JP2002077015A - 無線基地局及び無線基地局における指向性制御方法 - Google Patents

無線基地局及び無線基地局における指向性制御方法

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JP2002077015A
JP2002077015A JP2000267788A JP2000267788A JP2002077015A JP 2002077015 A JP2002077015 A JP 2002077015A JP 2000267788 A JP2000267788 A JP 2000267788A JP 2000267788 A JP2000267788 A JP 2000267788A JP 2002077015 A JP2002077015 A JP 2002077015A
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Yoshiharu Doi
義晴 土居
Masashi Iwami
昌志 岩見
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Sanyo Electric Co Ltd
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  • Radio Transmission System (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パス分割多重アクセス方式による通信におい
て非所望移動局方向へ送出される干渉信号強度を低減し
通信品質の劣化を緩和する無線基地局を提供する。 【解決手段】 応答ベクトル計算部331は、所望移動
局の応答ベクトルを算出し、送信ウェイト計算部335
及び指向性制御部32〜34へ供給する。応答ベクトル
変更部332は、指向性制御部32〜34から入力され
た非所望移動局の応答ベクトルを実際よりも強い強度の
信号が受信されたように変更する。応答ベクトル生成部
333は、前記非所望移動局の近傍方向に新たな非所望
移動局が存在する場合に相当する応答ベクトルを生成す
る。送信ウェイト計算部335は、所望移動局の応答ベ
クトル、並びに、前記変更された応答ベクトル及び生成
された応答ベクトルを用いて、非所望移動局の近傍方向
に大きなヌルを有する指向性パターンを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の移動局とパ
ス分割多重アクセス方式を用いて通信する無線基地局に
関し、特に当該無線基地局における指向性制御技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話機、携帯型情報通信機器
等を含む無線情報端末の増加に伴い、周波数資源の有効
利用に対する社会的要請が高まっている。この要請に応
える技術に、パス分割多重アクセス方式がある。パス分
割多重アクセス方式とは、無線基地局が、送受信ともに
指向性を有するアンテナを用いることにより、1つの周
波数の搬送波を用いて異なる方向に存在する複数の移動
局と同時刻に通信を行う方式を言う。
【0003】パス分割多重アクセス方式において無線基
地局が用いるアンテナに、アダプティブアレイ装置があ
る。アダプティブアレイ装置は、固定的に設置された複
数のアンテナを備え、個々のアンテナの送受信信号の振
幅と位相とを変化させることにより、装置全体として送
受信指向性パターンを形成する。より具体的に言えば、
当該装置は、個々のアンテナに受信される信号の振幅と
位相とをアンテナ毎に変化させ、当該各信号を加算する
ことにより、当該振幅と位相との変化量(以降、ウェイ
トと呼ぶ)に応じた指向性パターンを有するアンテナに
受信される信号と同等の信号を合成する。また、送信時
も同様にウェイトに応じた指向性パターンを通して送信
する。
【0004】アダプティブアレイ装置については「アレ
ーアンテナによる適応信号処理」(菊間信良著、科学技
術出版刊)に詳細に記載されている。前記無線基地局
は、前記アダプティブアレイ装置を用いて、多重される
移動局毎に最適な指向性パターンを形成する。即ち、当
該無線基地局は、多重されるそれぞれの移動局を所望移
動局とし、当該所望移動局の方向へ送信強度及び受信感
度を高め(以下、ビームを向けると称する)、かつ他の
移動局の方向へ送信強度及び受信感度を低下させる(以
下、ヌルを向けると称する)指向性パターンを形成す
る。
【0005】アダプティブアレイ装置において、当該最
適な指向性パターンを形成する処理の主要部は、最適な
指向性パターンを与えるウェイトを算出する処理に他な
らない。代表的なアダプティブアレイ装置は、最小二乗
誤差(MMSE:Minimum Mean Squa
re Error)法に基づいてウェイトの最適値を算
出する。MMSE法では、ウェイトの最適値を与える条
件としてウィーナ解がよく知られており、さらに、当該
条件を直接解くよりも計算量が少なくかつ当該最適値に
収束する漸化式が、前記「アレーアンテナによる適応信
号処理」に示されている。
【0006】図5は、1つの所望移動局に対してアダプ
ティブアレイ装置が行う処理の原理を示す概念図であ
る。同図において、アダプティブアレイ装置はM個のア
ンテナを有するとし、Xm(t) (m=1…M) はアンテナ毎の
受信信号、Wm(t) (m=1…M) はアンテナ毎のウェイトで
ある。当該アンテナ毎の受信信号を要素とする行列 X
(t) =[X1(t) … XM(t)]T (T は転置) を入力ベクト
ル、アンテナ毎のウェイトを要素とする行列 W(t) =
[W1(t) … WM(t)]T をウェイトベクトルと呼ぶ。
【0007】y(t) は出力信号であって y(t) =W(t)
H X(t) =W1 *(t)×X1(t)+…+WM *(t)×XM(t) (H
