JPH10277452A - 建築板の塗装方法及び塗装装置 - Google Patents

建築板の塗装方法及び塗装装置

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Publication number
JPH10277452A
JPH10277452A JP9086199A JP8619997A JPH10277452A JP H10277452 A JPH10277452 A JP H10277452A JP 9086199 A JP9086199 A JP 9086199A JP 8619997 A JP8619997 A JP 8619997A JP H10277452 A JPH10277452 A JP H10277452A
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JP
Japan
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paint
suction
building board
coating
rebound
Prior art date
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Application number
JP9086199A
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English (en)
Inventor
Shingo Hori
慎悟 堀
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Nichiha Corp
Original Assignee
Nichiha Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築板表面に模様を塗装する際に、建築板表
面で跳ね返された塗料が建築板表面の非塗装領域に付着
して塗装不良板が発生することを防止する。 【解決手段】 噴射ノズル18の配列方向(建築板11
の搬送方向と直角方向)に延びるように形成した受け部
材30を、各噴射ノズル18から噴射される塗料が建築
板11表面に到達する位置、つまり、塗料の跳ね返り位
置の周辺を包囲するように配置する。各噴射ノズル18
から噴射される塗料は、受け部材30の上方部及び下面
部に形成された開口部32,34を通り抜けて建築板1
1の表面に到達する。そして、建築板11の表面で跳ね
返される塗料を受け部材30で受けて回収しながら、建
築板11の表面に模様を塗装する。このため、建築板1
1表面の非塗装領域に跳ね返り塗料が付着して、塗装不
良板が発生することを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築板の表面に模
様を塗装する建築板の塗装方法及び塗装装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、需要が急増している窯業系の建築
板は、表面に模様を塗装して意匠性を高めたものが多
い。建築板の凹凸のある表面に模様を塗装する場合、特
開平7−228036号公報に示すように、インクジェ
ット式の塗装装置を用いて、建築板の表面に非接触で模
様を描く塗装技術が開発されている。このインクジェッ
ト式の塗装装置は、塗料を噴射する多数の噴射ノズル
を、建築板の搬送方向の直角方向に配列し、建築板をコ
ンベアにより搬送しながらコンピュータによって各噴射
ノズルの電磁弁のオン/オフ(塗料噴射/停止)を制御
することによって、建築板の表面に模様を塗装する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記塗
装方法では、建築板の表面から跳ね返された塗料(以下
「跳ね返り塗料」という)が周辺に飛び散るため、建築
板表面の本来塗装すべきでない部分に跳ね返り塗料が付
着して、塗装不良板を発生させ、歩留りを低下させると
いう欠点がある。
【0004】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、建築板の表面から跳
ね返された塗料が建築板表面の非塗装領域に付着するこ
とを防止し、塗装不良板の発生を低減することができる
