JP3575437B2 - 指向性制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無線基地局等の無線局に用いる適応アンテナの指向性制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機等の無線端末と中継を行う無線基地局等の無線局には、電波を放出するアンテナが使用されている。通常、アンテナから放出される電波は、それぞれの無線基地局に割り当てられているセルの範囲を覆うように伝播している。無線端末が存在する方向以外の方向に電波が放出されることは電波を送信するためアンテナに供給される電力の浪費につながる。
【0003】
そこで、無線端末の存在する方向に電波を強く放出し、無線端末の存在しない方向には電波を弱く放出するようにすることが通常行われている。このように指向性を調整できるアンテナとして、指向性制御装置を備えた適応アンテナがある。
【0004】
適応アンテナを無線基地局に設置し、移動する無線端末の位置に応じて適応アンテナから送信する信号に対する送信指向性を調整する技術が従来から存在している。たとえば、特開平11−298400号公報では、無線基地局から指向性を変化させながら所定の信号を無線端末に送信し、この無線端末が受信した所定の信号の受信電力が最も強い時の指向性を送信指向性として用いるようにしている。同様の構成が特開平09−200115号公報にも開示されている。
【0005】
また、特開平10−070502号公報では、無線基地局に到来した受信信号の到来方向が演算によって推定され、その推定された方向に送信信号が強く放出されるように送信指向性を向けるようにしている。
【0006】
ところで、無線基地局のセル内に複数の無線端末が存在しているとき、無線基地局はそれらの無線端末に同時に電波を放出している。特に、同一周波数あるいは近傍の周波数の信号で通信を行う無線端末が複数存在するとき、放出する電波が互いに干渉して良好な通信が確保できなくなるという問題が生じる場合がある。このような電波の相互干渉を抑圧する技術としても適応アンテナが注目されている。
【0007】
この適応アンテナを用いた無線基地局では、アンテナを構成する複数のアンテナ素子への出力にそれぞれ独自に重み付けして送信指向性を調節する送信指向性制御装置を備えている。ある無線端末の送信指向性パターンを生成するとき、その無線端末に電波が最も強く届く方向のメインビームを向けて、他の無線端末に電波が弱く届く方向のヌルを向けるようにする。それぞれのアンテナ素子への出力の重み付けの係数を表わすアンテナウェイトの調整によって、送信指向性パターンのビームおよびヌルを所望の方向に向けることができるので、各無線端末に対してそれぞれ所望の送信指向性パターンを生成するようにしている。このようにすると、送信時に同時に電波を放出されても、各送信指向性パターンのヌルを向けた分だけ他の無線端末方向への電波からの干渉を抑圧できるという効果が得られる。
【0008】
図17は、このような適応アンテナを用いた無線基地局の送信指向性制御装置の構成を表わしたものである。ここでは、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式を用いて同一時間かつ同一周波数帯域で図示しない第1〜第Mの無線端末にチャンネルを割り当てるようにしている。この送信指向性制御装置11は、等間隔で規則的に配列され、電波を送受信する第1〜第Nのアンテナ素子12〜12を備えている。第1〜第Nのアンテナ素子12〜12は、それぞれ対応する第1〜第Nの送受分波回路13〜13に接続され、電波の各受信信号と各送信信号の分波を行うようになっている。第1〜第Nの送受分波回路13〜13は、各受信信号を受信する受信部14と、各送信信号を送信する送信部15にそれぞれ接続されている。受信部14は、各受信信号を増幅および検波する第1〜第Nの受信機16〜16と、増幅および検波された各受信信号をディジタル信号に変換する第1〜第Nのアナログ・ディジタル(A/D)変換器17〜17から構成されている。送信部15は、送信信号をアナログ信号に変換する第1〜第Nのディジタル・アナログ(D/A)変換器18〜18と、アナログ信号に変換された各送信信号を変調および増幅する第1〜第Nの送信機19〜19から構成されている。受信部14および送信部15は、この無線基地局で割り当てられる第1〜第Mの無線端末の送信指向性を生成する第1〜第Mの送信指向性生成部20〜20に接続されている。
【0009】
第1の送信指向性生成部20は、第1〜第Nのアナログ・ディジタル(A/D)変換器17〜17でディジタル信号に変換した後の各受信信号を入力して受信指向性パターンを生成する第1の受信指向性パターン制御部21を備えている。第1の受信指向性パターン制御部21の出力側には、受信指向性パターンの生成時に算出された各アンテナウェイトを送信指向性パターンの生成時に用いるときのさまざまな誤差を補正する第1のアンテナウェイト補正部22が接続されている。第1のアンテナウェイト補正部22でさまざまな誤差が補正された各アンテナウェイトを入力して送信指向性パターンを生成する第1の送信指向性パターン制御部23の出力側には、送信指向性パターンの生成時に算出された各アンテナウェイトが重み付けされた各送信信号が入力される第1〜第Nのディジタル・アナログ(D/A)変換器18〜18に接続されている。同様にして第2〜第Mの送信指向性生成部20〜20には、第2〜第Mの受信指向性パターン制御部21〜21と、第2〜第Mのアンテナウェイト補正部22〜22と、第2〜第Mの送信指向性パターン制御部23〜23が配置されている。この送信指向性制御装置と同様の構成が、特開平2000−209017号公報にも開示されている。
【0010】
第1〜第Mの送信指向性生成部20〜20の各動作は同一であるので、代表して第1の送信指向性生成部20の動作について説明する。
【0011】
第1の受信指向性パターン制御部21は、第1〜第Mの無線端末の電波を同時に受信した第1〜第Nのアンテナ素子12〜12の各受信信号を入力する。各受信信号に対して第1の無線端末で掛け合わされた拡散符号を掛け合わせる逆拡散が行われ、第1の無線端末の各受信信号が拡散されている他の受信信号から分離される。第1の無線端末の各受信信号に対応する各アンテナウェイトが算出され、各受信信号に各アンテナウェイトを重み付けすることによって、第1の無線端末の受信指向性パターンが生成される。
【0012】
第1のアンテナウェイト補正部22では、第1の受信指向性パターン制御部21で算出された各アンテナウェイトが入力され、受信信号と送信信号の周波数が異なる場合にアンテナウェイトの受信信号と送信信号の周波数差分による誤差の補正が行われる。同時に、受信部14および送信部15で生じる振幅および位相の偏差による各アンテナウェイトの誤差の補正が行われる。
【0013】
第1の送信指向性パターン制御部23では、図示しない送信信号生成部からの送信信号24に補正された各アンテナウェイトを重み付けして送信指向性パターンが生成される。送信信号に拡散符号を掛け合わせる拡散を行い、拡散が行われた送信信号は第1〜第Nのディジタル・アナログ(D/A)変換器18〜18にそれぞれ入力される。
【0014】
この送信指向性制御装置11で生成された送信指向性パターンは、受信指向性パターンの生成時に算出された各アンテナウェイトと実質的に同一の各アンテナウェイトを用いて生成されるので、送信指向性パターンは受信指向性パターンと実質的に同様のパターンになる。たとえば、第1〜第Mの受信指向性パターン制御部21〜21で各アンテナウェイトを算出する手法としてMMSE(Minimum Mean Square Error:最小平均二乗誤差)適応制御を行った場合には受信電力の大きな信号の方向にヌルを向ける各アンテナウェイトが生成される。したがって、この送信指向性制御装置11で生成された送信指向性パターンは、受信電力の大きな信号の方向にヌルを向けることになる。ヌルを向けた方向は他の無線端末からの電波からの干渉が小さいので、その方向の無線端末への所要送信電力を低減することができ、その結果他の無線端末への干渉が小さくなる効果を得ることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、携帯電話等の無線端末からインターネット上の画像データ等の各種データをダウンロードするといった各種コンテンツの利用が増加している。このようなデータ通信では、上り信号に比べて下り信号は大容量のデータとなる傾向があり、データ伝送速度をより高速にする要求が高まっている。一般にデータ伝送速度を高速にするほど電波の送信電力は大きくなる。したがって、上り信号と下り信号のデータ伝送速度が異なる場合、上り信号と下り信号の電力分布が異なることになる。
