JP2005215137A - 感光性樹脂組成物、感光性転写材料、液晶配向制御用突起及びその製造方法、並びに液晶表示装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性転写材料、液晶配向制御用突起及びその製造方法、並びに液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 液晶分子の配向を規制する液晶配向制御用突起の形成に好適に用いられ、大型の基板に液晶配向制御用突起を形成した場合であってもその膜厚が均一であり、且つ、現像ラチチュードが広い感光性樹脂組成物及び感光性転写材料、並びに、これらを用いて形成された液晶配向制御用突起、その形成方法、及び、これを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 フェノールノボラック樹脂、ナフトキノンジアジドエステル及び2価以上の脂肪族カルボン酸を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光の照射によって化学変化する感光性樹脂組成物、感光性転写材料、液晶配向制御用突起及びその製造方法、並びに液晶表示装置に関する。詳細には、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)を構成する導電層の外側から液晶層側に凸となるように設けられる実質的に無色の液晶配向制御用突起の形成に用いられる感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物用いて形成される感光性転写材料、これらを用いて形成された液晶配向制御用突起及びその製造方法、並びに、液晶表示装置に関する。
近年、CRT(Cathode−Ray Tube)ディスプレイに代わるフラットパネルディスプレイとしては、液晶表示装置(LCD)が現在最も広く使用されており、その期待も大きい。中でも、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)方式のLCD(TFT−LCD)は、パーソナルコンピュータ、ワープロ、及びOA機器や、携帯テレビジョン等への応用によって市場の一層の拡大が期待されているとともに、画像品質の更なる向上が求められている。
現在、TFT−LCDの中で最も広く使用されている方式は、ノーマリホワイトモードのTN(Twisted Nematic)型のLCDである。しかし、TN型のLCDは、視野角が狭いという欠点があり、表示画面を観察する位置によって表示状態が異なってしまう。このため、TN型のLCDは、その用途が限定されてしまうという問題があった。
尚、TN型のLCDが有する問題は、電極を備える一対の基板間に液晶を挟持し、電極間に電圧印加して表示することが可能なLCD(例えば、単純マトリックス型やプラズマアドレス型LCD)においても同様に生じる問題である。
即ち、このようなLCDは、電圧を印加しない白表示の状態では、どの方位においてもほぼ白に見ることができる。しかし、所定の電圧を印加した黒表示の状態では、斜めに入射する光が垂直方向に配向された液晶分子に対して斜めに通過する。このため、黒表示のLCDを斜めから観察した場合、偏向方向がある程度捩れてしまい、完全な黒ではなく中間調(グレイ)に見えてしまう。
また、中間電圧を印加した中間調表示の状態においては、セルの中間部では液晶表示が途中まで立ち上がっており、垂直に入射する光に対しては中間調(グレイ)に表示される。しかし、中間調表示の状態においては左右斜めに入射する光に対しては、その入射した方位によって見え方が異なってしまう。具体的には、右下から左上に向かう光に対しては液晶分子は平行に配向されるため、LCDを左側から観察すると黒く見えてしまう。これに対し、左下から右上に向かう光に対しては液晶分子は垂直に配向されることから、LCDを右側から観察した場合には白に近い状態に見えてしまう。このように、上述のLCDには、表示状態が視野角に依存してしまうといった欠点がある。
上述のような欠点を解決する手段としては、液晶層に対して突起を形成する技術が提案されている。かかる突起は液晶の配向を制御するために形成されるものであり、液晶配向制御用突起と称される。該突起は、その表面に沿って局部的に液晶分子の配向状態に傾きを与え、液晶面に対して斜めから観察した場合であっても、液晶面を正面から観察した場合と同様の表示状態が得られるように視野角を拡げるものである。
このような技術としては、フェノールノボラック樹脂を用いて液晶配向制御用突起を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。かかる技術は、ポジ型のフォトレジストをスピンコータにて1.5μmの厚さに塗布して塗布層を形成し、該塗布層をプリベークした後に、露光・現像処理を施してパターン形成し、その後、240℃で20分間ポストベーク(熱フロー)を行い、液晶配向制御用突起を形成するものである。しかし、フェノールノボラック樹脂は、現像ラチチュードが狭く、現像条件による性能の変動が大きい。
また、このように液状のフォトレジストをスピンコータによって塗布する方法では、膜厚の均一性が問題となる。特に、近年ではLCDのサイズが大型化しており、元の基板のサイズも1mを超えるものまでが実用化されつつある。このような大きなサイズの基板を用いる場合、スピンコータによる塗布では膜厚の分布が大きくなってしまう。このため、膜厚が不均一になり、LCDの表示特性にばらつき(ムラ)が生じてしまうといった問題がある。
このようにスピンコータを用いることによる問題を解決するために以下の2つの方法が提案されている。一つは、予め1mを超える巾の仮支持体にスリット状の開口部を有するノズルでフォトレジストを均一に塗布した塗布層を乾燥することで得られる感光性転写材料等を用いる方法である(以下、感光性転写材料を用いた方法を「転写方式」と称する場合がある。)。かかる転写方式では、液物性を適切に調整して塗布することが可能であり、膜厚の均一性を高めることができる。かかる感光性転写材料は、必要に応じて熱可塑性樹脂層、中間層及びカバーフィルムなどが使用される(例えば、特許文献2参照。)。
また、二つめの方法としては、スリット状の開口部を有するノズルを用いて基板に直接感光性樹脂組成物を塗布する方法が挙げられる(以下、「スリット方式」と称する場合がある。)(例えば、特許文献3参照。)。
上述の二つの方式は何れにおいても、大型基板塗布時の均一性を、スピンコータを用いた場合と比して改善することが可能である。しかし、これらの方法であっても、上述のようにフェノールノボラック樹脂を用いると、フェノールノボラック樹脂は現像ラチチュードが狭いため、現像条件の変動で一部の突起が脱落したり、変形を起こしたりするため、LCDに組み込んだ際に液晶特性のムラを生じさせるという問題がある。
特開2002−122858号公報 特開平5−80503号公報 特開平11−188301号公報
本発明は、上述の問題を解決すべく、液晶分子の配向を規制する液晶配向制御用突起の形成に好適に用いられ、大型の基板に液晶配向制御用突起を形成した場合であってもその膜厚が均一であり、且つ、現像ラチチュードが広い感光性樹脂組成物及び感光性転写材料、並びに、これらを用いて形成された液晶配向制御用突起、その形成方法、及び、これを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
<1> フェノールノボラック樹脂、ナフトキノンジアジドエステル及び2価以上の脂肪族カルボン酸を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
<2> 上記<1>に記載の感光性樹脂組成物が2価から6価のフェノール化合物を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
<3> 仮支持体上に、少なくとも一層の感光性樹脂層を有する感光性転写材料であって、該感光性樹脂層が上記<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成されることを特徴とする感光性転写材料。
<4> 仮支持体上に、熱可塑性樹脂層、中間層、前記感光性樹脂層をこの順に有することを特徴とする上記<3>に記載の感光性転写材料。
<5> 上記<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物を用いて基板上に形成されることを特徴とする液晶配向制御用突起。
<6> 前記形成方法がスリット状の開口部を有するノズルによる塗布であることを特徴とする上記<5>に記載の液晶配向制御用突起。
<7> 上記<3>又は<4>に記載の感光性転写材料を用いて形成されたことを特徴とする液晶配向制御用突起。
<8> 上記<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物を用いた液晶配向制御用突起の形成方法であって、該感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程、前記基板上に塗布された前記感光性樹脂組成物をパターニングするパターニング工程とを含むことを特徴とする液晶配向制御用突起の製造方法。
<9> 上記<3>又は<4>に記載の感光性転写材料を用いた液晶配向制御用突起の形成方法であって、前記感光性転写材料の感光性樹脂層を基板上に転写する転写工程と、前記基板上に転写された前記感光性樹脂層をパターニングするパターニング工程とを含むことを特徴とする液晶配向制御用突起の製造方法。
<10> 上記<5>〜<7>のいずれか1項に記載の液晶配向制御用突起を有することを特徴とする液晶表示装置。
本発明によれば、液晶分子の配向を規制する液晶配向制御用突起の形成に好適に用いられ、大型の基板に液晶配向制御用突起を形成した場合であってもその膜厚が均一であり、且つ、現像ラチチュードが広くマイルドな現像が可能で現像速度が向上した感光性樹脂組成物及び感光性転写材料、並びに、これらを用いて形成された液晶配向制御用突起、その形成方法、及び、これを用いた液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明の感光性樹脂組成物、感光性転写材料、液晶配向制御用突起及びその製造方法、並びに液晶表示装置について詳細に説明する。
