JP2001012518A - ディスクブレーキ - Google Patents

ディスクブレーキ

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JP2001012518A
JP2001012518A JP11186553A JP18655399A JP2001012518A JP 2001012518 A JP2001012518 A JP 2001012518A JP 11186553 A JP11186553 A JP 11186553A JP 18655399 A JP18655399 A JP 18655399A JP 2001012518 A JP2001012518 A JP 2001012518A
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lamp
shaft
caliper
cover
cylinder
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Shinichi Nakayama
信一 中山
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボールランプ機構のランプカバーをキャリパ
と別体に設けることにより、部品点数の削減、構造の簡
略化を図る。 【解決手段】 ボールランプ機構18のランプカバー1
9を取付ボルト28等によってキャリパ2に取付け、ボ
ール−ランプ式のディスクブレーキを構成する。そし
て、車両の手動ブレーキ等により回動レバー26を回動
したときには、ボール25によりランプシャフト22、
プッシュロッド12、ナット10、ピストン8等を介し
て摩擦パッド9をディスクDに押付ける。また、回動レ
バー26の突起部26Aを取付ボルト28に当接させる
ことにより、ランプシャフト22の初期位置等を規制す
る。一方、ボールランプ機構18をキャリパ2から取外
してカム機構等と交換することにより、カム−ストラッ
ト式のディスクブレーキを構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両等に制
動力を与えるのに好適に用いられるディスクブレーキに
関し、特に、通常のサービスブレーキとしても、また駐
車ブレーキとしても用いられる構成としたディスクブレ
ーキに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等の車両に用いられるデ
ィスクブレーキとしては、車両の走行中にブレーキ液圧
によって作動する通常のサービスブレーキとなり、車両
の停車中等には運転者の手動操作等によって作動する駐
車ブレーキとなるように構成されたものが知られている
(例えば、特開平10−153227号公報等)。
【0003】そして、この種の従来技術によるディスク
ブレーキは、キャリパのピストンが収納される有底のシ
リンダと、前記ピストンを機械的に進退させるために、
該シリンダ内で一端側が前記ピストンと係合して設けら
れたプッシュロッドと、該プッシュロッドの他端側に位
置して前記キャリパ内に設けられ、該プッシュロッドを
前記ピストンに向けて押動するカム機構とからなり、カ
ム−ストラット式と呼ばれるディスクブレーキを構成し
ている。
【0004】ここで、キャリパはアルミダイキャスト等
の手段により一体物として形成され、その内部には、ピ
ストン、プッシュロッド、カム機構等が収容されてい
る。また、カム機構は、ワイヤ等を用いて車両の手動ブ
レーキに連結されている。
【0005】そして、例えば車両の走行中にディスクブ
レーキを通常のサービスブレーキとして使用するときに
は、運転者がブレーキペダル等を操作すると、外部から
キャリパのシリンダ内に供給されるブレーキ液圧等によ
ってピストンが摺動変位し、このときピストンは摩擦パ
ッドをディスクに押圧して車両に制動力を与える。
【0006】また、車両の停車中等に駐車ブレーキとし
て使用するときには、運転者が手動ブレーキ等を操作す
ると、カム機構が回動しつつプッシュロッドをピストン
に向けて押動する。この結果、プッシュロッドは、ピス
