JP2007239076A - スズめっき皮膜、そのスズめっき皮膜形成用のスズめっき液、そのスズめっき皮膜形成方法、及びそのスズめっき皮膜で電極形成したチップ型電子部品 - Google Patents

スズめっき皮膜、そのスズめっき皮膜形成用のスズめっき液、そのスズめっき皮膜形成方法、及びそのスズめっき皮膜で電極形成したチップ型電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】過酷な冷熱サイクル試験条件の下でウイスカー発生が無く、しかも、下地の金属の影響を受けないスズめっき皮膜の形成が可能な技術の提供を目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するため、スズめっき液を電解することにより得られるスズめっき皮膜において、当該スズめっき皮膜は、圧縮応力を内包したものであり、スパイラル法で測定した場合の圧縮応力が1MPa以上であることを特徴とした耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜等を採用する。また、このスズめっき皮膜の形成に、メタンスルホン酸スズをスズイオンの供給源として用い、導電塩としての硫酸ナトリウム、両性界面活性剤を含有したスズめっき液等を採用する。
【選択図】なし

Description

本件発明は、スズめっき皮膜、そのスズめっき皮膜形成用のスズめっき液、そのスズめっき皮膜形成方法、及び そのスズめっき皮膜で電極形成したチップ型電子部品に関する。特に、当該スズめっき皮膜は、耐ウイスカー特性を備えるものに関する。
従来から、スズめっき液は、電子部品材料の分野で端子めっき、酸化腐食防止めっきとしてスズめっき層を形成する技術として広く使用されてきた。そして、スズめっき液を使用する技術分野の中でも、チップ型電子部品である積層セラミックコンデンサの分野では、当該積層セラミックコンデンサの外部電極の表面にスズめっき層を形成することが一般化している。当該積層セラミックコンデンサの外部電極のスズめっき層は、半田濡れ性に優れ、半田リフロー等の表面実装プロセスを経て、回路基板に表面実装する際に有用なものとして機能する。
ところが、このようなスズめっき層は、時間の経過と共にスズめっき層に針状のウイスカーが発生し、隣接する回路や電子部品との間で短絡が生じる現象が確認されている。この問題を解決するため、特許文献1に開示されているようにスズ−鉛合金を用いることで、耐ウイスカー性を備えるスズ合金めっきが提唱されてきた。確かに、通常のスズめっきの場合には、図5に示すようなウイスカーの発生が認められる。これに対し、当該スズ−鉛合金めっき層には、図6に示すように顕著なウイスカーの発生が認められず、5μm以下であるため、チップ型電子部品の端子めっきに用いても、隣接する電子部品又は回路との短絡の危険性は大幅に低下した。なお、このウイスカー試験の条件は、本件発明に係るスズめっき皮膜の耐ウイスカー特性を評価するのに用いた冷熱サイクル試験条件よりも緩やかな条件として、温度変化−40℃〜85℃、温度移行時間60分、保持時間(温度移行時間を含む)30分、温度サイクルを1000サイクルを採用したものである。
ところが、近年は、環境汚染物質に関する欧州指令(WEEE/RoHS)等による鉛使用の規制強化による鉛フリー半田に対する要求が顕著になっている。そこで、スズ−鉛合金めっきは忌避され、半田の代替えとしてスズ材が見なおされ、スズめっき層を電子部品端子等の導通接続部の形成に用い、種々のウイスカー対策が検討されてきた。
このウイスカーの成長は、スズめっき層の下地に銅層が存在する場合であり、その成長原理としていくつかの理論が考えられてきた。第1の理論は、下地の銅がスズめっき層の内部に拡散してウイスカーの成長を促すというものである。このスズウイスカーは、自然放置していても成長する場合もあり、単に加熱を受けた場合の熱拡散としては説明できない場合もある。即ち、スズめっき層の内包する歪みが、自然に緩和され、開放される際の結晶格子の挙動に応じて、下地の銅が拡散すると考えるのが自然である。従って、下地の銅層及びスズめっき層の持つ内部歪みを可能な限り少なくするという方法での対処が考えられてきた。スズめっき層の形成後のフュージング処理(一旦、スズめっき層を僅かに軟化溶解させる方法)も、この対策の一種である。第2の理論は、加熱と湿度とによる酸化挙動がスズめっき層のウイスカーの成長に影響するというものである。即ち、酸化によるマイグレーション現象に近い挙動をすると言うことである。そして、第3の理論は、熱衝撃を受けた場合に下地の銅層とスズめっき層との熱膨張係数の差が著しいほど、ウイスカー成長が顕著になるというものである。これは、熱衝撃により一方の結晶格子が膨張するため、その膨張した格子内に、他方の成分が拡散しやすくなるためと考えられ、第1の理論と同義であるとも言える。
そして、特許文献2には、このウイスカーを抑制する方法が開示され、スズめっき層を構成するスズの析出結晶粒径を制御して、小さな結晶粒径の層と大きな結晶粒径との積層状態とするのである。この方法では、2回のスズめっき工程が必要となり、工程増に繋がり好ましくない。
