JP3920508B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一つの冷媒配管系に接続された複数の室外機と、複数の室内機とを備え、各室外機には四方弁を備えた空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、一つの冷媒配管系に接続された複数の室外機と、当該冷媒配管系に並列に接続された複数の室内機とを備え、各室外機には冷房運転位置と暖房運転位置間で切り替わる四方弁を備えた空気調和機が知られている。
【0003】
この種の空気調和機では、運転開始時に各室外機の四方弁の位置を冷房運転位置或いは暖房運転位置のいずれかに統一させる指令を出力する制御手段を設け、四方弁の位置を統一させた後、運転を開始するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成では、制御手段が、四方弁の位置を冷房運転位置或いは暖房運転位置のいずれかに統一させる指令を出力しても、実際に四方弁の運転位置が切り替わったか否かを確認していない。
【0005】
このため、四方弁に不具合があり、四方弁の運転位置が統一されない事態が発生しても、制御手段は、すでに統一されたものとして運転を開始させるので、例えば、一方の室外機の圧縮機の吐出管から、他方の室外機の圧縮機の吸込管に冷媒が流れたりして、運転が不安定になるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、四方弁の位置合わせ不良を確認して、安定した運転状態を維持することができる空気調和機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、一つの冷媒配管系に接続された複数の室外機と、当該冷媒配管系に並列に接続された複数の室内機とを備え、各室外機には冷房運転位置と暖房運転位置間で切り替わる四方弁を備えた空気調和機において、運転命令が出力された時に各室外機の四方弁の位置を冷房運転位置或いは暖房運転位置のいずれかに統一させる指令を出力する制御手段と、冷媒温度を検出する温度センサと、冷媒圧力を検出する圧力センサと、前記温度センサの検出した運転開始前の冷媒温度と運転開始後の冷媒温度とを比較し、この比較結果に応じて、前記制御手段による四方弁の位置合わせが不良であると判定する冷媒温度による判定手段と、前記圧力センサの検出した運転中室外機の冷媒吐出圧力と他の運転中室外機の冷媒吸込圧力を比較し、この比較結果に応じて前記制御手段による四方弁の位置合わせが不良であると判定する冷媒圧力による判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項1記載の発明では、温度センサの検出した運転開始前の冷媒温度と運転開始後の冷媒温度とを比較した結果に応じて、四方弁の位置合わせの不良の有無判定するので、四方弁の運転位置が統一されないまま運転が続行されることがなく、安定した運転状態を維持することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記温度センサは暖房運転時における室外熱交換器の入口温度を検出し、前記判定手段は、運転開始前の冷媒温度が運転開始後の冷媒温度よりも所定温度高い場合、四方弁の位置が暖房運転位置にあると判定し、運転開始前の冷媒温度が運転開始後の冷媒温度よりも所定温度低い場合、四方弁の位置が冷房運転位置にあると判定し、これらの判定結果と、要求運転に対応する四方弁の位置とが不一致の場合、前記制御手段による四方弁の位置合わせが不良であると判定することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明では、室外熱交換器における運転開始前の冷媒温度と運転開始後の冷媒温度とを比較すると、四方弁の運転位置を判定できるので、これらの判定結果と、要求運転に対応する四方弁の位置とが不一致の場合、四方弁の位置合わせが不良であると判定される。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記圧力センサは、前記室外機における圧縮機の吐出圧力および圧縮機の吸込圧力を検出し、前記冷媒圧力による判定手段は、ある室外機の運転中吐出圧力と他の室外機の運転中吸込圧力との差が基準圧力差以下になった場合、それをもって異常であると判定することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1において、1は空気調和機を示している。空気調和機1には2台の室外機3a、3bと2台の室内機5a、5bとが備えられている。この空気調和機1には、複数の室外機3a、3bと複数の室内機5a、5bとが、一つの冷媒配管系に備えられている。室外機3a、3bには、圧縮機7a、7bが設けられており、この圧縮機7a、7bの吐出管8a、8bには、冷房運転位置と暖房運転位置間で切り替わる四方弁9a、9bが設けられている。
【0014】
