JP3915382B2 - 液晶装置および電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置および電子機器に関し、特に液晶装置の小型化にあたって表示領域外の領域を極力狭くした液晶表示パネルの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノートパソコン、携帯電話機、腕時計等の携帯用電子機器において、各種の情報を表示する手段として液晶表示パネルが広く使用されている。特に携帯用電子機器等では、筐体内部の限られた空間に液晶表示パネルを収容し、しかも表示し得る情報量を多くしたいという要求から、表示領域を極力広く、表示領域外の部分(以下、本明細書ではこの部分を非表示領域または額縁などという)を狭くする構成が望まれている。
【0003】
通常、この種の液晶表示装置、特にパッシブマトリクス(単純マトリクス)型と呼ばれる液晶表示装置では、2枚の透明基板間に液晶が封入され、各透明基板の対向面に互いに直交するストライプ状の透明電極が形成されている。この液晶表示装置では、2枚の基板上の透明電極が互いに交差する部分が画素となり、液晶を各画素毎に外部から駆動する方式が採用されている。液晶を外部から駆動するためには、例えば各透明基板上の非表示領域を互いに対向する基板の外側に張り出させ、その領域に各基板の透明電極に対して信号を供給する駆動用ICをそれぞれ実装し、各駆動用ICの端子と各透明電極とを引き廻し配線を用いて電気的に接続する構成が採用されていた。
【0004】
ところがその後、液晶表示パネルの狭額縁化、駆動用ICの使用数の削減等を目的として、画素数がそれ程多くない小規模のパネルの場合には、2枚の透明基板上の全ての電極を一方の基板上の非表示領域に設けた多数の引き廻し配線に導通させ、これら引き廻し配線に接続した1個の駆動用ICで駆動する方式が提案された。図28、図29はこの方式の液晶表示装置の構成例を示している。
【0005】
図28はチップ部品をフィルム基板上に実装したいわゆるCOF(Chip On Film)実装と呼ばれる形態の回路基板を液晶表示パネルに接合したものであり、下側基板100の一辺側が上側基板101の外側に張り出しており、この部分に1個の駆動用IC102が搭載されたフレキシブルプリント配線基板103(Flexible Printed Circuit, 以下、FPCと略記する)が電気的に接合されている。下側基板100および上側基板101の対向面には互いに直交する方向に多数のストライプ状電極104,105が形成されている。
【0006】
図29はチップ部品をガラス基板上に実装したいわゆるCOG(Chip On Glass)実装と呼ばれる形態のものであり、下側基板(ガラス基板)110の一辺側が上側基板111の外側に張り出しており、この部分に駆動用IC112が直接搭載され、さらに駆動用IC112に駆動信号を供給するためのFPC113が電気的に接合されている。
【0007】
いずれの形態にしても、下側基板の電極用の引き廻し配線と上側基板の電極用の引き廻し配線は全て、FPCや駆動用ICが実装された下側基板の一辺側に集められている。
【0008】
液晶表示パネルを構成する上側基板、下側基板の引き廻し配線の接続構造の一例を図30、図31を用いて詳細に説明する。図30は上側基板120の電極および引き廻し配線の配置を示す平面図であり、図31は下側基板130の電極および引き廻し配線の配置を示す平面図である。
【0009】
図30に示すように、上側基板120においては、図中横方向に延在する短冊状の走査電極121がストライプ状に多数配置されている。ここで、多数の走査電極121が形成された領域が液晶表示装置としての表示領域122となる。そして、表示領域122の外方(図中表示領域122の右側と左側)の非表示領域に、各走査電極121に信号を供給するための走査電極用引き廻し配線123がそれぞれ配置されている。この引き廻し配線123は電極の延在方向に引き出された後、屈曲して上側基板120の一辺側(図中下側の辺)の両端部に集められている。
【0010】
一方、図31に示すように、下側基板130においては、上側基板120に形成された走査電極121と直交する方向(図中縦方向)に延在する短冊状の信号電極131がストライプ状に多数配置されている。そして、表示領域122の外方(図中表示領域122の下側中央部)の非表示領域に、各信号電極131に信号を供給するための信号電極用引き廻し配線132がそれぞれ配置されている。また、これら信号電極用引き廻し配線132が配置された領域の両側方に、上側基板120の走査電極用引き廻し配線123と電気的に接続するための走査電極用引き廻し配線133が走査電極121の数と同数、配置されている。また、この走査電極用引き廻し配線133のピッチは上側基板120の走査電極用引き廻し配線123のピッチと一致している。
【0011】
なお、本構成例においては、全ての引き廻し配線123,132は走査電極121もしくは信号電極131と一体に形成されており、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電膜で形成されている。
【0012】
上記構成の上側基板120と下側基板130を貼り合わせると、下側基板130の外形よりも上側基板120の外形の方が小さく、上側基板120上の走査電極用引き廻し配線123の下端と下側基板130上の走査電極用引き廻し配線133の上端とが、図中符号134で示す上下導通部で対向するように位置する。上下導通部134には例えば異方性導電膜、導電ペースト、導電性粒子を含む導電材等が設けられており、これを介して上側基板120上の走査電極用引き廻し配線123と下側基板130上の走査電極用引き廻し配線133とが電気的に接続される。このようにして、全ての走査電極用引き廻し配線133と全ての信号電極用引き廻し配線132が下側基板130の一辺側に集められたことになるので、この部分に例えば図28に示したようなCOF実装された基板との接続を行えば、COF実装基板上の1個の駆動用ICから全ての走査電極121と信号電極131に対して信号を供給することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の液晶表示装置には、以下のような問題点があった。すなわち、従来の液晶表示装置を構成する基板には、上記のように表示領域の外側に引き廻し配線を形成する領域が必ず必要になる。上述したように、近年の液晶表示装置においては表示容量がますます増加する傾向にあるが、表示容量(画素数)が増加する程、この引き廻し配線の本数が増えて引き廻し配線の形成領域が広くなってしまうため、これが狭額縁化の障害となる。
【0014】
表示容量を増やしても引き廻し配線形成領域が広くならないようにするには、引き廻し配線のピッチ(配線幅+配線間隔)を小さくすることも考えられるが、その場合、引き廻し配線抵抗の増大を招き、表示品質に悪影響を与える恐れがある。例えば100本の引き廻し配線を50μmピッチで形成する場合、5mm程度の引き廻し配線形成領域が必要になる。この時の引き廻し抵抗は数kΩ〜MΩオーダーにまで達し、信号波形なまりなどの問題が生じる場合がある。
【0015】
引き廻し配線の抵抗増大を抑えるためには、引き廻し配線を構成する透明導電膜の低抵抗化、低抵抗の金属補助配線の付加等の方法がある。しかしながら、前者の方法の場合、透明導電膜は電極の部分では充分な光透過率を確保することが重要であり、高い透過率を維持したままでの低抵抗化は困難である。また、後者の方法の場合は、製造工程の負荷が増大するという問題がある。結局のところ、引き廻し配線の抵抗を増大させることなく、引き廻し配線形成領域の縮小化を図る有効な手段は今まで存在しなかった。
【0016】
また、図28、図29に示したように、従来の液晶表示装置ではFPCや駆動用ICを実装する領域が必要なため、一方の基板を他方の基板から大きく張り出させなければならず、液晶表示装置を電子機器の筐体内に収容する場合、この部分が無駄な空間となっていた。そのため、液晶表示装置の非表示(額縁)領域の確保、及び拡大拡大に繋がっていた。
【0017】
なお、液晶表示装置の狭額縁化を目的として、基板の裏面側に電子回路および駆動用ICを搭載する技術が特開平5−323354号公報に開示されている。同様に、一方の基板に画素パターン配線基板と駆動回路配線基板としての機能を兼用させる技術が特開平7−159802号公報に開示されている。しかしながら、この公報には、ただ単に一方の基板の表面側の駆動線をビアホール(コンタクトホール)を介して裏面側に導通させ、裏面側の駆動回路および駆動用ICに接続することが記載されているだけであって、液晶表示装置の全体構成は不詳である。
【0018】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、引き廻し抵抗の増大などによる表示品質の低下を招くことなく、狭額縁化による小型化を図ることができる液晶装置、およびこれを用いた電子機器を提供することを目的とする。
【0019】
上記の目的を達成するために、本発明の液晶装置は、互いに対向配置された一対の基板間に液晶層が挟持され複数の画素がマトリクス状に配列した液晶装置であって、前記一対の基板のうち、第1の基板においては、前記液晶層に面する内面上に第1の導電部が設けられるとともに、前記第1の基板の相対する2辺の側面上に設けられた第1の側面接続部を介して、前記第1の導電部と前記第1の基板の外面上に実装された電子部品とを電気的に接続する第1の引き廻し導電部が設けられ、また、第2の基板においては、前記液晶層に面する内面上に第2の導電部が設けられ、前記第1の基板と前記第2の基板との間には、前記第2の導電部と電気的に接続される基板間接続部が設けられ、前記第1の基板の前記第1の側面接続部が設けられた二辺に隣接する一辺の側面上に設けられた第2の側面接続部を介して、前記基板間接続部と前記電子部品とを電気的に接続する第2の引き廻し導電部が設けられ、さらに、前記第1の基板の前記第2の側面接続部が設けられた辺に相対する一辺の外面側周縁部に、前記電子部品の入力端子と電気的に接続される外部接続端子が設けられていることを特徴とする。
【0020】
すなわち、本発明の液晶装置は、第1の基板の外面側に、第1の基板内面の第1の導電部および第2の基板内面の第2の導電部と電気的に接続された電子部品が実装されたものである。ここで言う「第1の導電部」、「第2の導電部」とは、具体的にはパッシブマトリクス型液晶装置における走査電極、信号電極等の電極、もしくはアクティブマトリクス型液晶装置における走査線、データ線等の配線のことを指す。また、「電子部品」とは、具体的には液晶装置の駆動回路に用いる駆動用IC、コンデンサ等のことを指す。
【0021】
詳細には、第1の基板の内面上に設けられた第1の導電部は、第1の基板の少なくとも側面上に設けられ、第1の導電部と電気的に接続された第1の側面接続部を有する第1の引き廻し導電部を介して、第1の基板の外面側に設けられた電子部品に電気的に接続されている。
【0022】
一方、第2の基板の内面上に設けられた第2の導電部は、第1の基板と第2の基板との間に設けられ、第2の導電部と電気的に接続された基板間接続部と、第1の基板の少なくとも側面上に設けられ、基板間接続部と電気的に接続された第2の側面接続部とを有する第2の引き廻し導電部を介して、第1の基板の外面側に設けられた電子部品に電気的に接続されている。
