JP3912218B2 - 車両用通信システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載された各種電気的装置間でデータを送受信するのに使用される車両用通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両、特に自動車においては、省燃費、安全性向上、利便性向上等の市場の要求に対応すべく、電子化がどんどん進んでおり、これに伴い、制御装置、情報機器、オーディオ機器、といった各種電気的装置の搭載数が増加している。また、こうした電気的装置相互間での連係動作若しくはデータの共有化が必要になってきている。
【0003】
このため、従来では、車両に搭載された各種電気的装置の内、連係動作若しくはデータの共有が必要な電気的装置については、各装置間でデータを送受信できるように、各装置内にデータ通信用の回路を組み込み、これらを通信線で接続することで、所謂車載ネットワーク(車載LAN)を構築している。
【0004】
そして、こうした車載ネットワークは、通常、例えば、エンジン、自動変速機、ブレーキ等を制御する制御装置間を接続する制御系、ドアのロック・アンロック、空調装置等を制御する制御装置間を接続するボデー系、というように、車両に搭載される各種電気的装置を機能・系統別に区分し、その区分した各グループ毎に構築される。
【0005】
また、これら各系統のネットワーク間(つまり通信線間)には、データの中継機能を有する電気的装置(所謂ゲートウェイ装置)を設け、各ネットワークで必要な共通のデータを各ネットワーク間で送受信できるようにすることも行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうした従来の車両用通信システムにおいては、通信線の断線、ゲートウェイ装置の故障等により、データの伝送経路の一部が遮断されると、その遮断部分を通過する全てのデータが一度に途絶することになり、各ネットワークに接続された一部の電気的装置は、必要なデータを受信できなくなって、正常に機能しなくなる、という問題があった。
【0007】
また、ゲートウェイ装置が中継するデータ量は、車両の状態によって大きく変化する。例えば、車両走行中には、車両の駐車時には必要のない、車速やエンジン回転数といった車両の走行制御のためのデータが多くなり、特に車両発進時や加速時等、車両の走行過渡時には、そのデータ量が著しく増加する。そして、このように、ゲートウェイ装置が中継するデータ量が増えると、ゲートウェイ装置自体のデータの処理速度が低下するため、ゲートウェイ装置を通過するデータに遅れが生じ、制御系の電気的装置(エンジン制御装置等)で実現される車両制御の応答性が低下する、といった問題もある。
【0008】
一方、こうした問題は、各ネットワークを構成する通信線を多重化して、各電気的装置が複数の通信線を利用してデータを送受信できるようにするとか、ゲートウェイ装置として利用する電気的装置のデータ処理能力を充分大きくする、といったことで対策することができる。
【0009】
しかし、こうした対策では、上記問題を解決してデータ通信の信頼性を確保することができるものの、各ネットワークに接続される電気的装置に複数の通信回路を組み込んだり、ゲートウェイ装置の処理能力を高める必要があるため、システム全体のコストアップを招くという問題が発生する。
【0010】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、通信線の断線、ゲートウェイ装置の故障若しくは処理負荷の増加等によって、正常なデータ通信を行うことができなくなった場合に、データ通信を速やかに正常状態に復旧させることができ、しかも、その対策のために通信線を多重化したりゲートウェイ装置の処理能力を高める必要のない車両用通信システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成するためになされた請求項1記載の車両用通信システムにおいては、通信線を介してデータ通信可能な各種電気的装置を複数にグループ分けし、各グループ毎に、電気的装置をデータ通信用の通信線を介して互いに接続することにより、車両に複数のネットワークを構築している。そして、各グループのネットワークを構成する通信線間には、各通信線間でデータを中継可能な特定電気的装置(所謂ゲートウェイ装置)が、複数、分散配置されており、各特定電気的装置は、予め設定された中継用のデータリストに基づき、所定の通信線間で所定のデータを中継する。
【0012】
また、各通信線間に分散配置される複数の特定電気的装置の内、全ての通信線に接続される特定電気的装置の一つ(第1特定電気的装置)には、各電気的装置から送信された送信データが他の電気的装置で受信される迄の伝送経路を記述したルートテーブルが予め記憶された第1記憶手段と、各通信線に流れるデータを監視することにより、前記ルートテーブルに記述された伝送経路の異常及び異常箇所を検出する第1異常検出手段と、が備えられている。
【0013】
そして、第1特定電気的装置においては、第1異常検出手段にて伝送経路の異常及び異常箇所が検出されると、迂回経路設定手段が、第1記憶手段に記憶されたルートテーブルを用いて、その検出された異常箇所を通過するデータを特定すると共に、その特定したデータを異常箇所を通過させることなく伝送可能な迂回経路を設定し、そのデータがその迂回経路を通って伝送されるように、ルートテーブルを更新する。また、この迂回経路設定手段にてルートテーブルが更新されると、データリスト更新手段が、その更新されたルートテーブルに従い、当該第1特定電気的装置を含む各特定電気的装置に設定されたデータリストを更新する。
【0014】
このように、本発明の車両用通信システムにおいては、車両に構築された複数のネットワークの通信線に接続された各電気的装置が、その電気的装置が属するネットワーク内の他の電気的装置との間でデータ通信を行うことができるだけでなく、ゲートウェイ装置として機能する特定電気的装置を介して、他のネットワークの電気的装置との間でもデータ通信を行うことができるようにされている。
【0015】
そして、複数の通信線の何れかが断線するか、或いは、特定電気的装置が故障することにより、当該システムで構成される伝送経路の一部が遮断されると、その部分を通過できなくなったデータが第1特定電気的装置側で特定されて、そのデータを必要とする電気的装置まで伝送するための迂回経路が設定される。また、このように迂回経路が設定されると、その迂回経路がデータの伝送経路となるようにルートテーブルが更新され、更に、そのルートテーブルに従い、ゲートウェイ機能を有する各特定電気的装置のデータリストが更新される。
【0016】
従って、本発明の車両用通信システムによれば、通信線の断線、特定電気的装置の故障等によって、データの伝送経路の一部が遮断されても、その遮断された伝送経路を迂回する新たな伝送経路が形成されて、当該システムを構成する各電気的装置が送信したデータは、そのデータを必要とする他の電気的装置まで確実に伝送されることになる。
【0017】
また、本発明の車両用通信システムでは、データの伝送経路が遮断された際に、特定電気的装置によって形成されるデータの伝送経路(換言すればネットワーク間の中継経路)を切り換えることによって、通信線の断線等によって生じたデータ通信を正常状態に復旧させることから、その復旧のために通信線を多重化するような必要はなく、極めて簡単に実現できる。
【0018】
ところで、第1特定電気的装置に設けられる第1異常検出手段は、第1特定電気的装置が接続された各通信線に流れるデータから、ルートテーブルに記述された伝送経路の異常及び異常箇所を検出するが、第1特定電気的装置に設けられた第1異常検出手段単独では、伝送経路の異常を検出できても、異常箇所を特定できないことが考えられる。
【0019】
