JP3909258B2 - 紙葉類繰り出し機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙葉類搬送処理装置、例えば現金自動支払い機(CD),自動預金支払い機(ATM),印刷装置等の装置内に設けられる紙葉類繰り出し機構に関する。具体的には、積層された紙幣や印刷用紙等の紙葉類をピックローラに当接させ、ピックローラの回転により一枚ずつ繰り出す紙葉類繰り出し機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の紙葉類繰り出し機構の一例を図14および図15に示す。これらの図において、ピックローラ1は、積層された紙葉類2から最上位の1枚を繰り出すために、最上位の紙葉類2の上面に当接するもので、図示しない駆動モータによって図15における時計方向に回転駆動されることにより、最上位の紙葉類2を図15における左方向へ送り出す。
【0003】
セパレータ4は、積層された紙葉類2の一番上の紙葉類2だけを繰り出し、2枚目以降の紙葉類の進行を阻止するものである。このセパレータ4は、通常、摩擦係数の大きなゴム材料で構成され、上から2枚目以降の紙葉類2に接触し、摩擦力を利用して重送を阻止する。
【0004】
ピックローラ1とセパレータ4は、図14に示すように、軸方向に交互に配置されており、かつ軸方向から見たときに、図15に示すように、ピックローラ1とセパレータ4とが一部で重なるように配置されている(以下、この重なり部分6をオーバーラップと呼ぶ)。このため、オーバーラップ6を通過した紙葉類2は、ピックローラ1の軸方向に波打つように撓んでいる。
【0005】
一対の搬送ローラ7,8は、オーバーラップ6を通過してきた1枚の紙葉類2を搬送路9へ送り出すものである。この搬送ローラ7,8の後段には、例えば一対の発光素子と受光素子で構成された通過検知センサ10が配置され、発光素子から受光素子へ光ビーム11が張られている。
【0006】
搬送ローラ7,8を通過してきた紙葉類2の前端が光ビーム11を横切ると、通過検知センサ10はオフ状態になり、一方紙葉類2の後端が光ビーム11を通過すると通過検知センサ10はオン状態となる。なお、ステージ12は、図示しない押圧機構によって、ステージ12上に積層された紙葉類2をピックローラ1に一定の押圧力でもって押し付けるものである。
【0007】
この従来技術においては、図示しないピックローラ制御部が、通過検知センサ10からのオン/オフ信号に基づいて図示しない駆動モータを制御して、ピックローラ1を間欠回転させ、紙葉類2を1枚ずつ一定間隔で繰り出す。
【0008】
他の紙葉類繰り出し機構例を図16に示す。この紙葉類繰り出し機構において、吸着機構20は、積層された一番上の紙葉類2の上面に当接し、それを吸着するものである。この吸着機構20は、図示しない移動機構によって支えられ、図16に矢印で示した左上方への往復運動を行って、紙葉類2の繰り出しを行うようになっている。
【0009】
すなわち、吸着機構20には、紙葉類2を吸着する吸着室21が設けられ、この吸着室21が排気パイプ23によって真空ポンプ22に接続され、吸着室21を負圧に吸引できるようになっている。よって、吸着機構20を紙葉類2に当接させた状態で真空ポンプ22を動作させると、吸着室21の内圧が低下して、紙葉類2が吸着機構20に吸着される。この状態で、図示しない駆動機構により吸着機構20を左上方に移動させると、吸着された1枚の紙葉類2のみが、吸着機構20と一緒に移動し、他の紙葉類2から分離される。
【0010】
吸着機構20が二点鎖線の位置まで移動すると、分離された紙葉類2の先端が搬送ローラ7,8に到達するので、ここで真空ポンプ22を停止し、吸着室21を大気に開放して、紙葉類2を吸着機構20から離す。離された紙葉類2は、その後、搬送ローラ7,8によってさらに左方へ搬送される。一方、図示しない駆動機構は、再び吸着機構20を実線の位置まで戻し、次の紙葉類2を繰り出すためのシーケンスを繰り返す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
(図14および図15に示した従来技術の場合)
この従来構成において、紙葉類2がピックローラ1とセパレータ4間のオーバーラップ6を通過する際に、セパレータ4が紙葉類2を1枚だけ分離する性能は、▲1▼ピックローラ1と紙葉類2との間の摩擦係数、▲2▼セパレータ4と紙葉類2との間の摩擦係数、▲3▼紙葉類2同士間の摩擦係数、▲4▼紙葉類2のこしの強さ、▲5▼ピックローラ1とセパレータ4との間隔、▲6▼セパレータ4の形状、▲7▼オーバーラップ6の程度(図15のオーバーラップ量D)等に依存する。
【0012】
この内、▲5▼〜▲7▼の値は、設計によって決定される値であり、装置運用中は、一定であるが、▲1▼〜▲4▼の値は、ステージ7上に積層される紙葉類2の種類や状態によって、ある範囲内で絶えず変動している。そのため、以下の問題があった。
