JP3917764B2 - 電子写真トナー及び現像剤、粉末塗料及びインクジェットインク中にピグメントイエロー155を使用する方法 - Google Patents

電子写真トナー及び現像剤、粉末塗料及びインクジェットインク中にピグメントイエロー155を使用する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は着色剤としてC.I.ピグメントイエロー155を主体とする、電子写真トナー及び現像剤、粉末塗料及びインクジェットインクに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真記録法に於て、“電荷潜像”は、光導電体上に生じる。その時この電荷潜像は静電的に電荷されたトナーの塗布によって現像される。その後このトナーはたとえば紙、繊維材料、箔又はプラスチックに転写され、次いでたとえば圧力、放射線、熱又は溶剤の作用によって定着させる。代表的なトナーは一又は二成分粉末トナー(一又は二成分現像剤とも呼ばれる)であり、更に、特別のトナー、たとえば磁気トナー、液状トナー及び重合トナーがあり、これらも使用される。
【0003】
トナー品質に対する1の尺度は、その比電荷g/m(単位質量あたりの電荷)である。静電荷の徴候及びレベルに加えて、主要な決定的品質基準は、所望の電荷レベルの急速な達成及びより一層長い活性期間にわたるこの電荷の恒常性である。これに加えて、天候の影響、たとえば温度及び大気湿度に対するトナーの非敏感性が、より重要なその適合性基準である。
【0004】
正及び負に帯電しうるトナーは、写真複写、レザープリンダー、LED(発光ダイオード)、LCS(液晶シャッター)プリンター又は電子写真法を基礎とする他のデジタルプリンター中で、処理のタイプ及び装置のタイプに従って使用される。
正か又は負の電荷のどちらかを有する電子写真トナー又は現像剤を得るために、電荷調節剤がしばしば加えられる。カラートナー中に使用される発色成分は、主として有機カラー顔料を含有する。カラー顔料は、使用媒体中でのその不溶性のために染料よりも著しい利点を有する。この利点はたとえばりよ良好な熱安定性及び耐光性である。
【0005】
減色混合の原則に基づいて、3つの基本カラー、すなわちイエロー、シアン及びマゼンダは、ヒトの目に見えるカラースペクトル全体を再び生じるために使用される。正確なカラー再生産は、夫々の基本カラーが正確に限定された色要求を満足させる場合のみ起こりうる。さもなければ、いくつかの色合を再生産することができず、カラーコントラストは不十分である。
【0006】
フルカラートナー中で、正確に限定されたカラー要求に加えて、3つのトナー;イエロー、シアン及びマゼンダはその摩擦電気性質の点で相互に厳密に適合しなければならない。というのは同一の装置中でこれらが連続して転写されるからである。
いくつかの場合着色剤が、トナーの摩擦電気電荷に持続する影響を及ぼすことは知られている。着色剤の種々の摩擦電気作用及びこれから生じる、時おり極めて顕著な、トナー電荷可能性への作用のゆえに、着色剤を、開始時に調製されたトナーベース調合物に簡単に加えることはできない。むしろ、夫々の着色剤に対して必要な電荷調節剤の性質及び量が特異的に合わされた個々の調合物を調製する必要がある。したがってこの処理は困難であり、3色処理用カラートナーの場合、上記の困難性に加えて別の困難性を示す。
【0007】
他の重要な実質的要求は、着色剤が高熱安定性及び良好な分散性を有しなければならないことにある。捏和装置又は押出機を使用する場合、着色剤をトナー樹脂中に混入する典型的温度は100〜200℃である。対応して、200℃で、及びより良くは250℃でもまだ熱安定性であることは、大きな利点である。熱安定性が比較的長い期間(約30分間)にわたってかつ種々のバインダー系に於て保証されることも重要である。代表的なトナーバインダーは付加重合樹脂、重付加樹脂及び重縮合樹脂、たとえばスチレン、スチレン- アクリラート、スチレン- ブタジエン、アクリラート、ポリエステル、フエノール- エポキシ樹脂、ポリスルホン及びポリウレタン、個々に又はこれらの組み合せであり、これは他の成分、たとえば電荷調節剤、ロウ又は流動助剤を包含していてもよいか又はその後に添加される上記成分を有していてよい。
【0008】
根本的に、極めて高い透明性、帯緑性、良好な分散性及びできる限り中性の摩擦電気作用を有する黄色顔料が要求される。
中性の摩擦電気作用とは、顔料が樹脂の静電荷にできる限り作用しないことを意味する。
透明性はもっとも重要である。というのはフルカラーコピー又は印刷に於てイエロー、シアン及びマゼンダというカラーを、相互にコピーするか又は印刷するからである。この際着色の順序は装置に従う。この時上部にある色が十分に透明でない場合、その下の色は十分な程度に透けて見られず、色の再生産はゆがめられる。オーバーヘッドシート上にコピー又は印刷する場合、透明性はより重要である。というのはたった1つの色でさえも透明性の欠損が映し出された像全体を灰色に見せるからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電子写真トナー及び現像剤、粉末又は粉末塗料、インクジェットインク及びエレクトレット材料中での使用に対してできる限り、中性の摩擦電気作用、良好な分散性及び高い熱安定性を有する、かなり安価な、高度に透明性で、帯緑黄色アゾ着色剤を提供することにある。この着色剤はジクロロベンジンを主体とせず、生態に有害な観点から可能な限り反対されないために、ハロ、ニトロ又とアミノ置換基も有してはならない。
更に、着色剤は添加物を含有してはならない。すなわち発色成分から成らねばならない。添加物の着色剤への添加は、しばしば最良の着色性質(有色度、透明性、等々)及び使用特性(分散性)を得るために必要である。しかし電子写真トナーに対して、特に液状トナー及び重合トナーに対して、及びまたインクジェットインクに対してこの様な添加物は、殊にその静電作用及びその溶出容易性のゆえに不利である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
驚くべきことに、この課題は下記アゾ顔料によって解決される。本発明の対象は、電子写真トナー及び現像剤、粉末及び粉末塗料、エレクトレット材料、カラーフィルター及びインクジェットインク中で着色剤として式(1)
【0011】
【化2】
Figure 0003917764
【0012】
のアゾ顔料を使用する方法を提供する。
式(1)による構造を有する顔料は、すでに知られ、C.I.ピグメントイエロー55として販売されている。C.I.ピグメントイエロー155の製造は公知であり、たとえば W. Herbst, K. Hunger “Industrial Organic Pigments",Verlag Chemie,ヴァインハイム、1993及びそこに引用された文献中に記載されている。この顔料──それ自体がポリエステルに不適当である(W. Herbst,K. Hunger “Industrielle Organische Pigmente", Verlag Chemie,ヴァインハイム1995,第272頁)──が極めて良好な性質、たとえば極めて良好な分散性及び極めて高い透明性をポリエステルを主体とするトナー樹脂中でさえ示すことは、新規であり、驚くべきことである。更に、顔料は中性静電特有作用の点で優れていることは驚くべきことである。
【0013】
更に、顔料が300℃より大きい熱安定性を有することが大きな利点である。市販のアゾ顔料は、明白な負の静電作用を有する(特開昭62−71966号公報、P. Gregory “High Technology Applications of Organic Colorants", Plenum Press, New York 1991、第99頁〜第102頁)。ヨーロッパ特許公開第0359123号公報中に、適するアンモニウム- 、インモニウム- 、ホスホニウム- 、アルソニウム- 又はスチボニウム化合物の添加によって強い負の摩擦作用を部分的に又は完全に除くことができ、この際上記添加物はカップリング反応でも、レーキ化でも、顔料仕上げの間でも添加されてはならないと記載されている。
【0014】