は複素共役転置、*は複素共役)、r(t) は当該所望移動
局から送信された信号を推定して複製した信号(以降、
参照信号と称する)、z(t)は当該所望移動局宛ての送
信信号である。これらの信号は複素数で表されるいわゆ
る解析的信号であり、ウェイトに従って受信信号の振幅
と位相とを変化させる操作はウェイトと受信信号との複
素乗算で表される。
【0008】当該装置は、信号内容又は変調方式等に関
する予備知識を用いて参照信号r(t) を生成する。当該
装置は、受信期間において、出力信号y(t) と当該参照
信号r(t) との差を小さくするよう、ウェイトW1(t)、
…、WM(t) を単位時間毎、例えば信号のシンボル時間
毎に繰り返し更新することにより、ウェイトの最適値を
漸近的に算出する。
【0009】また、当該装置は、受信期間に後続する送
信期間において、当該受信期間の終了時のウェイトを用
いて送信信号z(t) の振幅と位相とをアンテナ毎に変更
した信号を各アンテナから送出することにより、当該受
信期間の終了時と等しい指向性パターンを通して信号を
送信するか、若しくは、当該受信期間に得られる各移動
局の応答ベクトルを用いて、非所望移動局の方向に強制
的にヌルを向けるためのウェイトを算出し、当該ウェイ
トにより形成される指向性パターンを通して送信する。
ここで、応答ベクトルとは移動局毎に受信信号の信号強
度と移動局の相対的な方向を表す情報である。
【0010】パス分割多重アクセス方式を用いて複数の
移動局と通信する前記無線基地局は、多重される移動局
のそれぞれに対して、前述した処理を行うことにより最
適な指向性パターンを形成する。これにより、当該無線
基地局は、各移動局との間で適正な通信品質を維持する
と共に、周波数資源の有効利用を実現している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たように、従来のアダプティブアレイ装置は、受信期間
の終了時におけるウェイトに従って送信指向性パターン
を形成するが、当該形成される送信指向性パターンが送
信時の移動局の方向に対して最適でない場合がある。
【0012】形成される送信指向性パターンが最適でな
い場合として、例えば(1)受信回路及び送信回路に特
性差があるため、送信指向性パターンが受信指向性パタ
ーンからずれて形成される、(2)当該特性差を打ち消
すよう予め回路特性を補正した場合においても、当該回
路特性が経時変化するため、形成される送受信指向性パ
ターンの間に長期的に差異が生じる、(3)時分割双方
向方式により通信する場合に受信期間から送信期間まで
の間に移動局が受信指向性パターンの方向から離脱す
る、等の場合がある。
【0013】図6は、送信指向性パターンが最適な指向
性パターンからずれた場合の影響を説明するための概念
図である。非所望移動局方向に対する指向性パターンの
ヌル点、即ち送信強度及び受信感度の低下点は急峻に形
成されるため、送信指向性パターンが最適なパターンか
らわずかにずれることで非所望移動局方向に送出される
干渉信号の強度が急激に大きくなる。当該干渉信号は、
非所望移動局における本来の通信を妨害し、通信品質の
劣化、具体的には、雑音、混信、回線切断等を発生させ
るという問題がある。
【0014】前記の問題に鑑み、本発明は、パス分割多
重アクセス方式による通信において非所望移動局方向へ
送出される干渉信号強度を低減し通信品質の劣化を緩和
する無線基地局、及び当該無線基地局における指向性制
御方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、(1)本発明の無線基地局は、アンテナの指向性パ
ターンを制御する無線基地局であって、非所望移動局の
近傍方向から実際に受信されたよりも大きな強度を有す
る非所望信号が受信されたと仮定して、非所望移動局に
対する指向性パターンの制御を行う。 (2)また、(1)の無線基地局は、非所望移動局から
受信された信号の強度が実際に受信された強度よりも大
きいと仮定してもよい。 (3)また、(2)の無線基地局は、移動局毎に受信信
号の信号強度と移動局の相対的な方向情報とを表す応答
ベクトルを計算する計算手段と、非所望移動局の応答ベ
クトルの大きさを増加させることにより、当該非所望移
動局から受信された信号の強度が実際に受信された強度
よりも大きいと仮定する応答ベクトル変更手段と、所望
移動局の応答ベクトル及び変更された応答ベクトルに基
づいて指向性パターンを制御する制御手段とを備えても
よい。 (4)また、(1)の無線基地局は、非所望移動局の近
傍方向から新たな非所望信号が受信されたと仮定しても
よい。 (5)また、(4)の無線基地局は、移動局毎に受信信
号の信号強度と移動局の相対的な方向情報とを表す応答
ベクトルを計算する計算手段と、仮想の移動局の応答ベ
クトルであって非所望移動局の応答ベクトルと相関を有
する応答ベクトルを生成することにより、非所望移動局
の近傍方向から新たな非所望信号が受信されたと仮定す
る応答ベクトル生成手段と、所望移動局の応答ベクトル
及び生成された応答ベクトルに基づいて指向性パターン
を制御する制御手段とを備えてもよい。 (6)また、(1)の無線基地局は、非所望移動局から
受信された信号の強度が実際に受信された強度よりも大
きいと仮定し、かつ非所望移動局の近傍方向から新たな
非所望信号が受信されたと仮定してもよい。 (7)また、(6)の無線基地局は、移動局毎に受信信
号の信号強度と移動局の相対的な方向情報とを表す応答
ベクトルを計算する計算手段と、非所望移動局の応答ベ
クトルの大きさを増加させることにより、当該非所望移
動局から受信された信号の強度が実際に受信された強度
よりも大きいと仮定する応答ベクトル変更手段と、仮想
の移動局の応答ベクトルであって非所望移動局の応答ベ
クトルと相関を有する応答ベクトルを生成することによ
り、非所望移動局の近傍方向から新たな非所望信号が受
