JP4005236B2 - 感光性転写材料および画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、仮支持体上に設けられた感光性樹脂層を転写して、被転写体である基体上に樹脂層を形成するための感光性転写材料およびその画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
仮支持体上に設けた感光性樹脂層を転写して、被転写体である基体上に感光性樹脂層を形成するための画像形成材料は、例えば、特公昭56−40824号より公知である。この画像形成材料は、プリント配線、凹版凸版印刷版、ネームプレート、多色試し刷り見本、オフセット印刷版またはスクリーン印刷ステンシル等の製造に用いられる。
上記画像形成材料は、仮支持体上に分離層、光重合性層を積層して構成され、この画像形成材料の光重合性層面を被転写体である基体と密着させ、仮支持体のみを剥離した後に、分離層を通して露光し、さらに現像処理することによって基体上に画像を形成することができる。この場合、上記分離層は酸素遮断の役割を果し、空気中での露光に対して有利に働くが、その膜厚は0.5〜5μm程度と非常に薄いため解像力の面では特に支障をきたすものではない。
【0003】
しかし、被転写体である基体上にある程度の凹凸が存在する場合には、その上から薄膜な光重合性層を転写した際、凹凸部付近の光重合性層と基体との間に気泡がとじ込められ、その結果、十分な接着が行われず転写不良を生ずる。従って、緻密な多色のフィルターを形成したり、高精細な画像を形成したりする場合には、転写が不完全となり製品の高品質化を図るうえで課題となっていた。
【0004】
近年、上記課題を解消するための研究開発が広くなされ、例えば、特開平2−213849号では、仮支持体と感光性樹脂層との間にポリビニルアルコール誘導体等からなる中間層を設けた転写材料が開示されている。しかし、この転写材料は仮支持体との剥離性、溶解特性の改良を目的としたものであり、基体上に凹凸がある場合の転写性能に関しては何等考慮されていない。
【0005】
また、特開昭63−309946号には、被転写体である基体若しくは転写層、またはこれら両者の表面上に存在する微少なゴミ、ホコリ等による、転写層の接着性の低下から生ずる転写不良を防止するため、圧縮性の一時支持体を使用することが記載されている。この方法は、室温では非粘着性の感光性樹脂層を、上記のように微少な凹凸しか存在しない基体上に転写するような場合には十分な改良効果が認められるが、転写しようとする感光性樹脂層の膜厚と同等程度の凹凸を有する基体上に転写するような場合には、気泡がとじ込められる結果となり、特に、複数の感光性樹脂層を用いて多色のフィルターを形成するような場合には十分な効果を得ることができなかった。
【0006】
さらに、特開平5−80503号等では、仮支持体と感光性樹脂層との間に熱可塑性樹脂を主成分とするクッション層を設けて、転写時の密着の際に、基体上の凹凸の裾部や凹凸間等にとじ込められやすい気泡を効果的に排除し、転写性を向上しようとする技術が提案されている。この技術により、上記のような転写不良の生じ易い凹凸部においても十分な接着性を確保することができるようになり、高品質な製品を安定して製造することが可能となった。
【0007】
近年では、特に、液晶ディスプレイ等の分野における技術の進歩・発展が目覚しく、これまで主流であった透過型の液晶ディスプレイから反射型の液晶ディスプレイに移行されつつある状況にあり、このディスプレイに用いるカラーフィルターも反射型専用のものが盛んに開発されている。
【0008】
しかし、これまでの透過型ディスプレイに使用していたカラーフィルターは、反射型ディスプレイ用として用いるには各色の着色濃度が高いことから、そのまま透過型のものを流用することができず、各色(B,G,R)の着色剤の添加量を減じた反射型専用のカラーフィルターの開発がなされてきている。
上述のように着色濃度を低くして反射型用とするために、着色層中の着色剤として使用する顔料等の含有量を減じ、その分樹脂成分を増加したことにより、転写材料の着色層、即ち、仮支持体上に設けられた感光性樹脂層の膜強度が低下する原因となっていた。この膜強度の低下により、被転写体である基体上に加圧転写する段階で、仮支持体上に一定厚で設けられた感光性樹脂層の膜厚を維持することができず、均一な膜厚の着色層からなる画像、即ち、一定の濃度の着色層で構成された、濃度及び色調の再現性に優れた画像を得ることができなかった。
さらに、現像処理工程においては、現像液中で用いられるブラシ等により傷等が発生し、形成する画像の高品質化に対する障害となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、仮支持体上に塗設された感光性樹脂層を被転写体である基体上に加圧転写する際に、その感光性樹脂層の膜厚低下を伴うことなく、基体上に一定膜厚の均一な感光性樹脂層を形成することができ、かつ現像時におけるブラシ傷の発生のない、高品質な感光性転写材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記従来の問題点に鑑み、感光性転写材料の仮支持体上に設けた感光性樹脂層を構成する各構成成分に着目し、鋭意検討を重ねた結果、感光性樹脂層に体質顔料を含有させることにより該感光性樹脂層の膜強度を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、前記目的は、以下の本発明の感光性転写材料および画像形成方法により達成される。
<1> 仮支持体上に、熱可塑性樹脂層、中間層および感光性樹脂層をこの順に積層してなる感光性転写材料において、前記感光性樹脂層が、体質顔料を含有し、着色剤の含有量が固形分の30重量%以下であり、かつ画像形成前に加熱下で被転写体上にローラ圧着により加圧転写される層であることを特徴とする感光性転写材料。
【0011】
<2> 前記体質顔料が、シリカ、酸化亜鉛であることを特徴とする上記<1>に記載の感光性転写材料。
【0012】
<3> 前記体質顔料が、感光性樹脂層の全固形分の3〜50重量%の範囲で含有されていることを特徴とする上記<1>または<2>に記載の感光性転写材料。
【0013】
<4> 前記感光性樹脂層に、さらに着色剤が含有されていることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
【0014】
<5> 仮支持体と熱可塑性樹脂層との間の接着力が最も小さいことを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
【0015】
<6> 前記感光性樹脂層は、少なくとも温度150℃以下で軟化若しくは粘着性を有する熱可塑性の樹脂層であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
【0016】
<7> 前記中間層が、ポリビニルピロリドンを中間層の全固形分の1〜75重量%の範囲で含有する層であることを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
【0017】
<8> 仮支持体上に熱可塑性樹脂層、中間層および感光性樹脂層をこの順に設けた感光性転写材料を加熱下、前記感光性樹脂層面で永久支持体とローラ圧着により密着させ、前記仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離除去した後、前記熱可塑性樹脂層及び中間層を通して感光性樹脂層を露光し、さらに現像することにより前記永久支持体上に画像を形成する画像形成方法において、
前記感光性転写材料が、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の感光性転写材料であることを特徴とする画像形成方法。
【0018】
<9> 前記感光性樹脂層が所望の色に着色された請求項1ないし7のいずれか1つの感光性転写材料を用い、上記<8>に記載の画像形成工程を2回以上繰り返して永久支持体上に多色の画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【0019】