≪感光性樹脂組成物≫
本発明の感光性樹脂組成物は、フェノールノボラック樹脂、ナフトキノンジアジドエステル及び2価以上の脂肪族カルボン酸を含有することを特徴とする。
本発明の感光性樹脂組成物を基板等に直接塗布し、或いは該組成物を用いて下記の転写材料を作製し基板等に転写して得られた感光性樹脂層(膜)は、現像ラチチュードに優れ、マイルドな現像と現像速度の向上を達成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、更に2価〜6価のフェノール化合物を含有することが好ましい。また、必要に応じて、可塑剤、高沸点溶剤等のその他の成分を含有することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、液晶セル内構造体の形成に用いることができる。即ち、液晶表示素子を構成する導電層の外側(導電層と液晶層との間)から液晶層側に凸となるよう(即ち、液晶表示素子を構成する導電層と基板との間、また、液晶表示素子がカラーフィルタを備えている場合には、該カラーフィルタを有する側の基板の導電層と液晶層の間に設けられると共に、カラーフィルタを有しない側の基板の導電層と基板との間)に設けられる配向制御用突起、及び液晶セル間ギャップを一定に保つためのスペーサー等の液晶セル内構造体の形成に用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、光を吸収し化学反応して、アルカリ可溶性を増す性質を有し、該光としては、350〜450nmの紫外〜可視光線が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、熱硬化性の樹脂組成物であり、不要部(照射部)ではアルカリ溶液に対して易溶性を有する。
以下、本発明の感光性樹脂組成物を構成する各成分について詳細に説明する。
(フェノールノボラック樹脂)
上記フェノールノボラック樹脂としては、フェノールに対するホルムアルデヒドのモル比が0.5〜1.0程度のものが好ましく、現像性及び焼き付きの観点から0.8〜1.0が更に好ましい。また、上記フェノールノボラック樹脂の重量平均分子量としては、300〜4000が好ましく、400〜800が特に好ましい。
前記フェノールノボラック樹脂はこれらの誘導体であってもよい。
前記フェノールノボラック樹脂は、単独で用いてもよいし、分子量が異なる2種以上の混合物として用いることもできる。本発明の目的を損なわない範囲で、クレゾールノボラック等の他の樹脂と混合して用いてもよい。
上記フェノールノボラック樹脂の含有量としては、感光性樹脂組成物中の全固形分量に対して、40〜90質量%が好ましく、60〜80質量%がさらに好ましい。
(ナフトキノンジアジドエステル)
本発明の感光性樹脂組成物は、更にナフトキノンジアジドエステルを含有する。
前記ナフトキノンジアジドエステルは、1官能の化合物であってもよいし2官能以上の化合物であってもよく、更にこれらの混合物であってもよい。
1官能のナフトキノンジアジドエステルとしては、ナフトキノン−4−スルホン酸クロリド若しくはナフトキノン−5−スルホン酸クロリドと、置換フェノールとが反応したエステル化合物であることが好ましい。
また、2官能以上のナフトキノンジアジドエステルとしては、ナフトキノン−4−スルホン酸クロリド若しくはナフトキノン−5−スルホン酸クロリドと、フェノール性水酸基を複数有する化合物とが反応したエステル化合物であることが好ましい。
前記フェノール性水酸基を複数有する化合物としては、例えば、ビスフェノール類、トリスフェノール類、テトラキスフェノール類等のポリフェノール類;ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン等の多官能フェノール;ビス型又はトリス型のジヒドロキシベンゼン若しくはトリヒドロキシベンゼン、非対称の多核フェノール、並びに、これらの混合物等が好ましい。
前記フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、例えば、4−t−ブチルフェノール、4−イソアミルフェノール、4−t−オクチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、2−アセチルフェノール、4−ヒドロキシベンゾフェノン、3−クロロフェノール、4−ベンジルオキシカルボニルフェノール、4−ドデシルフェノール、レゾルシノール、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−1,3−ベンゼンジオール、フロログルシノール、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール]等が挙げられる。
上記ナフトキノンジアジドエステルの具体例としては、例えば、4’−t−オクチルフェニルナフトキノンジアジド−5−スルホネート、4’−t−オクチルフェニルナフトキノンジアジド−5−スルホネート、4’−ベンゾイルフェニルナフトキノンジアジド−5−スルホネート、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドとの反応物が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物中のナフトキノンジアジドエステルのフェノールノボラック樹脂に対する重量比は、現像性を高める観点から、1〜200質量%が好ましく、5〜50質量%が更に好ましい。
(2価以上の脂肪族カルボン酸)
本発明の感光性樹脂組成物は、更に2価以上の脂肪族カルボン酸を含有する。該2価以上の脂肪族カルボン酸は、2〜100価が好ましく、2〜30価がより好ましい。
前記2価以上の脂肪族カルボン酸の具体例としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のアルキレンにより結合する2価以上のカルボン酸等、該アルキレンがOH等の置換基により置換されたヒドロキシコハク酸、酒石酸、リンゴ酸等の2価以上のカルボン酸等、フマル酸、マレイン酸等のアルケニルにより結合する2価以上のカルボン酸等が挙げられる。
更に、3価以上の脂肪族カルボン酸としては、1,2,4−ブタントリカルボン酸が挙げられる。
これらの中でも、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸が好ましく、更に、マロン酸、アジピン酸が好ましい。
2価以上の脂肪族カルボン酸を1種単独で用いても、また他の2価以上の脂肪族カルボン酸を併用してもよい。
該2価以上の脂肪族カルボン酸の含有量としては、感光性樹脂組成物中の全固形分量に対して、1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%が更に好ましい。
(2価〜6価のフェノール化合物)
本発明の感光性樹脂組成物は、該組成物を薄膜化した際の柔軟性、強靭性を強化するために、2価〜6価のフェノール化合物を含有することが好ましい。これにより、上記感光性樹脂層を薄膜化した場合であっても、ひび割れ欠陥等の発生を抑制することができる。
2価〜6価のフェノール化合物としては、例えば、ビスフェノール類、トリスフェノール類、テトラキノスフェノール類等のポリフェノール類;ジヒドロキシベンゼン、トリスヒドロキシベンゼン等の多官能フェノール;ビス型又はトリス型のジヒドロキシベンゼン若しくはトリスヒドロキシベンゼン、非対称の多核フェノール、並びに、これらの混合物等が挙げられる。
2価〜6価のフェノール化合物の具体例としては、例えば、ビスフェノールシクロヘキスル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−3−メチルペンタン、レゾルシノール、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−1,3−ベンゼンジオール、フロログルシノール、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール]、4−t−ブチルフェノール、4−イソアミルフェノール、4−t−オクチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、2−アセチルフェノール、4−ヒドロキシベンゾフェノン、3−クロロフェノール、4−ベンジルオキシカルボニルフェノール、4−ドデシルフェノール、等が挙げられ、ビスフェノールシクロヘキシル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−3−メチルペンタン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、これらを単独に用いても、また、複数のフェノール化合物を併用した混合物として用いても良い。
上記感光性樹脂組成物中の2価〜6価のフェノール化合物の含有量は、膜の柔軟性、現像性と残膜性の観点から、感光性樹脂組成物中の全固形分に対して、1〜10質量%が好ましく、3〜8質量%が更に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物の塗布手段は、下記の感光性転写材料の感光性樹脂層を形成する手段において、仮支持体を用いる代わりに基板を用いる以外は、該手段と同様であり好ましい態様も同様である。
また、形成する該層の層厚等についても、該感光性転写材料の感光性樹脂層と同様であり、必要に応じて適宜設定することができる。
該基板としては、液晶表示装置等の駆動側基板、カラーフィルター側基板、対向側基板に用いられる基板であり、例えば、ソーダガラス板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガラス板、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いはプラスチックフイルム等を用いることができる。
(その他の成分)