【0023】
よって、従来の構成で言えば、引き廻し配線が第1の基板の内面上の電極形成領域(言い換えると表示領域)の外側の領域(非表示領域)に引き廻されていたのに対し、本発明の基本的構成では、引き廻し配線(引き廻し導電部)が第1の基板の内面側から第1の基板の側面側を通って外面側に引き廻されている。
【0024】
しかも、本発明の構成では、上記引き廻し導電部の基本構成は、電子部品が実装された側の基板である第1の基板上の第1の引き廻し導電部のみならず、液晶層を挟んで対峙する第2の基板からの第2の引き廻し導電部についても同様である。すなわち、一対の基板の全ての引き廻し導電部が第1の基板の側面側を通って最終的に第1の基板の外面側に引き廻され、電子部品に接続される構成になっている。
【0025】
本発明の構成によれば、従来の構成において第1の基板内面の表示領域外側に設けていた引き廻し領域、さらにはFPCや電子部品の実装領域が不要となるので、その分だけ従来に比べて大幅に額縁部分を狭くすることができる。また、表示領域内を含めて第1の基板の外面側全面に引き廻し導電部をレイアウトすることができ、引き廻し導電部間のピッチを余裕を持って設計することができるため、引き廻し抵抗が増大するという問題が生じることもない。
【0026】
また、例えば、第1の基板内部にスルーホールなどの孔を設けて、引き廻し導電部を第1の基板に設けられた孔を通して、第1の基板の外面側に引き廻す場合においては、個々の引き廻し導電部に対して、第1の基板の内部に孔を形成する必要があるため、製造工程が複雑になるが、本発明の液晶装置では、引き廻し導電部を第1の基板の側面側を通して第1の基板の外面側に引き廻す構成としたので、第1の基板の内部に孔を設けるなどの特殊な処理を施すことなく容易に製造することができる。
【0027】
本発明において、第1の側面接続部及び第2の側面接続部が、第1の基板の少なくとも側面上に形成された、半田、銀、銅などの導電材料からなる導電部材から構成されたことを特徴とする。
【0028】
この構成とすれば、第1の基板の少なくとも側面上に、ペースト状の導電材料を塗布した後焼成する、あるいは金属箔やピンコネクタを貼着する、あるいは、第1の基板の側面の全面に導電材料を成膜した後、フォトリソ加工などによって、所定のパターンに形成する、などの方法によって、第1の側面接続部、第2の側面接続部を形成することができる。
【0029】
また、第1の側面接続部及び第2の側面接続部が、このような構成の場合には、第1の側面接続部及び第2の側面接続部を覆うように、絶縁部材を設けることが望ましく、第1の側面接続部、第2の側面接続部を覆うように、絶縁部材を設けることにより、第1の側面接続部、第2の側面接続部の腐食などの劣化を防止することができるとともに、外部からの電気的な刺激によって、第1の側面接続部あるいは第2の側面接続部が短絡することを防止することができる。
【0030】
また、第1の側面接続部及び前記第2の側面接続部が、前記第1の基板の側面に取り付けられた複数の導電部を有する絶縁部材から構成されても良い。
【0031】
この場合には、絶縁部材の面上に所定のパターンの導電部材を形成した後、導電部材を形成した絶縁部材を第1の基板の少なくとも側面上に取り付けることによって、容易に絶縁部材で保護された第1の側面接続部、第2の側面接続部を形成することができる。したがって、第1の基板の少なくとも側面上に第1の側面接続部、第2の側面接続部を形成して、さらに第1の側面接続部、第2の側面接続部を覆うように絶縁部材を設けた先の構成に比較して、製造工程を簡略化することができる。
【0032】
面上に導電部材を形成する絶縁部材としては、例えばフレキシブルなシートやテープを用いることができる。
【0033】
第1の基板の少なくとも側面上に第1の側面接続部、第2の側面接続部を形成して、さらに第1の側面接続部、第2の側面接続部を覆うように絶縁部材を設けた先の構成では、第1の基板の内面(外面)に対して、面積の非常に小さい側面上に微細なパターンの第1の側面接続部、第2の側面接続部を形成する必要があるため、第1の側面接続部、第2の側面接続部の形成が困難な場合もある。
【0034】
しかしながら、フレキシブルなシート又はテープからなる絶縁部材の面上に第1の側面接続部、第2の側面接続部を形成して、該シート又はテープを第1の基板に取り付ける場合には、平坦なシート又はテープに所定のパターンの導電部材を形成した後、そのまま、あるいは第1の基板の端部の形状に沿うようにシート又はテープを折り曲げて、第1の基板の少なくとも側面上に取り付ければよく、この場合には、平坦なシート又はテープの表面にフォトリソグラフィー法などにより所定のパターンの導電部材を形成すればよいので、微細なパターンの第1の側面接続部、第2の側面接続部を容易に形成することができる。
【0035】
また、本発明の液晶装置において、前記基板間接続部としては、双方の基板間にわたるように形成した導電性ペーストや導電性粒子等、任意の手段を用いることができる。もしくは、液晶層を封止するシール材の内部に混入させた導電材を用いても良い。
【0036】
また、本発明の液晶装置において、第1の基板の外面上の周縁部に、駆動用IC等の電子部品の入力端子と電気的に接続された外部接続端子が設けられていることが望ましい。
【0037】
外部接続端子を第1の基板の周縁部に設けておけば、駆動用ICに駆動信号を供給するためのFPCなどをさらに実装するような場合、外部接続端子とFPCの端子を接合する際の位置合わせを容易に行うことができる。また、FPC接合時もしくは接合後、接合部分に応力が発生する場合があるが、その位置が表示領域から外れた基板周縁部であれば、前記応力が表示に悪影響を及ぼすこともない。
【0038】
また、本発明の電子機器は、上記本発明の液晶装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、狭額縁化による小型の液晶装置を備えたことによって、装置全体が小型である割に表示領域が広く、携帯性に優れた電子機器を実現することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図11を参照して説明する。
【0040】
本実施の形態は、本発明の液晶装置をパッシブマトリクス型液晶表示装置に適用した例であって、光反射部を兼ねた表示電極、いわゆる反射電極を有する液晶表示装置の例である。
【0041】
図1は本実施の形態の液晶表示装置全体を上面側から見た斜視図、図2は下面側から見た斜視図、図3は下側基板の上面(電極形成面)図、図4は下側基板を下面側から見た透過平面図(電子部品の実装面側から見た透過平面図)、図5は上側基板の下面(電極形成面)図、図6は上側基板と下側基板を重ね合わせた状態を示す透過平面図、図7は図6のA−A’線に沿う断面図、図8は液晶表示装置の側面接続部及び絶縁部材の構造を示す部分斜視図、図9は図6のB−B’線に沿う断面図である。なお、以下の全ての図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0042】
本実施の形態の液晶表示装置1は、図1に示すように、下側基板2(第1の基板)と上側基板3(第2の基板)とが対向配置され、これら基板間に液晶層(図1では図示略)が挟持されている。本実施の形態では、下側基板2としてポリイミド等からなる不透明基板が用いられ、上側基板3としてポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリル系樹脂等からなる透明基板が用いられている。以下の説明では、双方の基板の液晶層に面する側の面を「内面」、それと反対側の面を「外面」という。すなわち、双方の基板において、液晶層が配置される側の面を「内面」、それと反対側の面を「外面」という。また、上側基板3の外面側に、位相差板4(λ/4板)、偏光板5(偏光手段)が順次貼着されている。なお、図2以降の図面では、位相差板4、偏光板5の図示を省略する。
【0043】
下側基板2の内面上には多数の信号電極6(第1の導電部)がストライプ状(帯状)に設けられ、それと対向する上側基板3の内面上には信号電極6と直交する方向に延在する多数の走査電極7(第2の導電部)がストライプ状(帯状)に設けられている。そして、信号電極6と走査電極7が交差する部分が個々の画素8となり、多数の画素8がマトリクス状に配列した領域が表示領域9となる。なお、本実施の形態では下側基板2側の電極を信号電極、上側基板3側の電極を走査電極として説明するが、これは逆であっても一向にかまわない。
【0044】
図2に示すように、下側基板2の外面上において、平面的に表示領域9に対応する領域内に、駆動用IC10(電子部品)が実装されている。この駆動用IC10は、外部回路(図示せず)から外部接続端子26を通じて入力された信号を受けて信号電極6に対しては画像信号を、走査電極7に対しては走査信号を供給するものである。
【0045】
また、下側基板2の外面上には、後述する信号電極用引き廻し配線(第1の引き廻し導電部)11の一部を構成する信号電極用接続配線12、および後述する走査電極用引き廻し配線(第2の引き廻し導電部)13の一部を構成する走査電極用接続配線14がそれぞれ、下側基板2の最端部から駆動用IC10に向けて配設され、駆動用IC10の端子(図2、図4においては図示省略)と電気的に接続されている。
【0046】
また、図2に示すように、信号電極用接続配線12は、下側基板2の最端部において、下側基板2の少なくとも側面上に形成された第1の側面接続部17に電気的に接続されている。同様に、走査電極用接続配線14についても図示はされていないが、下側基板2の最端部において、下側基板2の少なくとも側面上に形成された第2の側面接続部38に電気的に接続されている。
【0047】
図3に示すように、下側基板2の内面上に、アルミニウムや銀(又は銀を含有する合金)などの光反射率の高い金属薄膜からなる多数の信号電極6がストライプ状に設けられている。これら信号電極6は反射層を兼ねており、表示時には偏光板5、位相差板4を介して上側基板3の外方から入射し、液晶層を透過した光が下側基板2の内面に達してこれら信号電極6の表面で反射し、画像表示がなされるようになっている。
【0048】
信号電極6の一端はそのまま電極の延在方向に下側基板2の最端部まで、細く延出形成されており、この信号電極6の一端から延出形成された部分が、信号電極6と駆動用IC10とを電気的に接続する信号電極用引き廻し配線の一部を構成する信号電極用接続配線18となっている。
【0049】
本実施の形態の場合、信号電極用接続配線18は、図3における最上部の信号電極6から順に、信号電極6の左側、右側、左側、…というように交互に反対側の領域に引き出されているため、上下方向に隣接する接続配線間の間隔が広く、接続配線同士が短絡しにくく信頼性が確保されている。しかしながら、特に接続配線間の間隔等に問題がなければ、全ての接続配線を同方向に引き出したり、例えば上側半分の接続配線を左側、下側半分の接続配線を右側と分けて引き出すなど、接続配線の引き出し方向は任意で良い。
【0050】
また、本実施の形態においては、信号電極用接続配線18を信号電極6よりも細く形成しているが、接続配線間の間隔等に問題がなければ、信号電極用接続配線18を信号電極6と同じ幅で形成してもよい。また、各信号電極用接続配線18は、下側基板2の少なくとも側面上に形成られた、図示されていない第1の側面接続部17に電気的に接続されている。