<10> 仮支持体上に熱可塑性樹脂層、中間層および感光性樹脂層をこの順に設けた感光性転写材料を加熱下、前記感光性樹脂層面で中間被転写体用基体とローラ圧着により密着させ、前記仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、前記熱可塑性樹脂層及び中間層を通して感光性樹脂層を露光、かつ現像した後、前記基体上に形成された画像をさらに永久支持体上に転写して画像形成する画像形成方法において、
前記感光性転写材料が、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の感光性転写材料であることを特徴とする画像形成方法。
【0020】
<11> 前記感光性樹脂層が所望の色に着色された請求項1ないし7のいずれか1つの感光性転写材料を用い、上記<10>に記載の画像形成工程を2回以上繰り返して永久支持体上に多色の画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層、中間層および感光性樹脂層をこの順に積層し、さらに最外層である前記感光性樹脂層上に、外部からの汚染や損傷等から保護する目的で薄膜なカバーフィルムを設けてあってもよい感光性転写材料である。
【0022】
本発明の感光性転写材料の1例としては、例えば、カラーフィルターの製造の際、フィルターの支持体となる基体上に着色層を形成する場合に用いるフィルム状の感光性の材料であって、仮支持体上に所望の色相に着色された感光性樹脂層を有し、基体上にこの感光性樹脂層を転写して着色層を形成する感光性の転写材料である。従って、カラーフィルターとする場合には、3原色(B,G,R)および黒色(BL)にそれぞれ着色された複数の感光性転写材料を用いて構成される。また、他の例として、感光性樹脂層中に着色剤を用いずに透明の感光性樹脂層を形成し、基体や別の層上に透明の樹脂層を設けることもできる感光性の転写材料である。
以下、感光性転写材料の各構成層およびこれらに含まれる構成成分、支持体等について説明する。
【0023】
まず、本発明の効果を奏する感光性樹脂層について詳述する。
本発明に係る感光性樹脂層は、少なくとも温度150℃以下で軟化若しくは粘着性を有する熱可塑性の樹脂層であることが好ましく、光照射すると感光して硬化し、かつ未照射部はアルカリ溶液に対して易溶性な、高いレジスト性を有する必要がある。上記感光性樹脂層には、例えば、特願平2−82262号に記載の感光性樹脂が全て使用可能である。
具体的には、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーとからなる感光性樹脂、光重合性樹脂組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物または桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられる。中でも、光重合性樹脂組成物が好ましく、本発明に係る感光性樹脂層としては、少なくとも、バインダーとしての樹脂、重合性モノマーおよび重合開始剤を含有して構成される光重合性樹脂組成物からなる樹脂層であることがより好ましい。この感光性樹脂層は、熱可塑性結合剤の添加、或いは相溶性の可塑剤の添加により改質することができる。
【0024】
また、本発明の感光性樹脂層の樹脂としては、アルカリ水溶液により現像可能なものと、有機溶剤により現像可能なものが知られているが、公害防止、労働安全性の確保の観点からアルカリ水溶液により現像可能なものが好ましい。
【0025】
上記樹脂のうち、本発明に係る光感光性樹脂層のバインダーに用いる樹脂としては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、スチレン/無水マレイン酸の共重合体またはスチレン/無水マレイン酸共重合体とアルコール類との反応物等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体等が好ましい。
【0026】
本発明に係る感光性樹脂層に含有する上記樹脂の含有量としては、感光性樹脂層の全固形分の20〜60重量%含有することが好ましく、30〜55重量%含有することがより好ましい。20重量%未満では、塗布時の膜形成が困難となり、60重量%を超えるとシリカ等の添加量が制限されるため、本発明の目的を達成することが困難となるため好ましくない。
【0027】
本発明の感光性転写材料の感光性樹脂層には、体質顔料を含有させる。
上記体質顔料としては、例えば、シリカ、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸バリウム、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられ、中でも、シリカ、酸化亜鉛が好ましい。
シリカの具体例としては、R−972,#200(日本アエロジル社製)、シーホスターKE(日本触媒化学工業(株)製)、スノーテックス(商品名:メタノールシリカゾル,MA−ST−M,IPA−ST,MEK−ST;日産化学工業(株)製)等の市販品を好適に挙げることができる。酸化亜鉛の具体例としては、ZnO−100、ZnO−200(住友セメント(株)製)等の市販品を好適に挙げることができる。
【0028】
一般に、後述する顔料等の着色剤を樹脂層中に用いると膜強度を高めることができるが、本発明で用いる顔料等の着色剤は所望の着色濃度を得ることを目的とするものであり、一定の範囲内でしか用いることができない。しかし、上記のような無色透明の体質顔料を感光性樹脂層を構成する樹脂成分の一部に代えて添加することにより、色相の濃度やその透明性に影響を与えることなく感光性樹脂層の膜強度を向上させることができる。
【0029】
特に、ラミネートローラ等のローラ圧着式の装置を用いて被転写体上に感光性樹脂層を加圧転写するような場合には、転写時のローラ圧着により膜中の樹脂成分が後端部に向かって押し寄せられ、転写後の感光性樹脂層(着色層)の膜厚が、転写前の仮支持体上に形成された膜厚よりも薄くなってしまう傾向にあり、均一な膜厚の層、或いは、均一な着色濃度を得ることができないことから、転写前の仮支持体上に感光性樹脂層を形成する段階で予め低下する樹脂量分を考慮しておく必要があったが、上記のように膜強度を高めることで転写時に膜厚の低下を招くことなく、所望の膜厚の層を容易に得ることができる。
また、現像処理過程で用いられるブラシ等により発生する傷等も防止することができ、本発明の感光性転写材料を用いることにより一定の濃度を有する高品質な画像を形成することができる。
【0030】
上記体質顔料の粒径は、0.01〜0.5μmが好ましく、0.02〜0.4μmがより好ましい。0.01μm未満では、分散安定性が悪くなり十分な硬膜効果が得られず、0.5μmを超えると感光性樹脂層表面の凹凸が大きくなるため好ましくない。
【0031】
上記体質顔料の添加量としては、感光性樹脂層の全固形分の3〜50重量%の範囲が好ましく、4〜40重量%がより好ましいが、5〜30重量%が最も好ましい。さらに、体質顔料の添加量は、上記数値範囲のいずれかの下限値または後述の実施例で採用した体質顔料の添加量のいずれかの値を下限とし、上記数値範囲のいずれかの上限値または後述の実施例で採用した体質顔料の添加量のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
上記体質顔料の添加量が、3重量%未満では十分な膜強度を得ることができず、転写時における膜厚低下や現像時のブラシ傷を防止することができず、50重量%を超えると転写時に気泡が入りやすくなり、感光性樹脂層の透明性が低下するため好ましくない。
【0032】
上記体質顔料は、適当な分散剤に均一に分散した状態で使用することが、均一な膜表面の硬度を得る点で好ましい。
上記体質顔料を分散する場合に用いる分散剤としては、例えば、ソルスパース3000,9000,17000,20000,27000(ゼネカ(株)製)、アジスパーPB−711,PN−411,PA−111(味の素(株)製)、EFKA−766,5244,71,65,64,63,44(エフカケミカルズ社製)等が挙げられ、中でも、ソルスパース20000が好ましい。
