JP3911797B2 - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層プリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板は、電子機器の発達に伴い、配線密度の高いものが要求され、配線の微細化が一つの大きな技術課題となっている。このようなプリント配線板の製造方法としては、銅箔を絶縁基材に張り合わせた銅張り積層板を出発材料とし、その銅箔の回路導体とならない箇所をエッチング除去して回路を形成するサブトラクティブ法、絶縁基材の表面に必要な回路形状に無電解めっきを行って回路形成するアディティブ法、スルーホール内壁等の回路導体の一部を無電解めっきによって形成する部分アディティブ法等が一般的に知られている。
【0003】
中でも、サブトラクティブ法は古くから行われており、配線密度を向上するには、通常、銅張り積層板の銅箔の厚さを薄くすることによって行われている。この理由は、銅箔の表面に必要とする回路形状にエッチングレジストを形成し、エッチング溶液でエッチングレジストの形成されていない銅箔をエッチング除去すると、エッチングが進行するに従いエッチングレジストから露出した回路となるべき銅箔の側面から銅が腐食されるいわゆるサイドエッチと呼ばれる現象が起こり、エッチングレジストに近い側の銅箔はサイドエッチされ、絶縁基材に近い側はほとんどエッチングされていないということから、銅箔が厚いほど、サイドエッチによって除去する側面の銅を多くしなければ、絶縁基材側での回路間の距離が確保できないので、回路導体の幅を小さくできず微細な回路を形成することが困難となるからである。
【0004】
配線形成後には、はんだレジストとしてソルダーレジストを形成するのが通常であり、このとき、銅表面とソルダーレジストとの密着力を得るために、例えばジェットスクラブ処理のような表面粗化を行い、その表面にソルダーレジストを形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の製造方法では、配線形成後にジェットスクラブ処理のような研磨を行っているため、回路導体の最表面(以下、トップという。)の角部(トップコーナー)が削られ、トップ幅が減少し部品実装のための端子幅の確保ができなくなり、実装時に接続不良を起こすという課題があった。
【0006】
また、配線トップ幅を確保するために、ジェットスクラブ処理のような粗化工程を省略すると、銅表面の凹凸形状が小さいため銅箔表面とソルダーレジストの密着力が低下して耐熱性が低下したり、製造工程においてはその密着力が低下はしないのであるが、その後の半導体搭載の工程や電子部品のはんだ付けのような加熱や製品のプレッシャークッカーテスト(以下、PCTという。)によって、ソルダーレジストと回路導体の密着性が低下するという課題があった。
【0007】
さらに、ジェットスクラブ処理のような研磨工程でのトップ幅の減少を考慮して、トップ幅を確保するためにエッチング量を少なくすると、基材側でのエッチング量も少なくなるのでショート不良が増加するという課題が発生したり、研磨工程の条件を緩めると銅箔に研磨粒子が付着し、絶縁信頼性の低下やめっきの不良が発生するという課題があった。
【0008】
本発明は、銅箔表面とソルダーレジストの密着力を低下させることなく、配線トップ幅を確保できるプリント配線板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、以下の工程をこの順序に行うことを特徴とする。
a.予め内層回路を形成した内層板の上にプリプレグを重ね、外層銅箔を最外層に重ね加熱加圧して積層一体化する工程。
b.積層一体化した基板の、内層回路と外層銅箔を接続するための貫通穴をドリルにより形成する工程。
c.形成した貫通穴の壁面の熱硬化性樹脂層を、粗化剤を用いて粗化し、内層回路と外層銅箔を電気的に接続するために、貫通穴の内壁と外層銅箔の表面にめっきを行う工程。
d.めっきを行った外層銅箔の表面を機械研磨により整面し、めっきレジストを形成する工程。
e.めっきレジストを形成した基板を、酸性の液に空気を吹き込みながら浸漬処理する工程。
f.基板に、はんだめっきを行う工程。
g.基板から前記めっきレジストを除去する工程。
h.アルカリエッチャントで、基板のはんだめっきされていない箇所を選択的にエッチング除去する工程。
i.基板から前記はんだめっきを除去する工程。
j.基板にソルダーレジストを印刷し、硬化させる工程。
k.基板にNi/Auめっきを形成する工程。
【0010】
工程aは、以下の工程に置き換えることができる。
a1.予め内層回路を形成した内層板の上にプリプレグを重ね、外層銅箔に、樹脂との接着に適した粗さを有すると共に、回路となる1〜9μmの厚さの銅層と、全体としての金属層として取り扱いに十分な強度を有する厚さ10〜150μmのキャリア層とからなり、2層が容易に剥離可能な複合金属箔を用い、回路となる銅層の粗化面がプリプレグと接するように重ね、加圧加熱して積層一体化する工程。