【0016】
ところが、従来の無線基地局では、上り信号と下り信号の伝送速度が同一であることを前提として、上り信号の電力分布に最適化された受信指向性パターンを送信指向性パターンとして用いている。したがって、適応アンテナの効果を十分に発揮して干渉を抑圧することができないという問題が生じる。
【0017】
このような問題を解消するため、ヌルを向ける方向を下り信号の電力分布に対応させる技術が提案されている。たとえば、特開2000―224097号公報では、下り信号の送信電力が大きな方向にヌルを向けることによって、その方向の無線端末への所要送信電力を低減させることができ、他の下り信号の送信電力が小さな方向への干渉を小さくさせることができる。
【0018】
ところで、送信指向性制御装置で調整できるヌルの数はアンテナ素子数によって制限されている。したがって、メインビームを向ける無線端末以外に複数の無線端末が存在する場合、他のすべての無線端末の方向に対してヌルを向けることができないことがある。たとえば、データ通信を要求する無線端末の増加によって、制限されるヌルの数を越える場合があり、このような場合には、下り信号の送信電力が大きなすべての無線端末の方向にヌルを向けることができない。このような場合には、ヌルを向けていない方向の無線端末への大きな送信電力を低減できないので、他の送信電力が小さな無線端末への電波の干渉を抑圧することができない。
【0019】
以上メインビームとヌルの関係について説明したが、送信するそれぞれの無線端末に対して電波の強度が強くなり、時間的に重複する他の無線端末に対して電波の強度が弱くなるように指向性パターンを調整する際に、選択する他の無線端末として複数のすべての無線端末を選択することができない問題が同様に生じる場合がある。
【0020】
そこで本発明の目的は、指向性パターンを調整する際に時間的に重複する複数の無線端末に対して互いに選択的に電波の強度が弱くなるように指向性パターンを調整する指向性制御装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、(イ)複数の無線端末から信号を受信する受信手段と、(ロ)信号を送信する送信手段と、(ハ)受信手段で受信した信号を基にして送信手段からそれぞれの無線端末を見たときの方向を判別する方向判別手段と、(ニ)送信手段で時間的に重複して送信する無線端末に対する送信時の送信電力を所定の閾値を境にして2つのグループに分割し、このうちの無線端末の総数が少ない方を選択する無線端末選択手段と、(ホ)送信手段で送信するそれぞれの無線端末に対して電波の強度が強くなり受信手段で受信した互いに時間的に重複して送信する他の無線端末に対して電波の強度が弱くなるように指向性パターンを調整する際に他の無線端末を無線端末選択手段で選択された無線端末の中から選択する指向性パターン調整手段とを指向性制御装置に具備させる。
【0022】
すなわち請求項1記載の発明で、方向判別手段で送信しようとする無線端末の方向を判別している。送信手段で時間的に重複して送信する無線端末に対する送信時の送信電力を所定の閾値を境にして2つのグループに分割し、このうちの無線端末の総数が少ない方を選択している。これにより、送信する無線端末の指向性パターンの電波の強度が弱くなる他の無線端末として、総数の少ないグループの無線端末にのみ集中的に配分されることになる。たとえば、少数の高い送信電力の無線端末が存在するような環境では、高い送信電力の無線端末のグループが選ばれ、高い送信電力の無線端末に対して電波の強度が弱くなる送信指向性パターンが生成される。このため、高い送信電力の無線端末への干渉が抑圧されて、高い送信電力の無線端末の信号電力対干渉電力比(SIR)が向上し、所要送信電力が低減される。送信電力制御により、高い送信電力の無線端末への送信電力が低減され、全体の無線端末への干渉を抑圧することになる。また、少数の低い送信電力の無線端末が存在するような環境では、低い送信電力の無線端末のグループが選ばれ、低い送信電力の無線端末に対して電波の強度が弱くなる送信指向性パターンが生成される。このため、高い送信電力の無線端末からの干渉の影響が大きい低い送信電力の無線端末に対して直接干渉を抑圧することになる。
【0023】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の指向性制御装置で、閾値は送信手段が送信する際に採用する送信電力の平均値あるいは最頻値に所定の係数をかけたものであることを特徴としている。
【0024】
すなわち請求項2記載の発明では、送信電力の平均値あるいは最頻値によって、無線端末の送信電力分布が把握でき、所定の係数をかけることによって、使用環境条件に柔軟に対応できる。たとえば、総数の少ないグループの無線端末が極端に少ない場合、これらのみを集中的に電波の強度が弱くなる無線端末として選択するより、より多数の無線端末を選択できるように所定の係数をかけて閾値を変えて選択する無線端末の数を増やすことが可能である。また、総数の少ないグループの無線端末が極端に多い場合、より少数の無線端末を選択できるように所定の係数をかけて閾値を変えて選択する無線端末の数を減らすことが可能である。また、所定の係数をかけることによって、送信電力の平均値の閾値によって2つのグループの無線端末の総数が同数になることを防止し、最頻値の閾値と同じ値の無線端末を2つのグループのどちらかに振り分けられるようにしている。
【0025】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の指向性制御装置で、指向性パターン調整手段はそれぞれ送信しようとする無線端末に対して所定の角度範囲を保護領域と設定する保護領域設定手段と、無線端末選択手段で選択された無線端末の中から保護領域設定手段で設定された保護領域外の無線端末を選択する保護領域外無線端末選択手段を具備することを特徴としている。
【0026】
すなわち請求項3記載の発明では、それぞれ送信しようとする無線端末に対して保護領域外の離れている他の無線端末を選択している。たとえば、送信しようとする無線端末近傍の他の無線端末を選択してその方向に電波の強度が弱くなるように調整すると、電波の強度が強くなるように調整する方向が送信しようとする無線端末の方向からずれる場合がある。このため、アンテナ利得が劣化して電波の強度が弱くなることにより、送信しようとする無線端末への送信電力が増大し、他の無線端末への干渉が増大する。請求項3の発明では、離れている他の無線端末を選択しているので、この問題を防止することができる。
【0027】
請求項4記載の発明では、請求項1記載の指向性制御装置で、指向性パターン調整手段は無線端末選択手段で選択された無線端末の中からランダムに無線端末を選択して指向性パターンを調整することを特徴としている。
【0028】
すなわち請求項4記載の発明では、ランダムに無線端末を選択するので、ある程度均等に無線端末が選択され、平等性を確保することができる。また、電波の強度が弱くなるように調整する方向の制限される数を表す自由度をこえる数に対しても無線端末に対する干渉を抑圧することができる。
【0029】
請求項5記載の発明では、請求項1記載の指向性制御装置で、無線端末選択手段は送信手段が送信しようとするすべての無線端末が存在する全角度範囲を所定数に等分割する角度分割手段と、角度分割手段で分割された角度範囲ごとに存在する各無線端末の送信電力を加算する加算手段と、加算された送信電力を所定の閾値を境にして2つのグループに振り分ける振分手段とを具備することを特徴としている。
