JP3927661B2 - 現像装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents
現像装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真記録方法等により画像を形成する際に、磁性現像剤により画像を現像する現像装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真記録方法等により画像を形成する画像形成装置においては、像担持体である電子写真感光体、および、電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能に構成したプロセスカートリッジ方式が採用される場合がある。
【0003】
このプロセスカートリッジ方式によれば、装置の主要な部材のメンテナンスを、プロセスカートリッジを交換することによりサービスマンによらずに、ユーザー自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができる。そのため、このプロセスカートリッジ方式は、プリンタ等の画像形成装置において広く用いられている。
【0004】
このようなプロセスカートリッジに内蔵された現像手段である現像装置においては、現像剤を担持しながら回転して静電潜像を現像する現像領域へ現像剤を搬送できる現像剤像担持体である現像スリーブの両端部に、現像領域外へ現像剤が流出するのを防止するためのシール部材が設けられている。
【0005】
現像剤の流出を防ぐシール部材には、フェルトや発砲ゴムなどの弾性体が広く利用されている。図14と図15とに、シール部材を用いた場合の例を示す。図14は従来のプロセスカートリッジに内蔵された現像装置の要部を示す正面説明図で、図15は現像装置の要部を示す側面説明図である。
【0006】
図14に示すように、現像剤を担持する現像スリーブ31は、その内部に磁石ローラ32が配置されている。また、図15に示すように、現像スリーブ31が、現像剤を収容する現像容器30の所定位置に設けられたスリーブ軸受35を介して現像容器30に回転可能に支持されて、現像容器30から供給された現像剤が、磁石ローラ32の磁力により現像スリーブ31の表面に付着し、現像スリーブ31に当接された現像ブレード33により層厚が所定の厚さに規制された後、現像スリーブ31の回転に伴って、現像スリーブ31と相対する位置に配置された感光ドラム上の潜像と対向する位置である現像領域に搬送され、現像領域に搬送された現像剤が潜像に付着して現像が行われるようになっている。
【0007】
このとき、現像スリーブ31の現像領域より外側の長手方向の両端部で現像容器30に装着される現像スリーブ31の現像容器30側に、弾性シール部材36が取り付けられている。この弾性シール部材36は、例えばフェルトや発砲ゴムなどにより現像スリーブ36の外周面に沿った断面略円弧状に形成されており、弾性シール部材36を現像スリーブ31の外周面に圧接させることにより、現像スリーブ31の表面から長手方向の端部へ現像剤が流出することを防止している。
【0008】
上記構成の弾性シール部材を用いた現像装置では、現像スリーブ31の両端部の外周面の略半分の位置に弾性シール部材36が圧接しているため、現像動作時に回転動作する現像スリーブ31の負荷が大きく、また現像スリーブ31との接触により弾性シール部材36が劣化してシール性が悪化するなどの問題があるとともに、現像スリーブ31と弾性シール部材36との間の隙間からわずかではあるがトナーが進入してしまう場合があり、これが原因でトルクが高くなったり、トルクの変動が大きくなって回転ムラが生じ、画像形成に悪影響を及ぼすことがあった。
【0009】
そのため、これらの問題を解決すべく、現像スリーブの弾性シール部材が設けられている位置に、弾性シール部材に代えて、現像スリーブの両端部の外周面に沿って所定間隔を開けて磁石シール部材を配置し、これにより現像剤の流出を防止する方法が提案されている。
【0010】
図16に、磁石シール部材を用いた現像装置を示す正面説明図を示す。現像スリーブ31の両端に設けられる磁石シール部材37は、現像スリーブ31の外周に沿った断面略円弧状に形成された磁石で、その内周面にNS極を多磁極に着磁している。また、磁石シール部材37は、その内部に磁石ローラ32を有した現像スリーブ31の両端部で、現像容器側の外周面に対して一定の隙間gを隔てて配置され、隙間gを保った状態で現像スリーブ31と共に現像容器に取り付けられている。なお、磁石シール部材37は、磁石ローラの磁極と対向する位置の磁石シール部材の内周面に磁極が設けられている。
【0011】
この磁石シール部材37は、現像スリーブ31内の磁石ローラ32と磁石シール部材37とで形成される磁界により、現像スリーブの端部と磁石シール部材との間に現像剤を拘束してシール部を形成し、そのシール部で現像スリーブの長手方向端部に移動してきた現像剤を塞き止めることにより、現像スリーブの端部からの現像剤の流出を防止できるものである。
【0012】
上記の磁石シールを用いた場合は、現像スリーブと磁石シール部材とが非接触に保たれており、現像スリーブの回転トルクは著しく小さくなるため、騒動モータも小型で低価格なものでよく、また回転トルクの変動も小さく、現像スリーブや感光ドラムの回転ムラが生じにくくなるとともに、磁石シール部材の摩耗などもないので、その使用は半永久的であり、リサイクルにも対応可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の磁石シール部材を用いた場合では、現像スリーブ内部の固定磁石と磁石シール部材との磁束密度や磁気力などの関係に充分な考慮がされていないことから、使用状況によっては、現像スリーブの端部から現像剤が漏れる場合があるという問題があった。
【0014】
例えば、現像装置使用時に現像スリーブ上に担持された現像剤が現像スリーブの回転に伴い、現像スリーブの長手方向端部へ大量に移動し、移動してきた現像剤が現像スリーブの端部と磁石シール部材との間に形成されたシール部をすり抜ける等の問題を生ずる場合があった。
【0015】
そこで、本発明は、現像スリーブ長手方向への現像剤のすり抜けを抑制・防止できるとともに、衝撃等によって生じる現像剤の漏れを抑制・防止できるようにした現像装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本出願にかかる第1の発明によれば、上記目的は、磁性現像剤を収容する現像容器と、現像容器に回転自在に支持されるとともにその内部に複数の磁極を有する磁石が配置されることにより現像剤を所定方向に担持搬送できる現像剤担持体と、現像剤担持体の両端で現像容器側の現像剤担持体と対向する位置に所定間隔を開けて配置された磁石シール部材とを有する現像装置において、現像剤担持体内の磁極位置での磁極による現像剤担持体表面に対する法線方向の磁束密度のピーク値をBr1とし、上記磁極と対向する位置での磁石シール部材による現像剤担持体表面に対する法線方向の磁束密度のピーク値をBr2としたとき、現像剤担持体内の磁極の磁束密度のピーク値Br1と、磁石シール部材の磁束密度のピーク値Br2との関係を、Br1<Br2とすることにより達成される。
【0017】