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて相溶性の可塑剤、熱可塑性の結合剤、溶剤、消色性染料、界面活性剤等のその他の成分を添加することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には相溶性の可塑剤が含有されていてもよい。上記相溶性の可塑剤を該感光性樹脂組成物に添加することで、感光性樹脂組成物を薄膜化したときの膜強度を高めることができる。このため、上記感光性樹脂層を薄膜化した場合であっても、ひび割れ欠陥等の発生を抑制することができる。
前記可塑剤としては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェートビフェニルジフェニルフォスフェート、4−t−ブチルフェノール、プロピレングリコール等が挙げられ、トリクレジルフォスフェート、4−t−ブチルフェノール、プロピレングリコールが好ましい。
上記感光性樹脂組成物中の可塑剤の含有量は、該感光性樹脂組成物の全固形分に対して0.5〜20質量%が好ましく、5〜15質量%が更に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、熱可塑性の結合剤を用いることができる。上記熱可塑性の結合剤としては、例えば、エチレン性不飽和化合物等の公知の結合剤が挙げられる。該結合剤の添加量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定される。
本発明の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物中に溶剤を残存させて軟膜化し、薄膜化した際に膜が脆くなってひび割れ等が発生するのを防止することができる。
上記感光性樹脂組成物中に残存させる溶剤としては、該感光性樹脂組成物に用いられる溶剤であってもよく、高沸点溶剤が特に好ましい。
上記高沸点溶剤としては、1−メトキシプロピルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフリルアルコール、エトキシプロピルプロピオネート等が挙げられる。
また、上記高沸点溶剤の沸点としては、120℃以上が好ましく、140℃以上が更に好ましい。上記感光性樹脂組成物中に残存させる溶剤の該組成物中の全固形分に対する含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%が更に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる溶剤としては、前記高沸点溶剤以外に本発明の効果を損なわない範囲で公知の有機溶剤から適宜選定したものを用いることができる。該有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール類;プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキンプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;等が挙げられる。これらの有機溶剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組合わせて用いてもよい。
これらの中でも、各成分の溶解性、及び膜形成性の点で、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のジエチレングリコール類が特に好適である。
更に、上記感光性樹脂組成物を用いて作製した下記転写材料を使用して液晶配向制御用突起の形成時における転写不良や精度不良等の故障の認識を可能とし、製造適性を向上させる観点から、必要に応じて消色性染料を添加することもできる。
上記消色性染料とは、一般に、200℃、1時間の加熱により消色し得る色素を意味し、ベーク時に消色可能な有色染料である。上記消色性染料としては、180℃、1時間の加熱により消色する色素が好ましい。このような色素は、通常、熱による分解若しくは酸化等による構造変化を起こすか、或いは熱によって蒸発若しくは昇華するものである。また、消色性染料を用いて液晶配向制御用突起を作製した場合、該液晶配向制御用突起は、消色後に、400〜800nmの平行光線に対して90%以上の光透過率を有することが好ましい。
上記消色性染料としては、熱によって分解する色素として、例えば、ビクトリアピュアブルーBOH、ビクトリアピュアブルーBOH−M、マラカイトグリーン、アイゼンマラカイトグリーン、マラカイトグリーン塩酸塩、アイゼンダイヤモンドグリーン等のジアルキルアミノトリフェニルメタン系の染料等が挙げられる。また、熱により蒸発又は昇華する色素としては、例えば、オリエントオイルブラウン、メチルイエロー、スミカロンブリリアントブルーB、1,3,5−トリフェニルテトラゾリウムホルマザンなどが挙げられる。
上記消色性染料としては、上記のほか、染料便覧(有機合成化学協会編、丸善、昭和47年7月20日発行)に記載される、昇華堅牢試験の耐汚染性の評価(180℃、1時間以下の条件)が1〜3のものも使用可能である。具体的には、C.I. Disperse Yellow 8, 31, 72、C.I. Disperse Orange 1, 3,20, 21 、C.I. Disperse Red 15, 55, 60, 65、C.I. Disperse Violet 8, 23,26, 37、C.I. Disperse Blue 20, 26, 55, 56, 72, 90, 91, 92, 106、C.I. Disperse Black 29、 Diacellition Direct Black B M/D (三菱化成(株)製)、Sumikaron Violet RS (住友化学(株)製)、Dianix Fast Sky Blue B M/D(三菱化成(株)製)、Miketon Polyester Blue BCL, GRN (三井石油化学(株)製)、Kayaron Polyester Navy Blue GF(日本化薬(株)製)等が挙げられる。加熱装置の適性、環境汚染を考慮すると、前記消色性染料としては、熱分解性の染料が好ましい。
前記消色性染料の添加量としては、感光性樹脂組成物中の全固形分に対して0.1〜10質量%であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、更に該組成物の均一性向上のため界面活性剤を添加することができる。
該界面活性剤としては、特に限定されず用いることができるが、たとえば、フッソ系界面活性剤(メガファックF−780F/大日本インキ(株)製、メガファックF−176PF/大日本インキ(株)製)が好ましい。
該界面活性剤は、単独で用いても併用しても特に限定されるものではない。
該界面活性剤の添加量としては、感光性樹脂組成物中の全固形分に対して0.01〜0.5質量%であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じてその他の添加物を添加することができる。
<感光性転写材料>
本発明の感光性転写材料は、前記感光性樹脂組成物を含有する感光性樹脂層を仮支持体上に少なくとも1層を有する。更に、必要に応じて、熱可塑性樹脂層と中間層とを有することができる。
以下、仮支持体上に熱可塑性樹脂層、中間層及び感光性樹脂層をこの順で積層した態様を例に、本発明の感光性転写材料について説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、仮支持体上に直接感光性樹脂層が形成された態様であってもよいし、仮支持体と感光性樹脂層との間に、熱可塑性樹脂層及び中間層のいずれかのみが形成された態様であってもよい。
−感光性樹脂層―
即ち、感光性樹脂組成物により形成された感光性樹脂層に、フェノールノボラック樹脂と、ナフトキノンジアジドエステルと、2価以上の脂肪族カンボン酸とを含有することで、所望のパターンで露光した際に該露光部をアルカリ水溶液等による現像によって除去するポジ型の感光性転写材料とすることができる。
このポジ型レジストは、ナフトキノンジアジドエステルがアルカリ可溶性のフェノールノボラック樹脂に対して溶解禁止剤として作用するが、光を受けると光分解して3−インデンカルボン酸を生成し、溶解禁止効果がなくなる。このため、フェノールノボラック樹脂とナフトキノンジアジドとを含む、上記感光性樹脂層は、アルカリ現像により光照射部のみが溶解される機能を有する。
上記感光性樹脂層の層厚としては、0.5〜10μmが好ましく、1〜6μmが更に好ましい。上記膜厚が0.5〜10μmの範囲内にあると、感光性樹脂層用塗布液を仮支持体上に塗布する際に、ピンホールが発生しにくく、現像持に露光部の除去を容易におこなうことができる。
上記感光性樹脂層は、前記感光性樹脂組成物を、仮支持体(仮支持体と感光性樹脂層との間に熱可塑性樹脂層や中間層が設けられている場合にはその層)上に、種々の塗布手段を用いて塗布、乾燥することで形成することができる。
上記感光性樹脂層を形成するための上記塗布手段としては、公知の塗布手段を適宜選定することができるが、より層厚の均一な感光性樹脂層を形成するために、スリット状の開口部を有するノズルを用いて感光性樹脂層を形成するのが好ましい。
具体的には、前記感光性樹脂組成物を、スリット状の開口部を有するノズルによって塗布することで形成することが好ましい。上記スリット状の開口部を有するノズルは、塗布対象となる仮支持体等の外形寸法に、略一致する幅を有するものであり、図2に示すような櫛状等のシム部材がその開口部に備えられている。図2は、スリット状の開口部を有するノズルに備えられる櫛状のシム部材を示す概略図であり、波線で表される開口部26に櫛状のシム部材28が備えられ、スリット状の開口部を形成していることを示す。
かかるスリット状の開口部を有するノズルによる塗布は、上記ノズルを有するヘッドを、ノズルの開口部の長手方向と略直交するように塗布対象物である仮支持体に対して相対移動させながら、感光性樹脂組成物を仮支持体(仮支持体と感光性樹脂層との間に熱可塑性樹脂層や中間層が設けられている場合にはその層)上に塗布することで行われる。
上記スリット状の開口部を有するノズルについては、特開平11−188301号公報等に記載にされており、かかる公報に記載されるものを適宜使用することができる。
−仮支持体―
上記仮支持体としては、後述する熱可塑性樹脂層に対して、転写の支障とならない程度の剥離性を有するものが好ましく、化学的、熱的に安定で可撓性のものが好ましい。上記仮支持体としては、具体的に、テフロン(R)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄膜シート若しくはこれらの積層物が好適に挙げられる。