つまり、第1異常検出手段は、第1記憶手段に記憶されたルートテーブルに基づき、各電気的装置から送信されるデータの伝送経路を把握できることから、各通信線に実際に流れているデータと、各通信線に流れるべきデータとを比較することにより、伝送経路の遮断によって通信線に流れていないデータ(伝送遮断データ)を特定し、その伝送遮断データの種類や数から伝送経路の遮断位置(異常箇所)を特定できるが、例えば、同一伝送線上で異常箇所が複数存在するような場合には、第1特定電気的装置に近い側の異常箇所は特定できても、第1特定電気的装置から離れた側の異常箇所は特定できなくなってしまう。
【0020】
そこで、第1特定電気的装置に設けられた第1異常検出手段にて、各データの伝送経路の異常箇所をより確実に検出できるようにするには、請求項2に記載のように、第1特定電気的装置以外の特定電気的装置に、自己が接続された通信線に流れるデータから、その通信線を介して形成される伝送経路の異常及び異常箇所を検出し、その検出結果を表すデータを通信線上に送出する第2異常検出手段を設け、第1特定電気的装置の第1異常検出手段では、ルートテーブルに記述された伝送経路の異常及び異常箇所の検出に、他の特定電気的装置の第2異常検出手段が通信線に送出したデータを利用するように構成するとよい。
【0021】
つまり、このようにすれば、第1特定電気的装置に設けられた第1異常検出手段で直接検出することのできない異常箇所を、他の特定電気的装置に設けられた第2異常検出手段にて検出して、その検出結果を、第1特定電気的装置側に報知できることになり、第1異常検出手段では、その報知結果に従い、各データの伝送経路の異常及び異常箇所を、より正確に検出することができるようになる。
【0022】
よって、請求項2に記載の車両用通信システムによれば、第1特定電気的装置の動作によって、伝送経路が遮断されてしまったデータの迂回経路をより正確に設定できることになり、データ通信の信頼性をより向上することができる。
また、本発明において、迂回経路設定手段が迂回経路を設定するデータとしては、各ネットワークの通信線に接続された各電気的装置が送信する全てのデータを対象としてもよいが、車両、特に自動車において、各電気的装置が送信するデータは極めて多いことから、このようにすると、ルートテーブルのデータ量や、迂回経路設定手段が迂回経路を設定する際の処理負荷が極めて多くなり、伝送経路の異常時にデータ通信が正常に復旧するのに要する時間が長くなってしまうことが考えられる。
【0023】
また、各電気的装置が送信するデータの中には、伝送経路が遮断されても、そのデータを利用する電気的装置の動作や車両の安全性等に影響を与えることのないデータも存在する。
このため、迂回経路設定手段が迂回経路を設定するデータとしては、必ずしも、各電気的装置が送信する全てのデータを対象とする必要はなく、請求項3に記載のように、迂回経路設定手段が、各電気的装置が送信するデータの内、予め設定された重要データに対してのみ、迂回経路を設定するようにしてもよい。
【0024】
即ち、請求項3に記載の車両用通信システムにおいて、ルートテーブルは、各電気的装置から送信される送信データの内、予め設定された重要データが他の電気的装置で受信されるまでの伝送経路を記述したものとなっており、迂回経路設定手段は、そのルートテーブルに基づき、異常箇所を通過する全データの内の重要データを、異常箇所を通過させることなく伝送可能な迂回経路を設定し、その重要データがその迂回経路を通って伝送されるよう、ルートテーブルを更新する。
【0025】
従って、請求項3に記載の車両通信システムによれば、迂回経路設定手段が迂回経路を設定するデータとして、各電気的装置が送信する全てのデータを設定した場合に比べて、迂回経路設定手段(延いては第1特定電気的装置)の処理負荷を軽減することができ、第1特定電気的装置を、比較的処理速度の低い安価なデータ処理回路を用いて実現できる。また、この場合、重要データの通信経路は、速やかに復旧できることになるので、通信線の断線等で生じる重要データの通信不良を短時間に抑えることができ、システムの信頼性を向上することもできる。
【0026】
一方、本発明のように、第1特定電気的装置にて、各ネットワークで送受信されるデータの伝送経路の異常を検出して、その迂回経路を設定するようにした場合、第1特定電気的装置が正常動作していればよいが、第1特定電気的装置自体の故障、第1特定電気的装置と通信線との接続部分の断線等によって、第1特定電気的装置が正常動作しなくなると、上述した本発明の効果が得られなくなってしまう。
【0027】
そこで、より好ましくは、請求項4に記載のように、第1特定電気的装置に、第1記憶手段に記憶されたルートテーブルを通信線上に送出するルートテーブル送信手段を設け、第1特定電気的装置以外の特定電気的装置の内、全ての通信線に接続される特定電気的装置の一つである第2特定電気的装置には、第1特定電気的装置のルートテーブル送信手段が通信線上に送出したルートテーブルを取得して第2記憶手段に記憶するバックアップ手段と、第2特定電気的装置が接続された各通信線に流れるデータから、第1特定電気的装置の故障を検出する故障検出手段と、故障検出手段にて第1特定電気的装置の故障が検出されると、バックアップ手段により第2記憶手段に記憶されたルートテーブルを用いて、第1特定電気的装置における第1異常検出手段、迂回経路設定手段、及び、データリスト更新手段としての機能を、第1特定電気的装置に代わって実現する代替処理実行手段と、を設けるようにするとよい。
【0028】
つまり、このようにすれば、第1特定電気的装置が正常機能しなくなった場合にでも、第2特定電気的装置が第1特定電気的装置のバックアップ装置として機能することから、当該システムにおけるデータ通信の信頼性をより向上することができる。
【0029】
ところで、本発明の車両用通信システムにおいては、複数のネットワークを夫々構成する複数の通信間に、ゲートウェイ装置として機能する特定電気的装置を複数接続し、各特定電気的装置にて予め設定されたデータを中継するようにされているが、既述したように、各特定電気的装置が中継するデータ量は、車両の状態によって大きく変化する。
【0030】
そこで、これら各電気的装置をより効率よく機能させるには、請求項5に記載のように、第1特定電気的装置に、当該第1特定電気的装置を含む前記各特定電気的装置の処理負荷を検出する第1処理負荷検出手段と、この第1処理負荷検出手段にて検出された処理負荷に基づき、処理負荷が予め設定された第1閾値よりも大きい特定電気的装置である高負荷装置があるか否かを判断して、高負荷装置があれば、ルートテーブルに基づき、その高負荷装置が中継するデータの中から、他の特定電気的装置を代替中継装置として利用可能なデータを選択し、その選択したデータが代替中継装置にて中継されるように、第1記憶手段に記憶されたルートテーブルを更新する中継経路変更手段とを設け、データリスト更新手段については、中継経路変更手段によりルートテーブルが更新されると、そのルートテーブルに従い、高負荷装置及び代替中継装置に設定されたデータリストを更新するよう構成するとよい。
【0031】
つまり、第1特定電気的装置をこのように構成すれば、上記請求項1〜請求項4と同様の効果を得ることができるだけでなく、中継するデータ量の増加等に伴い処理負荷が一時的に増加した特定電気的装置(高負荷装置)の処理負荷を、他の特定電気的装置の動作によって低減させることができる。
【0032】
よって、請求項5に記載の車両用通信システムによれば、ゲートウェイ装置として機能する特定電気的装置のデータ処理能力を、各特定電気的装置毎に、中継するデータ量が最大となったときの最大処理負荷に合わせて設定する必要がなく、各特定電気的装置(延いてはシステム)のコストを低減できる。
【0033】
