JP3909118B2 - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドラム内空間にブレーキシューが配備されるドラムブレーキ装置に関するもので、さらに詳しくは、前記ブレーキシューからのアンカー反力を受けるアンカー部の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両等に使用されるドラムブレーキ装置は、円筒形のドラム内空間に対向配備された一対のブレーキシューを、これらブレーキシューの一方の対向端間に配設されたホイールシリンダにより拡開させることで、ブレーキシューがドラムの内周に押し付けられた制動状態を得る。
【0003】
そして、このようなドラムブレーキ装置では、制動時にブレーキシューからのアンカー反力を受けるアンカー部が装備される。
このアンカー部としては、これまで、前記ホイールシリンダのシリンダボディ又はバッキングプレート等へ締結されるアンカーブロック上に、ブレーキシューの端部が当接するピン部を、鍛造や切削加工によりアンカーブロックと一体形成したものが普及している。
【0004】
前記アンカー部において、前記ブレーキシューの端部に当接する部位をピン部としているのは、前記ブレーキシューの端部からの押圧力によって捩じれなどの不適な力が作用しないようにするためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アンカー部のピン部は、ブレーキシューの端部の擦れや、ブレーキシューの端部から受ける押圧力で接触面が簡単に潰れたり、あるいは簡単に摩耗しないように、ブレーキシューとの接触面を滑らかに表面仕上げすると共に、十分な硬度を確保するための熱処理が必要となる。
【0006】
ところが、前述したように、ピン部をアンカーブロックに一体形成した従来のアンカー部の構造では、アンカーブロックが邪魔になって、高精度の機械加工や仕上げ加工が困難になったり、あるいはピン部の表面仕上げに専用の治具が必要になるという問題が生じ、さらに、ピン部のみ高周波照射して熱処理を施すと、熱処理加工に手間がかかるため、寸法の大きなアンカーブロックを含めて全体的に熱処理を施せば、熱処理用設備の大型化を招来する等の問題が生じ、いずれにしても結果的に、ブレーキ装置の生産コストを高騰させるという問題があった。
【0007】
そして、ドラムブレーキ装置が、いわゆるデュオサーボ式の場合は、前述したピン部が二つ必要になり、アンカーブロック上にピン部を一体形成する従来のアンカー部の構造では、アンカー部の大型化や構造の複雑化が増して、前述した問題が一段と顕著になる傾向にあった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、寸法精度が高く、高品質のアンカー部を得ることができ、しかも生産コストを低減できるドラムブレーキ装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係るドラムブレーキ装置は、ドラム内空間に対向配備された一対のブレーキシューと、これらのブレーキシューの一方の対向端間に配設されたホイールシリンダと、前記ホイールシリンダと同じ側に配設され、前記ブレーキシューの端部が当接するピン部を備えてアンカー反力を受けるアンカー部とを有するドラムブレーキ装置であって、前記アンカー部が、前記ブレーキシューを前記ドラムに向けて進退自在に支持するバッキングプレートに取り付けられるアンカーブロックと、該アンカーブロックの両端部それぞれ形成された嵌合孔に嵌着して前記ピン部として機能する略円柱状のアンカーピンとを具備し、前記アンカーブロックは前記嵌合孔同士で挟まれる中間部を隆起させて側面視形状が凸形になされ、前記嵌合孔に嵌着した前記アンカーピンの外周面を部分的に突出させて前記ブレーキシューの端部を当接可能にすると共に、前記ブレーキシューの端部が当接する外周面と反対側で前記アンカーピンの外周面に当接して該アンカーピンを支える当接壁が装備されていることを特徴とするものである。
【0010】
