JP3916833B2 - 噴霧式フラックス塗布装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば多数の電子部品が搭載されて電子回路を形成するプリント配線板に、フラックスを噴霧して塗布する噴霧式フラックス塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
噴霧式フラックス塗布装置は、プリント配線板にフラックスを均一にしかも薄く塗布することが可能であり、かつ、フラックスの塗布量の制御性も格段に優れている等の特徴を有している。
【0003】
図7を参照して、従来の噴霧式フラックス塗布装置を説明する。
【0004】
図7は、従来の噴霧式フラックス塗布装置の一例を示す側断面図である。すなわち、板状の被フラックス塗布ワークであるプリント配線板1は、このプリント配線板1の幅に合わせた並行2条の搬送コンベア2にプリント配線板1の両側端部が保持されて矢印A方向に搬送され、図7上において搬送コンベア2の下側でプリント配線板1の被フラックス塗布面1aと対向させて設けた噴霧ノズル3から霧状のフラックス4を噴霧してプリント配線板1の被フラックス塗布面1aに塗着させ塗布する構成である。
【0005】
噴霧ノズル3には各種のものがあるが、一般的には噴霧用の空気を供給する2流体ノズルの方がフラックス4の塗着効率が良く、プリント配線板1のスルーホール内にもフラックス4を良く塗着することができる特徴を有する。
【0006】
一方で、プリント配線板1に塗着しなかった霧状のフラックス4は、排気ファン5によって排気フード6の周辺の空気(大気)7とともに吸気されて吸い込まれ、フィルタ8でフラックス4を捕集し回収した後に排気ダクト9から成る排気手段で排気している。
【0007】
なお、搬送コンベア2はガイドスプロケット11およびモータ13に駆動されるスプロケット12間に張架された搬送チェーン2aにより構成され、この搬送チェーン2aのピン(不図示)の上にプリント配線板1の側端部を載置して支持し、搬送する仕組みである。また、モータ13にはエンコーダ14が設けてあり、そのエンコード信号からその回転角度ひいては搬送コンベア2の搬送距離や搬送速度を検出できるように構成してある。
【0008】
このエンコーダ14は、所定回転角度毎にエンコード信号(パルス信号)を出力し、そのパルス数によって回転角度を求めることが可能であり、そのパルス列の周期によって回転速度を求めることができるものである。
【0009】
さらに、進入センサ15は、プリント配線板1が搬入口16から搬入されて噴霧ノズル3方向すなわち噴霧位置へ進入したことを検出するセンサである。具体的には反射型光センサ等が使用されている。
【0010】
噴霧ノズル3からフラックス4を噴霧するタイミングは、進入センサ15によりプリント配線板1が搬入されたことを検出し、そして搬送コンベア2の搬送距離に比例して出力されるエンコード信号を参照し、プリント配線板1の前端が噴霧ノズル3の位置に達したときにフラックス4の噴霧を開始し、プリント配線板1の後端が噴霧ノズル3の位置に達したときにフラックス4の噴霧を停止するように制御している。このような噴霧制御技術については周知であるのでその手段を省略して図示していない。
【0011】
そしてフラックス4が噴霧されたプリント配線板1は搬出口17から次工程へ搬出される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プリント配線板1の被フラックス塗布面1aに塗着しなかったフラックス4を、排気フード6で周辺の空気(大気)7とともに吸気して排出する際に、図7にも例示するように、プリント配線板1の前端および後端においてフラックス4のリターンシャワー50が発生し易いという問題がある。
【0013】
このリターンシャワー50は、ごくわずかな量であるが、本来フラックス4を塗布する必要のない部分にもフラックス4の塗着を生じるため、プリント配線板1に搭載されている電子部品に付着した場合に、その電子部品が使用できなくなったり、後々において電子部品に故障を生じさせる原因となる場合がある。そのため、高品質のプリント配線板1を製造するためにリターンシャワー50を発生させないことが望まれている。
【0014】
