこと
を特徴としている。
(作用) たとえば、前輪側はエンジンより直接駆動さ
れ、後車輪はビスカスカツプリングを介して駆動
される四輪駆動車に用いた場合、車両が路面摩擦
係数の小さな悪路を走行するときに前輪がスリツ
プすると、前輪と後輪との間には回転数差が生じ
る。このため、第1抵抗板と第2抵抗板は相対回
転して粘性流体を剪断する。第1抵抗板または第
2抵抗板によつて区画される粘性流体の圧力にお
いて、アンバランス状態が生じようとする。第1
抵抗板または第2抵抗板はその切り欠き部が対向
しないように配設されているので、この第1抵抗
板または第2抵抗板は区画された粘性流体にとつ
て壁となつている。したがつて、第1抵抗板また
は第2抵抗板が壁となつて押圧され、移動して第
1抵抗板と第2抵抗板とは密着し、ハンプ現象は
必ず起きることになる。
(実施例) 以下、この考案を図面に基づいて説明する。第
1図ないし第3図はこの考案に係るビスカスカツ
プリングの一実施例を示す図である。
まず、構成を説明する。第1図はFFベースの
四輪駆動車の後輪駆動系に適用したもので、1は
エンジンのトルクがトランスミツシヨンから伝達
されるトランスフアのケースであり、このケース
1はベアリングケース2、一対の円すいころ軸受
3(ただし一対のうち一方のみを図示)、この一
対の円すいころ軸受3間に介装されたスペーサ4
等を介して、トランスフアの出力軸5を回転自在
に支持している。
この出力軸5とプロペラシヤフト(図示せず)
との間にはビスカスカツプリング6が介設されて
いる。すなわち、出力軸5とスプライン結合する
インナーハブ7aと、このインナーハブ7aに固
着された内側円筒7bとからなる第1回転部材8
が、出力軸5と一体回転するように取り付けられ
ている。第1回転部材8の外側には、内側円筒7
bと同一軸線となるように配された外側円筒9
と、この外側円筒9の両側端に固着された左側端
壁部材10と右側端壁部材11とからなる第2回
転部材12が配設されている。左側端壁部材10
はプロペラシヤフトと連結されており、このため
第2回転部材12に伝達されたトルクは、プロペ
ラシヤフトから差動装置、後輪駆動軸等を介して
後輪へ伝達される。左側端壁部材10と右側端壁
部材11とはそれぞれ出力軸5にころがり軸受1
3とニードル軸受14とを介して支持されてい
る。
第1回転部材8と第2回転部材12とによつて
密閉状の作動室15が画成されており、作動室1
5内には粘性流体としてのシリコンオイルが封入
されている。また作動室15を画成する第1回転
部材8の内側円筒7bの外周壁と、第2回転部材
12の外側円筒9の内周壁とには、それぞれ複数
の第1抵抗板16と複数の第2抵抗板17とが交
互にスプライン連結(係合)しており、円周方向
に一体回転する。第2抵抗板17の間にはスペー
サリング21が介装されている。
第1抵抗板16の外周側には第2図に示すよう
に外周縁に向けて切り欠き部16aが形成され、
また第2抵抗板17の内周側には第3図に示すよ
うに内周縁に向けて切り欠き部17aが形成され
ている。第1抵抗板16の内周縁に形成されたス
プライン歯の一部には欠歯部16bが設けられ、
この欠歯部16bは、図7に示すように第1回転
部材8の内側円筒7bの外周壁に形成されたスプ
ラインの切歯部8aと係合している。これらの欠
歯部16bと切歯部8aとで、第1抵抗板16を
内側円筒7bに組み込む際の位置決め手段が構成
されている。このとき第1抵抗板16は2種類作
成され一つの第1抵抗板16には前記の欠歯部1
6bと対向する位置に切り欠き部16aが設けら
れ、もう一つの第1抵抗板16には欠歯部16b
と異なる位置に切り欠き部16aが設けられてい
る。このように第1抵抗板16には2種類のもの
を製作しているので、第7図に示すように、第1
抵抗板16をこの切歯部16aが第1回転部材8
の切歯部8aと合うように相互に組み付ければ、
第2図に示すように、隣り合う第1抵抗板16の
切り欠き部16aの位置は対向せずに相違する状
態となつている。このため、第1抵抗板16によ
つて区画されたシリコンオイルにとつて、この第
1抵抗板16は壁となり、第1抵抗板16によつ
て区画された粘性流体は、隣りに区画されている
粘性流体とは連通してはいないことになる。
次に作用を説明する。
車両が舗装道路において直進走行するとき、エ
ンジンのトルクはトランスミツシヨンから前輪駆
動軸へ伝達され前輪駆動で走行する。このとき、
後輪は前輪駆動に対して連れ回る形となる為、ト
ランスフアとプロペラ軸との間に介設されたビス
カスカツプリング6の第1回転部材8と第2回転
部材12とは同時に回転する。
次に、車両が路面摩擦係数の小さな悪路を走行
するときに前輪がスリツプすると、前輪駆動軸と
連結する第1回転部材8は、エンジンから直接駆
動されるが前輪の抵抗が少なくなつているため
に、この前輪に伝達されたトルクは小さくしか発
揮されない。ここで、後輪がエンジン側回転数
(前輪駆動軸)より少く回転しているので、後輪
駆動軸と連結する第2回転部材12は第1回転部
材8より少く回転する。このため、前輪駆動軸と
後輪駆動軸との間すなわち第1回転部材8と第2
回転部材12との間には回転数差が生じ、第1抵
抗板16と第2抵抗板17とは相対回転してシリ
コンオイルを剪断し、後輪駆動軸側に駆動力を伝
達するが、この状態がある程度続くとハンプ現象