信されたと仮定する応答ベクトル生成手段と、所望移動
局の応答ベクトル、変更された応答ベクトル及び生成さ
れた応答ベクトルに基づいて指向性パターンを制御する
制御手段とを備えてもよい。 (8)また、(5)または(7)の応答ベクトル生成手
段は、複数の仮想の移動局の応答ベクトルであって各々
は非所望移動局の応答ベクトルと相関を有し、かつ当該
仮想の移動局間の方向差は当該仮想の移動局と当該非所
望移動局との方向差よりも大きい応答ベクトルを生成し
てもよい。 (9)本発明の無線基地局における指向性制御方法は、
アンテナの指向性パターンを移動局毎に制御することに
より、複数の移動局とパス分割多重アクセス方式を用い
て通信する無線基地局において用いられる指向性制御方
法であって、移動局毎に受信信号の信号強度と移動局の
相対的な方向情報とを表す応答ベクトルを計算する計算
ステップと、非所望移動局の応答ベクトルの大きさを増
加させることにより、当該非所望移動局から受信された
信号の強度が実際に受信された強度よりも大きいと仮定
する応答ベクトル変更ステップと、仮想の移動局の応答
ベクトルであって非所望移動局の応答ベクトルと相関を
有する応答ベクトルを生成することにより、非所望移動
局の近傍方向から新たな非所望信号が受信されたと仮定
する応答ベクトル生成ステップと、所望移動局の応答ベ
クトル、変更された応答ベクトル及び生成された応答ベ
クトルに基づいて指向性パターンを制御する制御ステッ
プとを含む。
【0016】
【発明の実施の形態】本実施の形態における無線基地局
は、PHS規格で定められた時分割多重アクセス/時分
割2重化(TDMA/TDD:Time Divisi
on Multiple Access/Time D
ivision Duplex)方式とパス分割多重ア
クセス(PDMA:Path Division Mu
ltiple Access)方式とを併用して複数の
信号を多重し、当該信号を1つの搬送波を用いて送受信
する無線基地局である。当該無線基地局は、当該時分割
多重アクセス方式における1つの時分割単位時間毎に、
最大4つの信号をパス分割多重して同時に送信又は受信
する。 <全体構成>図1は、本実施の形態における無線基地局
100の構成を示すブロック図である。無線基地局10
0は、アダプティブアレイ部10、モデム部40、ベー
スバンド部50、および制御部60から構成される。
【0017】ベースバンド部50は、図外の電話交換網
を介して接続される複数の回線から、複数の音声又はデ
ータのベースバンド信号入力され、当該信号を時分割多
重信号に組み立て、当該時分割多重信号をモデム部40
に出力する。また、モデム部40から入力された時分割
多重信号を個々の信号に分解し、当該信号を回線に出力
する。
【0018】ベースバンド部50は、当該時分割多重処
理をPHS規格で規定されるTDMA/TDD方式に従
って行う。当該規格における時分割多重信号は、5mS
の周期を有するTDMA/TDDフレームが繰り返され
て成り、1つのTDMA/TDDフレームは、各周期を
8等分されてできる4つの送信タイムスロットと4つの
受信タイムスロットとから構成される。送信、受信各々
1つのタイムスロットは時分割多重アクセス/時分割2
重化による1つの双方向の通信チャネルを構成する。従
って、当該1つの時分割多重信号は4つの通信チャネル
を構成する。
【0019】ベースバンド部50は、パス分割多重され
る最大4つの時分割多重信号のそれぞれに最大4つの回
線の信号を時分割多重する処理を、並列に実行する。モ
デム部40は、π/4シフトQPSK(Quadrat
ure PhaseShift Keying)変調方
式を用いて、ベースバンド部50から入力された時分割
多重信号を変調してアダプティブアレイ部10に出力
し、また、アダプティブアレイ部10から入力される信
号を時分割多重信号に復調してベースバンド部50に出
力する。モデム部40は、パス分割多重される最大4つ
の時分割多重信号について、前記変復調処理を並列に実
行する。
【0020】アダプティブアレイ部10は、前述したM
MSE法に基づいて、TDMA/TDDフレーム内のタ
イムスロット(以降、単にタイムスロットと呼ぶ)毎
に、当該タイムスロットにおいてパス分割多重により接
続される各移動局を所望移動局として、所望移動局毎に
適切な指向性パターンを形成する。アダプティブアレイ
部10は、当該各指向性パターンを用いて、パス分割多
重された受信信号から各移動局の信号を分離してモデム
部40に出力し、かつモデム部40から入力された各移
動局宛ての信号を当該移動局の方向のみへ送出する。
【0021】制御部60は、具体的にはCPU(Cen
tral ProcessingUnit)およびメモ
リなどで構成され、CPUがメモリ中のプログラムを実
行することにより無線基地局全体を制御する。 <アダプティブアレイ部>図2は、アダプティブアレイ
部10の構成を示すブロック図である。アダプティブア
レイ部10は、アンテナ11〜14、無線部20、及び
信号処理部30から構成される。
【0022】無線部20は、アンテナ毎に設けられる受
信部211〜214と送信部221〜224と送受信切
替スイッチ231〜234とから構成される。各受信部
211〜214は、ローノイズアンプ等を含み、各アン
テナに受信された高周波信号を低周波信号に変換し、増
幅して信号処理部30に出力する。各送信部221〜2
24は、ハイパワーアンプ等を含み、信号処理部30か
ら入力された低周波信号を高周波信号に変換し、送信出
力レベルにまで増幅して各アンテナに出力する。
【0023】信号処理部30は、パス分割多重される移
動局毎に設けられる指向性制御部31〜34、及びアン
テナ毎に設けられる加算器361〜364から構成さ
れ、具体的にはプログラマブルなDSP(Digita
l Signal Processor)を用いて実現
される。各指向性制御部31〜34は、タイムスロット