(1)紙葉類の分離状況は、ピックローラ・紙葉類間の摩擦力、セパレータ・紙葉類間の摩擦力、および紙葉類同士間の摩擦力に依存するが、紙葉類の摩擦係数は変動が大きいため(特に紙幣)、摩擦係数が平均値から大きく外れた紙葉類を繰り出す場合には不送りや重送が発生し易い。
(2)紙葉類の性質(摩擦係数やこしの強さ)が平均から大きくはずれた紙葉類を分離する場合には、オーバーラップ量はその紙葉類にとって最適値とはなっていないため、不送りや重送が発生してしまう。特に紙幣を扱う装置の場合は、官封券と流通券とで摩擦係数やこしの強さが大きく異なるため、不送りや重送が発生し易い。
(3)オーバーラップ量は紙葉類の分離性能を左右する重要な因子であるが、オーバーラップ量の設定許容値は、紙葉類の厚さ程度、例えば±0.1〜±0.2mm程度であるため、製造時にオーバーラップ量をこの許容値内に設定し、且つ長期間維持するのは容易ではない。
(4)紙葉類を多数枚繰り出すと、セパレータの表面が徐々に摩耗するためにオーバーラップ量は次第に小さくなり、重送が発生し易くなる。
(図16に示した従来技術の場合)
図16に示した従来構成では、紙葉類を吸着して分離するために、摩擦係数や紙葉類のこしの強さといった変動の大きな因子の影響を受け難いという長所があるが、真空ポンプを利用するために、以下の問題があった。
(1)真空ポンプの存在により、繰り出し機構が大型化してしまう。又、真空ポンプから騒音が発生する。
(2)複数の吸着機構を備えて紙葉類を分散して吸着する方式もあるが、真空ポンプは1台であるため、吸着機構と紙葉類間に密着が不十分のところがあって、どこかの吸着機構で空気漏れが発生すると全ての吸着機構で吸着力が低下してしまう。
【0013】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、解決しようとする課題は、多種多様な紙葉類を、不送りや重送を発生させることなく1枚ずつ確実に分離して送り出せる小型の紙葉類繰り出し機構を実現することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に係る発明は、積層された紙葉類をピックローラに当接させ、ピックローラの回転により紙葉類を一枚ずつ繰り出す紙葉類繰り出し機構であって、図1に示すように、ピックローラ31の表面には、吸着セル32がピックローラ31の軸方向に複数配設されているものである。この吸着セル32は、図2および図3に示すように、ピックローラ31の表面に開口した吸着室33と該吸着室33の内壁面を形成する可撓膜34と該可撓膜34を変形(代表的には湾曲)させるアクチュエータ35とで構成されている。そして、ピックローラ31の回転による紙葉類37の繰り出し時には、アクチュエータ35が駆動され、紙葉類37が吸着セル32に吸着される。
【0015】
なお、図1〜図3では、開口の形状が矩形の吸着セル32が、ピックローラ31の軸方向に複数配設されると共に、ピックローラ31の円周方向にも複数列(図3では2列)形成されている構成を示したが、吸着セル32の開口形状は円形等であってもよく、又、円周方向には1列形成するだけでもよい。
【0016】
ピックローラ31の円周方向に吸着セル32を多数列形成したものでは、各列の吸着セル32が紙葉類37に接触するタイミングが列により異なるので、吸着の駆動タイミングをずらせる必要があるが、図1に例示した構成のように、ピックローラ31の円周方向に吸着セル32を近接して2列程度形成したものでは、2列の吸着セル32を同じタイミングで駆動すればよく、この場合における繰り出し動作の一例を示すと以下の通りである。
【0017】
まず、ピックローラ31の吸着セル32と紙葉類37とを当接させる。この時、可撓膜34は、図3の左側の可撓膜34の状態のように、変形していない(図3では、左側の可撓膜34の状態と右側の可撓膜34の状態とが異なっているが、これは、可撓膜34の作動を説明するために、敢えて異ならせて図示したもので、前述の通り、本例では、近接した2列の吸着セル32を紙葉類37に接触させて同時に吸引するので、左側の可撓膜34と右側の可撓膜34とは同じ状態にある)。
【0018】
次に、アクチュエータ35を駆動して、可撓膜34を図3において上に凸となる形状に湾曲させる(図3の右側の可撓膜34の状態がこの湾曲した状態を示している)。これにより、吸着室33の容積が増加し、その容積増加分に応じて吸着室33の内圧が低下するため、紙葉類37は吸着セル32に吸着される。
【0019】
この吸着セル32に紙葉類37が吸着された状態でピックローラ31を回転させると、吸着された紙葉類37はピックローラ31と一緒になって図3の左方向に移動し、他の紙葉類37から分離される。
【0020】
