JP3927415B2 - 安定化した硬表面用撥水コート剤及びこれを用いた撥水処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬表面、例えば硬質基材表面等に撥水性を付与するコート剤、中でも車両、航空機又は船舶用、特に自動車等の車両用に好適であり、さらには門型洗車機等の洗車機による洗車に用いて好適な硬表面用撥水コート剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の表面、特に自動車の車体面に撥水性を付与する撥水コート剤としては、ジメチルポリシロキサンのようなアルキルポリシロキサンに代表される不活性なシリコーンオイルとカルナバロウや蜜ロウ等に代表される不活性なエステル系ワックスとを組み合わせたワックス剤が多用されている。
しかしながら、このものは、初期の撥水性や光沢性に優れているが、その効果を十分に発揮させるには手作業による拭き上げなどの仕上げ処理を要し、作業が煩雑になるのを免れなかった。
【0003】
また、門型洗車機による洗車用として、シリコーン、ロウ及びカチオン界面活性剤を含有する乳化液からなるもの(特開昭63−112249号公報)や、ロウ、シリコーン及びアニオン界面活性剤を含有する乳化液からなるもの(特開昭63−227680号公報)が知られているが、これらも車両を洗車機に通した後乾燥行程を経てタオル等で拭き上げる必要があった。
【0004】
一方、車体面への付着性を重視したものとして、アミノ変性シリコーンオイルと非イオン界面活性剤を含有させた撥水コート剤が提案されているが、これは、撥水性を向上させた処方とすると安定性が低下し、アミノ変性シリコーンオイルがそのアミノ基による反応性のために水、シラノール、炭酸ガス等の存在下で重合してゲル状物や固形物を形成し、中でも門型洗車機等の洗車機で使用すると短期間のうちにこのようなゲル状物や固形物が配管中に堆積して配管を詰まらせるというトラブルを生じ、また車体面に塗布するとその車体の一部例えばドア部等にその塗布跡が「カタ」となって筋状に残り、タオル等を用いて拭き上げ処理を施しても均一に仕上げるのが困難で作業性を低下させるものであったり、また光沢が不十分なものであったりして十分満足しうるものではなかった。
また、上記配管目詰まりのトラブルを防止するために、非イオン界面活性剤を多量使用して安定性を高めることもできるが、そうすると撥水コート剤の車体面への付着性が低下してたれ落ちるなど撥水性が低下するのを免れなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の撥水コート剤のもつ欠点を克服し、硬表面、中でも車両の表面、特に自動車の車体面への付着性に優れ、拭き上げなどの仕上げ処理を必要とせず、均一に塗布でき、撥水性に優れた塗膜を形成しうる上に、安定性に優れ、ゲル状物や固形物(以下これらを析出物という)の発生を抑止し、洗車機等のコーティング装置における配管の目詰まりを長期間防止しうる硬表面用撥水コート剤や、さらにこれに加え塗布跡が残らない硬表面用撥水コート剤を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の特性を有する安定化した硬表面用撥水コート剤を開発するために種々研究を重ねた結果、撥水成物としてシリコーンオイルを含む硬表面用撥水コート剤に特定の安定剤を含有させ、所望に応じさらに界面活性剤を配合させることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、アミノ変性シリコーンオイルの水性溶液からなる撥水コート剤に、安定剤としてアンモニウム塩変性シリコーンを含有させたことを特徴とする、安定化した硬表面用撥水コート剤、及びあらかじめカチオン性界面活性剤を含有する水性ワックスで前処理した車体硬表面に、洗車機により上記の硬表面用撥水コート剤を塗布することを特徴とする撥水処理方法に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の撥水コート剤は、(A)撥水成分としてのアミノ変性シリコーンオイルと(B)安定剤としてのアンモニウム塩変性シリコーンを含む水性溶液からなっている。
本発明の撥水コート剤において(A)成分として用いられるアミノ変性シリコーンオイルとしては、そのアミノ当量が800〜10,000、中でも1,000〜4,000、特に1,200〜3,000の範囲にあるものが好ましく、また動粘度が50〜3000cSt、中でも250〜2000cSt、特に400〜1,500cStの範囲にあるものが好ましく、とりわけそのアミノ当量が1,300〜2,500の範囲にあるとともに、動粘度が500〜1,200cStの範囲にあるものが好ましい。
【0009】
上記動粘度が50cSt未満では十分なはっ水性が得られにくいし、また3000cStを超えても粘性が高すぎて均一に塗布しにくく、塗布跡がカタとなって残りやすい。また、上記アミノ当量が800未満では水性系としての十分な安定性が得られにくいし、また10,000を超えると車体等の硬表面への付着性が弱くなり、十分な撥水性が得られにくくなる。