また、特定電気的装置が中継するデータ量が増えると、その特定電気的装置を通過するデータに遅れが生じ、そのデータが車両制御に用いられるデータであれば、車両制御の応答性が低下してしまうことになるが、請求項5に記載のように、処理負荷が増加した特定電気的装置が中継するデータの一部を、他の特定電気的装置に中継させれば、処理負荷が増加した特定電気的装置を通過するデータの遅れを抑制できることから、高速伝送が必要なデータについても問題なく伝送できることになり、これによってもデータ通信の信頼性を向上することができる。
【0034】
ここで、第1特定電気的装置に設けられる第1処理負荷検出手段において、第1特定電気的装置以外の特定電気的装置の処理負荷を検出するには、例えば、各通信線に流れるデータの中から、各特定電気的装置が中継したデータを検出して、そのデータの種別や頻度を監視することにより、各特定電気的装置がゲートウェイ装置として機能するのに要する処理負荷を推定するようにしてもよいが、このような推定では、各特定電気的装置の処理負荷を正確に検出できないことが考えられる。
【0035】
特に、特定電気的装置が、通信線間のデータの中継だけでなく、他のデータ処理(例えば、制御量の演算、制御対象の制御等)を行うように構成されているような場合には、特定電気的装置にて中継されるデータを監視するだけでは、特定電気的装置の処理負荷を正確に推定することはできない。
【0036】
そこで、請求項5に記載の車両用通信システムにおいては、更に、請求項6に記載のように、第1特定電気的装置以外の特定電気的装置には、自己の処理負荷を検出して、その検出結果を表すデータを通信線上に送出する第2処理負荷検出手段を設け、第1特定電気的装置の第1処理負荷検出手段は、他の特定電気的装置の処理負荷を、他の特定電気的装置に設けられた第2異常検出手段が通信線に送出したデータを取得することにより検出するように構成するとよい。
【0037】
つまり、このようにすれば、第1特定電気的装置に設けられる第1処理負荷検出手段において、自己を含む全ての特定電気的装置の処理負荷をより正確に検出することができるようになり、処理負荷が増加した特定電気的装置(高負荷装置)の処理負荷をより確実に低減させることができるようになる。
【0038】
次に、請求項7に記載の車両用通信システムは、請求項1記載の車両用通信システムと同様、通信線を介してデータ通信可能な各種電気的装置を複数にグループ分けし、各グループ毎に、電気的装置をデータ通信用の通信線を介して互いに接続することにより、車両に複数のネットワークを構築しており、各グループのネットワークを構成する通信線間には、各通信線間でデータを中継可能な特定電気的装置(所謂ゲートウェイ装置)が、複数、分散配置され、各特定電気的装置は、予め設定された中継用のデータリストに基づき、所定の通信線間で所定のデータを中継する。
【0039】
そして、各通信線間に分散配置される複数の特定電気的装置の内、全ての通信線に接続される特定電気的装置の一つ(第1特定電気的装置)には、各電気的装置から送信された送信データが他の電気的装置で受信される迄の伝送経路を記述したルートテーブルが予め記憶された第1記憶手段と、当該第1特定電気的装置を含む前記各特定電気的装置の処理負荷を検出する第1処理負荷検出手段と、が備えられ、中継経路変更手段が、その第1処理負荷検出手段にて検出された処理負荷に基づき、処理負荷が予め設定された第1閾値よりも大きい特定電気的装置である高負荷装置があるか否かを判断し、高負荷装置があれば、第1記憶手段に記憶されたルートテーブルに基づき、高負荷装置が中継するデータの中から、他の特定電気的装置を代替中継装置として利用可能なデータを選択して、その選択したデータが代替中継装置にて中継されるように、第1記憶手段に記憶されたルートテーブルを更新し、データリスト更新手段が、その中継経路変更手段にて更新されたルートテーブルに従い、高負荷装置及び代替中継装置に設定されたデータリストを更新する。
【0040】
このため、請求項7に記載の車両用通信システムによれば、上記請求項5に記載の車両用通信システムと同様の効果を得ることができる。
また、請求項8に記載の車両用通信システムは、請求項7に記載の車両用通信システムにおいて、第1特定電気的装置以外の特定電気的装置には、自己の処理負荷を検出して、その検出結果を表すデータを通信線上に送出する第2処理負荷検出手段を設け、第1特定電気的装置の第1処理負荷検出手段は、他の特定電気的装置の処理負荷を、他の特定電気的装置に設けられた第2異常検出手段が通信線に送出したデータを取得することにより検出するように構成したものである。
【0041】
このため、この請求項8に記載の車両用通信システムによれば、上記請求項6に記載の車両用通信システムと同様の効果を得ることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された実施例の車両用通信システムの構成を表す構成図である。
【0043】
図1に示すように、本実施例の車両用通信システムは、エンジンECU11、ACC・ECU12、レーンキーピングECU13、VSC・ECU14、周辺監視ECU15、ECT・ECU16、…を、データ通信用の通信線L1を介して互いに接続することにより車両に構築された制御系のネットワーク10と、コンビSW・ECU21、ナビECU22、オーディオECU23、TEL・ECU24、…を、データ通信用の通信線L2を介して互いに接続することにより車両に構築された情報系(AVC系)のネットワーク20と、ライティングECU31,エアコンECU32、メータECU33、ボデーECU34、スマートキーECU35、…を、データ通信用の通信線L3を介して接続することにより車両に構築されたボデー系のネットワーク30とから構成されている。
【0044】
ここで、上記各ECUは、データ通信機能を有するマイクロプロセッサを搭載し、接続された通信線を介して他のECUとデータを送受信しつつ、制御対象機器を制御する周知の電子制御装置であり、本発明の電気的装置に相当する。
具体的には、エンジンECU11は、車両の動力源であるエンジンを制御するためのものであり、ACC・ECU12は、車両を先行車両に追従させるための制御を行うものであり、レーンキーピングECU13は、車両の操舵系を制御することにより車両を走行路上の白線等に沿って自動走行させるためのものであり、VSC・ECU14は、車両の姿勢制御及び制動制御を行うものであり、周辺監視ECU15は、車両の前後左右に取り付けられたセンサを駆動制御することにより車両周囲に存在する障害物を検出するものであり、ECT・ECU16は、自動変速機の変速制御を行うものである。
【0045】
また、コンビSW・ECU21は、運転席周囲に設けられた各種操作スイッチからなるコンビネーションスイッチ(コンビSW)からの入力を受け付け、他のECUに運転者からの各種指令を送信するものであり、ナビECU22は、車両に搭載されたナビゲーション装置を制御するものであり、オーディオECU23は、乗員からの指示に従い車両に搭載されたオーディオ機器を制御すると共に、そのオーディオ機器やナビゲーション装置等から出力される音声信号を処理して車載スピーカから出力させるものであり、TEL・ECU24は、乗員が車両外部と通話を行うために通話用の電話装置を制御するものである。
【0046】
また、ライティングECU31は、周囲の明るさに応じて車幅灯やヘッドライトを点灯したり、ヘッドライトの明るさを制御したりするものであり、エアコンECUは、車両に搭載された空調装置(エアコン)を制御するものであり、メータECU33は、車速、エンジン回転数、ドアの開閉状態、変速機のシフトレンジ等、車両の各種状態を運転席前方の表示装置に表示する制御を行うものであり、ボデーECU34は、スマートキーECU35と連携してドアのロック・アンロック等を制御するためのものであり、スマートキーECU35は、車両運転者が所持する電子キーからの送信電波に基づき、運転者の車両への接近、乗車等を判定し、ボデーECU34にドアのロック・アンロックを指示したり、運転者の操作に基づくエンジンの始動を許可したりするものである。
