JP3927853B2 - 引戸錠の戸の反発防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、引戸錠の戸の反発防止装置に関し、特に戸の慣性力を利用した引戸錠の戸の反発防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来に関しては、例えば実公昭63−28286号の第1図に記載されている。この第1図に記載の従来例は、錠箱内に進退動自在に設けられたトリガー(突出杆)と、このトリガーを突出方向に付勢するトリガーバネと、前記トリガーに連動するように支軸を介して錠箱に軸支された鎌片(施錠片)と、戸の閉鎖時に慣性力によって回転するように枢軸を介して錠箱に軸支された鎌片用係止片とから成る。
【0003】
上記構成においては、鎌片の下方に配設された鎌片用係止片が主たる部材であり、該係止片は、閉戸時、戸の慣性力によって鎌片の後端部側を係止する方向へと回転し、鎌片の戻りを一時的に阻止する。これにより、引戸を勢い良く閉鎖した時に生じる反動力(「戸の跳ね返り現象」と称する。)を解消することができる。なお、例えば実公昭63−28286号公報の明細書全文及び図面に記載されているように、錠箱内にトリガーとトリガーバネと鎌片を備えるこの種の引戸錠は、戸を閉じる時に、突出杆(トリガーと称されている)3の突出先端部が受8の前面に押されると、該突出杆(トリガー)3がケース1内の後端部側の位置するバネ(トリガーバネと称されている)2のバネ力に抗して後退する。この時、連係手段(例えばラック3aとギヤー部4b)を介して突出杆(トリガー)3 に連動する施錠片(鎌片と称されている)4は、受8に掛合する方向へと枢支軸6を介して回転する。一方、戸を開く時には、突出杆(トリガー)3は、バネ(トリガーバネ)2のバネ力により前進することから、施錠片(鎌片)4は、連係手段を介して初期位置へと戻る(公知事項)。
【0004】
確かにこの構成はシンプルであり、耐久性にも優れているという利点がある。しかしながら、従来例は、鎌片用係止片が枢軸を支点に回転するので、閉戸時、受け金具に掛合した鎌片の後端部の係合切欠部に係止片の係合部が「ガッチリ」と係合した場合には、係止片の自重により係合状態が解消するとは言うものの、実際には戸の反動力が終わった直後に係合状態が解消しない場合がしばしばある。特に、戸の跳ね返り現象の影響で鎌片が微妙に錠箱側に後退した時、鎌片の係合切欠部の係合面が係止片の先端の係合面に押し当たるので、戸の反動力が終わった後であっても、係止片は容易に戻らないという問題点があった。したがって、引戸の解錠時に於いて、引戸を一旦閉戸方向に閉め直さなければ、引戸を開くことが困難であるという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の欠点に鑑み、第1の目的は、従来の実施例と同様に戸の慣性力を利用することにより、戸の跳ね返り現象を確実に防止することができる反面、戸の反動力が終わった直後に、鎌片用係止部材の障害子の機能を果している転動体が、自重により、すぐに初期位置(扉の開く方向)に戻ることができ、これにより、引戸の解錠時に於いて、引戸を一旦閉戸方向に閉め直さなくても、そのまま引戸を開くことができることである。本発明の第2の目的は、鎌片用係止部材がスムースに上下動することである。本発明の第3の目的は、引戸を勢い良く閉めた時に転動体が瞬時に浮上中の鎌片用係止部材の下方に潜り込むことである。本発明の第3の目的は、構成部品点数を極力少なくし、安価に製作することができることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
