JP3920794B2 - 送信方法およびそれを利用した無線装置 - Google Patents

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    • H04W88/02Terminal devices

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は通信対象の無線端末へのデータの送信技術およびそれを利用した無線技術に関する。特にアンテナの指向性パターンを制御する送信方法およびそれを利用した無線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤレス通信において、一般に限りある周波数資源の有効利用が望まれている。周波数資源を有効利用するための技術のひとつが、アダプティブアレイアンテナ技術である。アダプティブアレイアンテナ技術は、複数アンテナでそれぞれ送受信される信号の振幅と位相を制御して、アンテナの送受信指向性パターンを形成する。すなわち、アダプティブアレイアンテナを備えた装置は、それぞれのアンテナで受信した信号の振幅と位相を変化させ、変化させた受信信号のそれぞれを加算して、当該振幅と位相との変化量(以下、「ウエイト」という)に応じた指向性パターンのアンテナで受信される信号と同等の信号を受信する。また、ウエイトに応じたアンテナの指向性パターンによって信号が送信される。
【0003】
アダプティブアレイアンテナ技術において、ウエイトを算出するための処理の一例には、最小二乗誤差(MMSE:Minimum Mean SquareError)法にもとづく方法がある。MMSE法において、ウエイトの最適値を与える条件としてウィナー解が知られており、さらに当該条件を直接解くよりも計算量が少なくかつ当該最適値に収束する漸化式も知られている。漸化式としては、例えば、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやLMS(Least Mean Squares)アルゴリズムなどの適応アルゴリズムが使用される(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−77015号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
アダプティブアレイアンテナは、無線区間における電波環境の変化に対して、最適なウエイトの値となるようにウエイトを制御して、その結果で形成された指向性パターンにもとづいて無線信号を送受信する。そのため、電波環境がほとんど変化しない場合は、指向性パターンもほとんど変化しない。また、アダプティブアレイアンテナを有した無線基地局装置から送信された無線信号は、通信対象の無線端末装置で受信されると共に、アダプティブアレイアンテナの指向性パターンの範囲内に存在する通信対象でない無線端末装置にも受信される可能性がある。とくに、前述したアダプティブアレイアンテナの指向性パターンがほとんど変化しない電波環境下においては、無線信号が通信対象でない無線端末装置に継続して受信される可能性もあるため、無線信号に含まれた情報のセキュリティの面で課題となる。なお当該課題はアダプティブアレイアンテナに限らず、固定的な指向性パターンのアンテナや無指向性アンテナにおいても同様である。
【0006】
本発明者はこうした状況を認識して、本発明をなしたものであり、その目的は通信対象の無線装置への無線信号が、通信対象でない無線端末装置で継続して受信されることを防ぐ送信方法およびそれを利用した無線装置を提供することである。また、電波環境とは無関係にウエイトを制御する送信方法およびそれを利用した無線装置を提供することである。また、電波環境とは無関係にウエイトを制御しつつ、通信対象の無線装置へ送信する信号の強度について、所定の値を保持する送信方法およびそれを利用した無線装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は、無線装置である。この装置は、通信対象の端末装置から受信した信号をもとに、通信対象の端末装置の受信応答ベクトルを計算する計算部と、通信対象の端末装置と異なった仮想の端末装置の仮想応答ベクトルを取得する取得部と、計算した受信応答ベクトルと取得した仮想応答ベクトルを反映して、送信重みベクトルを生成する生成部と、生成した送信重みベクトルにもとづいて、通信対象の端末装置に所定の信号を送信する送信部とを含む。この装置において、取得部は、仮想応答ベクトルを適宜再取得し、再取得した仮想応答ベクトルについて、生成部と送信部の処理が再度行われてもよい。
【0008】
本発明の別の態様も、無線装置である。この装置は、通信対象の端末装置から受信した信号をもとに、通信対象の端末装置の受信応答ベクトルを計算する計算部と、通信対象の端末装置と異なった仮想の端末装置の仮想応答ベクトルを取得する取得部と、計算した受信応答ベクトルと取得した仮想応答ベクトルを反映して、送信重みベクトルを生成する生成部と、生成した送信重みベクトルにもとづいて、通信対象の端末装置に所定の信号を送信する送信部とを含む。この装置において、取得部は、計算した受信応答ベクトルとの相関値が所定のしきい値以下となる仮想応答ベクトルを適宜再取得し、再取得した仮想応答ベクトルについて、生成部と送信部の処理が再度行われてもよい。
【0009】
「再取得」には、すでに取得した仮想応答ベクトルと別の仮想応答ベクトルを取得することに加えて、すでに取得した仮想応答ベクトルに含まれたパラメータを変化させたり、あるいは既に取得した仮想応答ベクトルに含まれたパラメータを更新するための差分情報を取得することも含まれ、最終的に仮想相当ベクトルの値が変更すればよいものとする。
【0010】
取得部は、互いの相関値が所定の値以下となる複数の仮想応答ベクトルをそれぞれ記憶する記憶部と、記憶した複数の仮想応答ベクトルからひとつの仮想応答ベクトルを選択する選択部とを含んでもよい。
【0011】
「ひとつの仮想応答ベクトルを選択」には、仮想応答ベクトルそのものを選択する場合に加えて、仮想応答ベクトルを算出するために必要なパラメータを選択して、当該パラメータをもとに仮想応答ベクトルを計算する場合も含むものとする。
【0012】
通信対象の端末装置から受信した信号の強度を測定する測定部と、送信重みベクトルと受信応答ベクトルと測定部で測定された受信した信号の強度の情報から計算された通信対象の端末装置の信号強度の値がしきい値より小さい場合、取得部に、計算した受信応答ベクトルとの相関値が所定の値以下となる仮想応答ベクトルへの切替を指示する強度判定部をさらに含んでもよい。
【0013】
通信対象の端末装置からの受信信号の強度を測定する測定部と、送信重みベクトルと受信応答ベクトルと測定部で測定された受信した信号の強度の情報から計算された通信対象の端末装置の信号強度の値がしきい値より小さい場合、送信部に、通信対象の端末装置に送信すべき信号の強度の増加を指示する強度判定部をさらに含んでもよい。
「方向情報と強度情報」は、直接的に含まれる場合だけでなく、間接的に含まれる場合も含むものとする。
【0014】
強度判定部は、通信対象の端末装置の信号強度の値を受信応答ベクトルと仮想応答ベクトルの相関値から推定してもよい。
以上の装置により、適宜仮想応答ベクトルに含まれた方向情報が変更されるため、それに伴って送信重みベクトルの方向も変化し、通信対象でない端末装置による送信した信号の継続した受信が防止可能である。
【0015】
本発明のさらに別の態様は、送信方法である。この方法は、通信対象の端末装置で受信される信号強度の値は所定の値を確保しつつ、通信対象の端末装置以外において、信号強度の値の小さい方向が適宜変化するように制御する。
