JP2007177248A - インク組成物、記録方法及び記録物、真贋判定方法 - Google Patents

インク組成物、記録方法及び記録物、真贋判定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007177248A
JP2007177248A JP2007004223A JP2007004223A JP2007177248A JP 2007177248 A JP2007177248 A JP 2007177248A JP 2007004223 A JP2007004223 A JP 2007004223A JP 2007004223 A JP2007004223 A JP 2007004223A JP 2007177248 A JP2007177248 A JP 2007177248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink composition
ink
recorded
present
authenticity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007004223A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroto Nakamura
弘人 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2007004223A priority Critical patent/JP2007177248A/ja
Publication of JP2007177248A publication Critical patent/JP2007177248A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】一般ユーザーがその真贋を簡単に見分けることが可能となる技術を安価に製造する技術を提供し、仮に記録物が模造されたとしても、最終的に鑑定者にとって真贋判定が可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】光に対して観察する角度で色が変るインク組成物を使った真贋判定用の文字や画像をホットメルト型インクジェット記録方法で記録する。ついで、真贋判定時には、通しロット番号と印刷位置の対応データに基づいてその真贋を判定する方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、特別な装置を用いる事無く一般ユーザーが販売店で商品を購入する際に簡単に印刷物の偽造判定が可能であること、また特殊な装置を用いて専門家が真贋判定を下せる記録物及び真贋判定方法に関する。また、こうした記録物を得る為のインク組成物、記録方法に関する。
近年においては、カラー複写機、カラーインクジェットプリンタなどのカラー画像を複写あるいは複製できる画像記録装置が非常に高性能となり、こうした装置を使って複製された記録物は、極めて複写品質も高くなってきている。それほど精巧な記録物でなければ、本物と見間違う程の複写物や複製物が得られる。従って、こうした技術を本来複写されるべきでない、例えば商品券、証券、紙幣などの複製、複写に不正に使用される恐れが出てきている。
こうした状況において特に市販複写機やプリンタを使って偽造されにくい提案として、色相変化インクを応用した例が多数報告されている。提案されるインクには、平板状の無機顔料(屈折率の異なる雲母とガラスを積層させたもの)が使われているが、色変化のバリエーション等が少なく色々な工夫がされている。例えば、特開平8−324169号公報や特開平9−254520号公報に報告される例では、下地処理やトップ処理をすることで、反射、透過光の波長を制御する方法、また特開平10−060303号公報には平板状顔料の構造や組成を規定することで、色変化のバリエーションを増やす工夫が提案されている。こうした例による記録物は、平らな視角と急勾配の視角との間の色彩の差が視覚的に大きく異なるという特性が得られ、カラー複写機やインクジェットプリンタでは複写偽造が出来ない技術であり、かつ一般のユーザーにも簡単に真贋判定がつくことから、画期的な技術として注目に値する。また、こうした色相変化インクは、紙やカード等の平面に対して印刷(スクリーン印刷や凹版印刷)で記録物が製造されることが常である。
さらに、色相変化インクという括りでは、特開昭55−066978号公報や特開昭56−136862号公報等でマーキングペン用あるいはインクジェット用に好ましく使える等の報告例がある。但しこれらの例は記録時の定着性の工夫が施されていない為、記録物の耐擦過性に難点があった。