また、排気ファン5や軸受け、モータ等の回転機構を使用した排気手段では、その回転機構にフラックス4が付着するとその能力が極度に低下するとともに劣化を速める原因となるので、多段にフィルタ8を設けた後段側の離れた位置に排気手段の排気ファン5を設ける構成が一般的である。しかし、これでは吸気能力(排気能力)が低下して、大容量の排気手段を使用しないと、プリント配線板1に塗着しなかった霧状フラックス(噴霧されたフラックス)4を十分に吸気し排気することができない問題がある。
【0015】
他方で、フラックス4中に含まれているVOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)がオゾン層を破壊する等の理由から、VOCを含まないフラックス4すなわちVOCフリーフラックスが使用される事例が見られるようになった。VOCフリーフラックスの代表的な例としては水溶性フラックスがある。
【0016】
ところが、水溶性フラックス等の酸性のVOCフリーフラックスは、金属を腐食し易く、特に排気手段として使用される排気ファン等の回転機構を有する排気手段では、その回転機構部分に水溶性フラックスが付着すると、直ちに故障を生じる原因となる。
【0017】
本発明の目的は、第1に、プリント配線板1にリターンシャワー50を生じることがなく、第2に、フラックス4の噴霧領域において強い吸気力が得られ空気中(大気中)への漏洩フラックス4の無い噴霧式フラックス塗布装置を実現することによって、高品質のプリント配線板1を安全に製造することができるようにすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の噴霧式フラックス塗布装置は、回転機構を用いない吸気・排気機構を被フラックス塗布ワークの近傍に配置して、この排気を排気手段に接続して排気するように構成したところ、および噴霧気流の流路の最適化を行っているところに特徴がある。
【0019】
搬送コンベアで搬送される板状の被フラックス塗布ワークの被フラックス塗布面に対向して噴霧ノズルを配設し、前記噴霧ノズルからフラックスを噴霧して前記被フラックス塗布面に塗着させるとともに、前記被フラックス塗布面に塗着しなかった前記フラックスを、前記板状の被フラックス塗布ワークを挟んで前記噴霧ノズルの位置に対して反対位置に設けた排気手段で排出する噴霧式フラックス塗布装置において、
前記噴霧ノズルの近傍位置において前記被フラックス塗布面に吸気口を向けてその吸気口に向かって先細る形状の吸気チャンバに空気流量増幅器を設けることで冷却され温度の低下する吸気チャンバを設け、前記空気流量増幅器が吸気した吸気雰囲気を排出する排気口を前記排気手段に結合し、
そして、前記冷却され温度の低下する吸気チャンバは前記吸気口に向けて先細る形状に傾斜した壁面を有して構成され、前記噴霧ノズル側に前記傾斜した壁面に密接して前記吸気チャンバの吸気口に並べて前記被フラックス塗布面に開口を向けた露滴チャンバを設け、前記傾斜した壁面は前記吸気チャンバが冷却され温度が低下することにより温度の低下した壁面となり噴霧フラックスの露滴化を促進するよう構成する。
【0020】
空気流量増幅器は、圧縮空気等の圧縮ガスを供給することにより強い吸気力および排気力を生じる手段で、その圧力エネルギーを速度エネルギーに変換することにより周辺空気(大気)に速度を与えるとともにこれを誘引し、供給した圧縮空気の数10倍の大量空気流を得ることができる手段である。また、空気流量増幅器はファンのような回転機構を備えていない。
【0021】
したがって、被フラックス塗布ワークの塗布部位の近傍に空気流量増幅器を設けて、被フラックス塗布ワークに塗着しなかった霧状フラックス(噴霧されたフラックス)を強い吸気力で直ちに吸気して捕捉し排出することができる。そのため、リターンシャワーを生じることがなく、また、故障を生じる心配もない。しかも、吸気チャンバをその吸気口に向けて先細る形状に構成したことにより、この吸気口から吸気された空気(大気)は吸気チャンバ内で膨張して圧力低下し、その温度が低下する。そしてこれにより、吸気チャンバの温度も低下する。その結果、噴霧フラックスの露滴化が促進され、板状の被フラックス塗布ワークの被塗布面に塗着しなかった噴霧フラックスを、ガス化したフラックスを含めて露滴化したフラックスとして収集することができるようになる。
【0024】
また、板状の被フラックス塗布ワークから離れた位置に浮遊する噴霧フラックスは排気手段で排出される。