【0047】
そして、上記各ECUの内、運転者からの指令を受け付け、他のECUに送信するコンビSW・ECU21は、AVC系のネットワーク20を構成する通信線L2だけでなく、制御系及びボデー系の通信線L1、L3にも接続されて、制御系、AVC系、ボデー系の各グループに属するECUに対して、そのグループ専用の通信線を介して直接運転者からの指令を送信できるようにされている。
【0048】
また、メータECU33は、ボデー系のネットワーク30を構成する通信線L3に加えて、制御系ネットワーク10の通信線L1にも接続されており、制御系、ボデー系の各グループに属するECUから表示装置に表示すべき情報(車速、ドアの開閉状態、…といった各種情報)を、各グループ専用の通信線を介して直接取得できるようにされている。また、スマートキーECU35も、メータECU33と同様、通信線L3及びL1に接続されて、制御系、ボデー系の各グループに属するECUから車両状態を表す情報情報を直接取得できるようにされている。
【0049】
また更に、上記各通信線L1、L2、L3には、所謂ゲートウェイ専用の装置として、マネージャECU40が接続されている。そして、このマネージャECU40と、複数の通信線に接続された上述のコンビSW・ECU21、メータECU33、スマートキーECU35は、夫々、自らが接続された3つ若しくは2つの通信線間で、予め設定されたデータを中継する、所謂ゲートウェイ装置として機能する。
【0050】
即ち、マネージャECU40、コンビSW・ECU21、メータECU33、スマートキーECU35には、夫々、図2(a)に示すように、接続された一つの通信線から取得(受信)して他の通信線に送信すべきデータを既述した中継用のデータリスト(ゲートウェイデータリスト)が記憶されており、これら各ECU40、21、33、35は、図2(b)に示すように、そのゲートウェイデータリストに従い、各系統のネットワークの通信線から、他のネットワークに送信すべきデータを取得(受信)し(S60:Sはステップを表す)、その受信したデータを、送信すべきネットワークの通信線上に送出(送信)する(S70)、といった手順で、各ネットワーク間のデータ中継処理を実行するのである。
【0051】
この結果、各ネットワークの通信線L1〜L3に接続されたECUからの送信信号の内、他のネットワークに転送すべきデータについては、マネージャECU40、コンビSW・ECU21、メータECU33、スマートキーECU35の何れかによって、各ネットワーク間で中継されることになり、他系統のネットワークに属するECUが通信線に送信したデータを必要とし、その通信線から直接受信できないECUは、これら中継機能を有する何れかのECUを介して転送されたデータを受信することにより、所定の処理を実行できることになる。
【0052】
尚、図2(a)は、マネージャECU及びメータECUに対して設定されたゲートウェイデータリストの一部を表しており、このゲートウェイデータリストでは、制御系ネットワーク10に属するエンジンECU11が通信線L1に送信したエンジン回転数データは、マネージャECU40が、ボデー系ネットワーク30の通信線L3へ中継し、制御系ネットワーク10に属するVSC・ECU14が通信線L1に送信した車速データは、メータECU33が、ボデー系ネットワーク30の通信線L3へ中継し、AVC系ネットワーク20に属するナビECU22が通信線L2に送信した走行距離データは、マネージャECU40が、ボデー系ネットワーク30の通信線L3へ中継し、ボデー系ネットワーク30に属するライティングECU31が通信線L3に送信した日射データは、マネージャECU40が、制御系ネットワーク10の通信線L1へ中継し、ボデー系ネットワーク30に属するエアコンECU32が通信線L3に送信した外気温データは、マネージャECU40が、制御系ネットワーク10の通信線L1へ中継するように設定されている。
【0053】
また次に、本実施例の車両用通信システムを構成する全ての通信線L1〜L3に接続されたマネージャECU40には、各通信線L1〜L3に接続されたECUが各通信線L1〜L3に送信するデータの内、予め設定された重要データに関して、各重要データが他のECUにて受信されるまでの伝送経路を既述したルートテーブルが記憶されたメモリ40aが設けられている。
【0054】
このルートテーブルは、図3(a)に示すように、重要データを通信線に送信する送信ECU、重要データを通信線上で直接受信する受信ECU、重要データを他の通信線に中継するGWECU(上述したゲートウェイ機能を有するマネージャECU40、コンビSW・ECU21、メータECU33、スマートキーECU35の何れかであり、図に示すGW1、GW2は、GWECUが複数存在することを表す)、このGWECUを介して重要データを受信する受信ECU、GWECUにより中継された重要データを更に他の通信線に中継するGWECU(図に示すGW11は、GW1ECUを介して得られた重要データを更に中継する下位の階層のECUであることを表す)、このGWECUを介して重要データを受信する受信ECU、…というように、各重要データ毎に、その重要データが通過するECUを順に記述したものであり、そのデータ構造は、所謂階層構造となっている。
【0055】
具体的には、図2(a)に例示したデータに対するルートテーブルは、図3(b)に示すように設定されている。
即ち、エンジン回転数データについては、送信ECUとして、エンジンECU11が設定され、これを直接受信する受信ECUとして、ECT・ECU16及びメータECU33が設定され、第1のGWECU(GW1)として、マネージャECU40が設定され、マネージャECU40を介してエンジン回転数データを受信する受信ECUとして、エアコンECU32が設定されている。また、車速データについては、送信ECUとして、VSC・ECU14が設定され、これを直接受信する受信ECUとして、ECT・ECU16及びACC・ECU12が設定され、第1のGWECU(GW1)として、メータECU33が設定され、メータECU33を介して車速データを受信する受信ECUとして、エアコンECU32及びスマートキーECU35が設定されている。
【0056】
同様に、走行距離データについては、送信ECUとして、ナビ・ECU22が設定され、これを直接受信する受信ECUは存在せず、第1のGWECU(GW1)として、マネージャECU40が設定され、マネージャECU40を介して走行距離データを受信する受信ECUとして、メータECU33が設定されている。また、日射データについては、送信ECUとして、ライティングECU31が設定され、これを直接受信する受信ECUとして、エアコンECU32が設定され、第1のGWECU(GW1)として、マネージャECU40が設定され、マネージャECU40を介して日射データを受信する受信ECUとして、周辺監視ECU15が設定されている。また、外気温データについては、送信ECUとして、エアコンECU32が設定され、これを直接受信する受信ECUとして、メータECU33が設定され、第1のGWECU(GW1)として、マネージャECU40が設定され、マネージャECU40を介して外気温データを受信する受信ECUとして、エンジンECU11が設定されている。
【0057】
そして、マネージャECU40は、上記のようにメモリ40aに記憶されたルートテーブルを用いて、各通信線L1〜L3に流れるデータから、ルートテーブルに記述された重要データの伝送経路の異常(伝送線の断線、GWECUの故障等)を検出し、伝送経路の異常を検出すると、その異常箇所を通過するように設定された重要データについて、その異常箇所を通過することなく、各受信ECUまで重要データを伝送し得る迂回経路を演算し、各重要データがその迂回経路を通るようにルートテーブルを更新し、更に、そのルートテーブルに従い、自己を含む各GWECU(マネージャECU40、コンビSW・ECU21、メータECU33、スマートキーECU35)のゲートウェイデータリストを書き換える。