また、本出願にかかる第2の発明によれば、上記目的は、磁性現像剤を収容する現像容器と、現像容器に回転自在に支持されるとともにその内部に複数の磁極を有する磁石が配置されることにより現像剤を所定方向に担持搬送できる現像剤担持体と、現像剤担持体の両端で現像容器側の現像剤担持体と対向する位置に所定間隔を開けて配置された磁石シール部材とを有する現像装置において、現像剤担持体内の磁極位置で、現像剤担持体内の磁石の磁極による現像剤担持体表面に対する法線方向の磁気力の大きさをFr1とし、上記磁極と対向する位置での磁石シール部材による現像剤担持体表面に対する法線方向の磁気力の大きさをFr2としたとき、現像剤担持体内の磁極の磁気力の大きさFr1と、磁石シール部材の磁気力の大きさFr2との関係を、Fr1<Fr2とすることにより達成される。
【0018】
また、本出願にかかる第3の発明によれば、上記目的は、磁石シール部材は、その内周面の現像剤担持体内の磁石の磁極の位置および磁極と磁極との間である磁極無部と対向する位置に、NS極を多磁極に着磁させて形成されているとともに、磁石シール部材による現像剤担持体表面における磁極間位置の磁束密度の値を、磁石シール部材による現像剤担持体表面における磁極位置の磁束密度の値の80%以上、かつ120%以下とすることにより達成される。
【0019】
また、本出願にかかる第4の発明によれば、上記目的は、磁石シール部材と現像剤担持体内の磁石との互いに対向する位置に、異極性の磁極を設けることにより達成される。
【0020】
また、本出願にかかる第5の発明によれば、上記目的は、磁石シール部材と現像剤担持体とが対向した現像剤ニップ部において、すべての現像剤担持体表面位置で、磁石シール部材の現像剤担持体表面位置に対する法線方向の磁気力Frの大きさを、現像剤担持体内の磁石シール部材と対向する領域での現像剤担持体内の磁石の現像剤担持体表面位置に対する法線方向の磁気力Frの大きさよりも大きくすることにより達成される。
【0021】
また、本出願にかかる第6の発明によれば、上記目的は、現像剤担持体内の磁石と磁石シール部材とは、異種の磁石からなるようにすることにより達成される。
【0022】
また、本出願にかかる第7の発明によれば、上記目的は、磁石シール部材は、希土類磁石からなるようにすることにより達成される。
【0023】
また、本出願にかかる第8の発明によれば、上記目的は、画像形成装置本体に対して着脱可能に形成されるとともに、少なくとも像担持体と現像装置とを有するプロセスカートリッジにおいて、現像装置を、第1の発明から第7の発明に記載されたうちのいずれか1つの現像装置とすることにより達成される。
【0024】
また、本出願にかかる第9の発明によれば、上記目的は、少なくとも、磁性現像剤を収容する現像容器と、現像容器に回転自在に支持されるとともにその内部に複数の磁極を有する磁石が配置されることにより現像剤を所定方向に担持搬送できる現像剤担持体と、現像剤担持体の両端で現像容器側の現像剤担持体と対向する位置に所定間隔を開けて配置された磁石シール部材とを有する現像装置が設けられた画像形成装置において、現像装置として第1の発明から第7の発明のうちいずれか1つの現像装置を用いるか、もしくは、画像形成装置内に第8の発明のプロセスカートリッジを設置することにより達成される。
【0025】
つまり、本出願にかかる第1の発明によれば、現像剤担持体の磁極位置での磁極による現像剤担持体表面に対する法線方向の磁束密度のピーク値Br1と、上記磁極と対向する位置での磁石シール部材による現像剤担持体表面に対する法線方向の磁束密度のピーク値Br2との関係が、Br1<Br2となるように、現像スリーブ内の磁石と、磁石シール部材とを形成することにより、現像剤担持体表面と磁石シール部材との間の磁力線が磁石シール部材側が密となるように形成され、磁力線に沿って拘束された現像剤により現像剤の端部へ移動した現像剤を塞き止めることができ、現像剤担持体の長手方向へ現像剤のすり抜けが抑制・防止される。
【0026】
また、本出願にかかる第2の発明によれば、現像剤担持体内の磁極位置で、現像剤担持体内の磁石の磁極による現像剤担持体表面に対する法線方向の磁気力の大きさFr1と、上記磁極と対向する位置での磁石シール部材による現像剤担持体表面に対する法線方向の磁気力の大きさFr2との関係を、Fr1<Fr2とすることにより、現像剤担持体と磁石シール部材との間の磁気力の平衡位置が、現像剤担持体と現像剤担持体内の磁石との間に位置するようにして、現像剤担持体と磁石シール部材との間において、磁石シール部材側に現像剤を担持させることにより現像剤の端部へ移動した現像剤を塞き止めることができ、現像剤担持体の長手方向へ現像剤のすり抜けが抑制・防止される。
【0027】
また、本出願にかかる第3の発明によれば、その内周面の現像剤担持体内の磁石の磁極の位置および磁極と磁極との間である磁極無部と対向する位置に、NS極を多磁極に着磁させて形成された磁石シール部材において、磁石シール部材の単独状態による現像剤担持体表面における磁極間位置の磁束密度の値が、磁石シール部材の単独状態による現像剤担持体表面における磁極位置の磁束密度の値の80%以上、かつ120%以下となっているので、磁石シール部材の各磁極間の法線方向の磁界と接線方向の磁界を合成した磁界を大きくして、この磁界の作用により磁性トナーを拘束することで、各磁極間のシール性が良好に保たれて、現像剤担持体内の磁極無部に対しても、現像剤のすり抜けや衝撃に対する現像剤の漏れが抑制・防止される。
【0028】
また、本出願にかかる第4の発明によれば、磁石シール部材と現像剤担持体内に配置された磁石との互いに対向する位置に、異極性の磁極が設けられており、磁石シール部材と現像剤担持体内の磁石との互いに対向した磁極の間にN−S順磁界が形成されて、その磁界に周辺の現像剤が拘束されてシール性を発揮するので、現像剤のすり抜けが抑制・防止されるとともに、強い衝撃に対しても現像剤の漏れが抑制・防止される。
【0029】
また、本出願にかかる第5の発明によれば、磁石シール部材と現像剤担持体とが対向した現像剤ニップ部において、すべての現像剤担持体表面位置で、磁石シール部材の現像剤担持体表面位置に対する法線方向の磁気力Frの大きさが、現像剤担持体内の磁石シール部材と対向する領域での現像剤担持体内の磁石の現像剤担持体表面位置に対する法線方向の磁気力Frの大きさよりも大きくなるようにしているので、現像剤ニッブ部全域で現像剤の拡散・移動を抑制することができ、現像剤のすり抜けや衝撃等による漏れが効果的に抑制・防止される。
【0030】
また、本出願にかかる第6の発明によれば、現像剤担持体内の磁石と磁石シール部材とが、異種の磁石から形成されているので、簡単な構成で、磁石シール部材の磁力を現像剤担持体内の磁石より大きくすることができ、現像剤のすり抜けや衝撃等に対する現像剤の漏れが抑制・防止される。
【0031】
また、本出願にかかる第7の発明によれば、磁石シール部材が、磁力の強い希土類磁石から形成されているので、簡単な構成で、磁石シール部材の磁力を極めて大きくすることができ、現像剤のすり抜けや衝撃等に対する現像剤の漏れが抑制・防止される。
【0032】
また、本出願にかかる第8の発明によれば、プロセスカートリッジ内に配置される現像装置を、第1の発明から第7の発明のうちいずれか1つの現像装置としているので、プロセスカートリッジにおける現像剤のすり抜けや衝撃等に対する現像剤の漏れが抑制・防止される。
【0033】