【0025】
その結果、板状の被フラックス塗布ワークにリターンシャワーを生じることがない。また、空気流量増幅器は回転機構を備えていないので、故障を生じる心配もない。
【0028】
他方で、板状の被フラックス塗布ワークの被フラックス塗布面に塗着しなかった噴霧フラックスが、前記吸気チャンバの吸気口に吸い込まれる過程で吸気チャンバの傾斜した壁面に接触する。
【0029】
その結果、この温度の低下した壁面で噴霧フラックスの露滴化が促進され、板状の被フラックス塗布ワークの被塗布面に塗着しなかった噴霧フラックスを、ガス化したフラックスを含めて露滴化したフラックスとして露滴チャンバに収集することができるようになる。
【0040】
なお、噴霧ノズルが2流体ノズルの場合においては、噴霧ノズルから噴霧されるのはフラックスと噴霧用空気(ガス)である。すなわち、噴霧ノズルから噴射される噴霧フラックスおよび噴霧用空気は湧き出して噴射され、噴霧用空気の流れにのって板状の被フラックス塗布ワークの被フラックス塗布面に衝突したのち反射して流れる。
【0041】
そして、板状の被フラックス塗布ワークが吸気チャンバと噴霧ノズルにかぶさる態様で蓋となって作用し、板状の被フラックス塗布ワークの被フラックス塗布面に塗着しなかった噴霧フラックスは噴霧用空気と一緒に吸気チャンバに向かって流れ、この吸気チャンバにそのまま吸気されて吸い込まれて排出される。
【0042】
したがって、板状の被フラックス塗布ワークの上方に向かって流れようとする噴霧フラックスや噴霧用空気が無くなり、前記の作用に加えてリターンシャワーの発生を一層良好に防止することができるようになる。
【0043】
また、 前記の噴霧式フラックス塗布装置において、前記噴霧ノズルから噴霧するフラックスが水溶性フラックスである場合がある。
【0044】
水溶性フラックスは一般的に酸性であり、回転機構により構成される排気手段にこの水溶性フラックスが付着すると腐食により短時間のうちに故障を生じる原因となる。
【0045】
しかし、空気流量増幅器を排気手段の入口に使用した本発明の噴霧式フラックス塗布装置では、回転機構を備えていないので故障の心配は無く、しかも強い吸気力を実現することができる。そして、信頼性の高い噴霧式フラックス塗布装置を実現することができるようになる。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる噴霧式フラックス塗布装置の実施形態例を図1、図2および図3を参照して説明する。
【0048】
(1) 構成
図1は、本発明の噴霧式フラックス塗布装置の実施形態の一例を説明するための側断面図である。また、図2は、噴霧チャンバ、吸気チャンバおよび露滴チャンバの構成を説明するための斜視図である。さらに、図3は空気流量増幅器の構成およびその作動を説明するための縦断面図である。
【0049】
これらの図において、図7と同一の符号については、説明を省略する。
【0050】
本実施形態例の噴霧式フラックス塗布装置が、図7に示す従来の噴霧式フラックス塗布装置と相違する点について説明する。図1において、プリント配線板1の下方側の面すなわち被フラックス塗布面1aの下方側に、この被フラックス塗布面1aに塗着しなかった噴霧フラックス4を捕捉して排出するためのチャンバ体20が設けられている。
【0051】
すなわちチャンバ体20は、、プリント配線板1の被フラックス塗布面1aに面して開口された噴霧チャンバ21で噴霧ノズル3を囲み、この噴霧チャンバ21の開口端21aでありプリント配線板1の搬入口16側および搬出口17側に、この開口端21a側に吸気チャンバ22および露滴チャンバ23を設けた構成である。
【0052】
これは丁度、図1に例示するように噴霧チャンバ21の開口端21aを、搬送コンベア2で搬送されるプリント配線板1が蓋をするように構成され、この蓋となったプリント配線板1の前端側と後端側とにそれぞれ吸気チャンバ22と露滴チャンバ23とを設けた構成である。また、図2に例示するように、噴霧チャンバ21は、プリント配線板1の搬送方向Aである縦断面でみると「Y」字状に広がりを有する形状となっている。
【0053】
吸気チャンバ22は、吸気口22aに向かって先細る形状に構成してあり、その傾斜面22bは噴霧ノズル3側すなわち噴霧チャンバ21の傾斜面21bの「Y」字形状に倣うように構成してある。