上記分散剤の使用量としては、体質顔料100重量部に対して0.5〜100重量部の範囲で用いることが分散性のよい分散溶液とする点で好ましい。
【0033】
また、上記の分散溶液中に、必要に応じて各種界面活性剤を使用することにより、分散安定性を向上させることができる。
各種界面活性剤としては、例えば、アルキルナフタレンスルホン酸塩、リン酸エステル塩に代表されるアニオン系界面活性剤、アミン塩に代表されるカチオン系界面活性剤、アミノカルボン酸、ベタイン型に代表される両性界面活性剤が挙げられる。
【0034】
さらに、本発明の感光性転写材料の感光性樹脂層には、有機顔料若しくは無機顔料、または染料等の着色剤を含有させることができる。
上記着色剤としては、例えば、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボン、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブラウン23、C.I.ピグメント・ブラウン25、C.I.ピグメント・ブラウン26、ピグメント・ブラック7、
【0035】
パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド213、C.I.ピグメント・レッド217、C.I.ピグメント・レッド220、C.I.ピグメント・レッド223、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・レッド226、C.I.ピグメント・レッド227、C.I.ピグメント・レッド228、C.I.ピグメント・レッド240、C.I.ピグメント・レッド48、C.I.ピグメント・レッド1、C.I.ピグメント・レッド209、
【0036】
モノライト・イエローGT(C.I.ピグメントイエロー12)、パーマネント・イエローGR(C.I.ピグメント・イエロー17)、パーマネント・イエローHR(C.I.ピグメント・イエロー83)、C.I.ピグメント・イエロー20、C.I.ピグメント・イエロー24、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー86、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー109、C.I.ピグメント・イエロー110、C.I.ピグメント・イエロー117、C.I.ピグメント・イエロー125、C.I.ピグメント・イエロー137、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー147、C.I.ピグメント・イエロー148、C.I.ピグメント・イエロー153、C.I.ピグメント・イエロー154、C.I.ピグメント・イエロー166、C.I.ピグメント・イエロー168、C.I.ピグメント・イエロー185、
【0037】
C.I.ピグメント・オレンジ36、C.I.ピグメント・オレンジ43、C.I.ピグメント・オレンジ51、C.I.ピグメント・オレンジ55、C.I.ピグメント・オレンジ59、C.I.ピグメント・オレンジ61、
【0038】
ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、C.I.ピグメント・バイオレット19、C.I.ピグメント・バイオレット23、C.I.ピグメント・バイオレット29、C.I.ピグメント・バイオレット30、C.I.ピグメント・バイオレット37、C.I.ピグメント・バイオレット40、C.I.ピグメント・バイオレット50、
【0039】
ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64、等を挙げることができる。
【0040】
上記のような着色剤を用いる場合、顔料または染料の粒径は、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましいが、0.1μm以下であることが最も好ましい。感光性樹脂層は薄膜な層であるため、顔料等の粒径が上記の範囲にない場合には、樹脂層中に均一に分散することができず、高品質なカラーフィルターを製造することが困難となるため好ましくない。
【0041】
本発明の感光性転写材料の感光性樹脂層には、上記顔料または染料等の着色剤が感光性樹脂層の固形分の30%以下の範囲で含有されていればよく、上記着色剤の含有量が30%以下の場合に、特に本発明の効果が有効に働くのである。
【0042】
本発明における感光性樹脂層は、顔料等の着色剤を用いずに無色透明な感光性樹脂層を形成してもよい。この透明感光性樹脂層を用いて、例えば、既に基体上に転写、露光、現像等の過程を経て形成された画像パターン上等に、上記透明の感光性樹脂層を転写して全体を被覆するオーバーコート層や各画素上に柱状の層を複数層設けてスペース材として用いることもできる。
これらのように顔料等の着色剤を含まない場合には大幅な膜強度の低下を生じやすくなることが考えられ、ローラ圧着等により加熱転写する場合には、これに起因して転写する層の膜厚の低下が起こりやすくなるが、このような場合にも本発明の感光性転写材料が有用となる。
【0043】
感光性樹脂層に用いる重合性モノマーとしては、特開昭60−258539号に記載の(メタ)アクリル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエステル等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸エステルを好適に使用することができる。
【0044】
上記重合性モノマーは、感光性樹脂層の全固形分の10〜60重量%の範囲で使用することが好ましく、20〜50重量部の範囲で用いることがより好ましい。
【0045】
感光性樹脂層に用いる重合開始剤としては、約300〜500nmの範囲に、少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を、少なくとも1種含有していることが好ましい。例えば、特開平2−48664号、特開平1−152449号、特開平2−153353号に記載の芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類、およびこれらの2種以上の組み合わせ等が挙げられる。中でも、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組み合わせ、4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン〕が好ましい。
【0046】
上記重合開始剤は、重合性モノマーの使用量に対して、0.1〜20重量%の範囲で使用することが好ましく、0.5〜10重量部の範囲で用いることがより好ましい。
【0047】
感光性樹脂層の膜厚は、0.5〜10μmの範囲が好ましく、1〜6μmの範囲がより好ましい。感光性樹脂層の膜厚が0.5μm未満では塗布時にピンホールが発生しやすくなり、製造適性上好ましくなく、10μmを超えると現像時に未露光部を除去するのに時間を要することになり好ましくない。
【0048】
次に、仮支持体上の第一層目に設ける熱可塑性樹脂層について、詳述する。
熱可塑性樹脂層の構成に用いる熱可塑性樹脂としては、転写後のアルカリ現像を可能とし、或いは、転写時の転写条件によっては上記樹脂が周囲にはみ出して被転写体である基体を汚染してしまうような場合に除去処理を可能とする観点から、アルカリ性水溶液に可溶な樹脂である必要がある。さらに、この熱可塑性樹脂層は、被転写体である基体に転写する際、基体上に存在する凹凸に起因して発生する転写不良を防止するクッション材としての役割を担うものであるため、加熱密着時に基体上の凹凸に応じて変形しうる性質を有している必要がある。
【0049】
従って、熱可塑性樹脂層を構成する樹脂としては、実質的な軟化点が80℃以下であることが好ましい。
軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、等より選ばれる少なくとも1種であることが好ましいが、さらに「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)に記載の軟化点が約80℃以下の有機高分子のうち、アルカリ水溶液に可溶なものを使用することもできる。
