JP2017125929A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、重合性単量体とイエロー顔料を含有する混合物を分散機により分散処理して、重合性単量体中にイエロー顔料が分散した重合性単量体混合物を調製する工程1を含み、工程1において、重合性単量体混合物中に第一級アミン化合物を添加して、第一級アミン化合物の存在下に分散処理を行うイエロートナーの製造方法が開示されている。
結着樹脂と、C.I.Pigment Yellow 155と、2−アミノテレフタル酸ジメチル及び1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンから選ばれる少なくとも一方とを含有するトナー粒子を含み、前記トナー粒子中の前記2−アミノテレフタル酸ジメチル及び前記1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンの合計含有量が1ppm以上500ppm以下である静電荷像現像用トナー。
前記結着樹脂として、ウレア変性ポリエステル樹脂を含む請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、静電荷像現像用トナーを「トナー」と称することがある。)は、結着樹脂と、C.I.Pigment Yellow 155と、2−アミノテレフタル酸ジメチル及び1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンから選ばれる少なくとも一方とを含有するトナー粒子を含み、前記トナー粒子中の前記2−アミノテレフタル酸ジメチル及び前記1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンの合計含有量が1ppm以上500ppm以下である。なお、本明細書において「ppm」は質量基準を表す。以下、2−アミノテレフタル酸ジメチル及び1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンを「特定アミノ化合物」と称する場合がある。
しかし、折り曲げ加工が施された箇所において画像が剥離する現象(白抜け)が生じることがあり、特に画像中においてトナー粒子と他のトナー粒子との間隔が開き易いハーフトーン画像においてはより発生し易い。そのため、画像の折り曲げに対する強度のさらなる向上が求められる。
本発明者らが鋭意検討の結果、着色剤として下記構造を有するC.I.Pigment Yellow 155を用いた場合に、2−アミノテレフタル酸ジメチル及び1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンから選ばれる少なくとも一方(特定アミノ化合物)を予め定められた量でトナー中に含有させることで、折り曲げても剥離し難い画像が形成されることが分かった。
2−アミノテレフタル酸ジメチルは下記構造を有し、極性の高い低分子量の分子である。そのため、例えば、トナーを湿式製法により製造する際に2−アミノテレフタル酸ジメチルを用いると、2−アミノテレフタル酸ジメチルの分子同士が反発してトナー中により均一に分散しやすい。
その結果、トナー粒子中で、高い均一性で分散した状態の2−アミノテレフタル酸ジメチルにC.I.Pigment Yellow 155が接近して分散していることで、C.I.Pigment Yellow 155の凝集が抑制され、折り曲げ特性に優れるトナー画像が得られると考えられる。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、C.I.Pigment Yellow 155と、前述の特定アミノ化合物と、必要に応じて、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
トナー粒子は、着色剤としてC.I.Pigment Yellow 155を含む。ここで「C.I.」はColour Indexを表す。以下、「C.I.Pigment Yellow」を「ピグメントイエロー」と記す場合がある。
トナー粒子中の上記着色剤の含有量が1質量%以上であることで、トナーとして求められる濃度が付与される。一方、トナー粒子中の上記着色剤の含有量が30質量%以下であることで、トナー表面での着色剤の存在量が抑制され帯電性の低下が抑制される。
トナーを溶媒中に溶解させた後に遠心分離を行い、沈降物の重量からトナー中のC.I.Pigment Yellow 155の含有量を求める。具体的には、トナー1gを秤量し、テトラヒドロフランを加えトナーを溶解させた。トナーが溶解したテトラヒドロフラン溶液を12000rpmで10分間遠心した後、上澄み液を捨て沈殿物を乾燥させ、その重量を測定し含有量を算出した。
他の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー(C.I.Pigment Yellow 155以外)、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
他の着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子中に特定アミノ化合物、すなわち、2−アミノテレフタル酸ジメチル及び1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンの少なくとも一方を含有し、特定アミノ化合物の合計含有量は1ppm以上500ppm以下である。
かかる観点から、トナー粒子中における特定アミノ化合物の合計含有量はさらに100ppm以上400ppm以下であることが好ましく、200ppm以上300ppm以下であることがより好ましい。なお、本明細書において特定アミノ化合物の含有量を示す「ppm」は質量基準を表す。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
多価イソシアネート化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
3価以上のポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコールとしては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタンとしては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