この発明では、吸着により一番上の紙葉類を他の紙葉類から分離するために、摩擦係数や紙葉類のこしの強さといった、変動の大きい因子の影響を受け難い。よって、多種多様な紙葉類を、不送りや重送を発生させることなく、1枚ずつ確実に分離して送り出せる。又、真空ポンプを使用しないために、繰り出し機構が大型化することもなく、紙葉類繰り出し機構を小型化できる。
【0021】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の可撓膜が、吸着室の床面を形成するダイヤフラムでなり、アクチュエータは、ダイヤフラム面に設けられた圧電素子でなることを特徴とするものである。この発明によれば、可撓膜の形成も容易であり、アクチュエータの形成も容易である。
【0022】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明の可撓膜が、吸着室の床面を形成するダイヤフラムでなり、アクチュエータは、ダイヤフラム面に設けられた可撓電極と、該可撓電極に対向配置された固定電極とを備え、可撓電極・固定電極間に電圧を印加することにより可撓電極およびダイヤフラムを変形させるものでなることを特徴とするものである。この発明によれば、可撓膜の形成も容易であり、アクチュエータの形成も容易である。
【0023】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に係る発明において、ダイヤフラムに歪みゲージを設け、アクチュエータの駆動時におけるダイヤフラムの変形量の大小を歪みゲージの出力から求め、吸着の成否を判断することを特徴とするものである。この発明によれば、吸着の成否を容易に判断でき、吸着不良を防止できる。
【0024】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、積層された紙葉類が載せられる昇降可能なステージと、少なくとも紙葉類の繰り出し開始時にステージを上昇させて紙葉類をピックローラに押圧する押圧手段と、押圧手段により紙葉類がピックローラに押圧された状態でアクチュエータを駆動し、紙葉類を吸着セルに吸着させるアクチュエータ制御部と、歪みゲージの出力からアクチュエータ駆動時の吸着の成否を判断し、吸着に失敗した場合には、押圧手段での押圧力を増加させて再度アクチュエータを駆動するリトライ手段とを有することを特徴とするものである。この発明では、リトライ手段を設けたことにより、一層、吸着不良を防止できる。
【0025】
【実施の形態】
(第1の実施の形態例)
本発明の第1の実施の形態例を図4〜図8を用いて説明する。本形態例のピックローラ41は、図1〜図3に示したピックローラ31と同様な構成を有するものであるが、吸着セル42は、ピックローラ41の軸方向にM個配設されると共に、このM個の列がピックローラ41の円周方向にN列設けられている。
【0026】
図3と同様な切断線における断面を示す図6からわかるように、吸着セル42は、ピックローラ41の表面に開口した吸着室43と、該吸着室43の内壁面を形成する可撓膜としてのダイヤフラム44と、該ダイヤフラム44を吸着室43の容積が増加する方向に変形させるアクチュエータとしての圧電素子45とで構成されている。
【0027】
ダイヤフラム44上への圧電素子45の形成は、たとえば、インクジェットプリンタの印字ヘッドの作製方法を用いることができる。この印字ヘッドの場合、圧力室の一部の壁部をなす振動板上に圧電素子を形成し、この圧電素子で振動板を湾曲させることにより、圧力室内からインク滴を射出させるように構成されている。この振動板上に圧電素子を形成する場合と同様な手法を用いれば、本形態例のダイヤフラム44上に圧電素子45を容易に形成できる。
【0028】
図6には、主にN−1列目とN列目の吸着セル42部分が示されており、N−1列目の吸着セル42の背部空間とN列目の吸着セル42の背部空間とは、連通孔48で結ばれている。この連通孔48は、本形態例では、M×N個の全ての隣接吸着セル42間(ピックローラ41の軸方向および円周方向)に形成され、又、最終のN列目の吸着セル42の背部空間は、ピックローラ41内に形成したダクト孔49を介して大気に開放されている。これにより、全ての吸着セル42の背部空間が、大気に開放されることになる。連通孔48やダクト孔49は十分な太さを有しており、ダイヤフラム44の変形により生じる空気の流れを円滑にピックローラ1の外部に導くことができ、各吸着セル42は他の吸着セル42と干渉することなく吸着動作を行えるようになっている。
【0029】
各吸着セル42による吸着は、圧電素子45を駆動して、ダイヤフラム44を図6において上に凸となる形状に湾曲させることにより行う。これにより、吸着室43の容積が増加し、その容積増加分に応じて吸着室43の内圧が低下するため、紙葉類47は吸着セル42に吸着される。