トンを介して摩擦パッドをディスクに押付けるようにな
り、車両に制動力が与えられる。
【0007】これに対し、他の従来技術として、カム機
構に代えてボールランプ機構を用いる構成としたボール
−ランプ式と呼ばれるディスクブレーキが知られている
(例えば、特表平3−503202号公報等)。
【0008】この場合、ボールランプ機構は、キャリパ
に回動可能でかつ軸方向に摺動可能に設けられたランプ
シャフトと、該ランプシャフトに付設された複数のボー
ルとから構成されている。そして、ランプシャフトは、
一端側がプッシュロッドを軸方向に押圧する押圧板部と
なってキャリパ内に設けられ、他端側がキャリパに摺動
可能に支持され外部に突出する軸部となっている。
【0009】また、例えばランプシャフトの押圧板部に
は、その回動方向に沿って溝深さが漸次変化する傾斜溝
が設けられ、各ボールは、この傾斜溝とキャリパの内側
面に設けられたボール嵌合溝との間に転動可能に配置さ
れている。さらに、ランプシャフトの軸部突出端側に
は、車両の手動ブレーキに連結された回動レバーが一体
に設けられている。
【0010】そして、駐車ブレーキとしての使用時に
は、この回動レバーを介してランプシャフトが回動され
ると、各ボールは、ランプシャフトの傾斜溝に沿って転
動しつつキャリパの内側面との間で傾斜溝から軸方向に
突出する。この結果、ランプシャフトは軸方向に移動
し、その押圧板部がプッシュロッド、ピストンを介して
摩擦パッドをディスクに押圧する構成となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるカム−ストラット式のディスクブレーキ
は、駐車ブレーキとして使用するときに、キャリパに設
けられたカム機構によりプッシュロッドを介してピスト
ンを押動する構成となっている。
【0012】しかし、この方式のディスクブレーキは、
運転者が手動ブレーキ等によりカム機構を回動させると
きの操作力と比較して、この操作力によりカム機構が回
動して摩擦パッドをディスクに押圧するときの押圧力が
小さくなる傾向がある。
【0013】このため、カム−ストラット式のディスク
ブレーキは、駐車ブレーキとしての使用時に大きな制動
力を発生するのが難しく、例えば車重が大きい大型車両
等に対しては適用できないという問題がある。
【0014】これに対し、ボール−ランプ式のディスク
ブレーキは、重量の大きい大型車両等に対して適用でき
るが、部品点数が増加し、ランプシャフト、複数のボー
ル等により構造が複雑となって組付け時の作業性が悪い
という問題がある。
【0015】また、ボール−ランプ式とカム−ストラッ
ト式のディスクブレーキを適用車種の重量等に応じて使
い分けるようにした場合には、ブレーキの製造ライン等
においてブレーキ全体としての部品点数が増加するとい
う問題もある。
【0016】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、駐車ブレーキとして制
動力を効率よく発生でき、部品点数を削減して構造を簡
略化できると共に、組立時の作業性、メンテナンス性を
向上できるようにしたディスクブレーキを提供すること
を目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、キャリパのピストンが収納される有底
のシリンダと、前記ピストンを機械的に進退させるため
に、該シリンダ内で一端側が前記ピストンと係合し、他
端側が該シリンダの底部から外部に臨んで設けられたプ
ッシュロッドと、該プッシュロッドの他端側を外側から
覆うように前記シリンダの底部に取付けられ、前記シリ
ンダの底部との間にランプ収容空間を形成したランプカ
バーと、一端側が前記プッシュロッドを軸方向に押圧す
る押圧板部となって該ランプカバーのランプ収容空間に
設けられ、他端側が該ランプカバーに回動可能に設けら
れた軸部となったランプシャフトと、該ランプシャフト
の押圧板部と前記ランプカバーの内側面のうち少なくと
も一方に設けられ、該ランプシャフトの回動方向に沿っ
て溝深さが漸次変化した傾斜溝と、該傾斜溝と前記ラン
プカバーとの間に転動可能に設けられ、前記ランプシャ