【0016】
本発明のさらに別の態様も、送信方法である。この方法は、通信対象の端末装置に所定の信号を送信する際に使用される送信重みベクトルが、通信対象の受信応答ベクトルと仮想の端末装置の仮想応答ベクトルから生成され、さらに仮想応答ベクトルが、異なった値の仮想応答ベクトルに適宜変更されるように制御する。
【0017】
本発明のさらに別の態様も、送信方法である。この方法は、通信対象の端末装置から受信した信号をもとに、通信対象の端末装置の受信応答ベクトルを計算するステップと、通信対象の端末装置と異なった仮想の端末装置の仮想応答ベクトルを取得するステップと、計算した受信応答ベクトルと取得した仮想応答ベクトルを反映して、送信重みベクトルを生成するステップと、生成した送信重みベクトルにもとづいて、通信対象の端末装置に所定の信号を送信するステップとを含む。この方法において、仮想応答ベクトルを取得するステップは、仮想応答ベクトルを適宜再取得し、再取得した仮想応答ベクトルについて、送信重みベクトルを生成するステップと所定の信号を送信するステップの処理が再度行われてもよい。
【0018】
本発明のさらに別の態様も、送信方法である。この方法は、通信対象の端末装置から受信した信号をもとに、通信対象の端末装置の受信応答ベクトルを計算するステップと、通信対象の端末装置と異なった仮想の端末装置の仮想応答ベクトルを取得するステップと、計算した受信応答ベクトルと取得した仮想応答ベクトルを反映して、送信重みベクトルを生成するステップと、生成した送信重みベクトルにもとづいて、通信対象の端末装置に所定の信号を送信するステップとを含む。この方法において、仮想応答ベクトルを取得するステップは、計算した受信応答ベクトルとの相関値が所定のしきい値以下となる仮想応答ベクトルを適宜再取得し、再取得した仮想応答ベクトルについて、送信重みベクトルを生成するステップと所定の信号を送信するステップの処理が再度行われてもよい。
【0019】
仮想応答ベクトルを取得するステップは、互いの相関値が所定の値以下となる複数の仮想応答ベクトルをそれぞれ記憶するステップと、記憶した複数の仮想応答ベクトルからひとつの仮想応答ベクトルを選択するステップとを含んでもよい。
【0020】
通信対象の端末装置から受信した信号の強度を測定するステップと、送信重みベクトルと受信応答ベクトルと受信した信号の強度を測定するステップで測定された受信した信号の強度の情報から計算された通信対象の端末装置の信号強度の値がしきい値より小さい場合、仮想応答ベクトルを取得するステップに、計算した受信応答ベクトルとの相関値が所定の値以下となる仮想応答ベクトルへの切替を指示するステップをさらに含んでもよい。
【0021】
通信対象の端末装置からの受信信号の強度を測定するステップと、送信重みベクトルと受信応答ベクトルと受信信号の強度を測定するステップで測定された受信した信号の強度の情報から計算された通信対象の端末装置の信号強度の値がしきい値より小さい場合、所定の信号を送信するステップに、通信対象の端末装置に送信すべき信号の強度の増加を指示するステップをさらに含んでもよい。
【0022】
仮想応答ベクトルへの切替を指示するステップは、通信対象の端末装置の信号強度の値を受信応答ベクトルと仮想応答ベクトルの相関値から推定してもよい。また、信号の強度の増加を指示するステップは、通信対象の端末装置の信号強度の値を受信応答ベクトルと仮想応答ベクトルの相関値から推定してもよい。
【0023】
本発明のさらに別の態様は、プログラムである。このプログラムは、通信対象の端末装置から受信した信号をもとに、通信対象の端末装置の受信応答ベクトルを計算するステップと、通信対象の端末装置と異なった仮想の端末装置の仮想応答ベクトルを取得するステップと、計算した受信応答ベクトルと取得した仮想応答ベクトルを反映して、送信重みベクトルを生成するステップと、生成した送信重みベクトルにもとづいて、通信対象の端末装置に所定の信号を送信するステップとを含む。このプログラムにおいて、仮想応答ベクトルを取得するステップは、仮想応答ベクトルを適宜再取得し、再取得した仮想応答ベクトルについて、送信重みベクトルを生成するステップと所定の信号を送信するステップの処理が再度行われてもよい。
【0024】
本発明のさらに別の態様も、プログラムである。このプログラムは、通信対象の端末装置から受信した信号をもとに、通信対象の端末装置の受信応答ベクトルを計算するステップと、通信対象の端末装置と異なった仮想の端末装置の仮想応答ベクトルを取得するステップと、計算した受信応答ベクトルと取得した仮想応答ベクトルを反映して、送信重みベクトルを生成するステップと、生成した送信重みベクトルにもとづいて、通信対象の端末装置に所定の信号を送信するステップとを含む。このプログラムにおいて、仮想応答ベクトルを取得するステップは、計算した受信応答ベクトルとの相関値が所定のしきい値以下となる仮想応答ベクトルを適宜再取得し、再取得した仮想応答ベクトルについて、送信重みベクトルを生成するステップと所定の信号を送信するステップの処理が再度行われてもよい。
【0025】
仮想応答ベクトルを取得するステップは、互いの相関値が所定の値以下となる複数の仮想応答ベクトルをそれぞれ記憶するステップと、記憶した複数の仮想応答ベクトルからひとつの仮想応答ベクトルを選択するステップとを含んでもよい。
【0026】
通信対象の端末装置から受信した信号の強度を測定するステップと、送信重みベクトルと受信応答ベクトルと受信した信号の強度を測定するステップで測定された受信した信号の強度の情報から計算された通信対象の端末装置の信号強度の値がしきい値より小さい場合、仮想応答ベクトルを取得するステップに、計算した受信応答ベクトルとの相関値が所定の値以下となる仮想応答ベクトルへの切替を指示するステップをさらに含んでもよい。
【0027】
通信対象の端末装置からの受信信号の強度を測定するステップと、送信重みベクトルと受信応答ベクトルと受信信号の強度を測定するステップで測定された受信した信号の強度の情報から計算された通信対象の端末装置の信号強度の値がしきい値より小さい場合、所定の信号を送信するステップに、通信対象の端末装置に送信すべき信号の強度の増加を指示するステップをさらに含んでもよい。
【0028】
仮想応答ベクトルへの切替を指示するステップは、通信対象の端末装置の信号強度の値を受信応答ベクトルと仮想応答ベクトルの相関値から推定してもよい。また、信号の強度の増加を指示するステップは、通信対象の端末装置の信号強度の値を受信応答ベクトルと仮想応答ベクトルの相関値から推定してもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0029】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は、所定の端末装置を接続可能な基地局装置に関する。本実施の形態における基地局装置は、複数のアンテナを備えており、複数のアンテナで受信した通信対象の端末装置(以下、「希望端末装置」という)からの信号をもとに適応的に計算した複数の重み係数(以下、「受信ウエイトベクトル」という)によって、希望端末装置からの信号をアダプティブアレイ信号処理して受信する。また、それぞれのアンテナで受信した希望端末装置からの信号をもとに応答係数(以下、「受信応答ベクトル」という)を計算し、当該受信応答ベクトルから、複数の重み係数(以下、「送信ウエイトベクトル」という)を導出する。さらに、送信すべき信号は、送信ウエイトベクトルによってそれぞれ重み付けされてから、複数のアンテナによって希望端末装置へ送信される。しかし、送信ウエイトベクトルによって形成されるアンテナの指向性パターンの方向に通信対象でない端末装置が存在する場合、基地局装置から希望端末装置に送信した信号が通信対象でない端末装置にも受信される可能性がある。