上記仮支持体と熱可塑性樹脂層との間には、良好な剥離性を確保するために、グロー放電等の表面処理は施さず、またゼラチン等の下塗り層も設けないことが好ましい。上記仮支持体の厚みとしては、5〜300μmが適当であり、20〜150μmが好ましい。
−熱可塑性樹脂層−
本発明に係る熱可塑性樹脂層は、仮支持体の第一層目として設けられ、主として熱可塑性樹脂を含んでなり、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。上記熱可塑性樹脂としては、転写後のアルカリ現像を可能とし、或いは転写時の転写条件によっては熱可塑性樹脂が周囲にはみ出して被転写体である基板上を汚染してしまう場合に除去処理を可能とするために、アルカリ性水溶液に可溶な樹脂が好適である。更に、熱可塑性樹脂層は、被転写体である基板上(又はカラーフィルタ上)に転写する際、基板上(又はカラーフィルタ上)に存在する凹凸に起因して生じうる転写不良を防止するクッション材としての機能をも発揮させる観点から、加熱密着時に被転写物表面の凹凸に応じて変形しうる性質を有することが好ましい。
上記の点から、上記熱可塑性樹脂としては、アルカリ可溶性であって、実質的な軟化点が80℃以下の樹脂が好ましい。軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、一種単独からなるものであっても、二種以上を併用したものであってもよい。
更に、上記熱可塑性樹脂としては、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)に記載の、軟化点が約80℃以下の有機高分子物質のうち、アルカリ水溶液に可溶なものも使用できる。
また、軟化点80℃以上の有機高分子物質であっても、その有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種公知の可塑剤を添加することにより、実質的な軟化点を80℃以下に下げて使用することもできる。
上記有機高分子物質を用いる場合、上述の仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を超えない範囲で、各種ポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤等を加えることもできる。
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の他、後述の中間層、及び上記感光性樹脂層を順次積層して構成されてもよいが、特に熱可塑性樹脂層と仮支持体との間の接着強度が他の層間における接着強度よりも小さくすることが必要である。これにより転写の後、仮支持体を容易に剥離することができ、更に剥離の際に熱可塑性樹脂層表面の破壊を伴うことなく仮支持体を除去することができる。これは、仮支持体除去後の感光性樹脂層への露光を均一に行うことが可能となる点で好ましい態様である。
上記熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂と必要に応じて他の成分とを有機溶剤に溶解して塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を調製し、例えば、公知の塗布方法で塗布可能であり、また、上述のスリット状の開口部を有するノズルにより仮支持体上に塗布等して形成することができる。
上記有機溶剤としては、前記感光性樹脂組成物で用いることができる溶剤で、高沸点溶剤以外の有機溶剤を同様に用いることができる。
該有機溶剤以外に、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶剤を添加することもできる。
これらの有機溶剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組合わせて用いてもよい。
上記熱可塑性樹脂層の層厚としては、6〜100μmが好ましく、6〜50μmがより好ましい。上記層厚が、6〜100μmの範囲内にあると、基板(又はカラーフィルタ)上の1μm以上の凹凸を完全に吸収することができると共に、現像性、製造適性を向上させることができる。
−中間層−
上記感光性樹脂層や上記熱可塑性樹脂層には有機溶剤が用いられることから、両記中間層は、両層が互いに混ざり合うのを防止する機能を有する。また、上記中間層は、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものであればよく、酸素透過性の低いものが好ましい。
上記中間層は、水又はアルカリ水溶液に分散、溶解可能な樹脂成分を主に構成され、必要に応じて、界面活性剤等の他の成分を含んでいてもよい。上記中間層を構成する樹脂成分としては、公知のものの中から適宜選択でき、例えば、特開昭46−2121号公報や特公昭56−40824号公報に記載の、ポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリルアミド類、各種水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱粉及びその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、及びこれらを2種以上組合せたもの等が挙げられる。
中でも、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを組合せてなるものが特に好ましい。更に、上記ポリビニルアルコールとしては、鹸化率が80%以上のものが好ましい。また、上記ポリビニルピロリドンの含有量としては、中間層の固形分の1〜75質量%であることが好ましく、1〜60質量%であることが更に好ましく、10〜50質量%であることが最も好ましい。上記ポリビニルピロリドンの含有量が、1〜75質量%の範囲内にあると、感光性樹脂層との密着性を十分に高めることができ、且つ、酸素遮断能を向上させることがある。
上記中間層の酸素遮断能が低下すると解像度が低下することがある。このため、上記中間層の酸素透過率は小さいことが好ましい。
上記中間層は、樹脂成分等を水系溶媒に溶解、分散して塗布液(中間層用塗布液)を調製し、例えば、公知の塗布方法で塗布可能であり、また、上述のスリット状の開口部を有するノズルにより上記熱可塑性樹脂層上に塗布等して形成することができる。上記水系溶媒としては、蒸留水等の水を主成分とし、所望により本発明の効果を損なわない範囲でアルコール等の水と親和性のある溶剤や塩等を添加した溶媒が挙げられる。
上記中間層の層厚としては、約0.1〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。上記層厚が、約0.1〜5μmの範囲内にあると、酸素透過性が高くなりすぎて感光性樹脂層の解像度が低下することがなく、現像や中間層除去を容易に行うことができる。
−カバーフィルム−
上記感光性樹脂層上には、保管等の際の汚れや損傷から保護する目的で、カバーフィルムを設けることが好ましい。上記カバーフィルムは、感光性樹脂層から容易に剥離可能なものの中から選択でき、上記仮支持体と同一又は類似の材料からなるものであってもよい。具体的には、シリコーン紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオロエチレンシート等が好ましく、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンフィルムがより好ましい。
上記カバーフィルムの厚みとしては、約5〜100μmが好ましく、10〜60μmがより好ましい。
<感光性転写材料の製造方法>
本発明の感光性転写材料は、上記仮支持体上に、まず、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解し調製した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布・乾燥して、熱可塑性樹脂層を設け、続いて該熱可塑性樹脂層上に、熱可塑性樹脂層を溶解しない溶媒を用いてなる塗布液(中間層用塗布液)を塗布、乾燥して中間層を設け、更に該中間層上に、中間層を溶解しない溶剤にフェノールノボラック樹脂等を溶解し調製した感光性樹脂層用塗布液(感光性樹脂組成物)を塗布、乾燥して感光性樹脂層を設けることにより形成することができる。或いは、上記カバーフィルム上に感光性樹脂層を設けると共に、別途仮支持体上に熱可塑性樹脂層と中間層とを設け、それぞれを中間層と感光性樹脂層とが接するように貼り合わせることにより形成することもできる。
また、本発明の感光性転写材料は、上記カバーフィルム上に感光性樹脂層と中間層とを設けると共に、別途仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設け、それぞれを上述と同様に、中間層と感光性樹脂層とが接するように貼り合わせることによっても製造することができる。
また、後述するように、本発明の感光性転写材料を被転写体である基板やカラーフィルタ上に密着させた後、感光性転写材料の仮支持体を剥離する過程では、仮支持体や基板等が帯電する結果、周囲のゴミ等を引き寄せ、剥離後の感光性樹脂層上にゴミ等が付着することがある。このような場合、その後の露光過程で感光性樹脂層に未露光部ができ、その部分が現像の際に残ってしまうことがある。このため、帯電を防止する目的で、仮支持体の少なくとも一方の表面に導電性層を設けたり、或いは導電性を付与した仮支持体を用いることによって、その表面の電気抵抗を1013Ω以下にまで低下させることが好ましい。
上述のように仮支持体に導電性を付与するためには、仮支持体中に導電性物質を含有させればよい。このような方法としては、例えば、金属酸化物の微粒子や帯電防止剤を予め練り込んでおく方法が好適である。上記金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン等の結晶性金属酸化物、及び/又は、その複合酸化物の微粒子が挙げられる。