引戸錠の戸の反発防止装置は、錠箱内に進退動自在に設けられたトリガーと、このトリガーを突出方向に付勢するトリガーバネと、戸を閉じる時にトリガーバネのバネ力に抗して後退する反面、戸を開く時にトリガーバネのバネ力により前進するトリガーに連動するように支軸を介して錠箱に軸支された鎌片と、戸の閉戸時に慣性力によって作動するように錠箱内に設けられた鎌片用係止部材とから成る引戸錠の戸の反発防止装置に於いて、前記鎌片用係止部材30は、鎌片の下方に位置するように錠箱に上下動自在に配設された杆状のスライダーであり、このスライダーは、開戸時、錠箱に内装されたバネ部材31により、その頭部38が鎌片6の外周面32aに常時圧接するように付勢され、一方、引戸Xを勢い良く閉鎖した閉戸時、前記バネ部材のバネ力により固定部材側Yの受け金具14に掛合した鎌片6を押えるように浮上し、この時に、鎌片の下方に設けた転動体27が、錠箱1に配設した傾斜状のレール部材20を戸の慣性力によって瞬時に登り、スライダーの下方に一時的に潜り込んだ後に自重により初期位置へと戻ることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1乃至6図は、本発明の第1実施例を示す各説明図である。以下、引戸錠の戸の反発防止装置について説明する。1は錠箱である。錠箱1は、ケース身2と、ケース蓋3とから成る。ケース身2は一体のフロント4を有する。錠箱1はフロント4、固着具9を介して引戸Xに固定されている。ケース身2には、図示しない軸孔、トリガー5用案内部などが適宜に形成されている。またケース身2には鎌片6の幅広後端部に設けられた係合ピン7と係合する弧状案内部(案内長孔、案内溝など)8が形成されている。ケース身2の上部に下向きに形成された弧状案内長孔8は仮想線で示してある。本実施例では、ケース身2とフロント4は主に合成樹脂材で一体に成形されている。但し、後述する鎌片用支軸17を有する部分は、錠箱1の耐久性を図るために金属で形成されている。
【0008】
ここで図1及び図2を参照にしてフロント4を説明する。10はフロント4の上部側で、かつ、ケース身2の内部方向に形成された凹所である。この凹所10は上下に対称的な傾斜面10a,10bを有すると共に、凹所10内の上部にトリガー5用の角型嵌合孔11が形成されている。またフロント4の中央部には、鎌片6用の縦長窓12が形成されている。フロント4にこのような凹所10を形成した理由は、後述する戸枠側の受け金具14がシンプルな形態(例えばアングル形状)である場合に於いて、閉戸時、受け金具14の掛合部14aが凹所10内まで入り込み、結果としてトリガー5を十分に押し付けることができるからである。
【0009】
トリガー5は、前記凹所10の角型嵌合孔11に貫通状態に嵌挿されている。13はトリガー5の後端部と錠箱1(ケース身2)の後壁1aとの間に設けられたトリガーバネである。トリガー5は、図1で示すように引戸Xを開いた時(ここでは「開戸時」という。)、このトリガーバネ13のバネ力によりフロント4から水平方向に突出し、一方、引戸Xを閉じた時(ここでは「閉戸時」という。)、戸枠Y側の受け金具14に当たりながらかつトリガーバネ13のバネ力に抗して錠箱1内へと後退する(図4,図5参照)。
【0010】
15はトリガー5の後端部の下辺に突出形成された下向き凹所状の嵌合部である。この嵌合部15の対向側壁には半円状の切欠部16が形成されている。この嵌合部15内には、鎌片6の後端部6aが遊嵌合する(図1で嵌合部の向こう側の側壁が見えている)。一方、前記切欠部16には、前述した弧状案内部8に係合した係合ピン7が入り込んでいる。
【0011】
トリガー5は、開戸時、嵌合部15の一端面がフロント4の凹所10の内壁面10cに面接触することにより所定位置で停止する。したがって、前記凹所10の内壁面10cは、トリガー5に対するストッパー機能を発揮する。
【0012】