また、本出願にかかる第9の発明によれば、画像形成装置内の現像装置として第1の発明から第7の発明のうちいずれか1つの現像装置を用いるか、もしくは、画像形成装置内に第8の発明のプロセスカートリッジを設置するようにしているので、画像形成装置内の現像装置における現像剤のすり抜けや衝撃等に対する現像剤の漏れが抑制・防止される。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図13に基づいて説明する。
【0035】
図1に、本発明を適用したプロセスカートリッジ着脱方式の転写式電子写真プロセスを利用した画像形成装置の主要部を示す概略構成図を示す。
【0036】
レーザープリンタ等の画像形成装置内に着脱可能に設置されるプロセスカートリッジ10は、その表面に静電潜像が形成される像担持体としての回転感光ドラム型の電子写真感光体である感光ドラム1が、時計回りの方向に回転駆動できるように配置されているとともに、感光ドラム1の周囲に、帯電装置2、現像装置3、クリーニング装置6の4つのプロセス機器が一括してカートリッジハウジング9の所定位置に配置されて構成されている。
【0037】
上記のプロセスカートリッジ10は、画像形成装置本体に対して所定に装着した状態において、プロセスカートリッジ10側と画像形成装置本体側とが機械的・電気的に相互カップリング状態となるとともに、プロセスカートリッジ10の感光ドラム1の下面が画線形成装置本体内に配置されている転写ローラ4に所定に当接した状態となり、画像形成実行可能状態となる。また、プロセスカートリッジ10を画像形成装置に設置した際に、カートリッジハウジング9の所定位置に、画像形成装置本体側のプロセスカートリッジ挿脱案内兼保持部8が当接するようになっている。
【0038】
なお、上記のプロセスカートリッジは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、感光ドラムとを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能としたものであるが、これに限るものではなく、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つと感光ドラムとを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とすることもできる。さらに、少なくとも現像手段と感光ドラムとを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とするようにしてもよい。
【0039】
上記構成のプロセスカートリッジにより画像形成装置が画像形成を行う際には、感光ドラム1が帯電装置2によって均一に帯電された後、画像情報信号に対応して、プロセスカートリッジ10の外に設けられている像露光手段Eから感光ドラム1の表面にレーザー光が露光されて画像露光が行なわれることにより、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。
【0040】
感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像装置3によって現像される。この顕画像は、プロセスカートリッジ10の外の感光ドラム1と対向する位置に配置された転写手段としての転写ローラ4により、感光ドラム1と転写ローラ4との対向部である転写部で静電気力と押し圧力にて転写材上に転写される。画像が転写された転写材は、熱定着方式等の定着装置5へ搬送されて、転写材上の顕画像が定着され、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出されるようになっている。また転写材に対するトナ一画像転写後の感光ドラム面は、プロセスカートリッジ10のクリーニング装置6により、感光ドラム1上の残留トナー等の付着汚染物の除去を受けて清掃され繰り返して作像に供されるようになっている。
【0041】
上記において、感光ドラム1の周速は94mm/sec、外径は30mm、現像スリーブ31の周速は111mm/sec、現像スリーブ31の外径は16mとした。スリーブ31の回転方向は感光ドラム1に対して順方向とした。感光ドラム1と現像スリーブ31との間隔は0.3mmとした。
【0042】
上記プロセスカートリッジ10内に配置されている現像装置3について、図1〜図5を参照して説明する。図2は、現像装置の主要部を示す一部断面説明図であり、図3は、現像スリーブと磁石シール部材との斜視説明図であり、図4は、現像装置の主要部の長手方向の一部断面説明図であり、図5は、磁石シール部材の着磁パターンを示す斜視説明図である。
【0043】
図1に示すように、磁性現像剤である磁性トナーを収納した現像容器30の感光ドラム1と対向する位置に設けられた開口部に、その表面にトナーを担持して搬送できる現像剤担持体である現像スリーブ31が配置され、現像スリーブ31の表面に、現像剤層厚規制手段としての規制ブレード33が当接されている。また、現像スリーブ31の両端の現像容器30側に、現像スリーブ31上に担持されたトナーの現像スリーブ31の長手方向への移動を規制する磁石シール部材34が、現像スリーブ31とは非接触で配置されているとともに、現像容器30内にトナーを撹拌する撹拌装置等が設けられて現像装置3が構成されている。なお、現像スリーブ31は、アルミニウム、ステンレス鋼等で形成された非磁性円筒のスリーブが用いられている。
【0044】
図4に示すように、現像容器30の開口部に配置された現像スリーブ31は、現像容器30の所定位置に設けられたスリーブ軸受35を介して、現像スリーブ31が回転可能に保持されている。また、現像スリーブ31内にローラ状の磁石である磁石ローラ32が固定配置されている。なお、本実施形態の現像装置では、現像スリーブ31は、反時計回りの方向に回転できるようになっている。
【0045】
図2に示すように、現像スリーブ31内に配置された磁石ローラ32は、その表面に2つのN極N1,N2、および、2つのS極S1,S2の複数の磁極を有しており、現像スリーブ31が、反時計回りの方向に回転して、現像容器30内で供給された磁性トナーを磁石ローラ32の磁力により表面に付着させて、感光ドラムの方向に搬送できるようになっている。また、現像スリーブ31の表面に当接された規制ブレード33により、現像容器30の開口部において現像スリーブ31の表面を押圧して現像スリーブ31上の現像剤の量を規制して、現像スリーブと感光ドラムとが対向する現像領域に担持搬送する現像剤層の厚みを規制している。
【0046】
規制ブレード33により層厚を規制されて現像スリーブ31により担持搬送された磁性トナーは、現像領域において、時計回りの方向に回転する感光ドラム1に形成された静電潜像を可視化して現像することができるようになっいる。静電潜像を現像する際には、現像スリーブ31に、交流電圧に直流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。なお、振動バイアス電圧の波形としては矩形波、サイン波等が使用できる。
【0047】
図5に示すように、現像スリーブ31の両端に配置された磁石シール部材34は、その内周面にNS極を多磁極に着磁させて形成されている。具体的には、その内周面に4つのS極S11,S12,S13,S14と、3つのN極N11,N12,N13とを有しており、SN極が交互に配置されている。
【0048】
本実施形態においては、例えば、磁石ローラ32のS2極と磁石シール部材34のN12極は対向して配置されるようになっており、磁石ローラ32の磁極と磁石シール部材34の磁極とでN−S順磁界を形成できるようになっている。