上記帯電防止剤としては、エレクトロストリッパーA(花王(株)製)、エレノンNo.19(第一工業製薬(株)製)等のアルキル燐酸塩系アニオン界面活性剤;アモーゲンK(第一工業製薬(株)製)等のベタイン系両性界面活性剤;ニッサンノニオンL(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤;エマルゲン106、120、147、420、220、905、910(花王(株)製)やニッサンノニオンE(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、等が好適である。その他、非イオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系等のものが挙げられる。
仮支持体上に導電性層を設ける場合、該導電性層は公知のものの中から、適宜選択して用いることができる。上記導電性層に用いる導電性物質として、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3等から選ばれる少なくとも1種の結晶性金属酸化物、及び/又は、その複合酸化物の微粒子等が挙げられる。これらの導電性物質を導電性層に含有させて用いる方法が湿度環境に影響されず、安定した導電効果を発揮する点で好ましい。
また、上記結晶性金属酸化物又はその複合酸化物の微粒子の体積抵抗値としては、107Ω・cm以下が好ましく、105Ω・cm以下が更に好ましい。また、その粒子径としては、0.01〜0.7μmが好ましく、0.02〜0.5μmが更に好ましい。
上記結晶性金属酸化物及びその複合酸化物の微粒子の製造方法は、特開昭56−143430号公報等に詳細に記載されている。即ち、第1に、金属酸化物微粒子を焼成によって作製し、導電性を向上させる異種原子の存在下で熱処理する方法、第2に、焼成によって金属酸化物微粒子を作製する際に導電性を向上させるための異種原子を共存させる方法、第3に、焼成により金属微粒子を作製する際に雰囲気中の酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導入する方法等が記載されている。上記異種原子を含む具体例としては、ZnOに対してはAl、In等;TiO2に対してはNb、Ta等;、SnO2に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等を存在させることが挙げられる。
上記異種原子の添加量としては、0.01〜30mol%が好ましく、0.1〜10mol%がより好ましい。導電性粒子の使用量としては、0.05〜20g/m2が好ましく、0.1〜10g/m2がより好ましい。
本発明の感光性転写材料の仮支持体に設けられる導電性層には、バインダーとして、例えば、ゼラチン、セルロースナイトレート、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル;塩化ビニリデン、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、炭素数1〜4のアルキルアクリレート、ビニルピロリドン等を含むホモポリマー又は共重合体;可溶性ポリエステル、ポリカーボネート、可溶性ポリアミド等を使用することができる。
また、これらのバインダー中に導電性粒子を分散する場合、チタン系分散剤又はシラン系分散剤等の分散液を添加してもよく、更に、必要に応じてバインダー架橋剤等を添加することもできる。
上記チタン系分散剤としては、例えば、米国特許第4,069,192号公報、同第4,080,353号公報等に記載の、チタネート系カップリング剤、プレンアクト(味の素(株)製)などが挙げられる。上記シラン系分散剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、「シランカップリング剤」(信越化学(株)製)として市販されている。上記バインダー架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤などが挙げられる。
上記導電性層は、導電性微粒子をバインダー中に分散させて仮支持体上に塗設したり、仮支持体上に下引処理(例えば、下塗り層等)を施した上に導電性微粒子を付着させたりすることにより設けることができる。
上記導電性層は、仮支持体の感光性樹脂層を塗設した面とは反対の表面上に設けてもよく、この場合には、十分な耐傷性を確保する目的で、導電性層上に更に疎水性重合体層を設けることが好ましい。この疎水性重合体層は、疎水性重合体を有機溶剤に溶解した状態又は水性ラテックスの状態で塗布すればよく、その塗布量としては、乾燥質量で0.05〜1g/m2程度が好ましい。
上記疎水性重合体としては、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテート等のセルロースエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルアクリレート等を含むビニル系ポリマー;有機溶剤可溶性ポリアミド、ポリエステル等のポリマーを挙げることができる。
上記疎水性重合体層には、スベリ性を付与する目的で、例えば、特開昭55−79435号公報に記載の有機カルボン酸アミド等のスベリ剤を使用することができる。また、必要に応じて、マット剤等を使用することもできる。このような疎水性重合体層を設けても、導電性層の効果は実質的に影響を受けない。
また、下塗り層を設ける場合、特開昭51−135526号公報、米国特許第3,143,421号公報、同第3,586,508号公報、同第2,698,235号公報、同第3,567,452号公報等に記載の塩化ビニリデン系共重合体、特開昭51−114120号公報、米国特許第3,615,556号公報等に記載のブタジエン等のジオレフイン系共重合体、特開昭51−58469号公報等に記載のグリシジルアクリレート又はグリシジルメタアクリレート含有共重合体、特開昭48−24923号公報等に記載のポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、特開昭50−39536号公報に記載の無水マレイン酸含有共重合体等を用いることができる。
本発明においては、特開昭56−82504号公報、特開昭56−143443号公報、特開昭57−104931号公報、特開昭57−118242号公報、特開昭58−62647号公報、特開昭60−258541号公報等に記載の導電性層も必要に応じて用いることができる。
仮支持体上に、導電性層を塗布する場合、ローラーコート、エアナイフコート、グラビアコート、バーコート、カーテンコート等の公知の方法により塗布することができる。十分な帯電防止効果を得るためには、導電性層又は導電性を付与した仮支持体の表面電気抵抗値を、1013Ω以下とすることが好ましく、1012Ω以下とすることが更に好ましい。
また、熱可塑性樹脂層と仮支持体との強固な接着を防止するため、仮支持体面に公知の微粒子を含有する滑り剤組成物、シリコーン化合物を含有する離型剤組成物等を塗布することもできる。
仮支持体の熱可塑性樹脂層を設けない側の表面に導電性層を設ける場合には、熱可塑性樹脂層と仮支持体との接着性を向上させる目的で、仮支持体に、例えば、グロー放電処理、コロナ処理、紫外線照射処理等の表面処理、フェノール性物質、ポリ塩化ビニリデン樹脂、スチレンブタジエンゴム、ゼラチン等の下塗り処理又はこれらの処理を組み合わせた処理を施すことができる。
仮支持体用のフィルムは押し出し形成により形成することが可能であるが、導電性物質又は導電性層を仮支持体と同一又は異質のプラスチック原料に含有させ、上記フィルムと同時に押し出し形成した場合には、接着性、耐傷性に優れた導電性層を容易に得ることができる。この場合、上記疎水性重合体層や下塗り層を設ける必要はなく、転写材料を構成する導電性付与仮支持体として最も好ましい実施形態である。
《液晶配向制御用突起》
本発明の液晶配向制御用突起は、感光性樹脂組成物に光をパターン状に照射し、現像処理により不要部(露光部)を除去した後、べークと呼ばれる熱処理を行うことにより形成できる。
本発明の配向制御用突起は、具体的には、(1)転写材料により形成する方法と、(2)スリット&スピン型コーターや、スリットコーターなどのコーターにより形成する方法、により形成できる。より均一な膜厚を得られる点で(1)の方法が好ましい。
上述のようにして形成される本発明の液晶配向制御用突起は、液晶分子の配向の向きを規制し得る形状及び形態を有し、上述のように液晶表示装置の導電層の内側(導電層と基板の間)に形成されていればよく、その形状、形態には特に制限はない。本発明の液晶配向制御用突起の形状としては、公知の形状の中から適宜選択することができ、例えば、基板面(又はカラーフィルタ面)を底面とする角錐型(三角錐、四角錐等)、半球型のものや、基板面(又はカラーフィルタ面)を底面とする円錐型、台形型、蒲鉾型のもの、又は、帯状に基板上(又はカラーフィルタ上)に形成されその長さ方向と直交する断面形状が三角形である三角柱状のもの、更に、その長さ方向と直交する断面形状が半円形、四角形、台形、蒲鉾形等の柱状体のものなどを用いることができる。液晶配向制御用突起は、例えば、特許第2947350号公報等に記載された形状等に形成することができる。
また、本発明の配向制御用突起の配置態様としては、公知の態様の中から適宜選択することができ、例えば、特許第2947350号公報等に記載の態様で形成できる。例えば、帯状に基板上に形成されその長さ方向と直交する断面形状が台形である複数の柱状体が等ピッチで1方向に平行に延びたパターンで配置され、且つ2枚の基板の各導電層と基板との両方の間に設けられてなる態様であってもよい(特許第2947350号公報の図14参照)。本発明の液晶配向制御用突起が両方の基板の導電層基板との間に設けられる場合には、必ずしも同形状の構造体を形成する必要はなく、異形状の構造体を組合せて形成してもよい。また、基板(又はカラーフィルタ)上に帯状に形成される液晶配向制御用突起は、直線状の形態に限られず、所定の角度をなして屈曲状の形態で設けられてもよい(特許第2947350号公報の図42及び図55等参照)。
その他、上記液晶配向制御用突起の大きさ、配置間隔、配置形状等の詳細については、特許第2947350号公報等の記載を参照できる。