更に、特許文献3には、スズめっき層にウイスカーが発生する場合に、スズめっき層の平均結晶粒径とウイスカーの発生の程度に相関があることを見出し、スズめっき層の結晶粒子を平均結晶粒径を1μm以下に微細化することでウイスカーの発生が抑制できることを開示している。そして、この微細結晶粒をもつスズめっき皮膜を形成するために、上記スズめっき層は電解めっき等の湿式めっきにより形成することができ、外部電極がセラミックスやガラス等のセラミック基体表面に形成される場合、スズめっき層はpHが3〜10のめっき浴を用いて形成されることが望ましいとしている。このときのスズめっき浴は、アンモニア水をpH調整用として添加しpH3〜10の範囲とし、特許文献3の実施例ではスズの錯化剤として弱酸性から弱アルカリ性の錯化剤であるクエン酸及びグルコン酸を用いている。
一方で、非特許文献1に開示されているように、スズめっき層と下地の銅層との間に、拡散バリア層としてニッケル層やニッケル合金層を設けると、50℃での恒温放置試験ではスズウイスカーの成長は見られないことが開示されている。ところが、非特許文献1にも、当該バリア層を設けても、顕著な熱衝撃を受けた場合、例えば、−40℃〜85℃の温度範囲で800サイクルの熱衝撃を加えると、ウイスカーの発生が認められる旨が開示されている。そして、−40℃〜85℃の温度範囲でのサイクル試験ではウイスカーの発生が顕著としても、現行の製品の使用態様の中で0℃〜85℃の温度範囲でのサイクル試験を考慮すると、ウイスカーの発生が顕著でないため、現実の使用の中では問題が無いのではないかと結論づけている。
特開平10−245694号公報 特開平2−170996号公報 特開2001−110666号公報 「熱衝撃ストレスで発生するSnウイスカーの市場信頼性予測」、岡田誠一等、第13回RCJ電子デバイス信頼性シンポジウム(2003)
しかしながら、技術進歩は顕著であり、上述のような一般的な生活環境を前提とした考え方を適用できない場合も多くある。例えば、チップ型電子部品は、電子機器、電気機器の回路を構成するものとして組み込まれるものである。従って、成層圏内を飛行する航空機、宇宙空間を飛行するロケットの電子機器等に搭載されることも十分に想定すべきである。
このとき、下地の銅層は、一般的に圧延法、電解法(電析を含む)、スパッタリング蒸着法等に代表される乾式プレーティング法のいずれかが採用されるのが通常である。そして、これらの銅層の表面に、スズめっき層を形成すると、下地の銅層の歪みの影響を受ける傾向がある。即ち、歪みの高い銅層の上には、内部歪みの高いスズめっき層が形成される傾向がある。ここで、下地の銅層の内包する歪み除去には限界があることは、明らかであり、下地の銅層の内部歪み等による影響を受けないスズめっき液、スズめっき方法等が望まれてきた。
これらのことを考えるに、−40℃〜85℃の温度範囲の冷熱サイクル試験を超える過酷な環境下でウイスカー発生が無く、しかも、下地の金属の影響を受けないスズめっき皮膜の形成が可能な技術が求められるのである。
そこで、本件発明者等は、鋭意研究の結果、以下に述べるスズめっき皮膜、スズめっき液等に想到した。
本件発明に係るスズめっき皮膜: 本件発明に係るスズめっき皮膜は、スズめっき液を電解することにより得られるスズめっき皮膜であり、当該スズめっき皮膜は、圧縮応力を内包したものであり、スパイラル法で測定した場合の圧縮応力が1MPa以上であることを特徴とした耐ウイスカー特性を備えるものである。
また、本件発明に係るスズめっき皮膜は、スズめっき液を電解することにより得られるスズめっき皮膜であり、当該スズめっき皮膜は、圧縮応力を内包したものであり、X線回折測定法で測定した場合の圧縮応力が20MPa以上であることを特徴とした耐ウイスカー特性を備えるものである。
本件発明に係るスズめっき液: 本件発明に係るスズめっき液は、上記耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜を得るためのスズめっき液であって、前記スズめっき液は、メタンスルホン酸スズをスズイオンの供給源として用い、導電塩としての硫酸ナトリウム、両性界面活性剤を含有したことを特徴としたものである。
本件発明に係るスズめっき液において、メタンスルホン酸スズ濃度(スズとして)が、5g/L〜30g/Lである事が好ましい。
本件発明に係るスズめっき液において、硫酸ナトリウム濃度が、10g/L〜120g/Lである事が好ましい。
本件発明に係るスズめっき液において、両性界面活性剤濃度が、0.1g/L〜3.0g/Lである事が好ましい。
本件発明に係るスズめっき液において、キレート剤として、グルコン酸、グルコン酸塩から選ばれる1種又は2種以上を30g/L〜300g/L濃度となるよう含ませることが好ましい。
本件発明に係るスズめっき液においては、pHを酸性側に調整するためのpH調整剤であって、必要に応じてメタンスルホン酸、ピロリン酸、硫酸の1種又は2種を添加しpH5.0〜pH7.0の中性領域とすることが好ましい。