【0030】
すなわち請求項5記載の発明では、分割した角度範囲を用いてグループに分割することで、同じ方向の複数の無線端末を同時に選択することを防ぐことができる。たとえば、同じ角度範囲に複数の無線端末が存在するとき、同じ角度範囲内の異なる無線端末を選択しても結果的に同じ方向の無線端末を選択することになるが、請求項5記載の発明では別の角度範囲を選択するので、別の方向の無線端末を効率的に選択することができる。
【0031】
請求項6記載の発明では、請求項1記載の指向性制御装置で、無線端末選択手段は所定の閾値として送信する無線端末に対する送信時の伝送速度を用いることを特徴としている。
【0032】
すなわち請求項6記載の発明では、伝送速度を速めるほど送信電力が大きくなる関係を利用している。それぞれの無線端末に対して伝送速度によってチャンネルを割り当てる場合には、送信時の伝送速度を活用することができる。
【0033】
請求項7記載の発明では、(イ)複数の無線端末から信号を受信する受信手段と、(ロ)この受信手段で受信した信号を基にして受信手段からそれぞれの無線端末を見たときの方向を判別する方向判別手段と、(ハ)受信手段で時間的に重複して受信する無線端末の受信電力を所定の閾値を境にして2つのグループに無線端末を振り分け、このうちの無線端末の総数が少ないグループを選択する無線端末選択手段と、(ニ)受信手段で受信するそれぞれの無線端末に対して電波の強度が強くなり互いに時間的に重複して受信する他の無線端末に対して電波の強度が弱くなるように指向性パターンを調整する際に他の無線端末を無線端末選択手段で選択された無線端末の中から選択する指向性パターン調整手段とを指向性制御装置に具備させる。
【0034】
すなわち請求項7記載の発明では、方向判別手段で受信する無線端末の方向を判別している。時間的に重複して受信する無線端末に対する受信電力を所定の閾値を境にして2つのグループに分割し、このうちの無線端末の総数が少ない方を選択している。これにより、受信する無線端末の指向性パターンの電波の強度が弱くなる他の無線端末として、総数の少ないグループの無線端末にのみ集中的に配分されることになる。請求項1記載の発明は送信時の指向性パターンを調整することを対象にしていたが、請求項7記載の発明ではたとえば無線基地局が無線端末からの受信時の指向性パターンを調整することを対象としても請求項1記載の発明と同様にして可能になる。
【0035】
【発明の実施の形態】
【0036】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0037】
第1の実施例
【0038】
図1は本発明の第1の実施例におけるCDMA方式を用いた無線基地局の送信指向性制御装置の構成を表わしたものである。この送信指向性制御装置101は、等間隔で規則的に配列され、電波を送受信する第1〜第Nのアンテナ素子102〜102を備えている。第1〜第Nのアンテナ素子102〜102は、それぞれ対応する第1〜第Nの送受分波回路103〜103に接続され、電波の各受信信号と各送信信号の分波を行うようになっている。第1〜第Nの送受分波回路103〜103は、各受信信号を受信する受信部104と、各送信信号を送信する送信部105にそれぞれ接続されている。受信部104は、各受信信号を増幅および検波する第1〜第Nの受信機106〜106と、増幅および検波された各受信信号をディジタル信号に変換する第1〜第Nのアナログ・ディジタル(A/D)変換器107〜107から構成されている。送信部105は、各送信信号をアナログ信号に変換する第1〜第Nのディジタル・アナログ(D/A)変換器108〜108と、アナログ信号に変換された各送信信号を変調および増幅する第1〜第Nの送信機109〜109から構成されている。受信部104および送信部105は、この無線基地局のセル内で割り当てられるM個の図示しない無線端末を持つユーザ(以下、ユーザとする。)ごとの送信指向性を生成する第1〜第Mの送信指向性生成部110〜110に接続されている。
【0039】
第1〜第Mの送信指向性生成部110〜110は、第1〜第Nのアナログ・ディジタル変換器107〜107から各受信信号をそれぞれ入力して第1〜第Mのユーザの電波の到来方向をそれぞれ推定する第1〜第Mの到来方向推定部111〜111と、第1〜第Mのユーザの送信指向性パターンをそれぞれ制御する第1〜第Mの送信指向性パターン制御部112〜112から構成されている。第1〜第Mの到来方向推定部111〜111の出力側には、第1〜第Mの送信指向性パターン制御部112〜112と、第1〜第Mのユーザの電波の到来方向等のデータを格納する磁気ディスク等のデータベース113が接続されている。データベース113は、ユーザにチャンネルを割り当てるチャンネル制御部114および第1〜第Mの送信指向性パターン制御部112〜112に接続されている。
【0040】
このような構成の送信指向性制御装置101の各動作を説明する。第1〜第Nのアンテナ素子102〜102が受信した各受信信号は、第1〜第Nの送受分波回路103〜103を介して受信部104に入力される。各受信信号は、第1〜第Nの受信機106〜106で増幅および検波され、第1〜第Nのアナログ・ディジタル変換器107〜107でディジタル信号に変換される。ディジタル信号に変換された第1〜第Nの受信信号115〜115は、チャンネル制御部114で割り当てられるユーザの数Mだけ分岐して第1〜第Mの到来方向推定部111〜111にそれぞれ入力される。第1〜第Mの到来方向推定部111〜111は、図示しないCPU(中央処理装置)や制御用のプログラムを格納したROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶媒体ならびに作業用のメモリとしてのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)を備えるDSP(Digital Signal Processor)で構成され所定の制御を行うようになっている。
【0041】
第1の到来方向推定部111では、第1〜第Nの受信信号115〜115から第1のユーザの受信信号を分離するため逆拡散が行われる。逆拡散が行われた受信信号には、その信号のユーザを識別できるように固有の識別番号が設定される。この識別番号は、通信開始時にチャンネル制御部114でチャンネルを割り当てられた第1〜第Mのユーザに対して送信指向性制御装置101で便宜的に与えられるものである。また、識別番号が設定された受信信号について、この受信信号が到来してきた方向が推定される。本実施例では、到来方向推定を行うとき、受信指向性パターンのビームを走査して受信電力が最大となる方向を検出する従来のビームフォーマ法を用いる。第1の到来方向推定部111で推定された第1の到来方向到来方向θおよび設定した第1のユーザ識別番号Uを示す第1のデータ116は、データベース113に格納され、同時に第1の送信指向性パターン制御部112に入力される。このような処理についてこの送信指向性制御装置101の無線基地局のセル内にユーザがM個存在するとき、到来方向推定部はM個が動作し、同様の処理を行う。到来方向推定法としては、この他にもMUSIC(Multiple Signal Classification)アルゴリズムを使用する等、一般的に知られている多くの到来方向推定法を用いることができる。
【0042】
一方、チャンネル制御部114は、各ユーザが要求する下りデータ伝送速度に応じて、第1〜第Mのユーザごとに下りチャンネルを割り当てている。チャンネル制御部114は、前記したCPU等とは別に設けられたCPUや制御用のプログラムを格納したROM等の記憶媒体ならびに作業用のメモリとしてのRAMで構成され、所定の制御を行うようになっている。下りチャンネルでは、各ユーザに送信される信号のデータ容量に応じて伝送可能なデータ伝送速度が予め定められている。ユーザが通信を開始するときに、無線基地局が収容可能な回線容量に収まるようにデータ伝送速度から各ユーザに対して下りチャンネルが割り当てられる。したがって、チャンネルを割り当てる際に、各ユーザが要求するデータ伝送速度が設定されるようになっている。このチャンネル制御部114で割り当てられた第1〜第Mのユーザの下りチャンネルでの第1〜第Mのデータ伝送速度R〜Rと第1〜第Mのユーザ識別番号U〜Uを示すデータ117は、データベース113に格納される。