【0030】
ここで、吸着セル42の吸着力について説明する。一例として、開口が矩形の吸着室43の場合で、各部の寸法を、図7に示すように、L(ピックローラ41の円周方向)、W(ピックローラ41の軸方向)、H(ピックローラ41の半径方向)とすると、吸着室43の自然状態での容積Vは、
V=L・W・H ・・・▲1▼
となる。この時の吸着室43内の圧力をP(=大気圧)とし、ダイヤフラム44が湾曲して容積がΔV増加したときの圧力低下分をΔPとすると、
P・V=(P−ΔP)・(V+ΔV)
が成り立ち、この式から、ΔPを求めると、
ΔP=P・ΔV/(V+ΔV) ・・・▲2▼
となる。
【0031】
一方、吸着室43の開口部の面積をSとすると、
S=L・W ・・・▲3▼
が成り立ち、紙葉類47に作用する1吸着セル当たりの吸着力をfとすると、
f=ΔP・S ・・・▲4▼
が成り立つ。
【0032】
▲4▼式に▲1▼〜▲3▼式を代入し、整理すると、
f={P・ΔV/(L・W・H+ΔV)}・L・W ・・・▲5▼
となる。
【0033】
そこで、計算例を次に示す。まず、L=1.0mm、W=0.2mm、H=0.2mmとする。このときのダイヤフラム44の湾曲による容積変化ΔVとしては、1.0×10-4mm3 程度を見込むことができる。又、大気圧Pは、1.0×105 Paである。
【0034】
よって、吸着セル42の一つ当たりの吸着力fは、▲5▼式より、0.049mNとなる。
吸着セル42を幅(W)方向に0.4mmピッチで配列すると、A4用紙の幅(210mm)に並ぶ吸着セルの数は、210/0.4=525個であり、吸着セル42の2列分での合計の吸着力Fは、
である。A4サイズのコピー用紙の重量は約49mNであるので、上記数値例の吸着セル42を2列形成しただけでも、ピックローラ41はA4コピー用紙1枚を吸着して持ち上げることができる。
【0035】
上記ピックローラ41は、紙葉類47を吸着した状態で回転することにより紙葉類47を送り出すものであり、摩擦力で紙葉類47を送り出すものではない。そのため、ピックローラ41の表面は、低摩擦係数の材料から構成されている。
【0036】
再び、図4および図5において、ピックローラ41の中心位置には、駆動シャフト50が設けられている。又、この駆動シャフト50は、平行に配置された一対の垂直揺動アーム51の先端部にて、回動可能に支持されている。垂直揺動アーム51の基端側は、ピックローラ41と平行に配置されたヒンジシャフト52に固着されている。このヒンジシャフト52には、その回転角度を検出するエンコーダ53が取り付けられている。
【0037】
ピックローラ41の駆動シャフト50は、歯付きベルトを用いたベルト巻掛け機構55を介して、駆動モータ60から駆動力を得て、図5における時計方向にピックローラ41を回転駆動する。一対の垂直揺動アーム51の中間部には、それぞれ、垂直揺動アーム51を押し下げる方向に付勢する付勢手段としてのコイルばね61が設けられている。図5中のスタッカ63は紙葉類47の前端を整列させるもの、ステージ64は積層状態の紙葉類47を載置するものである。
【0038】
上下方向に一定間隔をおいて配置された駆動プーリ66,従動プーリ67間には、昇降ベルト68が巻き掛けられており、この昇降ベルト68に係止されたアーム70にて、ステージ64が支持されている。そして、モータ69でもって駆動プーリ66を回転駆動することにより、ステージ64を上昇させ、積層された紙葉類47をピックローラ41に押し付けるようになっている。このプーリ66,67およびベルト68はスリップ防止のため歯付きが好ましい。
【0039】
搬送ローラ72,73は、ピックローラ41から繰り出された1枚の紙葉類47を後段の搬送路へ送り出すものである。搬送ローラ72,73の前段には、楔状断面を有したガイド74が設けられ、ピックローラ41から繰り出された1枚の紙葉類47を搬送ローラ72,73のニップ部(接触部)へ誘導している。
【0040】
繰り出し機構制御部81は、エンコーダ53の出力に基づき、モータ69を駆動制御し、紙葉類47のピックローラ41への押し付け力を所定の値に制御したり、アクチュエータ制御部82を指示したり、ピックローラ回転制御部83を介して駆動モータ60を指示してピックローラ41を回転させたりするものである。
【0041】
紙葉類47の繰り出し時には、アクチュエータとしての圧電素子45を駆動し、紙葉類47を吸着セル42に吸着させるわけであるが、良好な吸着がなされるには、積層された紙葉類47を適切な押圧力でピックローラ41に押し付け、吸着動作を行わねばならない。本形態例の場合、ピックローラ41・紙葉類47間に、ピックローラ41部分の自重による力と、コイルばね61の圧縮による押圧力が加わることになる。
【0042】