毎に、当該タイムスロットにおいてパス分割多重される
移動局の各々1つを所望移動局として、アンテナ毎に送
受信信号の振幅と位相とを変更することにより、当該所
望移動局に対して適切な指向性パターンを形成する。
【0024】各加算器361〜364は、各指向性制御
部31〜34によって振幅と位相とを変更された送信信
号をアンテナ毎に加算し、無線部20へ出力する。 <指向性制御部>指向性制御部31は、受信信号調整部
310、受信ウェイト計算部330、応答ベクトル計算
部331、送信ウェイト計算部335、参照信号生成部
340、及び送信信号調整部350から構成され、自ら
が所望移動局とする移動局に対して適切な指向性パター
ンを形成する。
【0025】受信信号調整部310は、乗算器311〜
314及び加算器320を備え、無線部20から入力さ
れるアンテナ毎の受信信号の振幅と位相とを、受信ウェ
イト計算部330が算出したウェイトに従って乗算器3
11〜314を用いて変更し、それらを加算器320で
加算する。参照信号生成部340は、値が固定的に定め
られている信号、例えばPHS規格におけるシンボル同
期用の符号であるプリアンブルやユニークワード等につ
いて、所望移動局の参照信号を生成する。また、参照信
号生成部340は、既知の変調方式により変調された信
号、例えばπ/4シフトQPSK変調された信号につい
て、復調して得た情報のシンボル点を当該変調方式にお
いて取り得る位置に補正した後に再変調することによ
り、所望移動局の参照信号を生成する。
【0026】受信ウェイト計算部330は、各受信タイ
ムスロットにおいて、受信信号調整部310から出力さ
れた信号と参照信号生成部340により生成された参照
信号との差を小さくするよう、信号のシンボル時間毎に
繰り返しウェイトを更新することにより、ウェイトの最
適値を漸近的に算出する。応答ベクトル計算部331
は、各受信タイムスロットにおいて、無線部20から入
力されるアンテナ毎の受信信号と参照信号生成部340
によって生成される参照信号とから、所望移動局の応答
ベクトルを算出する。応答ベクトル計算部331は、算
出された応答ベクトルを送信ウェイト計算部335へ出
力すると共に、指向性制御部32〜34に対して非所望
移動局の応答ベクトルとして供給する。
【0027】また、応答ベクトル計算部331は、応答
ベクトル変更部332及び応答ベクトル生成部333を
備え、指向性制御部32〜34から供給される非所望移
動局の応答ベクトルに対して、非所望移動局から受信さ
れた信号の強度が実際に受信された強度よりも大きい場
合に相当する応答ベクトル、及び非所望移動局の近傍方
向から新たな非所望信号が受信された場合に相当する応
答ベクトルを計算し、送信ウェイト計算部335へ供給
する。
【0028】応答ベクトル変更部332は、指向性制御
部32〜34から供給される非所望移動局の応答ベクト
ルの大きさを増大させる。当該応答ベクトルは、非所望
移動局から実際に受信されたよりも強い信号が受信され
た状態を表す。応答ベクトル生成部333は、前記非所
望移動局の応答ベクトルとの相関値がしきい値以上であ
る新たな応答ベクトルを生成する。当該応答ベクトル
は、非所望移動局の近傍方向から新たな非所望信号が受
信された状態を表す。
【0029】送信ウェイト計算部335は、応答ベクト
ル計算部331により算出される所望移動局の応答ベク
トル、並びに、応答ベクトル変更部332により変更さ
れる非所望移動局の応答ベクトル及び応答ベクトル生成
部333により生成される新たな非所望移動局の応答ベ
クトルを用いて、非所望移動局の方向に強制的にヌルを
向けるためのウェイトを算出する。
【0030】送信信号調整部350は、乗算器351〜
354を備え、受信タイムスロットと対をなして通信チ
ャネルを構成する送信タイムスロットにおいて、直前の
受信タイムスロットにおけるウェイト又は応答ベクトル
を使って算出されるウェイトに従って、モデム部40か
ら入力される送信信号の振幅と位相とをアンテナ毎に乗
算器351〜354を用いて変更する。
【0031】以下、応答ベクトル計算部331及び送信
ウェイト計算部335が行う処理ついて、無線基地局
が、4つのアンテナを有するアダプティブアレイ装置を
用いて、2つの移動局とパス分割多重アクセス方式によ
り通信する場合の例により、詳細に説明する。 <応答ベクトル計算部の詳細>この場合における応答ベ
クトルは、次のように定義される。即ち、移動局a、移
動局bの信号が多重されアンテナ11〜14に受信され
る信号をX1(t)、X2(t)、X3(t)、X4(t)、移動局a、
移動局bから送信される信号をSa(t)、Sb(t)、アンテ
ナ11〜14の受信信号に含まれる雑音成分をn1(t)、
2(t)、n3(t)、n4(t)として、 X1(t)=ha1a(t)+hb1b(t)+n1(t) X2(t)=ha2a(t)+hb2b(t)+n2(t) X3(t)=ha3a(t)+hb3b(t)+n3(t) X4(t)=ha4a(t)+hb4b(t)+n4(t) と表わしたとき、 Ha=[ha1、ha2、ha3、ha4]T (Tは転置) を移動局aの応答ベクトルと呼ぶ。
【0032】ここで、Sa(t)、Sb(t)、及びn1(t)〜n
4(t)について何れの間にも相関がなく、また参照信号生
成部340は、移動局aの参照信号ra(t) を正しく複
製する、即ちra(t)=Sa(t) であると仮定する。応答
ベクトル計算部331は、受信信号X1(t)に参照信号r
a *(t) (*は複素共役) を乗じアンサンブル平均を取るこ
とにより、次式に基づいてha1 を算出する。
【0033】 E[X1(t)ra *(t)] =E[X1(t)Sa *(t)] =E[ha1a(t)Sa *(t)]+E[hb1b(t)Sa *(t)]+E[n1(t)Sa *(t)] =ha1E[Sa(t)Sa *(t)]+hb1E[Sb(t)Sa *(t)]+E[n1(t)Sa *(t)] ≒ha1 ここで、同一信号間のアンサンブル平均は1、相関がな
