JP3919775B2 - X線反射率測定方法及び装置 - Google Patents

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Description

この発明は試料の表面でX線が鏡面反射(全反射)するときの反射率を測定する方法及び装置に関し,特に,試料の表面に対する入射X線の入射角の値を正確に定めることによって高精度の反射率測定を可能にするX線反射率測定方法及び装置に関する。
基板上に形成された薄膜の膜厚を測定するための手法としては,いくつかの方法が知られているが,膜厚の絶対値を測定できて,かつ,非破壊で測定できるものとして,X線反射率法が注目を浴びている。このX線反射率法は,膜厚の絶対値が測定できることと,非破壊で測定できることに特長があるが,現在のX線反射率法で測定した膜厚は,再現性の点で,X線光電子分光法やエリプソメトリー法よりも劣っていると言われている。もし,X線反射率法において膜厚の再現性を向上できれば,このX線反射率法は,膜厚測定のためのきわめて有力な標準計測法となりうる。
X線反射率法を用いて薄膜の膜厚や密度を求めることについては,多くの公知文献が存在するが,この点は,例えば,次の特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特開2000−35408号公報 特開平11−258185号公報
X線反射率法において,膜厚の再現性が劣る理由は,薄膜試料の表面に入射する入射X線の入射角を正確に把握できていない点にあると考えられる。この点を詳しく説明する。
図1(A)は,X線反射率測定装置のX線光学系が2θ=0の状態にあるときのX線経路を示す平面図である。入射X線10に対する反射X線の角度(すなわち散乱角)を2θと定義すると,2θ=0の状態とは,入射X線10が直接,X線検出器12に入射する状態である。入射X線10はゴニオメータ中心Oを通過するように位置決めされている。X線検出器12はゴニオメータ中心Oの周りを回転できて,その回転角度が2θである。試料16の表面に対する入射X線10の角度が入射角ωである。試料16もゴニオメータ中心Oの周りを回転できて,その回転角度がωに相当する。試料16は,その表面がゴニオメータ中心Oに一致するように,通常の半割法によって位置決めされる。もし試料16の表面がゴニオメータ中心O上にちょうど位置しているならば,入射角ωは試料16の回転角と一致することになり,入射角ωの読み取り精度は,試料16の回転駆動機構の角度決定精度と同等程度に正確なものとなる。しかしながら,現実には,試料の表面位置を,1μm未満の誤差の範囲内で,ゴニオメータ中心Oに一致させることは,非常に難しい。試料16の位置決め誤差δWを考えると,この誤差δWは,ゴニオメータ中心Oから試料16の表面までの距離で表される。このような位置決め誤差δWが存在することにより,入射角ωの決定精度が低下することになる。
図1(B)は,上述のような位置決め誤差δWを有する試料16を用いてX線反射率を測定する状況を示している。X線反射率を測定するには,試料16をω回転させるとともに,X線検出器12を2θ回転させて(ω:2θ=1:2),試料16の表面からの鏡面反射(全反射)のX線強度を測定する。散乱角2θの読み取り値を2θmとすると,この2θmはゴニオメータ中心Oの周りのX線検出器12の回転角度である。X線検出器12の手前の受光スリット18は,X線検出器12と同期して回転するが,この受光スリット18の開口幅は狭く絞っている。鏡面反射が生じる散乱角2θmは非常に小さいものであり,通常は数度未満であり,大きくても十数度未満である。試料16の回転角度ω(すなわち入射角ω)を2θmの2分の1付近において微小範囲内で変化させると,X線検出器12で検出できる反射X線20の強度が変化し,そのX線強度が最大になるところで入射角ωを決定する。そして,入射角ωを変化させて(すなわち散乱角2θを変化させて),各入射角に応じて反射X線強度をプロットしたものがX線反射率曲線となる。
試料表面に対する入射X線10の実際の入射角をωaと仮定すると,このωaは正確に求めることが困難である。なぜならば,入射角ωの原点(すなわち,試料表面が入射X線10に完全に平行になるところ)を測定によって高精度に定めることが難しいからである。そこで,実際の入射角ωaについては,散乱角2θの読み取り値2θmの2分の1に等しいという取り扱いをしている。鏡面反射においては,原理的に,入射角は散乱角のちょうど2分の1になるからである。