上記構造体の形状の中でも、十分な視野角が得られる点で、基板と直交する断面が台形及び蒲鉾形のいずれかの形状を有する構造体が好ましく、上記した基板面(又はカラーフィルタ面)を底面とする台形型、蒲鉾型や、帯状に基板(カラーフィルタ)上に形成され、その長さ方向と直交する断面形状が半円形、台形、蒲鉾形の柱状体などが好ましい。
また、本発明の前記感光性樹脂組成物又は感光性転写材料を用いて前記配向制御用突起を作製する方法と同様の方法にてスペーサーを形成することもできる。
該感光性転写材料を用いて形成する場合、例えば、カラーフィルター形成時に、カラーフィルターの画素材料等が2種以上重なった部分を形成しておき、透明電極などを形成後、この上に、本発明の感光性転写材料を用いて感光性樹脂層を転写することによってスペーサーを形成することができる。
上記スペーサーの厚みは、一般にはセルギャップと等しくする必要があり、配向制御用突起の厚みより厚いが、前述の構成では、カラーフィルター材の厚みとスペーサーの厚みの合計の厚みでセルギャップを規定できるので、上記感光性樹脂層を厚く形成する必要は無い。このため、配向制御用突起とスペーサーとを同時に形成することができる。
以上の通り、本発明の液晶配向制御用突起を、導電層の外側(導電層と液晶層との間)に液晶層側に凸となるように設ることによって、構造体の凸面に沿って液晶分子の配向の向きが傾斜するように規制されるので、液晶面を観察する位置(視野角)に依存しない広視野角を確保することができる。
本発明の液晶配向制御用突起が用いられる下記の液晶表示装置は、上述のように、一般には、カラーフィルタと該カラーフィルタ上に導電層(電極)とを備えるカラーフィルタ側基板と、これと対向配置される導電層(電極)付きの対向基板との2枚の基板(前記カラーフィルタ側基板及び対向基板のいずれに薄膜トランジスタ(TFT)等の駆動素子が備えられていてもよい。)によって液晶層が挟持されてなる。
本発明の液晶配向制御用突起は、上述の感光性樹脂組成物或いは感光性転写材料を用いて形成され、前記2枚の基板にそれぞれ設けられた導電層の少なくとも一方の内側(特に基板と導電層の間)に、液晶層側に凸となる透明な構造体として設けられる。本発明の液晶配向制御用突起を設けることで、液晶分子の配向の向きを規制し、液晶面に対する観察位置(視野角)に依存しない広視野角を確保することができる。
また、上述のように本発明の液晶配向制御用突起は、カラーフィルターの無い液晶表示装置(白黒表示のための装置、あるいは、バックライトの色を短時間に変更しながら表示するフィールドシーケンシャル型の装置)に適用することもできる。
−液晶配向制御用突起の形成方法−
まず、前記(1)転写材料を用いた形成方法について説明する。
該(1)の方法は、前記感光性転写材料を用いて感光性樹脂層を基板上に転写し(転写工程)、転写後、感光性樹脂層に光をパターン画像様に照射し(パターニング工程)、現像処理により不要部(露光部)を除去することによって形成する方法である。
ここでは、本発明の感光性転写材料として、仮支持体上にアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層及びカバーフィルムがこの順に積層されてなる感光性転写材料を用い、更に、基体上の全面にカラーフィルタ層が設けられた基板を用いた一例を示す。
まず、本発明の感光性転写材料のカバーフィルムを取り除き、感光性樹脂層を加圧、加熱下で被転写体である基板のカラーフィルタ層上に密接し貼り合わせる。基板と感光性樹脂層との貼り合わせには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択したものが使用でき、より生産性を高めるには、オートカットラミネーターも使用可能である。基板と感光性樹脂層とを貼り合わせた後、仮支持体のみを熱可塑性樹脂層との界面で剥がし取り、該熱可塑性樹脂層の上方から熱可塑性樹脂層及び中間層を通して感光性樹脂層を、ポジ用のパターン状に露光(パターニング)する。上記露光は、300〜500nmの波長光の照射により行える。上記露光の光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、Hg−Xeランプ等が挙げられる。
また、上記パターニングの方法としては、例えば、フォトリソグラフィ法による方法、熱可塑性樹脂層の上方に露光マスクを配置し、該マスクを介してパターン状に露光する方法、密着型のプロキシミティ露光装置等の露光手段を用いる方法等が挙げられる。上記密着型のプロキシミティ露光装置等の露光手段を用いる方法によるパターニングを行う際、その露光量としては、感光性樹脂層が溶解する最小露光量の1〜5倍が好ましく、プロキシミティ量としては、40〜300μmが好ましい。
上記露光の後、現像処理して、熱可塑性樹脂層、中間層、及び不要部(露光部分)の感光性樹脂層を除去する。すると、未照射部のみが導電層上に残り、透明構造体が形成される。
上記現像は、公知の方法により行え、溶剤若しくは水性の現像液、特にアルカリ水溶液等を用いて、例えば、(a)露光後の基板自体を現像浴中に浸漬する、(b)露光後の基板にスプレー等により噴霧する等して、更に必要に応じて、溶解性を高める目的で、回転ブラシや湿潤スポンジ等で擦ったり、超音波を照射しながら行うことができる。
上記アルカリ水溶液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が好ましく、更に水混和性のある有機溶剤を少量添加したものも好適に使用することができる。上記アルカリ性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩類、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等のアルカリ金属メタケイ酸塩類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類、燐酸三ナトリウム等が挙げられる。
上記の中でも、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類等の現像条件としてマイルドな条件で現像可能なアルカリ性物質を好適に用いることができる。
アルカリ水溶液中のアルカリ性物質の濃度としては、0.01〜30質量%が好ましく、更にpHとしては、8〜14が好ましい。
上記水混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が挙げられる。この有機溶剤の添加量としては、0.1〜30質量%が好ましい。
また、アルカリ水溶液には、公知の種々の界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の濃度としては、0.01〜10質量%が好ましい。現像時の温度としては、通常、室温付近〜40℃が好ましい。更に、現像処理した後に、水洗処理する工程を入れることもできる。
本発明の感光性転写材料を用いて配向制御用突起やスペーサーを形成する場合、露光、現像後に、ベークと呼ばれる熱処理を行ことにより、構造体をより硬化させることができる。また、ベークを行うことにより、構造体の収縮、適度な流動によって構造体の形状を適度になだらかにすることができる。
上記ベークの温度は、好ましくは200〜300℃、より好ましくは220℃〜260℃、最も好ましくは230℃〜250℃である。上記ベークの時間は、好ましくは10〜120分、更に好ましくは15〜70分、最も好ましくは25〜60分である。このように温度及び時間を設定して上記ベークを行うことで、感光性樹脂成分中の架橋反応が進行しやすく、カラーフィルターの変色を防止し生産性を高めることができる。
続いて、前記(2)の塗布方法(スリット&スピン型コーターやスリットコーターなどのコーターにより形成する方法)について説明するが、これに限定するものではない。
前記(2)の方法は、前記感光性樹脂組成物を基板上にコーター等を用いて塗布することにより、感光性樹脂層を設け(塗布工程)、乾燥後、該層にパターン露光(パターニング工程)、現像、ベークの各処理を行って不要部(露光部)を除去することによって形成する方法である。
パターン露光、現像、べーク等の各処理は、上記した(1)転写材料を用いる方法において説明したものと同様である。
《液晶表示装置》
上述のように本発明の感光性転写材料及び本発明の液晶配向制御用突起を用いて形成された本発明の液晶表示装置(以下、「液晶パネル」ともいう。)は、互いに対向し合う側の表面に導電層が設けられた2枚の基板間に液晶層が挟持され、既述の本発明の液晶配向制御用突起を基板上の導電層の外側(導電層と液晶層との間)から液晶層側に凸となるように備えて構成することができる。また、導電層上にはこれらを覆って配向膜を形成することもできる。
本発明の液晶表示装置の基本的な構成態様としては、(1)薄膜トランジスタ(以下、「TFT」という場合がある。)等の駆動素子と画素電極(導電層)とが配列形成された駆動側基板と、カラーフィルタ及び対向電極(導電層)を備えるカラーフィルタ側基板とをスペーサを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるもの、(2)カラーフィルタが上記駆動側基板に直接形成されたカラーフィルタ一体型駆動基板と、対向電極(導電層)を備える対向基板とをスペーサを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるもの等が挙げられる。
上記導電層としては、例えば、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO2等の金属酸化膜などが挙げられ、中でも透明性のものが好ましく、ITO膜が特に好ましい。上記駆動側基板、カラーフィルタ側基板、対向基板は、その基材として、例えば、ソーダガラス板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガラス板、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いはプラスチックフィルム等を用いて構成される。
TFT等の駆動素子と画素電極とが配列形成された駆動側基板としては、例えば、互いに垂直に交わってマトリックス状に配設されたデータバスライン及びゲートバスラインと接続されたTFT、及びTFTを介してデータバスラインと接続する導電層が設けられたものなどが挙げられる。
