JP3912663B2 - カラーフィルター用画素の形成方法、液晶表示装置用カラーフィルター、液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法、液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起 - Google Patents

カラーフィルター用画素の形成方法、液晶表示装置用カラーフィルター、液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法、液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカラーフィルター用画素の形成方法並びに該方法により形成されたカラーフィルター、液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法、該方法により形成された液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起に関する。より詳細には、反射・透過両用液晶表示デバイスに好適に用いられるカラーフィルター用画素、液晶表示装置用スペーサー、ならびに配向制御用突起に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルターはブラウン管表示用カラーフェイスプレート、複写用光電変換素子プレート、単管式カラーテレビカメラ用フィルター、液晶を用いたフラットパネルディスプレー、カラー固体撮素子等に用いられている。通常用いられるカラーフィルターは、青色、緑色及び赤色の三原色が規則的に配列して構成されるが、必要に応じて四色あるいはそれ以上の色相からなるものもある。
【0003】
近年、液晶表示装置(LCD)においては、携帯電話に代表される携帯端末として、反射型液晶表示装置が開発されているが、室内および暗所においての表示品位の低下が問題視されており、その改善策として、反射‐透過兼用液晶表示装置が考案されている。
【0004】
前記反射‐透過兼用液晶表示装置の構成としては、例えば、図3に示される態様がある。この態様においては、光透過性基板10Bには、反射層12(反射板と称する場合がある)が所定の間隔をおいて配置されており、光透過性基板10Aには、所定の間隔をおいて透明層16が配置され、画素14が各々の透明層16の一部を覆設するように形成されている。光透過性基板10Aと光透過性基板10Bとは対向して設けられており、その間に液晶層18が設けられている。
透過表示の場合は、バックライト20からの透過光aによって表示がされ、反射表示の場合は、光透過性基板10Aを透過した外光bが反射層12で反射された反射光cによって表示される。
【0005】
この場合、透過部と反射部のカラーフィルターの光が通過する部分の厚みは同じとなり、反射表示に十分な明るさを実現した場合には、透過部の色純度が不十分であった。また、その逆の透過部の色純度を十分とした場合は、反射部が暗くなる不都合を有していた。このような問題を解決するために透過部と反射部のカラーフィルターの厚みあるいは色相を変え、表示品位を向上させる試みがなされているが、工程が複雑で、コストアップとなっている。
【0006】
また、LCDパネルの高機能化として、視野角アップ、コントラストアップ等の開発が進められているが、その方式において垂直配向モードを利用したVA方式とフォトスペーサによるスペーサー形成が主流になりつつある。これらの方式では、まずスペーサ構造作製のフォトリソ工程と、VA方式が必須である配向制御用突起構造作製のフォトリソ工程を要し、LCDパネルのコストアップとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題を解決するために、本発明は、一画素中において、部分的に着色層の膜厚を変化させた、反射・透過両用LCDに好適に用いられるカラーフィルター用画素の簡便な形成方法を提供すること、およびスペーサと配向制御用突起の簡便な形成方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、本発明は、
<1> 基体上に、第1のネガ型感光性樹脂層を設ける工程Aと、前記第1のネガ型感光性樹脂層の層上に、さらに第2のネガ型感光性樹脂層を設ける工程Bと、前記第1のネガ型感光性樹脂層及び第2のネガ型感光性樹脂層が設けられた基体に、フォトマスクを介して露光する工程Cと、前記露光後の第1及び第2のネガ型感光性樹脂層を現像してカラーフィルター用画素を形成する工程Dを有するカラーフィルター用画素の形成方法であって、前記フォトマスクを介して露光する工程Cが、少なくとも2種類の光透過性パターンを有するフォトマスクを介して露光するものであり、且つ前記第1のネガ型感光性樹脂層と第2のネガ型感光性樹脂層との光感度比(第1/第2)が1より大きいことを特徴とするカラーフィルター用画素の形成方法である。
【0009】
<2> 前記工程Aおよび工程Bが、透明支持体上に少なくともネガ型感光性樹脂層を有している転写シートを用いる、前記<1>に記載のカラーフィルター用画素の形成方法である。
【0010】
<3> 前記工程Aおよび工程Bが、透明支持体上に少なくとも熱可塑性樹脂層、中間層、ネガ型感光性樹脂層を有している転写シートを用いる前記<1>に記載のカラーフィルター用画素の形成方法である。
【0011】
<4> 前記工程Aが、透明支持体上に少なくともネガ型感光性樹脂層を有している転写シートを用い、前記工程Bが、透明支持体上に少なくとも熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層、を有している転写シートを用いる前記<1>に記載のカラーフィルター用画素の形成方法である。
<5> 前記工程A及び工程Bによって、基板上に、第1のネガ型感光性樹脂層と、第2のネガ型感光性樹脂層と、中間層と、熱可塑性樹脂層と、をこの順に互いに接するように積層することを特徴とする前記<1>ないし<4>のいずれかに記載のカラーフィルター用画素の形成方法である。