【0054】
また、搬送コンベア2の搬送方向Aに対して直交する方向に細長く構成してある。そして、吸気口22aはこの直交方向すなわちプリント配線板1の幅方向に複数の小孔24を整列して設けてある。この吸気口22aの小孔24は必ずしも円形である必要はなく、その長手方向にスリット状に形成したものであってもよい。
【0055】
このような吸気チャンバ22の長手方向両端には空気流量増幅器25を設けてあり、この空気流量増幅器25で吸気チャンバ22内の空気を排出して圧力を低下させ、吸気口22aから噴霧フラックス4を吸気して捕捉する仕組みである。なお、空気流量増幅器25の排気口25aはホース26で排気手段の排気ダクト9内のフィルタ8の前段に接続ポート27を介して接続してある。
【0056】
空気流量増幅器25は、圧縮空気供給口25bから圧縮空気等の圧縮ガスを供給することにより強い吸気力および排気力を生じる手段で、圧縮空気の圧力エネルギーを速度エネルギーに変換することにより周辺空気(大気)に速度を与えるとともにこれを誘引し、供給された圧縮空気の数10倍の大量空気流を得ることができる手段である。
【0057】
すなわち、図3に例示するように、圧縮空気供給口25bから矢印B方向に圧縮空気を供給することにより、高圧室28から矢印C方向に音速に近い速度で空気が噴出し、吸い込み口体29の吸い込み口29aから排気口25aへ向けて矢印D方向に空気(大気)を吸気して排出する仕組みである。具体的には、虹技株式会社製の「増幅型トランスベクター」等が知られている。
【0058】
圧縮空気は、図1に例示するようにエアコンプレッサのような圧縮空気供給装置31から開閉弁32を介して供給し、フィルタ33で異物を除去した後に圧力制御弁34で目的とする圧力に調節してからパイプ40により空気流量増幅器25に供給するように構成してある。圧力計35は圧力モニタ用である。
【0059】
また、この吸気チャンバ22の傾斜面22bを一方の側面として、また、噴霧チャンバ21の「Y」字状に広がりを有する傾斜面21bを他方の側面とした露滴チャンバ23を設けてある。この露滴チャンバ23は、その開口23aを吸気チャンバ22の吸気口22aと同様にプリント配線板1の下方側面すなわち被フラックス塗布面1aに向けて開口している。
【0060】
すなわち、「Y」字状の噴霧チャンバ21の両側(プリント配線板1の搬入口16側および搬出口17側)に露滴チャンバ23を設けてあり、さらにその両側に吸気チャンバ22を設けた構成となっている。そして、これらの噴霧チャンバ21、露滴チャンバ23および吸気チャンバ22の底部には捕捉したフラックスを排出するためのドレン弁36をそれぞれ設けてある。
【0061】
また、吸気チャンバ22および露滴チャンバ23のそれぞれの吸気口22aおよび開口23aには、それらを覆うメッシュフィルタ37を着脱自在(嵌め合わせ蓋状に構成)に設けてある。このメッシュフィルタ37は4mm角程度の孔37aの大きさをもつ金網状のフィルタで、この金網状のフィルタの数枚(3〜7枚程度)を孔37aの位置が食い違うように、しかも層間に隙間を与えるように重ねて構成したものである。材質としては酸性のVOCフリーフラックスにも耐えるステンレス製や樹脂製のもの等を使用できる。
【0062】
このようにメッシュフィルタ37を構成すると、霧滴化し液滴化したフラックスがメッシュフィルタ37の網目の中に保持されることがなく、そのまま滴下して目詰まりを生じることがない。
【0063】
なお、図2の例では、噴霧ノズル3をアクチュユータ38のスライダ39により矢印E方向に往復動するように構成してあり、搬送コンベア2で搬送されるプリント配線板1に噴霧ノズル3を往復動させながらフラックス4を噴霧して塗着し塗布させることができる構成である。このようにしてフラックス4を塗布することにより、プリント配線板1の被フラックス塗布面1aに極めて均―にフラックス4を塗布することができる特徴がある。
【0064】
図2の例ではアクチュエータ38を噴霧チャンバ21の外に設けたが、噴霧チャンバ21の中に設けてもよい。これにより、噴霧チャンバの底部分の封止が完璧となる。もちろん、図1に例示するように、噴霧ノズル3を固定した構成であってもよい。
【0065】
(2) 作動