【0010】
アミノ変性シリコーンオイルのベースシリコーンオイルとしては、アルキルポリシロキサンが好ましく、アルキルポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジプロピルポリシロキサン、ジブチルポリシロキサンなどのジ低級アルキルポリシロキサン、中でもジメチルポリシロキサンが好ましい。
【0011】
次に、本発明の撥水コート剤においては、(B)成分の安定剤としてアンモニウム塩変性シリコーンを用いることが必要である。このアンモニウム塩変性シリコーンは公知であり、例えば商品名「テゴプレン6922」として、ゴールドシュミット社から市販されている。
このアンモニウム塩変性シリコーンは単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この(B)成分の安定剤は、長期間にわたって保存しても、析出物の発生を抑止する作用がある。これは(A)成分のアミノ変性シリコーンオイルの反応性が(B)成分の安定剤により抑制されるためである。
【0012】
本発明の撥水コート剤において所望に応じて(C)成分として界面活性剤を含むことができるが、この界面活性剤は、非イオン性界面活性剤又は両性界面活性剤であることが必要であり、これらは(A)成分のアミノ変性シリコーンオイルを水性媒体中に分散あるいは可溶化させるとともに、撥水コート剤を塗布した際に塗面上に均一に広げるという作用を有する。
【0013】
この非イオン性界面活性剤については特に制限されないが、好ましくは脂肪酸ジエタノールアミドなどのアルキロールアミド;ラウリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシドなどのアルキルアミンオキシド;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。
【0014】
また、両性界面活性剤については特に制限されないが、好ましくはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインなどのアミドプロピルベタインが挙げられる。
【0015】
これらの界面活性剤は単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの界面活性剤の中でもアルキロールアミド、アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルベタイン、アミドプロピルベタイン、特にアルキロールアミドが好ましい。
このような(C)成分として用いられる所定界面活性剤の市販品としては、例えば川研ファインケミカル社製のアミゾールCDEやアミゾールLDE、ライオン社製のアロモックスDMC−W、アロモックスDM12D−W、アロモックスDM14D−N、エナジコールC30−B及びエナジコールL−30B、花王社製のアンヒトール20BS、アンヒトール24Bなどが挙げられる。
【0016】
本発明の撥水コート剤は、水性溶液として調製されるが、このために用いられる水性溶剤としては、親水性有機溶剤例えばイソプロピルアルコールのようなアルコールと水との混合物が用いられる。この水性溶剤は、上記界面活性剤の作用を補助し、界面活性剤による泡立ちを抑えてすみやかに撥水性を発現させるという作用を示す。この場合、親水性有機溶剤の濃度としては、水に対して30質量%を超えない範囲にするのが好ましい。
【0017】
本発明の撥水コート剤においては、さらに、所望に応じ、(D)成分としてグリセリンを配合することができる。これは撥水コート剤を硬表面に塗布した後、水洗した場合に塗布跡がカタとなって残り、仕上げ作業が損なわれることを抑制する作用をもつ。
【0018】
【0019】
本発明の撥水コート剤における上記(A)ないし(D)成分の含有割合は以下のとおりである。
(A)成分のアミノ変性シリコーンオイルについては0.1〜10質量%、中でも0.5〜5質量%の範囲で選ぶのがよい。この割合が0.1質量%未満では撥水効果が十分発揮されないし、また10質量%を超えると水性系としての安定性が良好でなく、塗布ムラを生じ、塗布後の均一な仕上げが困難となり、硬表面、中でも車両、特に自動車の車体に撥水コート処理後白色跡が残りやすくなり、そのために拭き上げ作業を要することが多くなる。
【0020】
また、(B)成分の安定剤については、0.1〜10質量%、中でも0.5〜5質量%の範囲で選ぶのがよい。この割合が0.1質量%未満ではその添加効果、すなわち析出物の発生抑止効果が十分ではないし、また10質量%を超えても撥水性が低下する傾向がみられる。
【0021】
さらに、(C)成分の界面活性剤を含有させる場合には、界面活性剤について、0.1〜7質量%、中でも0.5〜5質量%の範囲で選ぶのがよい。この割合が0.1質量%未満では水性系への溶解・分散効果が十分発揮されないし、また7質量%を超えると濡れ性が大きくなって撥水効果を妨げる傾向がみられる。