い信号間のアンサンブル平均は略0となることから E
[Sa(t)Sa *(t)] =1、E[Sb(t)Sa *(t)] ≒0、E
[n1(t)Sa *(t)] ≒0 である。
【0034】応答ベクトル計算部331は、同様に、h
a2、ha3、ha4について、それぞれ受信信号X2(t)、X
3(t)、X4(t)に参照信号ra(t)* を乗じアンサンブル平
均を取ることにより算出する。なお、指向性制御部32
の応答ベクトル計算部は、同様に、アンテナ毎の受信信
号に参照信号rb *(t) を乗じアンサンブル平均を取るこ
とにより、移動局bの応答ベクトルHb を算出する。 <応答ベクトル変更部の詳細>応答ベクトル変更部33
2は、指向性制御部32から供給される移動局bの応答
ベクトルHb=[hb1、hb2、hb3、hb4]T に定数α
(1<α) を乗じ、応答ベクトルHb0=[αhb1、α
b2、αhb3、αhb4]T を算出する。
【0035】Hb0 は、物理的には、移動局bから実際
よりも強い信号が受信された場合に、指向性制御部32
の応答ベクトル計算部において算出される応答ベクトル
に相当する。 <応答ベクトル生成部の詳細>応答ベクトル生成部33
3は、移動局bの応答ベクトルHb との空間相関値が第
1のしきい値、例えば0.99以上である第1の応答ベ
クトルHc を生成する。さらにHb との空間相関値が前
記第1のしきい値以上でかつ、Hc との空間相関値が第
2のしきい値、例えば0.97以下である第2の応答ベ
クトルHd を生成する。
【0036】2つの応答ベクトル、Hx=[hx1、hx2
x3、hx4]T とHy=[hy1、hy2、hy3、hy4]T との
空間相関値は、 Cxy=|hx1y1 *+hx2y2 *+hx3y3 *+hx4y4 *
|/|Hx||Hy| により定義され、0≦Cxy ≦1であり、値が1に近い
ほど2つの応答ベクトルが表す方向が近いことを意味す
る。
【0037】従って、前記条件を満たすHc 、Hd は、
物理的には、移動局bの近傍方向に2つの移動局c、d
があって、両者の方向は、それぞれと移動局bとの方向
よりも離れている場合、即ち移動局bの近傍でかつ両側
に移動局c、dがある場合に、移動局c、dについて算
出される応答ベクトルに相当する。一具体例として、応
答ベクトル生成部333は、Hb =[hb1、hb2
b3、hb4]T の第1要素の位相を+10度(+0.1
75ラジアン)回転させ、第3要素の位相を−10度
(−0.175ラジアン)回転させることにより、Hc
=[hb10.175j、hb2、hb3-0.175j、hb4]T を算
出する。
【0038】また、応答ベクトル生成部333は、Hb
の第1要素の位相を−10度回転させ、第3要素の位相
を+10度回転させることにより、Hd=[hb1
-0.175j、hb2、hb30.175j、hb4]T を算出する。こ
のようにして算出されたHc 、Hd について、Cbc
bd =0.992、Ccd =0.970であり、Hc
d は前記条件を満たす。 <送信ウェイト計算部の詳細>送信ウェイト計算部33
5は、移動局aに対するウェイトの最適値 WOPT =[W
a1 OPT、Wa2 OPT、Wa3 OPT、Wa4 OPT]T を、ウィー
ナ解 WOPT =CM-1CV により算出する。ここで、C
M は相関行例、CV は所望移動局の相関ベクトルであ
り、それぞれ、所望移動局の応答ベクトル及び所望移動
局とパス分割多重される各非所望移動局の応答ベクトル
を用いて表される。
【0039】送信ウェイト計算部335は、所望移動局
の応答ベクトルとして、応答ベクトル計算部331によ
って計算される移動局aの応答ベクトルHa=[ha1、h
a2、ha3、ha4]T を用い、非所望移動局の応答ベクト
ルとして、移動局bの応答ベクトルHb の代わりに応答
ベクトル変更部332によって変更されるHb0=[αh
b1、αhb2、αhb3、αhb4]T を用いて、前記CM 及
びCV を次のように算出する。
【0040】
【数1】
【0041】ただし、 CM11=ha1 *a1 +α2b1 *b1 +ε (εは適当
な正数、例えば0.01) CM22=ha2 *a2 +α2b2 *b2 +ε CM33=ha3 *a3 +α2b3 *b3 +ε CM44=ha4 *a4 +α2b4 *b4 +ε CM12=ha1 *a2 +α2b1 *b2 CM13=ha1 *a3 +α2b1 *b3 CM14=ha1 *a4 +α2b1 *b4 CM23=ha2 *a3 +α2b2 *b3 CM24=ha2 *a4 +α2b2 *b4 CM34=ha3 *a4 +α2b3 *b4 CM21=CM12* CM31=CM13* CM41=CM14* CM32=CM23* CM42=CM24* CM43=CM34* である。
【0042】送信ウェイト計算部335は、非所望移動
局の応答ベクトルとしてHb0 を用いることにより、物
理的に、移動局bから実際よりも強い信号が受信された
場合に相当するウェイトを算出する。図3は、非所望移
動局の応答ベクトルとして、移動局bの応答ベクトルH
b を用いる場合と、応答ベクトル変更部332によって
変更されるHb0 を用いる場合とで、算出されるウェイ
トに従って形成される指向性パターンの違いを示してい
る。
【0043】同図に示すように、Hb0 を用いる場合、
b を用いる場合よりも深いヌルを有する指向性パター
ンが形成されるため、ヌル方向のずれにより非所望移動
局方向へ送出される干渉信号強度が低下する。また、送
信ウェイト計算部335は、所望移動局の応答ベクトル
として、応答ベクトル計算部331によって計算される
移動局aの応答ベクトルHa=[ha1、ha2、ha3
a4]T を用い、非所望移動局の応答ベクトルとして、
移動局bの応答ベクトルHb =[hb1、hb2、hb3、h