金属製の鎌片6は支軸17を介して錠箱1に回転自在に設けられている。支軸17は、トリガー5の嵌合部15付近に位置するように図示しない金属製の軸孔を有する一対の支板を介して錠箱1に横設されている。また鎌片6は、幅広の後端部6aが支軸17に軸支されているので、開戸時、垂れ下がり状となり、その指先状先端部6bはフロント4の縦長窓12内に位置している。支軸17を中心に弧を描く係合ピン7は、前述したようにトリガー5の切欠部16内に入り込んでいるので、鎌片6は該係合ピン7を介してトリガー5に連動する。
【0013】
20は錠箱1内の下部に固定的に配設された傾斜状レール部材である。このレール部材20は、本実施例では、図3で示すように錠箱1の後壁1a側からフロント4側に向かって所要の(例えばゆるやかな)勾配が付された登り坂を有する支持台21と、この支持台21の前記登り坂22に固定された長環状のガイドレール23とから成る。
【0014】
しかして、前記支持台21の高台部分には、立ち上がり壁の上部に平坦なバネ端支持部24が設けられ、また支持台21の中央部には、高台部分側から低台部分に至るまで凹所状の受入れ部25が形成されている。
一方、前記ガイドレール23は、凹所状受入れ部25と連通する長孔状受孔26を有する長環状(陸上競技場のトラック形状)に形成され、支持台21の登り坂22に固定的に敷設されている。
【0015】
27はレール部材20を転動する球状の転動体或いは滑動体である。この転動体27は、中央部が膨らんだ棒状体、ソロバン玉形状、パチンコ玉形状、滑車など傾斜状レール部材20を転がるものであれば、特に形状を限定するものではない。本実施例ではパチンコ玉形状の球体を用いている。
本実施例の球状転動体27は、例えばガイドレール23の長孔状受孔26の両縁部に支持された状態で転動するので、受孔26の横幅(内径)と転動体27の大きさ(外径)は、適宜に設定されている。
【0016】
しかして、転動体27は、引戸Xの閉戸時、その慣性力によってガイドレール23を転がりながら登(上)り、後述するスライダー片の下方に一時的に潜り込んだ後に、自重により初期位置へと転がり落ちる。28は転がり落ちてくる転動体27を受止めることができるようにレール部材20の後端面の上方に横設された棒状或いは板状ストッパーである。この転動体27は、望ましくは後述するスライダー30の下端部近傍に単数又は複数個のストッパー28を介して位置付けられている。
【0017】
30は錠箱1に形成された複数個の垂直案内部に案内されて上下動する縦杆状スライダーである。このスライダーは、戸の閉鎖時に慣性力によって作動する鎌片用係止部材の一種である。このスライダー(鎌片用係止部材)30は、前述したレール部材20のバネ端支持部24に縦方向に適宜に配設したバネ部材としてのスライダーバネ31により、鎌片6の外周面32a,32bに常時圧接するように付勢されている。
【0018】
しかして、スライダー30は、本実施例では全体として羽が短くかつ首が長い鳥状に形成されている。すなわち、33はレール部材20の支持台21の受入れ部25に遊嵌合する胴部である。34は胴部33の両側面に突設された短い羽状の突片部で、これらの突片部34はスライダー30を下方に押し込んだ場合にはレール部材20のガイドレール23に当接可能である。35は胴部33から上方に延伸する鶴首状の首部で、この首部35の下部の両側面には、錠箱1に形成された第1垂直案内部(垂直案内長孔、垂直案内溝など)36と係合する下部係合突起37,37が形成されている。38は首部35に連設する頭部で、この頭部38の両側面には、錠箱1に形成された第2垂直案内部(垂直案内長孔、垂直案内溝など)39と係合する上部係合突起40,40が形成されている。なお、頭部38は顎部分を有しているが、この顎部分にスライダーバネ31の上端部が適宜に支持される。
【0019】