しかしながら,上述のようにδWだけ試料16の位置決め誤差があると,散乱角の読み取り値2θmは,現実の散乱角2θaからずれることになる。2θmと2θaの偏差をδ(2θ)と表記することにする。すなわち,2θa=2θm+δ(2θ)である。読み取り値2θmはゴニオメータ中心Oの周りで測定した角度であるが,現実の散乱角2θaは,試料表面上の現実のX線照射点Pの周りでの入射X線10に対する反射X線20の角度になる。反射X線20の方角は受光スリット18によってその角度位置が定まることになる。ゴニオメータ中心OからX線照射点Pまでの距離Dがあるために,上述の偏差δ(2θ)が生じることになる。
δ(2θ)がどの程度の値になるのかを以下に計算してみる。まず,距離Dは図2の(1)式で求めることができる。次に,偏差δ(2θ)の正接(タンジェント)を求めると,図の(2)式のようになる。ここで,Lはゴニオメータ中心Oから受光スリット18までの距離である。(2)式において,δ(2θ)は非常に小さい角度なので,δ(2θ)をラジアンの単位で表すと,tanδ(2θ)はδ(2θ)にほぼ等しい。したがって,(2)式の左辺はδ(2θ)になる。一方,(2)式の右辺において,Lに比べてDは非常に小さいから,分母はLにほぼ等しい。したがって,(2)式は(3)式のように近似できる。
そして,(4)式に示すように,現実の入射角ωaは,現実の散乱角2θaのちょうど2分の1である。この現実の散乱角2θaは,読み取り値2θmとは偏差δ(2θ)だけ異なっている。したがって,2θmに基づいて入射角を定めると(これを,読み取った入射角としてωmと呼ぶことにする),この入射角ωmは,(5)式に示すように,現実の入射角ωaとは異なるものになる。このように,現実の入射角ωaとは異なった読み取り入射角ωmに基づいて反射率曲線を求めて,これに基づいて薄膜の膜厚を求めている従来方法では,膜厚測定の再現性が十分ではなかった。
上述の(3)式において,適切な数値を代入してδ(2θ)の値を検討してみる。試料の位置決め誤差δWは1μmと仮定する。通常の半割法を用いて試料を位置決めすれば,その位置決め誤差はそれほど大きくはならないが,それでも,1μm以下の精度で試料を位置決めするのは困難である。2θmは0.6度と仮定する。ωはその半分の0.3度である。これらの数値を(3)式に代入すると,δ(2θ)は約1.0×10のマイナス5乗ラジアンとなり,これは約2秒の角度に相当する。2秒というのは非常に小さい角度であるが,X線反射率法に基づいて薄膜の厚さを再現性良く求めるには,この程度の角度誤差が問題となってくる。従来法において特に問題になるのは,上述の偏差δ(2θ)がいくらであるのか,検証する方法がないことである。
この発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり,その目的は、入射角に応じた反射X線強度を求めるX線反射率測定方法において,入射角の測定精度と再現性を高めることにある。
本発明のX線反射率測定方法は,アナライザー結晶を用いて入射角ωの読み取り目盛りを修正することに主たる特徴がある。そして,読み取り目盛りを修正した後に,アナライザー結晶を外して反射率測定を実施する。すなわち,本発明のX線反射率測定方法は次の(ア)乃至(カ)の段階を備えている。(ア)基準点を通過可能な入射X線を発生するX線源と,試料を保持する試料ホルダーであって前記試料の表面が前記基準点にできるだけ合致するように前記試料を保持できる試料ホルダーと,前記試料の表面で前記入射X線が鏡面反射したときの反射X線の強度を検出するX線検出器と,前記入射X線と前記試料の表面とのなす角度ω(以下,入射角という)を変更する入射角変更手段であって前記基準点を中心として前記入射角を変更できる入射角変更手段と,前記X線検出器で検出される前記反射X線が前記試料の表面から出て行くときの方向と前記入射X線とのなす角度2θ(以下,散乱角という)を変更する散乱角変更手段であって前記基準点を中心として前記散乱角を変更できる散乱角変更手段とを備えるX線反射率測定装置を準備する段階。(イ)前記基準点と前記X線検出器とを結ぶ反射経路の途中にアナライザー結晶を配置するとともに,特定の波長を有する前記反射X線が前記アナライザー結晶で反射してから前記X線検出器で検出されるように前記アナライザー結晶に対して前記X線検出器を位置決めする段階。(ウ)前記散乱角変更手段を用いて前記散乱角2θを零度に設定し,前記入射X線が前記試料に当たることなく前記基準点を通過して前記アナライザー結晶で反射して前記X線検出器で検出される第1状態を作り,前記X線検出器で検出されるX線強度が最大になるように前記入射X線に対する前記アナライザー結晶の角度を調整する段階。