従来の技術例である特開平8−324169号公報や特開平9−254520号公報は、特にその目的を偽造品防止とした場合、一般ユーザーについても特別な装置を必要とせず真贋判定が可能であることから優れた技術であるが、製造現場と言う立場から、記録方法が印刷(スクリーン、凹板、或いは転写)による為、局面や立体を有するものには印刷が出来ないこと、また、少量多品種にはコスト高になること等の課題があった。特に、真贋判定方法への利用を目的とする場合には、印刷では膨大な版下が必要となり作業の煩雑等もあることから実質上困難であった。
そこで従来の優れた技術を活用しつつ、本発明が解決しようとする課題は、第一に一般ユーザーが店頭で品物を購入する時に、その品物自体の真贋判定が容易に行える方法を比較的安価な製造方法で用意することである。
また、最終的に真贋判定の可能な手段を用意しておくことが本発明の第2の目的である。すなわち、偽造判定に使われるデータを製造した当事者と真贋鑑定を行う当事者以外に知り得ないデータを使うことで、偽造に対して二重の防衛手段を用意することである。
また、本発明の第三の目的は、平面以外の立体物にも応用可能な技術を提案することにある。
本発明に係わるインク組成物は、常温において個体であるインク組成物であり、印字記録時にインクを加熱することで溶融状態として粘度を下げることで流動性を付与し、被記録媒体へ印字記録するインク組成物であって、少なくとも平板状無機顔料と熱可塑性ビヒクルを含み、前記平板状無機顔料が、金属酸化物層及び/又は金属と薄膜雲母硝子層及び/または酸化珪素を積層させたことからなることを特徴とする。(請求項1)
本発明の記録方法は、請求項1記載のインク組成物をホットメルト型インクジェット記録方法で印字することを特徴とする。(請求項2)
本発明の記録物は、請求項2に記載の記録方法によって記録されたことを特徴とする。(請求項3)
本発明の真贋判定方法は、通しロット番号に応じた記録位置に、請求項1記載のインク組成物を使った真贋判定用の文字や画像をホットメルト型インクジェット記録方法で記録し、真贋判定時には、通しロット番号と印刷位置の対応データに基づいてその真贋を判定することを特徴とする。(請求項4)
ここまで述べてきたように、本発明のインク組成物、記録方法及び記録物は、一般ユーザーがその真贋を簡単に見分けることが可能となる。しかも、こうした記録物の製造者にとっては、安価に製造する技術を提供するものである。
また、本発明の真贋判定方法は、もし記録物が模造されたとしても、最終的に鑑定者にとって真贋判定が可能な技術を提供することが可能である。
さらに、本発明の記録方法はこうした真贋判定が平面状の紙やカード類以外にも応用可能となる。
以下、本発明の実施の形態をあげ、本発明について詳細に説明する。
本発明に係わるインク組成物は、少なくとも平板状無機顔料と熱可塑性ビヒクルを含んでなる。
ここで、平板状無機顔料とは、多層薄膜を持ち光が照射された場合、干渉色の色相が光の入射角度により変化するものである。具体的には、薄片状の雲母等の光透過率が低い基材に対して、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミ、酸化鉄等の金属酸化物を積層させて形成した顔料を適度な大きさに砕いた顔料や、または、金属及びまたは金属酸化物等の光を反射する層とシリカを積層させてこれを適度な大きさに砕いた顔料を指す。こうした例の具体例としては、PaliocromPigment(BASF社商標)等である。
本発明のインク組成物中にある場合の平板状無機顔料の好ましい平均粒子径は、1000nm〜20μm程度であり、より好ましくは、2μm〜15μmである。2μmより小さいと視角による色の変化が小さくなり、また15μmを超えるとインクジェット記録方法で使いこなす場合、インク吐出ヘッドのノズルを詰まらせる恐れがある。
本発明のインク組成物は、前記平板状無機顔料をビヒクル中に分散安定を保ちながら保持させることを主目的として、各所界面活性剤を添加することがある。こうした目的に選択される界面活性剤には、加熱と冷却を繰り返す本発明のインク組成物の熱可塑性ビヒクル中に平板上向き顔料を均一に分散保持させる特性を有する界面活性剤を選択する。こうした目的に好ましい界面活性剤を例示すると、熱可塑性ビヒクルに対してアニオン性、カチオン性、両性の各種界面活性剤等が好適に用いられる。
具体例を挙げると、例えばアニオン界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩(Na、K、Li、Ca)ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩、モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等がある。