【0051】
また、図3における信号電極形成領域の上方には、多数の走査電極用接続配線21が形成されている。これら走査電極用接続配線21は上側基板3の各走査電極7と電気的に接続されている。
【0052】
本実施の形態の場合、各走査電極用接続配線21の一端は、後述する上下導通部(基板間接続部)19(図示せず)に接する矩形のランド22になっている。また、各走査電極用接続配線21のもう一端は、下側基板2の最端部に位置されていて、下側基板2の少なくとも側面上に形成された第2の側面接続部38(図示せず)に電気的に接続されている。また、これら走査電極用接続配線21も信号電極6と同じアルミニウムなどの材料で形成されている。
【0053】
図4は、図3に示す下側基板2を裏返した状態を示している。
【0054】
図4に示すように、下側基板2の外面上には、図3に示した信号電極用接続配線18に電気的に接続され、下側基板2の少なくとも側面上に形成された第1の側面接続部17(図示せず)に一端が接続され、もう一端が駆動用IC10の実装領域に配設された信号電極用接続配線12が設けられている。
【0055】
また、図3に示した走査電極用接続配線21に電気的に接続され、下側基板2の少なくとも側面上に形成された第2の側面接続部38(図示せず)に一端が接続され、もう一端が駆動用IC10の実装領域に配設された走査電極用接続配線14が設けられている。
【0056】
図4に示すように、下側基板2の周縁部の4辺のうち、3辺(3つの基板辺)に沿って信号電極用接続配線12、走査電極用接続配線14が配置されており、上側基板3の内面に形成された走査電極7との電気的接続がなされる基板辺(走査電極用接続配線14が配置される基板辺)と対向する残りの1辺に沿って多数の外部接続端子26が形成されている。つまり、下側基板2の外面上に形成される外部接続端子26は、上側基板3の内面に形成された走査電極7の延在方向に位置する下側基板2の基板辺に沿って端部で配列形成されている。外部接続端子26は、この液晶表示装置1と駆動用外部回路等をFPCや異方性導電コネクター(又はラバーコネクター)などの接続用部品を用いて接続する際にそのFPCや異方性導電コネクター等の端子と接続するための端子である。そして、これら外部接続端子26の各々から駆動用IC10の実装領域に向けて、駆動用IC10に駆動信号を供給するための信号入力用配線41が設けられている。
【0057】
また、本実施の形態の場合、下側基板2の外面に形成された信号電極用接続配線12、走査電極用接続配線14、外部接続端子26、信号入力用配線41等は全て、内面側の信号電極6、各接続配線18,21等と同じく、アルミニウムや銀、(又は銀を含有する合金)等の材料から形成されている。つまり、上側基板3の内面に形成された走査電極7以外の配線、及び電極は同じ材料から形成されている。
【0058】
なお、下側基板2の外面において、駆動用IC10の実装領域および外部接続端子26の形成領域を除く、配線が露出した領域をポリイミド、レジスト等の樹脂を用いて被覆しておくことが望ましい。このような被覆層を形成すると、信号電極用接続配線12、走査電極用接続配線14、信号入力用配線41等の配線の腐食、断線、ショート等の不具合を防止することができる。
【0059】
図5に示すように、上側基板3の内面上に、ITOなどの透明導電性薄膜からなる多数の走査電極7がストライプ状に設けられている。図5における各走査電極7の長さ方向の(配線形成方向)の端部が上下導通部(基板間接続部)19(図示せず)に接続される部分となる。なお、図示しない上側基板3の外面側は何も形成されていない平坦な面となっている。
【0060】
上記構成の下側基板2と上側基板3を重ね合わせると、図6に示すようになる。図6において、2点鎖線で示した符号27の部材は両基板を接着すると共に液晶層を基板間に封止するためのシール材である。信号電極6と走査電極7が交差する部分が個々の画素8であり、多数の画素8がマトリクス状に配列した領域が表示領域9となっている。
【0061】
本実施の形態の場合、下側基板2の外形よりも上側基板3の外形の方が小さく、下側基板2の周縁部は上側基板3の外側にはみ出している。下側基板2の内面上の各信号電極用接続配線18の一部分は、上側基板3の外側にはみ出して位置している。つまり、各信号電極6から導出される各信号電極用接続配線18はシール材27の形成部を突き抜け、さらに上側基板3の外形(外周)よりも外側に延びて下側基板2の端部にまで形成されている。
【0062】
一方、下側基板2の内面上の各走査電極用接続配線21についても同様に、一部分が上側基板3の外側にはみ出して位置している。また、各走査電極用接続配線21の上下導通部19(図示せず)に接する一方の端部(矩形のランド22の部分)は、シール材27の部分に位置している。
【0063】
図7は図6のA−A’線に沿う断面図、すなわち信号電極6に沿った方向に切断した断面図である。この図に示すように、下側基板2と上側基板3との間にシール材27が挟持され、下側基板2と上側基板3とシール材27とにより密閉された空間に液晶層28が挟持されている。ここでは、液晶層28として例えばSTN(Super Twisted Nematic)液晶等の一般的な液晶を用いることができる。
【0064】
下側基板2の内面上に信号電極6および信号電極6と一体形成された信号電極用接続配線18が形成されるとともに、下側基板2の外面上には信号電極用接続配線12が形成されている。さらに、双方の信号電極用接続配線12,18を電気的に接続するために、下側基板2の少なくとも側面上には、第1の側面接続部17が形成されている。
【0065】
以下、本実施の形態においては、例として、図7に示すように、一端が信号電極用接続配線12に接続され、もう一端が信号電極用接続配線18に接続されるように、下側基板2の側面側にのみ形成された第1の側面接続部17について説明する。
【0066】
また、本実施の形態において、図7に示すように、第1の側面接続部17を覆うように、例えば、断面コ字状の絶縁部材15を1個若しくは複数個設けることが望ましい。
【0067】
図8に、図7の下側基板2を絶縁部材15、第1の側面接続部17が形成された側面側から見たときの斜視図を示している。
【0068】
図8に示すように、下側基板2の内面上、外面上にそれぞれ形成された、各信号電極用接続配線18と12とは、下側基板2の側面側に設けられた第1の側面接続部17を介して電気的に接続されている。
【0069】
なお、図8においては、信号電極用接続配線12,18の幅と、第1の側面接続部17の幅とを同一幅で図示しているが、これに限定されるものではなく、第1の側面接続部17を信号電極用接続配線12,18よりも細く形成するなど、信号電極用接続配線12,18と、第1の側面接続部17とを異なる幅で形成してもよい。
【0070】
また、図8においては、例として、すべての第1の側面接続部17を覆うように配置された、1個の絶縁部材15を設けた場合について図示しているが、これに限定されるものではなく、絶縁部材15はすべての第1の側面接続部17を覆うように配置されればよいので、所定間隔をあけて複数個の絶縁部材15を設けても良い。
【0071】
第1の側面接続部17は、半田、銀、銅などの導電性材料からなる導電部材から構成されていて、信号電極用接続配線12,18が形成された下側基板2の側面上の所定の位置に、ペースト状の導電材料を塗布した後焼成する、あるいは金属箔やピンコネクタを貼着・装着したり、あるいは更に下側基板2の側面の全面に導電材料を成膜した後、フォトリソ加工などによって、所定のパターンに形成する、などの方法により、第1の側面接続部17を形成することができる。
【0072】
また、絶縁部材15としては、例えば、フレキシブルな絶縁性のシートやテープを用いることができる。信号電極用接続配線12,18、第1の側面接続部17を形成した下側基板2の端部の形状に沿うように、1枚又は複数枚の絶縁性のシートやテープを断面コ字状に折り曲げて下側基板2に貼着することによって、容易に絶縁部材15を形成することができる。
【0073】
また、絶縁部材15として、断面コ字状の絶縁性のクリップを用いることもできる。この場合には、信号電極用接続配線12,18、第1の側面接続部17を形成した下側基板2の端部の形状に沿うようにあらかじめ断面コ字状に形成された1個又は複数個の絶縁性のクリップを信号電極用接続配線12,18、第1の側面接続部17を形成した下側基板2の端部にはめ込むことにより、容易に絶縁部材15を形成することができる。
【0074】
また、図7に示すように、下側基板2の外面上に形成された信号電極用接続配線12において、第1の側面接続部17に接続された側と反対側の端部には、駆動用IC10の端子31が接続されている。
【0075】
以上のような配線構造を採ることにより、駆動用IC10から出力された画像信号は、下側基板2の外面上の信号電極用接続配線12、第1の側面接続部17、下側基板2の内面上の信号電極用接続配線18を経由して各信号電極6に供給される。よって、これら下側基板2の外面上の信号電極用接続配線12、第1の側面接続部17、下側基板2の内面上の信号電極用接続配線18が信号電極用引き廻し配線11を構成することになる。
【0076】
図7に示す駆動用IC10の実装形態は、駆動用IC10の表面(端子形成面)側を基板側に向けた、いわゆるフェイスダウン実装(もしくはILB(Inner Lead Bonding)実装)と呼ばれるものであり、例えばマトリクス状に配置された半田ボールが端子31を構成するBGA(Ball Grid Array)型半導体素子やバンプ電極がICの外形周辺部に沿って配置された半導体素子などが用いられる。
【0077】
もしくは、図11に示すように、駆動用IC32の裏面側を下側基板2上に固定し、駆動用IC32表面側の電極パッド33と信号電極用接続配線12とをワイヤー34でボンディングした、いわゆるフェイスアップ実装(もしくはOLB(Outer Lead Bonding)実装)と呼ばれる実装形態により駆動用ICを実装してもよい。
【0078】
また、図7に示すように、上側基板3の内面には多数の走査電極7が形成されている。そして、下側基板2、上側基板3双方の液晶層28に接する最上層には配向膜35,36がそれぞれ形成されている。配向膜35,36はポリイミド等の膜からなり、ラビング等の配向処理が施されたものである。また、下側基板2と上側基板3の間には基板間の間隔(以下、セルギャップという)を一定に保持するためのスペーサ37が散布されている。
【0079】
一方、図9は図6のB−B’線に沿う断面図、すなわち走査電極7に沿った方向に切断した断面図であり、走査電極用引き廻し配線13の構成が示されている。この図に示すように、上側基板3の内面上に、シール材27の上面と走査電極7の端部で接触するように走査電極7が形成されている。また、下側基板2の内面上には、多数の信号電極6が形成されるとともに、シール材27の下面と接触するように走査電極用接続配線21が形成されている。
【0080】
ここで、シール材27の内部には樹脂等のバインダー中に金属粒子、プラスチックボールの表面を金属めっきした粒子等の導電材が混入されており、シール材27の上面および下面にそれぞれ接触した走査電極7と走査電極用接続配線21とが電気的に接続されて上下導通部(基板間接続部)19を構成している。また、下側基板2の外面上には、一端が駆動用IC10の端子31に接続された走査電極用接続配線14が配設されている。
