JP3910028B2 - チップ型セラミックス電子部品の電極形成法 - Google Patents

チップ型セラミックス電子部品の電極形成法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ型セラミックス電子部品の電極形成法に関し、特に電気錫めっき浴、めっき工法を用いたチップ型セラミックス電子部品の電極形成法およびそれを用いてなるセラミックス電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、セラミックス、ガラス、プラスチック等を素材とした電子部品には、その電極のはんだ濡れ性の向上を目的として、錫−鉛合金めっきが施されていた。しかしながら、近年の鉛フリー化にともない、錫−鉛合金めっきと代わり錫めっきによる電極形成が主流となってきた。ところが、錫めっきでは、金属である錫の有する固有な物性によりさまざまな問題が発生する。
【0003】
特に、セラミックスとガラス材からなるチップ型セラミックス電子部品(チップ)を錫めっきする場合、チップ同士の「くっつき」が生じるという問題が生じる。このくっつきは、例えば一般的によく知られている硫酸第一錫を用いた弱酸性浴を用いて錫めっきした場合に生じる。
【0004】
「くっつき」とは、図2(a)〜(c)に示すように、錫めっき工程中に2個以上のチップ型セラミックス電子部品(チップ)1・1の錫めっき部(錫めっき析出部)5・5同士が接着する現象を指す。これは、錫めっき皮膜では、錫−鉛合金めっきよりも皮膜の硬度が低いために生じる現象であると考えられている。
【0005】
特に、バレルめっき等のチップ型電子部品用のめっき工法を用いる場合には、バレル容器内でチップの攪拌状態に大きな分布が生じる。その攪拌状態の分布において無攪拌に近い状態の箇所では、隣合ったチップ同士が接触したまま長時間放置される状態が生じる。その結果、隣合ったチップ同士の「くっつき」が生じる。
【0006】
この「くっつき」の問題は、一度にめっき処理するチップの量を増加させた場合に特に顕著となる。「くっつき」が生じると、くっついたチップ自体も不良品となる。さらに、くっついたチップのうち密着強度の弱いものが、めっき工程中あるいは乾燥工程中に剥がれることがある。このチップの剥がれた部分のめっき皮膜は膜厚が非常に薄く、このチップは不良品となる。従って、この不良品のチップが良品のチップに混入する可能性がある。
【0007】
特に、図2(a)に示す、互いにくっついていたチップ1・1同士が剥がれた場合、図3に示すように、くっついていためっき部分のめっき皮膜(剥がれ部5a)の膜厚が非常に薄くなってしまう。実際に測定しためっき皮膜の膜厚は、剥がれ部5aのめっき皮膜の膜厚は、0.1μmであり、通常部(錫めっき部5)の5μmと比べて非常に薄いものであった。
【0008】
このめっき皮膜の膜厚が非常に薄いチップは、はんだ付け性等の実装特性が著しく低下するという問題がある。この「くっつき」の問題は、チップ部品の軽薄小型化が進むにつれ、非常に大きくなることが予想される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
かかる問題を解決するために、現在では、一度にめっきするチップの量を低減させる等の加工条件を改善することによりくっつきを低減している。しかしながら、設備能力の低下や今後の鉛フリー化による錫めっき化の流れに対して、根本的な解決策が必要とされている。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、チップサイズに関係なく、錫めっきのくっつきを一定量以下に抑制することが可能なチップ型セラミックス電子部品の電極形成法およびそれを用いてなるチップ型セラミックス電子部品を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、第一錫塩としてのスルファミン酸第一錫と、クエン酸、グルコン酸、ピロリン酸、ヘプトン酸、マロン酸、りんご酸およびこれらの塩、並びにグルコノラクトンから選択される少なくとも1種を含む錯化剤と、HLB値が10以上である界面活性剤の少なくとも1種を有する光沢剤と、スルファミン酸またはスルファミン酸塩からなる導電剤とを具備する錫めっき浴を用いて電気めっきを行うとき、上記チップ型セラミックス電子部品は、5.7mm×5.0mm×4.0mm以下のサイズであり、上記電気めっきでは、複数のチップ型セラミックス電子部品を同時にめっきするバレル工法を用いることを特徴としている。
【0012】
上記の方法によれば、錫塩にスルファミン酸第一錫を選定することで、くっつき不良を大幅に抑制してチップ型セラミックス電子部品に対し、錫めっきを鉛を省いて施し、上記錫めっきが形成された電極を得ることができる。これは、第一錫塩にスルファミン酸第一錫を用いた場合、スルファミン酸イオンの働きにより、「くっつき」を低減するようなめっき皮膜を鉛を省いても形成できるためである。
【0013】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記錫めっき浴が、ヒドロキノン、アスコルビン酸、ピロカテコール、およびレゾルシンから選択される少なくとも1種を有する酸化防止剤を含むことが好ましい。