【0030】
通信対象でない端末装置による送信した信号の受信を防止するために、本実施の形態の基地局装置は上述したアダプティブアレイ信号処理に加えて、所定の方向に存在すると仮定した通信対象でない端末装置(以下、「仮想盗聴端末装置」という)からの応答係数(以下、「仮想応答ベクトル」という)を取得し、受信応答ベクトルと仮想応答ベクトルから、希望端末装置の方向への信号強度が大きくなり、仮想盗聴端末装置の方向への信号強度が小さくなるようなアンテナの指向性パターンを形成するための送信ウエイトベクトルを計算する。さらに、仮想応答ベクトルに含まれた仮想盗聴端末装置の方向情報を所定の時間間隔で変更して、アンテナの指向性パターンにおいて信号強度が小さくなる方向を所定時間間隔で変更する。
【0031】
図1は、実施の形態1に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、希望端末装置10と基地局装置16を含み、希望端末装置10は、ベースバンド部30、モデム部32、無線部34、端末装置用アンテナ12を含み、基地局装置16は、基地局装置用アンテナ14と総称される第1基地局装置用アンテナ14a、第2基地局装置用アンテナ14b、第N基地局装置用アンテナ14n、無線部18と総称される第1無線部18a、第2無線部18b、第N無線部18n、信号処理部20と総称される第1信号処理部20a、第2信号処理部20b、モデム部22、ベースバンド部24、制御部26を含む。また、信号として、受信デジタル信号200と総称される第1受信デジタル信号200a、第2受信デジタル信号200b、第N受信デジタル信号200n、送信デジタル信号202と総称される第1送信デジタル信号202a、第2送信デジタル信号202b、第N送信デジタル信号202n、合成信号206、送信情報信号214、信号処理制御信号216、無線制御信号218を含む。
【0032】
ここで、基地局装置16に接続された希望端末装置10は、基地局装置16の通信対象であり、これとは別の基地局装置16の通信対象でない端末装置を前述のとおり仮想盗聴端末装置ともいう。図1では、仮想盗聴端末装置を省略する。さらに基地局装置16の通信対象ではないが、実在する端末装置を干渉端末装置という。図1では、干渉端末装置も省略する。
【0033】
ベースバンド部30は、希望端末装置10と接続したPCや、希望端末装置10内部のアプリケーションとのインターフェースであり、モデム部32は、変調処理として、送信したい情報信号を変調して送信信号を生成し、復調処理として、受信信号を復調して送信された情報信号を再生する。無線部34は、モデム部32で処理されるベースバンドの信号と無線周波数の信号間の周波数変換処理、増幅処理、ADまたはDA変換処理等を行い、端末装置用アンテナ12は、無線周波数の信号を送受信処理する。
【0034】
ベースバンド部24は、ネットワーク28とのインターフェースである。また、誤り訂正や自動再送処理がなされてもよいが、ここではこれらの説明を省略する。
モデム部22は、変調処理として、送信したい情報信号を変調した送信信号を生成する。また、復調処理として、受信信号を復調して送信された情報信号を再生する。
【0035】
信号処理部20は、アダプティブアレイアンテナ信号処理を行う。ここでは、第1信号処理部20aが希望端末装置10を対象にしたアダプティブアレイ信号処理を実行し、第2信号処理部20bが干渉端末装置を対象にしたアダプティブアレイ信号処理を実行する。
【0036】
無線部18は、信号処理部20、モデム部22、ベースバンド部24で処理されるベースバンドの信号と無線周波数の信号間の周波数変換処理、増幅処理、ADまたはDA変換処理等を行う。
【0037】
基地局装置用アンテナ14は、無線周波数の信号を送受信処理する。それぞれの指向性は任意でよく、アンテナ数をNとする。
制御部26は、無線部18、信号処理部20、モデム部22、ベースバンド部24の動作タイミングを制御する。
【0038】
図2は、実施の形態1に係るバーストフォーマットを示すが、これはCSMA(Carrier Sense Multiple Access)をベースとした無線LAN(Local Area Network)のひとつであるIEEE802.11b標準のバーストフォーマットである。バーストの先頭から144ビットの間にプリアンブルが、それに続く48ビットの間に、ヘッダが配置されている。プリアンブルは、希望端末装置10や基地局装置16にとって既知であるため、後述するトレーニング信号としても使用できる。
【0039】
図3は、第1無線部18aの構成を示す。第1無線部18aは、スイッチ部40、受信部42、送信部44を含む。さらに、受信部42は、周波数変換部46、AGC(Automatic Gain Control)48、直交検波部50、AD変換部52、逆拡散部54を含み、送信部44は、増幅部64、周波数変換部56、直交変調部58、DA変換部60、拡散部62を含む。
【0040】
スイッチ部40は、制御部26からの無線制御信号218にもとづいて、受信部42と送信部44に対する信号の入出力を切りかえる。
受信部42の周波数変換部46と送信部44の周波数変換部56は、対象とする信号に対して無線周波数と中間周波数間の周波数変換を行う。
【0041】
AGC48は、受信した信号の振幅をAD変換部52のダイナミックレンジ内の振幅にするために、利得を自動的に制御する。
直交検波部50は、中間周波数の信号を直交検波して、ベースバンドのアナログ信号を生成する。一方、直交変調部58は、ベースバンドのアナログ信号を直交変調して、中間周波数の信号を生成する。
【0042】
AD変換部52は、ベースバンドのアナログ信号をデジタル信号に変換し、DA変換部60は、ベースバンドのデジタル信号をアナログ信号に変換する。
逆拡散部54は、ベースバンドのデジタル信号を予め規定されている拡散符号系列で逆拡散処理する。ここで、逆拡散部54から出力される逆拡散処理されたベースバンドのデジタル信号を第1受信デジタル信号200aとする。
【0043】
拡散部62は、ベースバンドのデジタル信号を予め規定されている拡散符号系列で拡散処理する。ここで、拡散部62に入力される拡散処理されるべきベースバンドのデジタル信号を第1送信デジタル信号202aとする。
増幅部64は、送信すべき無線周波数の信号を増幅する。
【0044】
図4は、第1信号処理部20aの構成を示す。第1信号処理部20aは、受信ウエイトベクトル計算部70、応答ベクトル計算部72、乗算部74と総称される第1乗算部74a、第2乗算部74b、第N乗算部74n、加算部76、参照信号生成部78、送信ウエイトベクトル計算部80、乗算部82と総称される第1乗算部82a、第2乗算部82b、第N乗算部82n、応答ベクトル取得部84を含む。さらに、応答ベクトル取得部84は、希望端末応答ベクトルテーブル86、希望端末送信パケット数カウンタ88、仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90を含む。また、信号として、受信ウエイトベクトル204と総称される第1受信ウエイトベクトル204a、第2受信ウエイトベクトル204b、第N受信ウエイトベクトル204n、送信ウエイトベクトル212と総称される第1送信ウエイトベクトル212a、第2送信ウエイトベクトル212b、第N送信ウエイトベクトル212nを含む。なお、これらの各成分はベクトルでなく、所定の係数であってもよい。また、参照信号208、受信応答ベクトル210も含む。