(エ)前記アナライザー結晶と前記X線検出器との相対位置関係を固定したままで,前記散乱角変更手段を用いて前記散乱角2θを所定の基準角度2θrに設定し,前記試料の表面が前記基準点にできるだけ合致するように前記試料を位置決めして,前記入射X線を前記試料の表面に照射して,前記試料の表面で鏡面反射した反射X線が前記アナライザー結晶を経由して前記X線検出器で検出されるときのX線強度が最大になるように前記入射角変更手段を用いて前記入射角ωを調整して,そのときの入射角ωの値が前記基準角度2θrの正確に2分の1となるように入射角ωの読み取り目盛りを修正する段階。(オ)前記アナライザー結晶を前記反射経路から外して,前記X線検出器を前記アナライザー結晶を使わないときの配置状態に戻す段階。(カ)修正された前記読み取り目盛りに基づいて前記入射角ωを変化させて,それぞれの入射角ωにおいて,前記入射X線を前記試料の表面に入射して,前記反射X線の強度を前記X線検出器で検出し,これによって試料のX線反射率を測定する段階。
また,本発明のX線反射率測定装置は上述のX線反射率測定方法を実施するための装置であって,次の(ア)乃至(ク)の構成を備えている。(ア)基準点を通過可能な入射X線を発生するX線源。(イ)試料を保持する試料ホルダーであって前記試料の表面が前記基準点にできるだけ合致するように前記試料を保持できる試料ホルダー。(ウ)前記試料の表面で前記入射X線が鏡面反射したときの反射X線の強度を検出するX線検出器。(エ)前記入射X線と前記試料の表面とのなす角度ω(以下,入射角という)を変更する入射角変更手段であって前記基準点を中心として前記入射角を変更できる入射角変更手段。(オ)前記X線検出器で検出される前記反射X線が前記試料の表面から出て行くときの方向と前記入射X線とのなす角度2θ(以下,散乱角という)を変更する散乱角変更手段であって前記基準点を中心として前記散乱角を変更できる散乱角変更手段。(カ)前記基準点と前記X線検出器とを結ぶ反射経路の途中に挿入可能なアナライザー結晶であって,前記反射経路から退避させることも可能なアナライザー結晶。(キ)前記アナライザー結晶を前記反射経路の途中に挿入したときに前記アナライザー結晶で反射したX線を検出できるように前記X線検出器を位置決めでき,かつ,前記アナライザー結晶を前記反射経路から退避させたときに前記試料からの前記反射X線を検出できるように前記X線検出器を位置決めできるX線検出器位置決め手段。(ク)前記入射X線が前記アナライザー結晶で反射できるように前記アナライザー結晶の配置角度を調整する角度調整機構。
本発明によれば,試料の位置決め誤差が存在しても,アナライザー結晶を用いて実際の入射角を確認できるので,入射角の読み取り目盛りを実際の入射角に等しくなるように修正できる。したがって,X線反射率測定において,入射角の測定精度と再現性を高めることができ,高精度の反射率曲線を求めることができる。
次に,この発明の実施例を図面を参照して説明する。図3は,この発明のX線反射率測定装置の一例を示す斜視図である。このX線反射率測定装置は入射光学系22と試料支持機構24と受光光学系26から成る。
試料支持機構24は試料ホルダー32を備えていて,この試料ホルダー32の表面は直立している。試料支持機構24はω回転台34を備えていて,このω回転台34はベース28に対して回転中心線33の周りを回転できる。このω回転台34の回転をω回転と呼ぶことにする。一方,受光光学系26を支持する2θ回転台30も,ベース28に対して上述の回転中心線33の周りを回転できる。この2θ回転台30の回転を2θ回転と呼ぶことにする。2θ回転台30とω回転台34は互いに独立に回転できる。どちらの回転駆動機構も高分解能の回転制御機構を採用している。2θ回転とω回転の角度分解能は0.00002度であり,その角度制御はサーボモータによるエンコーダ制御を採用している。ω回転台34と2θ回転台30の各回転機構がゴニオメータを構成しており,このゴニオメータの中心が上述の回転中心線33に一致する。そして,ゴニオメータ中心(すなわち,回転中心線33)が本発明における基準点となる。ω回転台34の回転駆動機構は本発明における入射角変更手段に該当し,2θ回転台30の回転駆動機構は本発明における散乱角変更手段に該当する。
ω回転台34には湾曲ガイド36が固定されていて,この湾曲ガイド36に試料駆動機構38が取り付けられている。この試料駆動機構38は,図4に示すように,試料ホルダー32をU方向,V方向,W方向に移動させることができ,かつ,試料ホルダー32のφ回転とχ(カイ)回転も可能にしている。U方向とV方向の移動は,試料16をその平面内で2次元移動させるものであり,試料16の表面上のX線照射位置を変更するのに用いられる。W方向の移動は,試料16をその表面の法線方向に移動させるものであり,試料16の表面をゴニオメータ中心に一致させるために用いられる。φ回転は試料16を面内回転させるものである。χ回転は試料16のアオリ角を調整するものである。