また、本件発明に係るスズめっき液においては、pHをアルカリ側に調整するためのpH調整剤であって、必要に応じて水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水の1種又は2種を添加しpH5.0〜pH7.0の中性領域ととすることが好ましい。
本件発明に係るスズめっき液において、酸化防止剤として、フェノール化合物、フェノール化合物の誘導体、芳香族アミン化合物、芳香族アミン化合物の誘導体から選ばれる1種又は2種以上の成分を含ませる事が好ましい。
そして、上記酸化防止剤を具体的に言えば、カテコール、ヒドロキノン、ピロガロール、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンから選ばれる1種又は2種以上を含ませることが好ましい。
本件発明に係るスズめっき方法: 本件発明に係るスズめっき方法は、上記本件発明に係るスズめっき液を用いて、当該スズめっき液の液温15℃〜40℃、電流密度0.05A/dm〜0.5A/dmの条件で電解することで被めっき物表面にスズめっき層を形成することが好ましい。
本件発明に係るチップ型電子部品: 本件発明に係るチップ型電子部品は、上述の本件発明に係るスズめっき液及びスズめっき方法を用いて形成したスズめっき皮膜で異種金属下地の上に設けることでスズめっき電極又は端子を形成したことを特徴としたものである。
そして、前記異種金属下地は、銅、ニッケル、ニッケル合金、銀、銀合金のいずれかを主な対象としている。
本件発明に係るスズめっき皮膜は、一定レベルの圧縮応力を内包させたものであり、−55℃〜125℃の冷熱サイクル試験を経ても、スズウイスカーの発生が殆ど無く、従来のスズめっき皮膜を遙かに超える耐ウイスカー特性を備える。
そして、本件発明に係るスズめっき液は、メタンスルホン酸スズをスズイオンの供給源とし、導電塩としての硫酸ナトリウム、両性界面活性剤を必須成分とするものであり、この溶液を用いることで、上記耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜を安定して得ることが可能となる。しかも、当該スズめっき液のpHを中性領域として使用できるため、セラミックコンデンサ等のセラミック成分の浸食を効果的に防止できる。
また、本件発明に係るスズめっき方法は、液温15℃〜40℃という中温領域での使用が可能で水分の顕著な蒸発もなく溶液管理が容易であり、且つ、低電流密度〜高電流密度の領域での電解を行っても、耐ウイスカー特性に優れたスズめっき皮膜が得られるため、操業条件の選択幅を広くすることが可能で、生産性の向上に寄与できる。0.05A/dm〜0.3A/dmの条件で電解することで被めっき物表面にスズめっき層を形成することが好ましい。
更に、本件発明に係るチップ型電子部品は、その電気的接点に本件発明に係るスズめっき皮膜を採用しているため、耐ウイスカー特性に優れ、電子機器等の回路基板内でウイスカーに起因した短絡を防止できる。従って、温度変化の激しい航空宇宙産業の分野での電子機器の構成材料、その他温度変化の激しい環境下での電子機器等に好適なものとなる。
以下、本件発明に係る実施の形態に関して説明する。スズめっき皮膜、スズめっき液、スズめっき方法、チップ型電子部品の順に説明する。
本件発明に係るスズめっき皮膜の実施形態: 本件発明に係るスズめっき皮膜に求められる基本的な技術思想は、当該スズめっき皮膜が圧縮応力を内包する点にある。そして、この圧縮応力の測定方法には、スパイラル法、X線回折測定法の2種類を採用したが、それぞれにおいて、測定値のレンジが異なる。従って、ここで言う圧縮応力は、絶対値ではなく、相対値であるとも言える。そこで、本件明細書では、本件発明に係るスズめっき皮膜の特定に圧縮応力の測定方法毎に区分する考え方を採用した。
即ち、本件発明に係るスズめっき皮膜をスパイラル法で測定した場合、1MPa以上の圧縮応力を備えなければ、−55℃〜125℃の冷熱サイクル試験の中で良好な耐ウイスカー特性を得ることが出来ない。この明細書において、良好な耐ウイスカー特性とは、−55℃〜125℃、冷熱各30分、1時間/1サイクルで1000サイクルの冷熱サイクル試験を実施した後のウイスカーが5μm以下の場合を指す。ここで、スパイラル法で測定した場合のスズめっき皮膜の圧縮応力の上限に関して記載していないが、後述するスズめっき液とスズめっき方法とを用いると経験的に10MPa程度が上限となる。例えば、一定の有機剤等を添加して、より高い圧縮応力を得ることも可能であるが、スズめっき皮膜がこれ以上に高い圧縮応力を備えても、耐ウイスカー特性は顕著に向上しないからである。なお、ここで言う応力測定に用いたスパイラル法とは、株式会社山本めっき試験器のスパイラルめっき応力計を用いて、電流密度0.1A/dmで、それぞれの電解に用いた浴温、pHの条件で測定したものである。