【0012】
<6> 前記<1>ないし<5>のいずれかに記載の工程を少なくとも2回以上繰り返すカラーフィルター用画素の形成方法である。
<7> 前記第1及び第2のネガ型感光性樹脂層が光重合系ネガ型感光性樹脂層である前記<1>ないし<6>に記載のカラーフィルター用画素の形成方法である。
【0013】
<8> 前記<1>ないし<7>のいずれかに記載のカラーフィルター用画素の形成方法において第1および第2のネガ型感光性樹脂層中に着色剤が添加されているカラーフィルター用画素の形成方法である。
【0014】
<9> 前記<8>のカラーフィルタ用画素の形成方法により形成された液晶表示装置用カラーフィルターである。
【0015】
<10> 基体上に、第1のネガ型感光性樹脂層を設ける工程Aと、前記第1のネガ型感光性樹脂層の層上に、さらに第2のネガ型感光性樹脂層を設ける工程Bと、前記第1のネガ型感光性樹脂層及び第2のネガ型感光性樹脂層が設けられた基体に、フォトマスクを介して露光する工程Cと、前記露光後の第1及び第2のネガ型感光性樹脂層を現像して液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起を形成する工程Dを有する液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法であって、前記フォトマスクを介して露光する工程Cが、少なくとも2種類の光透過性パターンを有するフォトマスクを介して露光するものであり、且つ前記第1のネガ型感光性樹脂層と第2のネガ型感光性樹脂層との光感度比(第1/第2)が1より大きいことを特徴とする液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法である。
<11> 前記工程Aおよび工程Bが、透明支持体上に少なくともネガ型感光性樹脂層を有している転写シートを用いる、前記<10>に記載の液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法である。
<12> 前記工程Aおよび工程Bが、透明支持体上に少なくとも熱可塑性樹脂層、中間層、ネガ型感光性樹脂層を有している転写シートを用いる前記<10>に記載の液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法である。
<13> 前記工程Aが、透明支持体上に少なくともネガ型感光性樹脂層を有している転写シートを用い、前記工程Bが、透明支持体上に少なくとも熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層、を有している転写シートを用いる前記<10>に記載の液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法である。
<14> 前記工程A及び工程Bによって、基板上に、第1のネガ型感光性樹脂層と、第2のネガ型感光性樹脂層と、中間層と、熱可塑性樹脂層と、をこの順に互いに接するように積層することを特徴とする前記<10>ないし<13>のいずれかに記載の液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法である。
<15> 前記<10>ないし<14>のいずれかに記載の工程を少なくとも2回以上繰り返す液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法である。
<16> 前記第1及び第2のネガ型感光性樹脂層が光重合系ネガ型感光性樹脂層である前記<10>ないし<15>に記載の液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法である。
<17> 前記<10>ないし<16>のいずれかの液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法により形成された液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のカラーフィルター用画素の形成方法、並びに液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法(以降、本明細書においては両形成方法を指して「画像形成方法」ということがある。)について詳述する。
本発明の画像形成方法は、第1のネガ型感光性樹脂層及び第2のネガ型感光性樹脂層が設けられた基体に、フォトマスクを介して露光、現像する画像形成方法において、前記フォトマスクが少なくとも2種類の光透過性パターンを有するものであり、且つ前記第1のネガ型感光性樹脂層と第2のネガ型感光性樹脂層との光感度比(第1/第2)が1よりも大きいことを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、1画素内に少なくとも2種類の光透過性を有するマスクを介してパターン露光することにより、一度の露光で、1画素内に異なる膜厚の感光性樹脂を積層することができ、反射・透過兼用液晶表示装置を同時に形成することが可能となり、またスペーサーと配向制御用突起を同時に形成することが可能となる。
以下、本発明について詳述する。
【0019】
<光透過性基板>
本発明において用いられる基体としては、透明で光学的等方性があり十分な耐熱性を有する光透過性基板が好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース、ポリアリレート、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラス、石英等が挙げられる。該光透過性基板の表面は必要に応じて下塗り処理されてもよい。さらにグロー放電、コロナ放電、紫外線(UV)照射等の処理を施しても良い。
【0020】