フトの回動変位により前記押圧板部に対して押圧力を発
生させるボールと、前記ランプシャフトの軸部に取付け
られ、前記ランプカバーの外側から前記ランプシャフト
を回動操作する回動レバーと、前記シリンダに対して前
記ランプカバーを固定すると共に、前記ランプカバーの
外部へと突出し該回動レバーの回動範囲を規制するスト
ッパ兼用の固定部材とからなる構成を採用している。
【0018】このように構成することにより、例えばデ
ィスクブレーキを駐車ブレーキとして使用する場合に
は、車両の手動ブレーキ等により回動レバーを介してラ
ンプシャフトを回動し、その傾斜溝等から突出したボー
ルによりランプカバーとの間でランプシャフトを軸方向
に押動することができる。これにより、ランプシャフト
は、プッシュロッド、ピストンを介して摩擦パッドをデ
ィスクに押圧することができる。また、固定部材を用い
てランプカバーをキャリパに固定できると共に、回動レ
バーの回動範囲を固定部材によって規制することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、自
動車等の車両に用いられるディスクブレーキを例に挙
げ、図1ないし図5に従って詳細に説明する。
【0020】1は車両の非回転部分に取付けられる取付
部材、2は該取付部材1により一対の摺動ピン3,3等
を用いてディスクDの軸方向に摺動可能に支持されたキ
ャリパで、該キャリパ2には、図1、図2に示す如く、
ディスクDを跨ぐようにインナ脚部2Aとアウタ脚部2
Bとが設けられている。
【0021】また、インナ脚部2Aには、後述するシリ
ンダ5の底部側に位置してランプカバー19を取付ける
カバー取付部2Cが設けられている。そして、このカバ
ー取付部2Cには、後述の取付ボルト28,29,30
を螺着する例えば3個のボルト穴4,4,…(1個のみ
図示)が穿設されている。
【0022】5はキャリパ2のインナ脚部2Aに設けら
れた有底のシリンダで、該シリンダ5はディスクDに面
してインナ脚部2Aの一側に開口している。また、イン
ナ脚部2Aの他側には、シリンダ5の底部側に位置して
段付きの取付穴6と、該取付穴6よりも奥所側に位置し
てカバー取付部2Cの外側面に開口するロッド挿嵌穴7
とが設けられている。なお、シリンダ5は、マスタシリ
ンダ等に接続されるブレーキ液の供給口(いずれも図示
せず)と連通している。
【0023】8はキャリパ2のシリンダ5内に摺動可能
に収納された有底筒状のピストンで、該ピストン8は、
図2に示す如く、マスタシリンダからシリンダ5内にブ
レーキ液圧が供給されることによって摺動変位し、キャ
リパ2のアウタ脚部2Bとの間で摩擦パッド9,9をデ
ィスクDの両面に押圧するものである。
【0024】10はピストン8の内周側に回転可能に配
設されたナットで、該ナット10は後述するプッシュロ
ッド12の多条ねじ12Aに相対変位可能に螺合してい
る。そして、ピストン8がブレーキ液圧によりシリンダ
5内を摺動変位するときには、ナット10が後述の回転
制御装置11によりピストン8に追従して軸方向に変位
しつつ、ピストン8とプッシュロッド12に対して相対
回転する。
【0025】また、車両の手動ブレーキ(図示せず)等
によってプッシュロッド12が軸方向に押動されるとき
には、その多条ねじ12Aによってナット10がピスト
ン8に回転することなく押付けられ、このときピストン
8は軸方向に摺動変位する。
【0026】11はピストン8とナット10との間に設
けられた回転制御装置で、該回転制御装置11は、ピス
トン8がブレーキ液圧によって摺動するときにピストン
8とナット10との相対回転を許し、プッシュロッド1
2が軸方向に押動されるときには、これらの相対回転を
規制するものである。
【0027】12はピストン8を機械的に進退させるプ
ッシュロッドで、該プッシュロッド12は、その一端側
に位置してナット10に螺合した多条ねじ12Aと、該
多条ねじ12Aの他端側に一体形成され、キャリパ2の
ロッド挿嵌穴7内に摺動可能に挿嵌された摺動軸部12
Bとからなり、プッシュロッド12は、キャリパ2の取
付穴6内に固定されたキープレート13により回転が規