建築板の塗装方法及び塗装装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1,8の建築板の塗装方法及び塗装
装置によれば、搬送手段によって搬送されてくる建築板
の表面に、その上方に配列された多数の噴射ノズルから
塗料を噴射して模様を塗装する際に、前記建築板の表面
から跳ね返される塗料を跳ね返り塗料捕捉手段で捕捉し
ながら、前記建築板の表面に模様を塗装する。
【0006】この塗装方法では、噴射ノズルから噴射さ
れた塗料のうち、建築板の表面で跳ね返される塗料を、
跳ね返り塗料捕捉手段で捕捉するため、跳ね返り塗料が
周囲に飛び散って建築板の表面に付着することを防止で
きる。
【0007】この場合、請求項2のように、前記跳ね返
り塗料捕捉手段を、前記多数の噴射ノズルから噴射され
る塗料が前記建築板表面に到達する位置の周辺を包囲す
るように配置した受け部材で構成し、この受け部材で前
記跳ね返り塗料を受けて回収するようにしても良い。こ
のように、噴射ノズルから噴射される塗料が建築板表面
に到達する位置、つまり、塗料の跳ね返り位置の周辺を
包囲するように受け部材を配置するという簡単な方法
で、跳ね返り塗料が建築板の表面に飛び散って付着する
ことを防止できる。
【0008】更に、請求項3のように、前記受け部材に
は、該受け部材の上方部を覆うフード部を設け、高く跳
ね返った塗料を前記フード部で遮るようにしても良い。
このようにすれば、高く跳ね返った塗料が噴射ノズルを
配列した塗装ユニットまで飛び散ることをフード部によ
り遮ることができ、塗装ユニットに跳ね返り塗料が付着
することを防止できる。
【0009】一方、請求項4のように、前記跳ね返り塗
料捕捉手段を吸引手段で吸引する2つの吸引フードで構
成し、各吸引フードの吸入口を前記多数の噴射ノズルか
ら噴射される噴射塗料流の列を挟んで対向させ、前記各
吸引フード内に前記跳ね返り塗料を吸入するようにして
も良い。この場合、噴射塗料流の列を挟んで吸入口を対
向させた吸引フードを吸引手段で吸引するので、その吸
引力により跳ね返り塗料は吸引フードの吸入口の方向に
向かって吸い寄せられ、吸引フード内に吸い込まれて回
収される。また、塗料と同時に溶剤蒸気も吸入するた
め、塗装工場内の作業環境の雰囲気も良好となる。
【0010】この場合、請求項5のように、前記吸引手
段を吸引ブロアとし、前記各吸引フードの吸入口を塗料
の跳ね返り位置に向けて斜め下向きに配置すると共に、
前記各吸引フード内面に、吸入口側に流れる塗料を堰止
める塗料戻り防止手段を設けるようにしても良い。この
ように各吸引フードの吸入口を塗料の跳ね返り位置に向
けて斜め下向きに配置すれば、塗料の跳ね返り方向に吸
入口が対向するように位置し、効果的に跳ね返り塗料を
吸入することができる。また、吸入口側に流れる塗料を
堰止める塗料戻り防止手段を設ければ、各吸引フードの
吸入口を斜め下向きに配置しても、各吸引フード内の塗
料が建築板表面に垂れ落ちることを防止できる。
【0011】また、請求項6のように、前記吸引手段を
真空ポンプとし、前記各吸引フードの吸入口を前記噴射
塗料流の列に沿って延びるスリット状に形成して斜め上
向きに配置するようにしても良い。このように吸引手段
として真空ポンプを使用し、吸入口をスリット状に形成
すれば、吸入口から跳ね返り塗料を吸入する吸引力を高
めることができ、より効果的に跳ね返り塗料を吸入する
ことができる。その上、吸入口を斜め上向きに配置する
ことで、吸引フード内の塗料が吸入口側に流れて建築板
の表面に垂れ落ちることを防止できると共に、建築板表
面に付着した塗料を吸引してしまうことを防止できる。
【0012】更に、請求項7のように、所定枚の建築板
を塗装する毎に少なくとも一方の吸引フードを前記吸入
口を上昇させる方向に傾動させ、該吸引フード内の塗料
を回収するようにしても良い。このようにすれば、各吸
引フード内に溜まった塗料が吸入口から建築板の表面に
垂れ落ちることを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】 [第1の実施形態]以下、本発明の第1の実施形態を図
1乃至図3に基づいて説明する。まず、図3に基づい
て、窯業系の建築板11の塗装に用いるインクジェット
式の塗装装置12の構成を説明する。建築板11を搬送
する搬送ローラ13(搬送手段)の上方には、塗装ユニ
ット14が設置され、この塗装ユニット14内には、塗
装ヘッド15、電磁弁アレイ16及びノズルアレイ17