a2.キャリア層のみを剥離・除去する工程
【0011】
また、工程aは、以下の工程に置き換えることもできる。
a3.予め内層回路を形成した内層板の上にプリプレグを重ね、外層銅箔に樹脂との接着に適した粗さを有すると共に、回路となる1〜9μmの厚さの第1の銅層と、全体としての金属層として取り扱いに十分な強度を有する厚さ10〜70μmの第2の銅層と、その2層の中間に設けられた厚さが0.04〜1.5μmのニッケル−リン合金層からなる複合金属箔を用い、回路となる第1の銅層の粗化面がプリプレグと接するように重ね、加熱加圧して積層一体化する工程。
a4.第2の銅層のみを除去する工程
a5.ニッケル−リン合金層のみを除去する工程。
【0012】
【発明の実施の形態】
【0013】
(工程a)
予め内層回路を形成するには、ガラス布にエポキシ樹脂を含浸した絶縁基材や紙にフェノール樹脂を含浸させた絶縁基材のように、通常のプリント配線板に用いる絶縁基材の両面に銅箔を張り合わせた銅張り積層板の銅箔の不要な箇所をエッチング除去するのであるが、この工程に使用するエッチング液は、塩化第2銅エッチング液や塩化第2鉄エッチング液が使用できる。
このように内層回路を形成した内層板の上に、前記銅張り積層板と同質のプリプレグを重ね、外層銅箔を最外層に重ね、加熱加圧して積層一体化する。このときの積層条件は、基材の種類や厚さによって異なり、一般的には、エポキシ樹脂を用いたものならば、160〜190℃、2.0〜4.0MPa、60〜90分位であり、ポリイミド樹脂を用いたものならば、200〜250℃、2.0〜4.0MPa、60〜90分位である。
【0014】
(工程a1、a2)
工程aに代えて用いることのできる工程a1、a2において使用する、外層銅箔に樹脂との接着に適した粗さを有すると共に、回路となる1〜9μmの厚さの銅層と、全体としての金属層として取り扱いに十分な強度を有する厚さ10〜150μmのキャリア層とからなり、2層が容易に剥離可能な複合金属箔としては、市販のものではキャリア層70μm、回路銅層5μmのDoublethin箔(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名)がある。
この工程において扱う銅箔が、非常に薄くなると、取り扱う工程で、折れたり、しわになることがあるため、薄い銅箔とキャリアからなる複合金属箔を使用し、取り扱いを容易にしておいて、内層回路板に積層した後に、キャリアを剥離して、薄い銅箔を加工して回路を形成することが、回路導体のより微細な加工を可能にするものである。
【0015】
(工程a3,a4,a5)
また、工程aに代えて用いることのできる工程a3,a4,a5において使用する、外層銅箔に樹脂との接着に適した粗さを有すると共に、回路となる1〜9μmの厚さの第1の銅層と、全体としての金属層として取り扱いに十分な強度を有する厚さ10〜70μmの第2の銅層と、その2層の中間に設けられた厚さが0.04〜1.5μmのニッケル−リン合金層からなる複合金属箔としては、例えば、第2の銅層として通常の市販の厚さ15μmの銅箔(粗化面の表面粗さRa:0.3μm)の粗化面に、ニッケル−リン合金層を0.2μmの厚さに電気めっきで形成し、そのニッケル−リン合金層の上に電気めっきで第1の銅層を5μmの厚さで形成し、その第1の銅銅の表面に樹脂との接着に適した表面粗さRa:0.6μmの粗化を電気めっきで行ったものがある。
このような複合金属箔を用いることにより、前述の薄い銅箔を取り扱い易くすると共に、キャリア銅を化学的にエッチング除去しやすくするために中間層にエッチング条件の異なる金属層を挟むものである。
また、物理的に剥離可能なキャリアでは、取り扱いの工程で、銅箔表面に傷の発生や異物の付着が起こることもあり、これを防ぐために、密着度の高い複合金属箔を用い、キャリアの除去に、回路導体と異なる化学的除去条件を有する金属層を用いるものである。ところで、このような金属層は、厚くすると経済的でなく、また、工程も長くなるので、エッチングを止めたい位置に、中間層を設ければよい。
また、第2の銅層のみをエッチング除去する溶液としては、塩素イオンとアンモニウムイオンと銅イオンを含む溶液(以下、アルカリエッチャントという。)を用いる。処理方法は、浸漬、噴霧等の溶液に接触させることによって行う。
さらに、ニッケル−リン合金層のみを除去する工程では、硝酸と過酸化水素を主成分とする液に、添加剤としてカルボキシル基を有する有機酸、環構成員として、−NH−,−N=の形で窒素を含む複素環式化合物を配合した水溶液に浸漬するか、あるいはそのような水溶液を噴霧して行う。
【0016】
(工程b)
内層回路と外層銅箔を接続するための貫通穴を、通常のプリント配線板に用いるNCドリルマシンを用いて所定の箇所に、外層と内層を接続するために形成する。
【0017】
(工程c)
