JP3912045B2 - トランクリッドヒンジの取付方法 - Google Patents

トランクリッドヒンジの取付方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一方の端部が車体側に回動可能に連結されるとともに、他方の端部がトランクリッドに連結固定されるトランクリッドヒンジの取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図14に示すように、車体1のトランクルーム3に対して開閉可能に取り付けられるトランクリッド5は、いわゆるグースネックタイプのトランクリッドヒンジ7によって連結されるものがある。トランクリッドヒンジ7は、図15に示すように、シームレス溶接した角パイプの直棒を、ロール成形で曲げ成形して必要なヒンジ形状に加工したものである。
【0003】
図14のA−A断面図である図16に示すように、トランクリッド5のインナパネル9の内側には、ウェルドナット11を備えたレインフォース13が溶接固定されており、前記したトランクリッドヒンジ7は、ウェルドナット11に車体前後方向(図16中で紙面に直交する方向)2箇所にてボルト15を締結することで、トランクリッド5に固定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のものは以下に示す問題がある。
【0005】
(1)トランクリッドヒンジ7は、トランクリッド5のインナパネル9におけるトランクルーム3に対向する面に取り付けられている。このため、トランクリッドヒンジ7のトランクリッド5への取付部分がトランクルーム3内に突出することになり、その分トランクルーム3の容量が小さくなってしまう。通常、自動車におけるトランクルーム容量の上下方向寸法は、トランクリッド5の内面すなわち図16においてはボルト15の下端からトランクルームの底部までが基準となるので、上記したトランクリッドヒンジ7のトランクルーム内への突出によってトランクルーム容量が大きく低下してしまうことになる。
【0006】
(2)トランクリッドヒンジ7は、シームレス溶接した角パイプの直棒を、グースネック状にロール成形しているが、その際角パイプに皺が発生し、断面形状が変形する。この変形は、面内および面外座屈によるものなので、個々の製品間で一定にならず、このため個々の製品にばらつきを生じることになる。
【0007】
通常トランクリッド5をトランクリッドヒンジ7を介して車体に取り付ける車体組立工程では、トリム部品やトランクリッド5を開閉操作する際のアシスト機構部品をトランクリッド5に装着しておらず、このため、トランクリッド5をトランクルーム3に対して全閉とした状態でのトランクリッド5と車体表面との面差は、前記トリム部品やアシスト機構部品をトランクリッド5に装着することで、それらの反力により変化する。特にトランクリッドヒンジ7のトランクリッド5への取付部は、他の部位に比べて大きな変位量が生じている。
【0008】
このため、図17に示すように、トランクリッド5の上部後端5aを、二点鎖線で示すトリム部品やアシスト機構部品を装着した後の車体完成状態に対し、実線で示す車体組立工程では、上記した変位量を見込んで車体前方側へ見込み量Bとしてあらかじめ考慮し、かつ車体前方側の端部5bを下方へ見込み量Cとして考慮した状態で、トランクリッド5を車体に取り付けるようにしている。
【0009】
ところが、この見込み量を設定する際の前記した変位量が、前述したトランクリッドヒンジ7の個々の製品ばらつきによる影響で、ばらつきが生じ、トランクリッド5の車体表面に対する面差が一定にならず、外観品質の低下を招いている。
【0010】
(3)前記したトリム部品などによるトランクリッドの変位量には、図18に示すように、トランクリッドヒンジ7を、二点鎖線で示す車体取付状態の変位後の形状に対し、あらかじめ上記変位量を見込んだ実線で示す形状となるよう製造することで、対応している。トランクリッドヒンジ7のトランクリッド5への2箇所の取付点Dは、車体前方かつ下方に見込んだ位置としている。
【0011】
ところが、トリム部品などによるトランクリッド5の変位量は、設計段階での予測が困難なため、試作車の段階で見込み量の設計変更を行っている。これによるトランクリッドヒンジ7の成形型の修正にはコストおよび期間が多大に要するために生産効率が極めて悪い。また、トランクリッド5の開閉操作性能やシール部品に関する車両性能のチューニングのために反力が変更されると、上記したトランクリッド5の変化量も変化するため、設定していた見込み量もそれに伴って変更する必要が生じている。