また、カチオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、第4アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスフォニウム塩等がある。
また、両性界面活性剤としてはカルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、レシチン等が例示される。特に疎水性溶媒に対して好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等)、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレングリコールジイソステアレート等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類などのノニオン系活性剤が適している。
特に例示した界面活性剤は、熱可塑性ビヒクルの極性に合わせることと、耐熱性への配慮を考慮した上で、場合によっては、2種類以上併用して使うことも出来る。
次に本発明の熱可塑性ビヒクルについて述べる。熱可塑性ビヒクルとしては、常温より高温で個液層転換するか、あるいは軟化するものであり、印字記録時に必要な流動性を持てば特に限定されるものではない。
具体的に例示すると、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、酸化ワックス、ポリエチレンワックス、α―オレイン無水マレイン酸共重合体、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ジステアリルケトン等のワックス類が挙げられる。また、エチルセルロース、ポリアクリル酸エステル、アマニ油変性アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹脂、無水マレイン酸樹脂、イソプロピレン系樹脂、スチレン系樹脂、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の樹脂類が挙げられる。熱可塑性ビヒクルは、例示したワックス類や樹脂類から記録後のブロッキングに優れる(融点あるいは軟化点は50℃以上が好ましい)こと、更に堅牢性に優れること等を考慮して選択される。機能設計上、例示した構造物を2種類以上用いても構わない。
また、ホットメルト型インク組成物は、室温より高温の状態の下で印字される為、熱等による組成物の酸化劣化を防ぐ目的で、酸化防止剤を適宜必要に応じて添加することが出来る。具体的には、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、イルガノックス1010、1035、1035F、1076(チバガイギー社製)等である。
〔実施例〕
以下に本発明のインク組成物について、具体的その例を例示する。なお、本発明の実施例及び比較例のインク組成物の混合は、2本ロールミル、3本ロールミル等が好適に使用されるが、今回の試作には、3本ロールミルを用いて、所望の顔料粒径まで分散まで分散混合した。
また、平板状無機顔料の粒子径の確認は、顕微鏡で画像を取り込み、画像処理により確認した。
(実施例1)
平板状無機顔料
L2000(BASF社製) 30重量部
熱可塑性ビヒクル
パラフィンワックス 61.8重量部
エチレン−エチルアクリレート共重合体 5.0重量部
界面活性剤
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート 3.0重量部
酸化防止剤
BHT 0.2重量部
平均粒子径 10μm
上記、組成成分を混合し、本発明の実施例1のインク組成物を得た。(得られたインク組成物中の平板状無機顔料の平均粒子径は、10μmであった。)
(実施例2)
平板状無機顔料
L2800(BASF社製) 20重量部
熱可塑性ビヒクル
マイクロクリスタレンワックス 51.8重量部
エチレンーエチルアクリレート共重合体 2.0重量部
界面活性剤
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート 1.5重量部
酸化防止剤
イルガノックス1010 0.2重量部
上記、組成成分を混合し、本発明の実施例2のインク組成物を得た。(得られたインク組成物中の平板状無機顔料の平均粒径は、9μmであった。)
(実施例3)
平板状無機顔料
L2020(BASF社製) 30重量部
熱可塑性ビヒクル
マイクロクリスタレンワックス 51.8重量部
エチレン−酢酸ビニル共重合体 5.0重量部
界面活性剤