図5は図3に示すX線反射率測定装置の平面図である。図3と図5において,入射光学系22はX線管40と多層膜ミラー装置42と入射側モノクロメータ装置44と入射スリット46とから成る。X線管40は回転対陰極48を備えている。この回転対陰極48は水平な回転中心線の周りを回転するもので,ポイントフォーカスでX線を取り出している。多層膜ミラー装置42は多層膜ミラー50を内部に収納している。
多層膜ミラー50は,図6に示すように,人工多層膜で形成された放物面形状の第1の反射面52を有する第1のミラーと,人工多層膜で形成された放物面形状の第2の反射面54を有する第2のミラーとを,その側縁のところで約90度の角度をもって互いに結合したものであり,いわゆるサイド・バイ・サイド(side-by-side)の構造の多層膜ミラーである。この多層膜ミラー50を使うことで,X線管のX線焦点Fから出射されたX線ビーム(発散していくビームである)を,XY平面内においても,YZ平面内においても,平行化することができる。最初に第1の反射面52で反射したX線は,さらに,第2の反射面54で反射して出て行く。一方,最初に第2の反射面54で反射したX線は,さらに,第1の反射面52で反射して出て行く。第1の反射面52はXY平面内でX線を平行化するものであり,第2の反射面54はYZ平面内でX線を平行化するものである。X線焦点Fから発散するX線ビームを放物面で集めて平行化しているので,輝度の高い平行ビームが得られる。この多層膜ミラーを用いることで,X線の発散角を例えば0.04°以内に収めることができる。このような平行度では不十分なときは,後述するように,入射側モノクロメータ装置を用いることになる。なお,多層膜ミラーは本発明においては必須のものではなく,使用しなくてもよい。
図5に戻って,入射側モノクロメータ装置44は,内部に複数のモノクロメータを備えていて,これらを切り換えて使用できるようになっている。図5では4結晶モノクロメータ56を使用している状況を示している。入射側モノクロメータ装置44を利用することで,入射X線がさらに単色化かつ平行化される。
次に,受光光学系を説明する。図5において,受光光学系26は受光スリット18とアナライザー結晶58とX線検出器12とからなる。図7はアナライザー結晶58と受光スリット18の斜視図である。アナライザー結晶58はGe(220)面を反射面とするチャンネルカット結晶である。受光スリット18を通過した反射X線20はアナライザー結晶58で2回反射して,X線検出器に向かうようになっている。このアナライザー結晶58は上下に移動可能になっていて,図7に示すような上方位置にあるときは,アナライザー結晶58がX線経路に挿入されて,反射X線20がアナライザー結晶58で反射する。一方,図8に示すような下方位置にあるときは,反射X線20はアナライザー結晶58で反射することなく,そのままX線検出器に向かう。
アナライザー結晶58はチャンネルカット結晶でなくてもよい。原理的には,ブラッグ反射を利用するモノクロメータであれば何でもよく,例えば,平板モノクロメータを使うこともできる。
図9はアナライザー結晶の配置角度を微調整する機構の平面図である。アナライザー結晶58は結晶支持台60に取り付けられている。結晶支持台60は昇降機構62に取り付けられていて昇降ガイド64に沿って昇降可能である。昇降ガイド64にはサインバー66の根元が固定されていて,サインバー66の先端を押し棒68で押すことで,昇降ガイド64を微小角度だけ回転させることができる。昇降ガイド64が回転すると結晶支持台60も回転し,これにより,アナライザー結晶58の回転角度を微調整できる。この微調整により,反射X線20をうまく取り出せるようになる。サインバー66の長さを例えば100mmにした場合,1万分の1度以下の角度精度で調整が可能である。
図5に戻って,X線検出器12はシンチレーションカウンタであり,このX線検出器12は,ガイド70に沿って受光光学系26の光軸に垂直な方向(矢印72の方向)に移動させることができる。アナライザー結晶58を反射X線上に挿入したときと退避させたときとでは,反射X線20がX線検出器12に入射するときの空間位置が異なるので,アナライザー結晶58の使用の有無に応じて,X線検出器12を図5の矢印72の方向にシフトさせる必要がある。
受光スリット18とアナライザー結晶58とX線検出器12は検出器支持台74に搭載されている。この検出器支持台74は,2θ回転台30に固定されている。2θ回転台30が2θ回転すると,受光光学系26の全体が2θ回転することになる。