b4]T に加えて、応答ベクトル生成部333によって生
成されるHc=[hb10.175j、hb2、hb3-0.175j
b4]T=[hc1、hc2、hc3、hc4]T 、及びHd=[hb1
-0.175j、hb2、hb30.175 j、hb4]T =[hd1、h
d2、hd3、hd4]T を用いて、前記CM 及びCV を次
のように算出してもよい。
【0044】
【数2】
【0045】ただし、 CM11=ha1 *a1 +hb1 *b1 +hc1 *c1 +hd1 *
d1 +ε(ここで、εは適当な正数、例えば0.0
1) CM22=ha2 *a2 +hb2 *b2 +hc2 *c2 +hd2 *
d2 +ε CM33=ha3 *a3 +hb3 *b3 +hc3 *c3 +hd3 *
d3 +ε CM44=ha4 *a4 +hb4 *b4 +hc4 *c4 +hd4 *
d4 +ε CM12=ha1 *a2 +hb1 *b2 +hc1 *c2 +hd1 *
d2 CM13=ha1 *a3 +hb1 *b3 +hc1 *c3 +hd1 *
d3 CM14=ha1 *a4 +hb1 *b4 +hc1 *c4 +hd1 *
d4 CM23=ha2 *a3 +hb2 *b3 +hc2 *c3 +hd2 *
d3 CM24=ha2 *a4 +hb2 *b4 +hc2 *c4 +hd2 *
d4 CM34=ha3 *a4 +hb3 *b4 +hc3 *c4 +hd3 *
d4 CM21=CM12* CM31=CM13* CM41=CM14* CM32=CM23* CM42=CM24* CM43=CM34* である。
【0046】送信ウェイト計算部335は、非所望移動
局の応答ベクトルとしてHb に加えてHc、Hd を用い
ることにより、物理的に、移動局bに加えて、移動局b
の近傍でかつ両側に移動局c、dがある場合に相当する
ウェイトを算出する。図4は、非所望移動局の応答ベク
トルとして、移動局bの応答ベクトルHb を用いる場合
と、応答ベクトルHb に加えて応答ベクトル生成部33
3によって生成されるHc、Hd を用いる場合とで、算
出されるウェイトに従って形成される指向性パターンの
違いを示した図である。
【0047】同図に示すように、Hb、Hc、及びHd
用いる場合、Hb のみを用いる場合よりも広いヌルを有
する指向性パターンが形成されるため、ヌル方向のずれ
により非所望移動局方向へ送出される干渉信号強度が低
下する。 (まとめ)以上説明したように、無線基地局100は、
パス分割多重される非所望移動局の応答ベクトルを、当
該非所望移動局から実際よりも強い信号が受信された場
合に相当する応答ベクトルに変更し、当該変更した応答
ベクトルを用いて所望移動局に対するウェイトを算出す
る。無線基地局100は、当該ウェイトを用いて非所望
移動局の本来の応答ベクトルを用いる場合に比べてより
深いヌルを有する指向性パターンを形成し、当該指向性
パターンを通して所望移動局宛ての信号を送出すること
により、ヌル方向のずれにより非所望移動局方向へ送出
される干渉信号強度を低減する。
【0048】また、無線基地局100は、パス分割多重
される非所望移動局の近傍方向に移動局がある場合に相
当する応答ベクトルを生成し、当該非所望移動局の応答
ベクトルに加えて、当該生成した応答ベクトルを非所望
移動局の応答ベクトルとして、所望移動局に対するウェ
イトを算出する。無線基地局100は、当該ウェイトを
用いて、非所望移動局の本来の応答ベクトルのみを用い
る場合に比べてより広いヌルを有する指向性パターンを
形成し、当該指向性パターンを通して所望移動局宛ての
信号を送出することにより、ヌル方向のずれにより非所
望移動局方向へ送出される干渉信号強度を低減する。 (補足)以上、本発明に係る無線基地局について、実施
の形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施の形態
に限られないことは勿論である。即ち、 (1)応答ベクトル計算部331は、本来の非所望移動
局の応答ベクトルの要素を位相回転させ、さらに定数を
乗じることにより、仮想的な非所望移動局の応答ベクト
ルを生成してもよい。当該定数は、当該仮想的な非所望
移動局から受信される信号強度を表しており、当該定数
を変更することにより、仮想的な非所望移動局方向に対
して形成されるヌルの深さを調整する作用を有する。
【0049】この構成によれば、例えばパス分割多重さ
れる移動局が多く、所望移動局と非所望移動局との方向
が近接する場合、小さい定数を用いて広くかつ浅いヌル
を形成することにより、近接した所望移動局方向に対し
て利得不足となる不都合を回避し、また、パス分割多重
される移動局が少ない場合、大きな定数を用いて広くか
つ深いヌルを形成することにより、非所望移動局の近傍
方向に対して十分な干渉信号抑制を行う。 (2)無線基地局100は、前記ヌルを拡大する制御
を、高速に移動していると判断される移動局に対して行
ってもよい。当該判断は、例えば、単位時間毎の応答ベ
クトルの相関がしきい値よりも小さいことにより行えば
よい。これは、応答ベクトルの変動が激しい、即ち速い
フェージングが生じている状況を示しており、当該状況
を示す移動局は移動速度が大きいことが分かっている。
【0050】この構成によれば、移動のために最適な指
向性パターンから外れる移動局に対して選択的に、本指
向性制御による干渉信号抑制を行うことができ、基地局
の信号処理負荷を軽減しつつ、かつ一定の効果を得るこ
とができる。
【0051】
【発明の効果】(1)本発明の無線基地局は、アンテナ
の指向性パターンを制御する無線基地局であって、非所
望移動局の近傍方向から実際に受信されたよりも大きな
強度を有する非所望信号が受信されたと仮定して、非所
望移動局に対する指向性パターンの制御を行う。
【0052】この構成によれば、当該仮定をしない場合
に比べて、非所望移動局の近傍方向に対してヌル点を強