【0043】
図2は、本実施例の図1で示したデータベースでのデータ処理の流れを表わしたものである。データベース113は、前記したCPU等とは別に設けられたCPUや制御用のプログラムを格納したROM等の記憶媒体ならびに作業用のメモリとしてのRAMが接続され、所定の制御を行うようになっている。図2については図1の各動作を説明しつつ適宜説明する。データベース113では、第1〜第Mの到来方向推定部111〜111で推定された第1〜第Mのユーザに対応する第1〜第Mの到来方向θ〜θと第1〜第Mのユーザ識別番号U〜Uを示すデータが格納される。また、チャンネル制御部114で割り当てられた第1〜第Mのユーザの下りチャンネルでの第1〜第Mのデータ速度R〜Rと第1〜第Mのユーザ識別番号U〜Uを示すデータも格納される。これらのデータよりユーザ分布テーブルが作成される(ステップS101)。
【0044】
図3は、データベースで処理されるデータテーブルの構成の一部を表わしたものである。ここでは、ユーザが要求した下りデータ伝送速度の到来方向ごとの分布がユ−ザ分布テーブル201としてテーブル形式で格納されている。このユーザ分布テーブル201の1番左側の欄に記された「ユーザNo.」は、第1〜第Mの到来方向推定部111〜111で付与された第1〜第Mのユーザ識別番号U〜Uを表わしており、これには所定の番号が付けられている。次の欄は「下りリンクデータレート」であり、チャンネル制御部114で割り当てられた下り送信信号のデータ伝送速度を表わしている。ここでは、便宜上高速のデータ伝送速度をRHiとする。同様に中速のデータ伝送速度をRMiとして、低速のデータ伝送速度をRLoとする。最後の欄は「到来方向」であり、第1〜第Mの到来方向推定部111〜111で推定された受信信号の到来方向を表わしている。
【0045】
図2に戻って説明を続ける。このユーザ分布テーブル201に作成された第1〜第Mのデータ速度R〜Rから下りチャンネルのデータ伝送速度の平均値を求める(ステップS102)。次にこの係数倍を閾値として設定する(ステップS103)。この係数は、ユーザ数やユーザ分布等の使用環境条件に応じて最適な指標値になるように予め設定される任意の係数である。本実施例では、閾値は全ユーザについてのデータ伝送速度の平均値を基準に基地局の平均的ユーザ分布に対して実験的に決定する。最初は平均値を初期値として、摂動を行って平均的な基地局の総送信電力が最小になるように閾値を決定し、基地局の総送信電力の観測は日レベルの単位で行うようにする。この閾値により、ユーザ分布テーブル201をAテーブルおよびBテーブルの2つのテーブルに分割する(ステップS104)。なお、平均値を算出する代わりに最頻値を求めてもよい。
【0046】
図4は、ユーザ分布テーブルをAテーブルおよびBテーブルに分割した場合の一例を示したものである。ここではデータ伝送速度RHiとデータ伝送速度RMiの間の値を閾値とする。同図(a)に示すAテーブル202について、一番左側の欄に記された「No.」は便宜的に付された番号である。次の欄は「下りリンクデータレート」であり、閾値より低い速度であるデータ伝送速度RMiとデータ伝送速度RLoを表わしている。最後の欄の「到来方向」は、図3と同様であり、説明は省略する。同図(b)に示すBテーブル203はAテーブル202と同様のテーブルであるが「下りリンクデータレート」は、閾値よりも高速であるデータ速度RHiを表わしている。
【0047】
図2に戻って説明を続ける。このAテーブル202に属するユーザ数MおよびBテーブルB203に属するユーザ数Mを求める(ステップS105)。ユーザ数Mとユーザ数Mを比較してユーザ数Mがユーザ数Mより少ない場合(ステップS106:Y)、ユーザ数Mを表わすAテーブル202に含まれる到来方向をヌル生成方向候補とする(ステップS107)。また、比較してユーザ数Mがユーザ数Mより多い場合(ステップS106:N)、ユーザ数Mを表わすBテーブル203に含まれる到来方向をヌル生成方向候補とする(ステップS108)。このように第1〜第Mのユーザの下りデータ伝送速度分布の中から分布として少ない傾向にあるデータ伝送速度で下り送信信号を要求したユーザの方向をヌル生成方向とするようにしている。なお、閾値の係数によってユーザ数Mとユーザ数Mが同数になることを防いでいる。
【0048】
このようにデータベース113で処理された後出力されたヌル生成方向候補118(図1参照)は、第1〜第Mの送信指向性パターン制御部112〜112にそれぞれ入力される。第1〜第Mの送信指向性パターン制御部112〜112では、前記したCPU等とは別に設けられたCPUや制御用のプログラムを格納したROM等の記憶媒体ならびに作業用のメモリとしてのRAMを備えるDSPで構成され、所定の制御を行うようになっている。第1〜第Mの送信指向性パターン制御部112〜112での各動作は同一であるので、代表して第1の送信指向性パターン制御部112の動作について説明する。
【0049】
第1の送信指向性パターン制御部112では、第1のユーザの到来方向を示す第1のデータ116とデータベース113から出力されたヌル生成方向候補118より第1のユーザの送信指向性パターンを生成するための各アンテナウェイトが算出される。
【0050】
図5は、第1の実施例による各送信指向性パターン制御部での各アンテナウェイトを算出する処理の流れを表わしたものである。この図については図1の各動作を説明しつつ適宜説明する。第1の送信指向性パターン制御部112では、第1の到来方向推定部111で推定された第1の到来方向θの入力により保護領域Hを求める(ステップS111)。この保護領域Hは、次の(1)式で求める。
【0051】
H=θ±Δθ/2 ・・・(1)
【0052】
この(1)式におけるΔθは次の(2)式で与えられる。
【0053】
Δθ=k・θBW ・・・(2)
【0054】
この(2)式における数値θBWは、無線基地局に設置されている適応アンテナでの電力半値角である。また係数kは、通常数値“2”から“3”程度の値を用いるが、装置の特性によりその値はさまざまな値をとり得る。
【0055】
保護領域Hが設定されると、クロックを計数するカウンタ(図示せず)のクロック数Cが数値“0”に設定される(ステップS112)。データベース113で選出したヌル生成方向候補テーブルの中から到来方向を1つランダムに選択する(ステップS113)。この選択した到来方向が保護領域Hの外側に位置する角度であるか内側に位置する角度であるかを判断する。保護領域Hより外側である場合(ステップS114:Y)選択した到来方向を保存する(ステップS115)。保護領域Hの内側である場合(ステップS114:N)、再びヌル生成方向候補テープルの中から到来方向を選択する。到来方向が保存されたらカウンタのクロック数「C」が次のクロック数「C+1」に変更される(ステップS116)。カウンタのクロック数Cが予め設定された値Lになったかどうか判断される。カウンタCが値Lに達した場合(ステップS117:Y)選択したL個の到来方向にヌルを持ち、第1のユーザの到来方向にメインビームを生成するような各アンテナウェイトを計算する(ステップS118)。カウンタCが値Lに達するまで(ステップS117:N)、ヌル生成方向候補テープルの中から到来方向の選択を繰り返す。
【0056】
前述の予め設定された値Lについて説明する。適応アンテナが自由に調節することが可能なヌルの方向には一定の制限がある。これをアンテナの自由度といい、アンテナの素子数をN(Nは正の整数)として次の(3)式で表わされる。
【0057】
アンテナの自由度=N−1 ・・・(3)
【0058】