が設けられている。ノズルアレイ17の下面には、多数
の噴射ノズル18が下向きに設けられ、これら多数の噴
射ノズル18が建築板11の搬送方向と直角方向に一列
又は複数列に配列されている。電磁弁アレイ16には、
噴射ノズル18の数と同数の電磁弁19が設けられ、各
電磁弁19の流入口が配管20を介して塗装ヘッド15
に接続され、各電磁弁19の流出口が配管21を介して
各噴射ノズル18に接続されている。
【0014】塗装ヘッド15の流入口は、密閉された塗
料タンク22と塗料供給配管23を介して接続され、コ
ンプレッサ24から圧力調整バルブ25を介して塗料タ
ンク22内に低圧の圧縮空気を供給することで、塗料タ
ンク22内の圧力を一定に保ちつつ、塗料タンク22内
の塗料を塗料供給配管23を通して塗装ヘッド15に圧
送し、この塗装ヘッド15内の塗料を配管20→電磁弁
19→配管21→噴射ノズル18の経路で分配して、電
磁弁19の開放時に噴射ノズル18から塗料を噴射す
る。
【0015】また、塗装ヘッド15には、余剰塗料を塗
料回収タンク26側に戻すための塗料戻し配管27が塗
料供給配管23とは反対側に設けられ、塗料供給配管2
3から塗装ヘッド15内に流入した塗料が塗装ヘッド1
5内を塗料戻し配管27側に向けて流れるようになって
いる。塗料戻し配管27中には、塗装ヘッド15内の塗
料流量を調整する流量調整バルブ28が設けられ、この
流量調整バルブ28を通過した塗料は塗料回収タンク2
6内に回収され、この塗料回収タンク26からポンプ2
9により塗料タンク22内に戻される。
【0016】次に、跳ね返り塗料捕捉手段である受け部
材30の構成を図1及び図2に基づいて説明する。受け
部材30は、噴射ノズル18と建築板11との間に位置
し、噴射ノズル18の配列方向(建築板11の搬送方向
と直角方向)に沿って配置され、4本のワイヤ31によ
り吊持されている。この受け部材30の上方部は、噴射
ノズル18の配列方向に延びる開口部32を中央に残し
てフード部33により覆われていると共に、受け部材3
0の下面中央部にも、噴射ノズル18の配列方向に延び
る開口部34が形成されている。上下の開口部32,3
4の開口幅は噴射塗料流に接触しない範囲内で狭く形成
されている。
【0017】図1に示すように、各噴射ノズル18から
噴射される塗料は、これら開口部32,34を通り抜け
て建築板11の表面に到達できるようになっており、下
面側の開口部34を建築板11表面に接近させること
で、各噴射ノズル18から噴射される塗料が建築板11
表面に到達する位置、つまり、塗料の跳ね返り位置の周
辺を包囲するように受け部材30が配置されている。こ
の場合、建築板11表面と受け部材30の下面との間の
距離は、搬送中に建築板11が上下に振動しても受け部
材30に接触若しくは衝突しない範囲内で近付けられて
いる。
【0018】また、下面側の開口部34の前後縁部が上
方に折り曲げられることで、開口部34の前後両側に溝
部35が形成され、更に、その両外側に凹条の回収部3
6が形成されている。これら各溝部35及び各回収部3
6の流出口が受け部材30の側面下端部に設けられ、そ
れぞれ塗料回収ホース37(図2参照)に接続されてい
る。一方、上方側の開口部32の周縁部には、噴射塗料
に付随して発生する空気流(跳ね返り塗料の飛散を助長
する原因になる空気流)を抑制する壁部38が形成され
ている。
【0019】以上のように構成されたインクジェット式
の塗装装置12を設置した塗装ラインで、例えば、建築
板11を搬送ローラ13によって搬送し、該建築板11
の前端が噴射ノズル18の真下に到達すると、それがセ
ンサ(図示せず)で検出され、コンピュータ制御によっ
て各噴射ノズル18の電磁弁19の開閉(オン/オフ)
を開始する。これにより、各噴射ノズル18から塗料を
噴射し、その噴射塗料のうち、建築板11の表面で跳ね
返される塗料を受け部材30で受けて回収しながら、建
築板11の表面に模様を塗装する。
【0020】その後、建築板11の後端が噴射ノズル1
8の真下を通過すると、それがセンサ(図示せず)で検
出され、全ての噴射ノズル18の電磁弁19を閉鎖(オ
フ)して塗料の噴射を停止する。以後、後続の建築板1
1が噴射ノズル18の真下に到達する毎に上述した動作
を繰り返して、建築板11の表面に模様を塗装する。
【0021】この塗装方法では、各噴射ノズル18から
噴射される塗料が建築板11表面に到達する位置、つま
り、塗料の跳ね返り位置の周辺を包囲するように受け部