また、本件発明に係るスズめっき皮膜をX線回折測定法で測定した場合、20MPa以上の圧縮応力を備えなければ、−55℃〜125℃の冷熱サイクル試験の中で良好な耐ウイスカー特性を得ることが出来ない。ここで、X線回折測定法で測定した場合のスズめっき皮膜の圧縮応力の上限に関して記載していないが、後述するスズめっき液とスズめっき方法とを用いると経験的に40MPa程度が上限となる。例えば、一定の有機剤等を添加して、より高い圧縮応力を得ることも可能であるが、スズめっき皮膜がこれ以上に高い圧縮応力を備えても、耐ウイスカー特性は顕著に向上しないからである。なお、ここで言う応力測定に用いたX線回折測定法とは、X線源として、X線種に波長1.540562ÅのKα1(Cu)を用い、X線負荷40kV−400mA、Ψモード一定法、揺動無しの条件で、スズのヤング率=49900.00MPa、ポアソン比=0.357とし、ブラッグ角=123.241°、無歪2θ=123.24°として、並傾法でβ=45°の場合の圧縮応力を算出したものである。なお、X線回折測定法の測定用試料は、チップコンデンサではなく、2cm×2cmの銅板上にニッケルめっき及びスズめっき、又は、単独のスズめっきをしたものを用い、株式会社リガクの自動X線分析装置 RINT2550を用いた。
本件発明に係るスズめっき液の実施形態: 本件発明に係るスズめっき液は、上記の耐ウイスカー特性を発揮するための圧縮応力を備えるスズめっき皮膜を得るためのスズめっき液であって、前記スズめっき液は、メタンスルホン酸スズをスズイオンの供給源として用い、導電塩としての硫酸ナトリウム、両性界面活性剤を含有したことを特徴としたものである。
この本件発明に係るスズめっき液において、スズイオンの供給源として、水に対して可溶性の第1スズ塩を用いる。この第1スズ塩には、メタンスルホン酸スズ、硫酸スズ、スルファミン酸スズ、ピロリン酸スズからあるが、中でもメタンスルホン酸スズを用いることが好ましい。そして、本件発明に係るスズめっき液中のスズ塩の含有量は、メタンスルホン酸スズ濃度(スズとして)で、5g/L〜30g/L含有させることが好ましい。メタンスルホン酸スズ濃度(スズとして)が5g/L未満の場合には、電流効率が下がりめっき速度が工業的に要求される生産性を満足しなくなり、同時にスズめっき層の平滑性、膜厚均一性が損なわれる。一方、メタンスルホン酸スズ濃度(スズとして)が30g/Lを超える場合には、2価スズ濃度が高くなり、4価スズの沈殿が発生しやすくなるため溶液安定性に欠けるようになる。そして、本件発明に係るスズめっき液中のメタンスルホン酸スズ濃度(スズとして)は、18g/L〜22g/L含有させることがより好ましい。工業生産的観点から、めっき条件に一定のレベルでの変動があっても、耐ウイスカー特性を備える良好なスズめっき皮膜の安定形成が可能だからである。
本件発明に係るスズめっき液において、溶液抵抗を下げ、目的とした圧縮応力を備えるスズめっき皮膜を得るための電析効率下げるため、導電塩の添加を行うことが好ましい。この導電塩の添加は、スズめっき液を電解する際の通電状態を更に安定化させ、スズ析出の電流効率を高くし、生産性を高めるためのものであり、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウムから選択して1種又は2種以上を10g/L〜120g/L濃度となるよう含ませることが好ましい。中でも、導電塩として硫酸ナトリウムを用いることが好ましい。この硫酸ナトリウムを用いることが、圧縮応力を内包したスズめっき皮膜を安定して得る観点から好ましいのである。この導電塩の添加量が10g/L未満の場合には、電解を行ったときの通電安定性を向上させる効果は得られず、スズめっき皮膜の備える圧縮応力のバラツキが大きくなる。そして、この導電塩の添加量が120g/Lを超えるものとしても、電解時の通電安定性はそれ以上に向上しないため資源の無駄遣いとなり、スズめっき皮膜の備える応力が引張応力に変化する傾向がある。
本件発明に係るスズめっき液において、光沢剤として機能する両性界面活性剤を含有することが必須である。この両性界面活性剤とは、水に溶けたとき、アルカリ性領域では陰イオン界面活性剤の性質を、酸性領域では陽イオン界面活性剤の性質を示す界面活性剤である。本件発明に係るスズめっき液において用いることの出来る両性界面活性剤を具体的に言えば、アルキルカルボキシベタイン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルイミダゾリン型から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。これらの界面活性剤には、ノニオン(非イオン)界面活性剤、カチオン(イオン)界面活性剤があるが、耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜を得るには、両性界面活性剤の使用が必須である。そして、この両性界面活性剤には、アルキルベタイン系のステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエテルイミダゾリニウムベタインのいずれか一種又は二種以上を用いることが好ましい。これら両性界面活性剤は、スズめっき液中で、上記導電塩としての硫酸ナトリウム等との組み合わせにより、圧縮応力を持つスズめっき皮膜の形成を可能とするのである。