光透過性基板は、板状、シート状あるいはフィルム状等の形態で使用することができる。基板の厚さは、用途及び材質にあわせて適宜に設定できるが、一般には0.01〜10mmが好ましい。例えば、ガラス基板のときは、厚みが0.3〜3mmの範囲が好ましい。
【0021】
なお、反射・透過両用LCDパネルにおける反射表示の場合は、入射した外光を反射するための反射層を形成した光透過性基板が設けられ、前記反射層としては、Al、Mo等が好適に用いられる。また、反射層の厚さとしては、100〜10000Å程度が好ましい。反射層の形成方法は特に限定されないが、例えば、蒸着スパッタ法により形成することができる。
【0022】
<ネガ型感光性樹脂層>
本発明においては、ネガ型感光性樹脂層は少なくとも150℃以下の温度で軟化もしくは粘着性になることが好ましく、熱可塑性であることが好ましい。公知の光重合性組成物を用いた層の大部分はこの性質を有するが、公知層の一部は、熱可塑性結合剤の添加あるいは相溶性の可塑剤の添加によって更に改質することができる。
【0023】
本発明のネガ型感光性樹脂層の素材としては公知の、例えば特開平3−282404号公報に記載されているネガ型感光性樹脂がすべて使用できる。具体的にはネガ型ジアゾ樹脂とバインダーからなる感光性樹脂層、光重合性モノマーと光重合開始剤とバインダーを含む光重合性樹脂、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられる。その中でも特に好ましいのは光重合性樹脂である。また、感光性樹脂としてはアルカリ水溶液により現像可能なものと、有機溶剤により現像可能なものが知られているが、公害防止、労働安全性の確保の観点からアルカリ水溶液現像可能なものが好ましい。
【0024】
本発明は、第1層の感光性樹脂層と第2層の感光性樹脂層との間に光感度差を発生させることにより、後記の階調マスクでの露光で第1層のみ、および第1層と第2層のパターンを同時形成可能とする。光感度差が無い場合、階調マスク露光において透過部とハーフトーン部で露光量は調節されるが、材料に感度差が無いことから、第1層と第2層の積層されたパターンが形成されるのみで、第1層のみのパターンは原理的に形成できない。従って第1層のみ、および第1層と第2層のパターンを同時に形成するためには、第1層の感光性樹脂層と第2層の感光性樹脂層の光感度が異なり、第1層感度/第2層感度比が1よりも大きいことを特徴とし、より好ましくは第1層感度/第2層感度比が2以上である。
【0025】
本発明において、光感度とは現像過程の後に、画像を得ることの出来る最低露光量で定義される。
【0026】
感光性樹脂の光感度は顔料の含有量、光重合開始剤の含有量、モノマー量により異なる。本発明において、第1層と第2層の好ましい光感度差を形成するためには、第1のネガ型感光性樹脂と第2のネガ型感光性樹脂の光重合開始剤量を2:1〜100:1にすることが好ましい。
【0027】
感光性樹脂層には更に、公知の染料、顔料を添加することができる。すべての顔料は感光性樹脂層中に均一に分散されており、好ましくは5μm以下の粒径、特にはlμm以下の粒径が好ましい。カラーフィルターの作製に当たっては、顔料としては0.5μm以下の粒径のものが好ましい。
【0028】
好ましい染料ないし顔料の例としては、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメントエロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、及びカーボンを挙げることができる。
【0029】
さらにカラーフィルターを形成するのに適当な顔料としては、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64を挙げることができる。
【0030】
<熱可塑性樹脂層>
熱可塑性樹脂層は、転写時の気泡混入を避ける目的で、仮支持体上の第一層目として設けられ、主として熱可塑性樹脂を含んでなり、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。本発明において第1層は、基体上に感光性樹脂層のみを設けることが好ましいことから、仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設ける必要はないが、設けることも可能である。一方第2層の感光性樹脂層においては、転写時の気泡混入防止等のために熱可塑性樹脂層を設けることが好ましい。
【0031】
前記熱可塑性樹脂としては、転写後のアルカリ現像を可能とし、あるいは転写時の転写条件によっては熱可塑性樹脂が周囲にはみ出して被転写体である導電膜上を汚染してしまう場合に除去処理を可能とする観点から、アルカリ性水溶液に可溶な樹脂が好適である。更に、熱可塑性樹脂層は、被転写体である基板の導電膜上に転写する際、導電パターン膜上に存在する凹凸に起因して生じ得る転写不良を防止するクッション材としての機能をも発揮させる観点から、加熱密着時に前記凹凸に応じて変形しうる充分な可塑性を有するのが好ましい。
【0032】
上記の点から、前記熱可塑性樹脂としては、アルカリ可溶性であって、実質的な軟化点が80℃以下の樹脂が好ましい。
転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の他、後述の中間層、感光性樹脂層を順次積層して構成されるが、熱可塑性樹脂層と仮支持体との間の接着強度は他の層間における接着強度よりも小さくすることが必要であり、これにより転写の後仮支持体を容易かつ熱可塑性樹脂層表面の破壊を伴うことなく除去することができる。即ち、仮支持体除去後の感光性樹脂層への露光を均一に行うことが可能となる点で重要である。
【0033】
前記熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂と必要に応じて他の成分を有機溶剤に溶解して塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を調製し、例えば、スピンコート法等の公知の塗布方法により仮支持体上に塗布等して形成することができる。