ところで、前述した第1垂直案内部36と第2垂直案内部39は、錠箱1のフロント4付近のケース身2とケース蓋3(ケース蓋3の方は便宜上図示を省略)にそれぞれ対向的に形成され、下方の第1垂直案内部36よりも上方の第2垂直案内部39の方がフロント4側に位置している。
【0020】
は、本実施例では錠箱1に形成された縦長の大切欠部42を貫通している。ここでは図示を省略するが、大切欠部42と前記上方の第2垂直案内部39の間には小切欠部を形成することにより、ロック部41用のバネ性係合部ができている。
【0021】
上記構成に於いて、図1は引戸Xの開戸時を示す。前述したように、トリガー5は、トリガーバネ13のバネ力によりフロント4から水平方向に突出している。この時トリガーバネ13の嵌合部15はフロント4の凹所10の内壁面10cに面接触することにより所定位置で停止している。また鎌片6の係合ピン7はトリガーバネ13の切欠部16内の左側に位置し、鎌片6の先端部6bはフロント4の縦長窓12内に位置している。また、スライダー30は鎌片6に押されているので、その頭部38は収縮したスライダーバネ31のバネ力により、鎌片6の弧状外周面32aに圧接している。また、転動体27は、初期位置にバックしてストッパー28に当っている。さらに、操作片の横杆状ロック部41は、鎌片6から離れて大切欠部42の下部側に位置している(スライダー30の首部35の背面に位置している)。
【0022】
図4は引戸Xの閉戸時に於ける鎌片の中途状態を示している。引戸Xの閉戸時にトリガー5の先端部5aが受け金具14の掛合部14aに当ると、トリガー5はトリガーバネ13のバネ力に抗して錠箱1内へと後退する。この時鎌片6は、トリガー5の切欠部16及び鎌片6の係合ピン7を介してトリガー5の動きに連動する。つまり、鎌片6はトリガー5が錠箱内に後退する掛合方向に回転する。
鎌片6が矢印で示すように支軸17を支点に時計方向へと回転すると、スライダー30は鎌片6の弧状外周面32aに押されて一旦スライダーバネ31のバネ力に抗して収縮する。この時転動体27は、まだ初期位置に停止している。
【0023】
図5は引戸Xが戸枠側の固定部材に衝突する直前の説明図である。衝突直前になると、鎌片6はトリガー5の後退動に連動して相当回転しているので、その先端部6aは受け金具14の掛合部14aに相当係合し始めている。このような状態になると、スライダー30の頭部38は鎌片6の直線状外周面32bに摺接するので、スライダーバネ31のバネ力により上昇する。その結果、スライダー30の下端部(胴部)33はガイドレール23から浮いた格好となる。
【0024】
図6は引戸Xを勢い良く閉めた時の状態を示している。引戸Xを「パターン」と勢い良く閉めた時、戸先は戸枠、柱等の不動産を構成する固定部材の当接部に衝突する。この衝突時、トリガー5はトリガーバネ13のバネ力に抗して錠箱1内へと完全に後退する。一方、鎌片6は受け金具14に完全に掛合する。またスライダー30はスライダーバネ31のバネ力により第1及び第2垂直案内部36,39に案内されながら上昇する。スライダー30が上昇すると、前述したようにその頭部38は鎌片の直線状外周面32bに突き当たる反面、胴部33はレール部材20のガイドレール23から離れて浮いた格好となっている。この時、引戸Xに反力が作用し始める(戸の跳ね返り現象)が、それと同時に転動体27は慣性力によってガイドレール23を瞬時に登り、スライダーの下方空間に一時的に潜り込む。したがって、転動体27がスライダー片の下方に位置した瞬間、引戸Xに反力が作用しても(戸の跳ね返り現象が生じても)、引戸Xは反力により開かない。
【0025】