【0012】
(4)シームレス溶接した角パイプをロール工法による曲げ成形する方法は、一般的ではなく、部品コストが高いものとなっている。
【0013】
そこで、この発明は、トランクルーム容量が広くとれて、低コストで生産効率を良好に維持し、かつ外観品質を向上させることを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項の発明は、断面ほぼL字型のプレス成形品からなるトランクリッドヒンジの一方の端部を車体側に回動可能に連結する一方、トランクリッドの内側に形成した車幅方向に対向する側面部に、前記トランクリッドヒンジの他方の端部を、前記トランクリッド閉状態での車体前後方向に沿う2箇所にて固定具により仮止めし、前記トランクリッドの車幅方向側縁に締付治具を取り付けるとともに、この締付治具の固定具接続部を前記2箇所の固定具に接続した後、前記トランクリッドを全閉状態とし、前記締付治具における車体後方側の仮止め部に対応する部位を中心に回動可能で、車体側に保持される保持部を備えかつ、前記仮止め部より車体前方側にてトランクリッド内面に対して所定距離離れて位置するストッパ部に、前記トランクリッドが当接するまで全閉状態からさらに押し下げ、この押し下げ状態で車体とトランクリッドとの隙間から車体外部に突出している締結操作部を操作して前記固定具接続部を回転させ、前記2箇所の固定具を前記トランクリッド側面部に対して締結固定する取付方法としてある。
【0025】
請求項2の発明は、請求項1の発明のトランクリッドヒンジの取付方法において、トランクリッドヒンジには2箇所の固定具が挿入される固定孔が形成され、この固定孔は、トランクリッド閉状態での車体前後方向後方側のものが前記固定具の外径寸法とほぼ同じで、同前方側のものが前記固定具が上下方向に移動可能となるよう上下方向に長い長孔に形成され、前記トランクリッドヒンジの他方の端部を、前記2箇所の固定具により仮止めした状態で、前記トランクリッドヒンジの一方の端部を、トランクリッドの車体に対する車体前後方向置を調整しつつ、車体側に回動可能に連結する取付方法としてある。
【0026】
請求項の発明は、請求項の発明のトランクリッドヒンジの取付方法において、トランクリッドヒンジには2箇所の固定具が挿入される固定孔が形成され、この固定孔は、トランクリッド閉状態での車体前後方向後方側のものが、前記固定具が車体前後方向に移動可能となるよう車体前後方向に長い長孔に形成され、同前方側のものが前記固定具の外径寸法より大きく形成されており、前記トランクリッドヒンジの一方の端部を車体側に回動可能に連結固定する一方、前記トランクリッドヒンジの他方の端部を、前記2箇所の固定具により仮止めする取付方法としてある。
【0027】
請求項4の発明は、請求項3の発明のトランクリッドヒンジの取付方法において、トランクリッドヒンジの一方の端部を車体側に回動可能に連結固定した状態で、前記トランクリッドヒンジの他方の端部を、トランクリッドの車体に対する車体前後方向置を調整しつつ、固定具により仮止めする取付方法としてある。
【0040】
【発明の効果】
請求項の発明によれば、トランクリッドを締付治具のストッパ部に当接するまで押し下げることで、トリム部品などの装着によるトランクリッドの変位量に対応でき、トランクリッドと車体との面差を容易に改善することができ、外観品質を向上させることができる。
【0041】
また、トランクリッド内面に対するストッパ位置を任意に変化させることで、試作車の段階で上記変位量の見込み量の設計変更や車両性能のチューニングによる見込み量の変更に対し、容易に対応でき、トランクリッドヒンジの成形型の修正が不要となりコストおよび期間を削減することができて生産効率が向上する。
【0042】
さらに、トランクリッドヒンジは、プレス成形品であることから、個々の製品間で寸法・形状のばらつきがほとんどなく、このためトリム部品などの装着により応力を受けたときのトランクリッドの車体に対する変位量のばらつきがほとんどなくなり、トランクリッドと車体との面差が良好に保持できて外観品質を容易に向上させることができるとともに、低コストで製造することができる。