前記熱可塑性樹脂層の層厚としては、6〜100μmが好ましく、6〜50μmがより好ましい。前記層厚が、6〜100μmの範囲では、導電層上の1μm以上の凹凸をも完全に吸収することができ、現像性、製造適性が低下することもない。
【0034】
<中間層>
中間層は、感光性樹脂層及び熱可塑性樹脂層には有機溶剤が用いられるため、両層が互いに混ざり合うのを防止する機能を有する。本発明において第1層は、基体上に感光性樹脂層のみを設けることが好ましいことから、仮支持体上に中間層を設ける必要はないが、設けることも可能である。一方第2層の感光性樹脂層においては、中間層を設けることが好ましい。前記中間層は、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものであればよく、酸素透過性の低いものが好ましい。また中間層は、水又はアルカリ水溶液に分散、溶解可能な樹脂成分を主に構成され、必要に応じて、界面活性剤等の他の成分を含んでいてもよい。
中でも、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを組合せてなるものが特に好ましい。更に、前記ポリビニルアルコールとしては、鹸化率が80%以上のものが好ましい。また、前記ポリビニルピロリドンの含有量としては、中間層の固形体積の1〜75%であることが好ましく、1〜60%であることがより好ましく、10〜50%であることが最も好ましい。
【0035】
前記中間層は、その酸素遮断能が低下すると、感光性樹脂層の重合感度が低下して、露光時の光量をアップしたり、露光時間を長くする必要が生ずるばかりか、解像度も低下することになるため、酸素透過率の小さいことが好ましい。
前記中間層の層厚としては、約0.1〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。前記層厚が、約0.1〜5μmの範囲では、酸素透過性が高すぎて感光性樹脂層の重合感度が低下することもなく、現像や中間層除去時に長時間を要することもない。
【0036】
<仮支持体>
前記第1のネガ型感光性樹脂層の転写シ−トに用いられる仮支持体としては、中間層と感光性樹脂層の間で容易に剥離されるものが好ましい。そのため前記仮支持体には、ゼラチン層、SBRレジン等が下塗りされていることが好ましく、中でもゼラチン層が最も好ましい。又、コロナ表面処理した仮支持体も用いられる。
【0037】
一方前記第2のネガ型感光性樹脂層の転写シ−トに用いられる仮支持体としては、熱可塑性樹脂層に対して転写に支障とならない程度の剥離性を有するものが好ましい。仮支持体と前記熱可塑性樹脂層との間に良好な剥離性を確保するために、グロー放電等の表面処理は施さず、またゼラチン等の下塗り層も設けないことが好ましい。
【0038】
いずれの転写シートに用いられる仮支持体も,化学的、熱的に安定で可撓性のものが好ましく、具体的には、テフロン(R)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄膜シート若しくはこれらの積層物が好適に挙げられる。前記仮支持体の厚みとしては、5〜300μmが好ましく、20〜150μmがより好ましい。
【0039】
<カバーフィルム>
前記感光性樹脂層上には、保管等の際の汚れや損傷から保護する目的で、カバーフィルムを設けることが好ましい。カバーフィルムは、感光性樹脂層から容易に剥離可能なものの中から選択でき、前記仮支持体と同一又は類似の材料からなるものであってもよい。具体的には、例えば、シリコーン紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオロエチレンシート等が好ましく、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンフィルムがより好ましい。
前記カバーフィルムの厚みとしては、約5〜100μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
【0040】
<転写シートの基体への転写>
本発明において,感光性転写シートの基体への転写は、まず第1の感光性転写シートのカバーフィルムを剥離し、基体上にラミネーターを用い、加圧、加熱して貼り合わせ、次いで中間層と感光性着色層との間で剥離し、基体上に着色層のみを転写する。さらに第2の感光性転写シートのカバーフィルムを剥離し、第1層の着色層面に第2層の着色層面が接するように上記と同様に貼り合わせ、仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、基体上に第1層の感光性樹脂層―第2層の感光性樹脂層―中間層―熱可塑性樹脂層を転写する。
【0041】
<フォトマスク>
基体上に転写された感光性樹脂層をパターニングする場合には、所定パターンのフォトマスクを介して光照射しパターン露光を行い、その後現像してパターン状の着色層を得る。前記フォトマスクは、光完全透過部、遮光部を有しているものが通常であるが、本発明に用いられるフォトマスクは、さらに少なくとも1種以上のハーフトーン部を有している階調マスクを用いることを特徴とする。現像後に残したい層の感光性に合わせ、適宜それらの部位を選択しフォトマスクを作製する。具体的には、第1層のみを残したい部位にはハーフトーン部を、全層残したい部位には完全透過部を、何も残さない部位には遮光部を選択する。
【0042】
<パターン露光と現像>
前記のフォトマスクを用い、露光は300〜500nmの波長光の照射により行なうことができ、光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、Hg−Xeランプ等が利用できる。