冷房運転時の冷媒の流れ(実線で示す。)に沿って配管の接続関係を説明すると、四方弁9a、9bには、室外熱交換器11a、11bが接続されており、この実施の形態では、室外熱交換器11a、11bに室外熱交換器温度センサ13a、13bが接続されている。この室外熱交換器温度センサ13a、13bには、室外膨張弁15a、15bが接続されている。17a、17bは室外送風機である。室外膨張弁15a、15bには冷媒配管19aを介して、室内機5a、5bの室内膨張弁21a、21bが接続され、この室内膨張弁21a、21bには、室内熱交換器23a、23bが接続されている。25a、25bは室内送風機である。室内熱交換器23a、23bには冷媒配管19bを介して、室外機3a、3bの四方弁9a、9bが接続され、この四方弁9a、9bにはアキュムレータ27a、27bが接続されている。アキュムレータ27a、27bには、圧縮機7a、7bの吸込管10a、10bが接続されている。
【0015】
暖房運転時の冷媒の流れ(点線で示す。)に沿って配管の接続関係を説明すると、四方弁9a、9bには、冷媒配管19bを介して室内熱交換器23a、23bが接続されている。この室内熱交換器23a、23bには、室内膨張弁21a、21bが接続され、この室内膨張弁21a、21bには、冷媒配管19aを介して、室外膨張弁15a、15bが接続されている。この室外膨張弁15a、15bには、室外熱交換器温度センサ13a、13bが接続され、室外熱交換器温度センサ13a、13bには、室外熱交換器11a、11bが接続されている。この室外熱交換器11a、11bには四方弁9a、9bが接続され、この四方弁9a、9bにはアキュムレータ27a、27bが接続され、このアキュムレータ27a、27bには圧縮機7の吸込管10a、10bが接続されている。
【0016】
又、吐出管8a、8bには、冷媒吐出圧力センサ12a、12bが接続され、吸込管10a、10bには、冷媒吸込圧力センサ14a、14bが接続されている。
【0017】
又、室外機3aには、制御器29が設けられている。この制御器29は室外機3a、3bの四方弁9a、9bと室外熱交換器温度センサ13a、13bと圧縮機7a、7bとに制御線を介して接続されている。
【0018】
この制御器29は、運転開始時に室外機3a、3bの四方弁9a、9bの運転位置を冷房運転位置或いは暖房運転位置のいずれかに統一させる指令を出力し、以下、図2に示すフローチャートに従って、各室外機3a、3bの四方弁9a、9bの運転位置を判定する。
【0019】
図2において、室外機の運転命令が出力されると(S1)、各室外機3a、3bにおける四方弁運転位置の判定が開始される。この場合の判定は、各室外機共に同じ手法によるので、以下、室外機3aについてのみ説明する。
【0020】
室外機3aでは、室外熱交換器温度センサ13aによって、圧縮機7a運転開始前の冷媒温度が検出され、この冷媒温度は制御器29のメモリ(図示せず)に運転開始前冷媒温度T1℃として記憶される(S2)。
【0021】
そして、圧縮機7aの運転が開始されたかどうかが判断され(S3)、運転が開始されたと判断されるまで、S3は継続して行われ、運転が開始された判断された場合、計測時間2分間のタイマの計測が開始される(S4)。
【0022】
次に、制御器29のメモリ(図示せず)に基準温度Min(T2)℃として仮想温度の1000℃が設定される(S5)。
【0023】
室外機3aの室外熱交換器温度センサ13aによって、圧縮機7aの運転開始後の冷媒温度が検出され、この冷媒温度は、制御器29のメモリ(図示せず)に運転開始後冷媒温度T2℃として記憶される(S6)。この開始後温度T2℃が基準温度Min(T2)℃、すなわち1000℃より低いかどうかが判断され(S7)、低いと判断された場合には、開始後温度T2℃を基準温度Min(T2)℃として記憶させる(S8)。
【0024】
低いと判断されない場合には、S8は省略され、タイマの計測時間が2分間経過したかどうかが判断される(S9)。2分間経過していないと判断された場合にはS6に戻り、再度、室外機3aの室外熱交換器温度センサ13aによって、圧縮機7aの運転開始後の冷媒温度が検出され、この冷媒温度は制御器29のメモリ(図示せず)に開始後温度T2℃として記憶される。
【0025】
次に、開始前温度T1℃から基準温度Min(T2)℃を減算した値が所定温度より高いかどうかが判断される(S10)。
【0026】
この実施形態では、所定温度を10℃としている。所定温度より高い場合には、室外機3aの四方弁9aの運転位置は暖房運転位置に切り替わっていると判断され(S11)、所定温度より低い場合には、室外機3aの四方弁9aの運転位置は冷房運転位置に切り替わっていると判断される(S12)。
【0027】
S11で、四方弁9aの運転位置が暖房運転位置に切り替わっていると判断された場合、要求運転が暖房運転かどうかが判断される(S13)。要求運転が暖房運転であると判断された場合、S11での判断と一致するので、室外機3aの四方弁9aの運転位置は正常と判断され(S14)、要求運転が暖房運転でないと判断された場合、S11での判断と不一致であるので、室外機3aの四方弁9aの運転位置は異常と判断される(S15)。
【0028】