そして、本件発明に係るスズめっき液に上記両性界面活性剤を含ませる場合の濃度が0.1g/L〜3.0g/Lである事が好ましい。0.1g/L未満の場合には、スズめっき層を平滑にし、膜厚均一性の向上させる効果を得ることが出来ないと同時に、スズめっき皮膜の備える圧縮応力のバラツキが大きくなる。一方、光沢剤濃度が3.0g/Lを超えるものとしても、平滑化効果及び膜厚均一性向上効果とも、それ以上に向上しない。
また、本件発明に係るスズめっき液において、キレート剤として、グルコン酸、グルコン酸塩から選ばれる1種又は2種以上を30g/L〜300g/L濃度となるよう含ませることが好ましい。このキレート剤は、スズめっき液中でスズ塩から供給されたスズイオンをキレート錯体として安定化させるものである。ここに記載したキレート剤が、スズイオン供給源であるスズ塩から溶液中に電離したスズイオンと効率よくキレート錯体を形成し、耐ウイスカー特性に優れたスズめっき皮膜の形成に適するのである。中でも、グルコン酸ナトリウムを用いることで、最も安定したスズキレート錯体を形成し、耐ウイスカー特性に優れたスズめっき皮膜の形成に適したスズめっき液を得ることが出来る。ここで、スズめっき液中のキレート剤の濃度は、本来、キレート剤の種類、めっき液中のスズ量に応じて定められるものである。しかしながら、上述のキレート剤の場合、スズめっき液中のキレート剤濃度は、30g/L〜300g/Lの範囲に適正量が存在する。そして、2種以上のキレート剤を併用する場合には、2種以上のキレート剤のトータル濃度が30g/L〜300g/Lの範囲となればよい。キレート剤濃度が30g/L未満の場合には、上記めっき液中のスズ量を前提として、めっき液中のスズイオンの全てとのキレート錯体形成が困難となり、遊離したスズイオンが存在するため、めっき液としての溶液寿命が短命化する。一方、キレート剤濃度が300g/Lを超えるものとしても、上記めっき液中のスズイオンとのキレート錯体の形成には過剰な量となり、資源の無駄遣いとなる。
そして、本件発明に係るスズめっき液においては、pH調整剤として、スズめっき液のpHを酸性側に調整するためのpH調整剤(以下、「酸性pH調整剤」と称する。)と、本件発明に係るスズめっき液のpHをアルカリ性側に調整するためのpH調整剤(以下、「アルカリ性pH調整剤」と称する。)とがある。これらのpH調整剤は、必要に応じて添加するものであり、スズめっき液としての最終的なpH調整に用いるものである。
そして、酸性pH調整剤としては、メタンスルホン酸、ピロリン酸、硫酸の1種又は2種を添加し、めっき液pH値を5〜7の範囲とすることが好ましい。また、アルカリ性pH調整剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水の1種又は2種を添加し、めっき液pH値を5〜7の範囲とすることが好ましい。スズめっき液のpH値が5未満の強酸性領域になると、スズめっき被膜の内包する応力が引張応力となる傾向が高くなる。そして、スズめっき液のpH値が、7を超えると得られるスズめっき皮膜が引張応力を内包するようになり、且つ、pH値が10を超える強アルカリ性領域になると、やはりセラミック部分を浸食する場合もあるからである。そして、本件発明に係るスズめっき液のpH値を5〜7の範囲とするためには、酸性pH調整剤を用いるとすれば10g/L〜300g/Lの濃度範囲での使用となり、アルカリpH調整剤を用いるとすれば5g/L〜140g/Lの濃度範囲での使用となる。
更に、本件発明に係るスズめっき液において、長期保存性を確保するため、スラッジの沈殿防止を目的として酸化防止剤として、フェノール化合物、フェノール化合物の誘導体、芳香族アミン化合物、芳香族アミン化合物の誘導体を用いることが好ましい。フェノール化合物及びフェノール化合物の誘導体の中では、カテコール、ヒドロキノン、ピロガロールの群から選択的に用いることがより好ましい。そして、芳香族アミン化合物及び芳香族アミン化合物の誘導体の中では、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンの群から選択的に用いることがより好ましい。大気とめっき液との接触による自然酸化を防止して、スズ酸化物の沈殿発生を効率良く防止するためである。ここで酸化防止剤は、0.1g/L〜30g/L濃度となるよう含ませることが好ましい。そして、酸化防止剤濃度が0.1g/L未満の場合には十分な酸化防止効果が得られない。そして、酸化防止剤濃度を30g/Lを超えて添加しても、それ以上に酸化防止効果を得ることが出来ず、スズめっき液の長寿命化は期待出来ない。しかも、酸化防止剤を過剰に加えることで、スズめっき液としての品質変化が起こるため好ましくない。従って、より好ましくは、上記酸化防止剤の濃度は、1g/L〜10g/L濃度の範囲である。確実な酸化防止効果を得ることが可能で、酸化防止剤の過剰添加によるスズめっき液としての品質変化を確実に防止出来るからである。