貫通穴の壁面の熱硬化性樹脂層を粗化する粗化剤は、樹脂を膨潤、溶解するものであればどのようなものでも使用でき、通常は、アルカリ過マンガン酸水溶液を使用することが好ましい。その後、内層回路板の回路導体と前記銅箔とを電気的に接続するためにめっきを行うが、このめっきは、通常の配線板のスルーホールめっきと同様の技術を用いる。すなわち、パラジウム等のめっきの核になる物質を、前記粗化した樹脂層に付着させ、イオン化しためっき金属とめっき金属の錯化剤と、そのめっき金属の還元剤を有する無電解めっき液に接触させ、その核にめっきを析出させ、核になる物質を付着した壁全体にめっき金属を析出させる。このようにめっきを行うと、外層の銅箔と、貫通穴の側壁と内層板の回路導体とを電気的に接続することができる。
【0018】
(工程d)
この工程では、基板表面にできためっきの瘤や凹みを機械研磨により平坦化させ、微細な凹凸を均一に整面し、めっきレジストとの密着力を向上させる。使用する機械研磨方式には、一般的なバフ研磨、ベルト研磨、ブラシ研磨、ジェットスクラブ等が使用でき、それらを組み合わせて使用しても良い。各処理における研磨の粗さは、使用する粒子または工具の目の粗さの番手を#200〜#1500までの間で適したものを単独又は組み合わせて使用する。
機械研磨後に、めっきレジストを形成する方法には、通常の配線板のめっきレジストを形成する方法が使用でき、すなわち、剥離可能なレジストインクを、シルクスクリーン印刷法によって銅箔の表面に印刷する方法や、剥離可能なレジストフィルムを銅箔の表面にラミネートし、フォトマスクを介して、回路部分にめっきが析出できるように紫外線を照射し、回路部分を現像して除去する方法を使用することができる。
【0019】
(工程e)
この工程は後の工程jで形成するソルダーレジストと銅表面の密着力を高めるために、銅箔の表面に微細な凹凸を形成するために酸性の処理液に空気を吹き込みながら、ソフトエッチングを行うものである。酸性の処理液は、無機酸、有機酸又は有機酸と無機酸の混合液のいずれでも良く、酸素を吹き込んで銅をエッチングできるものであれば良い。無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、過塩素酸等があり有機酸としては、酢酸等がある。この中で好ましいのは、刺激臭が無く装置の腐食性が比較的少ない硫酸が好ましい。
硫酸の濃度は、銅をエッチングできる濃度であり、めっきレジストを侵さない濃度であれば良い。具体的には、30〜100g/lが好ましい。30g/l未満ではエッチング力が低く、凹凸形状を安定して形成することができず、100g/lを越えると、エッチング力は充分であるがめっきレジストを侵すため適切でない。
このとき、硫酸銅めっき液等も使用することができる。
酸素の供給は、純粋な酸素をバブリングにより供給しても良いが、安全性や経済性の面から空気中の酸素を供給することが好ましい。空気の供給量は、処理槽の大きさにより変化する。エッチング速度を考慮して処理液1lに対し、エア流量を0.05〜0.5リットル/分の範囲で処理することが好ましい。0.05リットル/分未満では、エッチング力が低く凹凸形状を安定して形成できず、0.5リットル/分を越えると、エッチング力は充分であるが処理液の飛散が大きく安全上の問題を生じる。
【0020】
(工程f)
本発明において、この工程には一般的なはんだめっき液が使用でき、例えば、ほうふっ化第1錫130g/l、ほうふっ化鉛50g/l、ほうふっ酸125g/l、ほう酸25g/l、添加剤からなり、20〜30℃、1〜4A/dm2で処理される。
はんだめっきの厚さは、5〜10μmの範囲が好ましい。5μm未満であると、めっき皮膜として均一な厚さの皮膜が得られず、エッチングレジストとして用いるときに下地の銅までエッチングされることもあり、10μmを越えると、エッチングレジストとしては充分な厚さであるが、それ以上に厚くすることについてなんらメリットはなく経済的でなく、また、めっき部分の端部に電気力線が集中することから、めっきレジストの上に覆い被さるようなオーバーハング状のめっきになり、めっきレジストを剥離除去するのが困難にあることもある。
【0021】
(工程g)
めっきレジストの除去には、例えば3wt%の水酸化ナトリウム水溶液のように、通常のプリント配線板におけるめっきレジストの剥離液を使用することができる。
【0022】
(工程h)
アルカリ性のエッチング液を用いて、はんだをレジストにして所望の回路以外の銅箔をエッチング除去し、回路パターンを形成する。アルカリ性のエッチング液組成は、上述したような、銅、アンモニア、塩素イオンを主成分とするアルカリエッチャントを使用できる。
【0023】
(工程i)
エッチングレジストとして用いるはんだめっきは、通常のプリント配線板の製造方法のうちはんだ剥離法に用いる液を用いて剥離することができ、基材や銅表面にダメージを与えない条件で使用できる。液組成は、硝酸/過酸化水素系や有機酸系のものがある。
【0024】
(工程j)