【0014】
上記の方法によれば、錫めっき浴中において錫イオンの2価から4価への酸化を抑制することができる。これにより、錫めっき浴の浴寿命を延ばすことができる。
【0015】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記第一錫塩の濃度が、0.05mol/L〜1.0mol/Lであることが好ましい。Lとは、103 cm3 を示す。これにより、凹凸の小さいめっき皮膜を形成することができ、はんだ濡れ性のより良好なめっき皮膜を形成することができる。
【0016】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記錯化剤の濃度が、0.05mol/L〜10mol/Lであることが好ましい。これにより、錫と錯化剤との安定な錯体を形成することができ、広い電流密度範囲ではんだ濡れ性のより良好なめっき皮膜を形成することができる。
【0017】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記光沢剤の濃度が、0.01g/L〜100g/Lであることが好ましい。
【0018】
上記の方法によれば、光沢剤の界面活性剤がコロイド集合体を形成し、めっき浴の性質を著しく変化させることができる。このコロイド集合体は、カソード(めっき析出面)に界面活性剤が十分に行き渡り、めっき浴中に余剰に存在する場合に形成される。つまり、このコロイド集合体の形成は、めっき浴中に十分な量の界面活性剤があるかどうかの指標となる。従って、コロイド集合体の存在により、界面活性剤が十分にめっき浴中に存在することがわかり、この界面活性剤がカソード(めっき析出面)に十分に吸着することにより平滑なめっき皮膜を形成することができる。
【0019】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記酸化防止剤の濃度が、0.01g/L〜100g/Lであることが好ましい。
【0020】
前記界面活性剤が、分子構造内に1つ以上のベンゼン環を有する非イオン界面活性剤であることが好ましい。
【0021】
上記の方法によれば、広い電流密度範囲でより良好なはんだ濡れ性を有する錫めっき皮膜を形成することができる。
【0022】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エトキシレート−α−ナフトール、およびエトキシレート−β−ナフトールから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0023】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、錫めっき浴のpHが、3〜8であることが好ましい。
【0024】
上記の方法によれば、セラミックス素体が錫めっき浴に溶解してしまう可能性を回避することができる。さらに、めっきの形成後に行うめっき水洗工程にて、錫の水酸化物による白濁が生じるのを回避することができる。
【0025】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記バレル工法が、水平回転バレル、傾斜回転バレル、振動バレル、および揺動バレルから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0026】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記錫メッキ浴が、スルファミン酸またはスルファミン酸塩からなる導電剤を前記スルファミン酸第一錫に対するモル濃度比が0.71〜20となるように具備していることが好ましい。
【0027】
本発明のチップ型セラミックス電子部品は、上記に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法によって、電極が形成されてなることを特徴としている。これにより、くっつき等による不良品がほぼなく、さらにはんだ濡れ性の高いチップ型セラミックス電子部品を提供することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法について、以下に説明する。
【0029】
図1(a)に示すように、チップ型セラミックス電子部品1は、略直方体型のセラミックス素体2と、セラミックス素体2の長手方向の両端面部にそれぞれ形成された各外部電極3とを備えている。このチップ型セラミック電子部品のサイズは、例えば、幅5.0mmあるいは5.7mm、長さ5.7mmあるいは5.0mm、厚さ4.0mmのものが挙げられる。また、セラミックス素体2の内部には、図1(b)に示すように、各内部電極4がそれらの間にセラミックス層を挟んで互いに積層されている。この内部電極4の積層数は任意である。本実施の形態では、外部電極3に、錫めっき浴(めっき浴)を用いて電気めっきすることにより電極上にめっき皮膜を形成する。なお、上記外部電極3にめっきを施す際、あらかじめニッケルめっきを下地層として施してもよい。
【0030】
上記錫めっき浴は、少なくとも第一錫塩、錯化剤、光沢剤を含んでいる。本実施の形態において、上記第一錫塩は、スルファミン酸第一錫である。