【0049】
なお、現像スリーブ31内に固定する磁石ローラ32の各磁極のスリーブ表面上での、スリーブ表面に対する法線方向の磁束密度のピーク値は400〜900×10-4T(テスラ)とした。また、磁石シール部材34は、Nd−Fe−Bの磁性粉末を含有するナイロンバインダーを備えた巾4mmの射出成形品とし、磁石シール部材34と現像スリーブ31との間隔gは0.1〜0.7mmとした。磁石シール部材34の各磁極のスリーブ表面上での、スリーブ表面に対する法線方向の磁束密度のピーク値は1000〜2200×10-4T(テスラ)とした。
【0050】
ここで、図6に、対向磁極による磁力線の分布を表す模式図を示す。図6(a)は、対向磁極がある場合を示し、図6(b)は対向磁極がない場合を示す。
【0051】
図6(a)に示すように、一般的に、ある磁極に対向磁極がある場合は、磁力線が磁極に対して垂直方向に集中するので、磁力線の付近にトナーがあれば、この磁力線に沿って、磁性トナーが配列される。しかし、図6(b)に示すように対向磁極がない場合は、磁力線が斜め方向に拡散し疎となる。この磁力線に沿って、磁性トナーが配列される。
【0052】
上記の図6(a)のように、対向磁極間に磁力線を配置させるため、現像スリーブの端部に磁石シール部材を配置すると、この磁力線に沿って配列されたトナーがシールの役目を果たし、シール性が良好になると考えられる。また、図6(b)のように、対向する磁極が無い場合は、磁力線が疎となりシール性が劣ると考えられる。このことより、従来から現像スリーブの端部に磁石シール部材を配置して、磁力線を集中させるようにし、シール性を向上させる手段が用いられている。
【0053】
シール性を向上させるために、現像スリーブの端部に磁石シール部材を配置して、スリーブ内の磁石と磁石シール部材とで対向磁極を構成して磁力線を集中させてシールしたとき、現像剤をその表面に担持した状態で現像スリーブが回転すると、現像スリーブ上の磁性トナーは拡散の作用により端部方向へと移動していき、磁石シール部材の位置で塞き止められる。確かに図6(a)に示すように磁力線を集中させることで、衝撃等に対する現像剤もれを抑制・防止することができるが、現像スリーブの回転による磁性トナーの拡散作用に対するシール性は必ずしも充分ではない場合がある。
【0054】
すなわち、磁石ローラの法線方向の磁束密度が大きくなりすぎたときは、現像スリーブ上の磁性トナーを多量に保持しすぎることから、スリーブ回転による磁性トナーの拡散作用によって現像スリーブの端部へ移動するトナーの量が増えるとともに現像剤のすり抜けを生ずる場合があるのである。
【0055】
本実施形態は、上記の不具合を解消するため、現像スリーブ内の磁石ローラの磁極による現像スリーブの表面位置に対する法線方向(垂直方向)の磁束密度のピーク値をBr1とし、磁石ローラの磁極と対向する磁石シール部材による磁極の現像スリーブの表面位置に対する法線方向の磁束密度のピーク値をBr2としたときに、Br1がBr2よりも小さくなるように、磁石ローラの各磁極と、磁石シール部材の各磁極との磁束密度を調節して両者を形成することで、拡散作用による現像剤のすり抜けを抑制・防止することができるようにしたものである。
【0056】
上記のようにBr1<Br2とすることによって、現像剤のすり抜けを抑制・防止できる理由は、以下のように考察される。まず、1つめの考察を、図7により説明する。図7は、磁石ローラと磁石シール部材とによる磁力線の分布を示す摸式図である。本考察では、図7(a)に示すように、本実施形態の磁石ローラによる磁束密度が小さい場合と、図7(b)に示すように、磁石ローラによる磁束密度が大きい場合を考えた。
【0057】
図7(a)に示すように、磁石ローラ32による磁束密度が小さい場合は、磁力線は磁石シール部材34側に集中して密となり、この磁力線に沿って、磁性トナーが配列されるので、現像スリーブ31と磁石シール部材34の間では緻密な磁性トナーのチェーンが形成されて、シール性が良好になると考えられる。
【0058】
しかし、図7(b)に示すように磁石ローラ32による磁束密度が大きい場合は、磁力線は磁石ローラ32側に集中するので、現像スリーブ31と磁石シール部材34の間では磁力線が斜め方向に拡散し疎となる。この磁力線に沿って、磁性トナーが配列されるので、シール性が劣ると考えられる。
【0059】
さらに、磁石ローラ32の表面と現像スリーブ31の表面の位置関係は、現像スリーブ31の肉厚および現像スリーブ31と磁石ローラ32のギャッブがあるため、かなり離れた構成にならざるを得ないが、磁石シール部材34表面と現像スリーブ31表面の位置関係は、現像スリーブ31と磁石シール部材34のギャッブだけでよいため、近接した構成となる。
【0060】
従って、通常、磁石ローラ32表面と現像スリーブ31表面の距離は磁石シール部材34表面と現像スリーブ31表面の距離よりも大きくなる。このとき、磁石ローラ32の磁束密度が磁石シー部部材34の磁束密度よりも小さい場合の現像スリーブ31と磁石シール部材34との間の磁力線と、磁石ローラ32の磁束密度が磁石シー部部材34の磁束密度よりも大きい場合の現像スリーブ31と磁石シール部材34との間の磁力線とがシール性に及ぼす差がより顕著になり、シール性の差が生じるものと考えられる。
【0061】
次に、2つめの考察を図8により説明する。図8は、現像スリーブ31上の磁性トナーの形態を説明するための、スリーブ長手方向の断面を示した摸式図である。本考察では、図8(a)に示すように、磁石ローラによる磁束密度が小さい場合と、図8(b)に示すように、磁石ローラによる磁束密度が大きい場合を考えた。
【0062】
図8(a)に示すように、磁石ローラ32による磁束密度が小さい場合は、磁力線は磁石シール部材34側に集中しており、現像スリーブ31側よりも磁石シール部材34側の方がより密に集中している。
【0063】
この磁力線に沿って、磁性トナーが配列されて、現像スリーブ31と磁石シール部材34の間で複数の磁性トナーのチェーンTBが形成される。このとき、磁性トナーの複数のチェーンTBが、磁石シール部材34の表面から磁石ローラ32の表面方向へ放射状に形成されている。
【0064】
しかし、図8(b)に示すように、磁石ローラ32による磁束密度が大きい場合は、磁力線は磁石ローラ32側に集中するので、現像スリーブ31から磁石シール部材34に対して磁力線が拡散する。この磁力線に沿って、磁性トナーが配列されて、現像スリーブ31と磁石シール部材34の間で複数の磁性トナーのチェーンTB’が形成される。このとき、複数の磁性トナーのチェーンTB’は、現像スリーブ31表面側が密に、磁石シール部材34側が疎に配置されて、現像スリーブ中央側のチェーンTB’の端部が現像スリーブ31表面に対して鋭角に当接している。
【0065】
ここで、現像スリーブ31を回転させると、現像スリーブ31上の磁性トナーは拡散作用によりスリーブ長手方向端部側へ移動しようとする力が働く。このとき、図8(a)に示すように、磁石ローラ32による磁束密度が磁石シール部材34の磁束密度よりも相対的に小さい場合は、現像スリーブ31と磁性トナーのチェーンTBが磁石シール部材34の表面から放射状に配置されて、現像スリーブ31上の磁性トナーTAが拡散作用により中央部側から端部側へ移動する時、現像スリーブ31と磁石シール部材34間の磁性トナーTBのチェーンにぶつかって、磁性トナーTAの端部方向への移動が阻止され、中央部側方向へ引き戻される力が働くため、拡散作用を抑制・防止することができるものと考えられる。