制されている。
【0028】また、摺動軸部12Bとキャリパ2との間
には、プッシュロッド12をピストン8から離れる方向
に付勢する圧縮ばね14がリテーナ15、ばね受16等
を用いて取付けられている。さらに、摺動軸部12Bの
他端側は、キャリパ2のロッド挿嵌穴7から後述のラン
プ収容空間20内に突出し、その突出側端面には、高強
度の金属球等からなる球状の当接子17が遊嵌されてい
る。
【0029】そして、プッシュロッド12は、後述のラ
ンプシャフト22により当接子17を介して押動され、
圧縮ばね14に抗して摺動変位しつつピストン8を摩擦
パッド9に押付けるものである。
【0030】18はキャリパ2のインナ脚部2Aに設け
られたボールランプ機構で、該ボールランプ機構18
は、図1、図2に示す如く、後述のランプカバー19
と、ランプシャフト22と、ボール25,25,…と、
取付ボルト28,29,30とから構成されている。
【0031】19はキャリパ2のカバー取付部2Cに着
脱可能に設けられたランプカバーで、該ランプカバー1
9は、キャリパ2のロッド挿嵌穴7を覆う有底円筒状体
として形成され、その外周側には、径方向外向きに張出
す3個の張出板部19A,19A,…が一体に設けられ
ている。そして、ランプカバー19は、キャリパ2のカ
バー取付部2Cに各張出板部19Aを当接させた状態で
取付ボルト28,29,30を用いてキャリパ2に着脱
可能に取付けられている。
【0032】ここで、ランプカバー19は、図2に示す
如く、キャリパ2のカバー取付部2Cとの間にランプ収
容空間20を形成している。また、ランプカバー19に
は、図4に示す如く、ランプシャフト22が回動可能で
かつ軸方向に摺動可能に挿嵌される挿嵌穴19Bと、該
挿嵌穴19Bの外周側に形成され、後述のシール部材3
2が装着される環状のシール溝19Cとが設けられてい
る。
【0033】また、ランプカバー19には、後述する傾
斜溝24,24,…との間にボール25,25,…が嵌
合される半凹球面状のボール嵌合溝21,21,…(1
個のみ図示)が設けられている。
【0034】22はランプカバー19に回動可能でかつ
軸方向に摺動可能に設けられたランプシャフトで、該ラ
ンプシャフト22は、ランプ収容空間20内に収容され
た略円板状の押圧板部22Aと、該押圧板部22Aの他
側面中央に突設され、ランプカバー19の挿嵌穴19B
内に摺動可能に挿嵌された軸部22Bとから構成されて
いる。
【0035】ここで、押圧板部22Aは、一側面がプッ
シュロッド12の当接子17と当接し、その他側面には
後述の傾斜溝24,24,…が設けられている。そし
て、押圧板部22Aとキャリパ2のカバー取付部2Cと
の間には、ランプシャフト22をプッシュロッド12か
ら離れる方向に付勢する戻しばね23が設けられてい
る。また、軸部22Bの先端側はランプカバー19の外
部に突出し、この突出端側には後述の回動レバー26が
設けられている。
【0036】そして、ランプシャフト22は、回動レバ
ー26を用いて図1中の矢示A方向に回動され、このと
きランプカバー19との間でボール25等に押動される
ことにより軸方向に摺動変位し、押圧板部22Aが当接
子17を介してプッシュロッド12を押動する構成とな
っている。
【0037】24,24,…は各ボール嵌合溝21と対
面して押圧板部22Aに一定の間隔で設けられた例えば
3個の傾斜溝24で、該各傾斜溝24は、図3、図4に
示す如く断面が半円形状の凹溝として形成され、かつラ
ンプシャフト22の回動方向に略円弧状(全体としては
眉形状)をなして延びている。
【0038】そして、傾斜溝24は、中央位置が深底部
24Aとなり、その両端側が浅底部24B,24Bとな
り、深底部24Aから浅底部24Bに向けて溝深さが漸
次小さくなるように形成されている。この場合、傾斜溝
24は、左車輪用と右車輪用のディスクブレーキ間でラ
ンプシャフト22を共通化するため、深底部24Aを中
心として回動方向の両側が対称な形状となっている。
【0039】25,25,…はランプカバー19の各ボ
ール嵌合溝21とランプシャフト22の各傾斜溝24と
の間に転動可能に嵌合された例えば3個のボールで、該