【0031】
上記錫めっき浴におけるスルファミン酸第一錫の濃度の下限値は、0.05mol/L以上であることが好ましく、0.1mol/L以上であることがより好ましい。上記錫めっき浴におけるスルファミン酸第一錫の濃度の上限値は、1mol/L以下であることが好ましく、0.7mol/L以下であることがより好ましい。これは、スルファミン酸第一錫の濃度が0.05mol/L未満である場合には高電流密度域において、1mol/Lを超える場合には低電流密度域において、それぞれ形成されためっき皮膜表面の凹凸が非常に大きくなるからである。これらめっき皮膜では、はんだ濡れ性が著しく低下する。
【0032】
また、上記錯化剤は、クエン酸、グルコン酸、ピロリン酸、ヘプトン酸、マロン酸、りんご酸およびこれらの塩、並びにグルコノラクトンから選択される少なくとも1種を含む。
【0033】
上記めっき浴における錯化剤の濃度の下限値は、0.05mol/L以上であることが好ましく、0.1mol/L以上であることがより好ましい。また、めっき浴における錯化剤の濃度の上限値は、10mol/L以下であることが好ましく、4.5mol/L以下であることが好ましい。これは、錫のmol濃度に対する錯化剤の濃度比が1未満の場合、錫と錯化剤との安定な錯体が形成されないためである。安定な錯体が形成されない場合、広い電流密度範囲で良好なはんだ濡れ性が得られる皮膜を形成できない。つまり、錯化剤の濃度は、錫の濃度に対する比が1以上であることが好ましい。一方、錯化剤の濃度が10mol/Lを超える場合は、錯化剤がめっき浴中に溶解しなくなる。
【0034】
また、光沢剤は、HLB(hydrophile-lipophile balance)値が10以上である界面活性剤の少なくとも1種を含む。HLB値とは、界面活性剤の親水性と親油性とのバランスを意味する指標である。この概念としては、米国のアトラス・パウダー社の研究陣が生み出したものであるが、現在では界面活性剤の親水性を示す概念として用いられている。
【0035】
上記界面活性剤(光沢剤)は、HLB値が10未満である場合、本めっき浴の組成系では溶解性を示さない。従って、上記界面活性剤(光沢剤)は、HLB値が10以上であることが適切である。
【0036】
さらに、上記光沢剤は、分子構造内に1つ以上のベンゼン環を有する非イオン界面活性剤の少なくとも1種を含むことがより一層好ましい。これにより、ベンゼン環が電気めっきのカソード(めっき析出面)に対して適度な吸着性を示すため、めっき析出時に、光沢剤がめっきされる領域に局所的に集まると考えられる。そのため、より良好なはんだ濡れ性およびよりくっつきの生じにくい錫めっき皮膜を形成できると考えられる。
【0037】
また、この非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エトキシレート−α−ナフトール、およびエトキシレート−β−ナフトールから選択される少なくとも1種を含むことがより一層好ましい。
【0038】
上記めっき浴における光沢剤の濃度の下限値は、0.01g/L以上であることが好ましく、0.1g/L以上であることがより好ましい。また、光沢剤の濃度の上限値は、100g/L以下であることが好ましく、10g/L以下であることがより好ましい。
【0039】
上記光沢剤の濃度の0.01g/Lは、上記光沢剤の上記界面活性剤のミセル限界濃度である。上記界面活性剤は、溶液中である濃度以上になるとコロイド集合体を形成し、溶液の性質を著しく変化させる。このコロイド集合体をミセルと呼び、このミセルが形成される界面活性剤の最低濃度をミセル限界濃度と呼ぶ。一方で光沢剤の濃度が10g/Lを超えた場合は、過剰の量であり、不経済となる。しかしながら、めっき特性には影響しないため、光沢剤は、10g/Lを超えて加えてもよいが、100g/Lを超えるとめっき浴への溶解性を示さない。また、コロイド集合体は、カソード(めっき析出面)に界面活性剤が十分に行き渡り、めっき浴中に余剰に存在する場合に形成される。つまり、このコロイド集合体の形成は、めっき浴中に十分な量の界面活性剤があるかどうかの指標となる。従って、コロイド集合体の存在により、界面活性剤が十分にめっき浴中に存在することがわかり、この界面活性剤がカソード(めっき析出面)に十分に吸着することにより平滑なめっき皮膜を形成することができる。
【0040】
また、上記めっき浴は、酸化防止剤を含んでいてもよい。
【0041】
酸化防止剤は、ヒドロキノン、アスコルビン酸、ピロカテコール、レゾルシンから選択される少なくとも1種を含む。上記酸化防止剤を錫めっき浴に加えることにより、錫めっき浴中において錫イオンの2価から4価への酸化を抑制することができる。これにより、錫めっき浴の浴寿命を延ばすことができる。
【0042】
上記めっき浴における酸化防止剤の濃度の下限値は、0.01g/L以上であることが好ましく、0.1g/L以上であることがより好ましい。これは、酸化防止剤の濃度が0.01g/L未満である場合、錫に対する酸化防止能を十分に示さないからである。また、酸化防止剤の濃度の上限値は、100g/L以下であることが好ましく、10g/L以下であることがより好ましい。これは、酸化防止剤の濃度が10g/Lを超える場合、過剰となり不経済であるからである。また、めっき特性には影響しないため、酸化防止剤は10g/Lを超えて加えてもよいが、100g/Lを超えるとめっき浴への溶解性を示さない。