換言すれば、戸衝突時、当然に鎌片6は受け金具14を介して反時計方向へ戻ろうとするが、転動体27がスライダー片の下方に転がり込んでいるので、転動体27が障害子となり、スライダー30は鎌片6に対する係止機能を発揮する。そして、閉戸時、引戸Xに反力が作用しなくなると(戸の跳ね返りを防止した直後)、スライダー30はスライダーバネ31のバネ力により浮いたままの状態なので、転動体27は、障害物がない限り、自重によりガイドレール23を転がり落ち、初期位置へと戻る。その後、操作部材を上方へ操作すると、操作部材のロック部41は、図6の仮想線で示すように大切欠部42の上方へと移動し、図示しないバネ性係合部に係止された状態で鎌片6の後端部の切欠状係合部32cに係合する。
【0026】
【実施例】
次に、この欄では第2実施例について説明する。なお、第2の実施例の説明にあたって、第1実施例と同一又は同様(機能が同一)の部分には、同一又は同様の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
図7乃至図9に示す第2実施例の係止部材30Aも第1実施例の鎌片用係止部材30と同様に、鎌片6の下方に位置するように錠箱1Aに上下動自在に配設された杆状のスライダーである点、このスライダー30Aは、図9で示すように開戸時、錠箱1Aに内装されたバネ部材31Aにより、その頭部38Aが鎌片6の外周面32aに常時圧接するように付勢され、一方、図7で示すように引戸Xを勢い良く閉鎖した閉戸時、前記バネ部材31Aのバネ力により固定部材側Yの受け金具14に掛合した鎌片6を押えるように浮上する点、この時に、鎌片6の下方に設けた転動体27が、錠箱1に配設した傾斜状のレール部材20Aを瞬時に登る点は同様である。
【0028】
しかしながら、鎌片用係止部材30Aの形状は、図8で示すように長首状垂直棒35Aの上端部に頭部38Aのみを設けてシンプルに形成されている点、前記頭部38Aに錠箱1A(ケース身2A,ケース蓋3A)に形成した一対の垂直案内部39Aのみに係合する左右一対の係合突起40A,40Aが設けられている点、鎌片用係止部材30Aの垂直棒35Aを案内し、かつ、前記バネ部材31Aの下端面を受ける支持台状の案内部材50をフロント4Aの下部寄りの内面に固定的に突設した点(例えば案内部材50をケース身に設けても良い)、傾斜状のレール部材20Aを長環状のガイドレールを有しない支持台のみにした点、ストッパー28Aが複数個である点が異なる。なお、前記案内部材50は垂直方向に貫通孔51を有し、この貫通孔51に垂直棒35Aの下端部がスライド自在に嵌入している。
【0029】
上記構成に於いて、図9は引戸Xの開戸時を示す。一方、図7は引戸を勢い良く閉めた時の状態を示す。これらの図から明らかなように、第2実施例の作用・効果も第1実施例と同様なので、詳細な説明は割愛する。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、次に列挙するような作用・効果がある。
(1)従来の実施例と同様に戸の慣性力を利用することにより、戸の跳ね返り現象を確実に防止することができる反面、戸の反動力が終わった直後に、鎌片用係止部材の障害子の機能を果している転動体が、自重により、すぐに初期位置(扉の開く方向)に戻ることができ、これにより、引戸の解錠時に於いて、引戸を一旦閉戸方向に閉め直さなくても、そのまま引戸を開くことができる。
(2)その他、鎌片用係止部材がスムースに上下動する、引戸を勢い良く閉めた時に転動体が瞬時に浮上中の鎌片用係止部材の下方に潜り込む、構成する部品点数が少ないので、安価に製作することができるなどの効果がある。
(3)請求項4に記載の発明は、戸枠側の受け金具14がシンプルな形態(例えばアングル形状)である場合に於いて、閉戸時、受け金具14の掛合部14aが凹所10内まで入り込み、結果としてトリガー5を十分に押し付けることができる。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図6は本発明の第1実施例を示す各概略説明図。図7乃至図9は本発明の第2実施例を示す各概略説明図。
