JP3924022B2 - ランプベゼルの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バンパ本体に形成された丸形前照灯用孔の周縁部に装着されるランプベゼルの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のフロント部には、夜間走行に際して前方視界を得るために、前照灯が設けられている。
一方、グリル部を一体に設けたバンパ構造が知られており、この種のバンパ構造では、図12に示すように、車体100に装着された前照灯101のためにバンパ本体102に、丸形の前照灯用孔103を形成している。このような、バンパ本体102には、図13に示すように切り欠き部104を形成し、この切り欠き部104から工具を差し込んで、前照灯101の光軸調整、いわゆるエイミングを行っていた。
【0003】
また、前照灯用孔103の周縁部に、外観の向上を図るために、飾り枠、いわゆるランプベゼルを装着することがある。
このランプベゼルの取付けは、図14または図15に示すようにして行われている。
図14に示した方法は、バンパ本体102の前照灯用孔103周縁フランジ部に切り欠き孔105とネジ孔106を形成し、一方、ランプベゼル107に切り欠き孔105に係合する突起部108と、ネジ孔106に対応する孔109を形成し、切り欠き孔105に突起部108を係合して、ランプベゼル107を前照灯用孔103に組み付け、ネジ110を孔109に挿入してネジ孔106に螺合することで、ランプベゼル107を組み付けている。
【0004】
また、図15に示した方法では、バンパ本体102の前照灯用孔103周囲にネジ孔111を形成し、一方、ランプベゼル107の外周面に肉厚部112を形成し、この肉厚部112に形成した取付孔113からネジ114を挿入して、このネジ114をネジ孔111に螺合することによって、ランプベゼル107をバンパ本体102に組み付けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13に示すような方法では、図16に示すように、前照灯用孔103に大きな切り欠き部104が設けられることから、外観を損ね、デザイン的な自由度が束縛されてしまう。
また、図14または図15に示す方法では、ランプベゼル107をネジ110、またはネジ114で数カ所留める必要があり、前照灯のエイミングに際してランプベゼル107を留めているネジ110、またはネジ114を総て外さなければならず、作業性が悪く、かつ外観を損ねていた。
【0006】
本発明は上記課題を解決し、取付けを確実に行うことができるとともに脱着を容易に行うことができるランプベゼルの取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、バンパ本体に丸形前照灯用孔を形成するとともに該前照灯用孔の周縁部に装着されるランプベゼルの取付構造において、上記前照灯用孔の周縁部に筒状のフランジ部を立設し、このフランジ部の周囲に円周方向に長孔となる複数の係合孔を設け、上記筒状のフランジ部を覆う環状のランプベゼルの裏面周縁部に、円周方向に係合部を有するL字型の爪部を円周方向に突設し、上記爪部を上記係合孔に挿入して所定角度回動させて上記爪部の係合部が上記係合孔に係合することによってランプベゼルをバンパ本体に取り付けることにある。
【0008】
また、本発明は、上記ランプベゼルにネジ用の孔を設け、該ネジ用の孔からネジを通して、上記フランジ部に上記ランプベゼルを固定したことにある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1ないし図3において、1は自動車の車体、2は車体1のエンジンルーム前方のフロント部3に装着されたグリル部一体型のバンパである。このバンパ2は、バンパ本体4の上部側中央部にグリル部5を設け、下部側中央部にライセンスプレート取付部6を設けたバンパグリル部7が一体に設けられている。グリル部5の両側には前照灯用孔8が形成されている。
【0011】
この前照灯用孔8の周縁部には、図4に示すように、筒状のフランジ部9が立設されており、このフランジ部9の周囲に、円周方向に一定間隔で複数(図示例では3個所)の係合長孔(係合孔)9aが設けられている。この係合長孔9aは円周方向に長孔に形成され、かつ左右の前照灯用孔8で互いに非対称の位置に形成されている。