【0043】
また、めっき浴のpHの下限値は、3以上であることが好ましく、3.5以上であることがより好ましい。これは、pHが2以下である場合、セラミックス素体の溶解性が非常に大きくなってしまい、セラミックス素体が錫めっき浴に溶解してしまう可能性があるからである。また、めっき浴のpHの上限値は、8以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましい。これは、pHが9より大きい場合、めっきの形成後に行うめっき水洗工程にて、めっき浴で生成した錫の水酸化物により白濁が生じる問題があるからである。そのため、上記の範囲にめっき浴のpHを限定する必要がある。また、めっき浴のpHの調整は、pH調整剤を用いればよい。このpH調整剤は、pHを下げる場合にはスルファミン酸を用いることが好ましい。また、pHを上げる場合には、特に限定されるものではない。
【0044】
また、めっき浴には、特に限定されるものではないが、スルファミン酸、スルファミン酸塩等の導電剤を加えることが好ましい。
【0045】
上記めっきは、回転バレル、水平回転バレル、傾斜回転バレル、振動バレル、および揺動バレル等から選択される少なくとも1種のめっき工法を用いて行えばよい。
【0046】
また、めっきを行うチップ型セラミックス電子部品のサイズは、5.7mm×5.0mm×4.0mm以下であることが好ましい。チップ型セラミックス電子部品のサイズが上記より大きい場合には、くっつきは特に問題とならない。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、前述した目的に添ってめっき浴の組成およびめっき条件は任意に変更することができる。
【0048】
実施例および比較例では、形成されためっきに対して、はんだ濡れ性およびめっきのくっつきについて以下の評価方法により評価を行った。
【0049】
はんだ濡れ性(特に、錫金属単体からなるめっき皮膜のはんだ濡れ性)は、めっき皮膜の表面の析出形状と相関があり、ハルセル試験によって目視で観察されるめっき皮膜の表面形状と、はんだ濡れ性の良し悪しとは一致する。すなわち、チップ型電子部品において必要とされるはんだ濡れ性は、表面凹凸の少ないきれいな層状の錫めっき皮膜が形成されていれば、十分に確保することができる。
【0050】
よってここでは、ハルセル試験によるめっき皮膜の表面形状を、目視で観察することにより、チップ型電子部品に必要とされる性能を有する錫めっき皮膜が形成されているかどうかを判断した。ハルセル板には、ハルセル試験用の黄銅版を採用した。
【0051】
また、ハルセル試験の条件は、電流0.2A、時間25分および無攪拌にて行った。ハルセル評価は、電流密度0.1A/dm2 〜1.0A/dm2 の範囲において、100%の面積で光沢めっき皮膜を得られた場合を◎とし、80%以上の面積で光沢めっき皮膜を得られた場合を○とし、光沢めっき皮膜の面積が80%未満の場合を×とした。
【0052】
錫めっきのくっつきの評価は、スチールボールにめっきを施したものについて行った。このスチールボールへのめっきは、回転バレル工法により、下地としてニッケルめっき、その上に錫めっきを、以下に示す条件で行った。ただし、めっきの電流密度は、短時間での加速評価という性質上、通常より高く設定した。
【0053】
バレル条件は、バレルサイズ:100mlの回転バレル、回転速度:12rpm、被めっき物:鉄製の1.2mmφスチールボール30mlで行った。
【0054】
めっき条件は、ニッケルめっきについては、浴種:ワット浴、浴温:60℃、電流密度:3A/dm2 、めっき時間:60分であり、錫めっきについては、浴温:25℃、電流密度:0.4A/dm2 、めっき時間:120分で行った。
【0055】
くっつきの定量値は、くっつき率(%)={(くっついたスチールボールの重量[g]/スチールボールの総重量[g])×100}の式に従い、めっき後のスチールボールの重量から算出した。この定量値を基に、くっつき評価を、前記くっつき率が10%未満の場合を○とし、10%以上の場合を×とした。この評価によるくっつき率10%未満は、量産工程でのくっつき率0%に相当する。
【0056】
(実施例1)
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法について、上記の評価方法により具体的に説明するための実施例および比較例を以下に示す。
【0057】
表1に、実施例1−1〜実施例1−5において用いためっき浴の組成(成分およびその濃度)、ならびにそのめっき浴で形成されためっきの評価を示す。
【0058】
【表1】
Figure 0003910028
【0059】
表1からわかるように、実施例1−1〜実施例1−5のいずれのめっき浴においても、くっつき評価およびハルセル評価とも○もしくは◎であり、良好にめっきを行えることが明らかとなった。
【0060】
また、表2に、比較例1−1〜比較例1−5のめっき浴の組成、およびそのめっき浴で形成されためっきの評価を示す。
【0061】
【表2】
Figure 0003910028
【0062】