また、トランクリッドヒンジは、トランクリッドの内側に形成した車幅方向に対向する側面部に固定するので、トランクルーム内への突出量が少なくなってトランクルーム容量を拡大できるとともに、トランクリッドと車体との面差合わせ精度が、この固定部によって影響されず、面差合わせ精度を容易に高めることがきる。
請求項の発明によれば、車体後方側の固定具を中心としてトランクリッドの前方側を上下動させて車体との面差を調整することができる。
【0043】
請求項の発明によれば、トランクリッドは、車体後端側が車体に対して上下の面差を維持した状態で、車体前後方向に移動させて位置調整することができる。
【0044】
請求項の発明によれば、トランクリッドヒンジを単体で車体に取り付けることができ、トランクリッドヒンジの車体への取付作業性が向上する。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0046】
図1は、この発明の実施の一形態を示すトランクリッドヒンジ17の斜視図である。このトランクリッドヒンジ17は、図2に示すように、トランクリッド19の車体前方(矢印FRで示す方向)を見て車幅方向右側部分に取り付けられるもので、同左側部分に取り付けられるトランクリッドヒンジの形状は、車体への取付状態で、トランクリッドヒンジ17に対して左右対称となっており、その取付構造も左右対称であるので、右側部分のトランクリッドヒンジ17を中心として説明する。なお、以下の説明での「車体前後方向」および「上下方向」は、トランクリッド19が、トランクリッドヒンジ17を介して車体に取り付けられた状態で、かつトランクルーム開口部を閉じた状態でのものとする。
【0047】
上記したトランクリッドヒンジ17は、その全長にわたり断面ほぼL字型のプレス成形品で構成されている。すなわち、このトランクリッドヒンジ17は、トランクリッド19への取付状態で、上下方向に平行な車幅方向対向面としての取付面21と、この取付面21に対して垂直に屈曲する屈曲面23とを有している。
【0048】
トランクリッドヒンジ17は、図1中で左側の一方の端部における取付面21に回動支持孔25が形成され、この回動支持孔25および、車体側に固定されるヒンジブラケット27の回動支持孔29に加締め具31が挿入固定されて、車体側に対して回動可能に連結される。ヒンジブラケット27は、水平方向に屈曲する水平面33が車体前後方向両端部に形成され、この各水平面33は、図3に示すように、車体のリアパーセル35の下面にセットされる。この状態で、リアパーセル35の上方から、水平面33に形成された取付孔37に、ブラケット固定ボルト39を挿入し、水平面33の下面に設けられたウェルドナット41に締結することで、ヒンジブラケット27が車体に連結されることになる。
【0049】
トランクリッドヒンジ17は、図1中で右側の他方の端部における取付面21に、図1のE−E断面図である図4に示すように、車幅方向内側に向けて突出するエンボス部43が形成され、このエンボス部43に、車体前後方向に沿って二つの固定孔45,47が形成されている。このうち車体後方側の固定孔45は、図4のF矢視図である図5に示すように、後述する図6に示されている固定具としてのボルト49が挿入可能でこのボルト49の直径とほぼ同径の円形に形成され、同前方側の固定孔47は前記したボルト49が上下方向に移動可能となるよう上下方向に長い長孔となっている。
【0050】
図6は、図2のG−G断面図で、トランクリッドヒンジ17は、トランクリッド19のインナパネル51に対し、補強部材としてのヒンジレインフォース53を介して取り付けられる。符号55は、トランクリッド19のアウタパネルである。
【0051】
ヒンジレインフォース53は、図7に斜視図として示すように、トランクリッドヒンジ17のエンボス部43が接触する側面部57と、側面部57に対向する側面部対向面59と、側面部57および側面部対向面59の各下端を連結する底面部61と、側面部57および側面部対向面59の各上端にて互いに離反する方向に突出するフランジ部63,65とをそれぞれ備え、トランクリッド19の内面と反対方向(図6中で下方)に突出する凸状に形成されている。
【0052】
側面部57は、車幅方向外側へ突出する突出部67を有し、この突出部67にトランクリッドヒンジ17の固定孔45,47に整合する貫通孔69を備え、この貫通孔69に対応してトランクリッドヒンジ17と反対の内側にウェルドナット71が設けられている、