プリント配線板1が搬入口16から搬入されると、進入センサ15により、プリント配線板1が搬送コンベア2により搬送されて進入したことが検出される。そして、エンコーダ14が出力するエンコード信号を参照し、プリント配線板1の前端が噴霧ノズル3の位置に達したとき、噴霧ノズル3は、フラックス4の噴霧を開始し、プリント配線板1の後端が噴霧ノズル3の位置に達したときフラックス4の噴霧を停止するように制御される。
【0066】
なお、噴霧ノズル3が図2に示すように、往復動するようにアクチュエータ38を設けて構成されている場合には、噴霧開始に合わせてアクチュエータ38も往復動作を開始し、噴霧停止に合わせてアクチュエータ38の往復動作が終了し、ホームポジションに復帰する。
【0067】
すなわち、このように噴霧制御および往復動制御が行われ、プリント配線板1の下方側の面(図1における下方側の面)すなわち被フラックス塗布面1aにフラックス4が塗着し塗布される。なお、これらの技術は周知技術である。
【0068】
噴霧ノズル3は2流体ノズルであり、噴霧用空気にフラックス4が運ばれて噴霧される。そして、プリント配線板1の下方側の面すなわち被フラックス塗布面1aに吹き当たり、この際に霧状のフラックス4が塗着して塗布される。
【0069】
図1に例示したように、プリント配線板1は噴霧チャンバ21に蓋を被せた態様状態でフラックス4の噴霧が行われる。そのため、プリント配線板1の下方側の面に塗着しなかった霧状のフラックス4は、噴霧チャンバ21内の噴霧ノズル3から噴出する噴霧用空気の流れにのって噴霧チャンバ21の開口端21aへ向かって流れ出ようとする。
【0070】
すなわち、図1に例示するように、搬送コンベア2の搬送方向Aである右方向とその反対の左方向に向かって流れる。通常は、プリント配線板1の両側端部側に並行2条の搬送コンベア2を設けてあるので、図1の紙面に垂直な方向へは流れ難い。また、図2に例示するように、噴霧用チャンバ21は搬送コンベア2の搬送方向Aから見た縦断面においてのみ「Y」字状のホーン状に構成されているので、この開いた開口端21aに向かって流れやすくなるように構成してある。
【0071】
そして、噴霧用空気の流れにのって噴霧チャンバ21の開口端21aへ向かって流れ出ようとする塗着しなかった霧状のフラックス4は、噴霧チャンバ21の開口端21aに設けられた吸気チャンバ22の吸気口22aにそのまま吸気されて捕捉されることになる。すなわち、噴霧チャンバ21内の噴霧ノズル3から噴出した噴霧用空気は、プリント配線板1の下方側の面に沿って流れて、そのまま吸気チャンバ22の吸気口22aに吸気され捕捉される流れを形成し、この流れにのってプリント配線板1に塗着しなかった霧状のフラックス4も吸気され捕捉される。
【0072】
吸気チャンバ22には直接に空気流量増幅器25を設けているので吸気の際の圧力損失が少なく、小型でありながら吸気チャンバ22の吸気口22aに極めて強い吸気力を作用させることができる。また、先細った吸気口から吸気された空気(大気)は、吸気チャンバ22内に流入すると急速に膨脹してその圧力が低下しているので、吸気された空気(大気)がこの吸気チャンバ22内で温度低下し、吸気チャンバ22自体を冷却するようになる。
【0073】
一方、吸気チャンバ22の吸気口22aに吸気される過程でメッシュフィルタ37に接触して捕捉され露滴化した霧状のフラックス4は、露滴の成長によって液滴となって露滴チャンバ23内に滴下する。したがって、メッシュフィルタを交換したり使い捨てる必要がなく、メンテナンス等の作業を行うことなく永続的に使用することができるようになる。しかも、吸気チャンバをその吸気口に向けて先細る形状に構成したことにより、メッシュフィルタを通る噴霧フラックスは加速されて速い速度で吸気口に吸い込まれる。そのため、メッシュフィルタでの露滴化が生じやすくなる。メッシュフィルタ37に捕捉されなかった霧状のフラックス4は吸気チャンバ22内の壁面に接触や衝突して同様に露滴化して捕捉される。そして、吸気チャンバ22においても捕捉されなかった霧状のフラックス4は、空気流量増幅器25により排出されて、排気ダクト9内のフィルタ8に向かって流入し、このフィルタ8で捕捉される。排気手段に設けられているこのフィルタ8は繊維状の粒子フィルタであり、僅かに漏洩した霧状のフラックス4も完全に捕捉される。
【0074】