更に、特別のマスターバッチ──すなわち選ばれた樹脂中で高度に濃縮された顔料前分散物──によって顔料の摩擦作用をどの程度抑制できるか記載されている(V. Schloesser 等、Society of Imaging Science ahd Technology, 11th Congress on Advances in Non-Impacting Printing Technologies, Hilton Head, SC, 10月29日−11月11日、1995年、記事録第110−112頁)。付加的な処理工程の他に、この方法は、夫々のトナー樹脂に慣習に従って仕上げられたマスターバッチを使用しなければならないという欠点を有する。このことは極めて困難であり、市場で有益でない。上記のスタンダード樹脂を主体とするマスターバッチのみを使用した場合、トナーシステムは外来(foreign)樹脂によって汚染されることになる。
【0015】
本発明のアゾ顔料を使用することによって、この様な付加的な処理工程の欠点は回避される。
更に、電子写真トナー及び現像剤中にこれを使用する他に、顔料の摩擦電気作用は、特に摩擦電気的に又は動電学的に噴霧された粉末塗料中で、粉末及び塗料の静電電荷の改良を生じることもできる。たとえばこの塗料は金属、木材、プラスチック、ガラス、セラミック、コンクリート、繊維材料、紙又はゴムから成る製品の表面を被覆するのに使用される。粉末塗料処理はたとえば小さい製品、たとえば庭園用調度、キャンプ用品、家庭用器具、車両部品、冷蔵庫及び棚の被覆に及び複雑に形づけられた加工品の被覆に使用される。粉末塗料又は粉末は、一般に次の2つの方法の1つによってその静電電荷を受ける:
a)コロナ法で、粉末塗料又は粉末は誘導下に電荷されたコロナを通し、これによって電荷される:
b)摩擦電気的又;動電学的方法で、摩擦電気の原理を利用する。
【0016】
噴霧装置内で、粉末塗料又は粉末は静電電荷を受ける。この電荷は、一般にたとえばポリテトラフルオロエチレンから成るホース又はスプレーパイプの電荷に対向する。2つの方法を組み合せることもできる。
使用される代表的な粉末塗料樹脂は、慣用の硬化剤と共にカルボキシル及びヒドロキシル基含有エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂である。樹脂組み合せ物も使用される。たとえばエポキシ樹脂を、カルボキシル及びヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂と組み合せてしばしば使用する。エポキシ樹脂に対する代表的硬化成分は、たとえば酸無水物、イミダゾール及びジシアンジアミド及びそれらの誘導体である。ヒドロキシル含有ポリエステル用の代表的硬化剤は、酸無水物、ブロックトイソシアネート、ビスアシルウレタン、フエノール樹脂及びメラミン樹脂である。カルボキシル含有ポリエステル樹脂に関する代表的硬化成分は、たとえばトリグリシジルイソシアネート又はエポキシ樹脂である。アクリル樹脂中で、使用される典型的な硬化成分は、たとえばオキサゾリン、イソシアネート、トリグリシジルイソシアネート又はジカルボン酸である。不十分な帯電の欠点は、特に摩擦電気的に又は動電学的に噴霧される粉末及び粉末塗料──これはポリエステル樹脂、特にカルボキシル含有ポリエステルを用いて、又はいわゆる混合粉末を用いて製造され、ハイブリットパウダーとして知られている──中に認められる。エポキシ樹脂及びカルボキシル含有ポリエステル樹脂の組み合せから成る樹脂ベースの粉末塗料である。混合粉末は、実際にもっとも一般的に使用される粉末塗料のベースを生じる。上記粉末及び粉末塗料の不十分な帯電は、被覆されるべき加工品上で不十分な付着率及び不十分な均一電着性を結果として生じる。この際特定の環境下で顔料の摩擦電気作用が、それ自体適する樹脂システムの電荷能力の損失の原因になりうることは公知である。“均一電着性”なる言葉は、被覆されるべき加工品上に、その後面、抜き穴、亀裂及び特にその内端及び角も含めて粉末又は粉末塗料がどの程度付着するかの尺度である。
【0017】
更に、顔料の変化された摩擦電気作用は、着色された(顔料着色された)エレクトレット材料の場合、エレクトレット性質の改良を生じる。代表的なエレクトレット材料は、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン又はフルオロポリマーを主体とし、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン及び過フッ素化エチレン及びプロピルを主体とするか又はポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアクリレンスルフィド、特にフエニレンスルフィド、ポリアセタール、セルロースエステル、ポリアルキレンテレフタレート及びそれらの混合物を主体とする。エレクトレット材料は、多数の使用領域を有し、その電荷はコロナ帯電又は摩擦帯電によって得られる(G. M.Sessler, “Electrets", Topics in Applied Physics 、第33巻、スプリンガー出版、ニューヨーク、ハイデルベルグ、第2版、1987)。
【0018】
更に、顔料の変化された摩擦電気作用は、静電法によって分離された着色された(顔料着色された)ポリマーの増大された分離特性を生じる(Y. Higashiyau,J. of Electrostatics, 30,1993,203−212)。したがって顔料の摩擦電気作用は、プラスチックの原料着色にも重要である。この摩擦電気作用は、激しい摩擦接触を伴う処理又は加工処理工程、たとえば紡糸処理、フィルム延伸処理又は他の成形工程で重要でもある。
【0019】
本発明のC.I.ピグメントイエロー155の特別の利点は、特に式
【0020】
【化3】
Figure 0003917764
【0021】
のC.I.ピグメントイエロー180に比して明らかである。C.I.ピグメントイエロー180を、多くのイエロートナー中で着色剤として使用し、したがってトナー産業にとってジクロロベンジジンを主体とせず、ハロゲン、ニトロ又はアミノ基を有さず、またその構造中に重金属イオンを含有しないアゾ染料に対するスタンダードとしてみなすことができる。
【0022】
C.I.ピグメントイエロー155は、たとえば著しい中性摩擦電気作用を示すが、C.I.ピグメントイエロー180は予想可能な摩擦電気作用を示す。すなわちたとえば5%P.Y.155を有するトナーは、顔料不含の純粋な樹脂システムとほとんど同一の電荷能力を静電的に示すが、P.Y.180の静電電荷能力をかなり変化させる。更に何が要求されるかに応じてP.Y.155はより一層透明であるか又はより一層隠ぺい性であるように調製される。
【0023】
更に、P.Y.155の色合は、P.Y.155と他の顔料の混合によって多彩に影響される。
電子電気カラートナー、摩擦電気的に噴霧されうる粉末塗料又はインクジェットインクに関連してしばしば直面する課題は、色調の色合が変化されること及び色調を使用上の特異的要求に適合させることである。この目的に有機着色顔料、無機顔料及び塗料が特に適する。色調の色合が変化されるために、有機着色顔料をP.Y.155との混合物としてP.Y.155に対して0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜25重量%、特に好ましくは0.1〜15重量%の濃度で使用するのが好ましい。この場合有機着色顔料は、アゾ顔料又は多環状顔料の群から選ばれる。特に好ましい変種に於て、帯緑黄色P.Y.155は、帯赤黄色顔料タイプ、たとえばP.Y.139、P.Y.83、P.Y.181、P.Y.191、P.Y.75、P.Y.180又はP.Y.97によって2成分混合物の方法で色合が変化される。多種成分の混合物も適する。比較的大きい色調- ステップは、たとえば橙色顔料、たとえばP.O.62、P.O.36、P.O.34、P.O.13、P.O.43又はP.O.5又はレッド マゼンダ顔料、たとえばP.R.122、P.V.19、P.R.57、P.R.48、P.R.146、P.R.185又はP.R.184を使用した場合、可能である。P.Y.155の色調は、たとえばP.Y.185とP.Y.180──これらはすべての成分が塩素不含であるという生態学的観点から別の利点を有する──との混合物を用いて良好に調整することができる。
【0024】
混合物を、プレスケーキ及び噴霧乾燥されたプレスケーキと混合し、そして固形又は液状形でのキャリヤー材料の存在下に分散(押出し、捏和、ロールミル処理、ビーズミル、ウルトタラックス)して、そしてキャリヤー材料の存在下に流すことによって粉末の形で製造することができる。