この工程のソルダーレジストを形成する方法には、通常のプリント配線板のソルダーレジストを形成する方法が使用できる。すなわち、レジストインクをシルクスクリーン印刷法によって銅箔の表面に印刷する方法や、レジストインクを銅箔の表面に印刷し、フォトマスクを介して、必要な回路部分以外をソルダーレジストが形成するように紫外線を照射し、現像してソルダーレジストを形成する方法を使用することができる。
【0025】
(工程k)
この工程のNi/Auめっき工程は、通常のNi/Auめっきを適用することができ、電気めっきや無電解めっきを使用することができる。
【0026】
【実施例】
実施例1
図1(a)に示すようにガラス布−エポキシ樹脂含浸両面銅張り積層板であるMCL−E−67(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用し、通常のエッチング法により内層板1を作製した。
この内層板にプリプレグ2と銅箔3を重ね、175℃で2.5MPa、90分間、加圧加熱して、図1(b)に示すように積層一体化した。
この基板に、図1(c)に示すように、NCドリルマシンで所望の位置にスルーホール4を明けた。
この基板を、7wt%のアルカリ過マンガン酸水溶液を用いて、液温70℃、5分間の条件で粗化した後、無電解銅めっき液として下記の組成のめっき液を用い、銅めっきを15μm行い、図1(d)に示すように、内層回路と両外側の銅箔とを電気的に接続した。
(めっき液組成)
・CuSO4・5H2O・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10g/l
・EDTA・4Na・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40g/l
・37wt%HCHO・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3ml/l
・NaOH・・・・・・・・・・・・・・・・・・・pHを12.3とする量
・温度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70℃
めっきした基板に、めっきレジストラミネート前に銅表面を整面するたために、#600と#1000の2段階でバフを用いた機械研磨を行った。その後、めっきレジスト用ドライフィルムであるH−W425(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートし、回路となる箇所に光が透過するフォトマスクを重ね、85mJ/cm2の紫外線を露光し、1wt%の炭酸ナトリウム水溶液で、現像して、図1(e)に示すように、めっきレジスト5を形成した。
その後、硫酸50g/lの水溶液に、処理液1リットルに対し、空気を0.3リットル/分の条件でバブリングしながら、基板を60分間浸漬処理した。
この基板に、図1(f)に示すように、エッチングレジストとなる電解はんだめっき6を、8μmの厚さに行った。
(はんだめっき液組成及び条件)
・ほうふっ化第1錫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・130g/l
・ほうふっ化鉛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50g/l
・ほうふっ酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・125g/l
・ほう酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25g/l
・添加剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適宜
・温度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20〜30℃
・電流密度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.2A/dm2
この基板から、図1(g)に示すように、めっきレジスト5を3wt%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、40℃、2分間の条件で除去した。
続いて、エッチングレジストから露出した銅箔部分をアルカリエッチャント、エープロセス液(メルテックス株式会社製、商品名)を用いてエッチング除去することにより、所望の配線回路7を形成した。
その後、図1(h)に示すように、剥離剤SD−666液(日本表面化学株式会社製、商品名)を使用し、40℃、2分間の条件でエッチングレジストとしての電解はんだめっき6を剥離・除去した。
この基板に、図1(i)に示すように、ソルダーレジスト8として液状ソルダーレジストであるPSR−4000AUS5(太陽インキ製造株式会社製、商品名)をシルクスクリーン印刷法で全面に印刷し、ソルダーレジストとなる形状の箇所を透過するフォトマスクを介して露光・現像して形成し、端子部に、以下の組成の無電解ニッケルめっきを、液温90℃で12分間行った。めっきの厚さは5μmであった。