また、メインビームの生成方向を調節する場合には、アンテナの自由度は値が“1”だけ減少し次の(4)式で表わされる。
【0059】
アンテナの自由度=N−2 ・・・(4)
【0060】
この(3)式および(4)式で表わされるようにヌルを自由に制御できる方向には一定の制限があり、前述の予め設定される値Lの最大値は(4)式で示すアンテナの自由度の値である。
【0061】
前述の(1)式で示された保護領域Hによって、この保護領域Hに含まれる到来方向はヌルの生成する方向として選択しないようにする。すなわち、第1のユーザの保護領域Hに存在する他のユーザに対しては、ヌルを生成しないようにする。第1のユーザの方向を含む所定の角度の範囲で、ヌルが生成されないため、第1のユーザの送信指向性パターンのメインビームのアンテナ利得劣化を低減することができ、送信電力の増加を防ぐことができる。したがって、送信電力の増加による他のユーザへの干渉による影響が低減される。
【0062】
図6は送信指向性パターン制御部で生成される第1のユーザの送信指向性パターンの様子を表わしている。この図の横軸はアンテナ素子が電波を放射する放射角を示し、縦軸はアンテナ利得の大きさを示している。無線基地局のセル内に位置する複数のユーザの中で、第1のユーザ301の位置する方向をθとする。ヌル生成方向の候補として選択された第2〜第5のユーザ302〜305の位置する方向をθ〜θとする。ヌル生成方向として選択されなかった第6〜第9のユーザ306〜309の位置する方向をθ〜θとする。
【0063】
図6において保護領域Hに含まれるヌル生成方向候補はすべてヌル生成方向候補として選択されていない。このように保護領域Hに含まれるユーザの方向がヌル生成方向候補とされないことによりメインビームのアンテナ利得の劣化が低減される。
【0064】
このようにして、到来方向θにメインビームが向けられ、角度θ、θ、・・・、θにヌルが向けられる第1のユーザの送信指向性パターンが生成される各アンテナウェイトを求めることになる。
【0065】
図1に戻り各動作の説明を続ける。図5で示したように第1の送信指向性パターン制御部112で各アンテナウェイトを算出するとき、従来のアンテナウェイト算出方法である信号処理上で模擬的に希望波、干渉波分布を作成し、模擬的な信号に対してMMSEアルゴリズムを適用して求める方法を用いる。図示しない送信信号生成部からの送信信号119に算出された各アンテナウェイトを重み付けすることにより第1のユーザの送信指向性パターンが生成される。第1の送信指向性パターン制御部112で重み付けされた各送信信号は、チャンネル制御部114で割り当てられたチャンネルの拡散符号が掛け合わされる拡散が行われ第1〜第Nの送信信号120〜120として第1〜第Nのディジタル・アナログ変換器108〜108にそれぞれ入力される。このような処理についてこの送信指向性制御装置101の無線基地局のセル内にユーザがM個存在するとき、送信指向性パターン制御部はM個が動作し、同様の処理を行う。
【0066】
図7は、複数のユーザに対する送信指向性パターン制御部で生成される送信指向性パターンの様子を表わしたものである。この図の横軸はアンテナ素子が電波を放射する放射角を示し、縦軸はアンテナ利得の大きさを示している。
【0067】
図7の上部には、無線基地局のセル内に位置する各ユーザを表わしている。ユーザ310Aおよびユーザ310Bの2つのユーザの送信指向性パターンを表わしたものとする。ヌル生成方向の候補として選択されたユーザ311Aおよびユーザ311Bの方向をθA、θBで表わし、ヌル生成方向として選択されなかったユーザ311Nの方向をθNと表わしている。ユーザ310Aの送信指向性パターンは、メインビームをユーザ310Aの方向に向けて生成された指向性パターン312Aで示す。このとき、図5のステップS113で、ユーザ310Aに対してランダムにヌル生成方向の選択が行われている。したがって、選択されたヌル生成方向候補の中からさらにランダムに選択された方向θAに位置するユーザ311Aに対し、ヌルが生成されている。
【0068】
同様にして、ユーザ310Bの送信指向性パターンは、メインビームをユーザ310Bの方向に向けて生成された指向性パターン312Bで示す。選択されたヌル生成方向候補の中からさらにランダムに選択された方向θBに位置するユーザ311Bに対し、ヌルが生成されている。
【0069】
ヌルを向けた方向の状況を説明するため、各ユーザの到来方向の中からヌルθAの方向について説明する。このヌルの生成された方向θAは、ユーザ310Aに対して送信指向性パターンの生成をする際にヌル生成方向候補から選択されたユーザ311Aが位置する方向である。ここで、ヌルθAはユーザ310Bに対しては、ヌル生成方向として選択されていないためヌルが生成されないようにする。多数のユーザが存在する場合に対しても、このような処理を全てのユーザに対して行う。全てのユーザの送信指向性パターンがヌルをユーザ311Aの方向θAに向ける可能性は低くなるが、ヌル生成方向の候補として選択されているためある一定の割合のユーザはヌルをθAの方向に向けることになる。
【0070】
また、前述したように自由に調節することが可能なヌルの方向には一定の制限がある。本実施例ではヌル生成方向の候補から自由度による制限の範囲でヌル生成方向がランダムに選択されている。これにより、無線基地局に到来している干渉波の数が適応アンテナの自由度を越えている場合でも複数の無線端末に対する送信指向性パターンの生成により等価的にある程度の深度を持つヌルが生成される。具体的には、図7で示したユーザ311Aの方向はユーザ310Bに対する送信指向性パターンの生成ではヌル生成方向として選択されなかったとしても、各ユーザについてのヌル生成方向候補として選択されている。ヌル生成方向候補として選択されている限りは、他のユーザに対する送信指向性パターンのヌルの生成方向となる可能性が高いこととなる。したがって、多数のユーザによる干渉が効果的に抑圧されるようになっている。
【0071】
再び図1に戻り各動作の説明を続ける。第1〜第Mの送信指向性パターン制御部112〜112からそれぞれ出力された第1〜第Nの送信信号120〜120は送信部105に入力される。各送信信号は、第1〜第Nのディジタル・アナログ(D/A)変換器108〜108でアナログ信号に変換され、第1〜第Nの送信機109〜109で変調および増幅される。増幅された各送信信号は、第1〜第Nの送受分波回路103〜103を介して第1〜第Nのアンテナ素子102〜102から送信されることになる。
【0072】
第1の実施例の変形例
【0073】
図8はデータベースの変形例を表わしたものである。この変形例のユーザ分布テーブル204で1番左側の欄に記された「方向」は、第1の実施例の送信指向性制御装置101で指向性が調節できる方向をQ個に等分割した場合の角度の範囲である。角度の範囲は次の(5)式により定める。
【0074】
角度の範囲=θ±Δθ/2 ・・・(5)
【0075】
この(5)式におけるΔθは前述の(2)式で与えられる。
【0076】
この変形例ではユーザ分布テーブル204の「方向」の欄に記載されている等分割した場合の角度の範囲は、(5)式にΔθを順次加えていった値が用いられていくようになっている。次の欄は「下りリンクデータレート×ユーザ数」であり図1で示したチャンネル制御部114で割り当てられた下り送信信号のデータ伝送速度を各範囲に存在するユーザごとに足し合わせたものである。
【0077】
図9は、図8に示したユーザ分布テーブルの変形例をAテーブルとBテーブルに分割した場合の一例を示したものである。同図(a)に示すAテーブル205および同図(b)に示すBテーブル206では、最初の欄に表わされている「方向」および最後の欄に表わされている「下りデータレート×ユーザ数」は図8と同様なので説明は省略する。この変形例では、閾値は全角度範囲についてのデータ伝送速度の平均値を基準に基地局の平均的ユーザ分布に対して実験的に決定する。第1の実施例と同様に最初は平均値を初期値として、摂動を行って平均的な基地局の総送信電力が最小になるように閾値を決定し、基地局の総送信電力の観測は日レベルの単位で行うようにする。ここでAテーブル205はQ個に分割された各角度について存在するユーザが有する下りデータ伝送速度の合計が閾値より低い場合を表わしている。Bテーブル206は反対に下りデータ伝送速度が閾値より高い場合を表わしている。