この係合長孔9aに係合してフランジ部9に装着されるランプベゼル10には、図5ないし図8に示すように、裏面の周縁部に上記係合長孔9aに係合する爪部11が突設されており、このランプベゼル10は爪部11を上記係合長孔9aに係合させて、時計方向に回動させることによって、前照灯用孔8のフランジ部9に装着されている。上記爪部11には、L字型の係合部11aが一方の円周方向に向けて形成されており、ランプベゼル10を回動することによって、爪部11の係合部11aが係合長孔9aに係合してランプベゼル10が固定されるものである。このランプベゼル10には、ネジ用の孔12が一個所に設けられており、このネジ用の孔12からネジ13を通して前照灯用孔8のフランジ部9に形成されたネジ孔14に螺合してランプベゼル10を固定している。このネジ用の孔12は、左右の前照灯用孔8にランプベゼル10が共通使用可能な位置に形成されている。
【0012】
次に、バンパ本体4を車体1のフロント部3に組み付けるための構造を図1および図2にしたがって説明する。
上記バンパ本体4の裏面には、上端部に、クリップ用孔15aを形成した取付部15が一定間隔で複数個所(図示例では3個所)に設けられ、この取付部15の両側左右上端部に、クリップ用孔16aを形成したステー16が設けられている。バンパ本体4の左右両端部のフランジ部17には、ネジ用孔17aが形成され、ライセンスプレート取付部6には、ボルト用の孔6aが形成されている。また、バンパ本体4の裏面左右には、ナット18a,18bを溶接したブラケット18が装着されている。
【0013】
一方、バンパ本体4を組み付ける車体1のフロント部3には、上部側クロスメンバ19に、クリップ用孔15aに対応するクリップ用孔19aと、クリップ用孔16aに対応するクリップ用孔19bが設けられている。
また、左右のフロントフェンダーパネル20の下面フランジ部20aには、ネジ用孔17aに対応するナット21が装着されている。
さらに、車体1の下部側クロスメンバ22には、ボルト用の孔6aに対応する位置にナットを装着したブラケット23が溶接されている。
上記上部側クロスメンバ19と下部側クロスメンバ22の両側に配設されたランプサポートパネル24には、ブラケット18のナット18a,18bに対応するネジ用孔24a,24bが形成されている。
【0014】
そして、バンパ本体4を車体1のフロント部3に組み付けるに際しては、クリップ25を、クリップ用孔15aとクリップ用孔19aに差し込んで留め、クリップ26をクリップ用孔16aとクリップ用孔19bに差し込んで留める。フランジ部17のネジ用孔17aからネジ27を挿入してナット21に螺合し、ボルト用の孔6aからボルト28を挿入してブラケット23側に螺合する。そして、ネジ用孔24a,24bからネジ29を挿入してブラケット18のナット18a,18bに螺合して留める。
【0015】
次に、ランプベゼル10を前照灯用孔8のフランジ部9に装着する場合について説明する。
まず、図9および図10に示すように、ランプベゼル10の爪部11を係合長孔9aに挿入し、ランプベゼル10を回動すると、図11に示すように、爪部11の係合部11aが係合長孔9aの縁部に係合してランプベゼル10が固定される。つぎに、ネジ用の孔12からネジ13を通して前照灯用孔8のフランジ部9に形成されたネジ孔14に螺合してランプベゼル10を固定する。
ランプベゼル10は1本のネジ13によって、固定されるので、エイミングに際して、ネジ13を外すことによって、調整作業を行うことができるので、作業能率の向上を図ることができる。前照灯用孔8のフランジ部9に切り欠き部を設ける必要がなくなるので、デザインの自由度が向上した。また、爪部11を係合長孔9aに係合させるだけで、ランプベゼル10は前照灯用孔8のフランジ部9に仮留めすることができることから、組み付け作業に際して作業性が向上する。さらに、ネジ13が外れても爪部11によって、組み付けられているので、ランプベゼル10が外れることがない。左右のランプベゼル10の共通化を図ることができるので、部品管理が容易となり、誤って組み付ける虞がなくなる。
【0016】
なお、上記の実施の形態では、ランプベゼル10に爪部11を設け、前照灯用孔8のフランジ部9周囲に係合長孔9aを設けたが、ランプベゼル10側に係合孔を設け、前照灯用孔8のフランジ部9周囲に爪部を設けるようにしても良い。また、ランプベゼル10に、それぞれ爪部と係合孔を設け、前照灯用孔8のフランジ部9周囲に、ランプベゼル10側の爪部と係合孔に係合する係合孔と爪部を設けるようにしても良い。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるランプベゼルの取付構造によれば、以下のような効果を奏する。