前記露光の後、現像処理を行なって、熱可塑性樹脂層、中間層及び不要部(未硬化部分)の感光性樹脂層を除去する。
【0043】
(カラーフィルター)
本発明のカラーフィルター用画素の形成方法により形成されたカラーフィルターの構成例を図1に示す。光感度が高い第1の感光性樹脂層と、相対的に光感度が低い第2の感光性樹脂層を貼り合わせた転写シートについて、反射型液晶表示部位にフォトマスクのハーフトーン部を使用し、透過型液晶表示部位にフォトマスクの完全透過部を使用し露光、現像する。フォトマスクのハーフトーン部を使用した部分は、現像の結果、第1の感光性樹脂層のみが画素14Bとして残る。一方、フォトマスクの完全透過部を使用した部分は、現像の結果、第1の感光性樹脂層と第2の感光性樹脂層が画素14Aとして残る。その結果第1の感光性樹脂層と第2の感光性樹脂層が残った画素14Aは、第1の感光性樹脂層のみが残った画素14Bに比し膜厚が第2の感光性樹脂層の膜厚の分だけ厚くなり、第1の感光性樹脂層と第2の感光性樹脂層による画素14Aは透過型に、第1の感光性樹脂層のみによる画素14Bは反射型に好適な膜厚が形成される。
【0044】
現像液には無機系と有機系の現像液があり、ガラス基板上にカラーフィルターを形成する場合には、どちらの現像液も使用できる。しかしながら、COA即ち、TFTアクティブマトリックス基板上にカラーフィルターを形成する場合には、無機アルカリ現像液中のNaやKイオンがコンタミ(汚染)の原因になるので、有機アルカリ現像液を使用することが好ましい。
【0045】
前記アルカリ水溶液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が好ましく、更に水混和性のある有機溶剤を少量添加したものも好適に使用することができる。アルカリ水溶液中のアルカリ性物質の濃度としては、0.01〜30質量%が好ましく、更にpHとしては、8〜14が好ましい。
前記有機アルカリ現像液としては、pKa=7〜13の有機化合物を0.05〜5mole/Lの濃度含む現像液が好ましいが、更に水と混和性を有す有機溶剤を少量添加しても良い。現像液のpHは8〜13が好ましい。水と混和性を有する有機溶剤は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等がある。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%であるのが好ましい。
また、アルカリ水溶液には、公知の種々の界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の濃度としては、0.01〜10質量%が好ましい。
【0046】
前記現像は、公知の方法により行え、溶剤若しくは水性の現像液、特にアルカリ水溶液等を用いて、例えば、(a)露光後の基板自体を現像浴中に浸漬する、(b)露光後の基板にスプレー等により噴霧する等して、更に必要に応じて、溶解性を高める目的で、回転ブラシや湿潤スポンジ等で擦ったり、超音波を照射しながら行うことができる。
露光後の感光性樹脂層の溶解性部分を除去するには、現像液中で回転ブラシで擦るか湿潤スポンジで擦る等の方法を組み合わせることができる。現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましい。該現像処理の後に蒸留水、イオン交換水、超純水等による水洗工程を入れることが好ましい。また、現像処理した後、更に200〜260℃下でベークするのが好ましい。
【0047】
(スペーサー及び突起構造の形成)
液晶表示素子は、標準的には例えば、カラーフィルターと該カラーフィルター上に導電層(例えば透明画素電極)とを備えるフィルター側基板と、これと対向配置される導電層(例えば透明共通電極)付きの対向基板との2枚の基板(前記フィルター側基板及び対向基板のいずれに薄膜トランジスタ(TFT)等の駆動素子が設けられていてもよい。)によって液晶層が狭持されてなる。
【0048】
本発明では、透明の感光性樹脂材料を用いて1回のフォトリソグラフィー工程内で、カラーフィルター上に液晶表示装置用スペーサー及び液晶配向用突起を同時に設けることができる。スペーサーは液晶層の厚み(セルギャップ)を一定間隔に保持するためであり、表示領域の全域に一定に設けられる必要がある。また液晶配向用突起を設けることによって、液晶分子の配向の向きを規制し、液晶面に対する観察位置(視野角)に依存しない広視野角を確保することができる。本発明において、液晶表示装置用スペーサー及び液晶配向用突起は、以下の方法により同時に設けることができる。
【0049】
予め形成されたカラーフィルタ上に、ITOをスパッタし、第1層の透明感光性転写材料のカバーフィルムを剥離し、感光性樹脂層面をITO面と接するようにラミネーターを用いて加圧、加熱して貼り合わせ、ガラス基板上に第1層の透明層のみを転写する。さらに第2層の透明感光性転写材料のカバーフィルムを剥離し、第1層の透明層面に第2層の透明層面が接するように貼り合わせ、仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、ガラス基板上に第1層の透明感光性樹脂層一第2層の透明感光性樹脂層―中間層―熱可塑性樹脂層をガラス基板上に転写する。この場合、第1層の透明感光性樹脂層と第2層の透明感光性樹脂層の光感度が異なり、第1層の透明感光性樹脂層と第2層の透明感光性樹脂層の光感度比(第1層の光感度/第2層の光感度)が1より大きいことを特徴とし、より好ましくはその値が2以上である。
【0050】
次に前記の階調フォトマスクを介して露光、現像して、熱可塑性樹脂層及び中間層を除去し、また感光性樹脂層の不要部を除去し、基体上に第l層のみのパターンと、第l層と第2層が積層された透明画素パターンを形成する。次いで、200〜260℃で20〜150分ベーキングすることにより、ITO上にスペーサパターンと配向制御用突起を同時に形成することができる。
【0051】