そこで、本形態例では、コイルばね61が所定量圧縮され、押圧力F1(二つのコイルばね61の合計)を発生するように、エンコーダ53の出力に基づきステージ64の高さを制御することにより、次式で示される所望の押し付け力F0でもって、紙葉類47をピックローラ41に押し付けるようにしている。
【0043】
F0=WF+F1・L2/L1 ・・・▲6▼
ただし、
WF;ピックローラ41の自重による力
L1;駆動シャフト50とヒンジシャフト52の中心軸間距離
L2;ヒンジシャフト52とコイルばね61の中心軸間距離(垂直距離)
本形態例では、前述の通り、吸着セル42を、ピックローラ41の軸方向にM個配設すると共に、このM個の列をピックローラ41の円周方向にN列設けている。これらM,Nの値(整数)は、前述のピックローラ41に要求される吸着力や、ピックローラ41と搬送ローラ72,73との間隔等を考慮して設定する。
【0044】
N列の吸着セル42は、本形態例では、ピックローラ41の円周方向のγの角度範囲にわたって設けられている。そして、アクチュエータ制御部82によって、紙葉類47に接触を開始した吸着セル42(圧電素子45)は、それぞれ、その接触開始からピックローラ41が角度θ回転するまで吸着を続け、角度θの回転後に吸着を終了し、該当吸着セル42が紙葉類47を解放するように、駆動制御される。
【0045】
図8はこの形態例での繰り出し動作の説明図で、ピックローラ41は、紙葉類47の繰り出し時は、図8における時計方向に間欠回転するように、繰り出し機構制御部81により制御される。図8(a)は、ピックローラ41が紙葉類47に接触してスリップしながら回転した結果、1列目の吸着セル42が紙葉類47に接触する位置に到達した状態を示している。この位置に到達すると、アクチュエータ制御部82は1列目の吸着セル42内の圧電素子45を駆動し、吸着動作を行わせる。すなわち、1列目の吸着セル42(M個)をオンにする。この吸着セル42のオン後、紙葉類47はピックローラ41に従動する。ピックローラ41の回転が続き、2列目の吸着セル42が紙葉類47に接触すると、アクチュエータ制御部82は、2列目の吸着セル42内の圧電素子45も駆動し、2列目の吸着セル42(M個)をオンにする。以下、同様に、3〜N列目の吸着セル42(各列それぞれM個)が紙葉類47に接触すると、3〜N列目の吸着セル42を次々にオンにする。
【0046】
一方、各列の吸着セル42は、それぞれ、紙葉類47との接触開始位置から、ピックローラ41が角度θ回転したタイミングで、アクチュエータ制御部82により吸着を終了させられる。図8(b)は、1列目の吸着セル42が角度θ回転したためオフされ、紙葉類47が1列目の吸着セル42から解放された状態を示している。ピックローラ41の回転が続き、2列目の吸着セル42が角度θ回転すると、そのタイミングでアクチュエータ制御部82は2列目の吸着セル42内の圧電素子45の駆動も停止し、2列目の吸着セル42もオフにする。以下、同様に、3〜N列目の吸着セル42についても、それぞれ角度θ回転すると、そのタイミングでアクチュエータ制御部82が吸着セル42内の圧電素子45の駆動を停止し、3〜N列目の該当する列の吸着セル42を次々にオフする。
【0047】
このように、ピックローラ1に吸着した紙葉類47は、各吸着点が角度θ回転した位置でピックローラ1から分離され、ガイド74に案内され、搬送ローラ72,73のニップ部に向かうことになる。図8(c)は、繰り出された紙葉類47の先端部が搬送ローラ72,73のニップ部に到達した状態を示している。この状態に到達後は、紙葉類47は搬送ローラ72,73に挟まれて送り出されることになる。ピックローラ1は、この後も回転を続け、図8(a)の手前の回転位置まで回転して、次の繰り出し指令を待つことになる。
【0048】
図8(b)からわかるように、本形態例では、1列目の吸着セル42が角度θ回転した時点で、繰り出された紙葉類47の先端部が搬送ローラ72,73のニップ部に到達していない。このため、少なくとも、繰り出された紙葉類47の先端部が搬送ローラ72,73のニップ部に到達するまでは吸着セル42が紙葉類47を吸着しているように、角度範囲γ(列数N)を設定している。この角度範囲γさえ満たせば、吸着セル42の列の間隔を大きくしてもよく、極端な場合、N=2とすることも可能である。なお、ピックローラ41と搬送ローラ72,73との間隔や、ピックローラ41の外径によっては、1列目の吸着セル42が角度θ回転した時点で、繰り出された紙葉類47の先端部が搬送ローラ72,73のニップ部に到達している場合もあり、このような場合には、角度範囲γを小さくでき、N=1もあり得る。
【0049】
この形態例では、一番上の紙葉類47を吸着して他の紙葉類47から分離するために、摩擦係数や紙葉類47のこしの強さといった、変動の大きい因子の影響を受け難い。よって、多種多様な紙葉類47を、不送りや重送を発生させることなく1枚ずつ確実に分離して送り出せる。又、真空ポンプを使用しないために、繰り出し機構が大型化することもなく、紙葉類繰り出し機構を小型化できる。当然ながら、真空ポンプの騒音もない。