【0045】
応答ベクトル計算部72は、受信デジタル信号200と参照信号208から、受信デジタル信号200の重み付けに必要な受信ウエイトベクトル204を、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやLMS(Least Mean Squares)アルゴリズムなどの適応アルゴリズムによって計算する。
【0046】
乗算部74は、受信デジタル信号200を受信ウエイトベクトル204で重み付けし、加算部76は乗算部74の出力を加算して、合成信号206を出力する。
参照信号生成部78は、トレーニング期間中は予め記憶したプリアンブルトレーニング信号を参照信号208として出力する。またトレーニング期間後は合成信号206を予め規定しているしきい値で判定して、その結果を参照信号208として出力する。なお、判定は硬判定である必要はなく、軟判定でもよい。
【0047】
応答ベクトル計算部72は、受信デジタル信号200と参照信号208から、送信信号に対する受信信号の受信応答特性として受信応答ベクトル210を計算する。基地局装置用アンテナ14を4本、希望端末装置10の数を1、干渉端末装置数を1とした場合、基地局装置用アンテナ14で受信した時刻tにおける受信デジタル信号200をそれぞれx1(t)、x2(t)、x3(t)、x4(t)とし、希望端末装置10に対する参照信号208をD(t)、干渉端末装置に対する参照信号をU(t)とする。
【0048】
受信信号ベクトルX(t)は、以下のとおり表される。
【数1】
Figure 0003920794
ここで、HDが受信応答ベクトル210に対応する。受信相関ベクトルの各要素は、受信信号ベクトルX(t)と参照信号208D(t)とU(t)から以下のとおり計算できる。
【0049】
【数2】
Figure 0003920794
さらに、相関行列Rとその逆行列は以下のとおり表される。
【0050】
【数3】
Figure 0003920794
したがって、相関行列Rの逆行列と受信相関ベクトルから、受信応答ベクトル210HDの各要素は以下のとおり表される。
【0051】
【数4】
Figure 0003920794
また、第2信号処理部20bから出力される干渉端末装置に対するウエイトベクトルWu=[wu1,wu2,wu3,wu4]と受信信号ベクトルX(t)との内積y(t)は、以下のとおり表される。
【0052】
【数5】
Figure 0003920794
一般に、干渉端末装置に対するウエイトベクトルによって、希望端末装置10に対する式は0になり、さらに十分にSN比が高い場合は、ノイズ成分を無視できるため、次の関係が成り立つ。
【0053】
【数6】
Figure 0003920794
以上の関係より、受信応答ベクトル210HDが計算される。
【0054】
希望端末応答ベクトルテーブル86は、応答ベクトル計算部72で計算した受信応答ベクトル210を記憶する。なお、基地局装置16に接続された希望端末装置10が複数存在する場合は、複数の希望端末装置10に対する受信応答ベクトル210をそれぞれ記憶する。
【0055】
仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90は、仮想盗聴端末装置に対する仮想応答ベクトルを記憶する。記憶された仮想応答ベクトルの数は複数でもよく、ここでは、基地局装置16に対する仮想盗聴端末装置の存在方向を複数想定し、その存在方向の角度のそれぞれに対応して複数の仮想応答ベクトルを記憶している。図5は、仮想盗聴端末応答ベクトルテーブルのデータ構造を示す。テーブル最上段のhb1からhb4は、4本の基地局装置用アンテナ14のそれぞれに対応した仮想応答ベクトルの成分を示す。また、データ1からMは、それぞれ異なった仮想盗聴端末の存在方向に対応しているものとする。
【0056】
希望端末送信パケット数カウンタ88は、希望端末装置10に送信したパケット数をカウントする。カウンタ値にもとづいて、応答ベクトル取得部84は仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90からひとつの仮想応答ベクトルを選択する。例えば、カウンタ値が10の場合は、データ10の仮想応答ベクトルを選択し、カウンタ値がMの場合はデータMの仮想応答ベクトルを選択する。
【0057】
送信ウエイトベクトル計算部80は、送信情報信号214の重み付けに必要な送信ウエイトベクトル212を、受信応答ベクトル210と仮想応答ベクトルからウィナー解によって計算する。複素相関行列CMと複素相関ベクトルCVは以下のとおり表せる。
【0058】
【数7】
Figure 0003920794
上述した受信応答ベクトル210HDをHD=[ha1,ha2,ha3,ha4]と表し、仮想応答ベクトルをHU=[hb1,hb2,hb3,hb4]と表せば、各成分は以下のとおり表せる。
【0059】
【数8】
Figure 0003920794
ここでαは所定の定数である。送信ウエイトベクトル212wは、複素相関行列CMと複素相関ベクトルCVから以下のとおり計算される。
【0060】
【数9】
Figure 0003920794
送信ウエイトベクトル212wの各成分は、複素相関行列CMの逆行列を以下のとおり表すと、
【数10】
Figure 0003920794
以下のとおり表せる。
【0061】
【数11】
Figure 0003920794
乗算部82は、送信情報信号214を送信ウエイトベクトル212でそれぞれ重み付けし、送信デジタル信号202を出力する。なお、以上の動作におけるタイミングは、信号処理制御信号216に従うものとする。
【0062】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた予約管理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0063】
図6(a)−(b)は、基地局装置16が形成するアンテナの指向性パターンを示す。図1と比較して仮想盗聴端末装置92、仮想盗聴端末装置用アンテナ94が含まれるが、実際の存在と関係なく仮想的なものとする。図6(a)は、送信ウエイトベクトル212を受信応答ベクトル210のみから生成した場合のアンテナ指向性を示す。基地局装置16の端末装置用アンテナ12によって形成されるアンテナのビームに希望端末装置10が含まれているが、同時に希望端末装置10の方向を向いたビームとは別の方向のビームに仮想盗聴端末装置92が含まれている。
【0064】
一方、図6(b)は、受信応答ベクトル210に加えて仮想応答ベクトルを考慮して生成した送信ウエイトベクトル212の場合のアンテナの指向性パターンを示す。ここで仮想応答ベクトルには、送信ウエイトベクトル212が生成された際に仮想盗聴端末装置92の方向にビームを向けないものを使用しているものとする。その結果、基地局装置16の端末装置用アンテナ12によって形成されるアンテナのビームに希望端末装置10が含まれているうえに、希望端末装置10の方向を向いたビームとは別の方向のビームに仮想盗聴端末装置92が含まれていない。また、一般に基地局装置16は仮想盗聴端末装置92の存在する方向を認識していないため、基地局装置16は所定の時間間隔で仮想応答ベクトルに含まれた方向情報を変更して、送信ウエイトベクトル212を生成する。すなわち、端末装置用アンテナ12によって形成されるアンテナのビーム方向が時間と共に変更される。その結果、基地局装置16は、所定の確率で信号を仮想盗聴端末装置92に送信するが、連続しないため、仮想盗聴端末装置92による信号情報の復号を困難にする。
【0065】