【0078】
以降のデータベース113での各処理は第1の実施例と同様であり、第1の実施例と同様の各動作により各送信指向性パターンが生成されるようになっている。この第1の実施例の変形例では、第1の実施例に挙げた効果の他に、所定の方向に多く密集するような無線端末に対してヌルを向けるようにもなっており多数の無線端末に対する干渉が効果的に抑圧されるようになっている。
【0079】
第2の実施例
【0080】
図10は、本発明の第2の実施例におけるCDMA方式を用いた無線基地局の送信指向性制御装置の構成を表わしたものである。この送信指向性制御装置401では、第1の実施例における図1に示した送信指向性制御装置101と同一部分には同一の符号を付しており、これらの動作は実質的に同じであるので各動作の詳細な説明は省略する。第2の実施例は、第1の実施例における第1〜第Mの送信指向性生成部110〜110の代わりに、第1〜第Mの送信指向性生成部402〜402が配置されている。この第1〜第Mの送信指向性生成部402〜402は、第1〜第Nのアナログ・ディジタル変換器107〜107から各受信信号をそれぞれ入力して第1〜第Mのユーザの到来方向の推定および下り送信電力の制御を行う第1〜第Mの到来方向推定および送信電力制御部403〜403と、第1〜第Mのユーザの送信指向性パターンをそれぞれ制御する第1〜第Mの送信指向性パターン制御部404〜404から構成されている。第1〜第Mの到来方向推定および送信電力制御部403〜403の各出力側には、出力されるデータを格納する磁気ディスク等のデータベース405および第1〜第Mの送信指向性パターン制御部404〜404がそれぞれ接続されている。データベース405は、第1〜第Mの送信指向性パターン制御部404〜404にそれぞれ接続されている。
【0081】
第1〜第Mの到来方向推定および送信電力制御部403〜403では、図示しないCPUや制御用のプログラムを格納したROM等の記憶媒体ならびに作業用のメモリとしてのRAMを備えるDSPで構成され、所定の制御を行うようになっている。
【0082】
第1〜第Mの到来方向推定および送信電力制御部403〜403では、第1の実施例と同様に入力された第1〜第Nの受信信号115〜115ごとに逆拡散が行われ、それぞれ識別番号を付与し、到来方向の推定が行われる。また、このように他の受信信号と識別されるようになった受信信号のフォーマットには、下り送信信号の送信電力が指定されている。これらの受信信号に基づいて、第1〜第Mの到来方向推定および送信電力制御部403〜403は、各ユーザが指定した下り方向の送信電力を抽出するようになっている。
【0083】
第1〜第Mの到来方向推定および送信電力制御部403〜403でそれぞれ出力される第1〜第Mのユーザ識別番号U〜Uと、第1〜第Mの到来方向θ〜θと第1〜第Mの下り送信電力P〜Pを表示する第1〜第Mのデータ406〜406は、データベース405に格納される。
【0084】
図11は、データベースでのデータ処理の流れを表わしたものである。データベース405は、前記したCPU等とは別に設けられたCPUや制御用のプログラムを格納したROM等の記憶媒体ならびに作業用のメモリとしてのRAMが接続され、所定の制御を行うようになっている。図11については図10の各動作を説明しつつ適宜説明する。データベース405では、格納された第1〜第Mのユーザ識別番号U〜Uと、第1〜第Mの到来方向θ〜θと、第1〜第Mの下り送信電力P〜Pを対応させたユーザ分布テーブルを作成する(ステップS121)。
【0085】
図12は、データベースで処理されるテーブル構成の一部を表わしたものである。ここでは、ユーザごとの下り方向の送信電力分布がユーザ分布テーブル207としてテーブル形式で格納されている。このユーザ分布テーブル207の1番左側の欄に記された「ユーザNo.」は、第1〜第Mの到来方向推定および送信電力制御部403〜403で付加された第1〜第Mのユーザ識別番号U〜Uを表わしておりこれは所定の番号が付けられている。次の欄は「下りリンクデータレート」であり第1〜第Mの到来方向推定および送信電力制御部403〜403で抽出された第1〜第Mの下り送信電力P〜Pを示すデータを表わしている。最後の欄の「到来方向」は、「下りリンクデータレート」で挙げられている下り送信電力を要求したユーザからの受信信号の到来方向が表わされている。
【0086】
このユーザ分布テーブル207に作成された第1〜第Mの到来方向θ〜θと、第1〜第Mのユーザ識別番号U〜Uと、第1〜第Mの下り送信電力P〜Pから下りチャンネルの送信電力の平均値を求める(ステップS122)。次にこの係数倍を閾値として設定する(ステップS123)。この係数倍とするところの係数は第1の実施例と同様に使用環境に応じて柔軟に対処するため任意の係数でよい。この閾値により、ユーザ分布テーブル207をAテーブルおよびBテーブルの2つのテーブルに分割する(ステップS124)。なお、平均値を算出する代わりに最頻値を求めてもよい。
【0087】
図13は、ユーザ分布テーブルをAテーブルとBテーブルに分割した場合の一例を示したものである。同図(a)に示すAテーブル208について、一番左側の欄に記された「No.」は便宜的に付された番号である。次の欄は「下りリンクデータレート」であり、この欄には閾値より弱い電力である下り送信電力が表わされている。最後の欄の「到来方向」は、図12と同様であり説明は省略する。同図(b)に示すBテーブル209はAテーブル208と同様のテーブルであるが「下りリンクデータレート」は、閾値よりも強い電力である下り送信電力を表わしている。
【0088】
このAテーブル208に属するユーザ数MおよびBテーブル209に属するユーザ数Mを求める(ステップS125)。ユーザ数Mとユーザ数Mを比較してユーザ数Mがユーザ数Mより少ない場合(ステップS126:Y)、ユーザ数Mを表わすAテーブル208に含まれる到来方向をヌル生成方向候補とする(ステップS127)。また、比較してユーザ数Mがユーザ数Mより多い場合(ステップS126:N)、ユーザ数Mを表わすBテーブル209に含まれる到来方向をヌル生成方向候補とする(ステップS128)。このようにデータベース405に格納された第1〜第Mのデータ406〜406からヌル生成方向の候補が選択される。なお、閾値の係数によってユーザ数Mとユーザ数Mが同数になることを防いでいる。選択されたヌル生成方向候補を表わすデータ407は、第1〜第Mの送信指向性パターン制御部404〜404にそれぞれ入力される。第1〜第Mの送信指向性パターン制御部404〜404の処理は第1の実施例と同様の処理により行われ、また以降の各動作についても同様であり省略する。
【0089】
第2の実施例の変形例
【0090】
図14は第2の実施例におけるデータベースの変形例を表わしたものである。この変形例のユーザ分布テーブル210で1番左側の欄に記された「方向」は、この第2の実施例の送信指向性制御装置401で指向性が調整できる方向をQ個に等分割した場合の角度の範囲である。角度の範囲は、第1の実施例の変形例で行われた分割の角度の範囲と同様であるので説明は省略する。次の欄は「下りリンクデータレート×ユーザ数」であり第1〜第Mの到来方向推定および送信電力制御部403〜403で抽出された下り送信信号の送信電力を各範囲に存在するユーザごとに足し合わせたものである。
【0091】
図15は、図14に示したユーザ分布テーブルの変形例をAテーブルとBテーブルに分割した場合の一例を挙げたものである。同図(a)に示すAテーブル211および同図(b)に示すBテーブル212では、最初の欄に表わされている「方向」および最後の欄に表わされている「下りリンクデータレート×ユーザ数」は図14と同様なので説明は省略する。ここでAテーブル211はQ個に分割された各角度について存在するユーザが有する下り送信電力の合計が閾値より低い場合を表わしている。また、Bテーブル212は下り送信電力が閾値より高い場合を表わしている。