次に,本発明のX線反射率測定方法の原理を説明する。図10と図11はその原理を説明するためのX線光学系の平面図である。図10は入射角の読み取り目盛りを修正する段階を示すものであり,図11はその後のX線反射率の測定段階を示すものである。
図10(A)において,まず,2θ回転台30(図3を参照)を2θ=0度の位置にもってくる。そして,アナライザー結晶58をX線経路に挿入する。X線検出器12はアナライザー結晶58で反射したX線を検出できるように,矢印76の方向にシフトする。受光スリット18は,図7に示すように,通常のX線反射率測定とは異なり,開口幅を広くしておく。例えば,試料に入射する入射X線のビーム幅が0.1mmと仮定すると,通常のX線反射率測定では,受光スリット18の開口幅を例えば0.1〜0.2mmにする。この受光スリット18により散乱角2θを定めている。これに対して,本発明では,アナライザー結晶58を使って入射角を正しく決めることができるので,受光スリット18の開口幅は例えば0.3mm程度と広くしておく。こうすることで,試料表面の位置がゴニオメータ中心からずれた場合でも,試料からの反射X線が受光スリットに遮られない。本発明における受光スリット18は,散乱角2θを定める機能はなく,散乱X線を遮るためのアパーチャとして機能しているだけである。
入射X線10はゴニオメータ中心Oを通過してから受光スリット18を通過し,アナライザー結晶58で反射してX線検出器12で検出される。入射X線10に対して,アナライザー結晶58の反射面を所定の角度に設定したときだけ,アナライザー結晶58で反射が生じる。Ge(220)面を用いたアナライザー結晶58の場合,入射X線10がCuKα線(波長が0.15406nm)のときには,アナライザー結晶58の反射面に対して入射X線10が22.65度の角度をなすときに,反射が生じる。アナライザー結晶58の角度を正しく設定するには,図9に示す微調整機構を用いて,X線検出器で検出されるX線強度が最大になるように,アナライザー結晶58の角度を定めればよい。
次に,図10(B)に示すように,試料16を試料ホルダーに取り付ける。そして,通常の半割法を用いて,試料16の表面がゴニオメータ中心Oに一致するように,試料ホルダーを位置決めする。ただし,1μmのオーダーで完全に一致させることは困難であり,試料16の表面とゴニオメータ中心Oとの間には誤差δWが存在する。
次に,図12に示すように,2θ回転台30を2θ回転させるとともに,ω回転台34をω回転させる。2θは例えば0.6度に設定し,ωはその半分の0.3度に設定する。0.6度が本発明における基準角度2θrに該当する。図12では,理解を容易にするために,大きな角度だけ回転するように図示しているが,実際には,上述のように1度未満の小さな角度だけ回転する。なぜならば,実際のX線反射率の測定が小さな角度で行われるからである。
図10(C)は2θ回転台を0.6度だけ回転した状態を示している。この図面でも角度を誇張して示している。2θ回転台の角度の読み取り値2θmは0.6度である。この状態で,ω回転台の角度を(すなわち,試料16の回転角度を)ω=0.3度の付近で変化させて,X線検出器12で検出されるX線強度が最大になるところを探す。X線強度を最大にすることの意味は,入射X線10が試料16の表面で鏡面反射したときの反射X線20が,ちょうどアナライザー結晶58に正しい方向で入射するようにすることを意味する。
ここで重要なことは,上述の位置決め誤差δWが存在していて,それゆえに試料16の表面上でのX線照射点Pがゴニオメータ中心Oからずれていたとしても,反射X線20が入射X線10に対してなす角度,すなわち実際の散乱角2θaは,2θ回転台の角度の読み取り値2θmにちょうど一致していることである。アナライザー結晶58はゴニオメータ中心Oの周りに2θmだけ回転したのであるから,このアナライザー結晶58は,入射X線10に対して2θmだけ傾斜しているようなX線だけを反射させるはずである。したがって,アナライザー結晶58を経由してX線検出器12で検出される反射X線20の角度2θaは,正確に2θmに一致している。すなわち,図10の(6)式に示すように2θa=2θmである。ただし,試料16上のX線照射点Pがゴニオメータ中心Oからずれているので,ゴニオメータ中心OのところにX線照射点があると仮定した場合の反射X線21と比較すると,現実の反射X線20は,反射X線21を平行移動した状態になる。ゆえに,このような反射X線20を取り込むために,受光スリット18の開口幅は広くしている。