【0058】
尚、マネージャECU40のメモリ40aには、各GWECUのゲートウェイデータリストを書き換えるために、マネージャECU40自身が中継するデータのリストだけでなく、他のGWECUが中継するデータのリストについても記憶されている。
【0059】
また、マネージャECU40は、メモリ40aに記憶されたルートテーブル及び各GWECUのゲートウェイデータリストを更新すると、その更新後の全データを、バックアップデータとして、コンビSWECU21に送信するようにされており、コンビSWECU21は、そのバックアップデータをメモリ21aに記憶し、マネージャECU40に異常があると、その記憶したバックアップデータを利用して、マネージャECU40が本来実行すべき処理を実行する。
【0060】
以下、このようにマネージャECU40にて実行される通信ルート切換処理、及び、この処理に対応して他のGWECU(コンビSW・ECU21、メータECU33、スマートキーECU35)にて実行される通信状態監視処理について、図4〜図6に示すフローチャートに沿って説明する。
【0061】
図4は、マネージャECU40にて実行される通信ルート切換処理を表す。
この通信ルート切換処理は、マネージャECU40において、繰り返し実行される処理であり、処理が開始されると、まず、S110にて、各系統のネットワーク10、20,30のECUにて送受信されるデータ(つまり、通信線L1〜L3を流れるデータ)を所定時間以上監視し、続くS120にて、データの監視の結果、何れかの通信線に断線等が発生してデータの伝送経路が遮断された異常ルートが検出されたか否かを判断する。
【0062】
尚、この異常ルートの検出は、各通信線L1〜L3に接続されたECUから本来送信されるべき重要データをルートテーブルから読み出し、その重要データと各通信線L1〜L3に実際に流れている重要データとを比較することにより、各通信線L1〜L3の断線等によって生じた重要データの伝送経路の遮断箇所を特定する、といった手順で実行される。また、この異常ルートの検出には、他のGWECUから送信されてくる異常ルートの検出結果も利用される。
【0063】
そして、S120にて、異常ルートが有ると判断されると、S130に移行し、メモリ40aに記憶されたルートテーブルに基づき、その異常ルートを通過する重要データについて、その重要データを異常ルートを通過させることなく、各受信ECUに伝送するための迂回経路(迂回ルート)を求め、これを新たな伝送経路として設定する。
【0064】
また、S130にて、迂回ルートを新たな伝送経路として設定するか、或いは、S120にて、異常ルートは無いと判断されると、S140に移行して、今度は、S110による監視結果に基づき、重要データを中継している他のGWECUの中に、重要データを正常に中継できていない異常GWECUが有るか否かを判断する。
【0065】
尚、この異常GWECUの検出は、他のGWECUで中継される重要データをルートテーブルから読み出し、その重要データと各通信線L1〜L3に実際に流れた重要データとを比較することにより、他のGWECUの故障若しくは他のGWECUと通信線と接続部分の断線等によって生じた重要データの伝送経路の遮断箇所(GWECU)を特定する、といった手順で実行される。また、この異常GWECUの検出には、他のGWECUから送信されてくる異常GWECUの検出結果も利用される。
【0066】
そして、S140にて、異常GWECUが有ると判断されると、S150に移行し、メモリ40aに記憶されたルートテーブルに基づき、その異常GWECUを用いることなく、重要データを中継するためのGWECUを求め、このGWECUを用いて重要データを伝送するための迂回ルートを、新たな伝送経路として設定する。
【0067】
また、S150にて、GWECUを変更した迂回ルートを新たな伝送経路として設定するか、或いは、S140にて、異常GWECUは無いと判断されると、S160に移行して、マネージャECU40自身の処理負荷(具体的には、マネージャECU40が問題なく動作可能な最大負荷に対する負荷の割合)を算出し、続くS170にて、他のGWECUから送信されてくる処理負荷を表すデータを受信することにより、他のGWECUの処理負荷(各GWECUが問題なく動作可能な最大負荷に対する負荷の割合)を取得する。
【0068】
そして、続くS180では、S160及びS170にて得られた自己を含む各GWECUの処理負荷の中で、処理負荷が予め設定された第1閾値を超えたGWECUが存在するか否かを判断し、処理負荷が第1閾値を超えたGWECU(高負荷GWECU)が有れば、続くS190にて、その高負荷GWECUにて中継される全重要データの中から、他のGWECUを代替GWECUとして利用可能な重要データを探索し、その重要データを高負荷GWECUの代わりに中継する代替GWECUを設定する。
【0069】
次に、S190にて、高負荷GGWECUに対する代替GWECUを設定するか、或いは、S180にて、高負荷GWECUは無いと判断されると、続くS200に移行して、今度は、既に代替GWECUが設定された高負荷GWECUの中で、処理負荷が、第1閾値よりも充分小さい第2閾値未満となり、代替GWECUを設定することなく予め設定された全てのデータを中継できるようになったGWECUは存在するか否かを判断する。
【0070】
そして、S200にて、処理負荷が第2閾値未満となったGWECUが有ると判断されると、S210に移行して、そのGWECUに対して代替GWECUを設定したデータについて、そのGWECUを通過するデフォルトルートを設定した後、S220に移行し、逆に、S200にて、処理負荷が第2閾値未満となったGWECUは無いと判断されると、そのままS220に移行する。
【0071】
次に、S220では、S130、S150、S190、若しくはS210の処理で、迂回ルートや代替GWECU、若しくはデフォルトルートが設定されたデータが存在し、ルートテーブルを更新する必要があるか否かを判断し、ルートテーブルを更新する必要が無ければ、そのまま当該処理を一旦終了する。
【0072】
一方、S220にて、ルートテーブルの更新が必要であると判断されると、続くS230に移行して、S130、S150、S190、若しくはS210の処理で設定された新たなデータの伝送経路に従い、メモリ40aに記憶されたルートテーブルを更新すると共に、その更新後のルートテーブルに従い変更の必要なGWECUのゲートウェイデータリストを更新する。
【0073】
そして、続くS240では、その更新されたルートテーブル及び各GWECUのゲートウェイデータリストをバックアップデータとして、全て、コンビSW・ECU21に送信し、更に、続くS250にて、S230にて更新のあったゲートウェイデータリストを使用する他のGWECU(メータECU33、スマートキーECU35等)に、対応するゲートウェイデータリストを送信した後、当該処理を一旦終了する。
【0074】
次に、図5は、コンビSW・ECU21にて実行される通信状態監視処理を表す。
この通信状態監視処理は、コンビSW・ECU21において、各スイッチからの入力を受け付ける処理とは別に、繰り返し実行される処理であり、この処理が開始されると、まず、S310にて、各系統のネットワーク10、20,30のECUにて送受信されるデータ(つまり、通信線L1〜L3を流れるデータ)を所定時間以上監視し、続くS320にて、その監視結果に基づき、マネージャECU40は正常に動作しているか否かを判断する。
【0075】