上記態様のいずれにおいても、液晶表示素子を構成する基板の両方に導電層が形成され、該両導電層間に電圧が印可されその間に挟持される液晶材料がその電圧に応じて配向状態を変化させ表示を行う。従って、既述の構造体は、いずれの導電層の外側(導電層と液晶層の間)にも所望の形状、形態で形成することができる。
上記構成態様(1)について上述の図1を用いて説明するが、本発明の液晶表示装置はこれらに限定されるものではない。
上記構成態様(1)の一例としては、上述の図1(b)で示される液晶表示装置10が挙げられる。
図1(b)を例に説明すると、一方の基板30は、カラーフィルタ側基板である。ガラス基板20の液晶層16に対向する側の表面には、カラーフィルター24、共通電極をなす導電層(ITO膜)18、及び等ピッチで形成された断面台形の液晶配向制御用突起22がこの順に形成されている。更に、液晶配向制御突起22と液晶層16との間には、配向膜(図示せず)が設けられていてもよい。
他方の基板32は、TFTを備える駆動側基板である。基板32の液晶層16に対向する側の表面には、TFT(図示せず)、該TFTのドレイン電極と接合する導電層(ITO膜)14、及び等ピッチで形成された断面台形の液晶配向制御用突起22(図1では1個のみ示す)が形成されている。
上記基板32には、ゲート電極をなすゲートバスライン(図示せず)が複数本形成されており、該ゲートバスラインに直交して複数本のデータバスライン(図示せず)が平行に形成され、これらゲートバスラインとデータバスラインの交点に対応して複数個のTFTが配列されている。更に、更に、液晶配向制御突起22と液晶層16との間には、配向膜(図示せず)が設けられていてもよい。
上記基板30及び基板32の間には、液晶材料を封入してなる液晶層16が挟持され、液晶配向制御用突起22は導電層18又は14と液晶層16との間の液晶層側に設けられて凸型に突起し、該凸面に沿って液晶分子15が配向している。
以上の通り、本発明の液晶表示装置は、基板の導電層の外側(導電層と液晶層の間)に、着色のない透明な液晶配向制御用突起が設けられるので、液晶表示面に対する観察位置(視野角)に依存しない広視野角を確保することができると共に、3原色(B(青色)、G(緑色)、R(赤色))の色純度をも損なわれず、色相ズレのない鮮明なフルカラー画像を表示し得る液晶表示装置を提供することができる。
なお、上述の図1(a)に示す液晶表示装置は、カラーフィルタを備えていない以外は、上記図1(b)と同様である。即ち、基板32及び基板34の間には、液晶材料を封入してなる液晶層16が挟持され、液晶配向制御用突起22は導電層14の外側から液晶層16側に凸型に突起し、該凸面に沿って液晶分子15が配向している。この構成態様によっても、基板の導電層と液晶層との間に、着色のない透明な液晶配向制御用突起が設けられるので、液晶表示面に対する観察位置(視野角)に依存しない広視野角を確保することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。以下において、本発明に係る構造体を透明構造体ということがある。
[実施例1] 転写による配向制御用突起の形成例1
−感光性転写材料(1)の作製−
仮支持体として、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を準備し、該仮支持体上に、下記組成からなる熱可塑性樹脂層用塗布液H1を塗布し、乾燥して、乾燥層厚20μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
<熱可塑性樹脂層用塗布液H1の組成>
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合比(モル比)=55/28.8/11.7/4.5、重量平均分子量90000) 15部
・ポリプロピレングリコールジアクリレート 6.5部
(重量平均分子量822)
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5部
・p−トルエンスルホンアミド 0.5部
・ベンゾフェノン 1.0部
・メチルエチルケトン 30部
続いて、上記熱可塑性樹脂層上に、下記組成よりなる中間層用塗布液B1を塗布、乾燥して、乾燥層厚1.6μmの中間層を形成した。
<中間層用塗布液B1の組成>
・ポリビニルアルコール 130部
(商品名:PVA−205(ケン化率80%)、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン 60部
(商品名:PVP K−90、GAFコーポレーション社製)
・フッ素系界面活性剤 10部
(商品名:サーフロンS−131、旭硝子(株)製)
・蒸留水 3350部
続いて、下記組成よりなる感光性樹脂層用塗布液T1(感光性樹脂組成物)を調製し、上記中間層上に更に塗布し、乾燥して乾燥層厚2.0μmの感光性樹脂層を積層した。尚、「MW」は重量平均分子量を示す。
<感光性樹脂層用塗布液(感光性樹脂組成物)T1>
・フェノールノボラック樹脂(PR−50716、住友ベークライト(株)製)(MW=650) 30部
・フェノールノボラック樹脂(PR−51600B、住友ベークライト(株)製)(MW=450) 30部
・4’−t−オクチルフェニル ナフトキノンジアジド−5−スルホネート 18部
・ビスフェノールシクロヘキシル(2〜6価のフェノール化合物) 10部
・マロン酸(2価以上の脂肪族カルボン酸) 10部
・ビクトリアピュアブルー/MeOH溶液(30%) 5部
・メガファック(F−780F、大日本インキ(株)製) 0.05部
・1−メトキシプロピル アセテート(高沸点溶剤) 600部
更に、上記感光性樹脂層上に、カバーフィルムとしてポリプロピレン(厚み12μm)フィルムを圧着貼付して設け、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層、カバーフィルムがこの順に積層された感光性転写材料(1)を作製した。
−カラーフィルタ側基板の作製−
所定サイズのガラス基板に、ブラックマトリクス用樹脂組成物を用いて所定サイズ、形状からなるストライプ状のブラックマトリックスと額縁状の遮光部を形成した。その後、特開2000−98599号公報に記載のカラーフィルタの製造方法により、所定の位置にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)からなる着色膜を形成した。更にこの上に透明電極膜をITOのスパッタリングによりカラーフィルタ側基板を作製した。
−配向制御用突起の形成−
上記より得た感光性転写材料(1)からカバーフィルムを剥がし、その感光性樹脂層の表面と上記カラーフィルタ側基板のITO膜が設けられた側の表面とを重ね合わせ、ラミネーター(商品名:VP−II、大成ラミネータ(株)製)を用いて、0.8kg/cm2、温度130℃、搬送速度1m/分の条件下で貼り合わせた。その後、転写材料の仮支持体のみを熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、除去した。この状態では、カラーフィルタ側基板上に、感光性樹脂層、中間層、熱可塑性樹脂層がこの順に積層されている。
次に、最外層である熱可塑性樹脂層の上方に、所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティ露光機を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cm2でプロキシミティ露光した。その後、1%トリエタノールアミン水溶液を、シャワー式現像装置にて30℃で30秒間基板に噴霧して、熱可塑性樹脂層及び中間層を溶解除去した。この段階では、感光性樹脂層は実質的に現像はされていなかった。
続いて、1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、シャワー式現像装置にて33℃30秒間基板に噴霧しながら現像し、感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去し、カラーフィルタ側基板上に所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる構造体を形成した。次いで、該構造体が形成されたカラーフィルタ側基板を230℃の下で30分間ベークすることにより、カラーフィルタ側基板上に配向制御用突起(a)を形成することができた。
−液晶パネルの作製−
上記より得られたカラーフィルタ側基板を用いて、駆動側基板及び液晶材料を組み合せて公知の方法により液晶パネルを作製した。
(評価)
得られた液晶パネルの表示性能(表示ムラ)を目視によって評価したところ十分な性能を示した。
[実施例2] 転写による配向制御用突起の形成例2
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液T1のマロン酸10部に代えて、コハク酸10部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製し、さらにこれを用いて配向制御用突起(a)を作製し、さらに、液晶パネルを作製した。
得られた液晶パネルの表示性能(表示ムラ)を目視によって評価したところ十分な性能を示した。
[実施例3] 転写による配向制御用突起の形成例3
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液T1のマロン酸10部に代えて、アジピン酸10部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製し、さらにこれを用いて配向制御用突起(a)を作製し、さらに、液晶パネルを作製した。
得られた液晶パネルの表示性能(表示ムラ)を目視によって評価したところ十分な性能を示した。
[実施例4] 転写による配向制御用突起の形成例4
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液T1のビスフェノールシクロヘキシル10部に代えて、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−3−メチルペンタン10部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製し、さらにこれを用いて配向制御用突起(a)を作製し、さらに、液晶パネルを作製した。