【0081】
さらに、内面側、外面側双方の走査電極用接続配線21,14を電気的に接続するために、下側基板2の少なくとも側面上には、第2の側面接続部38が形成されている。
【0082】
なお、本実施の形態においては、例として、一端が走査電極用接続配線21に接続され、もう一端が走査電極用接続配線14に接続されるように、下側基板2の側面側にのみ形成された第2の側面接続部38について図示している。
【0083】
また、本実施の形態において、第2の側面接続部38を覆うように、例えば、断面コ字状の絶縁部材20を1個若しくは複数個設けることが望ましい。
【0084】
なお、第2の側面接続部38、絶縁部材20の構造は、図8において説明した第1の側面接続部17、絶縁部材15の構造と同様であるので、説明は省略する。
【0085】
以上のような配線構造を採ることにより、駆動用IC10から出力された走査信号は、下側基板2の外面上の走査電極用接続配線14、第2の側面接続部38、下側基板2の内面上の走査電極用接続配線21、上下導通部(基板間接続部)19を経由して各走査電極7に供給される。よって、これら下側基板2の外面上の走査電極用接続配線14、第2の側面接続部38、下側基板2の内面上の走査電極用接続配線21、および上下導通部19が走査電極用引き廻し配線13を構成することになる。
【0086】
なお、シール材27の内部に導電材を混入してこの部分を上下導通部19とすることに代えて、例えば図10に示すように、上側基板2の内面上でシール材27の外側まで走査電極7を延在させ、シール材27の外側の領域の下側基板2、上側基板3間に任意の上下導通材39を形成し、この部分を上下導通部(基板間接続部)40としてもよい。この上下導通材39は、例えば銀ペースト等の印刷により形成することができる。この構成の場合、シール材27の部分では電気的導通がないが、上下導通材39の形成部分で基板間の導通がなされ、導通経路としては図9の配置、及び接続構造とほとんど同様になる。
【0087】
以下、上記構成の液晶表示装置の製造方法について説明する。
【0088】
下側基板2の材料としてポリイミド基板を用意し、基板の表裏両面にアルミニウム等の金属材料からなる導電性薄膜を成膜する。次に、基板両面の導電性薄膜上に感光性レジストを塗布した後、基板両面上にフォトマスクを配置し、同時に露光を行う。次いで、周知のフォトリソグラフィー、エッチング技術を用いて下側基板2の表裏両面の導電性薄膜のパターニングを同時に行うことにより、上述の下側基板2内面側の信号電極6、信号電極用接続配線18、走査電極用接続配線21、外面側の信号電極用接続配線12、走査電極用接続配線14、信号入力用配線41、外部接続端子26等を一括して形成する。
【0089】
次に、下側基板2の側面側の所定の位置に、ペースト状の導電材料を塗布した後焼成する、あるいは金属箔やピンコネクタを貼着する、あるいは下側基板2の側面の全面に導電材料を成膜した後、フォトリソ加工などによって、所定のパターンに形成する、などの方法により、第1の側面接続部17、第2の側面接続部38を形成する。
【0090】
さらに、下側基板2の端部の形状に沿うように、1枚又は複数枚の絶縁性のシートやテープを断面コ字状に折り曲げて下側基板2に貼着する、あるいは下側基板2の端部の形状に沿うようにあらかじめ断面コ字状に形成された1個又は複数個の絶縁性のクリップを下側基板2の端部にはめ込むなどの方法によって、第1の側面接続部17、第2の側面接続部38を覆うように、絶縁部材15、20を形成する。
【0091】
一方、上側基板3の材料としてポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリル系樹脂等の透明基板を用意し、基板の一面(内面となる面)側にITO等の透明性導電膜を成膜する。次いで、周知のフォトリソグラフィー、エッチング技術を用いて透明性導電膜をパターニングし、ストライプ状の走査電極7を形成する。
【0092】
次に、下側基板2、上側基板3双方の内面上にポリイミド等を塗布、焼成した後、ラビング法等による配向処理を施して配向膜35,36をそれぞれ形成する。次いで、下側基板2、上側基板3のいずれか一方の基板上にセルギャップを保持するためのスペーサ37を散布し、シール材27となる樹脂材料を印刷した後、下側基板2と上側基板3とを貼り合わせ、シール材27を硬化させて、空セルを作製する。本実施の形態の場合、シール材27の部分を上下導通部とするためにシール材27となる樹脂材料の中に金属粒子等の導電材を混入させておく。
【0093】
次に、空セル内に、真空注入法等によりシール材の一部に設けられた液晶注入口から液晶を注入し、液晶注入口を封止することで液晶セルが作製される。さらに、上側基板3の外面側に位相差板4、偏光板5を順次貼着した後、下側基板2の外面側にフェイスダウン実装、フェイスアップ実装等の形態で駆動用IC10を実装する。以上の工程により、本実施の形態の液晶表示装置1が完成する。
【0094】
本実施の形態の液晶表示装置1においては、下側基板2の外面上に下側基板2内面の信号電極6および上側基板3内面の走査電極7と電気的に接続され、これら電極に対して信号を供給する駆動用IC10が実装されている。そして、従来の構成では、各電極の引き廻し配線が例えば下側基板の内面上の表示領域の外側に引き廻されていたのに対し、本実施の形態の構成では、信号電極用引き廻し配線11、走査電極用引き廻し配線13の双方が、下側基板2、上側基板3各々の内面側から下側基板2の側面側を通って下側基板2の外面側に引き廻されている。
【0095】
したがって、本実施の形態によれば、従来の構成において下側基板内面の表示領域外側に設けていた引き廻し領域、さらにはFPCや電子部品の実装領域が不要となるので、その分だけ従来に比べて大幅に額縁を狭くすることができる。また、表示領域9内を含めて下側基板2の外面側全面に多数の接続配線をレイアウトすることができ、接続配線間のピッチを余裕を持って設計することができるので、引き廻し抵抗が増大するという問題が生じることもない。
【0096】
また、例えば、下側基板内部にスルーホールなどの孔を設けて、引き廻し配線を下側基板に設けられた孔を通して、下側基板の外面側に引き廻す場合においては、個々の引き廻し配線に対して、下側基板の内部に孔を形成する必要があるため、製造工程が複雑になるが、本実施の形態の液晶表示装置1では、信号電極用引き廻し配線11、走査電極用引き廻し配線13を下側基板2の側面側を通して下側基板2の外面側に引き廻す構成としたので、下側基板2の内部に孔を設けるなどの特殊な処理を施すことなく容易に製造することができる。
【0097】
また、本実施の形態においては、第1の側面接続部17、第2の側面接続部38を覆うように、絶縁部材15、20を設けたことにより、第1の側面接続部17、第2の側面接続部38の腐食などの劣化を防止することができるとともに、外部からの電気的な刺激によって、第1の側面接続部17あるいは第2の側面接続部38が短絡することを防止することができる。
【0098】
なお、本実施の形態においては、信号電極用接続配線12,18(走査電極用接続配線21,14)を下側基板2の面上において、下側基板2の最端部まで延出形成して、第1の側面接続部17(第2の側面接続部38)を下側基板2の側面側にのみ形成したものについてのみ説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0099】
第1の側面接続部17(第2の側面接続部38)は下側基板2の少なくとも側面上に形成されていればよいので、例えば、第1の側面接続部17(第2の側面接続部38)を下側基板2の端部の形状に沿って断面コ字状に形成し、第1の側面接続部17(第2の側面接続部38)を下側基板2の側面側だけでなく、下側基板2の内面側、外面側に形成された信号電極用接続配線12,18(走査電極用接続配線21,14)の端部に一部が重なるように形成しても良い。
【0100】
また、第1の側面接続部17(第2の側面接続部38)と信号電極用接続配線12,18(走査電極用接続配線21,14)とは電気的に接続されていればよいので、信号電極用接続配線12,18(走査電極用接続配線21,14)を下側基板2の面上において、下側基板2の最端部よりも若干内側の位置まで形成して、信号電極用接続配線12,18(走査電極用接続配線21,14)に接触するように、断面コ字状の第1の側面接続部17(第2の側面接続部38)を下側基板2の端部の形状に沿って形成してもよい。
【0101】
また、本実施の形態においては、隣接する第1の側面接続部17間、あるいは隣接する第2の側面接続部38間には特に何も形成しない場合についてのみ説明したが、隣接する第1の側面接続部17間、あるいは隣接する第2の側面接続部38間に絶縁部材を設けてもよく、この場合には、隣接する第1の側面接続部17間、あるいは隣接する第2の側面接続部38間のショートを防止することができる。
【0102】
また、本実施の形態で下側基板2の材料にポリイミドを用いたように、下側基板2は必ずしも透明基板である必要はないため、液晶表示装置の基板材料として従来から一般的なガラス、石英等の透明基板の他、ポリイミド等の樹脂基板、セラミック基板等を用いることもでき、下側基板2の材料選択の自由度が向上する。例えば下側基板2にセラミック基板を用いた場合、下側基板2の剛性が向上するので、基板の変形が生じにくくなり、セルギャップの均一性、ひいては表示の均一性に優れた液晶表示装置が得られる。また、上下の基板ともにプラスチックフィルム基板等の可撓性を有する基板で構成しても良い。この構成にすると、液晶表示装置の薄型化、軽量化が図れる、基板の割れ等の破損が生じにくくなる、基板を湾曲させることで曲面表示が可能になる、等の利点が得られ、携帯機器等の電子機器に好適なものとなる。
【0103】
また、下側基板2外面の周縁部に外部接続端子26が設けられているので、駆動用IC10に駆動信号を供給するためのFPCなどをさらに実装するような場合、外部接続端子26とFPCの端子を接続する際の位置合わせを容易に行うことができる。また、FPC接合時もしくは接合後、接合部分に応力が発生する場合があるが、その位置が表示領域9から外れた基板周縁部であれば、前記応力が表示に悪影響を及ぼすこともない。
【0104】
また、本実施の形態では、上述したように、下側基板2の内面側の信号電極6等と外面側の各種接続配線等をアルミニウムなどの同じ材料で構成したため、製造工程の簡略化を図ることができたが、下側基板2の内面側の信号電極6等と外面側の各種接続配線等を異なる材料で形成してもよい。例えば、内面側の信号電極6には光反射率の高い銀(又は銀を含有する合金)、アルミニウム等の金属材料を用い、外面側の接続配線には低抵抗材料である銅等の金属材料を用いるようにしても良い。このようにすると、製造工程の簡略化という上記の利点は得られない代りに、引き廻し抵抗のより一層の低減を図ることができる。
【0105】
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態を図12〜図14を参照して説明する。
【0106】