本発明の液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法により形成されたカラーフィルターの構成例を図2に示す。光感度が高い第1の透明感光性樹脂層と、相対的に光感度が低い第2の透明感光性樹脂層を貼り合わせた転写シートについて、配向制御用突起部位にフォトマスクのハーフトーン部を使用し、スペーサー部位にフォトマスクの完全透過部を使用し露光、現像する。フォトマスクのハーフトーン部を使用した部分は、現像の結果、第1の感光性樹脂層のみが画素24として残る。一方、フォトマスクの完全透過部を使用した部分は、現像の結果、第1の感光性樹脂層と第2の感光性樹脂層が画素22として残る。その結果第1の感光性樹脂層と第2の感光性樹脂層が残った画素22は膜厚が厚く、透明感光性樹脂層の厚さを任意の厚さとすることで、スペーサーとして好ましい厚さのものを得ることができる。また第1の感光性樹脂層のみが残った画素24は配向制御用突起部位として好適な膜厚が形成される。
【0052】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない
【0053】
<実施例1>(カラーフィルターの形成)
厚さ0.2μmのゼラチン層を下塗りした、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体のゼラチン層面に、下記の処方H1からなる塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が20μmの熱可塑性樹脂層を設けた。
【0054】
Figure 0003912663
【0055】
次に上記熱可塑性樹脂層上に下記処方Blから成る塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が1.6μm厚の中間層を設けた。
【0056】
Figure 0003912663
【0057】
上記熱可塑性樹脂層及び中間層を有する4枚の仮支持体の上に、それぞれ下記表1の処方を有する、赤色(R1層用)、緑色(Gl層用)及び青色(Bl層用)の3種の感光性溶液を塗布、乾燥させ、膜厚1.2μmの3種の着色感光性樹脂層を形成した。
【0058】
【表1】
Figure 0003912663
【0059】
さらに上記感光性樹脂層の上にポリプロピレン(厚さ12μm)のカバーフィルムを圧着し、赤色(Rl)、青色(Bl)、および緑色(Gl)感光性転写材料を作製した。
【0060】
次に厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体のPET面に下記の処方H1からなる塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が20μmの熱可塑性樹脂層を設けた。
【0061】
Figure 0003912663
【0062】
次に上記熱可塑性樹脂層上に下記処方Blから成る塗布液を塗布、乾燥させ、乾繰膜厚が1.6μm厚の中間層を設けた。
【0063】
Figure 0003912663
【0064】
上記熱可塑性樹脂層及び中間層を有する4枚の仮支持体の上に、それぞれ下記表2の処方を有する、赤色(R2層用)、緑色(G2層用)及び青色(B2層用)の3種の感光性溶液を塗布、乾燥させ、膜厚1.2μmの3種の着色感光性樹脂層を形成した。
【0065】
【表2】
Figure 0003912663
【0066】
さらに上記感光性樹脂層の上にポリプロピレン(厚き12μm)のカバーフィルムを圧着し、赤色(R2)、青色(B2)、および緑色(G2)感光性転写材料を作製した。
【0067】
これらの感光性転写材料を用いて、以下の方法でカラーフイルターを作製した。Rl赤色感光性転写材料のカバーフィルムを剥離し、感光性樹脂層面を透明ガラス基板(厚さ1.lmm)にラミネーター(大成ラミネータ(株)製VP−II)を用いて加圧(0.8kg/cm2)、加熱(130℃)して貼り合わせ、続いて中間層と感光性着色層との界面で剥離し、ガラス基板上にR1赤色着色層のみを転写した。さらにR2を赤色感光性転写材料のカバーフィルムを剥離し、Rl赤色着色層面にR2赤色着色層面が接するように上記と同様に貼り合わせ、仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、ガラス基板上に、R1赤色感光性樹脂層―R2赤色感光性樹脂層―中間層―熱可塑性樹脂層をガラス基板上に転写した。
【0068】
次に所定のクロムフォトマスク(2階調マスク:、第1領域光学濃度/第2領域光学濃度=1/0.1))を介して露光し、現像液PD2(冨士写真フイルム(株)製現像液)で熱可塑性樹脂層及び中間層を除去した。この際、感光性樹脂層は実質的に現像されていなかった。次いで、CDl(富士写真フイルム(株)製現像液)で感光性樹脂層を現像して不要部を除去し、SDl(富士写真フイルム(株)製現像液)にて仕上げ処理(ブラシ処理)し、ガラス基板上にRl層のみのパターンと、RlとR2層が積層された赤色画素パターンを形成した。次いで、赤色画素パターンが形成されたガラス基板上に、GlおよびG2緑色感光性転写材料を上記と同様にして貼り合わせ、剥離、露光、現像を行ない、G1のみおよびGlとG2が積層された緑色画素パターンを形成した。同様な工程をBlおよびB2青色感光性転写材料で繰り返し、透明ガラス基板上にカラーフィルターを形成した。
【0069】
<実施例2>(カラーフィルターの形成)
実施例1における赤色(Rl)、青色(Bl)、および緑色(Gl)の3種の着色感光性樹脂層の形成の代りに、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体上に直接、表1の処方を有する赤色(Rl)、青色(Bl)、および緑色(Gl)の3種の感光性溶液を塗布、乾燥させ、膜厚1.2μmの3種の着色感光性樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にして実施例2のカラーフィルターを形成した。