特に鮮明度並びに部分的に同時に色調の色合を変化させるために、有機染料との混合物が適する。この様な染料はたとえば水溶性染料、たとえば直接、反応及び酸性染料、そしてまた溶剤溶性染料、たとえばソルベント染料、分散染料及び建染染料が好ましい。個々の例として次のものが挙げられる:C.I.リアクティブイエロー37、アシドイエロー23、リアクティブレッド23,180、アシドレッド52、リアクティブブルー19,21、アシドブルー9、ディレクトブルー199、ソルベントイエロー14,16,25,56,64,79,81,83:1,93,98,133,162,174、ソルベントレッド8,19,24,49,89,90,91,109,118,119,122,127,135,160,195,212,215、ソルベントブルー44,45、ソルベントオレンジ60,63、ディスパースイエロー64、バットレッド41。
蛍光性質を有する染料及び顔料、たとえば商品名 Luminols(リーデル- デヘーン)を、P.Y.155に対して0.0001〜30重量%、好ましくは0.001〜50重量%、特に好ましくは0.001〜5重量%の濃度で使用して耐不純化性トナーを製造することができる。
【0025】
無機顔料、たとえばTiO2 又はBaSO4 を明色化のために混合物で使用する。P.Y.155と特異作用顔料、たとえばパール光沢顔料、Fe2 3 顔料(商品名 Paliocroms)及びコレステリックポリマーを主体とする顔料の混合物も好ましい。
本発明に従って使用されるP.Y.155は、良好な使用技術上の帯電能力を得るために、正又は負のどちらかの調節をもたらす、多数の電荷調節剤との組み合せもできる。
【0026】
適する電荷調節剤の例は、トリフエニルメタン、アンモニウム及びインモニウム化合物;イミニウム化合物;フッ素化されたアンモニウム及びインモニウム化合物;ビスカチオン性酸アミド;高分子アンモニウム化合物;ジアリルアンモニウム化合物;アリールスルフィド誘導体;フエノール誘導体;ホスホニウム化合物及びフッ素化されたホスホニウム化合物;カリクスフアーレン;環状に結合したオリゴ糖(シクロデキストリン)及びその誘導体、特にホウ素エステル誘導体、内部高分子電解質錯体(IPECs);ポリエステル塩;金属錯体化合物;特にサリチル酸金属塩及びサリチル酸塩非金属錯体;α- ヒドロキシカルボン酸- 金属及び -非金属錯体;ベンズイミダゾロン;及びアジン、チアジン又はオキサジン──これらはカラーインデックスに顔料、ソルベント染料、ベーシック染料又は酸性染料として挙げられている──である。特に好ましくは下記の電荷調節剤が挙げられる。これらは単独で又は相互に組み合せる。本発明のアゾ染料と組み合せることができる。トリエチルアミン誘導体、たとえばカラーインデックスピグメントブルー1,1:2,2,3,8,9:1,10,10:1,11,12,14,18,19,24,53,56,57,58,59,61,62,67又はたとえばカラーインデックスソルベントブルー2,3,4,5,6,23,43,54,66,71,72,81,124,125、カラーインデックスのアシドブルー及びベーシック染料の欄に開示されたトリアリールメタン- 化合物、但しその温度安定性及び加工性が適するならば、たとえばカラーインデックスベーシックブルー1,2,5,7,8,11,15,18,20,23,26,36,55,56,77,81,83,88,89、カラーインデックスベーシックグリーン1,3,4,9,10、この際カラーインデックスソルベントブルー125,66及び124が特に適する。
【0027】
特に適する物質は、高結晶性硫酸塩又はトリクロロ- トリフエニルメチルテトラクロロアルミナートの形のカラーインデックスソルベントブルー124である。
CASナンバー84179−66−8(クロムアゾ錯体)、115706−73−5(鉄アゾ錯体)31714−55−3(クロムアゾ錯体)、84030−55−7(サリチル酸クロム錯体)、42405−40−3(サリチル酸クロム錯体)及び第四級アンモニウム化合物CAS No.116810−46−9を有する金属錯体が特に好ましい。
【0028】
エレクトレット繊維の製造に非常に適するトリフエニルメタン系、電荷調節剤は、たとえばドイツ特許第1,919,724号及び第1,644,619号明細書に記載された化合物である。
他の適するトリフエニルメタンは、米国特許第5051585号明細書に記載されたもの、特に式(2)
【0029】
【化4】
Figure 0003917764
【0030】
1 及びR3 は同一か又は異なり、−NH2 、モノ- 又はジアルキルアミノ基─このアルキル基は1〜4、好ましくは1又は2個の炭素原子を有する──、モノ- 又はジ- ω- ヒドロキシアルキルアミノ基──このアルキル基は2〜4、好ましくは2個の炭素原子を有する──、非置換の又はN−アルキル置換フエニルアミノ又はフエナルキルアミノ基──このアルキル基は1〜4、好ましくは1又は2個の炭素原子を有し、このフエナルキル基は1〜4、好ましくは1又は2個の炭素原子を脂肪族架橋中に有し、そしてこのフエニル環は次の置換基1又は2種を有していてよい;炭素原子1〜2個を有するアルキル、炭素原子1又は2個を有するアルコキシ及びスルホ基;
2 は水素であるかR1 及びR3 に於けると同一の意味を有し、
4 及びR5 は水素、ハロゲン、好ましくは塩素又はスルホ基、あるいはR4 はR5 と一緒になって融合されたフエニル環を形成し、
6,R7,R9 及びR10は、夫々水素又は炭素原子1又は2個を有するアルキル基、好ましくはメチルであり、
8 は水素又はハロゲン、好ましくは塩素であり、
- はアニオン、特に塩化物、硫酸塩、モリブデン酸塩、リンモリブデン酸塩又はホウ酸塩のアニオンの化学量論当量である。)
の化合物である。
【0031】
式(2)の電荷調節剤(式中、R1 及びR3 はフエニルアミノ基であり、R2 m- メチルフエニルアミノ基であり、基R4 〜R10はすべて水素である。)が特に好ましい。
米国特許第5,015,676号明細書に記載されたアンモニウム及びインモニウム化合物も適する。
【0032】
更に適する化合物は、米国特許第5,069,994号明細書に記載されたフッ素化されたアンモニウム及びインモニウム化合物、特に式(3)
【0033】
【化5】
Figure 0003917764
【0034】
(式中、
13は5〜11個の炭素原子を有する過フッ素化されたアルキルであり、
22,R33及びR43は同一か又は異なり、1〜5、好ましくは1〜2個の炭素原子を有するアルキルであり、
- はアニオン、好ましくはテトラフルオロボラート又はテトラフエニルボラートアルオンの化学量論当量である。)
の化合物である。
【0035】
好ましくはR13は5〜11個の炭素原子を有する過フッ素化アルキルであり、R23及びR33はエチルであり、R43はメチルである。
WO91/10172に記載されたビスカチオン線酸アミドも適し、特に式(4)
【0036】
【化6】
Figure 0003917764
【0037】
(式中、
14,R24及びR34は同一か又は異なる、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチルであり、
nは2〜5の整数であり、
- はアニオンの化学量論当量、好ましくはテトラフエニルボラートアニオンである。)
の化合物である。
【0038】
もし1つの適する化合物は、ドイツ特許第4142541号明細書に記載されているようにジアルキルアンモニウム化合物であり、特に式(5)
【0039】
【化7】
Figure 0003917764
【0040】
(式中、
15及びR25は同一か又は異なる、1〜5、好ましくは1又は2個の炭素原子を有するアルキル基、特にメチル基、A- はアニオン、好ましくはテトラフエニルボラートアニオンの化学量論当量である。)
の化合物、及びトイツ特許第4029652号又は第4103610号明細書に記載されているように式(6)
【0041】
【化8】
Figure 0003917764
【0042】
(式中、nは5000〜500,000g/モルの分子量に相当する値を有する。)
の高分子アンモニウム化合物──これは上記ジアリルアンモニウム化合物から得られる──である。しかし分子量40,000〜400,000g/モルを有する式(6)の化合物が特に好ましい。