これらのアミノ基をブロックしたものとしては、ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸などのアミン化合物とケトン化合物(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)とから得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン化合物のうち、ケチミン化合物が好ましい。
アミン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋/伸長反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と着色剤と特定アミノ化合物と、必要に応じて離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、少なくともC.I.Pigment Yellow 155を含む着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
また、特定アミノ化合物の添加は、特に限定されるものではないが、上記の各分散液を混合する際に添加することがよい。なお、添加量はトナー粒子中での特定アミノ化合物の含有量が前述の範囲となるよう調整することがよい。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子と特定アミノ化合物とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子と特定アミノ化合物とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
また、結着樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子を製造する場合には、次に示す溶解懸濁法(エステル伸長重合法とも呼ばれる)により得ることがよい。なお、次に示す溶解懸濁法の説明では、離型剤を含むトナー粒子を得る方法について示すが、離型剤は必要に応じてトナー粒子に含むものである。また、結着樹脂として未変性ポリエステル樹脂とウレア変性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子を得る方法について示すが、トナー粒子は結着樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂のみを含んでもよい。
未変性ポリエステル樹脂、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、アミン化合物(特定アミノ化合物を除く)、少なくともC.I.Pigment Yellow 155を含む着色剤、特定アミノ化合物、及び離型剤を含むトナー粒子材料を有機溶媒に溶解又は分散させた油相液を調製する(油相液調製工程)。この油相液調製工程では、トナー粒子材料を有機溶媒中に溶解又は分散させて、トナー材料の混合液を得る工程である。
次に、得られた油相液を水相液中に分散させて懸濁液を調製する(懸濁液調製工程)。
そして、懸濁液の調製と共に、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン化合物とを反応を行う。そして、この反応によりウレア変性ポリエステル樹脂を生成する。なお、この反応は、分子鎖の架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応が伴う。なお、このイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン化合物との反応は、後述する有機溶媒除去工程と共に行ってもよい。
ここで、反応条件は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造とアミン化合物との反応性により選択される。一例として、反応時間は、10分以上40時間以下が好ましく、2時間以上24時間以下が好ましい。反応温度は、0℃以上150℃以下が好ましく、40℃以上98℃以下が好ましい。なお、ウレア変性ポリエステル樹脂の生成には、必要に応じて公知の触媒(ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等)を使用してもよい。つまり、油相液、又は懸濁液に、触媒を添加してもよい。
上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸またはα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)から選ばれる少なくとも1種と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物が挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸とα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)も挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、得られた懸濁液から有機溶媒を除去してトナー粒子分散液を得る(溶媒除去工程)。この溶媒除去工程では、懸濁液に分散した水相液の液滴中に含まれる有機溶媒を除去して、トナー粒子を生成する工程である。懸濁液からの有機溶媒除去は、懸濁液調製工程の直後に行ってもよいが、懸濁液調製工程終了後、1分以上経過した後に行ってもよい。
溶媒除去工程では、得られた懸濁液を例えば0℃以上100℃以下の範囲に冷却または加熱することにより、懸濁液から有機溶媒を除去することがよい。
(1)懸濁液に気流を吹き付けて、懸濁液面上の気相を強制的に更新する方法。この場合には、懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
(2)圧力を減圧する方法。この場合には、気体の充填により懸濁液面上の気相を強制的に更新してもよいし、さらに懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
ここで、溶媒除去工程終了後は、トナー粒子分散液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。