【0050】
また、軟化点80℃以上の有機高分子物質であっても、その有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種可塑剤を添加することにより、実質的な軟化点を80℃以下に下げて使用することもできる。
可塑剤としては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェートビフェニルジフェニルフォスフェート等を挙げることができる。
【0051】
さらに、これらの有機高分子物質を用いる場合、後述の仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を越えない範囲で各種ポリマーや過冷却物質、密着改良剤または界面活性剤、離型剤等を加えることができる。
【0052】
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層、後述の中間層、および感光性樹脂層を順次積層して構成されるが、特に、熱可塑性樹脂層と仮支持体との間の接着強度が、他の層間における接着強度よりも小さいことが必要であり、これにより転写後の不要となった仮支持体を容易に、かつ熱可塑性樹脂層表面を破壊することなく除去することができる。従って、仮支持体除去後の感光性樹脂層への露光を均一に行うことができる。
【0053】
熱可塑性樹脂層の膜厚は、6〜100μmの範囲が好ましく、6〜50μmの範囲がより好ましい。熱可塑性樹脂層の膜厚が6μm未満では、1μm以上の基体上の凹凸を完全に吸収することが不可能であり、100μmを超えると現像性、製造適性が悪くなるため好ましくない。
【0054】
露光後の現像や不要な樹脂部分の除去の際に、前述の感光性樹脂層および熱可塑性樹脂層の溶解に用いるアルカリ性水溶液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が好ましく、さらに水混和性のある有機溶剤を少量添加したものも好適に使用することができる。
上記アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩類、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等のアルカリ金属メタケイ酸塩類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類または燐酸三ナトリウム等が挙げられる。
【0055】
アルカリ水溶液は、アルカリ性物質の濃度が0.01〜30重量%の範囲のものが好ましく、さらにpHが8〜14の範囲にあるものが好ましい。
【0056】
水混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドンが挙げられる。
水混和性を有する有機溶剤の添加量は、0.1〜30重量%の範囲であることが好ましい。
【0057】
また、アルカリ水溶液には、公知の種々の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤は、0.01〜10重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0058】
現像に用いるアルカリ現像液は、容器に入れて現像浴として用いてもよいし、噴霧して用いてもよい。
現像時、感光性樹脂層の未硬化部分を溶解除去する際、溶解性を高めるために、現像液中で層表面を回転ブラシや湿潤スポンジ等で擦る等の方法を組み合わせることができる。現像温度は、通常、室温付近から40℃が好ましい。また、現像処理した後に、水洗処理する工程を入れることもできる。
【0059】
本発明の感光性転写材料では、前述の感光性樹脂層と熱可塑性樹脂との間に、中間層を設けることができる。
感光性樹脂層および熱可塑性樹脂には有機溶剤を用いるため、この中間層を設けることにより両層が互いに混ざり合うのを防止することができる。
この中間層としては、水またはアルカリ水溶液に分散または溶解するものであればよく、低い酸素透過性を有するものが好ましい。
中間層は、公知のものを使用することができ、例えば、特開昭46−2121号や特公昭56−40824号に記載のポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリルアミド類、各種水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱粉およびその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、及びこれらを2種以上組み合わせたものが挙げられる。
中でも、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとを組み合わせたものが特に好ましい。
【0060】
さらに、上記ポリビニルアルコールは、鹸化率が80%以上であるものが好ましい。
上記ポリビニルピロリドンは、その含有量が中間層の固形体積当り1〜75%のものが好ましく、1〜60%のものがより好ましいが、10〜50%のものが最も好ましい。1%未満では感光性樹脂層との十分な密着性が得られず、75%を越えると酸素遮断能が低下するため好ましくない。
【0061】
中間層の酸素遮断能が低下すると、感光性樹脂層に対する露光時における光量をアップしたり、露光時間を長くする必要が生ずることになるばかりか、解像度も低下させてしまうため、酸素透過率が小さいことが好ましい。
【0062】
上記中間層は薄膜であり、その膜厚は約0.1〜5μmの範囲が好ましく、0.5〜2μmの範囲がより好ましい。約0.1μm未満の場合、酸素透過性が高すぎてしまい、約5μmを越えると現像時や中間層除去時に長時間を要するため好ましくない。
【0063】
上記各層を塗設する仮支持体としては、熱可塑性樹脂層と、転写に支障とならない程度の剥離性を有するものであることが好ましく、さらに化学的に、熱的に安定で、可撓性のものが好ましい。
具体的には、テフロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄膜シート若しくはこれらの積層物が好ましい。
【0064】
仮支持体と熱可塑性樹脂層との間に良好な剥離性を確保するためには、グロー放電等の表面処理はせず、また、ゼラチン等の下塗層も設けないことが好ましい。仮支持体の厚みは、5〜300μmが適当であり、20μm〜150μmが好ましい。
【0065】
感光性樹脂層上には、保管等の際の汚れや損傷から保護するためにカバーフィルムを設けることが好ましい。
カバーフィルムは、仮支持体と同一または類似の材料からなるものであってもよいが、感光性樹脂層から容易に分離できるものである必要がある。カバーフィルムに用いる材料としては、例えば、シリコーン紙、ポリオレフィンまたはポリテトラフルオロエチレンシート等が好ましい。中でも、ポリエチレンまたはポリプロピレンフィルムがより好ましい。
【0066】
カバーフィルムの厚みは、約5〜100μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
【0067】
本発明の感光性転写材料は、上記仮支持体上に、まず熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥して熱可塑性樹脂層を設け、その熱可塑性樹脂層上に、熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤を用いた中間層用溶液を塗布、乾燥して中間層を設け、さらにその中間層上に、感光性樹脂層塗布液を中間層を溶解しない溶剤を用いて塗布、乾燥して感光性樹脂層を設けることにより形成することができる。
または、上記のカバーフィルム上に感光性樹脂層を設け、一方、仮支持体上に熱可塑性樹脂層と中間層とを設け、それぞれを中間層と感光性樹脂層とが接するように貼り合わせることにより、或いは、上記カバーフィルム上に感光性樹脂層と中間層とを設け、一方、仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設け、それぞれを上記同様、中間層と感光性樹脂層とが接するように貼り合わせることにより、製造することができる。