得られた液晶パネルの表示性能(表示ムラ)を目視によって評価したところ十分な性能を示した。
[実施例5] 転写による配向制御用突起の形成例5
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液T1のビスフェノールシクロヘキシル10部に代えて、2,3,4,4’−ビス(ヒドロキシベンゾフェノン)10部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製し、さらにこれを用いて配向制御用突起(a)を作製し、さらに、液晶パネルを作製した。
得られた液晶パネルの表示性能(表示ムラ)を目視によって評価したところ十分な性能を示した。
[実施例6] 転写による配向制御用突起の形成例6
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液T1のフェノールノボラック樹脂PR−50716(住友ベークライト(株)製)30部、フェノールノボラック樹脂PR−51600B(住友ベークライト(株)製)30部に代えて、フェノールノボラック樹脂PR−50716(住友ベークライト(株)製)45部、フノールノボラック樹脂PR−51600B(住友ベークライト(株)製)15部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製し、さらにこれを用いて配向制御用突起(a)を作製し、さらに、液晶パネルを作製した。
得られた液晶パネルの表示性能(表示ムラ)を目視によって評価したところ十分な性能を示した。
[比較例1] 転写による配向制御用突起の形成例7
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液T1に代えて、下記の感光性樹脂用塗布液T2を用いた以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製した。
さらに、これを用いて実施例1と同様にして1%炭酸ナトリウム水溶液を用いてカラーフィルタ側基板上の感光性樹脂層を現像したところ、露光部の画像残存、未露光部の溶解があり、十分な配向制御用突起(a)を形成することができなかった。
さらに、この配向制御用突起(a)を有するカラーフィルタ側基板を用いて実施例1と同様にして液晶パネルを作製した。
得られた液晶パネルの表示性能(表示ムラ)を目視によって評価したところ十分な性能を示さなかった。
<感光性樹脂層用塗布液T2の組成>
・フェノールノボラック樹脂(PR−50716、住友ベークライト(株)製)(MW=650) 30部
・フェノールノボラック樹脂(PR−51600B、住友ベークライト(株)製)(MW=450) 30部
・4’−t−オクチルフェニル ナフトキノンジアジド−5−スルホネート 18部
・ビスフェノールシクロヘキシル(2〜6価のフェノール化合物) 10部
・ビクトリアピュアブルー/MeOH溶液(30%) 5部
・メガファック(F−780F、大日本インキ(株)製) 0.05部
・1−メトキシプロピル アセテート(高沸点溶剤) 600部
[比較例2] 転写による配向制御用突起の形成例8
実施例1において、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製した。さらにこれを用いて実施例1の1%炭酸ナトリウム水溶液に代えて、2.38%TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用いてカラーフィルター側基板上の感光性樹脂層を現像したところ、露光部と共に未露光部まで溶解してしまい、配向制御用突起(a)を形成することはできなかった。
[比較例3] 転写による配向制御用突起の形成例9
実施例1において、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製した。さらにこれを用いて実施例1の1%炭酸ナトリウム水溶液に代えて、1%水酸化ナトリウム水溶液を用いてカラーフィルター側基板上の感光性樹脂層を現像したところ、露光部と共に未露光部まで溶解してしまい、配向制御用突起(a)を形成することはできなかった。
[比較例4] 転写による配向制御用突起の形成例10
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液T1のマロン酸10部に代えて、安息香酸10部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製し、さらにこれを用いて配向制御用突起(a)を作製し、さらに、液晶パネルを作製した。
得られた液晶パネルの表示性能(表示ムラ)を目視によって評価したところ十分な性能を示さなかった。
[比較例5] 転写による配向制御用突起の形成例11
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液T1のマロン酸10部に代えて、ヘキサン酸10部を用いた以外は、実施例1と同様にして感光性転写材料を作製した。
さらにこれを用いて実施例1と同様にして1%炭酸ナトリウム水溶液を用いてカラーフィルタ側基板上の感光性樹脂層を現像したところ、十分な配向制御用突起(a)を形成することはできなかった。
さらに、この配向制御用突起(a)を有するカラーフィルタ側基板を用いて実施例1と同様にして液晶パネルを作製した。
得られた液晶パネルの表示性能(表示ムラ)を目視によって評価したところ十分な性能を示さなかった。
[実施例7] 塗布(スリットコーター)による配向制御用突起の形成例1
−カラーフィルタ側基板の作製−
所定サイズのガラス基板に、特開平11−188301に記載のスリットコーターにより、ブラックマトリクス用樹脂組成物、及び、R、G、B用樹脂組成物を用い、ブラックマトリクスとR(赤色)、G(緑色)、B(青色)からなる着色膜を形成した。更にこの上に透明電極膜をITOのスパッタリングにより形成した。
−配向制御用突起の形成−
上記より得た感光性樹脂層用塗布液T1(感光性樹脂組成物)を、特開平11−188301号公報に記載のスリットコーターにより上記カラーフィルター側基板のITO上に塗布、乾燥して感光性樹脂層を形成した。
次に、所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティ露光機を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cm2でプロキシミティ露光した。
続いて、1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、シャワー式現像装置にて33℃30秒間基板に噴霧しながら現像し、感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去し、カラーフィルタ側基板上に所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる構造体を形成した。次いで、該構造体が形成されたカラーフィルタ側基板を230℃の下で30分間ベークすることにより、カラーフィルタ側基板上に配向制御用突起(a)を形成することができた。
−液晶パネルの作製−
上記より得られたカラーフィルタ側基板を用いて、駆動側基板及び液晶材料を組み合せて公知の方法により液晶パネルを作製した。
(評価)
得られた液晶パネルの表示性能(表示ムラ)を目視によって評価したところ十分な性能を示した。
本発明の液晶配向制御用突起を用いた液晶表示装置を示す概略図である。 スリット状の開口部を有するノズルに備えられる櫛状のシム部材を示す概略図である。
符号の説明
10 液晶表示装置
12,20 ガラス基板
14,18 導電層
15 液晶分子
16 液晶層
22 液晶配向制御用突起
24 カラーフィルター
26 開口部
28 シム部材
30,32,34 基板

Claims (10)

  1. フェノールノボラック樹脂、ナフトキノンジアジドエステル及び2価以上の脂肪族カルボン酸を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物が2価から6価のフェノール化合物を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  3. 仮支持体上に、少なくとも一層の感光性樹脂層を有する感光性転写材料であって、該感光性樹脂層が請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成されることを特徴とする感光性転写材料。
  4. 仮支持体上に、熱可塑性樹脂層、中間層、前記感光性樹脂層をこの順に有することを特徴とする請求項3に記載の感光性転写材料。
  5. 請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物を用いて基板上に形成されることを特徴とする液晶配向制御用突起。
  6. 前記形成方法がスリット状の開口部を有するノズルによる塗布であることを特徴とする請求項5に記載の液晶配向制御用突起。
  7. 請求項3又は4に記載の感光性転写材料を用いて形成されたことを特徴とする液晶配向制御用突起。
  8. 請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物を用いた液晶配向制御用突起の形成方法であって、該感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程、前記基板上に塗布された前記感光性樹脂組成物をパターニングするパターニング工程とを含むことを特徴とする液晶配向制御用突起の製造方法。
  9. 請求項3又は4に記載の感光性転写材料を用いた液晶配向制御用突起の形成方法であって、前記感光性転写材料の感光性樹脂層を基板上に転写する転写工程と、前記基板上に転写された前記感光性樹脂層をパターニングするパターニング工程とを含むことを特徴とする液晶配向制御用突起の製造方法。
  10. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の液晶配向制御用突起を有することを特徴とする液晶表示装置。
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