空気流量増幅器25には回転機構が存在しない。したがって、この空気流量増幅器25に霧状のフラックス4が吸い込まれ排出される過程で、霧状のフラックス4が空気流量増幅器25に接触する部分はその吸い込み口29aだけである。そのため、フラックス4の付着を殆んど生じることがなく、また、酸性のVOCフリーフラックスを使用しても故障を生じる部分がなく故障の心配もない。
【0075】
ところで、図1にも例示するように、吸気チャンバ22の吸気口22aへ向かって流れる噴霧用空気および霧状のフラックス4は、その過程で吸気チャンバ22の傾斜した壁面すなわち露滴化促進壁(傾斜面)22bにも接触する。そして、この露滴化促進壁22bでも霧状のフラックス4が露滴化し捕捉される。なお、この露滴化促進壁22bは先にも説明したように温度低下しているので、霧状のフラックス4の露滴化を一層促進させる作用がある。また、VOCを含むフラックスにおいては、ガス化したVOCの液化を促進することができるようになる。
【0076】
そして、このようにして、吸気チャンバ22および露滴チャンバ23に収集されたフラックス4は、ドレン弁36で排出することができる。
【0077】
他方で、噴霧ノズル3から噴霧用空気とともに噴霧された霧状のフラックス4のうち、プリント配線板1の被フラックス塗布面1aに塗着することなく、さらにメッシュフィルタ37や露滴チャンバ23および吸気チャンバ22に捕捉されなかった霧状のフラックス4が存在する場合には、最終的に排気フード6に空気(大気)7とともに吸い込まれて排気手段のフィルタ8に捕捉される。しかし、本実施形態例においては、このような浮遊する霧状のフラックス4は殆ど存在しなくなる。
【0078】
なお、メッシュフィルタ37を省略することもできるが、プリント配線板1に搭載されている電子部品の不慮の落下による吸い込み防止や、空気(大気)中に浮遊する塵等を露滴化したフラックス4と併せて除去することもできるので、設けることが望ましい。
【0079】
(3) その他の例
図4,図5および図6を参照して、本発明にかかる噴霧式フラックス塗布装置の他の実施形態例を説明する。図4は露滴チャンバを備えていない参考例を示す図、図5は露滴チャンバおよび吸気チャンバを備えないで、空気流量増幅器を複数個並べて設けた参考例を示す図、図6は噴霧チャンバを備えない実施形態例を示す図である。
【0080】
すなわち、図4に示すように、露滴チャンバ23を省略して噴霧チャンバ21の開口端21aに吸気チャンバ22を設けるように構成してもよい。この場合、露滴化促進壁22bは噴霧チャンバ21の傾斜面21bを兼ねており、ここで露滴化し液滴化するフラックス4は、噴霧チャンバ21内に集められる。
【0081】
さらに、図5に示すように、吸気チャンバ22の代わりに複数の空気流量増幅器25を並べて設けることもできる。この場合、空気流量増幅器25により吸い込まれた霧状のフラックス4は、排気手段のフィルタ8によってその全量が捕捉される。
【0082】
噴霧ノズル3として、2流体ノズルを使用した場合において、先に説明したような噴霧用空気の流れ(噴霧ノズル→プリント配線板→吸気チャンバ)を安定に保持するためには噴霧チャンバ21が必要であるが、図6に例示するようにこの噴霧チャンバ21を設けなくても、吸気チャンバ22および露滴チャンバ23はその作用を維持し、矢印Fに示すような誘引気流の発生による霧状のフラックス4の捕捉能力の低下はあるものの、プリント配線板1に塗着しなかった霧状のフラックス4を吸気して捕捉することができる。
【0083】
なお、図4および図5に示す参考例においても噴霧チャンバ21を設けることなく実施することができる。
【0084】
また、図1、図2に示す実施形態例および図4に示す参考例、図6に示す実施形態例において、空気流量増幅器25を使用しないで、吸気チャンバ22と排気手段の接続ポート27とをホース26で接続する構成とすることもできる。この場合、空気流量増幅器25を使用しないので、吸気チャンバ22からの吸気力が低下し、吸気チャンバ22の作用およびそれに付随して作用する露滴チャンバ23およびメッシュフィルタ37の作用は若干低下するが、従来の技術では存在しないところの空気流量増幅器25を使用した場合と同様の作用を得ることができる。
【0085】
【発明の効果】
以上のように本発明の噴霧式フラックス塗布装置によれば、次のような効果がある。
【0086】