図7は、送信処理のフローチャートを示す。制御部26は、ひとつのバーストを送信する際に信号処理制御信号216によって、通信対象の希望端末装置10のIDを応答ベクトル取得部84に入力する(S10)。応答ベクトル取得部84は、希望端末応答ベクトルテーブル86の中にIDに対応した受信応答ベクトル210が存在しなければ(S12のN)、送信ウエイトベクトル計算部80は基地局装置用アンテナ14の指向性パターンが無指向性となるように送信ウエイトベクトル212を決定し、送信処理を実行する(S32)。希望端末応答ベクトルテーブル86の中にIDに対応した受信応答ベクトル210が存在すれば(S12のY)、希望端末送信パケット数カウンタ88の中におけるIDに対応したカウンタの存在を確認する。IDに対応したカウンタが存在すれば(S14のY)、カウンタ値をiに代入し(S16)、カウンタ値が存在しなければ(S14のN)、iに1を代入する(S18)。さらに、iが仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90におけるデータ数M以下でなくなれば(S20のN)、iを1に戻す(S22)。
【0066】
応答ベクトル取得部84は、希望端末応答ベクトルテーブル86からIDに対応した受信応答ベクトル210を取得する(S24)。また、応答ベクトル取得部84は、仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90からiに対応した仮想応答ベクトルを取得する(S26)。送信ウエイトベクトル計算部80は、受信応答ベクトル210と仮想応答ベクトルから送信ウエイトベクトル212を計算する(S28)。乗算部82は、送信ウエイトベクトル212を送信情報信号214に乗算して、送信処理を実行する(S30)。応答ベクトル取得部84は、iに1を加算して(S34)、これを希望端末送信パケット数カウンタ88におけるIDに対応したカウンタに格納する(S36)。
【0067】
以上の構成による基地局装置16の動作は、以下のとおりである。受信処理において、希望端末装置10からの信号は、基地局装置用アンテナ14で受信され、無線部18で受信デジタル信号200に変換された後、信号処理部20に入力される。受信ウエイトベクトル計算部70が、受信デジタル信号200から受信ウエイトベクトル204を計算した後、受信デジタル信号200と受信ウエイトベクトル204を乗算した結果が、加算部76で加算され、合成信号206としてモデム部22、ベースバンド部24に出力される。一方、受信デジタル信号200は、応答ベクトル計算部72にも入力され、受信応答ベクトル210が計算される。当該受信応答ベクトル210は、希望端末応答ベクトルテーブル86に記憶される。
【0068】
送信処理において、希望端末応答ベクトルテーブル86から受信応答ベクトル210が取得され、仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90から仮想応答ベクトルが選択され、これらをもとに送信ウエイトベクトル計算部80が送信ウエイトベクトル212を計算する。乗算部82は、送信情報信号214と送信ウエイトベクトル212の乗算結果である送信デジタル信号202をそれぞれ出力し、さらに無線部18で周波数変換がされた後、基地局装置用アンテナ14から希望端末装置10に送信される。引き続き別のバーストを希望端末装置10に送信する場合、応答ベクトル取得部84は仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90からすでに選択された仮想応答ベクトルとは別の仮想応答ベクトルを選択して、上述と同様の送信処理を実行する。
【0069】
本実施の形態によれば、受信応答ベクトルと仮想応答ベクトルから、希望端末装置の方向への信号強度が大きくなり、仮想盗聴端末装置の方向への信号強度が小さくなるようなアンテナの指向性パターンを形成可能な送信ウエイトベクトルを計算し、さらに、仮想応答ベクトルに含まれた仮想盗聴端末装置の方向情報を所定の時間間隔で変更することによって、送信した信号が通信対象でない端末装置に連続的に受信される確率を低減できる。また複数の仮想応答ベクトルは予め計算して記憶媒体に記憶できるため、処理量の増加を小さくできる。
【0070】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1と同様に希望端末装置の方向への信号強度が大きくなり、仮想盗聴端末装置の方向への信号強度が小さくなるようなアンテナの指向性パターンを形成可能な送信ウエイトベクトルを計算する基地局装置に関する。仮に、希望端末装置の存在する方向と仮想盗聴端末装置の存在する方向が近くなると、アンテナの指向性パターンにおける希望端末装置方向の信号強度が小さくなる。このような状況を防止するため、本実施の形態における基地局装置は、受信応答ベクトルと仮想応答ベクトルの相関値が大きく、それゆえ希望端末装置と仮想盗聴端末装置の存在する方向が近くなる場合、当該仮想応答ベクトルを仮想盗聴端末装置の方向情報が異なった仮想応答ベクトルに変更して、送信ウエイトベクトルを計算する。このように計算された送信ウエイトベクトルを使用して、基地局装置は希望端末装置に信号を送信する。
【0071】
図8は、実施の形態2に係る希望端末装置10と仮想盗聴端末装置92の配置を示す。仮想盗聴端末装置92は仮想的な存在であるため、図8のように希望端末装置10と同一の方向に存在する場合も想定しうる。そのような場合において基地局装置16は、希望端末装置10の方向の信号強度を小さくするように送信ウエイトベクトル212を制御するため、希望端末装置10における信号の受信電力が小さくなり、通信が不安定になる。
【0072】
実施の形態2に係る第1信号処理部20aの構成としては、図4に示されるものが有効であるが、ここでは応答ベクトル取得部84に、受信応答ベクトル210と仮想応答ベクトルの相関値を計算する機能が追加される。すなわち、応答ベクトル取得部84は以下のとおり相関値を計算する。
【0073】
【数12】
Figure 0003920794
図9は、送信処理のフローチャートを示す。制御部26は、ひとつのバーストを送信する際に、信号処理制御信号216によって、通信対象の希望端末装置10のIDを応答ベクトル取得部84に入力する(S40)。応答ベクトル取得部84は、希望端末応答ベクトルテーブル86の中にIDに対応した受信応答ベクトル210が存在しなければ(S42のN)、送信ウエイトベクトル計算部80は基地局装置用アンテナ14の指向性パターンが無指向性となるように送信ウエイトベクトル212を決定し、送信処理を実行する(S70)。希望端末応答ベクトルテーブル86の中にIDに対応した受信応答ベクトル210が存在すれば(S42のY)、希望端末送信パケット数カウンタ88の中におけるIDに対応したカウンタの存在を確認する。IDに対応したカウンタが存在すれば(S44のY)、カウンタ値をiに代入し(S46)、カウンタ値が存在しなければ(S44のN)、iに1を代入する(S48)。応答ベクトル取得部84は、希望端末応答ベクトルテーブル86からIDに対応した受信応答ベクトル210を取得する(S50)。iが仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90におけるデータ数M以下でなくなれば(S52のN)、iを1に戻す(S54)。
【0074】