【0022】
さらに、水性溶剤を形成する場合には、その中の親水性有機溶剤の含有割合は1〜30質量%、好ましくは2〜25質量%の範囲で選ぶのがよく、中でも水性溶剤としてイソプロピルアルコールを用いる場合には、その含有割合は1〜10質量%、特に2〜5質量%の範囲で選ぶのが好ましい。
これよりも含有割合が少ないと溶解・分散性向上が不十分になるし、またこれよりも多くなると安定性がそこなわれ、分離や分層の原因になる。
【0023】
また、グリセリンを含有させる場合には、その含有割合は20質量%を超えない量、好ましくは5〜15質量%の範囲で選ぶのがよい。この割合が5質量%未満では塗布カタや塗布ムラの防止効果が十分発揮されないし、また20質量%を超えると濡れ性が大きくなって撥水効果を妨げる傾向がみられる。
【0024】
本発明の撥水コート剤として好適なものは、(A)成分100質量部に対し、(B)成分20〜500質量部、中でも30〜300質量部、(C)成分20〜500質量部、中でも30〜300質量部の範囲にあるもの、中でもこれにさらに(D)成分を(A)成分100質量部に対し30〜1000質量部、好ましくは50〜800質量部の範囲で加えたものである。
【0025】
本発明の撥水コート剤において塗布跡が残らないようにするには、(A)アミノ変性シリコーンオイル0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%、(B)アンモニウム塩変性シリコーンからなる安定剤0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%、(C)非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の中から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤0.1〜7質量%、好ましくは0.5〜5質量%、(D)イソプロピルアルコール1〜10質量%、好ましくは2〜5質量%を含有してなる水性系液からなるものが挙げられ、特にこのものにおいてさらに20質量%を超えない量でグリセリンを含有させたものが一層塗布跡を残さないので好ましい。
このような撥水コート剤として特に好適なものを配合量として示すと、(A)成分100質量部に対し、(B)成分20〜500質量部、好ましくは30〜300質量部、(C)成分20〜500質量部、好ましくは30〜300質量部、その他の成分の合計量30〜1000質量部、好ましくは50〜800質量部の範囲である。
【0026】
本発明の撥水コート剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じ、希釈溶剤、安定化溶剤、凍結防止剤、防錆剤、防腐剤、研磨剤、紫外線吸収剤、色素等の着色剤などを配合することができる。
防錆剤の例としては、ベンゾトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトラートなどが挙げられる。
防腐剤の例としては、5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン、2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オンなどが挙げられる。
【0027】
本発明の撥水コート剤を調製するには所要成分を水中で一挙に混合するか、あるいは、先ず、アミノ変性シリコーンオイルと安定剤と水を混合し、この中に親水性有機溶剤例えばイソプロパノール又はそれとグリセリンを加え、さらに界面活性剤を加えて乳化又はミクロエマルション化させたのち、さらに水を加えて適当な濃度のものとする。
【0028】
本発明の撥水コート剤は、硬表面、例えば硬質基材表面等に適用するのが好ましい。硬表面としては、例えばガラス、ステンレス鋼や鋼材等の金属、プラスチック、金属やプラスチックや木材の塗装物又はメッキ物の表面等が挙げられ、具体的には、住居内・外の壁、床、天井、屋根、台所のレンジ周り、換気扇、家具、各種工業製品、その他汚れた硬表面全般、中でも自動車、鉄道車両等の車両、航空機、船舶、特に自動車の車体が挙げられる。
【0029】
本発明の撥水コート剤は、好適には車両の表面の自動塗布方法、特に門型洗車機、連続式門型洗車機、スプレー洗車機等の洗車機を用いた自動塗布方法に用いられる。
このような洗車機による車両撥水コート方法において、本発明の撥水コート剤を有利に使用するには、その塗布前にあらかじめ車両にカチオン界面活性剤を含有する水性ワックスを塗布しておくのがよい。
【0030】