【0092】
第2の実施例および第2の実施例の変形例に示すように、実際に各ユーザに対して送信する電力によってヌル生成方向の選択をするため、同じデータ速度のユーザに対して距離による電力差が考慮されるようになる。したがって、より効率的に送信電力の小さい低速のデータ速度で通信するユーザに対する干渉が抑圧されるようになっている。
【0093】
第3の実施例
【0094】
第3の実施例は、TDMA(Time Division Multiple Access:時間分割多元接続)方式あるいはFDMA(Frequency Division Multiple Access:周波数分割多元接続)方式を用いたものである。このTDMA方式およびFDMA方式における通信で、同一時間チャンネルまたは同一周波数チャンネルに複数のユーザを指向性パターンにより空間的に多重するSDMA(Space Division Multiple Access:空間分割多元接続)方式が実現される。
【0095】
図16は、TDMA方式またはFDMA方式を用いた無線基地局の送信指向性制御装置の構成を表わしたものである。この送信指向性制御装置501では、第1の実施例における図1に示した送信指向性制御装置101と同一部分には同一の符号を付しており、これらの動作は実質的に同じであるので各動作の詳細な説明は省略する。第2の実施例は、第1の実施例における第1〜第Mの送信指向性生成部110〜110の代わりに、第1〜第Mの送信指向性生成部502〜502が配置され、図1に示した第1〜第Mの到来方向推定部111〜111の代わりにユーザ共通の到来方向推定部503が配置されている。この到来方向推定部503では、CDMA方式による無線基地局が有する機能である各アンテナ素子で受信した信号をユーザごとに逆拡散を行い分離する構成を有していない。したがって、空間に多重して含まれる全ユーザの上り送信信号に共通のものである。
【0096】
この第1〜第Mの送信指向性生成部502〜502は、第1〜第Mのユーザの送信指向性パターンをそれぞれ制御する第1〜第Mの送信指向性パターン制御部504〜504から構成されている。到来方向推定部503の出力側には、出力されるデータを格納する磁気ディスク等のデータベース505および第1〜第Mの送信指向性パターン制御部504〜504がそれぞれ接続されている。データベース505は、ユーザにチャンネルを割り当てるチャンネル制御部114および第1〜第Mの送信指向性パターン制御部504〜504にそれぞれ接続されている。
【0097】
到来方向推定部503では、図示しないCPUや制御用のプログラムを格納したROM等の記憶媒体ならびに作業用のメモリとしてのRAMを備えるDSPで構成され、所定の制御を行うようになっている。到来方向推定部503では、第1〜第Nの受信信号115〜115を入力し、空間多重されている各ユーザの方向はMUSICアルゴリズムを使用することにより検出することになる。
【0098】
データベース505は、前記したCPU等とは別に設けられたCPUや制御用のプログラムを格納したROM等の記憶媒体ならびに作業用のメモリとしてのRAMが接続され、所定の制御を行うようになっている。データベース505では、第1〜第Mの到来方向θ〜θと、第1〜第Mのユーザ識別番号U〜Uおよび各ユーザの下りチャンネルの第1〜第Mのデータ速度R〜Rを表わすデータ116からデータテーブルを作成する。このデータテーブルから各送信指向性パターンのヌルを生成する方向の候補507が決定されるようになっている。ここで行なわれるデータ処理は、図1で示した第1の実施例と実質的に同様の処理であり、ここでは省略する。
【0099】
このようにSDMA方式を実現する際にも、下りの各時間チャンネルまたは各周波数チャンネルのデータ速度(多値数)と、同一時間スロットまたは同一周波数チャンネルに多重するユーザの方向とから構成されるデータベースの作成が行われる。このデータベースを用いて図1で示した第1の実施例と同様な処理により下り方向の各送信指向性パターンが決定されるようになっている。このような各送信指向性パターンにより下りチャンネルで効率的に干渉が抑圧されるようになる。
【0100】
また、各ユーザの上り送信信号に下り送信電力制御信号を多重する信号を用いることも可能である。その信号から各ユーザの下り送信電力を抽出する構成とすることも可能である。このような構成により各ユーザの送信電力と到来方向から構成されるデータベースの作成を行い、図10で示した第2の実施例と同様な処理により、下り方向の各送信指向性パターンが生成されるようにする。したがって、下りチャンネルで効率的に干渉が抑圧されるようになる。
【0101】
発明のその他の変形可能性
【0102】
以上説明した第1の実施例では、ヌル生成方向候補からランダムにヌル生成方向を選択したが、ヌル生成方向候補の無線端末の送信電力が高いとき高い方の無線端末から順に選択して指向性パターンを調整することも可能である。この場合には送信電力が高い無線端末が少ないとき高い方の無線端末に対して集中的にヌルを向ける指向性パターンとなるので、効果的に送信電力が高い無線端末への電波の干渉を抑圧することができる。また、ヌル生成方向候補の無線端末の送信電力が低いとき低い方の無線端末から順に選択して指向性パターンを調整することも可能である。この場合には送信電力が低い無線端末が少ないとき低い方の無線端末に対して集中的にヌルを向ける指向性パターンとなるので、効果的に送信電力が低い無線端末への電波の干渉を抑圧することができる。更に第1の実施例では、保護領域を設けて保護領域外の無線端末をヌルの方向として選択したが、メインビームの方向と最も相違する方向のヌル生成方向候補からヌルを選択することも可能である。この場合には、同様にメインビームのアンテナ利得劣化を低減することができ、送信電力の増加を防ぐことができる。
【0103】
以上の実施例では、送信指向性制御を目的とした送信指向性制御装置について説明したが、受信指向性制御を目的とした受信指向性制御装置にも適用できる。この受信指向性制御装置でも、時間的に重複する複数の無線端末に対する受信指向性パターンのメインビームとヌルの関係がある。ここでは、ある無線端末の受信指向性パターンを生成するとき、その無線端末に電波を最も強く受け取る方向のメインビームを向けて、他の無線端末に電波を弱く受け取る方向のヌルを向けるようにしている。そこで、無線基地局で受信する各無線端末の受信電力または伝送速度を用いたデータベースと受信指向性パターンを生成する受信指向性パターン制御部を備えることにより、第1〜第3の実施例と同様の指向性制御を行うことが可能である。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、送信手段で時間的に重複して送信する無線端末に対する送信時の送信電力を所定の閾値を境にして2つのグループに振り分け、このうちの無線端末の総数が少ない方を選択し、この中から更に指向性パターン調整手段で調整する電波の強度が弱くなるような指向性パターンの他の無線端末を選択した。たとえば、ヌル生成候補として高い送信電力の無線端末のグループが選ばれたとき、高い送信電力の無線端末に対してヌルを持つ送信指向性パターンが生成される。このため、高い送信電力の無線端末への干渉が抑圧されて、高い送信電力の無線端末の信号電力対干渉電力比(SIR)が向上し、所要送信電力が低減される。送信電力制御により、高い送信電力の無線端末への送信電力が低減され、その結果低い送信電力の無線端末への干渉を抑圧する効果を得ることができる。また、ヌル生成候補として低い送信電力の無線端末のグループが選ばれたとき、低い送信電力の無線端末に対してヌルを生成するため、低い送信電力の無線端末への干渉を抑圧する効果を得ることができる。更に送信時の送信電力を基にしているので、同じ伝送速度の無線端末に対して距離による電力差を考慮することができる。
【0105】