ソルビタンモノオレエート 1.5重量部
酸化防止剤
イルガノックス1010 0.2重量部
上記、組成成分を混合し、本発明の実施例3のインク組成物を得た。(得られたインク組成物中の平板状無機顔料の平均粒径は、4μmであった。)
(実施例4)
平板状無機顔料
L2020(BASF社製) 20重量部
熱可塑性ビヒクル
マイクロクリスタレンワックス 51.8重量部
エチレンーエチルアクリレート共重合体 2.0重量部
界面活性剤
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート 3.0重量部
酸化防止剤
BHT 0.2重量部
上記、組成成分を混合し、本発明の実施例4のインク組成物を得た。(得られたインク組成物中の平板状無機顔料の平均粒径は、9μmであった。)
次に本発明の比較例1〜2のインク組成物について説明する。
(比較例1)
比較例1は、平板状無機顔料ではなく、通常の有機顔料である。また、基本的なインク組成は、実施例1と同様である。
無機顔料
CI.ピグメントブルー15:3 20重量部
熱可塑性ビヒクル
マイクロクリスタレンワックス 51.8重量部
エチレンーエチルアクリレート共重合体 2.0重量部
界面活性剤
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート 1.5重量部
酸化防止剤
イルガノックス1010 0.2重量部
上記、組成成分を混合し、本発明の比較例1のインク組成物を得た。(得られたインク組成物中の平板状無機顔料の平均粒子径は、10μmであった。)
(本発明による記録物の製造及びその評価)
次に、本発明による記録物の一例を示すが、発明の主旨に反しない限り、この例で限定されるものでない。本発明のインク組成物を印字記録する。するインクジェット記録方法の一例を図面を使いつつ詳細に説明する。図中、図1は、本発明のインク組成物を印字記録する為の、インクジェット記録方法を説明する装置構成例の主要構成要素を示した斜視図である。
図中11はキャリッジである。図中12はキャリッジ送りベルトであり、このキャリッジ送りベルト12により、図中16のプラテンに対してキャリッジが平行に移動するようになっている。記録媒体17は、図中の矢印方向に搬送される。図中13はヒータであり、本発明のインク組成物を熱溶解させる。14はインクタンクであり、インク組成物が保持されている。また15はインク吐出ヘッドであり、ノズル数は48個使われている。本装置の全体制御は図示されていないパーソナルコンピュータにより制御されている。なお、図中のインク吐出ヘッド11のノズル径は、70μmであり、圧電素子の駆動電圧は50V、駆動周波2KHz、解像度300ドット/インチである。前記のようなヘッドは、粘度、表面張力等のインク物性に対するマージンが広く、目詰まり等を起しにくいという特性を持つ。
記録物として、証券や商品券を想定した場合の例(被記録媒体は紙)
本発明の実施例1〜4のインク組成物及び本発明の比較例1のインク組成物を両面上質普通紙(KA4250NP、セイコーエプソン社製)に、図1に示すインクジェット装置で印字を行い本発明の記録物の実施例1A〜4A及び比較例1aを得た。
なお、本発明の記録物である実施例1Aは、実施例1のインク組成物を使用した。
以下同様に実施例2のインク組成物を使って実施例2Aの記録物、実施例3のインク組成物を使って実施例3Aの記録物、実施例4のインクを使って実施例4Aの記録物を得た。また、比較例1のインク組成物を使って比較例1Aのインク組成物を得た。
次に、得られた実施例1A〜実施例4A及び比較例1aの記録物をスキャナー(ES−6000H セイコーエプソン社製)で色情報を読み取り、PM−880C(セイコーエプソン社製)により複写した。被記録紙としては、両面上質普通紙(KA4250NP、セイコーエプソン社製)を使った。更に基準サンプルとして、実施例1A〜実施例4A及び比較例1aの記録物を用意した。
(評価1)
本発明による記録物実施例1Aとそのカラーコピー品をならべて(本発明の記録物か複製品かは、もちろん被試験者には判らなくしてある)、基準とした実施例1Aを被試験者50人(8才〜65才の男女を無作為に選んだ)に渡し、並べられた評価対象物から基準と同じものを選択させた。被試験者は50人(8才〜65才の男女を無作為に選んだ)とした。
結果として、100%の正解率で本発明の記録物を言い当てることが出来た。
同様の試験により、実施例2A〜4Aを評価した場合、正解率は何れも100%であった。
次に、比較例1aの記録物を評価した所、結果として65%の正解率であった。
記録物として、クレジットカードを想定した場合の例(被記録媒体はプラスチックカード)