本実施の形態も第1の実施の形態と同様、本発明の液晶装置をパッシブマトリクス型液晶表示装置に適用した例であって、光反射部を兼ねた表示電極、いわゆる反射電極を有する液晶表示装置の例である。第1の実施の形態と異なる点は、下側基板の少なくとも側面上に設ける側面接続部及び絶縁部材の構造のみである。本実施の形態の液晶表示装置の概略構成は第1の実施の形態と共通であるため、共通な構成については図示および説明を省略する。
【0107】
図12は第1の実施の形態の図7(図6のA−A’線に沿う断面図)に対応する断面図、図13は第1の実施の形態の図9(図6のB−B’線に沿う断面図)に対応する断面図である。また、図14は本実施の形態の液晶表示装置の側面接続部、絶縁部材の構造を示す部分斜視図である。
【0108】
なお、これらの図面において、図1〜図9と共通の構成要素については同一の符号を付す。
【0109】
第1の実施の形態においては、図7〜9に示したように、下側基板2の少なくとも側面上に第1の側面接続部17(第2の側面接続部38)を形成し、さらに第1の側面接続部17(第2の側面接続部38)を覆うように、絶縁部材15(20)を設けたのに対し、本実施の形態の液晶表示装置50においては、図12、13に示すように、信号電極用接続配線12,18(走査電極用接続配線14,21)を電気的に接続するために、下側基板2の少なくとも側面に、図14に示すような、少なくとも下側基板2の側面に面する面上に第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)が形成された絶縁部材24(25)を取り付ける構成としている。
【0110】
第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)及び絶縁部材24(25)の構造の一例について説明する。なお、第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)は信号電極用接続配線12,18(走査電極用接続配線14,21)を電気的に接続するために、下側基板2の少なくとも側面上に配置されるように絶縁部材24(25)の面上に設けられればよい。例えば、断面コの字状の絶縁性の弾性部材であって、少なくとも下側基板2の面に接する内面側に、内外面上の両接続配線に対応して両配線を電気的に接続する複数の導電層(又は導電部)を有したゼブラコネクタを用いてもよく、本発明は以下に記載の例に限定されるものではない。
【0111】
絶縁部材24(25)は、絶縁性のシート又はテープ、あるいは絶縁性のクリップなどから構成されていて、例えば、図12〜図14に示すように、下側基板2の端部の形状に沿って、断面コ字状に形成され下側基板2の側面を覆って勘合・装着されている。また、絶縁部材24(25)において、下側基板2に面する側の面上に、例えば絶縁部材24(25)の形状に沿って断面コ字状に第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)が形成されている。
【0112】
絶縁部材24(25)としてフレキシブルなシート又はテープを用いる場合には、絶縁性を有する平坦なシート又はテープの面上に、フォトリソグラフィー法などにより、所定のパターンの第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)を形成した後、下側基板2の端部の形状に沿うように、シート又はテープを折り曲げて、下側基板2に貼着することにより、容易に絶縁部材24(25)、第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)を形成することができる。
【0113】
また、絶縁部材24(25)として絶縁性のクリップを用いる場合には、あらかじめ下側基板2の端部の形状に沿うように形成された断面コ字状の絶縁性のクリップの面上の所定の位置に、所定のパターンの第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)を形成した後、絶縁性のクリップを下側基板2の端部に取り付けることにより、容易に絶縁部材24(25)、第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)を形成することができる。
【0114】
本実施の形態において、下側基板2の外面上の信号電極用接続配線12、第1の側面接続部16、下側基板2の内面上の信号電極用接続配線18が信号電極用引き廻し配線(第1の引き廻し導電部)43を構成している。また、下側基板2の外面上の走査電極用接続配線14、第2の側面接続部23、下側基板2の内面上の走査電極用接続配線21、および上下導通部19が走査電極用引き廻し配線(第2の引き廻し導電部)45を構成している。
【0115】
本実施の形態の液晶表示装置50においても、下側基板2の少なくとも側面上に第1の側面接続部16、第2の側面接続部23を設け、信号電極6、走査電極7それぞれの引き廻し配線43,45を下側基板2の外面側に引き廻し、駆動用IC10を実装したことにより狭額縁化を図ることができる、という第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0116】
さらに、本実施の形態においては、絶縁部材24(25)の面上に所定のパターンの第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)を形成した後、第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)を形成した絶縁部材24(25)を下側基板2の端部に取り付ける構成としたので、容易に絶縁部材24(25)で保護された第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)を形成することができる。したがって、下側基板の少なくとも側面上に第1の側面接続部(第2の側面接続部)を形成して、さらに第1の側面接続部(第2の側面接続部)を覆うように絶縁部材を設けた第1の実施の形態に比較して、製造工程を簡略化することができる。
【0117】
また、絶縁部材24(25)として、フレキシブルなシートやテープを用いる場合には、平坦な絶縁部材24(25)の面上に所定のパターンの第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)を形成すればよいので、下側基板の側面に第1の側面接続部(第2の側面接続部)を形成した第1の実施の形態に比較して、微細なパターンの第1の側面接続部16(第2の側面接続部23)を容易に形成することができる。
【0118】
[第3の実施の形態]
以下、本発明の第3の実施の形態を図15、図16を参照して説明する。
【0119】
本実施の形態も第1、第2の実施の形態と同様、本発明の液晶装置をパッシブマトリクス型液晶表示装置に適用した例であって、光反射部を兼ねた表示電極、いわゆる反射電極を有する液晶表示装置の例である。そして、本実施の形態の液晶表示装置は下側基板にカラーフィルターを備え、反射型カラー液晶表示装置を実現した例である。
【0120】
本実施の形態の液晶表示装置の概略構成は第1、第2の実施の形態と共通であるため、共通な構成については図示および説明を省略する。図15は第1の実施の形態の図7(図6のA−A’線に沿う断面図)に対応する断面図、図16は第1の実施の形態の図9(図6のB−B’線に沿う断面図)に対応する断面図である。なお、これらの図面において、図7、図9と共通の構成要素については同一の符号を付す。
【0121】
本実施の形態の液晶表示装置52においては、図15および図16に示すように、下側基板2の信号電極6を覆うように表示領域全域に絶縁膜53が形成され、その絶縁膜53上にカラーフィルター54が形成されている。カラーフィルター54は、各画素に対応して形成された赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色材層55と、金属膜、ブラックレジスト等からなる格子状の遮光膜56(ブラックマトリクス)とから構成されている。そして、カラーフィルター54上に配向膜35が形成されている。信号電極6、走査電極7等の電極構成、信号電極用引き廻し配線11、走査電極用引き廻し配線13等の配線構成に関しては、上記第1の実施の形態と全く同様である。
【0122】
本実施の形態の液晶表示装置52においても、下側基板2の少なくとも側面上に第1の側面接続部17、第2の側面接続部38を設け、信号電極6、走査電極7それぞれの引き廻し配線11,13を下側基板2の外面側に引き廻し、駆動用IC10を実装したことにより狭額縁化を図ることができる、という第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0123】
さらに、本実施の形態の液晶表示装置においては、下側基板2の内面上にカラーフィルター54を備えているので、狭額縁による小型化が図れるとともに、表示品質の高いカラー液晶表示装置を実現することができ、今後、カラー化がさらに進むことが予想される携帯電子機器等に好適なものとなる。なお、本実施の形態においては、カラーフィルターを下側基板側に形成しているが、上側基板側に形成しても良く、その効果には何ら支障をきたすものではない。
【0124】
また、本実施の形態における第1の側面接続部17、第2の側面接続部38、絶縁部材15、20の代わりに、第2の実施の形態において示した第1の側面接続部16、第2の側面接続部23、絶縁部材24、25を設けても同等の効果を得ることができる。
【0125】
[第4の実施の形態]
以下、本発明の第4の実施の形態を図17、図19を参照して説明する。
【0126】
本実施の形態も第1〜第3の実施の形態と同様、本発明の液晶装置をパッシブマトリクス型液晶表示装置に適用した例である。しかしながら、第1〜第3の実施の形態が反射電極を有するタイプの反射型液晶表示装置の例であったのに対して、本実施の形態の液晶表示装置は反射層と表示電極とを別個に有するタイプの反射型液晶表示装置の例である。
【0127】
本実施の形態の液晶表示装置の全体構成は第1、第2の実施の形態と共通であるため、共通な構成については図示および説明を省略する。図17は第1の実施の形態の図7(図6のA−A’線に沿う断面図)に対応する断面図、図19は第1の実施の形態の図9(図6のB−B’線に沿う断面図)に対応する断面図である。なお、これらの図面において、図7、図9と共通の構成要素については同一の符号を付す。
【0128】
本実施の形態の液晶表示装置58においては、図17および図19に示すように、下側基板2上の表示領域全域にアルミニウム、銀(又は銀を含有する合金)等の光反射率の高い金属薄膜からなる反射層59が形成されている。そして、この反射層59を覆うように絶縁膜60が形成され、その絶縁膜60上に多数の信号電極6がストライプ状に形成されている。信号電極6は、絶縁膜60および反射層59の形成領域外では下側基板2上に直接形成された状態となっているため、下側基板2の側面の部分の接続構造は第1の実施の形態と全く同様である。
【0129】
また、図18に示すように、信号電極用接続配線18は反射層59を形成する際に同時に形成され、少なくとも表示領域内の反射層59表面に絶縁膜59が形成され、絶縁膜60上に多数の信号電極6がストライプ状に形成され、信号電極6は延伸され信号電極用接続配線18と電気的に導通された構成としても良い。