上述のように,検出される反射X線20の散乱角が正確に2θmであるとすると,鏡面反射の特性から,入射X線10に対して試料16の表面がなす角度,すなわち現実の入射角ωaは,正確に2θmの2分の1になる。2θmを0.6度に設定したので,ωaは正確に0.3度の状態になっている。このようにして,入射角ωaを正確に把握することが可能となった。このときのω回転台の角度の読み取り値ωmは,一般的には,0.3度からわずかにずれている。そのずれ量は,上述の誤差δWに依存している。そこで,ω回転台の角度の読み取り目盛りをシフトして,シフトした後の読み取り値ωmが0.3度に完全に一致するように,読み取り目盛りを修正する。こうすることで,試料ホルダーに取り付けてある現在の試料16については,ω回転台の角度の読み取り値ωmと,入射X線10が試料表面に対してなす角度,すなわち入射角ωa,とが完全に一致することになる。以上のことを図10の(7)式で示している。
図13は上述の修正作業を説明するグラフである。縦軸はω回転台の角度の読み取り値ωmである。横軸の上段はω回転台の回転角ωであり,横軸の下段は入射角ωaである。ω回転台の回転駆動機構を製造した段階では,ω回転台の回転角ωとその読み取り値ωmとが一致するように作られている。例えば,読み取り値ωmが0.3000度であれば,そのときのω回転台の回転角ωも0.3000度である。このようなωmとωの関係は,1本の特性曲線78で表すことができる。どの角度においてもωとωmが常に一致するのであれば,特性曲線78は傾き45度の直線となる。
上述の図10(C)の作業において,ωa=0.3000度の状態を実現したときに,そのときの読み取り値ωmが0.3001度であったと仮定する。特性曲線78がそのままであれば,読み取り値は0.3001度となる。これに対して,読み取り値が0.3000度になるように特性曲線78を下方にシフトして,修正特性曲線80を作ることができる。この修正特性曲線80を用いると,読み取り値ωmと入射角ωaとが一致することになる。この修正特性曲線80を作るには,ω回転台のエンコーダの出力値に対して,これを所定量だけシフトしたような修正出力値を求めればよい。
上述の説明では,2θ=0.6度の1箇所だけで読み取り目盛りの修正作業を実施しているが,この修正作業は,特性曲線78が1本の直線であることを前提にしている。もし特性曲線が直線性から外れるようなものであれば,複数の2θの値を用いて修正作業を実施することも可能である。
修正作業を実施する角度(2θ=0.6度)は別の角度にしてもよい。鏡面反射は,低角度であればどの角度でも生じるので,0.6度以外の角度で修正作業を実施することも可能である。実際のX線反射率曲線を求めるときの角度範囲の中の適当な角度を選べばよい。
次に,修正した読み取り値ωmに基づいてX線反射率を測定する作業を説明する。図11は,ω回転台の角度の読み取り目盛りの修正作業のあとに,アナライザー結晶58をX線経路から外した状態を示している。アナライザー結晶58は図8に示すように,X線経路の下方に退避している。受光スリット18の開口幅はそのまま広くしておき,試料位置のエラーδWがあっても,反射X線がスリット18を通過できるようにする。X線検出器12は元の位置に戻している。そして,受光系を2θ回転させるとともに試料16をω回転させる(2θ:ω=2:1)ことによって,正しいX線入射角ωa=ωmを基準にしたX線反射率を測定することができる。
以上の説明では,試料をω回転するとともに受光系を2θ回転するような光学系を用いているが,本発明は別の光学系にも適用できる。例えば,図14に示すように,試料16を静止させておいて,X線源84をθ回転させるとともに,X線検出器12を逆方向にθ回転させるような光学系でもよい。この場合はX線源84の回転角度について,修正特性曲線を求めればよい。
ところで,入射角ωの読み取り目盛りの修正は,今回の試料16だけに限るものであり,別の試料を試料ホルダーを取り付けた場合には,新たに,読み取り目盛りの修正作業が必要になる。このような手間をかけることによって,入射角ωaを高精度に決定することができ,それに基づいたX線反射率曲線も高精度のものになる。そのような高精度のX線反射率曲線を用いると,薄膜の膜厚や密度を高精度に決定することができる。
次に,測定結果を説明する。図15のグラフは,図1に示す従来方法によって測定した,シリコン基板上の多孔質層間絶縁膜の反射率曲線のグラフであり,試料の位置決め位置に応じて反射率曲線がどのように変化するかを示したものである。全反射の臨界角付近での反射率曲線の部分を示している。試料の表面はゴニオメータ中心にほぼ一致しているが,厳密にはわずかにずれている。図15の3種類のグラフは,試料の位置を10μmずつずらした3種類の条件で反射率曲線を測定している。すなわち,試料の位置は,図4のW方向において,W=10.003mm,10.013mm,10.023mmの3種類である(原点位置には特に意味はない)。図15のグラフの横軸の入射角ωは,散乱角の読み取り値2θmの2分の1の値を採用している。試料の位置決め誤差に応じて,横軸の入射角ωは,現実の入射角ωaからずれるので,図15のグラフから分かるように,同じ試料についての反射率曲線であっても,従来方法を用いると,反射率曲線のグラフが異なってしまう。