本発明の実施例1〜実施例4のインク組成物及び本発明の比較例1のインク組成物を使い、無地のプラスチックカードに印字記録を行い、本発明による記録物である実施例1B〜4B及び比較例1bを得た。尚、先の両面上質普通紙の場合と同様に、本発明の記録物である実施例1Bは、実施例1のインク組成物を使用し、実施例2のインク組成物を使って実施例2Bの記録物、実施例3のインク組成物を使って実施例3Bの記録物、実施例4のインクを使って実施例4Bの記録物を得た。また、比較例1のインク組成物を使って比較例1bのインク組成物を得た。
次に、このデータをスキャナー(ES−6000H セイコーエプソン社製)で色情報を読み取り、PM−880C(セイコーエプソン社製)で、前記のアイロンプリントペーパー(MJTRSP1 セイコーエプソン社製)にインクジェット記録印字を行い、無地のプラスチックカードにアイロンで熱転写して、本発明による記録物の複製物を得た。
更に基準サンプルとして、実施例1B〜実施例4B及び比較例1bの記録物を用意した。
(評価2)
本発明による記録物実施例1Bとその複製品をならべて(本発明の記録物か複製品かは、もちろん被試験者には判らなくしてある)、基準とした実施例1Bを被試験者50人(8才〜65才の男女を無作為に選んだ)に渡し、並べられた評価対象物から基準と同じものを選択させた。結果として、100%の正解率で本発明の記録物を言い当てることが出来た。
同様の試験により、実施例2B〜4Bを評価した場合、正解率は何れも100%であった。
次に、比較例1bの記録物を評価した所、結果として40%の正解率であった。
また、実施例として例示していないが、周知の通りインクジェット記録方法は、ダンボール、飲料水の缶、時計文字盤、液晶パネル、壁ペイント等への印字記録を始め、従来の記録技術が為し得なかった凹凸のある被記録媒体等に幅広サイズから微細なサイズまで自由に書き込み可能な技術であり、本発明のインク組成物の用途は幅広い。
(比較例2)
特開昭55−066978号公報や特開昭56−136862号公報等でマーキングペン用あるいはインクジェット用に好ましく使える等のインク組成物と同等なインクを製造し、本発明の比較例2のインク組成物とした。また、このインク組成物をPM−880Cに充填し、両面上質普通紙(KA4250NP、セイコーエプソン社製)に印字を行い本発明の比較例2の記録物を得た(記録パターン等は、全て実施例1Aと同様な方法)。
(記録物の評価及びその結果)
実施例1A〜4Aび比較例2の記録物に対して、何も記録していない両面上質紙を重ね、2枚の紙を擦りあわせ、インクのオフセット状況を観察した(耐擦過性試験)。
実施例1A〜4Aの記録物は、まったくオフセットしなかったが、比較例2の記録物はオフセットが酷く、文字や画像パターンの判読が困難な状態となった。
本評価の結果は、色相変化インクという括りの従来例、特開昭55−066978号公報や特開昭56−136862号公報等でマーキングペン用あるいはインクジェット用に好ましく使える等のインク組成物に対して、記録物の耐擦過性が本発明のインク組成物によって著しく向上したことを意味する。
次に、請求項4に示す本発明による真贋判定方法の実施例5について示す。
(実施例5)本発明による真贋判定方法
図2は、本発明の真贋判定方法に利用可能な記録物(仮想商品券と呼称する)の模式図である。
尚、本発明の真贋判定方法を図2で説明するが、発明の主旨はこの図に限定されない。
例えば、仮想商品券10は、図2に示すがごとく、実際には印字記録されていない仕切線20により12分割されている。ロット番号30の末尾31の2桁に応じて、色変化文字40が本発明のインク組成物及びインクジェット記録方法により決められた位置に記録される。ここで重要なことは、ロット番号に応じて記録される色変化文字の記録位置が異なることである。
さらに具体的には、仮にロット番号の末尾2桁を使う場合は、0〜00まで101通りの色変化文字の記録位置が存在するということである。図2の仮想商品券の例で言うと、12分割された記録エリア((X,y)座標軸で提示される。例えば(A,a)等)を使って、101通りの色変化文字の記録位置が定義されるということである。例えば、ロット番号の末尾が35という数字だった場合、(A,a)、(B,b)及び(C,b)の位置、3個所に色変化文字が記録される。また、ロット番号の末尾が99の場合、(B,c)及び(D,a)に色変化文字が記録される等である。
本発明の実施例5の仮想商品券では、101通りの記録位置が使われる為、例えばこれを印刷で行う場合には、101通りの版下が必要となり、多大な工数、コストを必要として実質上不可能である。本発明の実施例11では、101通りの画像データをパソコンの電子データとして用意して、図1に示したインクジェット記録方式(ホットメルトタイプ)で記録することで多大な工数とコストを必要とせず、簡単に得ることが出来た。