そして、マネージャECU40が正常に動作していれば、S320以降の処理を実行し、逆にマネージャECU40の正常に動作していなければ、S410にて、他のGWECU(メータECU33、スマートキーECU35等)に、その旨を通知した後、S420にて、マネージャECU40で本来実行されるべき図4の通信ルート切換処理を、マネージャECU40に代わって実行する。
【0076】
次に、S320では、上述したS120と同様、データの監視の結果、何れかの通信線に断線等が発生してデータの伝送経路が遮断された異常ルートが検出されたか否かを判断し、異常ルートが有れば、S340にて、その異常ルートをマネージャECU40に通知した後、S350に移行し、逆に、異常ルートが無ければ、そのままS350に移行する。
【0077】
また、S350では、上述したS140と同様、S310での監視結果に基づき、重要データを中継している他のGWECU(メータECU33、スマートキーECU35等)の中に、重要データを正常に中継できていない異常GWECUが有るか否かを判断する。そして、S350にて、異常GWECUが有ると判断されると、S360に移行して、その異常GWECUをマネージャECU40に通知した後、S370に移行し、逆に、異常GWECUが無ければ、そのままS370に移行する。
【0078】
次に、S370では、自身の処理負荷を算出し、続くS380にて、その算出した処理負荷を、マネージャECU40に通知する。そして、続くS390では、マネージャECU40から送信されたバックアップデータを取得したか否かを判断し、バックアップデータを取得した場合には、S400に移行して、そのバックアップデータに基づき、メモリ21aに記憶されているルートテーブル及び各GWECUのゲートウェイデータリストを更新した後、当該処理を一旦終了し、逆に、マネージャECU40から送信されたバックアップデータを取得していなければ、そのまま当該処理を終了する。
【0079】
次に、図6は、上記以外のGWECU、つまり、全ての通信線L1〜L3に接続されていないメータECU33、スマートキーECU35等で実行される通信状態監視処理を表す。
この通信状態監視処理は、各GWECUで実行される制御処理とは別に、繰り返し実行される処理であり、この処理が開始されると、まず、S510にて、自らが接続された通信線に流れるデータを所定時間以上監視し、続くS520にて、その監視結果に基づき、何れかの通信線に断線等が発生してデータの伝送経路が遮断された異常ルートが検出されたか否かを判断する。そして、S520にて、異常ルートが有ると判断された際には、S530にて、その異常ルートをマネージャECU40に通知した後、S540に移行し、逆に、異常ルートが無ければ、そのままS540に移行する。
【0080】
また、S540では、上述したS140、S350と同様、S510での監視結果に基づき、重要データを中継している他のGWECUの中に、重要データを正常に中継できていない異常GWECUが有るか否かを判断する。そして、S540にて、異常GWECUが有ると判断されると、S550に移行して、その異常GWECUをマネージャECU40に通知した後、S560に移行し、逆に、異常GWECUが無ければ、そのままS560に移行する。
【0081】
次に、S560では、自身の処理負荷を算出し、続くS570にて、その算出した処理負荷を、マネージャECU40に通知する。そして、続くS580では、マネージャECU40から送信されたゲートウェイデータリストを取得したか否かを判断し、ゲートウェイデータリストを取得した場合には、S590に移行して、その後実行するネットワーク間データ中継処理を、今回取得したゲートウェイデータリストに従い実行するように、ゲートウェイデータリストを更新した後、S600に移行し、逆に、マネージャECU40から送信されたゲートウェイデータリストを取得していなければ、そのままS600に移行する。
【0082】
また、S600では、コンビSW・ECU21からマネージャECU40の異常を表すデータを受信したか否か(つまり、マネージャECU40に異常が有るか否か)を判断する。そして、マネージャECU40に異常が有れば、その後、S530,S550、S570の処理で、異常ルート、異常GWECU、及び自己の処理負荷を送信する際の送信先を、マネージャECU40からコンビSWECU21に変更した後、当該処理を一旦終了し、逆に、マネージャECU40に異常が無ければ、そのまま当該処理を一旦終了する。
【0083】
以上説明したように、本実施例の車両用通信システムにおいては、車両の制御系、AVC系、ボデー系の各ネットワーク10、20、30において共用すべきデータを、マネージャECU40、コンビSW・ECU21、メータECU33、及び、スマートキーECU35を用いて、各ネットワーク間で中継する。そして、これら中継機能を有するGWECUの内、マネージャECU40には、各ネットワークの通信線L1〜L3に接続された各ECUが送信するデータの内の重要データの伝送経路を記述したルートテーブルを記憶しておき、その伝送経路に断線等の異常が発生すると、マネージャECU40が、異常が発生した異常ルートを迂回する迂回ルートを設定して、その後、異常ルートを通過するように設定されていた重要データが迂回ルートを通過するように、ルートテーブルを書き換え、更に、各GWECUに設定されているゲートウェイデータリストを更新するようにされている。
【0084】
このため、例えば、図1に示すように、メータECU33と通信線L1との接続部分であるA点が断線して、通信線L1からA点を通ってメータECU33に伝送すべきエンジン回転数データや車速データを伝送できなくなった際には、ルートテーブルが、図3(b)に示した初期のルートテーブルから、図7(a)に示すように書き換えられると共に、マネージャECU40及びメータECU33に対するゲートウェイデータリストが、図2(a)に示した初期のゲートウェイリストから、図7(b)に示す如く書き換えられる。
【0085】
そして、この書き換えにより、エンジンECU11からメータECU33へのエンジン回転数データの伝送経路は、マネージャECU40をGWECUとするルートに変更され、VSC・ECU14からエアコンECU32及びスマートキーECU35への車速データの伝送経路は、マネージャECU40をGWECUとするルートに変更される。
【0086】
また、例えば、図1に示すように、通信線L1におけるエアコンECU32とメータECU33との間のB点が断線し、このB点を通って伝送すべき車速データ、走行距離データ、外気温データ等を伝送できなくなった際には、ルートテーブルが、図3(b)に示した初期のルートテーブルから、図8(a)に示すように書き換えられると共に、マネージャECU40及びメータECU33に対するゲートウェイデータリストが、図2(a)に示した初期のゲートウェイリストから、図8(b)に示す如く書き換えられる。
【0087】
そして、この書き換えにより、VSC・ECU14からエアコンECU32への車速データの伝送経路は、メータECU33をGWECUとするルートから、マネージャECU40をGWECUとするルートに変更され、ナビECU22からメータECU33への走行距離データの伝送経路は、マネージャECU40をGWECUとして通信線L2から通信線L3に中継されるルートから、マネージャECU40をGWECUとして通信線L2から通信線L1に中継されるルートに変更され、エアコンECU32からメータECU33への外気温データの伝送経路は、通信線L3のみを利用するルートから、マネージャECU40をGWECUとして利用し、通信線L1を介してメータECU33に伝送するルートに変更される。
【0088】
このため、本実施例によれば、通信線L1〜L3が断線したり、マネージャECU40以外のGWECUがデータを中継できなくなったとしても、少なくとも、重要データについては、他のGWECUを利用して、所望のECUに確実に伝送できることになり、データ通信の信頼性を確保することができる。