応答ベクトル取得部84は、仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90からiに対応した仮想応答ベクトルを取得し、IDに対応した受信応答ベクトル210との相関値を計算する(S56)。相関値がしきい値以上ならば(S58のY)、応答ベクトル取得部84はiに1を加算して(S60)、再び仮想応答ベクトルを取得する。一方、相関値がしきい値以上でなければ(S58のN)、送信ウエイトベクトル計算部80は、受信応答ベクトル210と仮想応答ベクトルから送信ウエイトベクトル212を計算する(S62)。乗算部82は、送信ウエイトベクトル212を送信情報信号214に乗算して、送信処理を実行する(S64)。応答ベクトル取得部84は、iに1を加算して(S66)、これを希望端末送信パケット数カウンタ88におけるIDに対応したカウンタに格納する(S68)。
【0075】
以上の構成による基地局装置16の動作は、以下のとおりである。受信処理において、希望端末装置10からの信号は、基地局装置用アンテナ14で受信され、無線部18で受信デジタル信号200に変換された後、信号処理部20に入力される。受信ウエイトベクトル計算部70が、受信デジタル信号200から受信ウエイトベクトル204を計算した後、受信デジタル信号200と受信ウエイトベクトル204を乗算した結果が、加算部76で加算され、合成信号206としてモデム部22、ベースバンド部24に出力される。一方、受信デジタル信号200は、応答ベクトル計算部72にも入力され、受信応答ベクトル210が計算される。当該受信応答ベクトル210は、希望端末応答ベクトルテーブル86に記憶される。
【0076】
送信処理において、希望端末応答ベクトルテーブル86から受信応答ベクトル210が取得され、仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90から仮想応答ベクトルが選択され、これらの相関値が計算される。相関値がしきい値以上の場合に、別の仮想応答ベクトルを仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90から選択する。送信ウエイトベクトル計算部80は受信応答ベクトル210と仮想応答ベクトルをもとに送信ウエイトベクトル212を計算する。乗算部82は、送信情報信号214と送信ウエイトベクトル212の乗算結果である送信デジタル信号202をそれぞれ出力し、さらに無線部18で周波数変換がされた後、基地局装置用アンテナ14から希望端末装置10に送信される。引き続き別のバーストを希望端末装置10に送信する場合、応答ベクトル取得部84は仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90からすでに選択された仮想応答ベクトルとは別の仮想応答ベクトルを選択して、上述と同様の送信処理を実行する。
【0077】
本実施の形態によれば、希望端末装置と仮想盗聴端末装置の存在する方向が近くなる場合、基地局装置は、当該仮想応答ベクトルを仮想盗聴端末装置の方向情報が異なった仮想応答ベクトルに変更して、送信ウエイトベクトルを計算するため、送信ウエイトベクトルをもとにしたアンテナの指向性パターンにおける希望端末装置方向の信号強度が小さくなることを防止可能である。
【0078】
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態2と同様に希望端末装置と仮想盗聴端末装置の存在する方向が近くなる場合での送信ウエイトベクトルを計算する処理に関する。実施の形態2では、既に取得した仮想応答ベクトルとは仮想盗聴端末装置の方向情報が異なった仮想応答ベクトルを新たに選択したが、実施の形態3では、さらに送信電力も制御する。すなわち、基地局装置は、受信応答ベクトルと仮想応答ベクトルの相関値から希望端末装置で受信される受信電力を推定し、推定される受信電力が小さい場合には送信電力が大きくなるように、さらに推定される電力が小さい場合には送信電力が大きくなるように、送信電力を制御する。
【0079】
図10は、実施の形態3に係る送信部44と第1信号処理部20aの構成を示す。図10の第1信号処理部20aは、図4の第1信号処理部20aと応答ベクトル取得部84の構成が異なり、図10と同様の希望端末応答ベクトルテーブル86、希望端末送信パケット数カウンタ88、仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90に加えて選択された仮想盗聴端末テーブル96を含む。また、応答ベクトル取得部84は実施の形態2と同様に受信応答ベクトル210と仮想応答ベクトルの相関値を計算する。さらに、送信部44は、第1送信部44a、第2送信部44b、第N送信部44nで総称される。
【0080】
応答ベクトル取得部84は、受信応答ベクトル210と仮想応答ベクトルの相関値を計算し、相関値がしきい値よりも小さい場合に、当該仮想応答ベクトルを選択された仮想盗聴端末テーブル96に記憶する。また、受信応答ベクトル210と仮想応答ベクトルから計算される送信ウエイトベクトル212と、受信応答ベクトル210の内積P1を以下のとおり計算する。
【0081】
【数13】
Figure 0003920794
さらに、P1とTXPとの積P2を以下のとおり計算する。
【0082】
【数14】
Figure 0003920794
P2の値がほぼ一定になるようにTXPを決定し、これをTPX信号220として、送信部44に出力する。
【0083】
図11は、選択された仮想盗聴端末テーブルのデータ構造を示す。図5に示した仮想盗聴端末応答ベクトルテーブルと同様に仮想応答ベクトルの各要素が記憶されているが、選択された仮想応答ベクトルであるため、データの番号が連続でない。さらに、送信電力値を設定するためのTXPも記憶する。
【0084】
図12は、選択された仮想盗聴端末テーブルの生成処理のフローチャートを示す。制御部26は、信号処理制御信号216によって、通信対象の希望端末装置10のIDを応答ベクトル取得部84に入力する(S80)。応答ベクトル取得部84は、希望端末応答ベクトルテーブル86からIDに対応した受信応答ベクトル210を取得する(S82)。応答ベクトル取得部84は、IDに対応した受信応答ベクトル210と、仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90内のすべての仮想応答ベクトルの相関値を計算する(S84)。相関値が大きい値から小さいちとなる順番にソートする(S86)。iを1に設定し(S88)、i番目の相関値を変数Cor_MAxに代入する(S90)。
【0085】
Cor_Maxがしきい値より大きい場合(S92のY)、iがMより小さければ(S94のY)、iに1を加算して(S96)、以上の処理を繰り返し実行する。一方、Cor_Maxがしきい値より大きくない場合(S92のN)、i番目からM番目の相関値に対応した仮想応答ベクトルから、受信応答ベクトルとの内積P1をそれぞれ計算し、その結果、送信電力値のTXPを計算する(S98)。なお、相関値とTXPの対応テーブルを予め用意しておき、相関値から直接送信電力値を取得してもよい。図13は、送信電力の計算に使用される相関値と送信電力の対応テーブルのデータ構造を示す。応答ベクトル取得部84は、i番目からM番目の相関値に対応した仮想応答ベクトルとTXPを選択された仮想盗聴端末テーブル96に保存する(S100)。
【0086】