また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。トナーカートリッジ8Yには、本実施形態に係るトナーが収容される。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
<樹脂粒子分散液(1)の調製>
・テレフタル酸 :30モル部
・フマル酸 :70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 :5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 :95モル部
次いで、容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を攪拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を室温(20℃乃至25℃)に戻し、攪拌しつつ乾燥窒素により48時間バブリングを行うことにより、酢酸エチル及び2−ブタノールを1,000ppm以下まで低減させ、体積平均粒径200nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。該樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(1)とした。
・イエロー顔料(C.I.Pigment Yellow 155、Clariant社製、Toner Yellow 3GP)洗浄品 :70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) :5部
・イオン交換水 :200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20質量%となるようイオン交換水を加え、体積平均粒径160nmの着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液(1)を得た。
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製 HNP−9) 100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) 1部
・イオン交換水 350部
上記材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(1)(固形分量20質量%)を得た。
・樹脂粒子分散液(1) :375部
・着色剤粒子分散液(1) :50部
・離型剤粒子分散液(1) :50部
・2−アミノテレフタル酸ジメチル :0.025部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower、テイカ(株)製) :2部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。続いて、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し30分間保持した。その後、樹脂粒子分散液(1)100部を緩やかに追加し1時間保持し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、濾過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、体積平均粒径7.5μmのトナー粒子(1)を得た。
トナー粒子(1)100部と、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ粒子(日本アエロジル社製RY200)0.7部とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー(1)を得た。トナー(1)中の2−アミノテレフタル酸ジメチル量を前述した方法で測定したところ、250ppmであった。
・フェライト粒子(平均粒径50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85) 3部
・カーボンブラック 0.2部
フェライト粒子を除く上記成分をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
そして、上記キャリア100部に対して、トナー(1)8部を混合し、現像剤(1)を得た。
2−アミノテレフタル酸ジメチルの添加量を、トナー中での量が1ppmとなるよう変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を調製し、現像剤を得た。
2−アミノテレフタル酸ジメチルの添加量を、トナー中での量が500ppmとなるよう変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を調製し、現像剤を得た。
特定アミノ化合物として、2−アミノテレフタル酸ジメチルに代えて、1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンを用い、1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンのトナー中での量が250ppmとなるよう変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を調製し、現像剤を得た。
特定アミノ化合物として、2−アミノテレフタル酸ジメチルに代えて、1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンを用い、1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンのトナー中での量が1ppmとなるよう変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を調製し、現像剤を得た。
特定アミノ化合物として、2−アミノテレフタル酸ジメチルに代えて、1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンを用い、1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンのトナー中での量が500ppmとなるよう変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を調製し、現像剤を得た。