これら比較例1−1〜比較例1−5は、表2に示すとおり、実施例1−1〜実施例1−5の条件において、それぞれ、スルファミン酸第一錫を他の錫塩に変更したものである(実施例と比較例の番号とが対応している)。
【0063】
表2からわかるように、比較例1−1〜比較例1−5では、ハルセル評価は実施例1−1〜実施例1−5と同等の良好な結果が得られたにもかかわらず、くっつき率は大きな値となっており、そのくっつき評価は×であった。つまり、比較例1−1〜比較例1−5では、くっつき不良が生じていることが明らかとなった。
【0064】
以上の実施例1−1〜実施例1−5および比較例1−1〜比較例1−5の結果から、錫塩にスルファミン酸第一錫を用いることによりくっつき不良を低減することができることが明らかとなった。これは、スルファミン酸第一錫を用いた場合、スルファミン酸イオンの働きにより、「くっつき」を低減するようなめっき皮膜を形成できるためである。
【0065】
実施例1−1〜実施例1−5では、スルファミン酸第一錫の濃度の下限値は0.1mol/L以上であり、上限値は0.7mol/L以下で好ましい結果が得られた。しかしながら、スルファミン酸第一錫の濃度は、下限値が0.05mol/L以上であり、上限値が1mol/L以下であることが好ましい。これは、スルファミン酸第一錫の濃度が0.05mol/L未満である場合には高電流密度域において、1mol/Lを超える場合には低電流密度域において、それぞれ形成されためっき皮膜表面の凹凸が非常に大きくなるからである。これらめっき皮膜では、はんだ濡れ性が著しく低下する
また、用いためっき浴の錯化剤の濃度の下限値は1.00mol/L以上であり、上限値は4.50mol/L以下で好ましい結果が得られた。しかしながら、錯化剤の濃度は、下限値が0.05mol/L以上であり、上限値が10mol/L以下であることが好ましい。これは、錫のmol濃度に対する錯化剤の濃度比が1未満の場合、錫と錯化剤との安定な錯体が形成されないため、広い電流密度範囲で良好なはんだ濡れ性が得られる皮膜を形成できないからである。つまり、錯化剤の濃度は、錫の濃度に対する比が1以上であることが好ましい。一方、錯化剤の濃度が10mol/Lを超える場合は、錯化剤がめっき浴中に溶解しなくなる。
【0066】
また、用いためっき浴の光沢剤の濃度の下限値は0.1g/L以上であり、上限値は0.5g/L以下で好ましい結果が得られた。しかしながら、光沢剤の濃度の下限値は、0.01g/L以上であることが好ましい。また、光沢剤の濃度の上限値は、100g/L以下であることが好ましく、10g/L以下であることがより一層好ましい。上記光沢剤の濃度の0.01g/Lは、上記光沢剤の界面活性剤のミセル限界濃度である。上記界面活性剤は、溶液中である濃度以上になるとコロイド集合体を形成し、溶液の性質を著しく変化させる。このコロイド集合体をミセルと呼び、このミセルが形成される界面活性剤の最低濃度をミセル限界濃度と呼ぶ。一方で光沢剤の濃度が10g/Lを超えた場合は、過剰の量であり、不経済となる。しかしながら、めっき特性には影響しないため、光沢剤は、10g/Lを超えて加えてもよいが、100g/Lを超えるとめっき浴への溶解性を示さない。
【0067】
また、用いためっき浴の酸化防止剤の濃度の下限値は0.5g/L以上であり、上限値は1.0g/L以下で好ましい結果が得られた。しかしながら、酸化防止剤の濃度の下限値は、0.01g/L以上であることが好ましい。これは、酸化防止剤の濃度が0.01g/L未満である場合、錫に対する酸化防止能を十分に示さないからである。また、酸化防止剤の濃度の上限値は、100g/L以下であることが好ましく、10g/L以下であることがより好ましい。これは、酸化防止剤の濃度が10g/Lを超える場合、過剰となり不経済であるからである。また、めっき特性には影響しないため、酸化防止剤は10g/Lを超えて加えてもよいが、100g/Lを超えるとめっき浴への溶解性を示さない。
【0068】
また、用いためっき浴のpHの下限値は3.5以上であり、上限値は7以下で好ましい結果が得られた。しかしながら、めっき浴のpHは、下限値が3以上であり、上限値が8以下であることが好ましい。これは、pHが2以下である場合、セラミックス素体の溶解性が非常に大きくなってしまい、セラミックス素体が錫めっき浴に溶解してしまう可能性があるからである。また、pHが9以上である場合、めっきの形成後に行うめっき水洗工程にて、めっき浴で生成した錫の水酸化物により白濁が生じる問題がある。そのため、上記の範囲にめっき浴のpHを限定する必要がある。めっき浴のpHの調整は、pH調整剤を用いればよい。このpH調整剤は、pHを下げる場合にはスルファミン酸を用いることが好ましい。また、pHを上げる場合には、特に限定されるものではない。
【0069】
また、めっき浴には、特に限定されるものではないが、スルファミン酸、スルファミン酸塩等の導電剤を加えることが好ましい。
【0070】
上記めっきは、回転バレル、水平回転バレル、傾斜回転バレル、振動バレル、および揺動バレル等から選択される少なくとも1種のめっき工法を用いて行えばよい。
【0071】
また、めっきを行うチップ型セラミックス電子部品のサイズは、5.7mm×5.0mm×4.0mm以下であることが好ましい。チップ型セラミックス電子部品のサイズが上記より大きい場合には、くっつきは特に問題とならない。