図14は、送信処理のフローチャートを示す。制御部26は、ひとつのバーストを送信する際に、信号処理制御信号216によって、通信対象の希望端末装置10のIDを応答ベクトル取得部84に入力する(S110)。応答ベクトル取得部84は、希望端末応答ベクトルテーブル86の中にIDに対応した受信応答ベクトル210が存在しなければ(S112のN)、送信ウエイトベクトル計算部80は基地局装置用アンテナ14の指向性パターンが無指向性となるように送信ウエイトベクトル212を決定し、送信処理を実行する(S132)。希望端末応答ベクトルテーブル86の中にIDに対応した受信応答ベクトル210が存在すれば(S112のY)、希望端末送信パケット数カウンタ88の中におけるIDに対応したカウンタの存在を確認する。IDに対応したカウンタが存在すれば(S114のY)、カウンタ値をiに代入し(S116)、カウンタ値が存在しなければ(S114のN)、iに1を代入する(S118)。さらに、iが仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90におけるデータ数M以下でなくなれば(S120のN)、iを1に戻す(S122)。
【0087】
応答ベクトル取得部84は、希望端末応答ベクトルテーブル86からIDに対応した受信応答ベクトル210を取得する(S124)。また、応答ベクトル取得部84は、選択された仮想盗聴端末テーブル96からiに対応した仮想応答ベクトルとTXPを取得する(S126)。TXPは、TPX信号220として送信部44に出力する。送信ウエイトベクトル計算部80は、受信応答ベクトル210と仮想応答ベクトルから送信ウエイトベクトル212を計算する(S128)。なお、すでに計算されていればその値を使用してもよい。乗算部82は、送信ウエイトベクトル212を送信情報信号214に乗算して、さらに送信部44がTXP信号220を使用して、送信処理を実行する(S130)。応答ベクトル取得部84は、iに1を加算して(S134)、希望端末送信パケット数カウンタ88におけるIDに対応したカウンタに格納する(S136)。
【0088】
以上の構成による基地局装置16の動作は、以下のとおりである。受信処理において、希望端末装置10からの信号は、基地局装置用アンテナ14で受信され、無線部18で受信デジタル信号200に変換された後、信号処理部20に入力される。受信ウエイトベクトル計算部70が、受信デジタル信号200から受信ウエイトベクトル204を計算した後、受信デジタル信号200と受信ウエイトベクトル204を乗算した結果が、加算部76で加算され、合成信号206としてモデム部22、ベースバンド部24に出力される。一方、受信デジタル信号200は、応答ベクトル計算部72にも入力され、受信応答ベクトル210が計算される。当該受信応答ベクトル210は、希望端末応答ベクトルテーブル86に記憶される。送信処理に先立って、応答ベクトル取得部84は、受信応答ベクトル210と仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90に記憶された仮想応答ベクトル間の相関値を計算し、しきい値より小さい相関値に対応した仮想応答ベクトルを選択された仮想盗聴端末テーブル96に記憶する。さらに、その際送信電力値TXPも取得し、選択された仮想盗聴端末テーブル96に記憶する。
【0089】
送信処理において、希望端末応答ベクトルテーブル86から受信応答ベクトル210が取得され、選択された仮想盗聴端末テーブル96から仮想応答ベクトルとTXPが選択され、受信応答ベクトル210と仮想応答ベクトルをもとに送信ウエイトベクトル計算部80が送信ウエイトベクトル212を計算する。また選択されたTXPはTXP信号220として無線部18に出力される。乗算部82は、送信情報信号214と送信ウエイトベクトル212の乗算結果である送信デジタル信号202を出力し、さらに無線部18で周波数変換とTXP信号220による送信電力値の制御がされた後、基地局装置用アンテナ14から希望端末装置10に送信される。引き続き別のバーストを希望端末装置10に送信する場合、応答ベクトル取得部84は選択された仮想盗聴端末テーブル96からすでに選択された仮想応答ベクトルとは別の仮想応答ベクトルを選択して、上述と同様の送信処理を実行する。
【0090】
本実施の形態によれば、希望端末装置と仮想盗聴端末装置の存在する方向が近くなる場合、基地局装置は当該仮想応答ベクトルを仮想盗聴端末装置の方向情報が異なった仮想応答ベクトルに変更するとともに、希望端末装置で受信される受信電力を推定して、推定した受信電力がほぼ一定になるように送信電力を制御するため、送信ウエイトベクトルをもとにしたアンテナの指向性パターンにおける希望端末装置方向の信号強度が小さくなることを防止可能である。また、希望端末装置はほぼ一定の電力で信号を受信可能になるため、希望端末装置におけるAGCの設計が容易になる。
【0091】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0092】
実施の形態1から3において、基地局装置16をCSMAをベースにした通信システム100に適用している。しかし、基地局装置16はそれ以外の通信システムに適用されてもよく、例えば、TDMATime Division Multiple Access)、CDMA(Code Division Multiple Access)などである。TDMAに適用される場合、信号の送信タイミングは制御部26によって制御されるため、希望端末送信パケット数カウンタ88はなくてもよい。この変形例によれば、様々な通信システムに本発明を適用できる。つまり、希望端末装置10に対して信号を送信する基地局装置16であればよい。
【0093】
実施の形態1から3において、応答ベクトル計算部72は、干渉端末装置を想定して受信応答ベクトル210を計算している。しかし、応答ベクトル計算部72は干渉端末装置を想定せずに、受信デジタル信号200と参照信号208の相関処理によってのみ受信応答ベクトル210を計算してもよい。この変形例によれば、回路規模をより小さくできる。つまり、必要に応じた精度で受信応答ベクトル210が計算されればよい。
【0094】
実施の形態1から3において、応答ベクトル取得部84は、バーストごとに仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル90から仮想応答ベクトルを選択している。しかし、これに限らず、例えば所定期間で自動的に新たな仮想応答ベクトルを選択してもよい。つまり、送信ウエイトベクトル212によって形成されるアンテナの指向性パターンが変化すればよい。
【0095】
実施の形態1から3において、信号処理部20は基地局装置16に適用されている。しかし、基地局装置16に限らず、希望端末装置10であってもよい。
【0096】
実施の形態1において、受信ウエイトベクトル計算部70は、受信ウエイトベクトル204の推定のために適応アルゴリズムを使用し、応答ベクトル計算部72は、受信応答ベクトル210の推定のために相関計算をベースとした処理を使用している。しかし、受信ウエイトベクトル計算部70と応答ベクトル計算部72でこれら以外の処理が実行されてもよく、例えば、受信ウエイトベクトル計算部70と応答ベクトル計算部72において、適応アルゴリズムあるいは相関計算をベースとした処理のいずれか一方が実行されてもよい。その際は、受信ウエイトベクトル計算部70と応答ベクトル計算部72が一体となってもよい。また、受信ウエイトベクトル計算部70や応答ベクトル計算部72において、適応アルゴリズムや相関処理とは異なるMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)アルゴリズムなどの到来方向推定が実行されてもよい。この変形例によって、より詳細に希望波と干渉波が識別される。つまり、アダプティブアレイアンテナについての信号処理において、特性が向上されればよい。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、通信対象の無線装置への無線信号が、通信対象でない無線端末装置で継続して受信されることを防げる。また、電波環境とは無関係にウエイトを制御できる。また、電波環境とは無関係にウエイトを制御しつつ、通信対象の無線装置へ送信する信号の強度について、所定の値を保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る通信システムを示す構成図である。