特定アミノ化合物として、2−アミノテレフタル酸ジメチルに加えて、1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンを用い、2−アミノテレフタル酸ジメチルおよび1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンのトナー中での量がそれぞれ125ppmとなるよう変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を調製し、現像剤を得た。
<トナー粒子の作製>
・ポリエステル樹脂(1) :80部
・イエロー顔料 山陽色素社製:C.I.PigmentYellow74 :10部
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製 HNP−9):10部
・2−アミノテレフタル酸ジメチル: 0.025部
上記材料をエクストルーダーで混錬し、表面粉砕方式の粉砕機で粉砕した後、風力式分級機で細粒及び粗粒を分級し、体積平均粒径7.5μmのトナー粒子を得た。
その後、実施例1と同様の方法にてトナー及び現像剤を作製した。
結着樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂を用い、かつ溶解懸濁法(エステル伸長重合法)によりトナー粒子を作製した。
・テレフタル酸 :1243部
・ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物 :1830部
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド付加物 :840部
上記成分を180℃で加熱混合した後、ジブチル錫オキサイド3部を加え、220℃で加熱しながら水を留去し、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステルにシクロヘキサノン1500部を加えて、ポリエステル樹脂を溶解し、このシクロヘキサノン溶液に無水酢酸250部を加えて、130℃で加熱した。さらに、この溶液を加熱減圧して溶媒及び未反応酸を除去し、未変性ポリエステル樹脂を得た。得られた未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgは60℃、酸価は3mgKOH/g、水酸基価は1mgKOH/gであった。
・テレフタル酸 :1243部
・ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物 :1830部
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド付加物 :840部
上記成分を180℃で加熱混合した後、ジブチル錫オキサイド3部を加え、220℃で加熱しながら水を留去し、ポリエステルプレポリマーを得た。得られたポリエステルプレポリマー350部、トリレンジイソシアネート50部、酢酸エチル450部を容器に入れ、この混合物を130℃で3時間加熱して、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(イソシアネート変性ポリエステルプレポリマー(9))を得た。
容器にメチルエチルケトン50部とヘキサメチレンジアミン150部を入れ、60℃で撹拌してケチミン化合物(9)を得た。
・イエロー顔料(C.I.Pigment Yellow 155、Clariant社製、Toner Yellow 3GP))洗浄品 :100部
・酢酸エチル :500部
上記成分を混合し、混合物を濾過して酢酸エチル500部と更に混合する操作を5回繰り返した後、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間ほど分散して、顔料(C.I.Pigment Yellow 155)が分散した顔料分散液(9)(固形分濃度:10%)を得た。
・パラフィンワックス(融解温度89℃) :30部
・酢酸エチル :270部
上記成分を10℃に冷却した状態で、マイクロビーズ型分散機(DCPミル)により湿式粉砕し、離型剤分散液(9)を得た。
・未変性ポリエステル樹脂(9) :136部
・顔料分散液(9) :500部
・酢酸エチル :56部
・2−アミノテレフタル酸ジメチル :0.042部
上記成分を攪拌混合後、得られた混合物に離型剤分散液(9)75部を加え、撹拌して、油相液(9)を得た。
・スチレン :370部
・nブチルアクリレート :30部
・アクリル酸 : 4部
・ドデカンチオール :24部
・四臭化炭素 : 4部
上記成分を混合し、溶解した混合物を、非イオン性界面活性剤(三洋化成工業(株)製:ノニポール400)6部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10部をイオン交換水560部に溶解した水溶液に、フラスコ中で分散及び乳化した後、10分間混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部をイオン交換水50部に溶解した水溶液を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。こうして、平均粒子径が180nm、重量平均分子量(Mw)が15,500である樹脂粒子を分散させてなるスチレンアクリル樹脂粒子分散液(9)(樹脂粒子濃度:40質量%)を得た。なお、スチレンアクリル樹脂粒子のガラス転移点は59℃であった。
・スチレンアクリル樹脂粒子分散液(9) :60部
・セロゲンBS−H(第一工業製薬(株))の2%水溶液 :200部
・イオン交換水 :200部
上記成分を撹拌混合し、水相液(9)を得た。
・油相液(9) :300部
・イソシアネート変性ポリエステルプレポリマー(9) :25部
・ケチミン化合物(9) :0.5部
上記成分を容器に入れ、ホモジナイザー(ウルトラタラックス:IKA社製)により2分間攪拌して油相液(1P)を得た後、容器に水相液(9)1000部を加え、ホモジナイザーで20分間撹拌した。次に、室温(25℃)、常圧(1気圧)で48時間、プロペラ型攪拌機でこの混合液を攪拌し、イソシアネート変性ポリエステルプレポリマー(9)とケチミン化合物(9)とを反応させ、ウレア変性ポリエステル樹脂を生成すると共に、有機溶媒を除去し、粒状物を形成した。次に、粒状物を水洗、乾燥及び分級して、トナー粒子(9)を得た。トナー粒子の体積平均粒子径は12μmであった。