次に、こうして用意した仮想商品券の判定方法を述べる。
ロット番号の末尾2桁に応じた色変化文字の記録位置のデータについては、予め対応データとして、鑑定者に配布されている。仮想商品券が鑑定者に持ち込まれた場合、鑑定者はこの対応データと照会することで、その真贋が判定可能である。また、対応データについては、ハードコピーで鑑定者に配布しても良いが、データ漏洩の恐れが高い為、電子データとして配布することが良い。更に好ましくは、専用の読み取り/判定装置を鑑定者に提供して自動判定としても良い。こうした、電子データを使えば、データの暗号化や、ロット番号末尾2桁の管理に、さらに、製造年月日等の情報を加えた管理が容易に可能となる。すなわち、仮想商品券の製造期間を区切って色変化文字位置の位置を変更することが容易に可能となる。例えば、ある1年間はロット末尾2桁が55の仮想商品券は、(B,c)の位置に色変化文字が記録されているが、次の半年間は(D,a)と(D,c)の位置に記録されている等である。また、こうした場合ネットワークを使って暗号化された信号を専用機に発信して、その情報を常に更新していくシステムを構築することで、鑑定者の手を煩わせることがなく、正確に真贋判定が可能であり、且つ機密情報の保持、保全が可能となる。
これまで述べたように、本発明の真贋判定方法に関する実施例11の仮想商品券は、一般ユーザーが、色変化文字を確認することで偽造品か本物かを見分けることが可能であり(複写しにくい)、さらに何らかの方法で色変化文字を使った偽造商品券が作られたとしても、最終的な鑑定でその真贋の判定が可能となる。
図1は、本発明のインク組成物を印字記録する装置構成例の主要構成要素を示した斜視図である。 図2は、本発明の真贋判定方法に利用可能な記録物(仮想商品券と呼称する)の模式図。
符号の説明
11 キャリッジ
12 キャリッジ送りベルト
13 ヒータ
14 インクタンク
15 インク吐出ヘッド
16 プラテン
17 記録媒体
20 印字記録されない仕切線
30 ロット番号
31 ロット番号末尾(2桁)
40 色変化文字(画像)
(X,y) 記録エリアを示す座標、(A〜D,a〜b)で位置を示す。

Claims (4)

  1. 常温において個体であるインク組成物であり、印字記録時にインクを加熱することで溶融状態として粘度を下げることで流動性を付与し、被記録媒体へ印字記録するインク組成物であって、
    少なくとも平板状無機顔料と熱可塑性ビヒクルを含み、前記平板状無機顔料が、金属酸化物層及び/又は金属と薄膜雲母硝子層及び/または酸化珪素を積層させたものからなることを特徴とするインク組成物。
  2. 請求項1記載のインク組成物をホットメルト型インクジェット記録方法で印字することを特徴とする記録方法。
  3. 請求項2に記載の記録方法によって記録されたことを特徴とする記録物。
  4. 通しロット番号に応じた記録位置に、請求項1記載のインク組成物を使った真贋判定用の文字や画像をホットメルト型インクジェット記録方法で記録し、真贋判定時には、通しロット番号と印刷位置の対応データに基づいてその真贋を判定することを特徴とする真贋判定方法。
JP2007004223A 2007-01-12 2007-01-12 インク組成物、記録方法及び記録物、真贋判定方法 Withdrawn JP2007177248A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007004223A JP2007177248A (ja) 2007-01-12 2007-01-12 インク組成物、記録方法及び記録物、真贋判定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007004223A JP2007177248A (ja) 2007-01-12 2007-01-12 インク組成物、記録方法及び記録物、真贋判定方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001215611A Division JP3931596B2 (ja) 2001-07-16 2001-07-16 真贋判定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007177248A true JP2007177248A (ja) 2007-07-12

Family