そして、上記構成によれば、アンカー部を構成するアンカーブロックと、アンカーピンは、別体品として形成されるため、アンカーピンの機械加工や仕上げ加工の際に、アンカーブロックが邪魔になることがない。また、アンカーピンは、例えば、単純な円柱状とすることができ、ブレーキシューとの接触面となる外周面の表面仕上げも、専用の治具を使用せずとも、容易かつ高精度に実施可能になる。また、アンカーブロックは、その両端部に配設される一対のアンカーピンで挟まれた中間部を隆起させて側面視形状を凸形としたことにより、アンカーピンの外周面を部分的に突出させてブレーキシューの端部が、アンカーブロック内のアンカーピンに当接可能になされているので、ドラム軸線方向に対応した高さ寸法及びドラムの周方向に対応した幅寸法を小さくして、アンカー部が大型化するのを回避できる。さらに、アンカーブロックにはブレーキシューの端部が当接する外周面と反対側でアンカーピンを支える当接壁が装備されていて、ブレーキシューからアンカーピンに作用するアンカー反力が、この当接壁で受け止められて効率良く分散させることができる。従って、例えば、アンカーピンを細くしてもアンカー反力に耐える十分な強度の確保が容易になり、アンカーピンの小径化等により、アンカー部の小型・軽量化を図ることも可能になる。さらに、ブレーキシューの端部との接触のために硬度が要求されるピン部のみに熱処理を実施することができ、熱処理用の設備の小型化を図ることができる。
【0011】
また、ドラムブレーキ装置がいわゆるデュオサーボ式の場合は、前記アンカーピンを嵌着する前記アンカーブロック上の嵌合孔を、一対のブレーキシューの対向端間の寸法に合わせて、一対装備すればよく、比較的簡単に、アンカーピンが一対装備されたダブルアンカー式のアンカー部を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るドラムブレーキ装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至図4は本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態を示したもので、図1はドラムブレーキ装置の正面図、図2は図1に示したドラムブレーキ装置におけるアンカー部の拡大図、図3は図1に示したドラムブレーキ装置におけるアンカー部の拡大斜視図、図4は図1に示したドラムブレーキ装置におけるホイールシリンダの縦断面図である。
【0013】
このドラムブレーキ装置1は、所謂デュオサーボ式と呼ばれるもので、円筒形のドラム内の空間に対向配備されるプライマリ・シュー3とセカンダリ・シュー4との一対のブレーキシュー3、4と、これらの一対のブレーキシュー3、4の一方の対向端間に配設されて各ブレーキシュー3、4を拡開するホイールシリンダ5と、これらの一対のブレーキシュー3、4の他方の対向端間に配設されてプライマリ・シュー3の出力をセカンダリ・シュー4に入力するアジャスタ6と、これらの構成部材を支持するバッキングプレート7と、前記ブレーキシュー3、4の一方の対向端間に配設されると共にこれら各ブレーキシュー3、4の端部が当接するピン部を備えて前記ブレーキシュー3、4からアンカー反力を受けるアンカー部9とを備えている。
【0014】
一対のブレーキシュー3、4は、ドラムの内周面に沿う円弧板状のリム3a、4aと、これらのリム3a、4aから内径側に張り出したウェブ3b、4bと、前記リム3a、4aの外周に貼着されたライニング3c、4cとからなる。そして、それぞれのブレーキシュー3、4は、ドラムの内周面に向かって進退自在に、バッキングプレート7に取り付けられている。
また、バッキングプレート7上の一対のブレーキシュー3、4の互いに対向した各端部同士は、不図示のリターンスプリングによって、互いに接近する方向(即ち、ドラムから離間する方向)に付勢されている。
【0015】
前記バッキングプレート7上には、駐車ブレーキを構成するストラットや、パーキングレバーも組込まれ、前記一対のブレーキシュー3、4は前記パーキングレバーの操作によってもドラムに押圧可能にされている。
【0016】
前記アジャスタ6は、各ブレーキシュー3、4のライニング3c、4cの摩耗の進行に応じて、これらのブレーキシュー3、4の端部間の間隔を調整するものである。アジャスタスプリングにより先端がアジャスタ上の調整用歯車6aに当接された不図示のアジャスタレバーの動作で、ブレーキシュー3、4の端部間の間隔を自動調整するように構成されている。