カチオン界面活性剤を含有する水性ワックスについては、これまで慣用されているものが用いられ、このようなものとしては、例えばパラフィンワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ビーズワックス、ライスワックス、流動パラフィン、石油系溶剤、カチオン界面活性剤、水溶性溶剤等の配合成分を適宜組み合わせて含有させて成るものが挙げられるが、好ましくはパラフィンワックス、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、α‐オレフィン、エチレングリコール、脂肪族アミン酢酸塩を含有させて成る水性ワックス、中でもパラフィンワックス、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド(ここでアルキル基は炭素数16〜18のものである)、α‐オレフィン(炭素数16〜18のもの)、エチレングリコール、脂肪族アミン酢酸塩(ここで脂肪族基は炭素数16〜18のものである)を含有させて成る水性ワックスであり、これら配合成分の含有割合については、好ましくはパラフィンワックス0.5〜8質量%、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド好ましくはそのアルキル基が炭素数16〜18であるもの3〜15質量%、α‐オレフィン好ましくは炭素数が16〜18のもの2〜10質量%、エチレングリコール5〜15質量%、脂肪族アミン酢酸塩好ましくはその脂肪族基が炭素数16〜18であるもの1〜10質量%の範囲であり、これら配合成分の他は通常水が用いられる。
【0031】
本発明の撥水コート剤を門型洗車機に使用する場合、このようなカチオン界面活性剤を含有する水性ワックスを前以て塗布するとともに、洗車行程の最終塗布行程の段階で該撥水コート剤処理を行うのが外観良好で優れた撥水効果が得られるので好ましい。
【0032】
本発明の撥水コート剤は、この工程でエゼクター吸い上げ又はポンプにて20〜200倍に希釈されて塗装面にスプレー塗布される。本発明の撥水コート剤は、スプレー塗布するだけで十分塗装面に付着、撥水する。
【0033】
本発明の撥水コート剤を門型洗車機で洗車する方法の1例としては、停車又は移動している車両を跨いでその前後方向に往復走行する門型走行フレームを有する門型洗車機を用いた2往復洗車において、1往行時に、門型走行フレームに設けたリンス装置から清水を車体面に散布して車体面を洗浄し、1復行時にフォーム剤を該フレームに設けた塗布装置により適当に希釈して起泡状で車体面に塗布しながら、該フレームに設けた回転ブラシによりその車体面をポリッシングし、2往行時に本発明の撥水コート剤を該フレームに設けた塗布装置により車体面に掛け、それに続いてリンス装置から清水をそれぞれ車体面に散布してその車体面の余剰撥水コート剤を流し落としてリンスし、2復行時に、送風機により乾燥する方法が挙げられる。
【0034】
【実施例】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
実施例1
アミノ変性シリコーンオイル(ジメチルポリシロキサンのアミノ変性物、動粘度800cSt、アミノ当量1500)3質量部に、テゴプレン6922(商品名、ゴールドシュミット社製アンモニウム塩変性シリコーン)5質量部、エナジコールC−30B(商品名、ライオン社製、やし油脂肪酸アミドプロピルベタイン)10質量部、イソプロパノール10質量部、グリセリン10質量部、ベンゾトリアゾール0.1質量部、2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン0.1質量部、水67質量部を加えて撥水コート剤を調製した。
【0040】
実施例2
アミノ変性シリコーンオイル(ジメチルポリシロキサンのアミノ変性物、動粘度500cSt、アミノ当量1800)3質量部に、テゴプレン6922 5質量部、イソプロパノール10質量部、グリセリン10質量部、ベンゾトリアゾール0.1質量部、2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン0.1質量部、水67質量部を加えて撥水コート剤を調製した。
【0041】
実施例3
アミノ変性シリコーンオイル(ジメチルポリシロキサンのアミノ変性物、動粘度500cSt、アミノ当量1800)3質量部に、テゴプレン6922 5質量部、イソプロパノール10質量部、ベンゾトリアゾール0.1質量部、2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン0.1質量部、水67質量部を加えて撥水コート剤を調製した。
【0042】
【0043】
比較例1
アミノ変性シリコーンオイル(ジメチルポリシロキサンのアミノ変性物、動粘度20,000cSt、アミノ当量1800)15質量部に、アミゾールCDE5質量部、イソプロパノール5質量部、グリセリン5質量部、ベンゾトリアゾール0.1質量部、5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン0.1質量部、水83質量部を加えて撥水コート剤を調製した。
【0044】
比較例2