【0130】
本実施の形態の場合、信号電極6は光反射層を兼ねておらず、信号電極6の下方に反射層59が別個に形成されている。したがって、表示時には上側基板3の外方から入射し、液晶層28を透過した光が反射層59の表面で反射し、画像表示がなされるようになっているので、反射層59の上方に位置する信号電極6は透明でなければならない。したがって、本実施の形態では、信号電極6は上側基板3の走査電極7と同様、ITO等の透明性導電膜で形成されている。また第1の実施の形態と同様、図19に示すように、下側基板2の内面上には、シール材27の部分の上下導通部19と第1の側面接続部38とを電気的に接続する走査電極用接続配線21が設けられているが、この走査電極用接続配線21は、反射層59と同じ材料であるアルミニウム、銀(銀を含有する合金)等の金属膜で形成してもよいし、信号電極6と同じ材料であるITO等の透明性導電膜で形成してもよい。いずれにしろ、反射層59または信号電極6と同じ材料を用いる限り、製造工程が増えることはない。
【0131】
一方、下側基板2の外面側には、信号電極用接続配線12、走査電極用接続配線14、信号入力用配線41等が設けられており、これら配線の引き廻しについては第1の実施の形態と同様であるが、配線の材料としては銅等の低抵抗金属材料が用いられている。
【0132】
本実施の形態の液晶表示装置58においても、下側基板2の側面側に第1の側面接続部17、第2の側面接続部38を設け、信号電極6、走査電極7それぞれの引き廻し配線11,13を下側基板2の外面側に引き廻し、駆動用IC10を実装したことにより狭額縁化を図ることができる、という第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0133】
さらに本実施の形態の場合、反射層59と信号電極6とを別個に設けているため、反射層として必要な特性と信号電極として必要な特性を分けて考えることができ、特に信号電極6の設計の自由度を上げることができる。しかも本実施の形態の場合、下側基板2外面の各種接続配線等には銅等の低抵抗金属材料を用いたため、内面側の導電層材料と異なることで製造プロセスが若干複雑にはなるものの、引き廻し抵抗が低減し、表示品質の向上を図ることができる。
【0134】
なお、本実施の形態における第1の側面接続部17、第2の側面接続部38、絶縁部材15、20の代わりに、第2の実施の形態において示した第1の側面接続部16、第2の側面接続部23、絶縁部材24、25を設けても同等の効果を得ることができる。
【0135】
[第5の実施の形態]
以下、本発明の第5の実施の形態を図20を参照して説明する。
【0136】
上記第1〜第4の実施の形態ではパッシブマトリクス型液晶表示装置の例を示したが、本実施の形態では、TFDをスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス方式の反射型液晶表示装置への本発明の適用例を示す。図20(a)は本実施の形態の液晶表示装置の全体構成を示す斜視図であり、図20(b)は図20(a)における一画素の拡大図である。
【0137】
本実施の形態の液晶表示装置61は、図20(a)に示すように、2枚の基板、すなわちTFD素子が形成された側の素子基板62(第1の基板)と対向基板63(第2の基板)とが対向配置され、これら基板間に液晶(図示略)が封入されている。なお、図示は省略するが、実際には液晶と接する各基板の内面には配向膜が形成されている。
【0138】
素子基板62の内面側には、多数のデータ線64(第1の導電部)が設けられており、各データ線64に対して多数の画素電極65がTFD素子66を介して接続されている。一方、対向基板63の内面側には、短冊状の多数の走査線67(第2の導電部)がデータ線に交差する方向に形成されている。
【0139】
また、素子基板62の外面には、データ線用接続配線および走査線用接続配線(いずれも図示略)が設けられ、データ線64、走査線67をそれぞれ駆動するデータ線駆動回路、走査線駆動回路(いずれも図示略)がそれぞれ形成されている。
【0140】
TFD素子66は、図20(b)に示すように、例えばタンタル膜からなる第1の導電膜68と、第1の導電膜68の表面に陽極酸化によって形成されたタンタル酸化膜からなる絶縁膜69と、絶縁膜69の表面に形成されたクロム、アルミニウム、チタン、モリブデン等の金属膜からなる第2の導電膜70とから構成されている。そして、TFD素子66の第1の導電膜68がデータ線64に接続され、第2の導電膜70が画素電極65に接続されている。本実施の形態の場合、画素電極65が光反射層を兼ねる反射電極であり、アルミニウム等の光反射率の高い金属薄膜から形成されている。もしくは、第4の実施の形態のように、画素電極65をITO等の透明性導電膜で形成し、画素電極65の下方に反射層を別個に形成してもよい。一方、対向基板63の内面の走査線67は、ITO等の透明性導電膜で形成されている。
【0141】
そして、本実施の形態の液晶表示装置61の場合、素子基板62の内面の各データ線64の一端が素子基板62の最端部にまで延出形成され、素子基板62の少なくとも側面上に設けられた第1の側面接続部(図示略)に電気的に接続されている。液晶表示装置61の第1の側面接続部の近傍部分の断面構造は、第1の実施の形態の図7において、信号電極6を本実施の形態のデータ線64に置き換えたものと同様になる。
【0142】
すなわち、素子基板62の内面上にデータ線64が形成される一方、素子基板62の外面上にはデータ線用接続配線が形成され、双方のデータ線用接続配線は素子基板62の少なくとも側面上に設けられた第1の側面接続部を介して電気的に接続されている。そして、素子基板62の外面側に形成されたデータ線用接続配線の他端には駆動用IC(図示略)が接続されている。
【0143】
以上のような配線構造を採ることにより、駆動用ICから出力された画像信号は、素子基板62の外面上のデータ線用接続配線、第1の側面接続部、素子基板62の内面上のデータ線用接続配線を経由して各データ線64に供給される。つまり、これら素子基板62の外面上のデータ線用接続配線、第1の側面接続部、素子基板62の内面上のデータ線用接続配線が、データ線用引き廻し配線を構成することになる。
【0144】
一方、対向基板63の走査線67側については、シール材(図示略)の上面と接触するように走査線67が形成されている。シール材中には金属粒子等の導電材が混入されており、シール材の上面および下面が電気的に接続されて上下導通部(基板間接続部)を構成している。
【0145】
素子基板62の上下導通部の下部にあたる部分はランド(図示略)が形成されており、ランドから走査線用接続配線(図示略)が素子基板62の最端部にまで延出形成されていて、この走査線用接続配線が、素子基板62の外面に設けられた走査線用接続配線に、素子基板62の少なくとも側面上に設けられた第2の側面接続部(図示略)を介して電気的に接続されている。また、素子基板62の外面上に形成された走査線用接続配線の他端には駆動用ICが接続されている。
【0146】
以上のような配線構造を採ることにより、駆動用ICから出力された走査信号は、素子基板62の外面上の走査線用接続配線、第2の側面接続部、素子基板62の内面上の走査線用接続配線、上下導通部を経由して対向基板63上の各走査線67に供給される。つまり、これら素子基板62の外面上の走査線用接続配線、第2の側面接続部、素子基板62の内面上の走査線用接続配線、および上下導通部が走査線用引き廻し配線を構成することになる。
【0147】
なお、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、第1の側面接続部、第2の側面接続部を覆うように、絶縁部材を設けることが望ましい。あるいは、第2の実施の形態と同様に、素子基板62の少なくとも側面に、少なくとも素子基板62の側面に面する面上に第1の側面接続部、第2の側面接続部が形成された絶縁部材を取り付ける構成とすることが望ましい。このような構成にすることにより、第1の側面接続部、第2の側面接続部の腐食などの劣化を防止することができるとともに、外部からの電気的な刺激によって、第1の側面接続部あるいは第2の側面接続部が短絡することを防止することができる。
【0148】
本実施の形態はTFD素子を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置の例であるが、この場合も上記第1〜第4の実施の形態のパッシブマトリクス型液晶表示装置の例と同様の効果を得ることができる。すなわち、素子基板62の内面の表示領域外部に引き廻し配線を配置するスペースが要らなくなり、しかもTFDアクティブマトリクス型液晶表示装置に必要なデータ線駆動回路、走査線駆動回路等の形成領域を素子基板62の外面側に配置できるので、大幅な狭額縁化を図ることができる。また、素子基板62の外面側全域を引き廻し配線のためのスペースとできるので、充分な配線ピッチを確保することができ、引き廻し抵抗の増大を招くこともない。
【0149】
さらに、例えば、素子基板内部にスルーホールなどの孔を設けて、引き廻し配線を素子基板に設けられた孔を通して、素子基板の外面側に引き廻す場合においては、個々の引き廻し配線に対して、素子基板の内部に孔を形成する必要があるため、製造工程が複雑になるが、本実施の形態の液晶表示装置61では、引き廻し配線を素子基板62の側面側を通して素子基板61の外面側に引き廻す構成としたので、素子基板62の内部に孔を設けるなどの特殊な処理を施すことなく容易に製造することができる。
【0150】
[第6の実施の形態]
以下、本発明の第6の実施の形態を図21を参照して説明する。
【0151】
本実施の形態では、TFTをスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス方式の反射型液晶表示装置への本発明の適用例を示す。図21(a)は本実施の形態の液晶表示装置の全体構成を示す斜視図であり、図21(b)は図21(a)における一画素の拡大図である。
【0152】
本実施の形態の液晶表示装置73は、図21(a)に示すように、TFD型液晶表示装置の第5の実施の形態とほぼ同様の構成を有している。すなわち、TFT素子が形成された側の素子基板74(第1の基板)と対向基板75(第2の基板)とが対向配置され、これら基板間に液晶(図示略)が封入されている。
【0153】
素子基板74の内面側には、多数のソース線76(データ線、第1の導電部)および多数のゲート線77(走査線、第1の導電部)が互いに交差するように格子状に設けられている。各ソース線76と各ゲート線77の交差点の近傍にはTFT素子78が形成されており、各TFT素子78を介して画素電極79が接続されている。一方、対向基板75の内面側全面には、表示領域に対応して共通電極80(第2の導電部)が形成されている。
【0154】
また、素子基板74の外面にはソース線用接続配線およびゲート線用接続配線(いずれも図示略)が設けられ、ソース線76、ゲート線77をそれぞれ駆動するソース線駆動回路、ゲート線駆動回路(いずれも図示略)がそれぞれ形成されている。
【0155】