【0066】
これに対して、図8(b)に示すように、磁石ローラ32による磁束密度が磁石シール部材34の磁束密度よりも相対的に大きい場合は、現像スリーブ31と磁性トナーのチェーンTB’は、現像スリーブ31表面側が密に、磁石シール部材34側が疎に配置されているので、現像スリーブ中央側のチェーンTB’の端部が現像スリーブ31表面に対して鋭角に当接しており、現像スリーブ31上の磁性トナーTAが拡散作用により中央部側から端部側へ移動する時、現像スリーブ31と磁石シール部材34間の磁性トナーチェーンTB’の鋭角部分に喰い込み、この部分に磁性トナーTAが蓄積されて、ついには磁性トナーTB’を矢印方向に押し込むようになる。この押し込まれた磁性トナーTB’が、次の磁性トナーTB’を押し込み、次々に磁性トナーTB’が押し込まれ、ついには磁性トナーTB’が現像スリーブ31の端部側へ押し出されて、その隙間から磁性トナーがすり抜けるものと考えられる。
【0067】
また、上記の磁性トナーのすり抜けは、トナーが、現像容器からスリーブ上に供給されて開口部に搬送され、再び現像容器に回収されるまでの間、この開口部におけるスリーブ上のトナーがシール部へ押し込まれない程度にトナーの拡散移動を阻止して、トナーの移動量を少なくすることにより効果的に防止できると考えられる。
【0068】
上記のように、現像スリーブ内の磁石ローラの磁束密度を相対的に小さくした場合は、現像スリーブの表面のトナーの拡散移動が少なくなり、トナーの押し込みを防止して、効果的に現像スリーブの長手方向端部への現像剤のすり抜けを抑制・防止することができる現像装置となる。
【0069】
一方、現像スリーブ31の端部からの現像剤のすり抜けは、上記、磁石ローラの磁束密度Br1と、磁石シール部材の磁束密度Br2との関係によるほか、現像スリーブ内の磁極位置で、磁石ローラ32の磁極による現像スリーブの表面に対する法線方向の磁気力の大きさFr1と、上記磁極と対向する位置での磁石シール部材による現像スリーブの表面に対する法線方向の磁気力の大きさFr2との値を調節することによっても抑制・防止することができる。
【0070】
具体的には、磁石シール部材単独での現像スリーブの表面位置に対する法線方向の磁気力の大きさFr2を、現像スリーブ内の磁石ローラ32単独での磁石シール部材と対向する領域の現像スリーブの表面位置に対する法線方向の磁気力の大きさFr1よりも充分に大きくすることで、シール性を良好にすることができる。
【0071】
以下に、磁気力Frを調整することにより、現像スリーブの端部からのすり抜け等を防止する場合を説明する。
【0072】
図9は、現像スリーブ上の磁気力Frを説明するための要部説明図である。なお、図9中、Fは現像スリーブ31上の磁気力で、Frは現像スリーブ31上のスリーブ表面の法線方向の磁気力で、Fθは現像スリーブ31上のスリーブ表面の接線方向の磁気力を示している。
【0073】
ここで、磁気力Frは下記比例式
Fr∝{B2(r)−B2(r+Δr)}/Δr
但し、B2(r)=B2r(r)十B2θ(r),B2(r+Δr)=B2r(r+Δr)+B2θ(r+Δr)
となる。
【0074】
ここで、Br(r)は現像スリーブ上における法線方向の磁束密度[ガウス]、Br(r+Δr)は現像スリーブ上0.2mmにおける法線方向の磁束密度[ガウス]、Bθ(r)は現像スリーブ上における接線方向の磁束密度[ガウス]、Bθ(r+Δr)は現像スリーブ上0.2mmにおける接線方向の磁束密度[ガウス]である。
【0075】
従って、{B2(r)−B2(r+Δr)}/Δrを求めれば、磁気力Frの相対的な大きさを知ることができ、磁気力Frの分布形態、磁気力Frのピーク位置等を知ることができる。
【0076】
また、Δrを固定すればFr∝{B2(r)−B2(r+Δr)}となり、{B2(r)−B2(r+Δr)}を求めればよいこととなる。
【0077】
実際には、rを現像スリーブの半径としΔrを0.2mmとし、磁束密度Br(r),Br(r十Δr),Bθ(r),Bθ(r+Δr)を、後記するベル社のガウスメータを用いて測定し、測定結果から計算により{B2(r)−B2(r+Δr)}を求め磁気力Frの相対値を求めた。
【0078】
以下に、磁束密度の測定法を説明する。図10は、磁石ローラの単独(磁石シール部材を対向させない)状態で、現像スリーブ上、もしくは、スリーブ上0.2mmの位置の法線方向の磁束密度および接線方向の磁束密度の測定方法を示した概略構成図である。測定には、ベル社のガウスメータモデル9903を用いた。また、現像スリーブ31’とガウスメータとが水平に固定され、スリーブ内の磁石ローラ32’が回転自在に配置されるようにしたした。
【0079】
図10に示すように、現像スリーブ31’の表面近傍に、2軸型プローブ42(ベル社製YOA99−1802)の計側面が、現像スリーブ31’の表面と若干の間偏を保って配置され、現像スリーブ31’の中心とプローブ42の中心が略同一水平面になるように固定されているとともに、プローブ42がガウスメータ41に接続されており、現像スリーブ31’上もしくはスリーブ上0.2mmの位置の法線方向及び接線方向の磁束密度を測定できるようになっている。
【0080】
現像スリーブ31’と磁石ローラ32’は略同心円状に配置されており、現像スリーブ31’と磁石ローラ32’の間隔はどこでも等しいと考えてよい。従って、磁石ローラ32’を回転することにより、現像スリーブ31’上もしくはスリーブ上0.2mmの位置の法線方向及び接線方向の磁束密度をスリーブの周方向の全てに対して測定することができるようになっている。また、磁石ローラ32’は、所定の角度で各磁極N1,S2,N2,S1が配置されているとともに、図10の矢印の方向に回転させるので、例えば、磁極N1よりも磁極S2の角度は大きな値となる。即ち、図1におけるスリーブの移動方向である反時計回りの方向に対して、下流側の方が角度が増える方向に測定した。
【0081】
なお、後記する、磁石シール部材34単独(磁石ローラ無)の場合の磁石シール部材の磁気力は、磁石シール部材を回転テーブルに固定し、上記プローブを磁石シール部材と所定間隔を保って固定し、回転テーブルを回転することにより、現像スリーブ31上もしくはスリーブ上0.2mmの位置の法線方向及び接線方向の磁束密度を同様に測定することにより求めた。
【0082】
上記現像スリーブ上の磁気力Frを種々変更して考察した結果、現像装置を耐久使用する場合のシール性は、現像スリーブ31上の磁気的力と関係することがわかった。
【0083】
なお、現像スリーブに磁石シール部材を配設した状態で現像スリーブの表面上の磁束密度を測定した場合に代えて、磁石シール部材単独および磁石ローラ32単独での現像スリーブの表面位置における磁束密度を測定し、この磁束密度から各々の磁気力を計算して、これらの磁気力の大きさを比較したところ、磁気力の大きさが現像装置を耐久使用する場合のシール性に関係することがわかった。
【0084】
結論としては、磁石シール部材単独での現像スリーブの表面位置に対する法線方向の磁気力の大きさFr2が、現像スリーブ内の磁石ローラ32単独での磁石シール部材と対向する領域の現像スリーブの表面位置に対する法線方向の磁気力の大きさFr1よりも充分に大きくなるように、磁石ローラと磁石シール部材とを形成することにより、シール性を良好にすることができる。
【0085】