また請求項2記載の発明によれば、閾値として送信電力の平均値あるいは最頻値に所定の係数をかけたものを用いるため、ユーザ数やユーザ分布等の使用環境条件に柔軟に対応できる。たとえば、最初は平均値を初期値として、摂動を行って平均的な総送信電力が最小になるように閾値を決定し、総送信電力の観測は日レベルの単位で行うようにすると、最適に干渉を抑圧することができる。
【0106】
更に請求項3記載の発明によれば、所望の無線端末の方向に保護領域を設けて、保護領域内にはヌルを生成しないため、ヌル生成によるメインビームのアンテナ利得劣化を低減することができ、送信電力の増加を防いで他の無線端末への干渉を抑圧することができる。
【0107】
また請求項4記載の発明によれば、ランダムに無線端末を選択して指向性パターンを調整しているので、選択された多数の無線端末に対して分散的に電波の強度が弱くなる指向性パターンとなるので、効果的に多数の無線端末への電波の干渉を抑圧することができる。したがって、無線基地局に到来している干渉波の数が適応アンテナの自由度を越えている場合でも複数の無線端末に対する送信指向性パターンの生成により等価的にある程度の深度を持つヌルが生成され、多数の無線端末への電波の干渉を抑圧することができる。
【0108】
更に請求項5記載の発明によれば、分割した角度範囲を用いるので、複数の無線端末が存在する方向に対して近傍の方向の無線端末を集中的に選択することを防ぐことができる。したがって、近傍の無線端末の集中的な選択によって近い方向にヌルを生成するより分散的に多数の方向にヌルを生成することで、全体の分布に対してより効率的な効果を得ることができる。
【0109】
また請求項6記載の発明によれば、送信する無線端末に対する送信時の伝送速度を用いるため、チャンネルを割り当てる際の伝送速度を容易に利用できる。
【0110】
更に請求項7記載の発明によれば、請求項1記載の発明の送信時の指向性パターンを調整することと同様に受信時の指向性パターンを調整しているので、受信時の指向性パターンに対応した効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるCDMA方式を用いた無線基地局の送信指向性制御装置の構成を表わした構成図である。
【図2】第1の実施例のデータベースでのデータ処理の流れを表わした流れ図である。
【図3】第1の実施例のデータベースで処理されるデータテーブルの構成の一部を表わした説明図である。
【図4】第1の実施例のユーザ分布テーブルをAテーブルとBテーブルに分割した場合の一例を示した説明図である。
【図5】第1の実施例の各送信指向性パターン制御部での各アンテナウェイトを算出する処理の流れを表わした流れ図である。
【図6】第1の実施例の送信指向性パターン制御部で生成される第1のユーザの送信指向性パターンの様子を表わした説明図である。
【図7】複数のユーザに対する送信指向性パターン制御部で生成される送信指向性パターンの様子を表わした説明図である。
【図8】第1の実施例の変形例におけるデータベースで処理されるテーブル構成の一部を表わした説明図である。
【図9】第1の実施例の変形例のユーザ分布テーブルをAテーブルとBテーブルに分割した場合の一例を示した説明図である。
【図10】本発明の第2の実施例におけるCDMA方式を用いた無線基地局の送信指向性制御装置の構成を表わした構成図である。
【図11】第2の実施例のデータベースでのデータ処理の流れを表わした流れ図である。
【図12】第2の実施例のデータベースで処理されるテーブル構成の一部を表わした説明図である。
【図13】第2の実施例のユーザ分布テーブルをAテーブルとBテーブルに分割した場合の一例を示した説明図である。
【図14】第2の実施例の変形例におけるデータベースで処理されるテーブル構成の一部の変形例を表わした説明図である。
【図15】第2の実施例の変形例のユーザ分布テーブルをAテーブルとBテーブルに分割した場合の一例を挙げた説明図である。
【図16】第3の実施例におけるTDMA方式またはFDMA方式を用いた無線基地局の送信指向性制御装置の構成を表わした構成図である。
【図17】図17は、従来提案される適応アンテナを用いた無線基地局の送信指向性制御装置の構成を表わした構成図である。
【符号の説明】
101 送信指向性制御装置
102 アンテナ素子
103 送受分波回路
104 受信部
105 送信部
106 受信機
107 アナログ・ディジタル(A/D)変換器
108 ディジタル・アナログ(D/A)変換器
109 送信機
110、402、502 送信指向性生成部
111、503 到来方向推定部
112、404、504 送信指向性パターン制御部
113、405、505 データベース
114 チャンネル制御部
115 受信信号
116、117、406、407、506、507 データ
118 ヌル生成方向候補
119、120 送信信号
403 到来方向推定および送信電力制御部

Claims (7)

  1. 複数の無線端末から信号を受信する受信手段と、
    信号を送信する送信手段と、
    前記受信手段で受信した信号を基にして送信手段からそれぞれの無線端末を見たときの方向を判別する方向判別手段と、
    前記送信手段で時間的に重複して送信する無線端末に対する送信時の送信電力を所定の閾値を境にして2つのグループに無線端末を振り分け、このうちの無線端末の総数が少ないグループを選択する無線端末選択手段と、
    前記送信手段で送信するそれぞれの無線端末に対して電波の強度が強くなり前記受信手段で受信した互いに時間的に重複して送信する他の無線端末に対して電波の強度が弱くなるように指向性パターンを調整する際に前記他の無線端末を前記無線端末選択手段で選択された無線端末の中から選択する指向性パターン調整手段
    とを具備することを特徴とする指向性制御装置。
  2. 前記閾値は前記送信手段が送信する際に採用する送信電力の平均値あるいは最頻値に所定の係数をかけたものであることを特徴とする請求項1記載の指向性制御装置。
  3. 前記指向性パターン調整手段はそれぞれ送信しようとする無線端末に対して所定の角度範囲を保護領域と設定する保護領域設定手段と、前記無線端末選択手段で選択された無線端末の中から保護領域設定手段で設定された保護領域外の無線端末を選択する保護領域外無線端末選択手段を具備することを特徴とする請求項1記載の指向性制御装置。
  4. 前記指向性パターン調整手段は前記無線端末選択手段で選択された無線端末の中からランダムに無線端末を選択して指向性パターンを調整することを特徴とする請求項1記載の指向性制御装置。
  5. 前記無線端末選択手段は前記送信手段が送信しようとするすべての無線端末が存在する全角度範囲を所定数に等分割する角度分割手段と、角度分割手段で分割された角度範囲ごとに存在する各無線端末の送信電力を加算する加算手段と、加算された送信電力を所定の閾値を境にして2つのグループに振り分ける振分手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の指向性制御装置。
  6. 前記無線端末選択手段は所定の閾値として送信する無線端末に対する送信時の伝送速度を用いることを特徴とする請求項1記載の指向性制御装置。
  7. 複数の無線端末から信号を受信する受信手段と、
    この受信手段で受信した信号を基にして受信手段からそれぞれの無線端末を見たときの方向を判別する方向判別手段と、
    前記受信手段で時間的に重複して受信する無線端末の受信電力を所定の閾値を境にして2つのグループに無線端末を振り分け、このうちの無線端末の総数が少ないグループを選択する無線端末選択手段と、
    前記受信手段で受信するそれぞれの無線端末に対して電波の強度が強くなり互いに時間的に重複して受信する他の無線端末に対して電波の強度が弱くなるように指向性パターンを調整する際に前記他の無線端末を前記無線端末選択手段で選択された無線端末の中から選択する指向性パターン調整手段
    とを具備することを特徴とする指向性制御装置。
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