アミノ変性シリコーンオイル(ジメチルポリシロキサンのアミノ変性物、動粘度1100cSt、アミノ当量1700)2.5質量部に、ポリオキシエチレンアルキル(C16〜C18)エーテル15質量部、イソプロパノール5質量部、グリセリン10質量部、ベンゾトリアゾール0.1質量部、5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン0.1質量部、水67.5質量部を加えて撥水コート剤を調製した。
【0045】
比較例3
アミノ変性シリコーンオイル(ジメチルポリシロキサンのアミノ変性物、動粘度800cSt、アミノ当量1500)3質量部に、エナジコールC−30B1質量部、イソプロパノール25質量部、グリセリン10質量部、ベンゾトリアゾール0.1質量部、2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン0.1質量部、水62質量部を加えて撥水コート剤を調製した。
【0046】
(イ)安定性
各実施例及び比較例の各撥水コート剤試料を、それ自体の濃度が5質量%になるように水で希釈し、この希釈試料液を以下の試験に供した。
すなわち、この試料液を入れた貯槽、門型洗車機に用いられているのと同様のエゼクター及び循環ポンプに配管を組み込んだ試料液循環ラインをセットし、この循環ラインに試料液を室温で日中10時間循環させる試験を5日間計50時間行ったのち、循環ラインを解体し、配管やエゼクター内の析出物を目視観察し、以下の判定基準で各撥水コート剤試料の安定性について評価した。
◎:試験前と変化なし
○:析出物は僅少である
△:析出物がかなりある
×:析出物でほぼ閉塞されている
【0047】
(ロ)均一塗布性
各実施例及び比較例の各撥水コート剤試料を、水で20倍に希釈し、この希釈液を塗布液として、その5mlをハンドスプレーでJIS K2236に準拠して黒色塗装板上に均一に塗布し、水洗し、自然乾燥して撥水コート板を調製した。
この撥水コート板におけるコート剤の塗布痕の有無について目視観察し、以下の判定基準で評価した。
◎:塗布痕が認められない
○:塗布痕がほとんど認められない
△:塗布痕がある程度認められる
×:塗布痕が白くなってはっきり確認される
【0048】
(ハ)撥水性
上記と同様に調製した撥水コート板に水をかけ、付着した水滴について、その接触角を接触角計(協和界面科学社製、CA−Z型)で測定し、以下の判定基準で評価した。接触角は5回測定の平均値をとった。
○:105°より大
△:95〜105°
×:95°未満
【0049】
【表1】
【0050】
表1より、各比較例のコート剤試料は均一塗布性に難があったり、撥水性に劣ったり、安定性に劣るなどの欠点を有しているのに対し、実施例の撥水コート剤試料は、均一塗布性や安定性に優れ、撥水性も良好で、これら特性の総合的バランスもよいことが分る。
【0051】
【発明の効果】
本発明の撥水コート剤は、硬表面、中でも車両の表面、特に自動車の車体面への付着性に優れ、拭き上げなどの仕上げ処理を必要とせず、均一に塗布でき、撥水性に優れた塗膜を形成しうる上に、安定性に優れ、析出物の発生を抑止し、洗車機等のコーティング装置における配管の目詰まりを長期間防止することができ、さらに前記(6)ないし(10)、中でも特に前記(10)に記載の処方としたものでは、これに加え塗布跡が残らないなど顕著な効果を奏し、特に自動塗布方法、中でも門型洗車機等の自動式洗車機を使用した撥水コート処理に好適に用いられる。
Claims (9)
- アミノ変性シリコーンオイルの水性溶液からなる撥水コート剤に、安定剤としてアンモニウム塩変性シリコーンを含有させたことを特徴とする、安定化した硬表面用撥水コート剤。
- アミノ変性シリコーンオイルの含有割合が0.1〜10質量%、安定剤の含有割合が0.1〜10質量%である請求項1記載の安定化した硬表面用撥水コート剤。
- さらに、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の中から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含有する請求項1又は2記載の安定化した硬表面用撥水コート剤。
- 界面活性剤の含有割合が0.1〜7質量%である請求項3記載の安定化した硬表面用撥水コート剤。
- 水性溶液が水とイソプロピルアルコールとの混合溶剤の溶液である請求項1ないし4のいずれかに記載の安定化した硬表面用撥水コート剤。
- イソプロピルアルコール濃度1〜10質量%の水とイソプロピルアルコールとの混合溶剤を用いる請求項5記載の安定化した硬表面用撥水コート剤。
- アミノ変性シリコーンオイルが、アミノ当量800〜10,000、動粘度50〜3000cStの範囲のものである請求項1ないし6のいずれかに記載の安定化した硬表面用撥水コート剤。
- さらに20質量%を超えない量のグリセリンを含有する請求項1ないし7のいずれかに記載の安定化した硬表面用撥水コート剤。
- あらかじめカチオン性界面活性剤を含有する水性ワックスで前処理した車体硬表面に、洗車機により請求項1〜8記載の硬表面用撥水コート剤を塗布することを特徴とする撥水処理方法。
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