【0050】
又、吸着室の床面を形成する可撓膜が、ダイヤフラム44でなり、アクチュエータは、ダイヤフラム44の表面に設けられた圧電素子45でなるため、可撓膜の形成も容易であり、アクチュエータの形成も容易である。
【0051】
なお、上記のように各列の圧電素子45(M個)をまとめてオン/オフする場合においては、各列のM個の圧電素子45を共通の駆動回路に接続することで、圧電素子45毎に駆動回路を設ける場合に比べて、駆動回路数を1/Mにでき、アクチュエータ制御部82の構成を簡素にできる。
【0052】
本形態例では、紙葉類47の吸着力を各吸着セル42で個別に発生させるため、ピックローラ41と紙葉類47の密着度が低い領域があった場合でも、その領域にある吸着セル42の吸着力が低下するだけで、他の部分の吸着セル42は所定の吸着力を発生することができるので、障害の局在化を図れる。
【0053】
又、上記構成において、多数の吸着セル42を個別に制御するようにすれば、繰り出し動作に合わせて最適な吸着力の発生/解除を行うこともできる。さらに、サイズの異なる紙葉類47を繰り出すとき、用紙サイズに対応する吸着セル群だけを動作させることも可能である。このようにすれば、ピックローラ41に機械的な変更を施す必要がなく、用紙サイズの異なる紙葉類47への切り替え操作が簡単になる。
(第2の実施の形態例)
第2の実施の形態例は、吸着セルでの吸着の成否を判断するために、吸着室の内圧を検出する圧力検出手段を各吸着セルに設け、吸着不良を防止するようにしたもので、図9に特徴部分の具体例を示した。この形態例は、第1の実施の形態例のダイヤフラム44の表面に歪みゲージ80を形成したものである(他の構成は第1の実施の形態例と同様であるので、説明は省略する。なお、制御動作には相異があるが、以下の説明では、各部を示す符号をそのまま用いる)。歪みゲージ80は変形量に応じてその抵抗値が変化する性質を有する素子であり、歪みゲージ80の抵抗値からダイヤフラム44の湾曲の程度を検出することができる。
【0054】
圧電素子45に一定電圧を印加したときのダイヤフラム44の湾曲度は、吸着の度合いに依存し、吸着が良好なほど、湾曲度は小さくなる。そこで、本形態例におけるアクチュエータ制御部82は、圧電素子45へ電圧Eを印加すると共に歪みゲージ80の抵抗値Rを検出し、この抵抗値Rと閾値R0(紙葉類47を必要最小限の強度で吸着している時の吸着室43の内圧に対応する歪みゲージ80の抵抗値R0)とを比較する。そして、抵抗値Rが閾値R0以下であれば、ダイヤフラム44の湾曲度が小さく、紙葉類47を正常に吸着していると判定する。一方、抵抗値Rが閾値R0より大きい場合には、ダイヤフラム44の湾曲度が大きく、吸着が不十分であると判定し、必要であれば、吸着をリトライする。
【0055】
本形態例における繰り出し機構制御部81の動作の一例について、図10,図11の制御フローを用いて説明する。吸着セル42は、第1の実施の形態例で説明したように、ピックローラ41の軸方向にM個並んでおり、このM個の吸着セル42の列が円周方向にN列並んでいるので、その内のi列目の吸着セル42に注目して説明する。
【0056】
まず、図10を用いて吸着での動作を説明する。ピックローラ41の回転により(ステップS1)、i列目の吸着セル42が紙葉類47と接触すると(ステップS2)、i列目のM個の吸着セル42をオンにし(ステップS3)、許容できる個数α以上の吸着セル42が紙葉類47を正常に吸着しているかを判定する(ステップS4)。この条件を満たしていれば、次のi+1列目の吸着セル42の吸着へ移行する。
【0057】
一方、α個以上の吸着セル42が紙葉類47を正常に吸着していない場合には、ピックローラ41の回転を停止し(ステップS5)、図5におけるコイルばね61が押圧力F1+ΔF(二つのコイルばね61の合計)を発生するように、エンコーダ53の出力に基づきステージ64の位置を押し上げて、紙葉類47のピックローラ41への押し付け力をΔF増加させた後、圧電素子45への印加電圧Eを一旦零に戻してから再度電圧Eを印加して吸着をリトライする(ステップS6)。
【0058】
このリトライ後、再びα個以上の吸着セル42が紙葉類47を正常に吸着しているかを判定する(ステップS7)。この条件を満たしていれば、次のi+1列目の吸着セル42の吸着へ移る。
【0059】
一方、リトライ後もα個以上の吸着セル42が紙葉類47を正常に吸着していない場合には、紙葉類47のピックローラ41への押し付け力をさらにΔF増加させた後、圧電素子45への印加電圧Eを一旦零に戻してから再度電圧Eを印加して吸着をリトライし(ステップS6)、再びα個以上の吸着セル42が紙葉類47を正常に吸着しているかを判定する(ステップS7)。この条件を満たしていれば、次のi+1列目の吸着セル42の吸着へ移る。