材30を配置すると共に、受け部材30の上方部をフー
ド部33により覆っているため、各噴射ノズル18から
噴射された塗料のうち、建築板11の表面で跳ね返され
る塗料が建築板の表面に飛び散ることを遮ることができ
ると共に、高く跳ね返った塗料が塗装ユニット14まで
飛び散ることも遮ることができ、建築板11表面及び塗
装ユニット14に跳ね返り塗料が付着することを防止す
ることができる。このため、建築板11表面の非塗装領
域に跳ね返り塗料が付着したり、塗装ユニット14底面
部に付着した跳ね返り塗料が滴となって落下し建築板1
1の表面を汚したりすることがなくなり、塗装不良板の
発生を低減することができる。
【0022】しかも、受け部材30で受けられた跳ね返
り塗料は、溝部35又は回収部36に流れ込み、塗料回
収ホース37により回収されるので、回収した塗料を再
利用することができ、塗料の節約となると共に、塗装不
良板の減少による歩留まり向上により総じて生産コスト
を低減することができる。また、跳ね返り塗料が塗装装
置12に付着しないため、作業環境が良くなると共に、
清掃などのメンテナンス性も向上する。
【0023】尚、受け部材30の形状は、上記第1の実
施形態で示した形状のものに限らず、図4に示すような
形状も考えられる。図4(a)の受け部材30は、高さ
寸法を小さくした形状であり、このようにすれば、建築
板11表面に噴射ノズル18を近付けて噴射距離を短く
して塗装を行うことができる。また、図4(b)に示す
ように、フード部33を設けずに上方部を開放した形状
の受け部材30を用いるようにしても良く、このような
場合であっても、建築板11表面に跳ね返り塗料が付着
することを防止することができると共に、塗装ユニット
14に付着した塗料が滴となって落下しても、受け部材
30により受けることができ、建築板11の表面が塗料
の滴で汚れることを防止することができる。しかも、上
方部が開放されているので、噴射ノズル18を建築板1
1に近付けて噴射距離を短くして塗装を行うこともでき
る。
【0024】また、受け部材30は必ずしも一体に形成
する必要はなく、例えば、受け部材30を開口部32,
34に沿って2分割し、これらを噴射塗料流の列を挟ん
で対向させるようにしても良い。勿論、3個以上の部材
を組み合わせて受け部材を構成するようにしても良い。
【0025】[第2の実施形態]上記第1の実施形態で
は、跳ね返り塗料を受け部材30で受けるようにした
が、図5乃至図9に示す本発明の第2の実施形態では、
跳ね返り塗料捕捉手段として2つの吸引フード39を用
い、これら2つの吸引フード39の吸入口39aを多数
の噴射ノズル18から噴射される噴射塗料流の列を挟ん
で対向させ、吸引手段である吸引ブロア40で各吸引フ
ード39内に跳ね返り塗料を吸入するようにしている。
これら各吸引フード39は、例えばステンレス板により
形成され、噴射ノズル18の配列方向に排出口39bか
ら吸入口39aに向かって噴射塗料流の列よりもやや広
く拡開すると共に、上下方向にも排出口39bから吸入
口39aに向かって拡開した形状をしている。各吸引フ
ード39の排出口39bには図6に示すように、吸引管
41が溶接等により接続され、各吸引管41が2本の吸
引ホース42を介して吸引マニホールド43に接続さ
れ、この吸引マニホールド43が吸引配管44を介して
吸引ブロア40に接続されており、吸引ブロア40の排
出口が塗料回収タンク26に接続されている。
【0026】図5に示すように、塗装ユニット14の前
後面下方部に取り付けられた取付金具45の下部に、そ
れぞれクランプ部材46が回動ピン72を介して回動可
能に取り付けられ、これら各クランプ部材46が各吸引
フード39の吸引管41を挟持すると共に、各クランプ
部材46が、それぞれエアシリンダ47のピストンロッ
ド48先端に連結されている。これにより、各吸引フー
ド39の吸入口39aが噴射塗料流の列を挟んで対向
し、各エアシリンダ47のピストンロッド48の伸縮に
応じて各吸引フード39を上下方向(図5の矢印Z方
向)に傾動させることができる。ただし、塗料噴射中
は、吸入口39aが塗料の跳ね返り位置に向けて斜め下
向きになっている。尚、各吸入口39a間の距離L(図
5参照)は、クランプ部材46の吸引管41の挟持位置
を変えることで調節することができる。
【0027】一方、各吸引フード39の下内面には、噴
射ノズル18の配列方向に延び且つ排出口39b方向に