一方インナパネル51には、下方に突出するヒンジレインフォース収容凸部73が形成され、このヒンジレインフォース収容凸部73の内側にヒンジレインフォース53が収容され、前記したフランジ部63,65がインナパネル51の内側の面に溶接固定されている。
【0053】
インナパネル51のヒンジレインフォース収容凸部73におけるヒンジレインフォース53の側面部57に対応する部位には、開口部75が形成され、この開口部75から側面部57が外部に露出している。そして、この露出部位の突出部67にトランクリッドヒンジ17のエンボス部43が当接された状態で、ボルト49をウェルドナット71に締結することで、トランクリッドヒンジ17がトランクリッド19に固定されることになる。トランクリッドヒンジ17の屈曲面23は、ヒンジレインフォース53の底面部61に、インナパネル51を介して対向した状態となる。
【0054】
図8は、トランクリッドヒンジ17がトランクリッド19に取り付けられる状態を示す、トランクリッド19の裏面から見た斜視図である。ただし、この取付部は、図2の取付部とは左右で反対側を示しており、このためここでのトランクリッドヒンジ17の形状は、図1および図2でのものと左右対称となっている。
【0055】
上記したトランクリッドヒンジ17をトランクリッド19に取り付ける際には、図9に示すような締付治具77を使用する。ただし、この図9は、図8と同様に、トランクリッドヒンジの取付部が、図2で示した取付部とは左右で反対側を示している。この締付治具77を使用する際には、トランクリッドヒンジ17は、一方の端部をヒンジブラケット27を介して車体側に回動可能に連結固定するとともに、他方の端部をトランクリッド19に対して二つのボルト49により仮止めしておくものとする。
【0056】
締付治具77は、トランクリッド19の車幅方向側縁79(図2参照)に嵌合して保持される嵌合溝81を車体前後方向2箇所に備えた治具本体83を有する。この治具本体83は、車体前後方向に延長される本体部85の長手方向両端部にて上方に突出するアーム87を備え、このアーム87の上端に前記した嵌合溝81が設けられている。
【0057】
本体部85の中央付近には、締付治具77をトランクリッド19に嵌合保持させた状態で、トランクリッドヒンジ17の二箇所の仮止め部に対応してボルト49締結用の固定具接続部89,91が、車幅方向内側に向けて突出して設けられている。一方の固定具接続部89はトランクリッドヒンジ17の車体後方側の固定孔45に対応し、他方の固定具接続部91は同前方側の固定孔47に対応している。
【0058】
各固定具接続部89,91は本体部85に対して回転可能に設けられており、この回転操作は、図示しないラチェット機構によってなされる。このラチェット機構は、本体部85から上方に延長される締結操作部としてのラチェットハンドル93によって操作される。ラチェットハンドル93は、車体側のリアフェンダ95とトランクリッド19との間の隙間Pから外部に引き出されるハンドル本体97の上端から車幅方向外側に屈曲する水平部99を有し、水平部99からさらに上方に向けて屈曲する把持部101を有している。
【0059】
締付治具77は、上記した本体部85に対し、車体後方側の固定具接続部89が設けられた部位、すなわち車体後方側の仮止め部に対応する部位を中心として相対的に回動可能な回動部材103を備えている。
【0060】
回動部材103は、車体前後方向に延長され、かつ治具本体83の本体部85と重なり合うよう設けられる本体部105の車体前後方向両端に、上方に延長されるアーム107を備え、各アーム107の上端に車体側のリアフェンダ95の上面に引っ掛けるようにして保持される保持部109が車幅方向外側に向けて屈曲して設けられている。
【0061】
さらに、回動部材93の本体部105の車体前方(矢印FRで示す方向)側の端部には、トランクリッド19の裏面に当接可能なストッパ部としての調整ねじ111を先端に備えたストッパアーム113が車体前上方に向けて突出して一体に形成されている。調整ねじ111は、ストッパアーム113の先端に設けた支持板114に上方からねじ込まれ、ねじ込み量を調整可能となっている。
【0062】