【図1】第1実施例の概略縦断面説明図。
【図2】フロントの正面から見た説明図。
【図3】主要部の分解説明図。
【図4】引戸の閉戸時に於ける鎌片の中途状態を示す作動状態の説明図。
【図5】引戸が戸枠側の固定部材に衝突する直前の説明図。
【図6】引戸を勢い良く閉めた時の状態を示す説明図。
【図7】第2実施例の概略縦断面説明図。
【図8】第2実施例の主要部の分解説明図。
【図9】引戸を勢い良く閉めた時の状態を示す説明図。
【符号の説明】
X…引戸、Y…固定部材、1,1A…錠箱、2,2A…ケース身、3,3A…ケース蓋、4,4A…フロント、5…トリガー、6…鎌片、7…係合ピン7、8…弧状案内部、9…固着具、10…凹所、11…嵌合孔、12…縦長窓、13…トリガーバネ、14…受け金具、15…嵌合部、16…切欠部、17…鎌片用支軸、20,20A…レール部材、21…支持台、22…登り坂、23…ガイドレール、24…バネ端支持部、25…受入れ部、26…長孔状受孔、27…転動体、28…ストッパー、30,30A…鎌片用係止部材(スライダー)、31,31A…バネ部材(スライダーバネ)、32a…鎌片の弧状外周面、32b…鎌片の直線状外周面、32c…鎌片の係合切欠部、33…胴部、34…突片部、35,35A…首部、36…第1垂直案内部、37…下部係合突起、38,38A…頭部、39,39A…第2垂直案内部、40,40A…上部係合突起、41…ロック部、50…案内部材。
Claims (6)
- 錠箱内に進退動自在に設けられたトリガーと、このトリガーを突出方向に付勢するトリガーバネと、戸を閉じる時にトリガーバネのバネ力に抗して後退する反面、戸を開く時にトリガーバネのバネ力により前進するトリガーに連動するように支軸を介して錠箱に軸支された鎌片と、戸の閉戸時に慣性力によって作動するように錠箱内に設けられた鎌片用係止部材とから成る引戸錠の戸の反発防止装置に於いて、前記鎌片用係止部材30は、鎌片の下方に位置するように錠箱に上下動自在に配設された杆状のスライダーであり、このスライダーは、開戸時、錠箱に内装されたバネ部材31により、その頭部38が鎌片6の外周面32aに常時圧接するように付勢され、一方、引戸Xを勢い良く閉鎖した閉戸時、前記バネ部材のバネ力により固定部材側Yの受け金具14に掛合した鎌片6を押えるように浮上し、この時に、鎌片の下方に設けた転動体27が、錠箱1に配設した傾斜状のレール部材20を戸の慣性力によって瞬時に登り、スライダーの下方に一時的に潜り込んだ後に自重により初期位置へと戻ることを特徴とする引戸錠の戸の反発防止装置。
- 請求項1に於いて、杆状のスライダーは、錠箱に形成した垂直案内部に案内されていることを特徴とする引戸錠の戸の反発防止装置。
- 請求項1又は請求項2に於いて、杆状のスライダーは、錠箱内に固定された台状の案内部材にスライド自在に案内される垂直棒35Aと、この垂直棒35Aの上端部に設けられた頭部38Aとを有していることを特徴とする引戸錠の戸の反発防止装置。
- 請求項1に於いて、錠箱のフロント4には、ケース身2の内部方向に凹所10が形成されていることを特徴とする引戸錠の戸の反発防止装置。
- 請求項1に於いて、傾斜状レール部材20は、錠箱1の後壁1a側からフロント4側に向かって所要の勾配が付された登り坂を有する支持台21と、この支持台21の前記登り坂22に固定された長環状のガイドレール23とから成ることを特徴とする引戸錠の戸の反発防止装置。
- 請求項5に於いて、支持台21の高台部分には、立ち上がり壁の上部に平坦なバネ端支持部24が設けられていることを特徴とする引戸錠の戸の反発防止装置。
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