傾いたステンレス製の傾斜板49が、塗料戻り防止手段
として複数配列され、吸入口39a側に流れる塗料を堰
止めると共に、各傾斜板49の上端部を排出口39b方
向に折曲して形成したガイド部49aにより、吸入した
塗料を排出口39b方向に案内するようになっている。
また、各吸引フード39上面の吸入口39a側端部を排
出口39b方向に折り曲げることで、滴垂れ防止板50
が形成されている。これら傾斜板49及び滴垂れ防止板
50により、前述のように各吸引フード39の吸入口3
9aが斜め下向きなった場合であっても塗料が建築板1
1表面に垂れ落ちることを防止できる。
【0028】また、図7に示すように、各エアシリンダ
47に供給されるエアは、空気源51からフィルタ52
を介して減圧弁53で減圧された後にオイラ54を通っ
て2つの方向制御弁55に分配され、各エアシリンダ4
7に供給される。また、各エアシリンダ47からは、圧
縮空気がスピードコントローラ61と方向制御弁55を
介して大気中に排出される。各方向制御弁55の電磁弁
のオン/オフは、このインクジェット式塗装装置12の
操作盤(図示せず)内に設けられたコンピュータにより
制御される。これ以外の構成は、前記第1の実施形態と
同じである。
【0029】以上説明した第2の実施形態では、吸引ブ
ロア40を作動させて各吸引フード39内に跳ね返り塗
料を吸入しながら、建築板11の表面に模様を塗装する
と共に、各吸引フード39内に吸入された塗料は、排出
口39b→吸引管41→吸引ホース42→吸引マニホー
ルド43→吸引配管44→吸引ブロア40→塗料回収タ
ンク26の経路で回収される。
【0030】また、各エアシリンダ47は、図8に示す
動作制御ルーチン及び図9に示す動作タイミングチャー
トに従って動作し、各吸引フード39の傾動が制御され
る。ここで、噴射ノズル18よりも前側に取り付けられ
たエアシリンダ47をエアシリンダA、後側に取り付け
られたエアシリンダ47をエアシリンダBとし、それぞ
れのエアシリンダA,Bに対応するピストンロッド48
をピストンロッドA,ピストンロッドB、方向制御弁5
5を方向制御弁A,方向制御弁B、吸引フード39を吸
引フードA,吸引フードBとする。
【0031】まず、インクジェット式塗装装置12の操
作盤上に設けられた電源スイッチ(図示せず)がオンす
るか、或は最初の建築板11の前端が噴射ノズル18の
真下に到達し、それがセンサ(図示せず)で検出される
と、タイマがセットされる。そして、図8のステップ1
01で、タイマがセットされたか否かが判定され、タイ
マがセットされていなければ、タイマがセットされるま
でステップ101で待機する。その後、タイマがセット
されると、ステップ102に進んで、建築板11の後端
が塗装位置(噴射ノズル18の真下)を通過し終えたか
否かが判定され、通過し終えていなければ、通過し終え
るまでステップ102で待機する。その後、建築板11
の後端が塗装位置を通過し終えたときに、ステップ10
3に進んでタイマをスタートさせる。
【0032】次のステップ104で、方向制御弁Aの電
磁弁を開放(オン)して、エアシリンダAのピストンロ
ッドAを突出させ、吸引フードAを吸入口39aが上昇
する方向に傾動させて吸引フードA内の塗料を回収す
る。そして、ステップ105で、タイマをスタートさせ
てから時間t1 が経過したか否かが判定され、時間t1
が経過していなければ、時間t1 が経過するまでステッ
プ105で待機する。
【0033】その後、時間t1 が経過したときに、ステ
ップ106に進み、方向制御弁Aの電磁弁を閉鎖(オ
フ)して、エアシリンダAのピストンロッドAを引っ込
めて、吸引フードAを吸入口39aが下降する方向に傾
動させ、元の跳ね返り塗料吸引位置へ戻す。そして、次
のステップ107で、タイマをスタートさせてから時間
t2が経過したか否かが判定され、時間t2が経過して
いなければ、時間t2が経過するまでステップ107で
待機する。
【0034】その後、時間t2 が経過したときに、ステ
ップ108に進み、方向制御弁Bの電磁弁を開放(オ
ン)して、エアシリンダBのピストンロッドBを突出さ
せ、吸引フードBを吸入口39aが上昇する方向に傾動
させ吸引フードB内の塗料を回収する。そしてステップ
109で、タイマをスタートさせてから時間t2 +t1
が経過したか否かが判定され、時間t2 +t1 が経過し
ていなければ、時間t2+t1 が経過するまでステップ