トナー粒子(9):100部と、疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50):1.5部と、疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805):1.0部と、をヘンシェルミキサーにより周速30m/sで3分間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してトナー(9)を得た。
2−アミノテレフタル酸ジメチルを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を調製し、現像剤を得た。
顔料としてC.I.Pigment Yellow 155に代えて、C.I.Pigment Yellow 74を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を調製し、現像剤を得た。
2−アミノテレフタル酸ジメチルの添加量を、トナー粒子中での量が0.8ppmとなるよう変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を調製し、現像剤を得た。
2−アミノテレフタル酸ジメチルの添加量を、トナー粒子中での量が550ppmとなるよう変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を調製し、現像剤を得た。
2−アミノテレフタル酸ジメチルに代えて1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンを使用し、1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンの添加量を、トナー粒子中での量が0.8ppmとなるよう変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を調製し、現像剤を得た。
2−アミノテレフタル酸ジメチルに代えて1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンを使用し、1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンの添加量を、トナー粒子中での量が550ppmとなるよう変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を調製し、現像剤を得た。
各例で得られた現像剤を用いて、次の評価を行った。結果を表1に示す。
以下の作業及び画像形成は、温度25℃/湿度60%の環境下で行った。
評価用画像を形成する画像形成装置として、富士ゼロックス社製ApeosPortIV C4470を用意し、現像剤を現像器に入れ、補給トナー(現像剤に含まれるトナーと同じトナー)をトナーカートリッジに入れた。続けて、塗工紙(JD COAT、富士ゼロックス社製、品名JDコート127、坪量127g/m2、紙厚:140μm)に対して、イエロー色の画像面積率100%の5cm×5cmのベタ画像と画像面積率50%の5cm×5cmのハーフトーン画像を形成し、100枚連続出力した。得られた100枚目の画像に対し、以下の評価を行った。
得られた100枚目の画像面積率50%の5cm×5cmのハーフトーン画像に対して、画像折り曲げ強度評価を行った。画像を形成した紙を一度折り曲げ、開いて、折れた画像部を綿で拭き、白く抜けた画像幅(μm)を測定した。白く抜けた部分の幅が40μm以下を許容範囲とした。
得られた100枚目の画像面積率100%の5cm×5cmのベタ画像に対して、濃度評価を行った。反射分光濃度計(エックスライト社製、商品名:Xrite−939)を用いてイエロー画像の濃度を測定した。濃度1.4以上を許容範囲とした。
以下の作業、及び画像形成は、温度30℃/湿度80%の環境下で行った。
評価用画像を形成する画像形成装置として、富士ゼロックス社製ApeosPortIV C4470を用意し、現像剤を現像器に入れ、補給トナー(現像剤に含まれるトナーと同じトナー)をトナーカートリッジに入れた。続けて、上質紙(P紙、富士ゼロックス社製、品名P、坪量64g/m2、紙厚:88μm)に対して、イエロー色の画像面積率100%の5cm×5cmのベタ画像を形成し、100枚連続出力した。100枚目の感光体に残った転写残画像に接着テープを貼り付け剥がすことで、該接着テープに転写させて、以下の評価を行った。
接着テープに転写された画像に対して、濃度評価を行った。反射分光濃度計(エックスライト社製、商品名:Xrite−939)を用いてイエロー転写残画像の濃度を測定した。濃度が0.10以下を許容範囲とした。
画像中における顔料の分散性(顔料の凝集塊の量)の指標として、画像における光の透過度PEの評価を実施した。
具体的には、前記濃度の評価において形成した画像面積率100%の5cm×5cmのベタ画像(100枚目)について、可視光範囲における各波長の全光線透過光成分と直進光成分との比を、次式から算出した。
PE=log(Σ[P(λ)+N(λ)]/n)/log(Σ[P(λ)]/n)
(ここで、P(λ)は直進光成分、N(λ)は拡散光成分を示す。)
なお、可視光範囲における各波長の全光線透過光成分及び直進光成分の測定は、DIANO社製マッチスキャンを用いた。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (7)
- 結着樹脂と、C.I.Pigment Yellow 155と、2−アミノテレフタル酸ジメチル及び1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンから選ばれる少なくとも一方とを含有するトナー粒子を含み、前記トナー粒子中の前記2−アミノテレフタル酸ジメチル及び前記1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼンの合計含有量が1ppm以上500ppm以下である静電荷像現像用トナー。
- 前記結着樹脂として、ウレア変性ポリエステル樹脂を含む請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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