図11の、現像スリーブ31上の磁性トナーの拘束状態を示した模式図により、上記の理由を考察する。本考察では、図11(a)に示すように、Fr1<Fr2の、現像スリーブ31上の磁気力Frが磁石シール部材34側に引き付けられる方向に作用している場合と、図11(b)に示すように、Fr1>Fr2の、現像スリーブ31上の磁気力Frが磁石ローラ32側に引き付けられる方向に作用する場合とを考えた。
【0086】
トナーが担持された現像スリーブ31を回転させると、現像スリーブ31上の磁性トナーは拡散の作用により端部方向へと移動していき、磁石シール部材34位置のシールにより塞き止められる。
【0087】
このとき、図11(a)に示すように、現像スリーブ31上の磁気力Frが磁石シール部材34側に引き付けられて作用している場合では、磁石シール部材34と磁石ローラ32の間の法線方向の磁気力Frは現像スリーブ31上と磁石ローラ32の間に平衡点がある。ここで、仮にこの平衡位置をH1とすると、磁気力Frの平衡位置H1よりも磁石ローラ32側では、磁石ローラ32へ引き付けられる力が働き、平衡位置H1よりも磁石シール部材34側では磁石シール部材34へ引き付けられる力が働く。従って、磁石シール部材と磁石ローラの対向領域に保持されている、現像スリーブ31上の磁性トナーはすべて磁石シール部材34側に引き付けられて、シール部を形成している。
【0088】
シール部分(磁石シール部材と磁石ローラの対向領域)に滞留保持されている磁性トナーの端部への拡散・移動を防止するには、現像容器内から開口部へ供給・コーティングされた磁性トナーが再び現像容器内に戻るまでの間、スリーブの長手方向中央側の磁性トナーの端部への拡散・移動を防止すればよいが、このシール部分に保持されている磁性トナーの現像スリーブの長手方向中央側では、スリーブ回転により長手方向に拡散移動した磁性トナーが、滞留保持されている磁性トナーにぶつかり塞き止められて磁石シール部材34側に引き付けられるので、図11(a)の矢印で示す方向、すなわち現像スリーブの長手方向中央側に引き戻され、端部方向への移動を抑止しているものと考えられる。
【0089】
また、磁石シール部材と磁石ローラの対向領域に滞留保持されている磁性トナーの現像スリーブの長手方向端部側では、この現像スリーブ31上の磁性トナーがスリーブ回転による拡散作用により端部側へ移動しようとしても、磁性トナーは磁石シール部材34側に引き付けられているので拡散・移動を防止することができ、仮に、一担端部側へ移動しても磁石シール部材34側に引き付けられてその場所に溜まるので、溜まったトナーにより、塞き止め力が働きさらなる拡散を防止することができるものと考えられる。
【0090】
しかし、図11(b)に示すように、現像スリーブ31上の磁気力Frが磁石ローラ32側に引き付けられて作用している場合では、磁石シール部材34と磁石ローラ32の間の法線方向の磁気力Frは現像スリーブ31上と磁石シール部材34の間に平衡点がある。仮に、この平衡位置をH2とすると、磁気力Frの平衡位置H2よりも現像スリーブ31側では現像スリーブ31側へ引き付けられる力が働き、平衡位置H2よりも磁石シール部材34側では磁石シール部材34側へ引き付けられる力が働く。すなわち、磁石シール部材と磁石ローラの対向領域に保持されている磁性トナーは磁気力Frの平衡位置H2(現像スリーブ表面と磁石シール部材との間に位置する)において、磁石シール部材34へも磁石ローラ32へもどちらにも引き付けられずに、拘束されるトナーの量が少なくシールが薄い状態となっている。
【0091】
磁石シール部材と磁石ローラの対向領域に滞留保持されている磁性トナーの現像スリーブの長手方向中央側では、スリーブ回転によりスリーブの長手方向に拡散移動した磁性トナーが、滞留保持されている磁性トナーにぶつかり、滞留磁性トナーにのりあげて、磁気力Frの平衡位置H2のシールの薄い部分をすり抜けて、端部方向へ移動することにより現像剤のすり抜けを生じるものと考えられる。
【0092】
また、磁石シール部材と磁石ローラの対向領域に滞留保持されている磁性トナーの現像スリーブ長手方向端部側では、現像スリーブ31上の滞留保持された磁性トナー塊の端部側のトナーが拡散作用により端部側へ移動することがある。
【0093】
これらの端部方向へ移動したトナーがそのまま静置されるとすれば、静置されたそれらのトナーにより、塞き止め力が働いてさらなる拡散を防止することができるのであるが、これらの移動したトナーは現像スリーブ31の表面方向へ磁石ローラー32の磁気力により引き付けられているので、現像スリーブ31の回転による拡散作用により、さらに端部側へ移動し、次から次ヘトナーが拡散・移動することにより現像剤のすり抜けを生じるものと思われる
このように、磁石シール部材単独での現像スリーブの表面位置に対する法線方向の磁気力の大きさFr2を、現像スリーブ内の磁石単独による現像スリーブの表面位置に対する法緑方向の磁気力の大きさFr1よりも大きくすることにより、現像スリーブの長手方向端部からの現像剤のすり抜けを抑制・防止することができる現像装置となる。
【0094】
ところで、上記の磁石ローラと磁石シール部材とにおいて、磁束密度の値をBr1<Br2とした場合や、磁気力の大きさをFr1<Fr2とした場合の両者にいえることであるが、現像スリーブ中ほどの現像領域における磁石ローラの磁極構成は、現像特性・現像剤搬送性等により設定されるため、磁石シール部材と対向する部分のみを特殊な磁極構成とすると、磁石ローラのコストが高くなることから、この部分も中央部と同じ構成にすることが有利である。
【0095】
磁石ローラと磁石シール部材とは、図2に示すように、磁石ローラ32のN1極、S2極、N2極の近傍に磁石シール部材34を配置し、この領域に磁性トナーの塊を保持してニップ部を形成してシールするようにしている。このとき、一般に、磁石ローラ32の磁極間隔が広い構成になっている。そのため、本実施形態では、磁石ローラ32の磁極に対向して磁石シール部材34の磁極を配置し、N−S順磁界を形成し、磁石シール部材34の磁気力を磁石ローラ32の磁気力よりも大きくすることで、トナーの拡散・移動による現像剤のすり抜けや強い衝撃によるトナーの漏れを抑制・防止することができるようにしているとともに、この磁石ローラ32の磁極間に磁石シール部材34の磁極を配置して、磁石シール部材34に磁性トナーを拘束することで、磁極間に対してもシール性を良好にしている。
【0096】
具体的には、磁石シール部材34は、現像スリーブ31内の磁石ローラ32の3つの磁極N1、S2、N2と対向する位置に各々S11極、N12極、S14極が配置され、磁石ローラ32と協同してN−S磁界を構成している。さらに、磁石ローラ32の磁極N1−S2の間、および、磁極S2−N2の間とに対向する位置に各々N11極,S12極、および、S13極,N13極が配置されて、磁石シール部材34の内周面にNS極を多磁極に着磁させるようにし、磁石シール部材34の磁極N11、S12、S13、N13においても磁性トナーを拘束することで、シール性を良好にすることができるようにした。
【0097】
このとき、磁石シール部材34の各磁極間の法線方向の磁界と接線方向の磁界を合成した磁界を大きくして、この磁界の作用により磁性トナーを拘束することで、各磁極間のシール性を良好にすることができる。具体的には、磁石シール部材34単独(現像スリーブに配置していない状態)での、現像スリーブ31の表面における磁極間位置の磁束密度Bの値が、磁石シール部材単独による現像剤担持体表面における磁極位置の磁束密度Bの値の80%以上、かつ120%以下、より好ましくは90%以上、かつ100%以下となるように磁石シール部材34を形成するようにする。