【0089】
また、本実施例の車両用通信システムにおいて、マネージャECU40は、重要データの伝送経路の異常を検出して、その迂回ルートを設定するだけでなく、マネージャECU40を含む各GWECUの処理負荷を監視して、処理負荷が大きくなったGWECUについては、そのGWECUが本来中継すべき重要データの一部を他のGWECUが伝送するように、そのデータの伝送経路を変更する。
【0090】
このため、例えば、マネージャECU40自体の処理負荷が大きくなった際には、図9に示すように、本来マネージャECU40が中継すべき走行距離データ及び日射データが、夫々、コンビSW・ECU21及びメータECU33をGWECUとして中継されるように、ルートテーブル及びゲートウェイデータリストが書き換えられる。
【0091】
そして、この書き換えにより、ナビECU22からメータECU33への走行距離データの伝送経路が、コンビSW・ECU21をGWECUとするルートに変更され、ライティングECU31から周辺監視ECU15への日射データの伝送経路が、メータECU33をGWECUとするルートに変更されて、マネージャECU40の処理負荷が軽減される。
【0092】
よって、本実施例によれば、GWECUとして設定されたECUの処理負荷が一時的に増加しても、そのGWECUの処理負荷を軽減して、各GWECUで中継されるデータの伝送速度が低下して、他のECUの制御に悪影響を与えるのを防止できる。また、車両のあらゆる運転状態を想定して設定した最大負荷時でも問題なくデータを中継できるように、各GWECUに、高速処理可能なECUを用いる必要がないため、各GWECU(延いてはシステム全体)のコストを抑制できる。
【0093】
また更に、本実施例の車両用通信システムにおいては、マネージャECU40にて、重要データの伝送経路の異常(異常ルート、異常GWECU)や、各GWECUの処理負荷を判定して、重要データの伝送経路を変更するが、伝送経路の異常判定及び各GWECUの負荷判定を行う際には、マネージャECU40自らの検出結果だけでなく、他のGWECUによる検出結果も利用するようにされているため、マネージャECU40による伝送経路の異常判定の精度、及び、各GWECUの負荷判定の精度は、極めて高いものとなり、データ通信の信頼性をより向上することができる。
【0094】
また、本実施例の車両用通信システムにおいては、マネージャECU40に異常が生じた際には、マネージャECU40と同様に全ての通信線L1〜L3に接続されたコンビSW・ECU21が、マネージャECU40に代わって、伝送経路の異常判定及び各GWECUの負荷判定を行い、重要データの伝送経路を変更するようにされているので、これによっても、データ通信の信頼性を向上することができる。
【0095】
尚、本実施例においては、中継機能を有するマネージャECU40、コンビSW・ECU21、メータECU33、及び、スマートキーECU35が、本発明の特定電気的装置に相当し、この内、特に、マネージャECU40は、本発明の第1特定電気的装置として機能し、コンビSW・ECU21は、本発明の第2特定電気的装置として機能する。また、マネージャECU40に設けられたメモリ40aは、本発明の第1記憶手段に相当し、コンビSW・ECU21に設けられたメモリ21aは、本発明の第2記憶手段に相当する。
【0096】
また、マネージャECU40にて実行されるルート切換処理(図4参照)の内、S110〜S150の処理は、本発明の第1異常検出手段に相当し、同じく、S160〜S210の処理は、本発明の第1処理負荷検出手段に相当し、S230の処理は、本発明の迂回経路設定手段及び中継経路変更手段に相当し、S240の処理は、本発明のルートテーブル送信手段に相当し、S250の処理は、本発明のデータリスト更新手段に相当する。
【0097】
また、コンビSW・ECU21にて実行される通信状態監視処理(図5参照)の内、S310及び320の処理は、本発明の故障検出手段に相当し、S310及びS330〜S360の処理は、本発明の第2異常検出手段に相当し、S370及びS380の処理は、本発明の第2処理負荷検出手段に相当し、S390及びS400の処理は、本発明のバックアップ手段に相当し、S410及びS420の処理は、本発明の代替処理実行手段に相当する。
【0098】
また更に、マネージャECU40及びコンビSW・ECU21以外のGWECU(メータECU33、スマートキーECU35等)にて実行される通信状態監視処理(図6参照)の内、S510〜S550の処理は、本発明の第2異常検出手段に相当し、S560及びS570の処理は、本発明の第2処理負荷検出手段に相当する。
【0099】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、マネージャECU40の故障時にマネージャECU40に代わって通信ルート切換処理を実行するのは、コンビSW・ECU21であるとしたが、マネージャECU40に代わって通信ルート切換処理を実行するのは、マネージャECU40と同様に全ての通信線L1〜L3に接続されたECUであればよく、例えば、メータECU33が全ての通信線L1〜L3に接続されていれば、このメータECU33にて、通信ルート切換処理を実行するようにしてもよい。
【0100】
また、上記実施例では、伝送経路の異常時やGWECUの処理負荷の増大時にルートテーブルを書き換えて伝送経路を変更するのは、各通信線L1〜L3に接続されたECUが送信するデータの内の重要データであるとして説明したが、伝送経路の変更対象となるデータは、必ずしも重要データに限る必要はなく、各通信線L1〜L3に接続されたECUが送信する全てのデータとしてもよい。
【0101】
また、上記実施例では、第1特定電気的装置として機能するマネージャECU40は、ゲートウェイ専用のECUであるものとして説明したが、本発明を実現するに当たって、こうしたゲートウェイ専用のECUは必ずしも必要ではなく、例えば、エンジンECU、メータECU等、他の制御処理を実行するECUの一機能として、マネージャECU40の機能を実現するようにしてもよい。尚、この場合、マネージャECU40の機能を付与したECUが、本発明の第1特定電気的装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車両用通信システム全体の構成を表す構成図である。
【図2】 GWECUに記憶されたゲートウェイデータリストの構成及びこのリストに従いGWECUにて実行されるデータ中継処理を説明する説明図である。
【図3】 マネージャECUに記憶されたルートテーブルのデータ構造及びデータ内容を説明する説明図である。
【図4】 マネージャECUにて実行される通信ルート切換処理を表すフローチャートである。
【図5】 コンビSW・ECUにて実行される通信状態監視処理を表すフローチャートである。
【図6】 他のGWECUにて実行される通信状態監視処理を表すフローチャートである。
【図7】 図1に示すA点の断線時に更新されるルートテーブル及びゲートウェイデータリストの一例を説明する説明図である。
【図8】 図1に示すB点の断線時に更新されるルートテーブル及びゲートウェイデータリストの一例を説明する説明図である。
【図9】 マネージャECUの高負荷時に更新されるルートテーブル及びゲートウェイデータリストの一例を説明する説明図である。
【符号の説明】
10…制御系ネットワーク、11…エンジンECU、12…ACC・ECU、13…レーンキーピングECU、14…VSC・ECU、15…周辺監視ECU、16…ECU・ECU、20…AVC系ネットワーク、21…コンビSW・ECU、21a…メモリ、22…ナビECU、23…オーディオECU、24…TEL・ECU、30…ボデー系ネットワーク、31…ライティングECU、32…エアコンECU、33…メータECU、34…ボデーECU、35…スマートキーECU、40…マネージャECU、40a…メモリ、L1〜L3…通信線。