【0043】
ドイツ特許第4031705号明細書に記載されているように、アリールスルフィド誘導体も適し、特に式(7)
【0044】
【化9】
Figure 0003917764
【0045】
(式中、
17,R27,R37及びR47は同一か又は異なる、1〜5、好ましくは2又は3個の炭素原子を有するアルキル基であり、
57は二価の基−S−,−S−S−,−SO−及び−SO2 −のうちの1つである。)
の化合物である。
【0046】
たとえばR17〜R47はプロピル基であり、R57は基−S−S−である。
ヨーロッパ特許公開第0258651号公報に記載されているように、フエノール誘導体も適し、特に式(8)
【0047】
【化10】
Figure 0003917764
【0048】
(式中、R18及びR38は1〜5、好ましくは1〜3個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基であり、R28及びR48は水素又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル、好ましくはメチルである。)
の化合物である。
たとえばR18〜R48がメチル基であるか又はR28及びR48が水素であり、R18及びR38が基−CH2 −CH=CH2 である化合物である。
【0049】
別の適する化合物は、米国特許第5,021,473号及び第5,147,748号明細書に記載されているように、ホスホニウム化合物及びフッ素化ホスホニウム化合物であり、特に式(9)
【0050】
【化11】
Figure 0003917764
【0051】
(式中、
19,R29,R39及びR49及びR49は同一か又は異なる、1〜8、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するアルキル基、E- はアニオン、好ましくはハライドアニオンの化学量論当量である。)
の化合物及び式(10)
【0052】
【化12】
Figure 0003917764
【0053】
(式中、
110 は高度にフッ素化された、5〜15、好ましくは6〜10個の炭素原子を有するアルキル基、
210,R310 及びR410 は3〜10個の炭素原子を有するアルキル又はフエニルである。)
の化合物である。
【0054】
たとえば式(9)の化合物は、テトラブチルホスホニウムブロマイドである;たとえば式(10)の化合物はR110 =C8 17−CH2 −CH2 −、R210 =R310 =R410 =フエニル及びE- =PF6 - 又はテトラフエニルボラートアニオンである化合物である。
ヨーロッパ特許第0385580号及び第0,516,434号明細書に記載されているように、カリクスアーレンも適し、特に式(11a)及び(11b)(Angew. Chemie(1993),195,1258)
【0055】
【化13】
Figure 0003917764
【0056】
(式中、
nは3〜12の数、
Rは水素、ハロゲン、好ましくは塩素、炭素原子1〜12個を有する直鎖状又は分枝状アルキル、アラルキル、たとえばベンジル又はフエネチル、−NO 2 ,−NH2 又はNHR11──R111 は炭素原子1〜8個を有するアルキル、非置換又はC1-C4-アルキル置換フエニル又は−Si(CH3)3 である─である。)
の化合物である。
【0057】
更に、式(12)
【0058】
【化14】
Figure 0003917764
【0059】
(式中、
Mは2- 又は3- 価金属原子、好ましくはクロム、コバルト、鉄、亜鉛又はアルミニウム、又は非金属、たとえばホウ素又はSiであり、
Y’及びZ’は二価の芳香族環、好ましくは式
【0060】
【化15】
Figure 0003917764
【0061】
の環であり、
1 は1又は2であり、
Gは下記式13中に於けると同一の意味を有する。)
式(13)
【0062】
【化16】
Figure 0003917764
【0063】
(式中、
M’は2- 又は3- 価金属原子、好ましくはクロム、コバルト又は鉄であり、R113 は水素、ハロゲン、好ましくはCl、ニトロ又はアミドスルホニルであり、
213 は水素又はニトロであり、
313 は水素、スルホ基、−CO−NH−R413 ──R413 はフエニル又はモノ- 、ジ- 又はトリアルキルアミノ基によって置換された又は置換されていない炭素原子1〜5個を有するアルキルである──であり、
Gは錯体の中性を決定する対イオンであり、好ましくは1種又はそれ以上のプロトン、1種又はそれ以上のアルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンである。)、
式(14)
【0064】
【化17】
Figure 0003917764
【0065】
(式中、
* は二価の中心金属原子、好ましくは亜鉛原子であり、
114 及びR214 は同一か又は異なる、炭素原子1〜8、好ましくは3〜6個を有する、直鎖状又は分枝状アルキル基、たとえばt- ブチルである。)
の金属錯体化合物、たとえばクロム- 、亜鉛- 又はアルミニウム錯体、あるいはクロム- 、コバルト- 、鉄- 、亜鉛- 又はアルミニウム- サリチル又はホウ酸錯体が適する。
【0066】
この様な化合物は、CASナンバー31714−55−3,104815−18−1,84179−68−8,110941−75−8,32517−36−5,38833−00−00,95692−86−7,85414−43−3,136709−14−3,135534−82−6,135534−81−5,127800−82−2,114803−10−0,114803−08−6である。
【0067】
式(13)の特に好ましい金属錯体化合物を下記表1中に示す:
Figure 0003917764
ヨーロッパ特許公開第0,347,695号明細書中に記載されているように、ベンズイミダゾロンも適し、特に式(15)
【0068】
【化18】
Figure 0003917764
【0069】
(式中、
115 は炭素原子1〜5個を有するアルキル、
215 は炭素原子1〜12個を有するアルキル、
Lはアニオン、特にクロライド又はテトラクロロボラートアニオンの化学量論当量である。)
の化合物である。
【0070】
例として、R115 =CH3 及びR215 =C1123の化合物が挙げられる。
ヨーロッパ特許公開第4,418,842号公報に記載されているように、環状に結合されたオリゴ糖も適し、特に式(16)
【0071】
【化19】
Figure 0003917764
【0072】
(式中、n16 は3〜100の数、R116 及びR216 はOH,OR316 ──
316 は置換されているか又は置換されていないアルキル-(C1-C18) 、アリル-(C6-C12) 又はトシルである──であり、X16はCH2 OH又はCH2 COR316 である。)
の化合物である。例として次のものが挙げられる:
16=6, R116 and R216 =OH,X16=CH2 OH
16=7, R116 and R216 =OH,X16=CH2 OH
16=8, R116 and R216 =OH,X16=CH2 OH
他の適する化合物はドイツ特許第4332170号中に記載されているように、ポリマー塩であり、そのアニオン化合物は個々の成分a),b)及びc)及び場合によりd)及び場合によりe)の反応生成物から成るポリエステルである。この際、
a)はスルホ基不含のジカルボン酸又はジカルボン酸反応誘導体であり、
b)は二官能性芳香族、脂肪族又は脂環式スルホ化合物であり、その官能基はヒドロキシル又はカルボキシル又はヒドロキシル及びカルボキシルであり、
c)は脂肪族、脂環式又は芳香族ジオール、ポリエーテルジオール又はポリカルボ ナートジオールであり、
d)は多官能性化合物(官能度>2)であり、その官能基はヒドロキシル又はカルボキシル、あるいはヒドロキシル及びカルボキシルであり、
e)はモノカルボン酸であり、
そのカチオン成分は水素原子又は金属カチオンを含有する。
【0073】
たとえばドイツ特許第19711260号明細書に記載されているように、シクロオリゴ糖化合物も適し、これはシクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体と式
【0074】
【化20】
Figure 0003917764
【0075】