(無電解ニッケルめっき組成)
・硫酸ニッケル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30g/l
・次亜リン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10g/l
・酢酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10g/l
・pH・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
続いて、以下の組成の無電解金めっきを、液温90℃で7分間行った。その結果、めっきの厚さは0.3μmであった。
(無電解金めっき液組成)
・シアン化金カリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2g/l
・塩化アンモニウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75g/l
・クエン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50g/l
・次亜リン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10g/l
以上のようにして、図1(j)に示すように、Ni/Auめっき9を形成した、多層プリント配線板を作製した。
その結果、基板の特性は、はんだ耐熱性の試験で260℃で5分以上耐えることができ、良好であり、PCTは72h後もソルダーレジストの浮きは観察されず良好であった。
【0027】
実施例2
外層銅箔に、樹脂との接着に適した表面粗さRa:1.0μmの粗さを有すると共に、回路となる5μmの厚さの銅層と、全体としての金属層として取り扱いに十分な強度を有する厚さ70μmのキャリア層とからなり、2層が容易に剥離可能な複合金属箔を使用した以外は、全て実施例1と同様に行った。
【0028】
実施例3
外層銅箔に、樹脂との接着に適した粗さを有すると共に、回路となる1〜9μmの厚さの第1の銅層と、全体としての金属層として取り扱いに十分な強度を有する厚さ10〜70μmの第2の銅層と、その2層の中間に設けられた厚さが0.04〜1.5μmのニッケル−リン合金層からなる複合金属箔を用い、下記の選択エッチング液を用いて極薄銅箔層を形成した以外は、全て実施例1と同様に行った。
第2の銅層のみを、以下のアルカリエッチャントでエッチング除去した。
(アルカリエッチャント)
・CuCl2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・175g/l
・NH4OH・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・154g/l
・NH4Cl・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・236g/l
・液温・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50℃
ニッケル−リン合金層のみを、以下の組成のエッチング液で、エッチング除去した。
(エッチング液組成)
・硝酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・200g/l
・過酸化水素水(35%)・・・・・・・・・・・・・・・・・10ml/l
・カルボキシル基を含む有機酸(DLりんご酸)・・・・・・・100g/l
・ベンゾトリアゾール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5g/l
・液温・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50℃
【0029】
実施例4
バフ研磨をベルトサンダー研磨に変更した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を作製した。
【0030】
実施例5
バフ研磨後、ジェットスクラブによる砥粒研磨工程を追加した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を作製した。
【0031】
比較例1
バフ研磨を省略した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を作製した。その結果、ソルダーレジストとの密着力が低く、PCT24h後にソルダーレジストの浮きが観察された。
【0032】
比較例2
バフ研磨後、空気を吹き込んだ酸性の処理液での処理を省略した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を作製した。