【0068】
上記のようにして形成された感光性転写材料を被転写体である基体上に密着させ、仮支持体を剥離する過程では、仮支持体や基体等が帯電し、周囲のゴミ等を引き寄せ、剥離後の樹脂層上にゴミ等が付着してしまい、その後の露光過程で未露光部ができ、その部分がピンホールを形成する原因となる場合があることから、帯電を防止する目的で仮支持体の少なくとも一方の表面に導電性層を設けたり、或いは、導電性を付与した仮支持体を用いることにより、その表面電気抵抗を1013Ω以下にまで下げることが好ましい。
【0069】
仮支持体を導電性を付与したものとするには、仮支持体中に導電性物質を含有させればよい。例えば、金属酸化物の微粒子や帯電防止剤を予め練り込んでおく方法が好ましい。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデンから選ばれる少なくとも1種の結晶性金属酸化物、および/または、その複合酸化物の微粒子が挙げられる。
【0070】
帯電防止剤としては、エレクトロストリッパーA(花王(株)製)、エレノンNo19(第一工業製薬(株)製)等のアルキル燐酸塩系アニオン界面活性剤、アモーゲンK(第一工業製薬(株)製)等のベタイン系両性界面活性剤、ニツサンノニオンL(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤、エマルゲン106、120、147、420、220、905、910(花王(株)製)やニッサンノニオンE(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤が有用である。
その他、非イオン界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系等のものを用いることができる。
【0071】
仮支持体上に導電性層を設ける場合には、導電性層としては公知のものの中から、適宜選択して用いることができる。導電性層に用いる導電性物質として、ZnO、TiO2 、SnO2 、Al2 O3 、In2 O3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO3 等から選ばれる少なくとも1種の結晶性金属酸化物、および/または、その複合酸化物の微粒子等が挙げられる。これらを含有させて用いる方法が湿度環境に影響されない、安定した導電効果を有する点で好ましい。
【0072】
上記の結晶性金属酸化物またはその複合酸化物の微粒子は、その体積抵抗が107 Ω・cm以下であることが好ましく、105 Ω・cm以下であることがより好ましい。また、その粒子径は、0.01〜0.7μmの範囲が好ましく、0.02〜0.5μmの範囲であることがより好ましい。
【0073】
上記結晶性金属酸化物およびその複合酸化物の微粒子の製造方法は、特開昭56−143430号に詳細に記載されている。
即ち、第1に金属酸化物微粒子を焼成により作製し、導電性を向上させる異種原子の存在下で熱処理する方法、第2に焼成により金属酸化物微粒子を製造する際に導電性を向上させるための異種原子を共存させる方法、第3に焼成により金属微粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導入する方法等が記載されている。異種原子を含む具体例としては、ZnOに対してAl、In等、TiO2 に対してNb、Ta等、SnO2 に対してSb、Nb、ハロゲン元素等を存在させることが挙げられる。
【0074】
異種原子の添加量は、0.01〜30mol%の範囲であることが好ましく、0.1〜10mol%の範囲であることがより好ましい。
導電性粒子の使用量は、0.05〜20g/m2 が好ましく、0.1〜10g/m2 がより好ましい。
【0075】
本発明の感光性転写材料に設ける導電性層には、バインダーとして、ゼラチン、セルロースナイトレート、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル;塩化ビニリデン、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、炭素数1〜4のアルキルアクリレート、ビニルピロリドン等を含むホモポリマーまたは共重合体;可溶性ポリエステル、ポリカーボネート、可溶性ポリアミド等を使用することができる。
【0076】
これらのバインダー中に導電性粒子を分散する場合、チタン系分散剤またはシラン系分散剤等の分散液を添加してもよい。また、必要に応じて、バインダー架橋剤等を添加することもできる。
【0077】
上記チタン系分散剤としては、例えば、米国特許4,069,192号、同4,080,353号等に記載されているチタネート系カップリング剤およびプレンアクト(味の素(株)製)等を挙げることができる。
シラン系分散剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、「シランカップリング剤」(信越化学(株)製)として市販されている。
バインダー架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤等を挙げることができる。
【0078】
本発明の感光性転写材料における導電性層は、導電性微粒子をバインダー中に分散させて仮支持体上に塗設したり、または支持体上に下引処理を施した上に導電性微粒子を付着させることにより設けることができる。
【0079】
本発明の感光性転写材料において、導電性層が仮支持体の感光性樹脂層を塗設した面とは反対の表面上に設けられる場合、十分な耐傷性を確保するために、導電性層上にさらに疎水性重合体層を設けることが好ましい。
この場合、疎水性重合体層は、有機溶剤に溶解した状態または水性ラテックスの状態で塗布すればよく、その塗布量は、乾燥重量にして0.05〜1g/m2 程度が好ましい。
疎水性重合体としては、ニトロセルロース、セルロースアセテート等のセルロースエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルアクリレート等を含むビニル系ポリマー;有機溶剤可溶性ポリアミド、ポリエステル等のポリマーを挙げることができる。
この疎水性重合体層には、すべり性を付与するため、例えば、特開昭55−79435号に記載の有機カルボン酸アミド等のすべり剤を使用することができる。また、必要に応じて、マット剤等を使用することもできる。
このような疎水性重合体層を設けても本発明の導電性層の効果は実質的に影響を受けない。
【0080】
また、下塗層を設ける場合には、特開昭51−135526号、米国特許3,143,421号、同3,586,508号、同2,698,235号、同3,567,452号等に記載の塩化ビニリデン系共重合体、特開昭51−114120号、米国特許3,615,556号等に記載のブタジエン等のジオレフイン系共重合体、特開昭51−58469号等に記載のグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタアクリレート含有共重合体、特開昭48−24923号等に記載のポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、特開昭50−39536号に記載の無水マレイン酸含有共重合体等を用いることができる。
【0081】
本発明においては、特開昭56−82504号、特開昭56−143443号、特開昭57−104931号、特開昭57−118242号、特開昭58−62647号、特開昭60−258541号等に記載の導電性層も必要に応じて用いることができる。
【0082】
仮支持体用のフィルムを押し出し形成する際、導電性物質または導電性層を仮支持体と同一または異質のプラスチック原料に含有させ、前記フィルムと同時に押し出し形成した場合には、接着性、耐傷性に優れた導電性層を容易に得ることができ、この場合には前記した疎水性重合体層や下塗層を設ける必要はなく、本発明の感光性転写材料における導電性付与仮支持体としては、最も好ましい実施態様である。