【0017】
前記アンカー部9は、前記バッキングプレート7に取り付けられるアンカーブロック91と、該アンカーブロック91の両端部にそれぞれ形成された嵌合孔92、93に嵌着して前記ピン部として機能する円柱状のアンカーピン95、96とを具備した構成からなる。
して、前記アンカーブロック91は、金属ブロックの切削加工あるいは鍛造により形成した一体品であり、前記嵌合孔92、93間の中間に取付孔が貫通形成されていて、該取付孔に圧入されたスプリングエンド98により前記バッキングプレート7に固定されている。
【0018】
前記セカンダリ・シュー4側に位置するアンカーピン96には、制御用てこ部材25を介して、前記セカンダリ・シュー4の端部が当接されている。また、前記プライマリ・シュー3側に位置するアンカーピン95には、前記プライマリ・シュー3の端部が直接的に当接されている。
前記ドラムブレーキ装置1において、前進走行時におけるドラムの回転方向は、図中の矢印(イ)方向である。従って、前記アンカーピン96は、前進走行中の制動時に、セカンダリ・シュー4から制御用てこ部材25を介してアンカー反力を受ける。また、アンカーピン95は、後進走行中の制動時に、プライマリ・シュー3からアンカー反力を受ける。
【0019】
前記アンカーピン95、96は、軸線をドラム軸線方向に向けた単純な円柱状で、前記嵌合孔92、93に圧入されることで、アンカーブロック91に一体化されると共に、その外周面をアンカーブロック91より部分的に突出させて、プライマリ・シュー3及び制御用てこ部材25を当接可能にしている。前記プライマリ・シュー3の端部の前記アンカーピン95との接触面は、前記アンカーピン95の外周面よりも僅かに径の大きな凹円弧面とされている。また、前記制御用てこ部材25のアンカーピン96に対する接触面は、前記アンカーピン96の外周面よりも僅かに径の大きな凹円弧面とされている。更に、セカンダリ・シュー4の端部に対する前記制御用てこ部材25の接触面25aは凸状の円弧面に形成され、この接触面25aに対するセカンダリ・シュー4の端部の接触面は、前記接触面25aよりも僅かに径の大きな凹円弧面とされている。
【0020】
また、前記アンカーブロック91には、各ブレーキシュー3、4の端部と前記アンカーピン95、96を挟んで対向するように、それぞれのブレーキシュー3、4の反対側から前記アンカーピン95、96の外周面に当接して、それぞれのアンカーピン95、96を支える当接壁100、101が装備されている。これらの当接壁100、101は、前記嵌合孔92、93同士で挟まれるアンカーブロック91の中間部を隆起させて、前記アンカーブロック91の側面視形状を凸形にすることによって提供されている。
【0021】
前記ホイールシリンダ5は、ブレーキの効きの安定性が低いという従来のデュオサーボ式のドラムブレーキ装置の難点を解消するために、工夫を凝らしたものである。
具体的には、前記ホイールシリンダ5は、図4に示すように、基端を圧力室10に臨ませると共に先端を一方のブレーキシュー3の端部に向けて設けられて前記圧力室10に供給される液圧によって前記ブレーキシュー3の端部に向けて進退駆動されるシュー駆動ピストン12と、後述のシリンダボディ29のシリンダ壁30によって前記圧力室10の背部に画成されてブレーキ操作に応じた液圧を発生するマスタシリンダ(M/C)からの液圧を受ける制御室16と、前記シュー駆動ピストン12に対して略同一軸線上を他方のブレーキシュー4に向かって進退可能なように基端を前記制御室16に臨ませると共に先端を他方のブレーキシュー4の端部側に向けて設けられた制御ピストン17と、前記制御ピストン17に穿設された液通路19と前記シリンダ壁30に穿設された液通路22とを順に経て前記圧力室10と制御室16とを連通させる連絡流路24と、前記制御室16内に装備されて前記制御ピストン17の液通路19を開閉する弁体27と、前述の各ピストン12、17を摺動可能に支持すると共に前述の圧力室10及び制御室16を提供している前記シリンダボディ29とを備えた構成からなる。
【0022】