【0072】
(実施例2)
次に、広い電流密度範囲で光沢めっき皮膜を得るために、光沢剤の種類を変更して、上記の評価方法にてめっきの評価を行った。ここでは、表1のめっき浴の組成では良好なめっきの結果が得られることがわかっているので、実施例1−1を代表例として取り上げた。つまり、実施例1−1において光沢剤の種類を変更し、表3に示す実施例2−1〜実施例2−5のめっき浴の組成にてめっきの評価を行った。また、これら実施例では、pHは5に設定した。
【0073】
【表3】
Figure 0003910028
【0074】
表3より、実施例2−1〜実施例2−5において、良好なくっつき率およびハルセル評価が得られた。その中でも、ハルセル評価で◎であったものは、実施例2−2および実施例2−3の光沢剤として分子内に1つ以上のベンゼン環を有する非イオン界面活性剤を用いたものであった。電気錫めっき浴により形成されるめっきにおいて必要な特性として、「くっつき」以外に「はんだ濡れ性」も挙げられる。従って、表3のハルセル評価で◎を示すめっき浴でめっきを行うことがより好ましい。つまり、めっき浴には、分子内に1つ以上のベンゼン環を有する非イオン界面活性剤を有する光沢剤が含まれることがより好ましいことが明らかとなった。
【0075】
実施例2−1〜実施例2−5では、用いた錫めっき浴のスルファミン酸第一錫の濃度は0.2mol/Lであった。しかしながら、スルファミン酸第一錫の濃度は、下限値が0.05mol/L以上であり、上限値が1mol/L以下であることが好ましい。これは、スルファミン酸第一錫の濃度が0.05mol/L未満である場合には高電流密度域において、1mol/Lを超える場合には低電流密度域において、それぞれ形成されためっき皮膜表面の凹凸が非常に大きくなるからである。これらめっき皮膜では、はんだ濡れ性が著しく低下する。
【0076】
また、用いためっき浴の錯化剤の濃度は1.50mol/Lであった。しかしながら、錯化剤の濃度は、下限値が0.05mol/L以上であり、上限値が10mol/L以上であることが好ましい。これは、錫のmol濃度に対する錯化剤の濃度比が1未満の場合、錫と錯化剤との安定な錯体が形成されないため、広い電流密度範囲で良好なはんだ濡れ性が得られる皮膜を形成できないからである。つまり、錯化剤の濃度は、錫の濃度に対する比が1以上であることが好ましい。一方、錯化剤の濃度が10mol/Lを超える場合は、錯化剤がめっき浴中に溶解しなくなる。
【0077】
また、用いためっき浴の光沢剤の濃度は0.3g/Lであった。しかしながら、光沢剤の濃度の下限値は、0.01g/L以上であることが好ましい。また、光沢剤の濃度の上限値は、100g/L以下であることが好ましく、10g/L以下であることがより一層好ましい。上記光沢剤の濃度の0.01g/Lは、界面活性剤でもある上記光沢剤のミセル限界濃度である。上記光沢剤は、溶液中である濃度以上になるとコロイド集合体を形成し、溶液の性質を著しく変化させる。このコロイド集合体をミセルと呼び、このミセルが形成される界面活性剤の最低濃度をミセル限界濃度と呼ぶ。一方で光沢剤の濃度が10g/Lを超えた場合は、過剰の量であり、不経済となる。しかしながら、めっき特性には影響しないため、光沢剤は、10g/Lを超えて加えてもよいが、100g/Lを超えるとめっき浴への溶解性を示さない。
【0078】
また、用いためっき浴の酸化防止剤の濃度は1.0g/Lであった。しかしながら、酸化防止剤の濃度の下限値は、0.01g/L以上であることが好ましい。これは、酸化防止剤の濃度が0.01g/L未満である場合、錫に対する酸化防止能を十分に示さないからである。また、酸化防止剤の濃度の上限値は、100g/L以下であることが好ましく、10g/L以下であることがより好ましい。これは、酸化防止剤の濃度が10g/Lを超える場合、過剰となり不経済であるからである。また、めっき特性には影響しないため、酸化防止剤は10g/Lを超えて加えてもよいが、100g/Lを超えるとめっき浴への溶解性を示さない。
【0079】
また、用いためっき浴のpHの下限値は5.0であった。しかしながら、めっき浴のpHは、下限値が3以上であり、上限値が8以下であることが好ましい。これは、pHが2以下である場合、セラミックス素体の溶解性が非常に大きくなってしまい、セラミックス素体が錫めっき浴に溶解してしまう可能性があるからである。また、pHが9以上である場合、めっきの形成後に行うめっき水洗工程にて、めっき浴で生成した錫の水酸化物により白濁が生じる問題がある。そのため、上記の範囲にめっき浴のpHを限定する必要がある。めっき浴のpHの調整は、pH調整剤を用いればよい。このpH調整剤は、pHを下げる場合にはスルファミン酸を用いることが好ましい。また、pHを上げる場合には、特に限定されるものではない。
【0080】
また、めっき浴には、特に限定されるものではないが、スルファミン酸、スルファミン酸塩等の導電剤を加えることが好ましい。
【0081】
上記めっきは、回転バレル、水平回転バレル、傾斜回転バレル、振動バレル、および揺動バレル等から選択される少なくとも1種のめっき工法を用いて行えばよい。
【0082】