【0083】
仮支持体上に、導電性層を塗布する場合、ローラーコート、エアナイフコート、グラビアコート、バーコート、カーテンコート等の公知の方法により塗布することができる。十分な帯電防止効果を得るためには、導電性層または導電性を付与した仮支持体の表面電気抵抗値を、1013Ω以下とすることが好ましく、1012Ω以下とすることがより好ましい。
【0084】
また、感光性樹脂層の仮支持体との強固な接着を防止するため、仮支持体面に公知の微粒子を含有する滑り剤組成物、シリコーン化合物を含有する離型剤組成物等を塗布することもできる。
【0085】
仮支持体の熱可塑性樹脂層を設けない側の表面に導電性層を設ける場合には、熱可塑性樹脂層と仮支持体との接着性を向上する目的で、仮支持体に、例えば、グロー放電処理、コロナ処理、紫外線照射処理等の表面処理、フェノール性物質、ポリ塩化ビニリデン樹脂、スチレンブタジエンゴム、ゼラチン等の下塗り処理またはこれらの処理を組み合わせた処理を施すことができる。
【0086】
次に、本発明の感光性転写材料を用いた画像形成方法について説明する。
まず、感光性転写材料のカバーフィルムを取り除き、感光性樹脂層を加圧、加熱下で被転写体である基体上に貼り合わせる。貼り合わせには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等を使用することができ、より生産性を高めるためには、オートカツトラミネーターも使用することができる。
その後、仮支持体を剥がし、所定のマスク、熱可塑性樹脂層および中間層を介して感光性樹脂層を露光し、次いで現像する。現像は、公知の方法により行うことができ、溶剤若しくは水性の現像液、特に、アルカリ水溶液等を用いて、露光後の基体を浸漬するか、スプレー等により噴霧し、さらにブラシ等で擦ったり、或いは、超音波を照射しながら処理することで行われる。
異なる色に着色した感光性樹脂層を有する、複数の感光性転写材料を用い、この工程を複数回繰り返すことにより多色の画像を形成することができる。
【0087】
また、転写は、永久支持体に転写する前過程で一時的に転写するための基体、即ち、中間被転写体用基体を用いて、2回以上転写工程を繰り返した後に、最終支持体上に転写するような複数転写を経て画像を形成してもよい。
【0088】
即ち、感光性転写材料のカバーフィルムを取り除き、感光性樹脂層を加圧、加熱下で被転写体である中間被転写体上に貼り合わせる。上記同様、貼り合わせには従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等を使用することができ、より生産性を高めるためには、オートカツトラミネーターも使用することができる。
その後、仮支持体を剥がし、所定のマスク、熱可塑性樹脂層および中間層を介して感光性樹脂層を露光し、次いで現像する。現像は、公知の方法により行うことができ、上記と同様にアルカリ水溶液等を用いて、露光後の基体を浸漬するか、スプレー等により噴霧し、さらにブラシ等で擦ったり、或いは、超音波を照射しながら処理することで行われる。
転写回数が2回の場合、その後、最終支持体上に転写して画像が形成される。ここで、異なる色に着色した感光性樹脂層を有する、複数の感光性転写材料を用い、上記工程を複数回繰り返して同一の最終支持体上に転写することにより、表面平滑性に優れた多色の画像を形成することができる。
【0089】
上記の中間被転写体用基体としては、特に、平滑性の高い板状のものを用いることが好ましい。このような基体を用いると、転写された感光性樹脂層は基体に密着するため、形成された画像パターンの中間被転写体用基体に接した面の表面はその中間被転写体表面と同等の優れた平滑性を有し、この画像パターンを更に永久支持体上に転写すれば、極めて表面平滑性の高い画素パターンを得ることができる。
特に、表面の平滑性に対する要求の厳しいカラーフイルター等の作製において有用である。
【0090】
さらに、上記中間被転写体用基体上に、最終的な画素パターンの保護層となる層を予め設けておくこともできる。即ち、平滑性の高い、板状の中間被転写体用基体上に保護層を設け、この保護層上に本発明の感光性転写材料の感光性樹脂層を転写し、露光、現像し、その後さらに最終の支持体上に転写して、前記中間被転写体用基体を前記保護層との界面で剥離することにより、画素パターン上に所望の保護層を形成することができる。
【0091】
上記保護層に用いる素材としては、本発明の感光性転写材料の感光性樹脂層と密着させた時に良好な接着性を有し、かつ現像液等のアルカリ溶液に対して耐性を有する必要がある。
具体的には、特開平3−282404に記載の接着層の素材の中から、耐衝撃、耐薬品、耐溶剤性等の、保護層として必要な性能を有するものを適宜選択して用いることができ、或いは、特願平4−60668に記載のアルカリ可溶性の化合物を好適に用いることができる。後者の場合、中間被転写体用基体上に印刷、塗布、転写等の方法により保護層膜を形成し、この層上に上記方法で画素パターンを形成する。このとき、画素パターンは保護層と十分に密着し、時には保護層内部に埋め込まれ、この画素パターンを最終支持体に転写することにより、優れた平滑性を有する保護層を持った画素パターンの画像を得ることができる。
【0092】
上記中間被転写体用基体としては、表面研磨したアルミ板・ステンレス板等を挙げることができる。
これらの厚みは、約0.1〜10mmが好ましく、特に約0.1〜1mmが好ましい。この板状の基板上に保護層を設ける場合、その保護層の膜厚としては、約10μm以下が好ましく、約5μm以下がより好ましいが、約3μm以下が最も好ましい。約10μmを越えると、画像が形成された保護層を永久支持体に転写する際に画素が動き、画像が乱れることがあるので好ましくない。
【0093】
本発明の感光性転写材料の主な用途としては、プリント配線基板の作成の他、多色画像、特に、液晶デイスプレー用等のカラーフイルターの作成やカラーフイルターの保護層、柱状のスペーサーの作成等に有用である。
プリント配線基板の作成には、基体として公知の銅張り積層板が用いられ、カラーフイルターの作成には、基体として公知のガラス板、表面に酸化珪素被膜を形成したソーダガラス板などが用いられる。
【0094】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。尚、以下実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」、「重量%」を表す。
【0095】
(実施例1)
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体上に、下記組成からなる塗布液H1を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が20μmの熱可塑性樹脂層を設けた。
【0096】
<熱可塑性樹脂層用塗布液H1>
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(共重合組成比(モル比)=55/28.8/11.7/4.5、
重量平均分子量=90000) ・・・・15部
・ポリプロピレングリコールジアクリレート ・・・・ 6.5部
(平均分子量=822)
・テトレエチレングリコールジメタクリレート ・・・・ 1.5部
・p−トルエンスルホンアミド ・・・・ 0.5部
・ベンゾフェノン ・・・・ 1.0部
・メチルエチルケトン ・・・・30部
【0097】
次に、上記熱可塑性樹脂層上に、下記組成からなる塗布液B1を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が1.6μm厚の中間層を設けた。
<中間層用塗布液B1>
・ポリビニルアルコール ・・・130部
(PVA205(鹸化率=80%);クラレ(株)製)
・ポリビニルピロリドン
(PVP、K−90;GAFコーポレーション社製) ・・・・60部
・フッ素系界面活性剤 ・・・・10部
(旭硝子(株)社製サーフロンS−131)
・蒸留水 ・・3350部
【0098】
<シリカ分散液の調製>