(式中、R1 及びR2 はアルキル、好ましくはC1-C4-アルキルである。)
の化合物を反応させることによって得られる。
更に内部高分子電解質錯体が適する。たとえばこれはドイツ特許第19,732,995号明細書に記載されている。
適する内部高分子電解質錯体は、1種又はそれ以上のポリアニオン- 形成化合物及び1種又はそれ以上のポリカチオン- 形成化合物から成るものである。この場合特に高分子カチオン基と高分子アニオン基のモル割合0.9:1.1〜1.1:0.9を有する化合物が適する。
【0076】
特にP.Y.155を液状トナー(Handbook of Imaging Materials, 1991,Marcel Dekker, Inc., Chap. 6, Liquid Toner Technology)中に使用する場合、界面活性イオン化合物及びいわゆる金属石けんも適する。
アルキル化されたアリールスルホナート、たとえばペトロン酸ドリウム、ペトロン酸カルシウム、ジノニルナフタレンスルホン酸バリウム(塩基性及び中性)、ジノニルスルホン酸カルシウム又はドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びポリイソブチレンスクシンイミド(Chevron's Oloa 1200)も適する。
【0077】
大豆レシチン及びN- ビニルピロリドンポリマーも適する。
飽和及び不飽和置換基を有する、リン酸化モノ- 及びジクリセリドのナトリウム塩、A:メチル -p-トルエンスルホナートで四級化された2-(N:N)ジメチルアミノエチルメタアクリレートのポリマー及びB:ポリ -2- エチルヘキシルメタアクリレートのABジブロックコポリマーも適する。
【0078】
特に液状トナー中で、二価及び三価カルボキシラート、特にトリステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸クロム、オクタン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ナフタル酸鉄及びナフタル酸亜鉛も適する。
キレートする化電荷調節剤もヨーロッパ特許公開第0636945号明細書中に記載されているように適する。
【0079】
金属(イオン)化合物も、ヨーロッパ特許公開第0778501号公報に記載されているように適する。
リン酸塩- 金属塩も特開平9−106107号公報に記載されているように適する。
次のカラーインデックスナンバーのアジン:C.I.ソルベントブラック5,5:1,5:2,7,31及び50;C.I.ピグメントブラック1,C.I.ベーシックレッド2及びC.I.ベーシックブラック1及び2も適する。
【0080】
原則的に、C.I.ピグメントイエロー155は正及び負の電荷調節剤(CCAs)との組み合せも適する。この場合所望の極性を調整するために、適する顔料濃度は、電子写真トナー又は現像剤、粉末又は粉末塗料の全量に対して0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。この際特に有利な点は、ピーク電荷値の急速到達及びその良好な不変性である。
【0081】
次いで顔料及び電荷調節剤を顔料合成の間、仕上げ処理の間の物理的混合によって又は顔料表面への適当な塗布(顔料被覆)によって配合することができる。
したがって本発明は、通常のトナーバインダー、色合が変化された又は変化されていないC.I.ピグメントイエロー1550.1〜60重量%、好ましくは0.5〜20重量%(トナー又は現像剤全量に対して)及びトリフエニルメタン、アンモニウム及びインモニウム化合物;イミニウム化合物;フッ素化されたアンモニウム及びインモニウム化合物;ビスカチオン性酸アミド;高分子アンモニウム化合物;ジアリルアンモニウム化合物;アリールスルフィド誘導体;フエノール誘導体;ホスホニウム化合物及びフッ素化されたホスホニウム化合物;カリクスアーレン;シクロデキストリン;ポリエステル塩;金属錯体化合物;シクロオリゴ糖ホウ素錯体;内部高分子電解質錯体;ベンズイミダゾロン;及びアジン、チアジン又はオキサジンより成る群から選ばれた電荷調節剤0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜5重量%(トナー又は現像剤全量に対して)を含有する、電子写真トナー又は現像剤も提供する。
【0082】
電荷調節剤として、式(17)
【0083】
【化21】
Figure 0003917764
【0084】
の化合物又は上記式(3)の化合物;又は上記式(5)の化合物(式中、R15及びR25は夫々メチル、A はテトラフエニルボラートアニオンである。);
又は上記式(6)の化合物(式中、R15及びR25は夫々にメチル、A はテトラフエニルボラートアニオン、nは分子量5000〜500,000g/モルに相当する値を有する。);
又は上記(7)の化合物;
又は上記(13)の化合物(式中R113 は塩素、R213 及びR313 は水素、M’はクロム、コバルト又は鉄、Gはプロトン1又は2個である。);
又はそのアニオン成分がポリエステルである上記ポリマー塩を含有する電子写真トナー又は現像剤が特に好ましい。
【0085】
更に、本発明は、エポキシ- 、カルボキシ- 又はヒドロキシル- 含有ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂又はその組み合せ、色合が変化された又は変化されていないC.I.ピグメントイエロー155 0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜20重量%(粉末又は粉末塗料の全量に対して)及び電子写真トナーに対して上述した好ましい化合物及びクラスから選択された電荷調節剤0〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%(粉末又は粉末塗料の全量に対して)を含有する粉末又は粉末塗料を提供する。
【0086】
粉末塗料として使用するための本発明のアゾ顔料の良好な適性は、例1.4.2中の高い電荷電流1.6μAから明らかである。これは噴霧圧3バールでさえも達成され、電荷電流1μAは一般に十分な電荷の最小要求としてみなされる。高い電荷電流は、明らかに50%より大きい良好な付着率を伴う。
本発明に従って使用される顔料を、混合物全体に対して0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは0.1〜5.0重量%の濃度で均質に──たとえば押出し又は捏和によって──夫々のトナー(液状又は乾燥)、現像剤、塗料、粉末塗料、エレクトレット材料のバインダー又は静電的に分離されうるポリマーのバインダー中に慎重に混入する。この際本発明に従って使用される顔料も上記電荷調節剤も、乾燥されかつ粉砕された粉末、たとえば有機及び(又は)無機溶剤中の分散液又は懸濁液、プレスケーキ(たとえばいわゆるフラッシング処理に使用することができる。)、上述のような噴霧乾燥プレスケーキとして又はマスターバッチ、配合物、仕上げられたペーストとして、水溶液又は非水溶液から適する支持体、たとえばシリカゲル、TiO2 又はAl2 3 上に被覆された化合物としてあるいはいくつかの他の形で添加することができる。プレスケーキ及びマスターバッチ中の顔料含有量は、通常5〜70重量%、好ましくは20〜50重量%である。これに加えて、本発明に従って使用される顔料を高度に濃縮されたプレスケーキの形で、特に噴霧乾燥されたプレスケーキとして使用することもできる。この際顔料含有量は、25〜95重量%、好ましくは50〜90重量%である。噴霧乾燥されたプレスケーキを慣用法によって製造することができる。たとえば顔料の水性、水性- 有機又は有機懸濁液を、適する装置中で通常の空気入口温度、好ましくは100〜400℃で及び通常の空気出口温度、好ましくは50〜200℃で噴霧乾燥する。
【0087】
適する噴霧乾燥装置の例は、遠心噴霧器を備えた並流ドライヤー、空気ブルーム、二本物質ノズル噴霧器を備えた及び乾燥生成物の2ポイント放出器を備えた向流/対流ドライヤー、並びに並流乾燥及び二本ノズル噴霧器を主体とするユニットである。
ピグメントイエロー155の噴霧乾燥されたプレスケーキは特に粉じんが少なく、良好な流動性を有し、容易に分散し、簡単に配量添加することができる。
【0088】
本発明に従って使用される顔料は夫々のバインダーを実際に製造の間、すなわちその付加重合、重付加又は重縮合の間、原則的に加えることができる。