また、めっきを行うチップ型セラミックス電子部品のサイズは、5.7mm×5.0mm×4.0mm以下であることが好ましい。チップ型セラミックス電子部品のサイズが上記より大きい場合には、くっつきは特に問題とならない。
【0083】
以上のように本発明によれば、錫塩にスルファミン酸第一錫を選定することで、チップサイズに関係なく、くっつき不良を大幅に抑制してチップ型セラミックス電子部品に錫めっきを施し、電極を形成することができる。これは、第一錫塩にスルファミン酸第一錫を用いた場合、スルファミン酸イオンの働きにより、「くっつき」を低減するようなめっき皮膜を形成できるためである。さらに、光沢剤に分子構造内に1つ以上のベンゼン環を有する非イオン界面活性剤を用いれば、広い電流密度範囲で良好なはんだ濡れ性を有する錫めっき皮膜を形成することが可能となる。
【0084】
【発明の効果】
以上のように、本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、第一錫塩としてのスルファミン酸第一錫と、クエン酸、グルコン酸、ピロリン酸、ヘプトン酸、マロン酸、りんご酸およびこれらの塩、並びにグルコノラクトンから選択される少なくとも1種を含む錯化剤と、HLB値が10以上である界面活性剤の少なくとも1種を有する光沢剤と、スルファミン酸またはスルファミン酸塩からなる導電剤とを具備する錫めっき浴を用いて電気めっきを行うとき、上記チップ型セラミックス電子部品は、5.7mm×5.0mm×4.0mm以下のサイズであり、上記電気めっきでは、複数のチップ型セラミックス電子部品を同時にめっきするバレル工法を用いる構成である。
【0085】
上記の方法によれば、錫塩にスルファミン酸第一錫を選定することで、くっつき不良を大幅に抑制してチップ型セラミックス電子部品に対し、錫めっきを鉛を省いて施し、上記錫めっきが形成された電極を得ることができるという効果を奏する。
【0086】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記錫めっき浴が、ヒドロキノン、アスコルビン酸、ピロカテコール、およびレゾルシンから選択される少なくとも1種を有する酸化防止剤を含むことが好ましい。
【0087】
上記の方法によれば、錫めっき浴中において錫イオンの2価から4価への酸化を抑制することができ、錫めっき浴の浴寿命を延ばすことができるという効果を奏する。
【0088】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記第一錫塩の濃度が、0.05mol/L〜1.0mol/Lであることが好ましい。これにより、凹凸の小さいめっき皮膜を形成することができ、はんだ濡れ性のより良好なめっき皮膜を形成することができるという効果を奏する。
【0089】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記錯化剤の濃度が、0.05mol/L〜10mol/Lであることが好ましい。これにより、錫と錯化剤との安定な錯体を形成することができ、広い電流密度範囲ではんだ濡れ性のより良好なめっき皮膜を形成することができるという効果を奏する。
【0090】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記光沢剤の濃度が、0.01g/L〜100g/Lであることが好ましい。
【0091】
上記の方法によれば、光沢剤の界面活性剤がコロイド集合体を形成し、めっき浴の性質を著しく変化させることができる。コロイド集合体の存在により、界面活性剤が十分めっき浴中に存在することがわかり、この界面活性剤がカソード(めっき析出面)に十分に吸着することにより平滑なめっき皮膜を形成することができる。
【0092】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記酸化防止剤の濃度が、0.01g/L〜100g/Lであることが好ましい。
【0093】
また、前記界面活性剤が、分子構造内に1つ以上のベンゼン環を有する非イオン界面活性剤であることが好ましい。
【0094】
上記の方法によれば、広い電流密度範囲でより良好なはんだ濡れ性を有する錫めっき皮膜を形成することができるという効果を奏する。
【0095】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エトキシレート−α−ナフトール、エトキシレート−β−ナフトールから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0096】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、錫めっき浴のpHが、3〜8であることが好ましい。
【0097】
上記の方法によれば、セラミックス素体が錫めっき浴に溶解してしまう可能性を回避することができるという効果を奏する。さらに、めっきの形成後に行うめっき水洗工程にて、錫の水酸化物による白濁が生じるのを回避することができ、節水することができるという効果を奏する。
【0098】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記バレル工法が、水平回転バレル、傾斜回転バレル、振動バレル、および揺動バレルから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0099】