下記組成の混合物をモーターミルM−50(アイガー社製)に直径0.65mmのジルコニアビーズを用いて周速9m/sで1時間分散し、シリカ分散液を調製した。このときの粘度は3.9cpであり分散性は良好であった。
・R−972(日本アエロジル社製) ・・・・10部
・ソルスパース20000(ゼネガ社製) ・・・・ 2部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート ・・・・88部
【0099】
前記の熱可塑性樹脂層および中間層を形成した仮支持体を4枚用意し、これらの仮支持体上に下記表1の組成からなる、赤色(Red層用)、青色(Blue層用)、緑色(Green層用)及び黒色(Black層用)の4色の感光性樹脂層用塗布液を、それぞれ異なる仮支持体上に塗布し、乾燥させ、その乾燥膜厚が2μmの感光性樹脂層を形成した。
【0100】
【表1】
【0101】
さらに、上記4枚のそれぞれの感光性樹脂層上に、ポリプロピレン(厚さ12μm)のカバーフィルムを圧着貼付して設け、赤色、青色、緑色および黒色の4枚の単色感光性転写材料を作製した。
【0102】
これらの感光性転写材料を用いて、以下の方法によりカラーフイルターを作製した。
まず、赤色感光性転写材料のカバーフィルムを剥離し、感光性樹脂層面を透明ガラス基板(厚さ1.1mm)上に、ラミネーター(装置名:VP−II,大成ラミネータ(株)製)を用いて、0.8kg/cm2 、130℃の加圧加熱条件下で貼り合わせた。その後、仮支持体を熱可塑性樹脂層から剥離し、仮支持体を除去した。
【0103】
次に、上記熱可塑性樹脂層上に所定のフォトマスクを配置し、このフォトマスクを介して露光し、その後、1%トリエタノールアミン水溶液を用いて熱可塑性樹脂層および中間層を溶解除去した。この際、感光性樹脂層は、実質現像されていなかった。
次いで、1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて感光性樹脂層を現像し、不要部を除去し、ガラス基板上に赤色の画素パターンを形成した。
【0104】
さらに、この赤色画素パターンが形成されたガラス基板上に、緑色感光性転写材料を上記と同様にして貼り合わせ、剥離、露光、現像を行ない、緑色の画素パターンを形成した。
【0105】
赤色および緑色の画素パターンを形成したガラス基板上に、同様な工程を繰り返して、さらに青色、黒色の画素パターンを積層して形成し、カラーフィルターAを作製した。
【0106】
(実施例2)
実施例1で用いた表1の組成からなる4色の感光性樹脂層用塗布液に代えて、下記表2の組成からなる4色の感光性樹脂層用塗布液を用いた以外、実施例1と同様にして4色の感光性転写材料を作製し、さらにこれらを用いて実施例1と同様にしてカラーフィルターBを作製した。
【0107】
【表2】
【0108】
(比較例1)
実施例1で用いた表1の組成からなる4色の感光性樹脂層用塗布液に代えて、下記表3の組成からなる4色の感光性樹脂層用塗布液を用いた以外、実施例1と同様にして4色の感光性転写材料を作製し、さらにこれらを用いて実施例1と同様にしてカラーフィルターCを作製した。
【0109】
【表3】
【0110】
<表面性の評価>
上記のようにして得られた、画素パターンのあるカラーフィルターA,BおよびCのカラーフィルター表面の膜厚を、表面粗計(FP20,テンコール社製)を用いて測定した。
この測定結果を、以下の表4に示す。
【0111】
<ブラシ傷耐性の評価>
上記のようにして得られた、画素パターンのあるカラーフィルターA,BおよびCのカラーフィルター表面上の傷の発生度を、下記基準に従い目視により相対評価を行った。
○: ブラシ傷の発生が認められない。
△: 僅かにブラシ傷が認められるが、実使用上問題ない。
×: ブラシ傷の発生量が多く、使用不可能なレベル。
【0112】
【表4】
【0113】
(実施例3)
前記実施例1で調製した熱可塑性樹脂層用塗布液H1と中間層用塗布液B1を用いて熱可塑性樹脂層および中間層を形成した仮支持体を用意し、この仮支持体上に、下記表5の組成からなる透明樹脂層用塗布液T1を塗布し、乾燥させ、その乾燥膜厚が3μmの透明樹脂層T1を形成した。
さらに、上記透明樹脂層T1上に、ポリプロピレン(厚さ12μm)のカバーフィルムを圧着貼付して設け、透明感光性転写材料T1を作製した。
【0114】
【表5】
【0115】
次に、上記同様、前記実施例1で調製した熱可塑性樹脂層用塗布液H1と中間層用塗布液B1を用いて熱可塑性樹脂層および中間層を形成した仮支持体を用意し、この仮支持体上に、下記表6の組成からなる透明樹脂層用塗布液T2−1を塗布し、乾燥させ、その乾燥膜厚が3μmの透明樹脂層T2−1を形成した。
さらに、上記透明樹脂層上に、ポリプロピレン(厚さ12μm)のカバーフィルムを圧着貼付して設け、透明感光性転写材料T2−1を作製した。
【0116】
【表6】
【0117】
上記より得られた感光性転写材料T1およびT2−1を用いて、以下の方法により透明フイルターを作製した。
まず、感光性転写材料T1のカバーフィルムを剥離し、感光性樹脂層面を透明ガラス基板(厚さ1.1mm)上に、ラミネーター(装置名:VP−II,大成ラミネータ(株)製)を用いて、0.8kg/cm2 、130℃の加圧加熱条件下で貼り合わせた。その後、仮支持体を熱可塑性樹脂層から剥離し、仮支持体を除去した。
【0118】
次に、所定のフォトマスクを介して露光し、その後、1%トリエタノールアミン水溶液を用いて熱可塑性樹脂層および中間層を溶解除去した。この際、感光性樹脂層は実質現像されていなかった。
次いで、1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて感光性樹脂層を現像し、不要部を除去し、ガラス基板上に20μm幅のストライプ状の透明な画素パターンt1を形成した。
【0119】
さらに、上記感光性転写材料T2−1のカバーフィルムを剥離し、その感光性樹脂層面を上記透明な画素パターンt1の設けられたガラス基板上に貼り合わせ、仮支持体を熱可塑性樹脂層から剥離した後、上記同様のフォトマスクを90度回転した状態で配置して露光し、さらに現像することにより透明の画素パターンt2−1を形成し、透明フィルターDを作製した。
【0120】
(実施例4)
上記実施例3で用いた透明樹脂層用塗布液T2−1中のシリカ分散液20.00部(透明樹脂層用塗布液T2−1の全固形分に対して、2重量%の固形シリカを含有する)に代えて、前記シリカ分散液を、透明樹脂層用塗布液T2−1の全固形分に対して固形シリカ5重量%(50.00部)を添加した以外、実施例3と同様にして透明樹脂層用塗布液T2−2を調製し、また、実施例3と同様の操作により画素パターンt2−2が形成された透明フィルターEを作製した。
【0121】
(実施例5)
上記実施例3で用いた透明樹脂層用塗布液T2−1中のシリカ分散液20.00部(透明樹脂層用塗布液T2−1の全固形分に対して、2重量%の固形シリカを含有する)に代えて、前記シリカ分散液を、透明樹脂層用塗布液T2−1の全固形分に対して固形シリカ10重量%(100.01部)を添加した以外、実施例3と同様にして透明樹脂層用塗布液T2−3を調製し、また、実施例3と同様の操作により、画素パターンt2−3の形成された透明フィルターFを作製した。
【0122】
(実施例6)
上記実施例3で用いた透明樹脂層用塗布液T2−1中のシリカ分散液20.00部(透明樹脂層用塗布液T2−1の全固形分に対して、2重量%の固形シリカを含有する)に代えて、前記シリカ分散液を、透明樹脂層用塗布液T2−1の全固形分に対して固形シリカ30重量%(300.02部)を添加した以外、実施例3と同様にして透明樹脂層用塗布液T2−4を調製し、また、実施例3と同様の操作により画素パターンt2−4が形成された透明フィルターGを作製した。
【0123】
(比較例2)
上記実施例3で用いた透明樹脂層用塗布液T2−1中のシリカ分散液20.00部(透明樹脂層用塗布液T2−1の全固形分に対して、2重量%の固形シリカを含有する)を用いなかった以外、実施例3と同様にして透明樹脂層用塗布液T2−4を調製し、また、実施例3と同様の操作により画素パターンt2−5が形成された透明フィルターHを作製した。
【0124】
上記実施例1と同様にして、得られた透明画素パターンの形成された透明フィルターD〜Hのフィルター表面の膜厚を、表面粗計(FP20,テンコール社製)を用いて測定した。