図16のグラフは,図15の3種類のグラフについて,入射角がもっと大きい領域で干渉縞の振動パターンが現れるところを拡大して示したものである。3種類の位置決め条件によって,反射率曲線のグラフの振動パターンの出現位置が異なっている。図15や図16に示す反射率曲線を理論曲線とフィッティングすることで試料の膜厚や密度を求めることができるが,反射率曲線が異なると,当然ながら,膜厚や密度の解析結果が異なることになる。図17は,3種類の反射率曲線から求めた密度と膜厚の数値を一覧表で示している。Wを10μmずつ変化させることで,密度と膜厚の数値が有効桁数3桁目でばらついていることがわかる。そして,これらの3種類の結果のうち,どの数値が一番信頼できるものか,すなわち,どの数値が試料の位置決め誤差が一番小さいときのものであるのか,を検証することはできない。
次に,本発明の方法による測定結果を説明する。図18は本発明の方法を用いて,試料位置を10μmずつずらした3種類の条件で反射率曲線を測定したグラフであり,図15のグラフに対応する。図18に示すように,試料表面の位置決め位置にかかわらず,全反射の臨界角がほとんど一致することがわかる。この臨界角から導かれる薄膜の密度は,図20に示すように,3種類の条件で,誤差が0.4%以内で一致している。また,図19のグラフは,図18の反射率曲線について干渉縞の振動パターンが現れるところを拡大して示したものであり,図16のグラフに対応している。この図19のグラフにおいても,3種類の条件で振動パターンの山と谷の位置が非常に良く一致しており,その結果,図20に示すように,±0.1%以内の誤差で膜厚が測定できていることがわかる。
以上のようにして,反射率測定におけるX線入射角を,きわめて精度良く(図18の例では1万分の3度以下に)決定する方法が確立した。このような高精度の測定が実現したことにより,薄膜の熱膨張のような,きわめて微小な密度変化・膜厚変化を検出することが可能になった。図21は,温度を変えて測定した多孔質層間絶縁膜の反射率曲線のグラフである。温度上昇とともに,膜密度が低下して,全反射臨界角が低角度側にシフトしていく様子が良くわかる。この反射率曲線を解析して得られた密度および膜厚についての温度変化を図22に示す。温度上昇に伴って,熱膨張により密度はなめらかに低下し,一方,膜厚はなめらかに増加していく様子が明瞭に得られている。このようにして得られた曲線を温度に関して微分することにより,体膨張率および膜厚方向の線膨張率を求めることができる。すなわち,密度の温度変化を温度で微分したものが体膨張率であり,膜厚の温度変化を温度で微分したものが厚さ方向の線膨張率である。そのようにして求めた熱膨張率を図23のグラフに示す。薄膜のままの状態で密度や熱膨張率を高精度で求めることは,従来は,困難であったが,本発明の方法を用いることにより,それが可能になった例である。
従来のX線反射率測定方法のX線経路を示す平面図である。 図2は試料の位置決め誤差δWに起因する角度偏差δ(2θ)に関する数式である。 本発明のX線反射率測定装置の一例を示す斜視図である。 図4は試料駆動機構の斜視図である。 図3に示すX線反射率測定装置の平面図である。 多層膜ミラーの斜視図である。 アナライザー結晶と受光スリットの斜視図である。 アナライザー結晶と受光スリットの別の状態を示す斜視図である。 アナライザー結晶の配置角度を微調整する機構の平面図である。 本発明のX線反射率測定方法の原理を説明するためのX線光学系の平面図である。 図10に示すX線光学系の別の状態を示す平面図である。 図5に示すX線反射率測定装置の別の状態を示す平面図である。 ω回転の読み取り値の修正作業を示すグラフである。 本発明を適用可能な別のX線光学系を示す平面図である。 従来方法によって測定した反射率曲線のグラフである。 図15に示す反射率曲線の干渉縞の振動パターンの部分を拡大して示したグラフである。 図15と図16の反射率曲線に基づいて解析した密度と膜厚の一覧表である。 本発明の方法によって測定した反射率曲線のグラフである。 18に示す反射率曲線の干渉縞の振動パターンの部分を拡大して示したグラフである。 図18と図19の反射率曲線に基づいて解析した密度と膜厚の一覧表である。 本発明の方法を用いて,温度を変えて測定した多孔質層間絶縁膜の反射率曲線のグラフである。 図21の反射率曲線を解析して得られた密度および膜厚についての温度変化を示すグラフである。 図22のグラフから求めた熱膨張率のグラフである。