次に、上記したトランクリッド19の車体への組み立て作業を説明する。まず、図6に示すように、トランクリッド19のヒンジレインフォース53における突出部67に、トランクリッドヒンジ17の他方の端部におけるエンボス部43を突き合わせて二本のボルト49をその二つの固定孔45,47に挿入してウェルドナット71にねじ込み、トランクリッドヒンジ17の他方の端部をトランクリッド19に仮止めする。
【0063】
この状態で、トランクリッドヒンジ17の一方の端部を、前記図1に示してあるヒンジブラケット27を介し、図3に示したようにブラケット固定用ボルト39の締結により車体側に回動可能に連結する。このとき、トランクリッド19の後端位置を車体側の同後端位置と一致するよう調整しながら締結作業を行う。この締結作業は左右のトランクリッドヒンジについて行う。
【0064】
この状態で、締付治具77をトランクリッド19の左右両側にセットする。このとき、トランクリッド19は車体に対して開放しておき、治具本体83の2箇所の嵌合溝81を、トランクリッドヒンジ17に対応する位置にて、図10に示すように車幅方向側縁79に嵌合させて取り付ける。このとき嵌合溝81の底部81aと車幅方向側縁79との間には、各部の寸法ばらつきを吸収するために隙間Sを設けて余裕を持たせるようにする。
【0065】
次に、締付治具77の固定具接続部89,91を、トランクリッドヒンジ17を仮止めしているボルト49の頭部にそれぞれ嵌め込んだ後、トランクリッド19を車体に対して全閉状態とする。これにより、アーム107上端の保持部109が車体側のリアフェンダ95の上面に引っ掛かり保持されることになる。このとき調整ねじ111は、トランクリッド19の裏面に対し、図9のH矢視図である図11(a)に示すように所定距離Tだけ離れた状態となっている。この所定距離Tは、車体組立完了後、トリム部品などを装着することによるトランクリッド19の車体に対する変位量に対応している。
【0066】
この状態からトランクリッド19を、その裏面が調整ねじ111に当接するまで車体前方側を押し下げる。この押し下げたトランクリッド19の位置は、前記図17に示した車体組立工程での、見込み量Bおよび見込み量Cを設定した実線位置に相当する。この押し下げ動作により、締付治具77は、トランクリッド19に保持されている治具本体83が、車体のリアフェンダ95上面に保持部109が引っ掛かった状態の回動部材103に対し、図11(b)で示すように、車体後方側の仮止め部(固定具接続部89)に対応する部位を中心として矢印Kで示す時計方向にトランクリッド19とともに回動する。
【0067】
上記したトランクリッド19の回動移動は、図5に示したように車体後方側(図5中で右側)の円形の固定孔45を中心とし、同前方側の上下に長い長孔で構成される固定孔47をボルト49が移動することによってなされる。
【0068】
この状態で、車体とトランクリッド19との隙間Pから車体外部に突出している把持部101を、車体前後方向に往復移動させてラチェット機構を操作することで、固定具接続部89,91を回転させて前後2箇所にてボルト49を締結し、これによりトランクリッドヒンジ17がトランクリッド19に締結固定されることになる。
【0069】
上記したトランクリッド19のヒンジ取付構造に使用するトランクリッドヒンジ17は、その全長にわたり断面ほぼL字型のプレス成形品で構成されているため、個々の製品間で寸法・形状のばらつきがほとんどなく、このためトリム部品やトランクリッド19を開閉操作する際のアシスト機構部品などを組み付けた後に、これらの部品により応力を受けたときのトランクリッド19の車体に対する変位量のばらつきがほとんどなくなり、トランクリッド19と車体との面差が良好に保持できて外観品質を容易に向上させることができるとともに、低コストで製造することができる。
【0070】
また、トランクリッドヒンジ17は、上下方向に平行な取付面21をヒンジレインフォース53の側面部57に固定し、取付面21に対して垂直に屈曲する屈曲面23を、ヒンジレインフォース53の底面部61を覆うように配置してあるので、前記従来の図16に示したように、トランクリッド裏面に角パイプからなるトランクリッドヒンジ7を取り付ける構造に比べ、トランクルーム内への突出量が少なくなり、トランクルームの容量を拡大することができる。
【0071】