【0098】
上記の現像スリーブ上の磁束密度Bは、
B=(Br2+Bθ2)1/2
で求めることができる。ここで、Brは現像スリーブ上における法線方向の磁束密度[ガウス]、Bθは現像スリーブ上における接線方向の磁束密度[ガウス]である。磁束密度Brおよび磁束密度Bθは、上記のベル社のガウスメータと2軸型プローブとを用いて測定した。
【0099】
図12に示した、本実施形態の磁石ローラの磁極と対向する位置および磁極間に磁極が設けられた磁石シール部材により、磁石シール部材単独での現像スリーブの表面位置における磁極位置と磁束密度の分布形態を表したグラフと、図13に示した、従来の磁石ローラの磁極と対向する位置のみに磁極を有する磁石シール部材とにより、磁石シール部材単独での現像スリーブの表面位置における磁極位置と磁束密度の分布形態を表したグラフとにより、本実施形態と従来例とを比較・説明する。なお、グラフの横軸は現像スリーブ31周方向の位置を角度で示しており、縦軸はスリーブ上の磁束密度B,Br、および、Bθの大きさをそれぞれ示している。
【0100】
図13によると、従来の磁石シール部材では磁極間において、その磁束密度Bが磁極部の磁束密度Bよりもかなり落ち込んでおり、その部分のシール性は期待できないとがわかる。これに比べて、図12によれば、本実施形態の磁石シール部材では、磁極間の磁束密度Bと磁極部の磁束密度Bとはぼ同程度の大きとなっていることがわかる。このことより、本実施形態のように、磁極間の磁束密度Bを大きくすることで、磁極間に対してもシール性を良好にすることができることがわかる。
【0101】
さらに、本実施形態では、磁石シール部材34と磁石ローラ32のによる現像剤ニップ部すべての現像スリーブの表面位置において、磁石シール部材単独での現像スリーブの表面位置に対する法線方向の磁気力Frの大きさを、磁石ローラの単独での磁石シール部材と対向する領域の現像スリーブの表面位置に対する法線方向の磁気力Frの大きさよりも大きくしている。このことにより、現像剤ニッブ部全域で、現像スリーブの回転により拡散・移動するトナーの量を抑制することができ、現像剤のすり抜けを効果的に抑制・防止することができるようになる。
【0102】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態で使用される磁石ローラ32としては、フェライト磁石、アルニコ磁石、鉄コバルト磁石、希土類磁石等の公知の磁石を使用でき、コスト、重さの点から、微小のフェライト磁石を樹脂又はゴムに分散させた磁石として形成することが好ましい。
【0103】
磁石シール部材34としては、上記の磁石ローラに用いられた公知の磁石を使用できるが、高い磁界が得られることから希土類磁石により形成することが好ましい。
【0104】
なお、磁石ローラ32と磁石シール部材34とを、それぞれ異種の磁石から形成し、磁石ローラ32としてはフェライト磁石を、磁石シール部材34としては希土類磁石を用いるようにすることにより、簡単な構成で、磁石シール部材の磁力を磁石ローラ32より大きくすることができ、現像剤のすり抜けをより抑制・防止したり、衝撃等に対する現像剤もれをより抑制・防止することが可能となる。
【0105】
さらに、磁石シール部材34として希土類磁石を用いた場合は、磁石シール部材の磁力を極めて大きくすることができ、現像剤のすり抜けを抑制・防止したり、衝撃等に対する現像剤もれをより抑制・防止することができる。
【0106】
上記の実施形態では、現像装置内の磁性現像剤として磁性トナーを用いる場合を例に説明したが、現像剤として非磁性トナーと磁性粒子(キャリア)からなる2成分磁性現像剤を用いても同様の効果が得られる。また、本実施形態の各構成の現像装置は、プロセスカートリッジ内に設けられているが、これに限るものではなく、画像形成装置内に上記各構成の現像装置を配置することもできる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本出願にかかる第1の発明によれば、現像剤担持体内の磁石の磁極の磁束密度のピーク値Br1と、上記磁極と対向する位置での磁石シール部材の磁束密度のピーク値Br2との関係が、Br1<Br2となっているので、現像剤担持体表面と磁石シール部材との間の磁力線が磁石シール部材側が密となるように形成され、磁力線に沿って拘束された現像剤により現像剤の端部へ移動した現像剤を塞き止めることができ、コンバクトな現像装置でありながら、現像スリーブの長手方向端部への現像剤のすり抜けを抑制・防止することできる。
【0108】
また、本出願にかかる第2の発明によれば、現像剤担持体内の磁石の現像剤担持体内の磁石の磁極によるFr1と、上記磁極と対向する位置での磁石シール部材によるFr2との関係が、Fr1<Fr2となっているので、現像剤担持体と磁石シール部材との間において、磁石シール部材側に現像剤を引き付けた現像剤により現像剤担持体の端部方向へ移動する現像剤を塞き止めることができ、コンバクトな現像装置でありながら、現像スリーブの長手方向端部への現像剤のすり抜けを抑制・防止することできる。
【0109】
また、本出願にかかる第3の発明によれば、その内周面の現像剤担持体内の磁石の磁極の位置および磁極と磁極との間である磁極無部と対向する位置に、NS極を多磁極に着磁させて形成された磁石シール部材において、磁石シール部材の単独状態による現像剤担持体表面における磁極間位置の磁束密度の値が、磁石シール部材の単独状態による現像剤担持体表面における磁極位置の磁束密度の値の80%以上、かつ120%以下となっているので、磁石シール部材の各磁極間の法線方向の磁界と接線方向の磁界を合成した磁界を大きくして、この磁界の作用により磁性トナーを拘束することで、各磁極間のシール性が良好に保たれて、現像剤担持体内の磁極無部に対しても、現像剤のすり抜けや衝撃に対する現像剤の漏れを抑制・防止することができる現像装置を得ることができる。
【0110】
また、本出願にかかる第4の発明によれば、磁石シール部材と現像剤担持体内に配置された磁石との互いに対向する位置に、異極性の磁極が設けられており、磁石シール部材と現像剤担持体内の磁石との互いに対向した磁極の間にN−S順磁界が形成されて、その磁界に周辺の現像剤が拘束されてシール性を発揮するので、現像剤のすり抜けが抑制・防止されるとともに、強い衝撃に対しても現像剤の漏れを抑制・防止できる現像装置を得ることができる。
【0111】
また、本出願にかかる第5の発明によれば、磁石シール部材と現像剤担持体とが対向した現像剤ニップ部において、すべての現像剤担持体表面位置で、磁石シール部材の現像剤担持体表面位置に対する法線方向の磁気力Frの大きさが、現像剤担持体内の磁石シール部材と対向する領域での現像剤担持体内の磁石の現像剤担持体表面位置に対する法線方向の磁気力Frの大きさよりも大きくなるようにしているので、現像剤ニッブ部全域で現像剤の拡散・移動を抑制することができ、現像剤のすり抜けや衝撃等による漏れをより効果的に抑制・防止することができる現像装置を得ることができる。
【0112】
また、本出願にかかる第6の発明によれば、現像剤担持体内の磁石と磁石シール部材とが、異種の磁石から形成されているので、簡単な構成で、磁石シール部材の磁力を現像剤担持体内の磁石より大きくして、現像剤のすり抜けや衝撃等に対する現像剤の漏れを抑制・防止することができる。