符号の説明
10 入射X線
12 X線検出器
16 試料
18 受光スリット
20 反射X線
22 入射光学系
24 試料支持機構
26 受光光学系
30 2θ回転台
34 ω回転台
58 アナライザー結晶

Claims (2)

  1. 次の段階を備えるX線反射率測定方法。
    (ア)基準点を通過可能な入射X線を発生するX線源と,試料を保持する試料ホルダーであって前記試料の表面が前記基準点にできるだけ合致するように前記試料を保持できる試料ホルダーと,前記試料の表面で前記入射X線が鏡面反射したときの反射X線の強度を検出するX線検出器と,前記入射X線と前記試料の表面とのなす角度ω(以下,入射角という)を変更する入射角変更手段であって前記基準点を中心として前記入射角を変更できる入射角変更手段と,前記X線検出器で検出される前記反射X線が前記試料の表面から出て行くときの方向と前記入射X線とのなす角度2θ(以下,散乱角という)を変更する散乱角変更手段であって前記基準点を中心として前記散乱角を変更できる散乱角変更手段とを備えるX線反射率測定装置を準備する段階。
    (イ)前記基準点と前記X線検出器とを結ぶ反射経路の途中にアナライザー結晶を配置するとともに,特定の波長を有する前記反射X線が前記アナライザー結晶で反射してから前記X線検出器で検出されるように前記アナライザー結晶に対して前記X線検出器を位置決めする段階。
    (ウ)前記散乱角変更手段を用いて前記散乱角2θを零度に設定し,前記入射X線が前記試料に当たることなく前記基準点を通過して前記アナライザー結晶で反射して前記X線検出器で検出される第1状態を作り,前記X線検出器で検出されるX線強度が最大になるように前記入射X線に対する前記アナライザー結晶の角度を調整する段階。
    (エ)前記アナライザー結晶と前記X線検出器との相対位置関係を固定したままで,前記散乱角変更手段を用いて前記散乱角2θを所定の基準角度2θrに設定し,前記試料の表面が前記基準点にできるだけ合致するように前記試料を位置決めして,前記入射X線を前記試料の表面に照射して,前記試料の表面で鏡面反射した反射X線が前記アナライザー結晶を経由して前記X線検出器で検出されるときのX線強度が最大になるように前記入射角変更手段を用いて前記入射角ωを調整して,そのときの入射角ωの値が前記基準角度2θrの正確に2分の1となるように入射角ωの読み取り目盛りを修正する段階。
    (オ)前記アナライザー結晶を前記反射経路から外して,前記X線検出器を前記アナライザー結晶を使わないときの配置状態に戻す段階。
    (カ)修正された前記読み取り目盛りに基づいて前記入射角ωを変化させて,それぞれの入射角ωにおいて,前記入射X線を前記試料の表面に入射して,前記反射X線の強度を前記X線検出器で検出し,これによって試料のX線反射率を測定する段階。
  2. 次の構成を備えるX線反射率測定装置。
    (ア)基準点を通過可能な入射X線を発生するX線源。
    (イ)試料を保持する試料ホルダーであって前記試料の表面が前記基準点にできるだけ合致するように前記試料を保持できる試料ホルダー。
    (ウ)前記試料の表面で前記入射X線が鏡面反射したときの反射X線の強度を検出するX線検出器。
    (エ)前記入射X線と前記試料の表面とのなす角度ω(以下,入射角という)を変更する入射角変更手段であって前記基準点を中心として前記入射角を変更できる入射角変更手段。
    (オ)前記X線検出器で検出される前記反射X線が前記試料の表面から出て行くときの方向と前記入射X線とのなす角度2θ(以下,散乱角という)を変更する散乱角変更手段であって前記基準点を中心として前記散乱角を変更できる散乱角変更手段。
    (カ)前記基準点と前記X線検出器とを結ぶ反射経路の途中に挿入可能なアナライザー結晶であって,前記反射経路から退避させることも可能なアナライザー結晶。
    (キ)前記アナライザー結晶を前記反射経路の途中に挿入したときに前記アナライザー結晶で反射したX線を検出できるように前記X線検出器を位置決めでき,かつ,前記アナライザー結晶を前記反射経路から退避させたときに前記試料からの前記反射X線を検出できるように前記X線検出器を位置決めできるX線検出器位置決め手段。
    (ク)前記入射X線が前記アナライザー結晶で反射できるように前記アナライザー結晶の配置角度を調整する角度調整機構。
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