【0060】
上記リトライをβ回繰り返しても、α個以上の吸着セル42が紙葉類47を正常に吸着していない場合には(ステップS8)、i列目で吸着力不足の吸着セル数λを吸着不足セル累計値(θの角度範囲内にある吸着セル42の中で、吸着不足に陥っている吸着セル42の総数)に加算し(ステップS9)、この累計値が閾値である吸着ミス判定値を越えたか否かを判断し(ステップS10)、越えない場合は、次のi+1列目の吸着セル42の吸着へ移る。しかし、越えた場合は、吸着ミス発生(吸着セル42全体としての吸着力不足の事態発生)と判定し(ステップS11)、障害処理へ移行する。
【0061】
次に、図11を吸着解除の動作を説明する。i列目のM個の吸着セル42をオンにしてから、ピックローラ41が角度θだけ回転すると(ステップS21)、i列目で吸着力不足の吸着セル数λを上記の吸着不足セル累計値から減算した後(ステップS22)、i列目のM個の吸着セル42をオフにし(ステップS23)、次のi+1列目の吸着セル42の吸着解除へ移る。
【0062】
本形態例によれば、各吸着セル42に圧力検出手段を配置し、吸着セル42毎に吸着の程度を検出して吸着不良に対応でき、紙葉類47を確実に吸着することができる。特に、リトライ手段を設けたことにより、一層、吸着不良を防止できる。
【0063】
又、紙葉類47を吸着した時の各圧力検出手段から得られる吸着力の空間分布を基に、吸着した紙葉類47のサイズを検出することもでき、このようにすれば、用紙サイズに合わせた繰り出し動作や印刷動作等を自動的に実行することもできる。
【0064】
なお、本形態例の場合、異なる押し付け力F0を設定する際に、垂直揺動アーム51の傾斜を変えることになる。しかし、ピックローラ41と搬送ローラ72,73及びガイド74の位置関係はできるだけ一定の方がよいので、コイルばね61としては、ばね定数のできるだけ大きいものを使用して、垂直揺動アーム51の揺動量を抑えることが望ましい。
(第3の実施の形態例)
図12は第3の実施の形態例の主要部を示す図である。この形態例は、アクチュエータ制御部82等に特徴がある。すなわち、アクチュエータ制御部82をマイクロチップ化し、これを各吸着セル42の近傍にそれぞれ1個ずつ配置したものである。アクチュエータ制御部82は担当する1個の吸着セル42に対して、先に述べた形態例での制御と同様の制御を行う。ピックローラ回転制御部83から各アクチュエータ制御部82への信号伝達は、1本の共通信号線を配線し、吸着セル42(アクチュエータ制御部82)識別用のアドレスと制御用データをペアにしてシリアル伝送している。同様に各アクチュエータ制御部82から繰り出し機構制御部81への信号伝達も1本の共通信号線を配線し、吸着セル42識別用のアドレスと制御用データをペアにしてシリアル伝送している。なお、各アクチュエータ制御部82とピックローラ回転制御部83と繰り出し機構制御部81の間に1本の共通信号線を配線して情報を伝達することもできる。
【0065】
図12の形態例では、各吸着セル42にアクチュエータ制御部82を配置したが、P個の吸着セル42を1グループにしてグループ毎にアクチュエータ制御部82を配置し、1個のアクチュエータ制御部82がP個の吸着セル42を個別に制御するように構成してもよい。
【0066】
各吸着セル42毎にアクチュエータ制御部82を配置した構成では、ピックローラ1外にあるピックローラ回転制御部83と繰り出し機構制御部81間の配線が数本で済むために、繰り出し機構の構成がさらに簡単になり、小型化できる。
(第4の実施の形態例)
本発明のさらに他の実施の形態例を図13に示す。図13に示した形態例は、ダイヤフラムのアクチュエータを静電気の吸引力を使用した静電アクチュエータとしたものである。この静電アクチュエータは、ダイヤフラム44の表面に設けられた可撓電極95と、可撓電極95と微小間隔をもって対向配置された状態で吸着セル42の背部空間内壁面(高剛性)に固着された固定電極96とを備え、可撓電極95・固定電極96間にアクチュエータ制御部82から正負の電圧を印加することにより、可撓電極95およびダイヤフラム44を図13の上方に湾曲させるものである。ダイヤフラム44と可撓電極95間、ならびに、吸着セル42の背部空間内壁と固定電極96間は、それぞれ、電気的に絶縁する。本形態例の他の部分の構成は第3の実施の形態例と同様であり、その説明は省略する。
(その他の実施の形態例)