電子写真トナーの又は本発明の顔料が均質に混入される粉末塗料の静電電荷の高さは、予想することができず、スタンダードテスト系で同一の条件下(同一の分散時間、同一の粒子サイズ分布、同一の粒子形態学)に約20℃及び50%相対大気湿度で測定される。トナーは、キャリヤー、すなわち標準化された摩擦パートナー(キャリヤー97重量に対してトナー3重量部)と共にローラーベンチ(150回転/分)で乱流させることによって電荷される。次いで静電電荷を通常のq/m測定機構で測定される(J. H. Dessauer, H. E. Clark, “Xerographyand related Processes", Focal Press, N. Y., 1965,第289頁;J. F. Hughes, “Electrostatic Powder Coating", Research Studies Press Ltd. Letchworth, Hertfordshire, 英国、1984,第2章)q/m値又は粉末塗料の摩擦電気電荷を測定する場合、粒子サイズによって多大に影響される。それ故にスクリーン- 分類によって得られたトナー又は粉末塗料のサンプルの場合均一な粒子サイズ分布にきびしく注意が払われる。たとえばトナーに対して求められる平均粒子サイズは10μmであり、一方粉末塗料に対しては平均粒子サイズ50μmが実際に用いられる。
【0089】
粉末又は粉末塗料の摩擦電気による噴霧を、噴霧圧3バールで最大電力流量でスタンダード噴霧パイプ及び星型内部棒を備えた噴霧装置を用いて実施するかこのために噴霧すべき物品を噴霧ブース中で懸濁し、噴霧装置を何ら動かすことなく、正面からまっすぐ約20cmの距離から噴霧する。夫々の噴霧される粉末の電荷をその時“粉末の摩擦電気電荷を測定する装置”(Intec, ドルトムント)によって測定する。測定を実施するために、測定装置のアンテナを噴霧装置から現われる粉末の霧中に直接固定する。粉末塗料又は粉末の静電電荷から生じる電流の強さをμAで表示する。次いで付着率を、噴霧された及び付着された粉末塗料の示差秤量によって%で測定する。
【0090】
トナーバインダーシステム中の本発明のアゾ顔料透明度を次の様に調べる:
顔料着色されたテストトナー30重量部(例1.4.1に於けるように製造)を、ディスソルバー(5000rpmで5分)を用いてベースワニス70重量部(夫々のトナー樹脂15重量部及び酢酸エチル85重量部から成る)に混入攪拌する。
【0091】
この様に製造されたテストトナーを、ハンドコーター(Handcoater)で、同一の方法で製造されたスタンダード顔料着色されたワニスに対して適する紙(たとえば凸版印刷紙)上に塗布する。コーターバーの適する大きさはたとえばKバールN3=24μm(被覆の厚み)である。透明度のより一層良好に測定するために、紙をブラックバー上で印刷し、dL値による透明度差をDIN55988に従って測定するか又はテスト処理 Pigments Marketing,ヘキスト社 “Visuell und Farbmetrische Bewertung"〔Visual and colorimetric evaluation〕1990年9月13日(No.1/1)に従って評価する。
【0092】
顔料特性評価で示される残存塩含有量は、水性顔料懸濁液の抽出物の比電気伝導率を示し、(Pigments Marketing, Hoechst AG, No.1/10(2/91)“Bestimmung der spezifischen Leitfahigkeit am Extrakt einer waBrigenPigmentsuspension"〔水性顔料懸濁液の抽出物の比電気伝導率を測定〕からのテスト処理に従う)及び同様に示されたpHを Pigments Marketing, Hoechst AG,1/9(2/91)“Bestimmung des pH-Wertes am Extrakt einer waBrigen Pigmentsuspension"〔水性顔料懸濁液の抽出物のpHを測定〕からのテスト処理に従って測定し、この際2つの測定法に於て2回蒸留された水をテスト処理文献中に示された脱イオン水の代りに使用する。
【0093】
更に、C.I.ピグメントイエロー155は水性及び非水性インクジェットインク中で、特にホットメルト法に従って作用するインク中で着色剤として適する。ホットメルトインクはほとんどワクス、脂肪酸、脂肪アルコール又はスルホンアミドを主体とし、これらは室温で固体であり、加熱すると液化する。好ましい熔融範囲は約60℃〜約140℃である。本発明は、実質上ワックス20〜90重量%、C.I.ピグメントイエロー155 1〜10重量%及び更に慣用の添加物及び助剤、たとえば付加ポリマー(染料溶剤として)0〜20重量%、分散助剤0〜5重量%、粘度変化剤0〜20重量%、可塑剤0〜20重量%、接着添加物0〜10重量%、透明安定剤(たとえばワックスの結晶化を防ぐ)0〜10重量%及び酸化防止剤0〜20重量%から成るホットメルトインクジェットインクも提供する。代表的な添加物たとえば米国特許題5,560,760号明細書中に記載されている。
【0094】
本発明はC.I.ピグメントイエロー155 0.5〜30重量%、好ましくは1.5〜20重量%、水5〜99重量%及び有機溶剤及び(又は)ヒドロトロピー化合物0.5〜94.5重量%を含有する水性ベースのインクジェットインク(マイクロエマルジョンインク)も提供する。
本発明は、C.I.ピグメントイエロー155 0.5〜30重量%、好ましくは1.5〜20重量%及び有機溶剤及び(又は)ヒドロトロピー化合物85〜94.5重量%を含有する、溶剤ベースインクジェットインクも提供する。
【0095】
インクジェットインクを製造するのに使用される蒸留水又は脱イオン水の形で使用するのが好ましい。
インクジェットインク中に存在する溶剤は、有機溶剤又はこの様な溶剤の混合物を含有していてよい。適する溶剤の例は、一価又は多価アルコール、そのエーテル及びエステル、たとえばアルカノール、特に炭素原子1〜4個を有するもの、たとえばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール及びイソブタノール;二価又は三価アルコール、特に炭素原子2〜5個を有するもの、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3- プロパンジオール、4- ブタンジオール、1,5- ペンタンジオール、1,6- ヘキサンジオール、1,2,6- ヘキサントリオール、グリセロール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール及びポリプロピレングリコール;多価アルコールの低級アルキルエーテル、たとえばエチレングリコールモノメチル、モノエチル又はモノブチルエーテル及びトリエチレングリコール、モノメチル又はモノエチルエーテル;ケトン及びケトンアルコール、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びジアセトンアルコール;アミド、たとえばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN- メチルピロリドン及びトルエン及びn- ヘキサンである。
【0096】
所望により溶剤として使用されるヒドロトロピー化合物は、たとえばホルムアミド尿素、テトラメチル尿素、ε- カプロラクタム、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチルグリコール、メチルセルロソルブ、グリセロール、N- メチルピロリドン、1,3- ジエチル -2- イミダゾリジノン、チオジグリコール、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸Na、トルエンスルホン酸Na、クメンスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸Na、安息香酸Na、サリチル酸Na又はブチルモノグリコール硫酸ナトリウムである。
【0097】
本発明のインクジェットインクは更に慣用の添加物、たとえば保存剤、カチオン、アニオン又は非イオン界面活性物質(界面活性剤)、及びまた粘度調節剤、たとえばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、又は接着強度及び耐摩耗性を強化するためのフィルム形成剤又はバインダーとして水溶性天然又は合成樹脂である。