【0018】
請求項1において、バンパ本体に丸形前照灯用孔を形成するとともに該前照灯用孔の周縁部に装着されるランプベゼルの取付構造において、上記前照灯用孔の周縁部に筒状のフランジ部を立設し、このフランジ部の周囲に円周方向に長孔となる複数の係合孔を設け、上記筒状のフランジ部を覆う環状のランプベゼルの裏面周縁部に、円周方向に係合部を有するL字型の爪部を円周方向に突設し、上記爪部を上記係合孔に挿入して所定角度回動させて上記爪部の係合部が上記係合孔に係合することによってランプベゼルをバンパ本体に取り付けるので、組み付けに際してランプベゼルが脱落することがなく、ランプベゼルをバンパ本体に容易で、かつ確実に組み付けることができる。上記爪部を係合孔に係合させることによって、ランプベゼルがバンパ本体に組み付けられているので、ランプベゼルの一個所を留めることにより、ランプベゼルを確実に固定することができるとともに外観の向上を図ることができる。従来よりも、部品点数を削減できるので、管理性能が向上し、管理費および部品総コストを低減することができる。前照灯用孔の周縁部に切り欠き部を設ける必要がないので、デザインの自由度を向上することができる。
請求項2において、上記ランプベゼルにネジ用の孔を設け、該ネジ用の孔からネジを通して、上記フランジ部に上記ランプベゼルを固定したので、組み付けに際してランプベゼルが脱落することがなく、ランプベゼルをバンパ本体に容易で、かつ確実に組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のランプベゼルの取付構造を示す分解斜視図である。
【図2】図1のランプベゼルとバンパ本体を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】ランプベゼルをとめる係合孔を示す正面図である。
【図5】図2のランプベゼルを示す背面図である。
【図6】図5の左側面図である。
【図7】図5のA−A線断面図である。
【図8】図5のB−B線断面図である。
【図9】ランプベゼルの爪部と係合孔を示す部分拡大斜視図である。
【図10】ランプベゼルの爪部と前照灯用孔の係合孔を示す断面図である。
【図11】ランプベゼルの爪部と前照灯用孔の係合孔を示すランプベゼル回動後の断面図である。
【図12】従来の前照灯用孔を示す斜視図である。
【図13】従来のエイミング調整方法を示す斜視図である。
【図14】従来のランプベゼルの取付構造を示す斜視図である。
【図15】従来のランプベゼルの取付構造を示す斜視図である。
【図16】従来のランプベゼルを装着した場合のエイミング調整方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車体
2 バンパ
3 フロント部
4 バンパ本体
5 グリル部
6 ライセンスプレート取付部
7 バンパグリル部
8 前照灯用孔
9 フランジ部
10 ランプベゼル
11 爪部
12 ネジ用の孔
13 ネジ
14 ネジ孔
9a 係合長孔
Claims (2)
- バンパ本体に丸形前照灯用孔を形成するとともに該前照灯用孔の周縁部に装着されるランプベゼルの取付構造において、
上記前照灯用孔の周縁部に筒状のフランジ部を立設し、このフランジ部の周囲に円周方向に長孔となる複数の係合孔を設け、上記筒状のフランジ部を覆う環状のランプベゼルの裏面周縁部に、円周方向に係合部を有するL字型の爪部を円周方向に突設し、上記爪部を上記係合孔に挿入して所定角度回動させて上記爪部の係合部が上記係合孔に係合することによってランプベゼルをバンパ本体に取り付けることを特徴とするランプベゼルの取付構造。 - 上記ランプベゼルにネジ用の孔を設け、該ネジ用の孔からネジを通して、上記フランジ部に上記ランプベゼルを固定したことを特徴とする請求項1に記載のランプベゼルの取付構造。
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JPH1053065A JPH1053065A (ja) | 1998-02-24 |
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- 1996-08-09 JP JP21075496A patent/JP3924022B2/ja not_active Expired - Fee Related
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