スズめっき方法の実施形態: 本件発明に係るスズめっき液を用いたスズめっき方法は、浴温15℃〜40℃の条件で電解することが好ましい。このめっき方法で特徴的なことは、浴温15℃〜40℃の範囲でのめっき操業が可能な点にある。浴温が15℃未満の場合には、粗いスズめっき結晶が析出し、平滑で膜厚均一性に優れたスズめっき層を得にくくなる。一方、浴温が40℃を超えるものとした場合には、2価スズの酸化が促進され、4価スズの沈殿が発生しやすくなり溶液寿命が短く溶液安定性に欠けるようになる。
そして、このときの電流密度は、0.05A/dm〜0.5A/dmの範囲を採用することが好ましい。当該電流密度が0.05A/dm未満の場合には、スズの析出速度が当然に遅く、工業的生産性を満足しない。これに対し、0.5A/dmを超える電流密度を採用すると、スズめっき皮膜の平滑性が損なわれる。
チップ型電子部品の実施形態: 以上に述べた本件発明に係るスズめっき液は、電子部品の中でもスズめっきの多用されるチップ型積層セラミックコンデンサ、チップ型セラミックコイル、チップ型セラミックサーミスタ、インダクタ、バリスタ、抵抗器等のチップ型電子部品のスズめっき電極、端子等の形成に好適である。
そして、このスズめっき電極、端子等のスズめっきを行う被めっき対象は、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、銀、銀合金のいずれかの異種金属下地であることが一般的である。本件発明に係るスズめっき皮膜は、これらの異種金属下地のいずれに用いても耐ウイスカー特性を備えたものとして有効に機能するのである。即ち、下地の材質を選ばないのである。なお、銅合金とは銅−パラジウム合金等であり、ニッケル合金とはニッケル−パラジウム合金、ニッケル−リン合金等であり、銀合金とは銀−パラジウム合金等である。
この実施例では、以下のスズめっき液を調整し、そのスズめっき液を用いて電解することで圧縮応力を持つスズめっき皮膜を得て、耐ウイスカー性能の測定を行った。
スズめっき液の調整: イオン交換水に、所定量のメタンスルホン酸スズ、キレート剤としてのグルコン酸ナトリウム、酸性pH調整剤として70wt%濃度のメタンスルホン酸、アルカリpH調整剤として水酸化ナトリウム、導電塩として硫酸ナトリウム、酸化防止剤としてのイソアスコルビン酸ナトリウム、光沢剤としてラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、を添加して混合攪拌した。その結果、以下の組成のスズめっき液を得た。
スズめっき液組成:
メタンスルホン酸スズ(スズとして) 20g/L
グルコン酸ナトリウム 150g/L
メタンスルホン酸 50mL/L
硫酸ナトリウム 70g/L
イソアスコルビン酸ナトリウム 4g/L
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 1.6g/L
水酸化ナトリウム 31g/L
pH 6.0
スズめっき層の形成: 2012形状のチップ型積層セラミックスコンデンサの銅製の外部電極に、硫酸ニッケル濃度が240g/L、塩化ニッケル濃度が45g/L、ホウ酸濃度が30g/L、液温45℃、電流密度0.2A/dmの条件で2μm厚さのニッケル層を形成し、そのニッケル層の表面に、前記スズめっき液を、液温35℃、電流密度0.1A/dmの条件で電解することで5μm厚さのスズめっき層を形成し、スズめっき電極を形成した。このときのスズめっき皮膜は、スパイラル法で測定した場合の圧縮応力が4.9MPa、X線回折法で測定した場合の圧縮応力が21.6MPaであった。
耐ウイスカー特性の評価: 耐ウイスカー特性試験として、温度変化−55℃〜125℃、温度移行時間5分以内、保持時間(温度移行時間を含まず)30分の、温度サイクルを1000サイクル行い、走査型電子顕微鏡を用いて、スズメッキ層のウイスカーの発生状況を観察した。その結果、500サイクル経過後、1000サイクル経過後のいずれの場合も、ウイスカーは確認されず、極めて高い耐ウイスカー特性を備えることが分かった。この試験結果の推移を図1に示している。
この実施例2では、実施例1と同様のスズめっき液を調整し、そのスズめっき液を用いて電解することで圧縮応力を持つスズめっき皮膜を得て、耐ウイスカー性能の測定を行った。
スズめっき液の調整: 実施例1と同様であり、重複した記載を避けるために省略する。
スズめっき層の形成: 実施例1と同様の2012形状のチップ型積層セラミックスコンデンサの銅製の外部電極に、前記スズめっき液を、液温35℃、電流密度0.1A/dmの条件で電解することで5μm厚さのスズめっき層を直接形成し、スズめっき電極を形成した。このときのスズめっき皮膜は、スパイラル法で測定した場合の圧縮応力が5.2MPa、X線回折法で測定した場合の圧縮応力が22.5MPaであった。
耐ウイスカー特性の評価: 耐ウイスカー特性試験として、実施例1と同様の冷熱サイクル試験を行った。その結果、ウイスカーは確認されず、極めて高い耐ウイスカー特性を備えることが分かった。この試験結果の推移を図2に示している。
比較例
[比較例1]
この比較例1では、以下の市販のスズめっき液を用いて電解することで引張応力を持つスズめっき皮膜を得て、耐ウイスカー性能の測定を行った。