各ボール25は、ランプシャフト22が図3中の矢示A
方向に回動するときに、傾斜溝24内を深底部24Aか
ら浅底部24Bに向けて矢示B方向に転がることにより
傾斜溝24から軸方向へと徐々に突出し、ランプカバー
19との間でランプシャフト22の押圧板部22Aに対
して軸方向の押圧力を発生すると共に、ランプシャフト
22をプッシュロッド12に向けて押動するものであ
る。
【0040】26はランプシャフト22の軸部22B突
出端に廻止め状態で取付けられた回動レバーで、該回動
レバー26は、図1、図2に示す如く軸部22Bから径
方向外向きに突出し、その先端側にはワイヤ27等を介
して手動ブレーキが接続されると共に、この手動ブレー
キを操作したときには、ランプシャフト22と共に矢示
A方向へと回動される構成となっている。また、回動レ
バー26の基端側には、径方向に突出する突起部26A
が一体に設けられている。
【0041】28,29はランプカバー19をキャリパ
2に着脱可能に固定するストッパ兼用の固定部材として
の取付ボルトで、該取付ボルト28,29は、図1、図
2に示す如く、他の取付ボルト30とほぼ同様に、ラン
プカバー19の張出板部19Aを介してキャリパ2のボ
ルト穴4に螺着され、各張出板部19Aをキャリパ2の
カバー取付部2Cに締着している。
【0042】また、取付ボルト28,29は回動レバー
26の回動範囲を規制し、特に取付ボルト28は、手動
ブレーキの操作を解除して回動レバー26が図1中の矢
示A方向と反対向きに戻るときに、その突起部26Aが
当接することによってランプシャフト22の初期位置を
規制するものである。さらに、取付ボルト28,29
は、ワイヤ27を案内するワイヤガイド31も固定して
いる。
【0043】32はランプカバー19の挿嵌穴19Bと
ランプシャフト22の軸部22Bとの間をシールする環
状のシール部材で、該シール部材32は、図4に示す如
く、外周側がシール溝19C内に嵌合された断面L字状
の芯金33と、例えば弾性樹脂材料等により形成され、
該芯金33の内周側に固着された略筒状のゴムシール3
4とから構成されている。
【0044】ここで、ゴムシール34は、芯金33の内
周側に取付けられた取付部34Aと、該取付部34Aか
ら略「く」字状に屈曲して軸方向に延びる屈曲部34B
と、該屈曲部34Bの先端側に設けられ、ランプシャフ
ト22の軸部22B外周に締代をもって装着されたシー
ル部34Cとから構成されている。そして、屈曲部34
Bは、ランプシャフト22の回動変位および軸方向変位
に追従して捩じれつつ伸縮することにより、シール部材
32のシール性を保持するものである。
【0045】本実施の形態によるディスクブレーキは上
述の如き構成を有するもので、次にその作動について説
明する。
【0046】まず、車両の走行中はブレーキペダルを踏
込むことにより、マスタシリンダからのブレーキ液圧が
シリンダ5内に供給され、このときのブレーキ液圧でピ
ストン8がシリンダ4内を摺動変位することにより、各
摩擦パッド9をディスクDに押圧して車両に制動力が付
与される。
【0047】一方、車両の停止中等にディスクブレーキ
を駐車ブレーキとして使用する場合には、例えば運転者
が手動ブレーキを操作すると、その操作力によりワイヤ
27等を介して回動レバー26が引張られ、ランプシャ
フト22は回動レバー26と共に図1中の矢示A方向へ
と回動する。
【0048】そして、このときボール25は、ランプシ
ャフト22が図3中の矢示A方向に回動すると、例えば
傾斜溝24の深底部24Aから浅底部24Bに向けて矢
示B方向へと相対的に転動し、傾斜溝24から軸方向に
突出するようになる。
【0049】この結果、ランプシャフト22は、ランプ
カバー19との間で各ボール25により戻しばね23に
抗して軸方向に押動され、当接子17を介してプッシュ
ロッド12をピストン8に押付ける。これにより、ピス
トン8は摩擦パッド9をディスクDに押圧し、駐車ブレ
ーキとしての制動力が車両に付与される。
【0050】かくして、本実施の形態によれば、ボール
ランプ機構18を、キャリパ2に着脱可能に設けられた
ランプカバー19と、傾斜溝24と回動レバー26とが