調した指向性パターンが形成される。当該指向性パター
ンを通して信号を送信すれば、指向性パターンのヌル方
向が非所望移動局方向からずれて形成された場合に、非
所望移動局方向に送信される干渉信号強度を低減でき
る。これにより、非所望移動局における本来の通信に対
する妨害を軽減し、パス分割多重アクセス方式による通
信品質の劣化を緩和することができる。 (2)また、(1)の無線基地局は、非所望移動局から
受信された信号の強度が実際に受信された強度よりも大
きいと仮定してもよい。
【0053】この構成によれば、当該仮定をしない場合
に比べて、非所望移動局の方向に対してより深いヌルを
有する指向性パターンが形成されるため、前記(1)の
効果が得られる。 (3)また、(2)の無線基地局は、移動局毎に受信信
号の信号強度と移動局の相対的な方向情報とを表す応答
ベクトルを計算する計算手段と、非所望移動局の応答ベ
クトルの大きさを増加させることにより、当該非所望移
動局から受信された信号の強度が実際に受信された強度
よりも大きいと仮定する応答ベクトル変更手段と、所望
移動局の応答ベクトル及び変更された応答ベクトルに基
づいて指向性パターンを制御する制御手段とを備えても
よい。
【0054】この構成によれば、前記(2)と同様の効
果を有する。 (4)また、(1)の無線基地局は、非所望移動局の近
傍方向から新たな非所望信号が受信されたと仮定しても
よい。この構成によれば、当該仮定をしない場合に比べ
て、非所望移動局近傍方向に対してより広いヌルを有す
る指向性パターンが形成されるため、前記(1)の効果
が得られる。 (5)また、(4)の無線基地局は、移動局毎に受信信
号の信号強度と移動局の相対的な方向情報とを表す応答
ベクトルを計算する計算手段と、仮想の移動局の応答ベ
クトルであって非所望移動局の応答ベクトルと相関を有
する応答ベクトルを生成することにより、非所望移動局
の近傍方向から新たな非所望信号が受信されたと仮定す
る応答ベクトル生成手段と、所望移動局の応答ベクトル
及び生成された応答ベクトルに基づいて指向性パターン
を制御する制御手段とを備えてもよい。
【0055】この構成によれば、前記(4)と同様の効
果を有する。 (6)また、(1)の無線基地局は、非所望移動局から
受信された信号の強度が実際に受信された強度よりも大
きいと仮定し、かつ非所望移動局の近傍方向から新たな
非所望信号が受信されたと仮定してもよい。この構成に
よれば、当該仮定をしない場合に比べて、非所望移動局
近傍方向に対してより深くかつ広いヌルを有する指向性
パターンが形成されるため、前記(1)の効果が得られ
る。 (7)また、(6)の無線基地局は、移動局毎に受信信
号の信号強度と移動局の相対的な方向情報とを表す応答
ベクトルを計算する計算手段と、非所望移動局の応答ベ
クトルの大きさを増加させることにより、当該非所望移
動局から受信された信号の強度が実際に受信された強度
よりも大きいと仮定する応答ベクトル変更手段と、仮想
の移動局の応答ベクトルであって非所望移動局の応答ベ
クトルと相関を有する応答ベクトルを生成することによ
り、非所望移動局の近傍方向から新たな非所望信号が受
信されたと仮定する応答ベクトル生成手段と、所望移動
局の応答ベクトル、変更された応答ベクトル及び生成さ
れた応答ベクトルに基づいて指向性パターンを制御する
制御手段とを備えてもよい。
【0056】この構成によれば、前記(6)と同様の効
果を有する。 (8)また、(5)または(7)の応答ベクトル生成手
段は、複数の仮想の移動局の応答ベクトルであって各々
は非所望移動局の応答ベクトルと相関を有し、かつ当該
仮想の移動局間の方向差は当該仮想の移動局と当該非所
望移動局との方向差よりも大きい応答ベクトルを生成し
てもよい。
【0057】この構成によれば、非所望移動局の両側の
近傍方向に新たなヌルが形成されるため、前記(5)ま
たは(7)における効果を一層向上する。 (9)本発明の無線基地局における指向性制御方法は、
アンテナの指向性パターンを移動局毎に制御することに
より、複数の移動局とパス分割多重アクセス方式を用い
て通信する無線基地局において用いられる指向性制御方
法であって、移動局毎に受信信号の信号強度と移動局の
相対的な方向情報とを表す応答ベクトルを計算する計算
ステップと、非所望移動局の応答ベクトルの大きさを増
加させることにより、当該非所望移動局から受信された
信号の強度が実際に受信された強度よりも大きいと仮定
する応答ベクトル変更ステップと、仮想の移動局の応答
ベクトルであって非所望移動局の応答ベクトルと相関を
有する応答ベクトルを生成することにより、非所望移動
局の近傍方向から新たな非所望信号が受信されたと仮定
する応答ベクトル生成ステップと、所望移動局の応答ベ
クトル、変更された応答ベクトル及び生成された応答ベ
クトルに基づいて指向性パターンを制御する制御ステッ
プとを含む。
【0058】この構成によれば、前記(1)と同様の効
果を有する指向性制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無線基地局100の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】アダプティブアレイ部10の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】非所望移動局からの実際よりも強い信号が受信
されたと仮定した場合の指向性パターンを示す図であ
る。
【図4】非所望移動局の近傍方向に新たな非所望移動局
が存在すると仮定した場合の指向性パターンを示す図で
ある。
【図5】指向性制御処理の原理を示す概念図である。
【図6】送信指向性パターンのずれによる課題を示す図
である。
【符号の説明】