スズめっき液: 市販のスズめっき液(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を用いた。
スズめっき層の形成: 実施例1と同様に、2012形状のチップ型積層セラミックスコンデンサの銅製の外部電極に、2μm厚さのニッケル層を形成し、そのニッケル層の表面に、前記スズめっき液を、液温35℃、電流密度0.1A/dmの条件で電解することで5μm厚さのスズめっき層を形成し、スズめっき電極を形成した。このときのスズめっき皮膜の内包する応力は引張応力であり、スパイラル法で測定した場合の引張応力が4.8MPa、X線回折法で測定した場合の引張応力が21.2MPaであった。
耐ウイスカー特性の評価: 耐ウイスカー特性試験として、実施例1と同様の冷熱サイクル試験を行った。その結果、図3の比較例1として示す状態で、500サイクル経過後の時点で、既にウイスカーの発生が確認された。
[比較例2]
この比較例2では、以下の市販のスズめっき液を用いて電解することで引張応力を持つスズめっき皮膜を得て、耐ウイスカー性能の測定を行った。
スズめっき液: 市販のスズめっき液(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を用いた。
スズめっき層の形成: 実施例1と同様に、2012形状のチップ型積層セラミックスコンデンサの銅製の外部電極に、2μm厚さのニッケル層を形成し、そのニッケル層の表面に、前記スズめっき液を、液温25℃、電流密度0.1A/dmの条件で電解することで5μm厚さのスズめっき層を形成し、スズめっき電極を形成した。このときのスズめっき皮膜の内包する応力は引張応力であり、スパイラル法で測定した場合の引張応力が6.3MPa、X線回折法で測定した場合の引張応力が27.8MPaであった。
耐ウイスカー特性の評価: 耐ウイスカー特性試験として、実施例1と同様の冷熱サイクル試験を行った。その結果、図4の比較例2として示す状態で、500サイクル経過後の時点で、既にウイスカーの発生が確認された。
<実施例と比較例との対比>
上記実施例と比較例とを対比する。実施例1及び実施例2のスズめっき皮膜は、圧縮応力を内包している。これに対し、比較例1及び比較例2の各スズめっき皮膜は、引張応力を内包している点が根本的に異なっている。
そして、この差異が明確となるのが、耐ウイスカー特性である。この耐ウイスカー特性は、上述の非特許文献1に開示の冷熱サイクル試験条件よりも厳しいものであり、よりウイスカーの発生が容易な条件を採用して評価したものである。即ち、従来の通常のスズめっき皮膜を用いる限り、その下地にバリア層としてのニッケル層等が存在しても、ウイスカーの発生は防げない。このことは、上記比較例1及び比較例2の耐ウイスカー特性を見るための図3及び図4の走査型電子顕微鏡観察像から明らかである。これに対し、本件発明に係る圧縮応力を内包したスズめっき皮膜の場合には、図1及び図2から明らかなように、ウイスカーの発生を飛躍的に抑制出来るのである。
本件発明に係るスズめっき皮膜は、一定レベルの圧縮応力を内包させたものであり、−55℃〜125℃の冷熱サイクル試験を経ても、良好な耐ウイスカー特性を備えるためスズウイスカーの発生が殆ど無い。従って、このスズめっき皮膜をチップ型電子部品の電極、端子等の形成に用い、ファインピッチ回路配線内の実装部品として用いるとウイスカーによる隣接回路、隣接部品との短絡を効果的の防止する事が出来る。しかも、このスズめっき皮膜は、−55℃〜125℃の冷熱サイクル試験の中で、良好な耐熱特性を示すため、温度変化の激しい航空宇宙産業の分野での電子基板の構成材料、その他温度変化の激しい環境下での電子基板等に好適なものである。
そして、本件発明に係るスズめっき液は、従来の強酸性又は強アルカリ性のpHを備えるスズめっき液とは異なり、そのpHを中性領域として使用できるため、セラミックコンデンサ等のセラミック成分の浸食を効果的に防止し、その利用分野の拡大が容易に可能である。更に、本件発明に係るスズめっき方法は、液温15℃〜40℃という中温領域での使用が可能で水分の顕著な蒸発もなく溶液管理が容易であるため、工程の管理コストの削減が可能で、めっきプロセスのトータルコストの削減に寄与できる。
冷熱サイクル試験における圧縮応力を内包したスズめっき皮膜の耐ウイスカー特性を示すため走査型電子顕微鏡観察像である(実施例1)。 冷熱サイクル試験における圧縮応力を内包したスズめっき皮膜の耐ウイスカー特性を示すため走査型電子顕微鏡観察像である(実施例2)。 冷熱サイクル試験における引張応力を内包したスズめっき皮膜の耐ウイスカー特性を示すため走査型電子顕微鏡観察像である(比較例1)。 冷熱サイクル試験における引張応力を内包したスズめっき皮膜の耐ウイスカー特性を示すため走査型電子顕微鏡観察像である(比較例2)。 冷熱サイクル試験(温度変化−40℃〜85℃、温度移行時間5分以内、保持時間(温度移行時間を含まず)30分、温度サイクルを1000サイクル)を施したスズめっき皮膜(従来品)に見られるウイスカーの発生状態を示す走査型電子顕微鏡観察像である。 冷熱サイクル試験(温度変化−40℃〜85℃、温度移行時間5分以内、保持時間(温度移行時間を含まず)30分、温度サイクルを1000サイクル)を施したスズ−鉛合金めっき皮膜にウイスカーの発生が無いことを確認した走査型電子顕微鏡観察像である。