109で待機する。その後、時間t2 +t1 が経過した
ときに、ステップ110に進み、方向制御弁Bの電磁弁
を閉鎖(オフ)して、エアシリンダBのピストンロッド
Bを引っ込めて、吸引フードBを吸入口39aが下降す
る方向に傾動させ、元の跳ね返り塗料吸引位置へ戻す。
そして、次のステップ111で、タイマをリセットす
る。
【0035】以上のような動作制御ルーチンを繰り返し
て、1枚の建築板11を塗装する毎に、両吸引フード
A,Bが互いに干渉しないように吸引フードA,吸引フ
ードBの順番で、各吸入口39aを上昇させる方向に傾
動させ、両吸引フードA,B内の塗料を回収する。しか
しながら、吸引フードA,Bを傾動させる順番はこれに
限らず、吸引フードB,吸引フードAの順番で傾動させ
るようにしたり、或は、両吸引フードA,Bが互いに干
渉するおそれがないような場合には、両吸引フードA,
Bを同時に傾動させるようにしても良いことはいうまで
もない。
【0036】以上説明した第2の実施形態の塗装方法で
は、2つの吸引フード39の吸入口39aを多数の噴射
ノズル18から噴射される噴射塗料流の列を挟んで対向
させ、吸引ブロア40で各吸引フード39を吸引しなが
ら建築板11の表面に模様を塗装するので、吸引ブロア
40の吸引力により、跳ね返り塗料が吸入口39aの方
向に向かって吸い寄せられ、吸引フード39内に吸い込
まれる。しかも、塗料噴射中は、各吸引フード39の吸
入口39aを塗料の跳ね返り位置に向けて斜め下向きに
し、塗料の跳ね返り方向に吸入口39aが対向するよう
に位置させるので、効果的に跳ね返り塗料を吸入するこ
とができ、塗装不良板の発生をより低減することができ
る。また、塗料と同時に塗料の溶剤蒸気も吸入するた
め、塗装工場内の雰囲気も良好となる。
【0037】更に、1枚の建築板11を塗装する毎に、
各吸引フード39を順に、吸入口39aを上昇させる方
向に傾動させ、各吸引フード39内の塗料を回収するの
で、長時間、連続で塗装を続けるような場合であって
も、各吸引フード39内に溜まった塗料が吸入口39a
から建築板11の表面に垂れ落ちることを未然に防止す
ることができると共に、途中で塗装ラインを止めて吸引
フード39内に溜まった塗料を除去するといった作業を
する必要がなく、生産性を上げることができる。
【0038】尚、上記第2の実施形態では、1枚の建築
板11を塗装する毎に両吸引フード39を傾動させてい
るが、2枚以上の建築板11を塗装する毎に両吸引フー
ド39を傾動させるようにしたり、或は、1枚又は2枚
以上の建築板11を塗装する毎に吸引フード39を一方
ずつ傾動させるようにしたりしても良く、要は、各吸引
フード39内に溜まった塗料が吸入口39aから垂れ落
ちる前に、各吸引フード39を傾動させるようにすれば
良い。
【0039】[第3の実施形態]上述した第2の実施形
態では、吸引手段として吸引ブロア40を用い、吸引フ
ード39の吸入口39aを塗料の跳ね返り位置に向けて
斜め下向きなるようにしたが、図10及び図11に示す
本発明の第3の実施形態では、吸引手段として真空ポン
プ56を用い、各吸引フード57を略L字形状とし、そ
の先端に噴射塗料流の列に沿って延びるスリット状の吸
入口57aを形成し、この吸入口57aが斜め上向きと
なるように配置している。
【0040】このように真空ポンプ56を使用し、吸入
口57aを上下幅の狭いスリット状に形成することで、
跳ね返り塗料を吸入する吸引力を高めることができ、よ
り効果的に跳ね返り塗料を吸入することができる。ま
た、吸入口57aを斜め上向きに配置することで、吸引
フード57内の塗料が吸入口57a側に流れて建築板1
1の表面に垂れ落ちることを防止することができると共
に、建築板11表面に付着した塗料を吸引してしまうこ
とも防止することができる。
【0041】尚、各吸引フード57に接続された吸引管
58には、それぞれフレキシブルチューブ59が接続さ
れ、図11に示すように、これらフレキシブルチューブ
59がコンデンサ60を介して真空ポンプ56に接続さ
れている。コンデンサ60に冷却水を流して吸入空気を
冷却することで、その空気中に含まれた溶剤の蒸発ガス
を凝縮させて液化し、塗料と共に塗料回収タンク26内
に回収するようにしている。
【0042】以上説明した第3の実施形態では、各吸引
フード57は取付金具71を介して塗装ユニット14に
固定されているが、前記第2の実施形態と同じように、
所定枚数の建築板11を塗装する毎に各吸引フード57