【図2】 実施の形態1に係るバーストフォーマットを示す図である。
【図3】 図1の第1無線部の構成を示す図である。
【図4】 図1の第1信号処理部の構成を示す図である。
【図5】 図4の仮想盗聴端末応答ベクトルテーブルのデータ構造を示す図である。
【図6】 図6(a)−(b)は、図1の無線基地局が形成するアンテナ指向性を示す図である。
【図7】 図1の基地局装置による送信処理を示すフローチャートである。
【図8】 実施の形態2に係る希望端末装置と仮想盗聴端末装置の配置を示す図である。
【図9】 図8の基地局装置による送信処理を示すフローチャートである。
【図10】 実施の形態3に係る送信部と第1信号処理部の構成を示す図である。
【図11】 図10の選択された仮想盗聴端末テーブルのデータ構造を示す図である。
【図12】 図10の選択された仮想盗聴端末テーブルの生成処理を示すフローチャートである。
【図13】 図12の送信電力の計算に使用される相関値と送信電力の対応テーブルのデータ構造を示す図である。
【図14】 実施の形態3に係る基地局装置による送信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 希望端末装置、 12 端末装置用アンテナ、 14 基地局装置用アンテナ、 16 基地局装置、 18 無線部、 20 信号処理部、 22 モデム部、 24 ベースバンド部、 26 制御部、 28 ネットワーク、30 ベースバンド部、 32 モデム部、 34 無線部、 40 スイッチ部、 42 受信部、 44 送信部、 46 周波数変換部、 48 AGC、 50 直交検波部、 52 AD変換部、 54 逆拡散部、 56 周波数変換部、 58 直交変調部、 60 DA変換部、 62 拡散部、 64 増幅部、 70 受信ウエイトベクトル計算部、 72 応答ベクトル計算部、 74 乗算部、 76 加算部、 78 参照信号生成部、 80 送信ウエイトベクトル計算部、 82 乗算部、 84 応答ベクトル取得部、 86 希望端末応答ベクトルテーブル、 88 希望端末送信パケット数カウンタ、 90 仮想盗聴端末応答ベクトルテーブル、 92 仮想盗聴端末装置、 94 仮想盗聴端末装置用アンテナ、 96 選択された仮想盗聴端末テーブル、 100 通信システム、 200 受信デジタル信号、 202 送信デジタル信号、 204 受信ウエイトベクトル、 206 合成信号、 208 参照信号、 210 受信応答ベクトル、 212 送信ウエイトベクトル、 214 送信情報信号、 216 信号処理制御信号、 218 無線制御信号、 220 TPX信号。

Claims (9)

  1. 通信対象の端末装置から受信した信号をもとに、前記通信対象の端末装置の受信応答ベクトルを計算する計算部と、
    前記通信対象の端末装置と異なった仮想の端末装置の仮想応答ベクトルを取得する取得部と、
    前記計算した受信応答ベクトルと前記取得した仮想応答ベクトルを反映して、送信重みベクトルを生成する生成部と、
    前記生成した送信重みベクトルにもとづいて、前記通信対象の端末装置に所定の信号を送信する送信部とを含み、
    前記取得部は、仮想応答ベクトルを適宜再取得し、前記再取得した仮想応答ベクトルについて、前記生成部と前記送信部の処理が再度行われることを特徴とする無線装置。
  2. 通信対象の端末装置から受信した信号をもとに、前記通信対象の端末装置の受信応答ベクトルを計算する計算部と、
    前記通信対象の端末装置と異なった仮想の端末装置の仮想応答ベクトルを取得する取得部と、
    前記計算した受信応答ベクトルと前記取得した仮想応答ベクトルを反映して、送信重みベクトルを生成する生成部と、
    前記生成した送信重みベクトルにもとづいて、前記通信対象の端末装置に所定の信号を送信する送信部とを含み、
    前記取得部は、前記計算した受信応答ベクトルとの相関値が所定のしきい値以下となる仮想応答ベクトルを適宜再取得し、前記再取得した仮想応答ベクトルについて、前記生成部と前記送信部の処理が再度行われることを特徴とする無線装置。
  3. 前記取得部は、
    互いの相関値が所定の値以下となる複数の仮想応答ベクトルをそれぞれ記憶する記憶部と、
    前記記憶した複数の仮想応答ベクトルからひとつの仮想応答ベクトルを選択する選択部と、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の無線装置。
  4. 前記通信対象の端末装置から受信した信号の強度を測定する測定部と、
    前記送信重みベクトルと前記受信応答ベクトルと前記測定部で測定された受信した信号の強度の情報から計算された前記通信対象の端末装置の信号強度の値がしきい値より小さい場合、前記取得部に、前記計算した受信応答ベクトルとの相関値が所定の値以下となる仮想応答ベクトルへの切替を指示する強度判定部をさらに含むことを特徴とする請求項2または3に記載の無線装置。
  5. 前記通信対象の端末装置からの受信信号の強度を測定する測定部と、
    前記送信重みベクトルと前記受信応答ベクトルと前記測定部で測定された受信した信号の強度の情報から計算された前記通信対象の端末装置の信号強度の値がしきい値より小さい場合、前記送信部に、前記通信対象の端末装置に送信すべき信号の強度の増加を指示する強度判定部をさらに含むことを特徴とする請求項2または3に記載の無線装置。
  6. 前記強度判定部は、前記通信対象の端末装置の信号強度の値を前記受信応答ベクトルと前記仮想応答ベクトルの相関値から推定することを特徴とする請求項4または5に記載の無線装置。
  7. 通信対象の端末装置で受信される信号強度の値は所定の値を確保しつつ、前記通信対象の端末装置以外において、信号強度の値の小さい方向が適宜変化するように制御することを特徴とする送信方法。
  8. 通信対象の端末装置に所定の信号を送信する際に使用される送信重みベクトルが、前記通信対象の受信応答ベクトルと仮想の端末装置の仮想応答ベクトルから生成され、さらに前記仮想応答ベクトルが、異なった値の仮想応答ベクトルに適宜変更されるように制御することを特徴とする送信方法。
  9. 通信対象の端末装置から受信した信号をもとに、前記通信対象の端末装置の受信応答ベクトルを計算するステップと、
    前記通信対象の端末装置と異なった仮想の端末装置の仮想応答ベクトルを取得するステップと、
    前記計算した受信応答ベクトルと前記取得した仮想応答ベクトルを反映して、送信重みベクトルを生成するステップと、
    前記生成した送信重みベクトルにもとづいて、前記通信対象の端末装置に所定の信号を送信するステップとを含み、
    前記仮想応答ベクトルを取得するステップは、前記計算した受信応答ベクトルとの相関値が所定のしきい値以下となる仮想応答ベクトルを適宜再取得し、前記再取得した仮想応答ベクトルについて、前記送信重みベクトルを生成するステップと前記所定の信号を送信するステップの処理が再度行われることをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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