Claims (14)

  1. スズめっき液を電解することにより得られるスズめっき皮膜において、
    当該スズめっき皮膜は、圧縮応力を内包したものであり、スパイラル法で測定した場合の圧縮応力が1MPa以上であることを特徴とした耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜。
  2. スズめっき液を電解することにより得られるスズめっき皮膜において、
    当該スズめっき皮膜は、圧縮応力を内包したものであり、X線回折測定法で測定した場合の圧縮応力が20MPa以上であることを特徴とした耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスズめっき皮膜を得るためのスズめっき液であって、
    前記スズめっき液は、メタンスルホン酸スズをスズイオンの供給源として用い、導電塩としての硫酸ナトリウム、両性界面活性剤を含有したことを特徴とした耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜形成用のスズめっき液。
  4. メタンスルホン酸スズ濃度(スズとして)が、5g/L〜30g/Lである請求項3に記載の耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜形成用のスズめっき液。
  5. 硫酸ナトリウム濃度が、10g/L〜120g/Lである請求項3又は請求項4に記載の耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜形成用のスズめっき液。
  6. 両性界面活性剤濃度が、0.1g/L〜3.0g/Lである請求項3〜請求項5のいずれかに記載の耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜形成用のスズめっき液。
  7. キレート剤として、グルコン酸、グルコン酸塩から選ばれる1種又は2種以上を30g/L〜300g/L濃度となるよう含む請求項3〜請求項6のいずれかに記載の耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜形成用のスズめっき液。
  8. pHを酸性側に調整するためのpH調整剤であって、必要に応じてメタンスルホン酸、ピロリン酸、硫酸の1種又は2種を添加しpH5.0〜pH7.0の中性領域とした請求項3〜請求項7のいずれかに記載の耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜形成用のスズめっき液。
  9. pHをアルカリ側に調整するためのpH調整剤であって、必要に応じて水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水の1種又は2種を添加しpH5.0〜pH7.0の中性領域とした請求項3〜請求項7のいずれかに記載の耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜形成用のスズめっき液。
  10. 酸化防止剤として、フェノール化合物、フェノール化合物の誘導体、芳香族アミン化合物、芳香族アミン化合物の誘導体から選ばれる1種又は2種以上の成分を含ませた請求項3〜請求項9のいずれかに記載の耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜形成用のスズめっき液。
  11. 酸化防止剤として、カテコール、ヒドロキノン、ピロガロール、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンから選ばれる1種又は2種以上を含ませた請求項10に記載の耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜形成用のスズめっき液。
  12. 請求項3〜請求項11のいずれかに記載の耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜形成用のスズめっき液を用いためっき方法であって、
    当該スズめっき液の液温15℃〜40℃、電流密度0.05A/dm〜0.5A/dmの条件で電解することで被めっき物表面にスズめっき層を形成することを特徴とした耐ウイスカー特性を備えるスズめっき皮膜形成方法。
  13. 請求項1又は請求項2に記載のスズめっき皮膜を異種金属下地の上に設けることでスズめっき電極又は端子を形成したことを特徴としたチップ型電子部品。
  14. 前記異種金属下地は、銅、ニッケル、ニッケル合金、銀、銀合金のいずれかである請求項12に記載のチップ型電子部品。
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