【0070】
<実施例3>(スペーサーと配向制御用突起の形成)
厚さ0.2μmのゼラチン層を下塗りした厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体のゼラチン層面に下記の処方H1からなる塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が20μmの熱可塑性樹脂層を設けた。
【0071】
Figure 0003912663
【0072】
次に上記熱可塑性樹脂層上に下記処方Blから成る塗布液を塗布、乾燥させ、乾繰膜厚が1.6μm厚の中間層を設けた。
【0073】
Figure 0003912663
【0074】
上記熱可塑性樹脂層及び中間層を有する仮支持体の上に、それぞれ下記表3の処方を有する、透明色(Al層用)の感光性溶液を塗布、乾燥させ、膜厚1.2μmのA1透明感光性樹脂層を形成した。
【0075】
【表3】
Figure 0003912663
【0076】
さらに上記感光性樹脂層の上にポリプロピレン(厚さ12μm)のカバーフィルムを圧着し、透明(Al)感光性転写材料を作製した。
【0077】
次に厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体のPET面に下記の処方H1からなる塗布液を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が20μmの熱可塑性樹脂層を設けた。
【0078】
Figure 0003912663
【0079】
次に上記熱可塑性樹脂層上に下記処方Blから成る塗布液を塗布、乾燥させ、乾繰膜厚が1.6μm厚の中間層を設けた。
【0080】
Figure 0003912663
【0081】
上記熱可塑性樹脂層及ぶ中間層を有する仮支持体の上に、それぞれ下記表4の処方を有する、透明色(Pl層用)の感光性溶液を塗布、乾燥させ、膜厚4.0μmの透明感光性樹脂層を形成した。
【0082】
【表4】
Figure 0003912663
【0083】
さらに上記感光性樹脂層の上にポリプロピレン(厚さ12μm)のカバーフィルムを圧着し、透明(Pl)感光性転写材料を作製した。
【0084】
これらの感光性転写材料を用いて、以下の方法でカラーフイルター上にスペーサと配向制御用突起を作製した。予め形成されたカラーフィルタ(基板:ガラス(0,7mm厚))上にITOを20Ω/□となるようにスパッタした。Al透明感光性転写材料のカバーフィルムを剥離し、感光性樹脂層面をITO面と接するようににラミネーター(大成ラミネータ(株)製VP―II)を用いて加圧(0.8kg/cm2)、加熱(130℃)して貼り合わせ、続いて中間層と感光性着色層との界面で剥離し、ガラス基板上にAl透明層のみを転写した。さらにPI透明感光性転写材料のカバーフィルムを剥離し、Al透明層面にPI透明層面が接するように上記と同様に貼り合わせ、仮支持体と熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、ガラス基板上に、Al透明感光性樹脂層―Pl透明感光性樹脂層―中間層―熱可塑性樹脂層をガラス基板上に転写した。
【0085】
次に所定のクロムフォトマスク(2階調マスク:、第1領域光学濃度/第2領域光学濃度=1/0.1))を介して露光し、現像液PD2(富士写真フイルム(株)製現像液)で熱可塑性樹脂層及び中間層を除去した。この際、感光性樹脂層は実質的に現像されていなかった。次いで、CDl(富士写真フイルム(株)製現像液)で感光性樹脂層を現像して不要部を除去し、SDl(富士写真フイルム(株)製現像液)にて仕上げ処理(ブラシ処理)し、ガラス基板上にAl層のみのパターンと、AlとP1層が積層された透明画素パターンを形成した。次いで、240℃で50分ベーキングし、ITO上に高さ=3.7μmのスペーサパターンと厚さ1.0μmの配向制御用突起を形成した。
【0086】
<実施例4>(スペーサーと配向制御用突起の形成)
実施例3におけるA1透明感光性樹脂層の形成の代りに、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体上に直接、表3の処方を有する透明色(A1層用)の感光性溶液を塗布、乾燥させ、膜厚1.2μmのA1透明感光性樹脂層を形成した以外は、実施例3と同様にして実施例4の透明画案パターンを形成した。次いで、240°Cで50分ベーキングし、ITO上に高さ=3.7μmのスペーサパターンと、厚さ1.0μmの配向制御用突起を形成した。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、一画素中において、反射部に相当する領域の濃度と、透過部に相当する領域の濃度とを変化させた、反射・透過両用LCDに好適に用いられるカラーフィルターの簡易な製造方法及び該製造方法により製造されたカラーフィルターの、ならびにスペーサと配向制御用突起を同時に形成する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカラーフィルターの構成例を示す図である。
【図2】 本発明のスペーサと配向制御用突起の構成例を示す図である。
【図3】 反射・透過両用LCDパネルの一例を示す図である。
【符号の説明】
10A 光透過性基板
10B 光透過性基板
12 反射層
14 画素
14A 第1層と第2層の感光性樹脂による画素部
14B 第1層のみの感光性樹脂による画素部
16 透明層
18 液晶層
20 バックライト
22 第1層と第2層の感光性樹脂による画素部(スペーサー)
24 第1層のみの感光性樹脂による画素部(配向制御用突起)
a 透過光
b 外光
c 反射光
R 画素(R)
G 画素(G)
B 画素(B)

Claims (17)

  1. 基体上に、第1のネガ型感光性樹脂層を設ける工程Aと、