10 アダプティブアレイ部 11〜14 アンテナ 20 無線部 30 信号処理部 31〜34 指向性制御部 40 モデム部 50 ベースバンド部 60 制御部 100 無線基地局 211〜214 受信部 221〜224 送信部 231〜234 送受信切替スイッチ 310 受信信号調整部 311〜314 乗算器 320 加算器 330 受信ウェイト計算部 331 応答ベクトル計算部 332 応答ベクトル変更部 333 応答ベクトル生成部 335 送信ウェイト計算部 340 参照信号生成部 350 送信信号調整部 351〜354 乗算器 361〜364 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04J 15/00 H04B 7/26 B Fターム(参考) 5J021 AA05 AA06 CA06 DB02 DB03 DB04 EA04 FA14 FA15 FA16 FA17 FA20 FA24 FA26 FA29 FA32 GA02 HA05 HA10 5K022 FF00 5K059 CC04 5K067 AA03 BB04 CC01 CC04 EE02 EE10 KK02 KK03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナの指向性パターンを制御する無
    線基地局であって、 非所望移動局の近傍方向から実際に受信されたよりも大
    きな強度を有する非所望信号が受信されたと仮定して、
    非所望移動局に対する指向性パターンの制御を行うこと
    を特徴とする無線基地局。
  2. 【請求項2】 前記無線基地局は、 非所望移動局から受信された信号の強度が実際に受信さ
    れた強度よりも大きいと仮定することを特徴とする請求
    項1に記載の無線基地局。
  3. 【請求項3】 前記無線基地局は、 移動局毎に受信信号の信号強度と移動局の相対的な方向
    情報とを表す応答ベクトルを計算する計算手段と、 非所望移動局の応答ベクトルの大きさを増加させること
    により、当該非所望移動局から受信された信号の強度が
    実際に受信された強度よりも大きいと仮定する応答ベク
    トル変更手段と、 所望移動局の応答ベクトル及び変更された応答ベクトル
    に基づいて指向性パターンを制御する制御手段とを備え
    ることを特徴とする請求項2に記載の無線基地局。
  4. 【請求項4】 前記無線基地局は、 非所望移動局の近傍方向から新たな非所望信号が受信さ
    れたと仮定することを特徴とする請求項1に記載の無線
    基地局。
  5. 【請求項5】 前記無線基地局は、 移動局毎に受信信号の信号強度と移動局の相対的な方向
    情報とを表す応答ベクトルを計算する計算手段と、 仮想の移動局の応答ベクトルであって非所望移動局の応
    答ベクトルと相関を有する応答ベクトルを生成すること
    により、非所望移動局の近傍方向から新たな非所望信号
    が受信されたと仮定する応答ベクトル生成手段と、 所望移動局の応答ベクトル及び生成された応答ベクトル
    に基づいて指向性パターンを制御する制御手段とを備え
    ることを特徴とする請求項4に記載の無線基地局。
  6. 【請求項6】 前記無線基地局は、 非所望移動局から受信された信号の強度が実際に受信さ
    れた強度よりも大きいと仮定し、かつ非所望移動局の近
    傍方向から新たな非所望信号が受信されたと仮定するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
  7. 【請求項7】 前記無線基地局は、 移動局毎に受信信号の信号強度と移動局の相対的な方向
    情報とを表す応答ベクトルを計算する計算手段と、 非所望移動局の応答ベクトルの大きさを増加させること
    により、当該非所望移動局から受信された信号の強度が
    実際に受信された強度よりも大きいと仮定する応答ベク
    トル変更手段と、 仮想の移動局の応答ベクトルであって非所望移動局の応
    答ベクトルと相関を有する応答ベクトルを生成すること
    により、非所望移動局の近傍方向から新たな非所望信号
    が受信されたと仮定する応答ベクトル生成手段と、 所望移動局の応答ベクトル、変更された応答ベクトル及
    び生成された応答ベクトルに基づいて指向性パターンを
    制御する制御手段とを備えることを特徴とする請求項6
    に記載の無線基地局。
  8. 【請求項8】 前記応答ベクトル生成手段は、 複数の仮想の移動局の応答ベクトルであって各々は非所
    望移動局の応答ベクトルと相関を有し、かつ当該仮想の
    移動局間の方向差は当該仮想の移動局と当該非所望移動
    局との方向差よりも大きい応答ベクトルを生成すること
    を特徴とする請求項5又は7に記載の無線基地局。
  9. 【請求項9】 アンテナの指向性パターンを移動局毎に
    制御することにより、複数の移動局とパス分割多重アク
    セス方式を用いて通信する無線基地局において用いられ
    る指向性制御方法であって、 移動局毎に受信信号の信号強度と移動局の相対的な方向
    情報とを表す応答ベクトルを計算する計算ステップと、 非所望移動局の応答ベクトルの大きさを増加させること
    により、当該非所望移動局から受信された信号の強度が
    実際に受信された強度よりも大きいと仮定する応答ベク
    トル変更ステップと、 仮想の移動局の応答ベクトルであって非所望移動局の応
    答ベクトルと相関を有する応答ベクトルを生成すること
    により、非所望移動局の近傍方向から新たな非所望信号
    が受信されたと仮定する応答ベクトル生成ステップと、 所望移動局の応答ベクトル、変更された応答ベクトル及
    び生成された応答ベクトルに基づいて指向性パターンを
    制御する制御ステップとを含むことを特徴とする指向性
    制御方法。
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