【0033】
比較例3
ソルダーレジストの印刷前処理に、ジェットスクラブ処理を追加した以外、実施例1と同様にして多層プリント配線板を作製した。
【0034】
以上のように作製した基板に、以下の試験を行った。
(試験)
・はんだ耐熱性試験
260℃に加熱したはんだ表面に基板を浮かべるフロート試験を行い。銅表面とソルダーレジストとの密着性を評価した。
この結果、実施例1〜5は、180秒以上でも密着性は良好であったが、比較例1、2は、60〜120秒でふくれが発生し、密着性が低かった。比較例3では180秒以上でも良好であったが、配線トップ幅が減少し、実用にならなかった。
【0035】
・ソルダーレジスト密着性
PCTとして、121℃、100%RH、2atmの条件で恒温高湿槽に放置し、ソルダーレジストと銅表面の密着性を評価した。
この結果、実施例1〜4では、48h以上で外観に変化無し、実施例5では、24h〜48hで外観に変化無し、比較例1、2は、24h未満でふくれが発生し、外観に変化あり、比較例3は、48h以上でも外観に変化は無いが、配線トップ幅が減少のため部品実装性が低く実用性がなかった。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によってトップ幅を確保しながら、ソルダーレジストと銅表面の密着力を確保でき、電子部品との実装性に優れたプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(j)は、本発明の一実施例を説明するための各工程における断面図である。
【符号の説明】
1.内層板 2.プリプレグ
3.銅箔 4.スルーホール
5.めっきレジスト 6.電解はんだめっき
7.配線回路 8.ソルダーレジスト
9.Ni/Auめっき

Claims (4)

  1. 以下の工程を、この順序に行うことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
    a.予め内層回路を形成した内層板の上にプリプレグを重ね、外層銅箔を最外層に重ね加熱加圧して積層一体化する工程。
    b.積層一体化した基板の、内層回路と外層銅箔を接続するための貫通穴をドリルにより形成する工程。
    c.形成した貫通穴の壁面の熱硬化性樹脂層を、粗化剤を用いて粗化し、内層回路と外層銅箔を電気的に接続するために、貫通穴の内壁と外層銅箔の表面にめっきを行う工程。
    d.めっきを行った外層銅箔の表面を機械研磨により整面し、めっきレジストを形成する工程。
    e.めっきレジストを形成した基板を、酸性の液に空気を吹き込みながら浸漬処理する工程。
    f.基板に、はんだめっきを行う工程。
    g.基板から前記めっきレジストを除去する工程。
    h.アルカリエッチャントで、基板のはんだめっきされていない箇所を選択的にエッチング除去する工程。
    i.基板から前記はんだめっきを除去する工程。
    j.基板にソルダーレジストを印刷し、硬化させる工程。
    k.基板にNi/Auめっきを形成する工程。
  2. 酸性の液が、硫酸を含む処理液であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 工程aに代えて、以下の工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載の多層プリント配線板の製造方法。
    a1.予め内層回路を形成した内層板の上にプリプレグを重ね、外層銅箔に、樹脂との接着に適した粗さを有すると共に、回路となる1〜9μmの厚さの銅層と、全体としての金属層として取り扱いに十分な強度を有する厚さ10〜150μmのキャリア層とからなり、2層が容易に剥離可能な複合金属箔を用い、回路となる銅層の粗化面がプリプレグと接するように重ね、加圧加熱して積層一体化する工程。
    a2.キャリア層のみを剥離・除去する工程
  4. 工程aに代えて、以下の工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載の多層プリント配線板の製造方法。
    a3.予め内層回路を形成した内層板の上にプリプレグを重ね、外層銅箔に樹脂との接着に適した粗さを有すると共に、回路となる1〜9μmの厚さの第1の銅層と、全体としての金属層として取り扱いに十分な強度を有する厚さ10〜70μmの第2の銅層と、その2層の中間に設けられた厚さが0.04〜1.5μmのニッケル−リン合金層からなる複合金属箔を用い、回路となる第1の銅層の粗化面がプリプレグと接するように重ね、加熱加圧して積層一体化する工程。
    a4.第2の銅層のみを除去する工程
    a5.ニッケル−リン合金層のみを除去する工程。
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