本発明のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法は、上記の方法に加えて、前記錫メッキ浴が、スルファミン酸またはスルファミン酸塩からなる導電剤を前記スルファミン酸第一錫に対するモル濃度比が0.71〜20となるように具備していることが好ましい。
【0100】
本発明のチップ型セラミックス電子部品は、上記に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法によって、電極が形成されてなる構成である。これにより、くっつき等による不良品がなく、さらにはんだ濡れ性の高いチップ型セラミックス電子部品を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の一形態に用いられるチップ型セラミックス電子部品の平面図であり、(b)は、その断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、形成されためっきのくっつきを説明する斜視図である。
【図3】図2(a)のめっきのくっつきが剥がれた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 チップ型セラミックス電子部品(チップ)
2 セラミックス素体
3 外部電極
4 内部電極
5 めっき部(めっき皮膜)
5a 剥がれ部

Claims (12)

  1. チップ型セラミックス電子部品の電極形成法において、
    第一錫塩としてのスルファミン酸第一錫と、
    クエン酸、グルコン酸、ピロリン酸、ヘプトン酸、マロン酸、りんご酸およびこれらの塩、並びにグルコノラクトンから選択される少なくとも1種を含む錯化剤と、
    HLB値が10以上である界面活性剤の少なくとも1種を有する光沢剤と、
    スルファミン酸またはスルファミン酸塩からなる導電剤とを具備する錫めっき浴を用いて電気めっきを行うとき、
    上記チップ型セラミックス電子部品は、5.7mm×5.0mm×4.0mm以下のサイズであり、
    上記電気めっきでは、複数のチップ型セラミックス電子部品を同時にめっきするバレル工法を用いることを特徴とするチップ型セラミックス電子部品の電極形成法。
  2. 前記錫メッキ浴は、スルファミン酸またはスルファミン酸塩からなる導電剤を前記スルファミン酸第一錫に対するモル濃度比が0.71〜20となるように具備していることを特徴とする請求項1に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法。
  3. 前記錫めっき浴が、ヒドロキノン、アスコルビン酸、ピロカテコール、およびレゾルシンから選択される少なくとも1種を有する酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法。
  4. 前記第一錫塩の濃度が、0.05mol/L〜1.0mol/Lであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法。
  5. 前記錯化剤の濃度が、0.05mol/L〜10mol/Lであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法。
  6. 前記光沢剤の濃度が、0.01g/L〜100g/Lであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法。
  7. 前記酸化防止剤の濃度が、0.01g/L〜100g/Lであることを特徴とする請求項3に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法。
  8. 前記界面活性剤が、分子構造内に1つ以上のベンゼン環を有する非イオン界面活性剤であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法。
  9. 前記非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エトキシレート−α−ナフトール、およびエトキシレート−β−ナフトールから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項8に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法。
  10. 上記錫めっき浴のpHが、3〜8であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法。
  11. 前記バレル工法は、水平回転バレル、傾斜回転バレル、振動バレル、および揺動バレルから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載のチップ型セラミックス電子部品の電極形成法によって、電極が形成されてなることを特徴とするチップ型セラミックス電子部品。
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