S12で、四方弁9aの運転位置が冷房運転位置に切り替わっていると判断された場合、要求運転が冷房運転かどうかが判断される(S16)。要求運転が冷房運転であると判断された場合、S12での判断と一致するので、室外機3aの四方弁9aの運転位置は正常と判断され(S17)、要求運転が冷房運転でないと判断された場合、S12での判断と不一致であるので、室外機3aの四方弁9aの運転位置は異常と判断される(S18)。
【0029】
この実施形態では、システムの運転開始に先立って四方弁9の位置合わせ判定を行うので、それが不一致の場合、システムの運転を停止させる。これによれば、四方弁の位置が不一致のまま運転が開始されることがなく、異常運転を抑えることができ、安定運転状態を維持できる。
【0030】
以上の実施形態では、各室外機3の四方弁9の位置が不一致の場合、同一の冷媒配管系を通じて、一方の室外機3から他方の室外機3に冷媒が流れ込む事態が発生し、この事態は、各室外機3を流れる冷媒の温度を検出することにより、判定が可能であることに着目してなされた。
【0031】
この実施形態では、室外機3における室外熱交換器11の暖房運転時の入口冷媒温度を検出し、これを基準温度と比較して当該判定を行っているが、これに限定されるものではない。
【0032】
例えば、室外機3aにおいて、その四方弁9aが暖房運転位置にあり、室外機3bにおいて、その四方弁9bが冷房運転位置にある状態で、室外機3aおよび室外機3bが共に運転を行っている場合、室外機3aの圧縮機7aより吐出された冷媒は、室外機3bの四方弁9b、アキュムレータ27bを通り、圧縮機7bの吸込側10bへ流入する。この冷媒流入経路内においては、減圧機構または昇圧機構は存在しないため、この状態において室外機3aの圧縮機7の吐出圧力と室外機3bの圧縮機7bの吸込圧力は近づく。したがって、このような事態が運転中室外機間に発生すれば、それをもって四方弁統一の異常と判定しても良いことは明らかである。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、温度センサの検出した運転開始前の冷媒温度と運転開始後の冷媒温度とを比較した結果に応じて、四方弁の位置合わせの判定を行うので、四方弁の運転位置が統一されないまま運転が続行されることがなく、安定した運転状態を維持できる。
【0034】
本発明によれば、室外熱交換器における運転開始前の冷媒温度と運転開始後の冷媒温度とを比較すると、四方弁の運転位置を判定できるので、これらの判定結果と、要求運転に対応する四方弁の位置とが不一致の場合、四方弁の位置合わせが不良であると判定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施の形態を示す空気調和機の回路図である。
【図2】四方弁の位置合わせのフローチャートである。
【符号の説明】
1 空気調和機
3a、3b 室外機
5a、5b 室内機
9a、9b 四方弁
12a、12b 冷媒吐出圧力センサ
13a、13b 室外熱交換器温度センサ
14a、14b 冷媒吸込圧力センサ

Claims (3)

  1. 一つの冷媒配管系に接続された複数の室外機と、当該冷媒配管系に並列に接続された複数の室内機とを備え、各室外機には冷房運転位置と暖房運転位置間で切り替わる四方弁を備えた空気調和機において、
    運転命令が出力された時に各室外機の四方弁の位置を冷房運転位置或いは暖房運転位置のいずれかに統一させる指令を出力する制御手段と、
    冷媒温度を検出する温度センサと、
    冷媒圧力を検出する圧力センサと、
    前記温度センサの検出した運転開始前の冷媒温度と運転開始後の冷媒温度とを比較し、この比較結果に応じて、前記制御手段による四方弁の位置合わせが不良であると判定する冷媒温度による判定手段と、
    前記圧力センサの検出した運転中室外機の冷媒吐出圧力と他の運転中室外機の冷媒吸込圧力とを比較し、この比較結果に応じて、前記制御手段による四方弁の位置合わせが不良であると判定する冷媒圧力による判定手段と
    を備えたことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記温度センサは、前記室外機における室外熱交換器の暖房運転時の入口冷媒温度を検出し、
    前記判定手段は、運転開始前の冷媒温度が運転開始後の冷媒温度よりも所定温度高い場合、四方弁の位置が暖房運転位置にあると判定し、
    運転開始前の冷媒温度が運転開始後の冷媒温度よりも所定温度低い場合、四方弁の位置が冷房運転位置にあると判定し、
    これらの判定結果と、要求運転に対応する四方弁の位置とが不一致の場合、前記制御手段による四方弁の位置合わせが不良であると判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  3. 前記圧力センサは、前記室外機における圧縮機の吐出圧力および圧縮機の吸込圧力を検出し、
    前記冷媒圧力による判定手段は、運転中のある室外機における圧縮機吐出圧力と運転中の他の室外機における圧縮機吸込圧力の差が基準圧力差以下になった場合、それをもって異常であると判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
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