通常角パイプによる図16におけるトランクリッドヒンジ7の厚さ(図16中で上下方向の厚さ)は24mm程度であり、さらにボルト15の頭部の厚さ6mm程度を加えることで、トランクリッドヒンジ7の取付部が30mm程度トランクルーム内に突出した状態となる。これに対し、上記実施形態によるトランクリッドヒンジ17を使用した場合には、トランクリッドヒンジ17のトランクルーム内への突出量が、図6に示すように、トランクリッドヒンジ17の屈曲面23のほぼ板厚分程度となる。このため、トランクルーム容量の上下方向寸法は、従来に比べ、20〜30mm程度大きくなり、トランクルーム容量としては、例えば幅寸法が1100mm、前後方向寸法が500mmとすると、約11〜16リッターの拡大が達成されることになる。
【0072】
さらに、ヒンジレインフォース53は、上記したようにヒンジレインフォース53の側面部57に取り付ける構造であるので、トランクリッド19と車体との面差合わせ精度が、この取付部によって影響されず、面差合わせ精度を容易に高めることができる。
【0073】
また、トランクリッド19の裏面に対する調整ねじ111の上下位置を任意に変化させることで、試作車の段階で上記変位量に対する見込み量の設計変更や車両性能のチューニングによる見込み量の変更に対し、容易に対応することができ、これによりトランクリッドヒンジ17の成形型の修正が不要となりコストおよび作業期間を削減することができて生産効率が向上する。
【0074】
図12は、図5に対応するもので、トランクリッドヒンジ17のトランクリッド19に対する2箇所の固定孔45,47の他の例を示している。この例では、車体後方側の固定孔45は、ボルト49が車体前後方向に移動可能となるよう車体前後方向に長い長孔に形成され、同前方側の固定孔47は前記したボルト49の外径寸法より大きく形成されている。
【0075】
図12のような固定孔45,47を備えたトランクリッドヒンジ17を用いたトランクリッド19の車体への取付作業は、次のようにして行う。まず、トランクリッドヒンジ17の一方の端部を、前記図1に示してあるヒンジブラケット27を介し、図3に示したようにブラケット固定ボルト39の締結により車体側に回動可能に連結固定する。このとき、トランクリッドヒンジ17は車体前後方向位置を考慮することなく取り付けることができる。
【0076】
次に、トランクリッドヒンジ17の他方の端部、つまり図12に示した部分を、トランクリッド19にボルト49により仮止めする。このとき、トランクリッド19の車体前後方向位置の調整を行う必要はない。その後は前述した締結治具77を、前記と同様にしてトランクリッド19にセットして同様の作業を行う。ただし、この場合には、車体後方側の前後方向に長い固定孔45を利用して、トランクリッド19の後端位置を車体側の同後端位置と一致するよう調整しながら、トランクリッド19を押し下げる作業を行う。
【0077】
この例では、トランクリッドヒンジ17の一方の端部を車体側に回動可能に連結固定した状態で、トランクリッドヒンジ17の他方の端部にトランクリッド19を取り付けるので、トランクリッドヒンジ17を単体で車体に取り付けることができ、トランクリッドヒンジ17の車体への取付作業性およびその後のトランクリッド19の取付作業性が向上する。
【0078】
なお、上記図12の固定孔構造とした例では、トランクリッドヒンジ17の他方の端部をトランクリッド19に仮止めした後、トランクリッドヒンジ17の一方の端部を車体側に固定するようにしてもよい。このとき、トランクリッド19の車体前後方向位置の調整は、その後の締付治具77の使用時に行うので、行う必要はない。
【0079】
図13は、ヒンジレインフォース53を、図6とは逆に、突出部67を備えた側面部57が車幅方向内側となるようインナパネル51に取り付け、この突出部67に、トランクリッドヒンジ17を取り付けるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示すトランクリッドヒンジの斜視図である。
【図2】図1のトランクリッドヒンジがトランクリッドに取り付けられている状態を示す斜視図である。
【図3】図1のトランクリッドヒンジの車体側への取付構造を示す側面断面図である。
【図4】図1のE−E断面図である。
【図5】図4のF矢視図である。
【図6】図2のG−G断面図である。
【図7】図1のトランクリッドヒンジが取り付けられるヒンジレインフォースの斜視図である。
【図8】図1のトランクリッドヒンジのトランクリッドへの取付状態を示す斜視図である。