TFT素子78は、図21(b)に示すように、ゲート線77から延びるゲート電極81と、ゲート電極81を覆う絶縁膜(図示略)と、絶縁膜上に形成された多結晶シリコン、アモルファスシリコン等からなる半導体層82と、半導体層82中のソース領域に接続されたソース線76から延びるソース電極83と、半導体層82中のドレイン領域に接続されたドレイン電極84とを有している。そして、TFT素子78のドレイン電極84が画素電極79に接続されている。
【0156】
本実施の形態の場合も第5の実施の形態と同様、画素電極79が光反射層を兼ねる反射電極であり、アルミニウム等の光反射率の高い金属薄膜から形成されている。もしくは、第4の実施の形態のように、画素電極79をITO等の透明性導電膜で形成し、画素電極79の下方に反射層を別個に形成してもよい。一方、対向基板75側の共通電極80は、ITO等の透明性導電膜で形成されている。
【0157】
そして、本実施の形態の液晶表示装置73の場合、素子基板74の内面の各ソース線76の一端が素子基板74の最端部にまで延出形成され、素子基板74の少なくとも側面上に設けられた第1の側面接続部85に電気的に接続されている。同様に、各ゲート線77の一端も素子基板74の最端部にまで延出形成され、素子基板74の少なくとも側面上に設けられた第1の側面接続部(図示略)に電気的に接続されている。
【0158】
液晶表示装置73の第1の側面接続部の近傍部分の断面構造は、第1の実施の形態の図7において、信号電極6を本実施の形態のソース線76もしくはゲート線77に置き換えたものと同様になる。
【0159】
すなわち、素子基板74の内面上にソース線76が形成される一方、素子基板74の外面上にはソース線用接続配線が形成され、双方のソース線用接続配線は素子基板74の少なくとも側面上に設けられた第1の側面接続部85を介して電気的に接続されている。そして、素子基板74の外面上に形成されたソース線用接続配線の他端には駆動用IC(図示略)が接続されている。
【0160】
以上のような配線構造を採ることにより、駆動用ICから出力された画像信号は、素子基板74の外面上のソース線用接続配線、第1の側面接続部85、素子基板74の内面上のソース線用接続配線を経由して各ソース線76に供給される。よって、これら素子基板74の外面上のソース線用接続配線、第1の側面接続部85、素子基板74の内面上のソース線用接続配線が、ソース線用引き廻し配線を構成することになる。
【0161】
ゲート線側も同様の配線構造を採っており、駆動用ICから出力された走査信号は、素子基板74の外面上のゲート線用接続配線、第1の側面接続部、素子基板74の内面上のゲート線用接続配線を経由して各ゲート線77に供給される。よって、これら素子基板74の外面上のゲート線用接続配線、第1側面接続部、素子基板74の内面上のゲート線用接続配線が、ゲート線用引き廻し配線を構成することになる。
【0162】
一方、対向基板75の共通電極80については、共通電極80の一部がシール材(図示略)の上面と接触するように形成されている。シール材中には金属粒子等の導電材が混入されており、シール材の上面および下面が電気的に接続されて上下導通部(基板間接続部)を構成する。
【0163】
素子基板74の上下導通部の下部にあたる部分はランド(図示略)が形成されており、ランドから素子基板74の最端部にまで共通電極用接続配線が形成されていて、この共通電極用接続配線は、素子基板74の外面に設けられた共通電極用接続配線に、素子基板74の少なくとも側面上に設けられた第2の側面接続部を介して電気的に接続されている。共通電極用接続配線は素子基板74の外面側の任意の箇所で接地されている。
【0164】
なお、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、第1の側面接続部、第2の側面接続部を覆うように、絶縁部材を設けることが望ましい。あるいは、第2の実施の形態と同様に、素子基板74の少なくとも側面に、少なくとも素子基板74の側面に面する面上に第1の側面接続部、第2の側面接続部が形成された絶縁部材を取り付ける構成とすることが望ましい。このような構成にすることにより、第1の側面接続部、第2の側面接続部の腐食などの劣化を防止することができるとともに、外部からの電気的な刺激によって、第1の側面接続部あるいは第2の側面接続部が短絡することを防止することができる。
【0165】
本実施の形態はTFT素子を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置の例であるが、この場合も上記第5の実施の形態のアクティブマトリクス型液晶表示装置の例と同様の効果を得ることができる。
【0166】
すなわち、素子基板74の内面の表示領域外部に引き廻し配線を配置するスペースが要らなくなり、しかもTFTアクティブマトリクス型液晶表示装置に必要なソース線駆動回路、ゲート線駆動回路等の駆動回路形成領域を素子基板74の外面側に配置できるので、大幅な狭額縁化を図ることができる。また、素子基板74の外面側全域を引き廻し配線のためのスペースとできるので、充分な配線ピッチを確保することができ、引き廻し抵抗の増大を招くこともない。
【0167】
さらに、例えば、素子基板内部にスルーホールなどの孔を設けて、引き廻し配線を素子基板に設けられた孔を通して、素子基板の外面側に引き廻す場合においては、個々の引き廻し配線に対して、素子基板の内部に孔を形成する必要があるため、製造工程が複雑になるが、本実施の形態の液晶表示装置73では、引き廻し配線を素子基板74の側面側を通して素子基板74の外面側に引き廻す構成としたので、素子基板74の内部に孔を設けるなどの特殊な処理を施すことなく容易に製造することができる。
【0168】
第1〜第6の実施の形態においては、本発明を反射型液晶表示装置に適用した例であるが、本発明は反射型液晶装置に限定されるものではなく、透過型液晶装置あるいは半透過反射型液晶装置などいかなる液晶装置にも適用することができる。
【0169】
以下に、第7の実施の形態において、本発明を透過型液晶装置に適用した例について説明する。なお、第1〜第6のいずれの実施の形態についても透過型液晶表示装置に適用することができるが、例として、第1の実施の形態を透過型液晶表示装置に適用した例について説明する。
【0170】
[第7の実施の形態]
以下、本発明の第7の実施の形態を図22〜図24を参照して説明する。
【0171】
本実施の形態は先に述べたように、第1の実施の形態を透過型液晶表示装置に適用した例であり、本発明をパッシブマトリクス型の透過型液晶表示装置に適用した例である。
【0172】
第1の実施の形態と大きく異なる点は、駆動用ICの形成位置が異なる点、及び信号電極、信号電極用接続配線、走査電極用接続配線、信号入力用配線をすべて透明導電性材料で構成した点である。
【0173】
このように、本実施の形態の液晶表示装置の概略構成は第1の実施の形態と共通であるため、共通な構成については図示および説明を省略する。
【0174】
図22は、第1の実施の形態の図1に対応する図であって、本実施の形態の液晶表示装置全体を上面側から見たときの斜視図である。図23は第1の実施の形態の図2に対応する図であって、本実施の形態の液晶表示装置全体を下面側から見た斜視図、図24は第1の実施の形態の図9に対応する図であって、図23のB−B’線に沿う断面図である。なお、これらの図面において、図1〜図9と共通の構成要素については同一の符号を付す。
【0175】
第1の実施の形態においては、図1に示したように、液晶表示装置1の上側基板3の外面側にのみ、位相差板4、偏光板5が設けられていたのに対し、本実施の形態の液晶表示装置90においては、図22に示すように、下側基板2と上側基板3の両方の外面側に位相差板(図示略)と偏光板(偏光手段)91、92とが設けられている。さらに、下側基板2の外面側に設けられた偏光板91の図示下方にバックライト(照明手段)88が取り付けられている。なお、図23、24では、偏光板91、92、バックライト88の図示を省略する。
【0176】
また、第1の実施の形態においては、図2に示したように、駆動用IC10は下側基板2の外面上において、表示領域9内に設けられていたが、本実施の形態の液晶表示装置90は透過型液晶表示装置であるから、表示領域9内に駆動用IC10を配置することはできず、図23に示すように、下側基板2の1辺側が上側基板3の外側、すなわち非表示領域に延び、この部分に駆動用IC10が実装されている。
【0177】
また、図24は本実施の形態の液晶表示装置90を走査電極7に沿った方向に切断した断面図であり、走査電極用引き廻し配線13の構成が示されている。なお、走査電極用引き廻し配線13の配線構造は第1の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。また、信号電極用引き廻し配線については図示を省略しているが、信号電極用引き廻し配線の配線構造は、第1の実施の形態において図7に示した信号電極用引き廻し配線11と同一であるので、図示及び説明は省略する。
【0178】
図24に示すように、駆動用IC10は、下側基板2の外面上において、非表示領域内に設けられていて、図24では、例として、駆動用IC10をシール材27よりも外側の領域に設けた場合について図示している。
【0179】
また、第1の実施の形態においては、信号電極6、信号電極用接続配線18,12、走査電極用接続配線21,14、信号入力用配線41をアルミニウムなどの不透明な材料で構成したが、本実施の形態の液晶表示装置90は透過型液晶表示装置であるから、表示領域9内の電極、配線を透明導電材料で構成する必要がある。さらに、表示領域9外であっても表示領域9内に形成された電極や配線に接続された配線については、表示領域9内の電極、配線と一体形成して工程を簡略化するために、透明導電材料で構成することが望ましい。
【0180】
すなわち、本実施の形態において、信号電極6、信号電極用接続配線18,12、走査電極7、走査電極用接続配線21,14、信号入力用配線41をすべてITOなどの透明導電材料で構成している。
【0181】
また、本実施の形態において、第1の側面接続部17、第2の側面接続部38及び絶縁部材15,20の構造は第1の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
【0182】
本実施の形態はパッシブマトリクス型の透過型液晶表示装置の例であるが、この場合も第1の実施の形態のパッシブマトリクス型の反射型液晶表示装置の例と同様の効果を得ることができる。
【0183】
すなわち、本実施の形態によれば、従来の構成において下側基板内面の表示領域外側に設けていた引き廻し領域、さらにはFPCや電子部品の実装領域が不要となるので、その分だけ従来に比べて大幅に額縁を狭くすることができる。また、表示領域9内を含めて下側基板2の外面側全面に多数の接続配線をレイアウトすることができ、接続配線間のピッチを余裕を持って設計することができるので、引き廻し抵抗が増大するという問題が生じることもない。
【0184】
さらに、例えば、下側基板内部にスルーホールなどの孔を設けて、引き廻し配線を下側基板に設けられた孔を通して、下側基板の外面側に引き廻す場合においては、個々の引き廻し配線に対して、下側基板の内部に孔を形成する必要があるため、製造工程が複雑になるが、本実施の形態の液晶表示装置90では、信号電極用引き廻し配線11、走査電極用引き廻し配線13を下側基板2の側面側を通して下側基板2の外面側に引き廻す構成としたので、下側基板2の内部に孔を設けるなどの特殊な処理を施すことなく容易に製造することができる。