前記シュー駆動ピストン12は、その外周部にシール溝に装備された環状のシール部材31を介して、前記シリンダボディ29に液密に摺動可能に保持されている。また、シュー駆動ピストン12は、前記圧力室10に圧装された不図示のスプリング(圧縮コイルばね)によって、ブレーキシュー3側に付勢されている。前記シュー駆動ピストン12の先端側は、ピストンロッド32と、入力レバー33とを介して、前記ブレーキシュー3の端部に当接されている。前記ピストンロッド32は、前記シュー駆動ピストン12に接触する端部が凸球面32aに形成されている。そして、前記シュー駆動ピストン12の先端には、前記凸球面32aが回転可能に接触する凹球面12aが形成されている。このように、シュー駆動ピストン12とピストンロッド32とを球面接触にすることで、制動動作時に、シュー駆動ピストン12に不都合な捩れ力の作用を抑制することができる。
【0023】
前記制御ピストン17は、先端側がスリーブ34に摺動可能に嵌合している。このスリーブ34は、シリンダボディ29に嵌合している。スリーブ34とシリンダボディ29との間は、スリーブ34の外周部のシール溝に装備された環状のシール部材36によって液密に保持されている。また、スリーブ34は、前記シリンダボディ29に嵌合している係止リング37によって、ブレーキシュー4側への移動が規制される。また、前記制御ピストン17は、前記スリーブ34の先端部の縮径部34aに当接することによって、ブレーキシュー4側への移動が制限される。
前記制御ピストン17の先端側外周には、環状のシール部材39が嵌合装備され、該シール部材39によって、制御ピストン17とスリーブ34との間の液密が保持される。
【0024】
前記制御ピストン17の基端側外周には、環状のシール部材40が嵌合装備され、該シール部材40によって、前記制御室16を画成しているシリンダ壁30と制御ピストン17との間の液密が保持される。
前記シール部材40は、前記制御室16が前記制御ピストン17の周囲のクリアランスにより前記連絡流路24と連通状態になることを防止する。但し、このシール部材40は、開口部を制御室16側に向けたカップシールで、圧力室10側の液圧が所定以上になると、前記制御ピストン17の周囲の封止を解いて、圧力室10から制御室16への作動液の戻りを許容する逆止弁としても機能する。
【0025】
前記制御ピストン17は、制御室16内に圧装された不図示のセットスプリング(圧縮コイルばね)によって、ブレーキシュー4側に付勢されている。そして、この制御ピストン17の先端には、ピストンロッド42が嵌合装備されている。
このピストンロッド42には、前記アンカーピン96とブレーキシュー4の端部との間に挟持された制御用てこ部材25の一端部が当接されていて、前記ブレーキシュー4からのアンカー反力が前記制御用てこ部材25を介して作用する。
【0026】
前記制御用てこ部材25は、前記ブレーキシュー4との接触点P2に作用するアンカー反力によって、前記アンカーピン96との接触点P1を支点として回動し、前記ピストンロッド42との接触点P3にアンカー反力を伝達する。その際、各接触点P1、P2、P3によって設定されるてこ比に応じて、ピストンロッド42に伝達するアンカー反力を低減させる。
【0027】
前述のピストンロッド32、42とシリンダボディ29との間には、シリンダボディ29内への異物の侵入を防止するためのブーツ44、45が組み付けられている。
【0028】
前記弁体27は、前記制御用てこ部材25、ピストンロッド42を介して制御ピストン17に伝達されるアンカー反力が、制御ピストン17に作用する制御室16内の液圧よりも大きくなって、アンカー反力によって制御ピストン17が弁体27側に変位すると、前記制御ピストン17に穿設されている液通路19を閉塞するもので、ゴム材料により一体成形された弁本体48と、該弁本体48に嵌着された金属製のホルダー49とから構成されている。
【0029】
そして、前記弁本体48は、前記液通路19の開口端に形成されたすり鉢形の弁座部50に着座して液通路19を塞ぐ略半球形の弁頭部51と、該弁頭部51の基端側に連なると共に外径が前記弁頭部51よりも大きな柱状の把持部52とを具備した構成からなっている。
さらに、前記把持部52の途中には、前記液通路19側に向けた付勢力を受ける鍔部54が装備されている。