Claims (8)

  1. 車両に搭載され、通信線を介してデータ通信可能な各種電気的装置を、複数にグループ分けし、各グループ毎に、前記電気的装置をデータ通信用の通信線を介して互いに接続すると共に、該各グループの通信線間には、該通信線間でデータを中継可能な特定電気的装置を接続することにより、前記各通信線に接続された全ての電気的装置が前記通信線を介して互いにデータを送受信するよう構成された車両用通信システムであって、
    前記特定電気的装置を、前記各通信線間に複数分散配置し、該各特定電気的装置が、予め設定された中継用のデータリストに基づき、所定の通信線間で所定のデータを中継するよう構成すると共に、
    前記複数の特定電気的装置の内、全ての通信線に接続される特定電気的装置の一つである第1特定電気的装置に、
    前記各電気的装置から送信された送信データが他の電気的装置で受信される迄の伝送経路を記述したルートテーブルが予め記憶された第1記憶手段と、
    前記各通信線に流れるデータを監視することにより、前記ルートテーブルに記述された伝送経路の異常及び異常箇所を検出する第1異常検出手段と、
    該第1異常検出手段にて伝送経路の異常及び異常箇所が検出されると、前記ルートテーブルに基づき、該異常箇所を通過するデータを特定すると共に、該特定したデータを前記異常箇所を通過させることなく伝送可能な迂回経路を設定し、該データが該迂回経路を通って伝送されるよう、前記ルートテーブルを更新する迂回経路設定手段と、
    該迂回経路設定手段にて更新されたルートテーブルに従い、当該第1特定電気的装置を含む各特定電気的装置に設定された前記データリストを更新するデータリスト更新手段と、
    を設けたことを特徴とする車両用通信システム。
  2. 前記第1特定電気的装置以外の特定電気的装置は、自己が接続された通信線に流れるデータから該通信線を介して形成される伝送経路の異常及び異常箇所を検出し、該検出結果を表すデータを通信線上に送出する第2異常検出手段を備え、
    前記第1特定電気的装置の第1異常検出手段は、前記ルートテーブルに記述された伝送経路の異常及び異常箇所の検出に、前記第2異常検出手段が通信線に送出したデータを利用することを特徴とする請求項1記載の車両用通信システム。
  3. 前記ルートテーブルは、前記各電気的装置から送信される送信データの内、予め設定された重要データが他の電気的装置で受信されるまでの伝送経路を記述したものであり、
    前記迂回経路設定手段は、該ルートテーブルに基づき、前記異常箇所を通過する全データの内、前記重要データを前記異常箇所を通過させることなく伝送可能な迂回経路を設定し、該重要データが該迂回経路を通って伝送されるよう、前記ルートテーブルを更新することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用通信システム。
  4. 前記第1特定電気的装置は、前記第1記憶手段に記憶されたルートテーブルを通信線上に送出するルートテーブル送信手段を備え、
    前記第1特定電気的装置以外の特定電気的装置の内、全ての通信線に接続される特定電気的装置の一つである第2特定電気的装置は、
    前記第1特定電気的装置のルートテーブル送信手段が通信線上に送出したルートテーブルを取得して第2記憶手段に記憶するバックアップ手段と、
    当該第2特定電気的装置が接続された各通信線に流れるデータから、前記第1特定電気的装置の故障を検出する故障検出手段と、
    該故障検出手段にて前記第1特定電気的装置の故障が検出されると、前記バックアップ手段により前記第2記憶手段に記憶されたルートテーブルを用いて、前記第1特定電気的装置における前記第1異常検出手段、迂回経路設定手段、及び、データリスト更新手段としての機能を実現する代替処理実行手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3何れか記載の車両用通信システム。
  5. 前記第1特定電気的装置は、
    当該第1特定電気的装置を含む前記各特定電気的装置の処理負荷を検出する第1処理負荷検出手段と、
    該第1処理負荷検出手段にて検出された処理負荷に基づき、処理負荷が予め設定された第1閾値よりも大きい特定電気的装置である高負荷装置があるか否かを判断し、該高負荷装置があれば、前記ルートテーブルに基づき、該高負荷装置が中継するデータの中から、他の特定電気的装置を代替中継装置として利用可能なデータを選択し、該選択したデータが該代替中継装置にて中継されるよう、前記第1記憶手段に記憶されたルートテーブルを更新する中継経路変更手段と、
    を備え、前記データリスト更新手段は、前記中継経路変更手段により前記ルートテーブルが更新されると、該ルートテーブルに従い、前記高負荷装置及び前記代替中継装置に設定された前記データリストを更新することを特徴とする請求項1〜請求項4何れか記載の車両用通信システム。
  6. 前記第1特定電気的装置以外の特定電気的装置は、自己の処理負荷を検出し、該検出結果を表すデータを通信線上に送出する第2処理負荷検出手段を備え、
    前記第1特定電気的装置の第1処理負荷検出手段は、当該第1特定電気的装置以外の特定電気的装置の処理負荷を、前記第2異常検出手段が通信線に送出したデータを取得することにより検出することを特徴とする請求項5記載の車両用通信システム。
  7. 車両に搭載され、通信線を介してデータ通信可能な各種電気的装置を、複数にグループ分けし、各グループ毎に、前記電気的装置をデータ通信用の通信線を介して互いに接続すると共に、該各グループの通信線間には、該通信線間でデータを中継可能な特定電気的装置を接続することにより、前記各通信線に接続された全ての電気的装置が前記通信線を介して互いにデータを送受信するよう構成された車両用通信システムであって、
    前記特定電気的装置を、前記各通信線間に複数分散配置し、該各特定電気的装置が、予め設定された中継用のデータリストに基づき、所定の通信線間で所定のデータを中継するよう構成すると共に、
    前記複数の特定電気的装置の内、全ての通信線に接続される特定電気的装置の一つである第1特定電気的装置に、
    前記各電気的装置から送信された送信データが他の電気的装置で受信される迄の伝送経路を記述したルートテーブルが予め記憶された第1記憶手段と、
    当該第1特定電気的装置を含む前記各特定電気的装置の処理負荷を検出する第1処理負荷検出手段と、
    該第1処理負荷検出手段にて検出された処理負荷に基づき、処理負荷が予め設定された第1閾値よりも大きい特定電気的装置である高負荷装置があるか否かを判断し、該高負荷装置があれば、前記ルートテーブルに基づき、該高負荷装置が中継するデータの中から、他の特定電気的装置を代替中継装置として利用可能なデータを選択し、該選択したデータが該代替中継装置にて中継されるよう、前記第1記憶手段に記憶されたルートテーブルを更新する中継経路変更手段と、
    該中継経路変更手段にて更新されたルートテーブルに従い、前記高負荷装置及び前記代替中継装置に設定された前記データリストを更新するデータリスト更新手段と、
    を設けたことを特徴とする車両用通信システム。
  8. 前記第1特定電気的装置以外の特定電気的装置は、自己の処理負荷を検出し、該検出結果を表すデータを通信線上に送出する第2処理負荷検出手段を備え、
    前記第1特定電気的装置の第1処理負荷検出手段は、当該第1特定電気的装置以外の特定電気的装置の処理負荷を、前記第2異常検出手段が通信線に送出したデータを取得することにより検出することを特徴とする請求項7記載の車両用通信システム。
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