測定した結果を、以下の表7に示す。
【0125】
【表7】
【0126】
(実施例7〜10,比較例3)
実施例3〜6および比較例2に用いたガラス基板に代えて、ITO膜上に転写した以外、実施例3〜6および比較例2のそれぞれと同様にして透明画素パターンの形成された本発明の透明フィルターI〜Lおよび透明フィルターMを作製し、実施例1と同様にして上記透明フィルターI〜Mのフィルター表面の膜厚を測定した。
その結果、実施例3〜6および比較例2と同様の結果が得られた。
【0127】
(実施例11〜14,比較例4)
実施例3〜6および比較例2において形成した、乾燥膜厚3μmの透明樹脂層T1、及び乾燥膜厚3μmの透明樹脂層T2−1〜T2−5に代えて、乾燥膜厚が1μmの透明樹脂層T1、乾燥膜厚が5μmの透明樹脂層T2−1〜T2−5とした以外、実施例3〜6および比較例2のそれぞれと同様にして透明画素パターンの形成された本発明の透明フィルターN〜Qおよび透明フィルターRを作製し、実施例1と同様にして上記透明フィルターN〜Rのフィルター表面の膜厚を測定した。
この測定結果を、以下の表8に示す。
【0128】
【表8】
【0129】
上記表4より、感光性樹脂層に体質顔料であるシリカを用いた実施例1〜2より得られた本発明の感光性転写材料A及びBは、加圧転写により生じる各着色層の膜厚の低下量が0.03μm以下で極めて小さく、膜厚を損なうことなくガラス基体上にほぼ均一な膜厚の着色層を形成することができた。さらに、現像時におけるブラシ傷の発生もほとんど認められなかった。従って、本発明の感光性転写材料A及びBは、転写過程で膜厚の低下を招くことのない、膜強度の高い感光性樹脂層を有しており、安定して均一な濃度分布を得ることができる、高品質な感光性転写材料といえる。
また、上記工程において、仮支持体は、熱可塑性樹脂層に対して優れた剥離性能を有しており、さらに、得られたカラーフィルターは、着色層とガラス基板との密着性に優れ、画素の欠落もなかった。
一方、感光性樹脂層に体質顔料であるシリカを用いなかった比較例1より得られたカラーフィルターCは、加圧転写時の各着色層の膜厚が0.03μm以上も損なわれており、均一な膜厚の着色層を形成することができなかった。さらに、現像時におけるブラシ傷跡の発生量も多頻度にわたって認められた。
【0130】
また、上記表7より明らかなように、感光性樹脂層中に体質顔料であるシリカを感光性樹脂層中に添加することにより、圧着転写時における膜厚低下の抑制効果が認められ、その添加量が感光性樹脂層の全固形分の2重量%である実施例3の透明フィルターDでは、若干の低下が認められるものの、シリカを添加していない比較例2の透明フィルターHに比べ膜厚の低下量が小さく、5重量%以上を添加した実施例4〜6の本発明の透明フィルターE〜Gでは、転写して積層した膜に膜厚低下を伴うことなく、所望の膜厚(3μm)の透明層を形成することができた。
【0131】
また、実施例7〜10のITO膜上に転写した場合においても、実施例3〜6の場合と同様、体質顔料であるシリカを感光性樹脂層の全固形分の2重量%添加した透明フィルターIでは膜厚低下が小さく、5重量%以上添加した実施例8〜10の本発明の感光性転写材料J〜Lでは、膜厚低下を伴うことなく、均一な膜厚の透明層を得ることができた。
一方、体質顔料であるシリカを含まない比較例3の透明フィルターHおよびMでは、膜厚の低下を伴い、均一な透明層を得ることができなかった。
【0132】
さらに、表8に示すように、基体上に形成する透明層の膜厚を厚くした場合でも同様の結果が得られ、体質顔料であるシリカを感光性樹脂層の全固形分の2重量%添加した実施例11の透明フィルターNではその膜厚低下は抑制され、5重量%以上添加した実施例12〜14の本発明の感光性転写材料O〜Qでは所望の均一な透明層(5μm)を形成することができた。
【0133】
【発明の効果】
本発明の感光性転写材料によれば、仮支持体上に塗設された感光性樹脂層を被転写体である基体上に加圧転写する際に、その着色層の膜厚低下を伴うことなく、基体上に一定膜厚の均一な樹脂層を形成し、かつ現像時におけるブラシ傷の発生をも防止することができる。
従って、本発明の感光性転写材料は、極めて均一な膜厚および濃度分布を有し、高品質な画像を形成する媒体として非常に有用である。
また、本発明の画像形成方法によれば、一定の均一な膜厚を有し、かつ表面平滑性に優れるとともに、ブラシ傷等の発生のない、均一な濃度分布を有する高品質な画像を形成することができる。
Claims (11)
- 仮支持体上に、熱可塑性樹脂層、中間層および感光性樹脂層をこの順に積層してなる感光性転写材料において、前記感光性樹脂層が、体質顔料を含有し、着色剤の含有量が固形分の30重量%以下であり、かつ画像形成前に加熱下で被転写体上にローラ圧着により加圧転写される層であることを特徴とする感光性転写材料。
- 前記体質顔料が、シリカ、酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載の感光性転写材料。
- 前記体質顔料が、感光性樹脂層の全固形分の3〜50重量%の範囲で含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性転写材料。
- 前記感光性樹脂層に、さらに着色剤が含有されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の感光性転写材料。
- 仮支持体と熱可塑性樹脂層との間の接着力が最も小さいことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の感光性転写材料。
- 前記感光性樹脂層は、少なくとも温度150℃以下で軟化若しくは粘着性を有する熱可塑性の樹脂層であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1に記載の感光性転写材料。
- 前記中間層が、ポリビニルピロリドンを中間層の全固形分の1〜75重量%の範囲で含有する層であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1に記載の感光性転写材料。
- 仮支持体上に熱可塑性樹脂層、中間層および感光性樹脂層をこの順に設けた感光性転写材料を加熱下、前記感光性樹脂層面で永久支持体とローラ圧着により密着させ、前記仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離除去した後、前記熱可塑性樹脂層及び中間層を通して感光性樹脂層を露光し、さらに現像することにより前記永久支持体上に画像形成する画像形成方法において、
前記感光性転写材料が、請求項1ないし7のいずれか1に記載の感光性転写材料であることを特徴とする画像形成方法。 - 前記感光性樹脂層が所望の色に着色された請求項1ないし7のいずれか1つの感光性転写材料を用い、請求項8に記載の画像形成工程を2回以上繰り返して永久支持体上に多色の画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
- 仮支持体上に熱可塑性樹脂層、中間層および感光性樹脂層をこの順に設けた感光性転写材料を加熱下、前記感光性樹脂層面で中間被転写体用基体とローラ圧着により密着させ、前記仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、前記熱可塑性樹脂層及び中間層を通して感光性樹脂層を露光、かつ現像した後、前記基体上に形成された画像をさらに最終支持体上に転写して画像形成する画像形成方法において、前記感光性転写材料が、請求項1ないし7のいずれか1に記載の感光性転写材料であることを特徴とする画像形成方法。
- 前記感光性樹脂層が所望の色に着色された請求項1ないし7のいずれか1つの感光性転写材料を用い、請求項10に記載の画像形成工程を2回以上繰り返して最終支持体上に多色の画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
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