【0098】
アミン、たとえばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N- ジメチルエタノールアミン又はジイソプロピルアミンを先ず添加し、記録液体のpHを上げる。これは一般に記録液体中に0〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の割合で存在する。
本発明のインクジェットインクは、色合が変化された又は変化されていないC.I.ピグメントイエロー155をインクジェットインクの水性又は非水性媒体中に分散させることによって製造され、上記顔料は、粉末、顔料調製物、懸濁液又はプレスケーキの形である。プレスケーキも高度に濃縮されたプレスケーキ、特に上述のように噴霧乾燥されたプレスケーキであってもよい。
【0099】
更に、C.I.ピグメントイエロー155はカラーフィルター用着色剤、減ぜられる及び追加されるカラー発生用着色剤としても適する(P. Gregory, “Topics in Applied Chemistry: High Technology Application of Organic Colorants",Plenum Press, ニューヨーク 1991, 第15-25 頁)。
【0100】
【実施例】
下記の例中、“部”及び“パーセント”は重量あたりである。
〔例1〕
1.1 合成
a)ジアゾ成分
ジメチルアミノテレフタラート41.8部を攪拌しながら水200部及びHCl(31%)70部の混合物に混入し、得られた混合物を数時間攪拌する。
【0101】
ジアゾ化をNaNO2 溶液(40%)35部を加えることによって10〜15℃で行い、混合物を1〜1.5時間攪拌する。過剰の亜硝酸塩をスルファミン酸で分解する。次いでpH4.5を氷冷しながら酢酸ナトリウム(4N)を用いて調整する。
b)カップリング成分
NaOH(33%)430部を水450部に加え、1,4- ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼン27.6部を攪拌しながら溶解する。氷170部を加え、次いでカップリング成分を、攪拌しながら氷酢酸263部で沈澱させる。
c)カップリング
カップリング懸濁液(b)を、ジアゾ成分(a)に40分かけて攪拌しながら配量添加する。攪拌を約2時間続け、カップリング成分を更に添加してすべてのアゾ過剰分をカップリングする。
d)次いで、バッチを蒸気の添加によって98℃に加熱し、1時間98℃で攪拌し、熱時吸引濾過する。生成物を塩不含になるまで洗滌し、80℃で減圧乾燥する。
【0102】
得られた帯緑色ピグメントイエローP.Y.155 68部をピンディスクミル中で粉砕する。
1.2 顔料特有値
BET表面積:39.8m2 /g
残存水分含有率(焼成フラスコ):0.65%
残存塩分含有量:90μS/cm
pH:6.5
熱安定性:DTA(示差熱分析)〔3℃/分加熱速度、密閉ガラスアンプル〕は、熱安定性が300℃より著しく高い(310℃から分解開始)ことを示す。
【0103】
粒子サイズ及び形態学(電子形態学によって質量分布を計数):粒子サイズ及び形態学を、顔料の電子顕微鏡写真を撮って測定する。この目的のために15分間、顔料を水中に分散し、次いで噴霧して塗布する。顕微鏡写真を13,000x及び29,000x倍率で撮る。
Figure 0003917764
1.3 透明度
トナー樹脂(ビスフエノールAを主体とするポリエステル)中で改良された透明度を測定する(24μm被膜厚み)。ピグメントテストトナーを、例1.4.1に於ける様に製造する。
【0104】
比較例2に示されたスタンダードに比して、約50%の着色度で測定された透明度は4−5評価単位ほど高められる。
【0105】
【外1】
Figure 0003917764
【0106】
1.4 静電性質
1.4.1 トナー
例1.1からの顔料5部を、捏和装置によってトナーバインダ(ビスフエノールAを主体とするポリエステル、商品名 Almacryl T500)95部に30分間かけて均質に混入させる。次いで混合物をユニバーサルラボトリーミルで粉砕し、次いで遠心分級機で分級する。所望の粒子フラクション(4〜25μm)を、サイズ50〜200μm(かさ密度2.75g/cm3 )(FBM96−100;Powder Techn.)を有するシリコーン- 複覆されたフエライト粒子から成るキャリヤーで活性化する。
【0107】
測定は、通常のq/m測定基準で行われる。メッシュサンズ25μmのスクリーンをトナーが吹き付けられた時にキャリヤーがトナーと共に全く噴出しないことを確かめるために使用する。測定を、湿度に対して約50%で行う。
活性化時間に対して、次のq/m値〔μC/g〕を測定する:
Figure 0003917764
1.4.2 粉末塗料
顔料5部をTGICポリエステル、たとえば商品名 Uralac P5010(DSM,オランダ)を主体とする粉末塗料バインダー95部に例1.4.1に記載されている様に均質に混入する。析出速度を測定するために、テスト粉末塗料30gを定められた圧力で摩擦電気ガンによって噴霧する。付着した粉末塗料の量を示差秤量によって測定し、付着率(%)を定め、電流を電荷転移から推論することもできる。
【0108】
Figure 0003917764
1.4.3 トナー
例1.1の顔料5部及び式
【0109】
【化22】
Figure 0003917764
【0110】
の電荷調節剤−−ドイツ特許公開第3,901,153号公報、製造例1(高度にフッ素化されたアンモニウム塩n=2−5)−−1部をポリエステルトナーバインダーに混入させ、例1.4.1中に記載されている様に測定する。
例1.4.1
活性化時間に対して、次のq/m値を測定する:
活性化時間 q/m(μC/g)
5分 −15
10分 −13
30分 −10
2時間 −9
24時間 −9
1.4.4 トナー
例1.1の顔料5部をトナー樹脂に混入し、例1.4.1に於ける様に測定するが、トナーバインダーとしてポリエステル樹脂の変りにスチレン- アクリレートコポリマー60:40(商品名S309 Diamond Shamrock)及びキャリヤーとしてスチレンメタアクリルコポリマー(90:10)(90μm乾式複写キャリヤー、Plasma Materials社、ニューハンプシャー、米国)で被覆された、サイズ50−200μmの磁鉱粒子を用いる。
活性化時間に対して、次のq/m値を測定する:
【0111】
活性化時間に対して、次のq/m値を測定する:
Figure 0003917764
1.4.5 トナー
例1.1の顔料5部及びドイツ特許公開第4,031,705号公報、例5に記載された式
【0112】
【化23】
Figure 0003917764
【0113】
の電荷調節剤をスチレン- アクリラートトナーバインダーに混入させ、例1.4.4に記載した様に測定する。
活性化時間に対して、次のq/m値を測定する:
Figure 0003917764
例1.4.6
高度に濃縮された噴霧乾燥プレスケーキの形の、例1.1の顔料5部を、ポリエステルトナーバインダー95部に混入させ、例1.4.1中に記載した様に測定する。良好に流動しうるかつ粉じんの少ないプレスケーキは81.3%である。
【0114】
プレスケーキのpHは6.9であるのが分る。着色度、色調及び透明度は、例1.2に記載された顔料特性に相当する。活性化時間に対して、次のq/m値〔μC/g〕を測定する。
Figure 0003917764
1.5 水性及び非水性インクジェットインク
1.5.1
塩化ポリビニル- 酢酸ポリビニルコポリマーを主体とする、微粉砕された50%顔料調製物(P.Y.155)(たとえば商品名 Vinol 15/45,Wacker又は商品名 Vilith AS42、Hnels)10部──この均質な顔料分散液は、コポリマーへの激しい捏和混入によって得られる──を、メチルイソブチルケトン80部及び1,2- プロピレングリコール10部の混合物に混入させる。
【0115】
次の組成のインクジェットインクが得られる:
C.I.ピグメントイエロー155 5部
塩化ポリビニル- 酢酸ポリビニルコポリマー 5部
1,2- プロピレングリコール 10部
メチルイソブチルケトン 80部
1.5.2