【図9】図1のトランクリッドヒンジをトランクリッドに取り付ける際に使用する締付治具の斜視図である。
【図10】図9の締付治具のトランクリッドへの保持状態を示す断面図である。
【図11】図9の締付治具を使用する際の動作説明図で、(a)は締付治具をトランクリッドに保持させてトランクリッドを全閉とした状態、(b)は(a)の状態からトランクリッドを押し下げた状態である。
【図12】トランクリッドヒンジのトランクリッドに対する2箇所の固定孔の他の例を示す図4のF矢視図である。
【図13】トランクリッドヒンジのトランクリッドに対する取付構造の他の例を示す断面図である。
【図14】従来のトランクリッドヒンジが車体に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図15】図14で使用されるトランクリッドヒンジの斜視図である。
【図16】図14のA−A断面図である。
【図17】車体完成状態と車体組立工程とにおけるトランクリッドの車体に対する変位量を示す説明図である。
【図18】トランクリッドの車体取付状態と図17の変位量を見込んだ製造時の状態とを示す説明図である。
【符号の説明】
17 トランクリッドヒンジ
19 トランクリッド
21 取付面(車幅方向対向面)
23 屈曲面
45,47 固定孔
49 ボルト(固定具)
51 インナパネル
53 ヒンジレインフォース(補強部材)
57 側面部
59 側面部対向面
61 底面部
75 開口部
77 締付治具
79 車幅方向側縁
89,91 固定具接続部
93 ラチェットハンドル(締結操作部)
109 保持部
111 調整ねじ(ストッパ部)

Claims (4)

  1. 断面ほぼL字型のプレス成形品からなるトランクリッドヒンジの一方の端部を車体側に回動可能に連結する一方、トランクリッドの内側に形成した車幅方向に対向する側面部に、前記トランクリッドヒンジの他方の端部を、前記トランクリッド閉状態での車体前後方向に沿う2箇所にて固定具により仮止めし、前記トランクリッドの車幅方向側縁に締付治具を取り付けるとともに、この締付治具の固定具接続部を前記2箇所の固定具に接続した後、前記トランクリッドを全閉状態とし、前記締付治具における車体後方側の仮止め部に対応する部位を中心に回動可能で、車体側に保持される保持部を備えかつ、前記仮止め部より車体前方側にてトランクリッド内面に対して所定距離離れて位置するストッパ部に、前記トランクリッドが当接するまで全閉状態からさらに押し下げ、この押し下げ状態で車体とトランクリッドとの隙間から車体外部に突出している締結操作部を操作して前記固定具接続部を回転させ、前記2箇所の固定具を前記トランクリッド側面部に対して締結固定することを特徴とするトランクリッドヒンジの取付方法。
  2. トランクリッドヒンジには2箇所の固定具が挿入される固定孔が形成され、この固定孔は、トランクリッド閉状態での車体前後方向後方側のものが前記固定具の外径寸法とほぼ同じで、同前方側のものが前記固定具が上下方向に移動可能となるよう上下方向に長い長孔に形成され、前記トランクリッドヒンジの他方の端部を、前記2箇所の固定具により仮止めした状態で、前記トランクリッドヒンジの一方の端部を、トランクリッドの車体に対する車体前後方向置を調整しつつ、車体側に回動可能に連結することを特徴とする請求項1記載のトランクリッドヒンジの取付方法。
  3. トランクリッドヒンジには2箇所の固定具が挿入される固定孔が形成され、この固定孔は、トランクリッド閉状態での車体前後方向後方側のものが、前記固定具が車体前後方向に移動可能となるよう車体前後方向に長い長孔に形成され、同前方側のものが前記固定具の外径寸法より大きく形成されており、前記トランクリッドヒンジの一方の端部を車体側に回動可能に連結固定する一方、前記トランクリッドヒンジの他方の端部を、前記2箇所の固定具により仮止めすることを特徴とする請求項記載のトランクリッドヒンジの取付方法。
  4. トランクリッドヒンジの一方の端部を車体側に回動可能に連結固定した状態で、前記トランクリッドヒンジの他方の端部を、トランクリッドの車体に対する車体前後方向置を調整しつつ、固定具により仮止めすることを特徴とする請求項3記載のトランクリッドヒンジの取付方法。
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