【0030】
前記ホルダー49は、中央には前記弁頭部51を挿通させる開口が形成された円盤状をなして前記弁頭部51と把持部52との境界部の段差部に面接触する端面被覆部57と、該端面被覆部57の周縁部から延出して前記把持部52の外周に嵌合する筒状部58と、該筒状部58の周端部から径方向に張り出して前記鍔部54に当接する鍔部当接部60とを具備した構成を成している。
【0031】
以上の弁体27は、前記制御ピストン17を付勢している不図示のセットスプリングによって前記制御室16の内底部に押圧固定された弁保持用スリーブ62によって、前記液通路19側に摺動可能に保持され、且つ、前記弁保持用スリーブ62内に装備された不図示のスプリング(圧縮コイルばね)により、前記液通路19側に付勢されている。
前記弁保持用スリーブ62は、液通路19側の端面に、前記ホルダー49の鍔部当接部60が当接することによって、前記弁体27の最大突出位置を規制する係止部64を有している。
【0032】
以上のホイールシリンダ5では、例えば前進走行時に、セカンダリ・シュー4からのアンカー反力がマスタシリンダからの入力(制御室16内の液圧)に対して所定の倍率に達すると、てこ部材25を介してこのアンカー反力を先端に受けている制御ピストン17が制御室16側に変位する。この制御ピストン17の変位によって、制御ピストン17に穿設した液通路19が前記弁体27によって閉じられ、圧力室10内の液圧を一定に保つ。
そのため、入力に対して一定倍率のアンカー反力を安定して得られるようになり、従来のデュオサーボ式が保有していたブレーキの効きの安定性が低いという重大な問題を解消することができる。
【0033】
そして、以上のドラムブレーキ装置1の場合、アンカー部9を構成するアンカーブロック91と、アンカーピン95、96は、別体品として形成されるため、アンカーピン95、96の機械加工や仕上げ加工の際に、アンカーブロック91が邪魔になることがない。
また、アンカーピン95、96は、上記実施形態のように単純な円柱状とすることができ、ブレーキシューとの接触面となる外周面の表面仕上げも、専用の治具を使用せずとも、容易かつ高精度に実施可能になる。
【0034】
また、アンカーブロック91は、その両端部に配設される一対のアンカーピンで挟まれた中間部を隆起させて側面視形状を凸形としたことにより、アンカーピンの外周面を部分的に突出させてブレーキシューの端部が、アンカーブロック内のアンカーピンに当接可能になされているので、ドラム軸線方向に対応した高さ寸法及びドラムの周方向に対応した幅寸法を小さくして、アンカー部が大型化するのを回避できる。さらに、アンカーブロック91にはブレーキシューの反対側からアンカーピン95、96を支える当接壁100、101が装備されていて、ブレーキシューからアンカーピン95、96に作用するアンカー反力は、この当接壁100、101で受け止められて、アンカーブロック91に効率良く分散させることができる。従って、例えば、アンカーピン95、96を細くしてもアンカー反力に耐える十分な強度の確保が容易になり、アンカーピン95、96の小径化等を図ることができる。さらに、ブレーキシューの端部との接触のために硬度が要求されるピン部のみに熱処理を実施することが可能になる。
【0035】
また、ドラムブレーキ装置がいわゆるデュオサーボ式の場合は、前記アンカーピン95、96を嵌着する前記アンカーブロック91上の嵌合孔を、一対のブレーキシューの対向端間の寸法に合わせて、一対装備すればよく、比較的簡単に、アンカーピン95、96が一対装備されたダブルアンカー式のアンカー部9を得ることができる。
【0036】
なお、アンカー反力を受けるアンカー部と、ブレーキシューの端部に当接するアンカーピンと、該アンカーピンが嵌着されるアンカーブロックとに分けるという本発明の思想は、装備するアンカーピンが単一のシングルアンカー式のアンカー部にも適用可能であることは、言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