先ず、脱イオン水75部及び商品名 Mowilith DM760(アクリレート分散液)6部、エタノール2部、1,2- プロピレングリコール5部及び商品名Mergal K7 0.2部を、攪拌しながらピグメントイエロー155──これは40%超微細な水性顔料調製物の形で存在する──5部に加える。
【0116】
次の組成のインクジェットインクが得られる:
ピグメントイエロー155 5部
Mowilith DM760(アクリレート分散液) 6部
エタノール 2部
1,2- プロピレングリコール 5部
Mergal K7 0.2部
脱イオン水 81.8部
1.5.3
先ず脱イオン水80部、次いで商品名 Luviskol K30(ポリビニルピロリドン,BASF)4部、1,2- プロピレングリコール5部及び Mergal K7 0.2部を、攪拌しながらC.I.ピグメントイエロー155──これは40重量%超微細な水性顔料調製物の形で存在する──5部に加える。
【0117】
次の組成のインクジェットインクが得られる:
ピグメントイエロー155 5部
Luviskol K30(ポリビニルピロリドン) 4部
1,2- プロピレングリコール 5部
Mergal K7 0.2部
脱イオン水 85.8部
例2
2.1 合成
ジアゾ成分
a)アミノテレフタン酸ジメチル104.5部を、攪拌しながら水70部、氷酢酸111.5部、塩酸(30%)150部及びジナフチルメタンジスルホン酸ナトリウム0.3部の混合物に混入させ、この混合物を少なくとも4時間攪拌する。氷浴を取り付け、氷100部を加えることによって懸濁液を約0℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム35.2部を有する水溶液(約150部)を表面の下に加え、氷を加えながら0〜+5℃で1時間攪拌を続け、この攪拌の間、懸濁液は澄明な帯黄褐色溶液となる。次いで過剰の亜硝酸塩を少量のスルファミン酸溶液の添加によって分解する。精製のために、市販の濾過土(fillter earth) 5部を溶液に加え、混合物を攪拌し、残留物を濾過によって除去し、濾過生成物を少量の水で洗滌する。
b)カップリング成分
NaOH(30%)93.1部を10℃で水500部に加え、1,4- ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼン69.0部を加え、混合物を約30分間攪拌し、次いで濾過土5.0部を加え、攪拌を続け、溶液を濾過し、濾過生成物を少量の水で洗滌する。次いで水400部、氷400部、氷酢酸73.5部及びNaOH(30%)53.2部を30分かけて上記溶液に加える。
c)カップリング
カップリングのために、a)からのジアゾニウム塩溶液を2時間かけて、表面下にb)からの懸濁液に流入し、混合物を徐々に増加する温度で2時間、すなわち40〜45℃で1時間、60〜65℃でもう1時間、そして最後に80℃で1時間攪拌する。得られた黄色沈澱物を濾過し、塩不含になるまで冷水で洗滌し、減圧下に乾燥する(残存水分含有率<1)。
d)最終処理
この様に得られた粗顔料71.6部を、150℃で2時間ジメチルホルムアミド570部で加熱し、この温度でもう1時間攪拌し、80〜100℃に冷却し、濾過によって単離し、低沸点アルコールで洗滌し、乾燥し、粉砕する。
2.2 顔料特有値
BET表面積: 35m2 /g
残存水分含有率: 0.3%
残存塩分含有率: 70μS/cm
pH: 6.5
熱安定性: 300℃より著しく大きい(約330℃で分解開始)
粒子サイズ:
25:150nm d50:200nm d75:260nm
粒子形態学:
(長さ- 巾割合)約3:1
Figure 0003917764
誘電特有値
ε(1kHz): 5.0
tanδ(1kHz): 7・10-2
Ωcm: 1・1016
2.3 透明度
比較例2に示されたスタンダードに比して、約80%着色度で5評価単位だけ高められた複覆力が明らかにより一層緑色調と共に測定される。
2.4 誘電性質
2.4.1
例1.4.1に記載した処理をくり返すが、この場合例1.1からの顔料5部の代りに例3.1からの顔料5部を混入させる。活性化時間に対して、次のq/m値を測定する:
Figure 0003917764
3.顔料不含ポリエステル樹脂
例1.4.1に記載したトナーバインダー(ビスフエノールAを主体とするポリエステル)100部を、顔料の不添加に例1.4.1に於ける様に処理し、次いで測定する。
【0118】
活性化時間に対して、次のq/m値を測定する。
Figure 0003917764
P.Y.155はトナーバインダーの静電作用に実質上影響を及ぼさないことが明らかである。
〔比較例1〕
テストトナーを例1.4.1に記載した様に製造し、測定するが、例1.1の顔料5部の代りにC.I.ピグメントイエロー180(ベンズイミダゾロン顔料、製造にあたりヨーロッパ特許公開第0705886号公報、例1.1参照)5部を混入させる。
【0119】
活性化時間に対して、次のq/m値を測定する:
Figure 0003917764
〔比較例2〕
テストトナーを例1.4.1に記載した様に製造し、測定するが、例1.1の顔料5部の代りにC.I.ピグメントイエロー180(市販の、商品名Novoperm-Gelb P- HG、クラリアント社、ヨーロッパ特許公開第0705886号公報、比較例参照)5部を混入させる。
【0120】
活性化時間に対して、次のq/m値を測定する:
Figure 0003917764
2つの比較例は、P.Y.180がトナーバインダーの静電作用に大きく影響を与えることを示す。
4.顔料不含スチレン- アクリレート樹脂
例3の処理をくり返すが、トナーバインダーとして例1.4.4からのスチレン- アクリレートコポリマーを用いる。同様に使用されるキャリヤーは、例1.4.4で使用された磁鉄鉱である。
【0121】
活性化時間に対して、次のq/m値を測定する:
Figure 0003917764

Claims (5)

  1. 現像剤中の電子写真トナー中で着色剤として式(1)
    Figure 0003917764
    で表わされるアゾ顔料の使用方法。
  2. 電子写真トナーが液状トナー又は粉末トナーである、請求項1記載の使用方法。
  3. 式(1)のアゾ顔料を別の顔料又は染料によって色合を変化させる、請求項1又は2記載の使用方法。
  4. 色合が変化されていないか、又は請求項3記載の、色合が変化された式(1)のアゾ顔料を、トリフエニルメタン、アンモニウム及びインモニウム化合物;イミニウム化合物;フッ素化されたアンモニウム及びインモニウム化合物;ビスカチオン性酸アミド;高分子アンモニウム化合物;ジアリルアンモニウム化合物;アリールスルフィド誘導体;フエノール誘導体;ホスホニウム化合物及びフッ素化されたホスホニウム化合物;カリクスアーレン;環状に結合したオリゴ糖(シクロデキストリン)及びその誘導体、特にホウ素エステル誘導体、内部高分子電解質錯体(IPECs);ポリエステル塩;金属錯体化合物、特にサリチル酸金属塩及びサリチル酸塩非金属錯体、α- ヒドロキシカルボン酸- 金属及び -非金属錯体;ベンズイミダゾロン;及びアジン、チアジン又はオキサジンより成る群から選ばれた電荷調節剤と組み合せて使用する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の使用方法。
  5. 通常のトナーバインダー、請求項1又は3記載の、色合が変化された又は変化されていない式(1)のアゾ顔料0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜20重量%及びトリフエニルメタン、アンモニウム及びインモニウム化合物;フッ素化されたアンモニウム及びインモニウム化合物;ビスカチオン性酸アミド;高分子アンモニウム化合物;ジアリルアンモニウム化合物;アリールスルフィド誘導体;フエノール誘導体;ホスホニウム化合物及びフッ素化されたホスホニウム化合物;カリクスアーレン;シクロデキストリン;ポリエステル塩;金属錯体化合物;シクロオリゴ糖ホウ素錯体、内部高分子電解質錯体;ベンズイミダゾロン;及びアジン、チアジン又はオキサジンより成る群から選ばれた電荷調節剤0.1〜5重量%(夫々、現像剤中のトナー全量に対して)を含有する、現像剤中の電子写真トナー。
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