【0185】
また、本実施の形態においても、第1の側面接続部17、第2の側面接続部38を覆うように、絶縁部材15、20を設けたことにより、第1の側面接続部17、第2の側面接続部38の腐食などの劣化を防止することができるとともに、外部からの電気的な刺激によって、第1の側面接続部17あるいは第2の側面接続部38が短絡することを防止することができる。
【0186】
[電子機器]
上記実施の形態の液晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
【0187】
図25は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図25において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0188】
図26は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図26において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0189】
図27は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図27において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0190】
図25〜図27に示す電子機器は、上記実施の形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を備えているので、狭額縁化による小型の液晶パネルを備えたことにより装置全体が小型である割に表示領域が広く、携帯性に優れた電子機器を実現することができる。
【0191】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば第1、第2の実施の形態では反射電極を有するパッシブマトリクス型液晶表示装置において側面接続部、絶縁部材の構成が異なる例、第3の実施の形態ではカラーフィルターを備えた液晶表示装置の例、第4の実施の形態では反射層と表示電極を別個に有する液晶表示装置の例、第5の実施の形態ではTFDアクティブマトリクス型液晶表示装置の例、第6の実施の形態ではTFTアクティブマトリクス型液晶表示装置の例、第7の実施の形態ではパッシブマトリクス型の透過型液晶表示装置の例をそれぞれ説明したが、これら実施の形態の特徴点を適宜組み合わせたものであってもよい。
【0192】
また、上記実施の形態で例示した各液晶表示装置の構成材料、形状、製造方法等の具体的な記載に関しては、適宜変更が可能なことは勿論である。また、本発明の液晶装置は、直視型のみならず、投射型液晶装置(プロジェクタ)の液晶ライトバルブに適用することもできる。
【0193】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の液晶装置の構成によれば、従来、基板内面の表示領域外側に設けていた引き廻し領域やFPC、電子部品等の実装領域が不要となるので、従来に比べて大幅に額縁部分を狭くすることができる。また、表示領域内を含めて第1の基板の外面側全域に引き廻し導電部をレイアウトすることができ、引き廻し導電部間のピッチを余裕を持って設計することができ、引き廻し抵抗が増大するという問題が生じることもない。さらに、基板材料の選択の自由度が向上すると同時に、一方の基板が駆動回路の搭載基板としても機能するため、接続用部品の削減を図ることもできる。
【0194】
さらに、例えば、第1の基板内部にスルーホールなどの孔を設けて、引き廻し導電部を第1の基板に設けられた孔を通して、第1の基板の外面側に引き廻す場合においては、個々の引き廻し導電部に対して、第1の基板の内部に孔を形成する必要があるため、製造工程が複雑になるが、本発明の液晶装置では、引き廻し導電部を第1の基板の側面側を通して第1の基板の外面側に引き廻す構成としたので、第1の基板の内部に孔を設けるなどの特殊な処理を施すことなく容易に製造することができる。
【0195】
また、このように、狭額縁による小型の液晶装置を備えたことにより、装置全体が小型である割に表示領域が広く、携帯性に優れた電子機器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置全体を上面側から見た斜視図である。
【図2】 同、液晶表示装置を下面側から見た斜視図である。
【図3】 同、液晶表示装置を構成する下側基板の上面(電極形成面)図である。
【図4】 同、下側基板を下面側から見た透過平面図である。
【図5】 同、液晶表示装置を構成する上側基板の下面(電極形成面)図である。
【図6】 同、上側基板と下側基板とを重ね合わせた状態を示す透過平面図である。
【図7】 同、液晶表示装置の断面構造を示す図であって、図6のA−A’線に沿う断面図である。
【図8】 同、液晶表示装置の側面接続部及び絶縁部材の構造を示す部分斜視図である。
【図9】 同、液晶表示装置の断面構造を示す図であって、図6のB−B’線に沿う断面図である。
【図10】 同、液晶表示装置の上下導通部の他の例を示す断面図である。
【図11】 同、液晶表示装置の駆動用ICの実装形態の他の例を示す断面図である。
【図12】 本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置の断面構造を示す図であって、図6のA−A’線に相当する断面図である。
【図13】 同、液晶表示装置の断面構造を示す図であって、図6のB−B’線に相当する断面図である。
【図14】 同、液晶表示装置の側面接続部及び絶縁部材の構造を示す部分斜視図である。
【図15】 本発明の第3の実施の形態の液晶表示装置の断面構造を示す図であって、図6のA−A’線に相当する断面図である。
【図16】 同、液晶表示装置の断面構造を示す図であって、図6のB−B’線に相当する断面図である。
【図17】 本発明の第4の実施の形態の液晶表示装置の断面構造を示す図であって、図6のA−A’線に相当する断面図である。
【図18】 本発明の第4の実施の形態の液晶表示装置の断面構造を示す図であって、図6のA−A’線に相当する断面図である。
【図19】 同、液晶表示装置の断面構造を示す図であって、図6のB−B’線に相当する断面図である。
【図20】 本発明の第5の実施の形態の液晶表示装置を示す図であって、(a)全体を上面側から見た斜視図、(b)一画素の拡大図である。
【図21】 本発明の第6の実施の形態の液晶表示装置を示す図であって、(a)全体を上面側から見た斜視図、(b)一画素の拡大図である。
【図22】 本発明の第7の実施の形態の液晶表示装置全体を上面側から見た斜視図である。
【図23】 同、液晶表示装置を下面側から見た斜視図である。
【図24】 同、液晶表示装置の断面構造を示す図であって、図23のB−B’線に沿う断面図である。
【図25】 本発明の電子機器の一例を示す斜視図である。
【図26】 本発明の電子機器の他の例を示す斜視図である。
【図27】 本発明の電子機器のさらに他の例を示す斜視図である。
【図28】 COF実装を適用した従来の液晶装置の一例を示す斜視図である。
【図29】 COG実装を適用した従来の液晶装置の一例を示す斜視図である。
【図30】 従来のパッシブマトリクス型液晶装置における上側基板の構成を示す平面図である。
【図31】 同、下側基板の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1,50,52,58,61,73,90 液晶表示装置(液晶装置)
2 下側基板(第1の基板)
3 上側基板(第2の基板)
5,91,92 偏光板(偏光手段)
6 信号電極(第1の導電部)
7 走査電極(第2の導電部)
10,32 駆動用IC(電子部品)
11,43 信号電極用引き廻し配線(第1の引き廻し導電部)
12,18 信号電極用接続配線
13,45 走査電極用引き廻し配線(第2の引き廻し導電部)
14,21 走査電極用接続配線
17,16,85 第1の側面接続部
38,23 第2の側面接続部
15,24 絶縁部材
20,25 絶縁部材
19,40 上下導通部(基板間接続部)
26 外部接続端子
27 シール材
28 液晶層
54 カラーフィルター
59 反射層
62,74 素子基板(第1の基板)
63,75 対向基板(第2の基板)
64 データ線(第1の導電部)
66 TFD素子
67 走査線(第2の導電部)
76 ソース線(データ線、第1の導電部)
77 ゲート線(走査線、第1の導電部)
78 TFT素子
80 共通電極(第2の導電部)
88 バックライト(照明手段)

Claims (7)

  1. 互いに対向配置された一対の基板間に液晶層が挟持され複数の画素がマトリクス状に配列した液晶装置であって、
    前記一対の基板のうち、第1の基板においては、前記液晶層に面する内面上に第1の導電部が設けられるとともに、
    前記第1の基板の相対する2辺の側面上に設けられた第1の側面接続部を介して、前記第1の導電部と前記第1の基板の外面上に実装された電子部品とを電気的に接続する第1の引き廻し導電部が設けられ、
    また、第2の基板においては、前記液晶層に面する内面上に第2の導電部が設けられ、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間には、前記第2の導電部と電気的に接続される基板間接続部が設けられ、
    前記第1の基板の前記第1の側面接続部が設けられた二辺に隣接する一辺の側面上に設けられた第2の側面接続部を介して、前記基板間接続部と前記電子部品とを電気的に接続する第2の引き廻し導電部が設けられ、
    さらに、前記第1の基板の前記第2の側面接続部が設けられた辺に相対する一辺の外面側周縁部に、前記電子部品の入力端子と電気的に接続される外部接続端子が設けられていることを特徴とする液晶装置。
  2. 前記第1の側面接続部及び前記第2の側面接続部が、前記第1の基板の少なくとも側面上に形成された導電部材からなることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記第1の側面接続部及び前記第2の側面接続部を覆うように、絶縁部材が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の液晶装置。
  4. 前記第1の側面接続部及び前記第2の側面接続部が、前記第1の基板の側面に取り付けられた複数の導電部を有する絶縁部材からなることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  5. 前記基板間接続部が、前記シール材の内部に混入させた導電材からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の液晶装置。
  6. 前記第1、第2の導電部が電極又は配線からなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の液晶装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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