    前記第1のネガ型感光性樹脂層の層上に、さらに第2のネガ型感光性樹脂層を設ける工程Bと、
    前記第1のネガ型感光性樹脂層及び第2のネガ型感光性樹脂層が設けられた基体に、フォトマスクを介して露光する工程Cと、
    前記露光後の第1及び第2のネガ型感光性樹脂層を現像してカラーフィルター用画素を形成する工程Dを有するカラーフィルター用画素の形成方法であって、
    前記フォトマスクを介して露光する工程Cが、少なくとも2種類の光透過性パターンを有するフォトマスクを介して露光するものであり、且つ前記第1のネガ型感光性樹脂層と第2のネガ型感光性樹脂層との光感度比(第1/第2)が1より大きいことを特徴とするカラーフィルター用画素の形成方法。
  2. 前記工程Aおよび工程Bが、透明支持体上に少なくともネガ型感光性樹脂層を有している転写シートを用いる、請求項1に記載のカラーフィルター用画素の形成方法。
  3. 前記工程Aおよび工程Bが、透明支持体上に少なくとも熱可塑性樹脂層、中間層、ネガ型感光性樹脂層を有している転写シートを用いる請求項1に記載のカラーフィルター用画素の形成方法。
  4. 前記工程Aが、透明支持体上に少なくともネガ型感光性樹脂層を有している転写シートを用い、前記工程Bが、透明支持体上に少なくとも熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層、を有している転写シートを用いる請求項1に記載のカラーフィルター用画素の形成方法。
  5. 前記工程A及び工程Bによって、基板上に、第1のネガ型感光性樹脂層と、第2のネガ型感光性樹脂層と、中間層と、熱可塑性樹脂層と、をこの順に互いに接するように積層することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のカラーフィルター用画素の形成方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の工程を少なくとも2回以上繰り返すカラーフィルター用画素の形成方法。
  7. 前記第1及び第2のネガ型感光性樹脂層が光重合系ネガ型感光性樹脂層である請求項1ないし請求項6に記載のカラーフィルター用画素の形成方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のカラーフィルター用画素の形成方法において第1および第2のネガ型感光性樹脂層中に着色剤が添加されているカラーフィルター用画素の形成方法。
  9. 請求項8のカラーフィルタ用画素の形成方法により形成された液晶表示装置用カラーフィルター。
  10. 基体上に、第1のネガ型感光性樹脂層を設ける工程Aと、
    前記第1のネガ型感光性樹脂層の層上に、さらに第2のネガ型感光性樹脂層を設ける工程Bと、
    前記第1のネガ型感光性樹脂層及び第2のネガ型感光性樹脂層が設けられた基体に、フォトマスクを介して露光する工程Cと、
    前記露光後の第1及び第2のネガ型感光性樹脂層を現像して液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起を形成する工程Dを有する液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法であって、
    前記フォトマスクを介して露光する工程Cが、少なくとも2種類の光透過性パターンを有するフォトマスクを介して露光するものであり、且つ前記第1のネガ型感光性樹脂層と第2のネガ型感光性樹脂層との光感度比(第1/第2)が1より大きいことを特徴とする液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法。
  11. 前記工程Aおよび工程Bが、透明支持体上に少なくともネガ型感光性樹脂層を有している転写シートを用いる、請求項10に記載の液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法。
  12. 前記工程Aおよび工程Bが、透明支持体上に少なくとも熱可塑性樹脂層、中間層、ネガ型感光性樹脂層を有している転写シートを用いる請求項10に記載の液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法。
  13. 前記工程Aが、透明支持体上に少なくともネガ型感光性樹脂層を有している転写シートを用い、前記工程Bが、透明支持体上に少なくとも熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層、を有している転写シートを用いる請求項10に記載の液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法。
  14. 前記工程A及び工程Bによって、基板上に、第1のネガ型感光性樹脂層と、第2のネガ型感光性樹脂層と、中間層と、熱可塑性樹脂層と、をこの順に互いに接するように積層することを特徴とする請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法。
  15. 請求項10ないし請求項14のいずれかに記載の工程を少なくとも2回以上繰り返す液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法。
  16. 前記第1及び第2のネガ型感光性樹脂層が光重合系ネガ型感光性樹脂層である請求項10ないし請求項15に記載の液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法。
  17. 請求項10ないし請求項16のいずれかの液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起の形成方法により形成された液晶表示装置用スペーサー及び配向制御用突起
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