が起こる。このようにハンプ現象が起きると、第
1回転部材8と第2回転部材9は略直結状態とな
りトルクが後輪駆動軸へ直接に伝達され、後輪が
車両を押し出して前輪をスリツプしている状態か
ら脱出させる。
ところで、第1抵抗板16と第2抵抗板17と
によつてシリコンオイルが剪断されると、第1抵
抗板16によつて区画される粘性流体の圧力にお
いてアンバランス状態が生じようとする。ここ
で、第1抵抗板16はその切り欠き部16aが対
向しないように配設されているので、この第1抵
抗板16は区画された粘性流体にとつて壁となつ
ている。このため、第1抵抗板16によつて区画
された粘性流体は、隣りに区画されている粘性流
体と連通していないことになる。したがつて、区
画された粘性流体の圧力においてアンバランス状
態はそのまま続き、第1抵抗板16が壁となつて
押圧され、第2抵抗板17側に移動してこれと密
着することになり、ハンプ現象は必ず起きること
になる。その結果、ビスカスカツプリングの仕様
やこれに封入されたシリコンオイル粘度および充
填率等が同じであれば、組み立てられたどのビス
カスカツプリングにあつてもハンプ現象を安定し
て得ることができる。
なお、前記実施例にあつては、第2抵抗板17
の間にスペーサリング21を介装したので、第1
抵抗板16をこの切り欠き部16aが対向しない
ように配設したが、第1抵抗板16の間にスペー
サリング21を介装した場合には第2抵抗板17
をこの切り欠き部17aが対向しないように配設
することとする。
[考案の効果] 以上説明したように、この考案によれば、第1
抵抗板に形成された複数の切り欠き部が相互に対
向しないようにこの第1抵抗板を配設するか、ま
たは第2抵抗板に形成された複数の切り欠き部が
相互に対向しないようにこの第1抵抗板を配設す
るようにしたので、第1抵抗板または第2抵抗板
によつて区画される粘性流体にとつてこの第1抵
抗板または第2抵抗板は壁となつている。したが
つて、第1抵抗板または第2抵抗板は、粘性流体
の圧力においてアンバランス状態が生じると押圧
され、移動してこれらは密着することになり、ハ
ンプ現象は必ず起きることになる。その結果、ビ
スカスカツプリングの仕様やこれに封入されたシ
リコンオイル粘度および充填率等が同じであれ
ば、組み立てられたどのビスカスカツプリングに
あつてもハンプ現象を安定して得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図はこの考案に係るビスカス
カツプリングの一実施例を示す図であり、第1図
はこのビスカスカツプリングの断面図、第2図は
第1抵抗板の正面図、第3図は第2抵抗板の正面
図である。第4図ないし第6図は従来のビスカス
カツプリングを示す図であり、第4図はこのビス
カスカツプリングの断面図、第5図は第1抵抗板
の正面図、第6図は第2抵抗板の正面図、第7図
は第1回転部材の内側円筒を示す断面図である。 8……第1回転部材、12……第2回転部材、
15……作動室、16……第1抵抗板、17……
第2抵抗板、16a……切り欠き部、17a……
切り欠き部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 相対回転可能な第1回転部材および第2回転部
    材と、この第1回転部材および第2回転部材によ
    つて画成され粘性流体が封入された作動室と、前
    記第1回転部材のスプラインに係合するスプライ
    ン歯が形成された複数枚の第1抵抗板と、前記第
    2回転部材のスプラインに係合するスプライン歯
    が形成されると共に前記第1抵抗板とそれぞれ交
    互に配置された第2抵抗板と、第1抵抗板と第2
    抵抗板とが相対回転するときに受ける粘性流体の
    剪断抵抗を大きくするために第1抵抗板および第
    2抵抗板の周方向に所定の間隔で等間隔に形成さ
    れた複数の切り欠き部とを備えたビスカスカツプ
    リングにおいて、前記第1回転部材のスプライン
    に切歯部を形成すると共に、この切歯部に係合す
    る抵抗板側欠歯部を第1抵抗板のスプライン歯に
    形成し、抵抗板側欠歯部と対向する位置に切り欠
    き部が設けられた抵抗板Aと抵抗板側欠歯部と対
    向する位置に切り欠き部のない抵抗板Bとの2種
    類の第1抵抗板を形成して、前記抵抗板Aと前記
    抵抗板Bとを前記第2抵抗板を間に挟んで交互に
    配置し、前記第1抵抗板の切り欠き部同士が相互
    に対向しないようにしたことを特徴とするビスカ
    スカツプリング。
JP1988068772U 1988-05-26 1988-05-26 Expired - Lifetime JPH0532670Y2 (ja)

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JPH01171932U JPH01171932U (ja) 1989-12-06
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JPS47203U (ja) * 1971-11-12 1972-05-22

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