すなわち、空気流量増幅器は、回転機構を用いることなく大流量の吸気および排気を行うことが可能であり、しかも小型で取り付け位置を自在に選択することができる。また、原理的に霧状のフラックス(噴霧フラックス)が付着しにくい構造である。したがって、フィルタを介することなくそのまま噴霧フラックスを吸気して排気することが可能であり、圧力損失の少ない吸気が可能となって、被フラックス塗布ワーク例えばプリント配線板の被フラックス塗布面に塗着しなかった噴霧フラックスを、この被フラックス塗布面の近傍位置で直ちに吸気して排気し、捕捉することができる。しかも、吸気チャンバをその吸気口に向けて先細る形状に構成したことにより、この吸気口から吸気された空気(大気)は吸気チャンバ内で膨張して圧力低下し、その温度が低下する。そしてこれにより、吸気チャンバの温度も低下する。その結果、噴霧フラックスの露滴化が促進され、板状の被フラックス塗布ワークの被塗布面に塗着しなかった噴霧フラックスを、ガス化したフラックスを含めて露滴化したフラックスとして収集することができるようになる。
【0087】
特に、酸性のVOCフリーフラックスを噴霧して塗布する場合においては、排気手段にフラックスが付着することで、その回転機構を故障させる原因となるが、空気流量増幅器においては回転機構は存在せず故障を生じることがない。
【0089】
また、搬送コンベアで搬送される板状の被フラックス塗布ワークすなわちプリント配線板に対して、その被フラックス塗布面に塗着しなかった噴霧フラックスを、その被フラックス塗布面各部から均―に吸気して排気することができるようになる。
【0091】
さらに、ガス化したフラックスや霧状のフラックスの露滴化を吸気チャンバの露滴化促進壁で促進することができるようになり、噴霧のフラックスの捕捉を一層効率良く行うことができるようになる。その結果、リターンシャワーを生じることなく、プリント配線板にフラックスを塗着させ塗布することができるようになり、高品質で信頼性の高いプリント配線板の製造が可能となる。
【0095】
最後に、本願発明の噴霧式フラックス塗布装置では、これらの効果をVOCフリーフラックスとして水溶性フラックスを使用した場合においても実現することが可能であり、メンテナンスが不要であり故障の心配の無い、信頼性の高い噴霧式フラックス塗布装置が実現し、品質と信頼性の高いプリント配線板の安定した生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の噴霧式フラックス塗布装置の実施形態例を説明するための側断面図である。
【図2】 噴霧チャンバ、吸気チャンバおよび露滴チャンバの構成を説明するための図である。
【図3】 空気流量増幅器の構成および動作を説明するための図である。
【図4】 露滴チャンバを備えていない参考例を示す図である。
【図5】 露滴チャンバおよび吸気チャンバを備えてないで、空気流量増幅器を複数個並べて設けた参考例を示す図である。
【図6】 噴霧チャンバを備えていない実施形態例を示す図である。
【図7】 従来の噴霧式フラックス塗布装置の一例を示す側断面図である。

Claims (1)

  1. 搬送コンベアで搬送される板状の被フラックス塗布ワークの被フラックス塗布面に対向して噴霧ノズルを配設し、前記噴霧ノズルからフラックスを噴霧して前記被フラックス塗布面に塗着させるとともに、前記被フラックス塗布面に塗着しなかった前記フラックスを、前記板状の被フラックス塗布ワークを挟んで前記噴霧ノズルの位置に対して反対位置に設けた排気手段で排出する噴霧式フラックス塗布装置において、
    前記噴霧ノズルの近傍位置において前記被フラックス塗布面に吸気口を向けてその吸気口に向かって先細る形状の吸気チャンバに空気流量増幅器を設けることで冷却され温度の低下する吸気チャンバを設け、前記空気流量増幅器が吸気した吸気雰囲気を排出する排気口を前記排気手段に結合し、
    そして、前記冷却され温度の低下する吸気チャンバ前記吸気口に向けて先細る形状に傾斜した壁面を有して構成され、前記噴霧ノズル側に前記傾斜した壁面に密接して前記吸気チャンバの吸気口に並べて前記被フラックス塗布面に開口を向けた露滴チャンバを設け、前記傾斜した壁面は前記吸気チャンバが冷却され温度が低下することにより温度の低下した壁面となり噴霧フラックスの露滴化を促進することを特徴とする噴霧式フラックス塗布装置。
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