を吸入口57aが上昇する方向に傾動させて、各吸引フ
ード57内に溜まった塗料を回収するようにしても良
い。
【0043】その他、本発明は、受け部材30や吸引フ
ード39,57の形状、及び噴射ノズル18の配列を適
宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変
更して実施できることはいうまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1,8によれば、建築板の表面から跳ね返され
る塗料を跳ね返り塗料捕捉手段で捕捉しながら、建築板
の表面に模様を塗装するので、建築板表面の非塗装領域
に跳ね返り塗料が付着することを防止できて、塗装不良
板の発生を低減することができ、歩留りを向上すること
ができる。
【0045】また、請求項2では、噴射塗料が建築板表
面に到達する位置の周辺を包囲するように受け部材を配
置するという簡単な方法で、塗装不良板の発生を低減す
ることができる。しかも、受け部材で受けた跳ね返り塗
料を回収するので、塗料を再利用することができ塗料の
節約となると共に、塗装不良板の減少による歩留まり向
上により総じて低コスト化を実現できる。
【0046】更に、請求項3では、受け部材の上方部を
覆うフード部で、高く跳ね返った塗料を遮るので、噴射
ノズルを配列した塗装ユニット等、塗装装置に跳ね返り
塗料が付着しないため、作業環境や、清掃などのメンテ
ナンス性も向上する。
【0047】一方、請求項4では、噴射塗料流の列を挟
んで吸入口を対向させた2つの吸引フードを吸引手段で
吸引し、跳ね返り塗料を各吸引フード内に吸入するの
で、塗料と同時に溶剤蒸気も吸入することができ、塗装
工場内の雰囲気も良好することができる。
【0048】また、請求項5では、各吸引フードの吸入
口を塗料の跳ね返り位置に向けて斜め下向きに配置し、
吸引ブロアで各吸引フードを吸引するので、効果的に跳
ね返り塗料を吸入して回収することができる。しかも、
各吸引フード内面に塗料戻り防止手段を設けることで、
吸入口が斜め下向きであっても塗料が建築板表面に垂れ
落ちることを防止できるので、建築板の塗装品質を維持
しながら塗料の回収効率を上げることができる。
【0049】更に、請求項6では、各吸引フードの吸入
口を噴射塗料流の列に沿って延びるスリット状に形成し
て斜め上向きに配置し、各吸引フードを真空ポンプで吸
引するので、吸引力が高まり、より効果的に跳ね返り塗
料を吸入して回収することができ、塗料の回収効率を更
に向上させることができる。
【0050】また、請求項7では、所定枚の建築板を塗
装する毎に少なくとも一方の吸引フードを吸入口を上昇
させる方向に傾動させ、吸引フード内の塗料を回収する
ので、長時間、連続で塗装する場合でも、吸引フード内
に溜まった塗料が建築板の表面に垂れ落ちることを未然
に防止することができると共に、途中で塗装ラインを止
めて吸引フード内に溜まった塗料を除去するといった作
業をする必要がなく、生産性を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すインクジェット
式塗装装置の主要部の縦断側面図
【図2】受け部材とその周辺部の斜視図
【図3】インクジェット式塗装装置の正面図
【図4】(a)及び(b)は異なる形状の受け部材を示
す縦断側面図
【図5】本発明の第2の実施形態を示すインクジェット
式塗装装置の主要部の側面図
【図6】吸引フード及び塗料の回収経路を説明するため
の図
【図7】エアシリンダへのエア供給経路を説明するため
の図
【図8】エアシリンダの動作制御ルーチンの処理の流れ
を示すフローチャート
【図9】エアシリンダの動作タイミングチャート
【図10】本発明の第3の実施形態を示すインクジェッ
ト式塗装装置の主要部の側面図
【図11】塗料の回収経路を説明するための図
【符号の説明】
11…建築板、12…インクジェット式塗装装置、13
…搬送ローラ(搬送手段)、14…塗装ユニット、15
…塗装ヘッド、16…電磁弁アレイ、17…ノズルアレ
イ、18…噴射ノズル、19…電磁弁、20,21…配
管、22…塗料タンク、23…塗料供給配管、24…コ
ンプレッサ、25…圧力調整バルブ、26…塗料回収タ
ンク、27…塗料戻し配管、28…流量調整バルブ、2
9…ポンプ、30…受け部材(跳ね返り塗料捕捉手
段)、32…開口部、33…フード部、34…開口部、