本発明のドラムブレーキ装置によれば、アンカー部を構成するアンカーブロックと、アンカーピンは、別体品として形成されるため、アンカーピンの機械加工や仕上げ加工の際に、アンカーブロックが邪魔になることがない。また、アンカーピンは、例えば、単純な円柱状とすることができ、ブレーキシューとの接触面となる外周面の表面仕上げも、専用の治具を使用せずとも、容易かつ高精度に実施可能になる。
【0038】
また、アンカーブロックは、その両端部に配設される一対のアンカーピンで挟まれた中間部を隆起させて側面視形状を凸形としたことにより、アンカーピンの外周面を部分的に突出させてブレーキシューの端部が、アンカーブロック内のアンカーピンに当接可能になされているので、ドラム軸線方向に対応した高さ寸法及びドラムの周方向に対応した幅寸法を小さくして、アンカー部が大型化するのを回避できる。さらに、アンカーブロックにはブレーキシューの反対側からアンカーピンを支える当接壁が装備されていて、ブレーキシューからアンカーピンに作用するアンカー反力は、アンカーブロックに効率良く分散させることができる。従って、例えば、アンカーピンを細くしてもアンカー反力に耐える十分な強度の確保が容易になり、アンカーピンの小径化等により、アンカー部の小型・軽量化を図ることも可能になる。さらに、ブレーキシューの端部との接触のために硬度が要求されるピン部のみに熱処理を実施することができ、熱処理用の設備の小型化を図ることができる。
【0039】
また、ドラムブレーキ装置がいわゆるデュオサーボ式の場合は、前記アンカーピンを嵌着する前記アンカーブロック上の嵌合孔を、一対のブレーキシューの対向端間の寸法に合わせて、一対装備すればよく、比較的簡単に、アンカーピンが一対装備されたダブルアンカー式のアンカー部を得ることができる。
【0040】
以上のように、アンカー部を小型・軽量化することができ、また、構成部品の加工性が向上すると同時に、熱処理の施工が必要最小限で済むため、寸法精度が高く、高品質のアンカー部を安価に得ることができて、ブレーキ装置としての生産コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドラムブレーキ装置の一実施形態の正面図である。
【図2】図1のドラムブレーキ装置におけるアンカー部の拡大図である。
【図3】図1のドラムブレーキ装置におけるアンカー部の拡大斜視図である。
【図4】図1のドラムブレーキ装置におけるホイールシリンダの縦断面図である。
【符号の説明】
1 ドラムブレーキ装置
3 プライマリ・シュー(ブレーキシュー)
4 セカンダリ・シュー(ブレーキシュー)
5 ホイールシリンダ
6 アジャスタ
7 バッキングプレート
9 アンカー部
10 圧力室
12 シュー駆動ピストン
16 制御室
17 制御ピストン
19、22 液通路
24 連絡流路
25 制御用てこ部材
27 弁体
29 シリンダボディ
30 シリンダ壁
31 シール部材
32 ピストンロッド
33 入力レバー
34 スリーブ
36、39、40 シール部材
37 係止リング
91 アンカーブロック
92、93 嵌合孔
95、96 アンカーピン
98 スプリングエンド
100、101 当接壁

Claims (1)

  1. ドラム内空間に対向配備された一対のブレーキシューと、これらのブレーキシューの一方の対向端間に配設されたホイールシリンダと、前記ホイールシリンダと同じ側に配設され、前記ブレーキシューの端部が当接するピン部を備えてアンカー反力を受けるアンカー部とを有するドラムブレーキ装置であって、
    前記アンカー部が、前記ブレーキシューを前記ドラムに向けて進退自在に支持するバッキングプレートに取り付けられるアンカーブロックと、該アンカーブロックの両端部それぞれ形成された嵌合孔に嵌着して前記ピン部として機能する略円柱状のアンカーピンとを具備し、
    前記アンカーブロックは前記嵌合孔同士で挟まれる中間部を隆起させて側面視形状が凸形になされ、前記嵌合孔に嵌着した前記アンカーピンの外周面を部分的に突出させて前記ブレーキシューの端部を当接可能にすると共に、前記ブレーキシューの端部が当接する外周面と反対側で前記アンカーピンの外周面に当接して該アンカーピンを支える当接壁が装備されていることを特徴とするドラムブレーキ装置。
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