【0113】
また、本出願にかかる第7の発明によれば、磁石シール部材が、磁力の強い希土類磁石から形成されているので、簡単な構成で、磁石シール部材の磁力を極めて大きくして、現像剤のすり抜けや衝撃等に対する現像剤の漏れを抑制・防止することができる。
【0114】
また、本出願にかかる第8の発明によれば、プロセスカートリッジ内に配置される現像装置を、第1の発明から第7の発明のうちいずれか1つの現像装置としているので、現像剤のすり抜けや衝撃等に対する現像剤の漏れを抑制・防止したプロセスカートリッジとすることができ、ユーザーによって、プロセスカートリッジを、画像形成装置本体に対して着脱する際の衝撃などを加えられても現像剤がもれることのない良好なシール性を得ることができる。
【0115】
また、本出願にかかる第9の発明によれば、画像形成装置内の現像装置として第1の発明から第7の発明のうちいずれか1つの現像装置を用いるか、もしくは、画像形成装置内に第8の発明のプロセスカートリッジを設置するようにしているので、現像剤のすり抜けや衝撃等に対する現像剤の漏れを抑制・防止して、メンテナンスが容易で良好な画像形成を行える画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプロセスカートリッジ着脱方式の転写式電子写真プロセスを利用した画像形成装置の主要部を示す概略構成図である。
【図2】現像装置の主要部を示す一部断面説明図である。
【図3】現像スリーブと磁石シール部材とを示す斜視説明図である。
【図4】現像装置の主要部の長手方向の一部断面説明図である。
【図5】磁石シール部材の着磁パターンを示す斜視説明図である。
【図6】対向磁極がある場合の磁極による磁力線の分布を表す模式図(a)と、対向磁極がない場合の磁極による磁力線の分布を表す模式図(b)である。
【図7】磁石ローラによる磁束密度が小さい場合の磁力線の分布を表した摸式図(a)と、磁石ローラによる磁束密度が大きい場合の磁力線の分布を表した摸式図(b)である。
【図8】磁石ローラによる磁束密度が小さい場合の現像スリーブ長手方向の磁力線の分布を表した模式図(a)と、磁石ローラによる磁束密度が大きい場合現像スリーブ長手方向の磁力線の分布を表した模式図(b)である。
【図9】スリーブ上の磁気力を示した要部説明図である。
【図10】磁石ローラの磁束密度の測定方法を示した概略構成図である。
【図11】現像スリーブ上の磁気力が磁石シール部材側に引き付けられる方向に作用した場合のトナーの拘束状態を示す模式図(a)と、現像スリーブ上の磁気力が磁石ローラ側に引き付けられる方向に作用した場合のトナーの拘束状態を示す模式図(b)である。
【図12】本実施形態の磁石シール部材単独での現像スリーブの表面位置における磁極位置と磁束密度の分布形態を表したグラフである。
【図13】従来の磁石シール部材単独での現像スリーブの表面位置における磁極位置と磁束密度の分布形態を表したグラフである。
【図14】従来の現像装置を示す正面説明図である。
【図15】従来の現像装置の主要部の長手方向の側面説明図である。
【図16】従来の磁石シール部材を用いた現像装置を示す正面説明図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
3 現像装置
10 プロセスカートリッジ
30 現像容器
31 現像スリーブ(現像剤担持体)
32 磁石ローラ(現像剤担持体内の磁石)
34 磁石シール部材
Claims (9)
- 磁性現像剤を収容する現像容器と、現像容器に回転自在に支持されるとともにその内部に複数の磁極を有する磁石が配置されることにより現像剤を所定方向に担持搬送できる現像剤担持体と、現像剤担持体の両端で現像容器側の現像剤担持体と対向する位置に所定間隔を開けて配置された磁石シール部材とを有する現像装置において、現像剤担持体内の磁極位置での磁極による現像剤担持体表面に対する法線方向の磁束密度のピーク値をBr1とし、上記磁極と対向する位置での磁石シール部材による現像剤担持体表面に対する法線方向の磁束密度のピーク値をBr2としたとき、現像剤担持体の磁極の磁束密度のピーク値Br1と、磁石シール部材の磁束密度のピーク値Br2との関係が、Br1<Br2であることを特徴とする現像装置。
- 磁性現像剤を収容する現像容器と、現像容器に回転自在に支持されるとともにその内部に複数の磁極を有する磁石が配置されることにより現像剤を所定方向に担持搬送できる現像剤担持体と、現像剤担持体の両端で現像容器側の現像剤担持体と対向する位置に所定間隔を開けて配置された磁石シール部材とを有する現像装置において、現像剤担持体内の磁極位置で、現像剤担持体内の磁石の磁極による現像剤担持体表面に対する法線方向の磁気力の大きさをFr1とし、上記磁極と対向する位置での磁石シール部材による現像剤担持体表面に対する法線方向の磁気力の大きさをFr2としたとき、現像剤担持体内の磁極の磁気力の大きさFr1と、磁石シール部材の磁気力の大きさFr2との関係が、Fr1<Fr2であることを特徴とする現像装置。
- 磁石シール部材は、その内周面の現像剤担持体内の磁石の磁極の位置および磁極と磁極との間である磁極無部と対向する位置に、NS極を多磁極に着磁させて形成されているとともに、磁石シール部材による現像剤担持体表面における磁極間位置の磁束密度の値が、磁石シール部材による現像剤担持体表面における磁極位置の磁束密度の値の80%以上、かつ120%以下であることとする請求項1または請求項2に記載の現像装置。
- 磁石シール部材と現像剤担持体内の磁石との互いに対向する位置に、異極性の磁極が設けられていることとする請求項3に記載の現像装置。
- 磁石シール部材と現像剤担持体とが対向した現像剤ニップ部において、すべての現像剤担持体表面位置で、磁石シール部材の現像剤担持体表面位置に対する法線方向の磁気力Frの大きさが、現像剤担持体内の磁石シール部材と対向する領域での現像剤担持体内の磁石の現像剤担持体表面位置に対する法線方向の磁気力Frの大きさよりも大きいこととする請求項1から請求項4のうちいずれか1つに記載の現像装置。
- 現像剤担持体内の磁石と磁石シール部材とが、異種の磁石からなることとする請求項1から請求項5のうちいずれか1つに記載の現像装置。
- 磁石シール部材は、希土類磁石からなることとする請求項1から請求項6のうちいずれか1つに記載の現像装置。
- 画像形成装置本体に対して着脱可能に形成されるとともに、少なくとも像担持体と現像装置とを有するプロセスカートリッジにおいて、現像装置は、請求項1から請求項7のうちいずれか1つに記載の現像装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 少なくとも、磁性現像剤を収容する現像容器と、現像容器に回転自在に支持されるとともにその内部に複数の磁極を有する磁石が配置されることにより現像剤を所定方向に担持搬送できる現像剤担持体と、現像剤担持体の両端で現像容器側の現像剤担持体と対向する位置に所定間隔を開けて配置された磁石シール部材とを有する現像装置が設けられた画像形成装置において、現像装置として請求項1から請求項7のうちいずれか1つに記載の現像装置が用いられているか、もしくは、画像形成装置内に請求項8に記載のプロセスカートリッジが配置されていることを特徴とする画像形成装置。
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