35…溝部、36…回収部、37…塗料回収ホース、3
8…壁部、39…吸引フード(跳ね返り塗料捕捉手
段)、39a…吸入口、40…吸引ブロア(吸引手
段)、41…吸引管、45…取付金具、46…クランプ
部材、47…エアシリンダ、48…ピストンロッド、4
9…傾斜板、49a…ガイド部、50…滴垂れ防止板、
56…真空ポンプ(吸引手段)、57…吸引フード(跳
ね返り塗料捕捉手段)、58…吸引管。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送手段によって搬送されてくる建築板
    の表面に、その上方に配列された多数の噴射ノズルから
    塗料を噴射して、模様を塗装する建築板の塗装方法にお
    いて、 塗料噴射中に前記建築板の表面から跳ね返される塗料
    (以下「跳ね返り塗料」という)を跳ね返り塗料捕捉手
    段で捕捉しながら、前記建築板の表面に模様を塗装する
    ことを特徴とする建築板の塗装方法。
  2. 【請求項2】 前記跳ね返り塗料捕捉手段は、前記多数
    の噴射ノズルから噴射される塗料が前記建築板表面に到
    達する位置の周辺を包囲するように配置された受け部材
    から成り、この受け部材で前記跳ね返り塗料を受けて回
    収することを特徴とする請求項1に記載の建築板の塗装
    方法。
  3. 【請求項3】 前記受け部材には、該受け部材の上方部
    を覆うフード部を設け、高く跳ね返った塗料を前記フー
    ド部で遮ることを特徴とする請求項2に記載の建築板の
    塗装方法。
  4. 【請求項4】 前記跳ね返り塗料捕捉手段は、吸引手段
    で吸引される2つの吸引フードから成り、各吸引フード
    の吸入口を前記多数の噴射ノズルから噴射される噴射塗
    料流の列を挟んで対向させ、前記各吸引フード内に前記
    跳ね返り塗料を吸入することを特徴とする請求項1に記
    載の建築板の塗装方法。
  5. 【請求項5】 前記吸引手段は吸引ブロアであり、前記
    各吸引フードの吸入口を塗料の跳ね返り位置に向けて斜
    め下向きに配置すると共に、前記各吸引フード内面に、
    吸入口側に流れる塗料を堰止める塗料戻り防止手段を設
    けることを特徴とする請求項4に記載の建築板の塗装方
    法。
  6. 【請求項6】 前記吸引手段は真空ポンプであり、前記
    各吸引フードの吸入口を前記噴射塗料流の列に沿って延
    びるスリット状に形成して、該吸入口を斜め上向きに配
    置することを特徴とする請求項4に記載の建築板の塗装
    方法。
  7. 【請求項7】 所定枚の建築板を塗装する毎に少なくと
    も一方の吸引フードを前記吸入口を上昇させる方向に傾
    動させ、該吸引フード内の塗料を回収することを特徴と
    する請求項4乃至6のいずれかに記載の建築板の塗装方
    法。
  8. 【請求項8】 建築板を搬送する搬送手段と、この搬送
    手段によって搬送されてくる建築板の上方に配列された
    多数の噴射ノズルとを備え、各噴射ノズルから塗料を噴
    射して、前記建築板の表面に模様を塗装する建築板の塗
    装装置において、 塗料噴射中に前記建築板の表面から跳ね返される塗料を
    捕捉する跳ね返り塗料捕捉手段を備えていることを特徴
    とする建築板の塗装装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007138363A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 Rengo Co Ltd 段ボール用中芯原紙の製造方法
JP2009050803A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Panasonic Electric Works Co Ltd 板状建材塗装方法
JP2009078193A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Panasonic Electric Works Co Ltd 建材の塗装方法
JP2015047598A (ja) * 2013-09-04 2015-03-16 セントラル硝子株式会社 液体塗布装置

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