本発明は上記形態例の構成に限られるものではない。たとえば、押し付け力F0を設定する機構は、図4および図5に示したもの以外にも数多く考えられ、図4および図5に示した構成に限定する必要はない。又、必ずしもこの押し付け力F0を一定値に制御する必要もない。さらに、吸着セルの開口形状やアクチュエータの外形も矩形に限らず、円形等であってもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、紙葉類を吸着することによって分離するため、紙葉類の摩擦係数やこしの強さといった変動要因の影響を受けにく、多種多様な紙葉類を、不送りや重送を発生させることなく1枚ずつ確実に分離して送り出せる紙葉類繰り出し機構を実現できる。又、真空ポンプを使用しないために、小型の紙葉類繰り出し機構を実現できる。
【0068】
請求項2や請求項3に係る発明によれば、可撓膜の形成も容易であり、アクチュエータの形成も容易である。請求項4に係る発明によれば、吸着の成否を容易に判断でき、吸着不良を防止できる。請求項5に係る発明によれば、リトライ手段を設けたことにより、一層、吸着不良を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を示す図である。
【図2】図1中の主要部の拡大図である。
【図3】紙葉類に対向した状態におけるピックローラの断面図(図2中のA−A切断線における断面図)である。
【図4】本発明の第1の実施の形態例を示す平面図である。
【図5】図4に示した実施の形態例の主要部を示す平面図である。
【図6】図4中のピックローラの断面図である。
【図7】吸着室の寸法図である。
【図8】繰り出し動作の説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態例の特徴部分を示す図である。
【図10】吸着動作の制御フローを示す図である。
【図11】吸着解除動作の制御フローを示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態例の特徴部分を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態例の特徴部分を示す図である。
【図14】従来の紙葉類繰り出し機構の一例を示す平面図である。
【図15】図14に示した紙葉類繰り出し機構の正面図である。
【図16】従来の紙葉類繰り出し機構の他の例を示す正面図である。
【符号の説明】
31,41 ピックローラ
32,42 吸着セル
33,43 吸着室
34 可撓膜
35 アクチュエータ
37,47 紙葉類
44 ダイヤフラム
45 圧電素子
48 連通孔
49 ダクト孔
50 駆動シャフト
51 垂直揺動アーム
52 ヒンジシャフト
53 エンコーダ
63 スタッカ
64 ステージ
69 モータ
80 歪みゲージ
81 繰り出し機構制御部
82 アクチュエータ制御部
83 ピックローラ回転制御部
95 可撓電極
96 固定電極
Claims (5)
- 積層された紙葉類をピックローラに当接させ、前記ピックローラの回転により紙葉類を一枚ずつ繰り出す紙葉類繰り出し機構であって、
前記ピックローラの表面には、前記ピックローラの表面に開口した吸着室と該吸着室の内壁面を形成する可撓膜と該可撓膜を変形させるアクチュエータとで構成された吸着セルが、前記ピックローラの軸方向に複数配設され、
前記ピックローラの回転による紙葉類の繰り出し時には、前記アクチュエータが駆動され、紙葉類が前記吸着セルに吸着されることを特徴とする紙葉類繰り出し機構。 - 前記可撓膜は、前記吸着室の床面を形成するダイヤフラムでなり、前記アクチュエータは、前記ダイヤフラム面に設けられた圧電素子でなることを特徴とする請求項1記載の紙葉類繰り出し機構。
- 前記可撓膜は、前記吸着室の床面を形成するダイヤフラムでなり、前記アクチュエータは、前記ダイヤフラム面に設けられた可撓電極と、該可撓電極に対向配置された固定電極とを備え、前記可撓電極・固定電極間に電圧を印加することにより前記可撓電極および前記ダイヤフラムを変形させるものでなることを特徴とする請求項1記載の紙葉類繰り出し機構。
- 前記ダイヤフラムに歪みゲージを設け、前記アクチュエータの駆動時における前記ダイヤフラムの変形量の大小を前記歪みゲージの出力から求め、吸着の成否を判断することを特徴とする請求項2又は3記載の紙葉類繰り出し機構。
- 積層された紙葉類が載せられる昇降可能なステージと、
少なくとも紙葉類の繰り出し開始時に前記ステージを上昇させて紙葉類を前記ピックローラに押圧する押圧手段と、
前記押圧手段により紙葉類が前記ピックローラに押圧された状態で前記アクチュエータを駆動し、紙葉類を前記吸着セルに吸着させるアクチュエータ制御部と、
前記歪みゲージの出力から前記アクチュエータ駆動時の吸着の成否を判断し、吸着に失敗した場合には、前記押圧手段での押圧力を増加させて再度前記アクチュエータを駆動するリトライ手段と
を有することを特徴とする請求項4記載の紙葉類繰り出し機構。
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