ID=38302721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007004223A Withdrawn JP2007177248A (ja) 2007-01-12 2007-01-12 インク組成物、記録方法及び記録物、真贋判定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007177248A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11202558A (ja) * 1997-10-06 1999-07-30 Clariant Gmbh 電子写真トナー及び現像剤、粉末塗料及びインクジェットインク中にピグメントイエロー155を使用する方法
JP2000169745A (ja) * 1998-11-26 2000-06-20 Clariant Gmbh 電子写真用トナ―及び現像剤、粉末塗料並びにインクジェットインクにおけるキナクリドン系混晶顔料の使用

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11202558A (ja) * 1997-10-06 1999-07-30 Clariant Gmbh 電子写真トナー及び現像剤、粉末塗料及びインクジェットインク中にピグメントイエロー155を使用する方法
JP2000169745A (ja) * 1998-11-26 2000-06-20 Clariant Gmbh 電子写真用トナ―及び現像剤、粉末塗料並びにインクジェットインクにおけるキナクリドン系混晶顔料の使用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5536046A (en) Heat sensitive system and use thereof
US5644352A (en) Multicolor heat-sensitive verification and highlighting system
CN105358330A (zh) 制造安全线或条的方法
JP4924087B2 (ja) 中間転写記録媒体ならびにそれを用いる情報記録方法、情報記録体の製造方法、および真偽判定方法
US20090201321A1 (en) Inline printing of invisible information with an ink jet in a digital press system
JP3931596B2 (ja) 真贋判定方法
JP5103937B2 (ja) 中間転写記録媒体ならびにそれを用いる情報記録方法および情報記録体の製造方法
JP5115206B2 (ja) 中間転写記録媒体ならびにそれを用いる情報記録方法および情報記録体の製造方法
JP2007177248A (ja) インク組成物、記録方法及び記録物、真贋判定方法
US6667080B2 (en) Recording medium, production process and heat-treatment process of the recording medium, and recording apparatus
JP2003026970A (ja) インク組成物、記録方法及び記録物、真贋判定方法
JP2008201086A (ja) 中間転写記録媒体ならびにそれを用いる情報記録方法および情報記録体の製造方法
JP2001071699A (ja) 偽造防止印刷物
KR20190021658A (ko) 메탈릭 컬러 요판잉크를 사용하는 보안인쇄물
KR101345874B1 (ko) 복사 방지용 보안용지 및 이의 제조방법
JP4042513B2 (ja) 偽造防止カード
JP2017030342A (ja) 転写材、色材受容層付き画像支持体および記録物、並びにこれらの製造方法および製造装置
JP2000225770A (ja) 偽造防止方法
JP2012071551A (ja) トナー印字用偽造防止シート
JP2024021154A (ja) 表示体
JP6813836B2 (ja) スクラッチ台紙、オンデマンドスクラッチ印刷物およびポジスクラッチ印刷物
KR100775713B1 (ko) 다양한 보안요소를 가지는 위·변조방지형 박막필름
JP5476818B2 (ja) 真正性識別用転写シート
JPH10849A (ja) 偽造防止用記録シート
JP2006035805A (ja) 偽造防止策が施された個別情報印刷物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070406

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100914

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20101115