設けられたランプシャフト22と、複数のボール25と
から構成し、ランプカバー19を固定する取付ボルト2
8により回動レバー26を介してランプシャフト22の
初期位置を規制する構成としたので、ディスクブレーキ
を駐車ブレーキとして使用する場合には、手動ブレーキ
を操作することによりボールランプ機構18を用いてプ
ッシュロッド12を押動でき、このプッシュロッド12
によりピストン8を介して摩擦パッド9をディスクDに
押圧できると共に、車両に駐車ブレーキとしての制動力
を与えることができる。
【0051】この結果、ボールランプ機構18は、手動
ブレーキへの操作力と比較して大きな制動力をディスク
Dに効率よく与えることができ、当該ディスクブレーキ
を車重が大きい大型車両等に対しても適用することがで
きる。
【0052】また、ランプシャフト22の回動時には、
回動レバー26の突起部26Aが取付ボルト28に当接
するようにしたので、ランプシャフト22の回動位置を
規制するストッパを取付ボルト28によって兼用でき、
ボール−ランプ式のディスクブレーキとしての構造を簡
略化して部品点数を削減することができる。そして、ス
トッパをランプカバー19に形成せず、取付ボルト28
で兼用したことにより、ストッパ(取付ボルト28)は
キャリパ2自体に直接支持されることになり、ボールラ
ンプ機構18のボール嵌合溝21が形成されたランプカ
バー19に対し、回動レバー26の突起部26Aがスト
ッパに当接するときの衝撃力が伝達されにくく、ボール
ランプ機構18の耐久性の向上も図れる。
【0053】加えて、取付ボルト28,29は、ワイヤ
27を案内するワイヤガイド31も共締めして固定して
いるので、より一層の部品点数の削減やボールランプ機
構18の耐久性の向上が図れる。
【0054】さらに、シール部材32のゴムシール34
に屈曲部34Bを設けたので、ランプシャフト22が回
動変位しつつ軸方向に変位するときには、これらの変位
に追従してゴムシール34の屈曲部34Bが捩じれつつ
伸縮でき、シール部材32のシール性を高めることがで
きる。
【0055】また、プッシュロッド12の他端側に当接
子17を設け、この当接子17を介してプッシュロッド
12とランプシャフト22の押圧板部22Aとを当接さ
せるようにしたので、これらの当接部位が早期に摩耗す
るのを当接子17によって防止でき、耐久性を高めるこ
とができる。
【0056】さらに、キャリパ2のカバー取付部2Cと
ランプシャフト22の押圧板部22Aとの間に戻しばね
23を設けたので、手動ブレーキの操作を解除したとき
には、ランプシャフト22を戻しばね23によって初期
位置へと円滑に戻すことができ、ボールランプ機構18
の作動状態を安定させることができる。
【0057】一方、ボールランプ機構18のケーシング
となるランプカバー19をキャリパ2と別体に形成した
ので、本実施の形態によるディスクブレーキを、カム−
ストラット式のディスクブレーキにも適用できる。
【0058】即ち、図5に示す適用例のように、ボール
ランプ機構18に代えてプッシュロッド12′を押動す
るカム機構101をキャリパ2のカバー取付部2Cに取
付ける構成とすればよい。
【0059】この場合、カム機構101は、取付ボルト
102等を用いてキャリパ2のカバー取付部2Cに着脱
可能に取付けられたカバー103と、該カバー103内
に軸受104を介して回転可能に設けられ、車両の手動
ブレーキとワイヤ等を介して連結されたカム105と、
カバー103内に摺動可能に設けられ、該カム105の
回動変位によりプッシュロッド12′に対して進退され
るロッド106とから構成されている。
【0060】そして、例えば運転者が手動ブレーキを操
作したときには、カム105が図5中の矢示C方向に回
動すると、カム105によりロッド106を介してプッ
シュロッド12′が押動され、このときプッシュロッド
12′はピストン8によって摩擦パッド9をディスクD
に押圧するものである。
【0061】従って、本実施の形態によれば、ディスク
ブレーキを構成するキャリパ2等を、図2に示すボール
−ランプ式のものと、図5に示すカム−ストラット式の
ものにも共通化して使用でき、製造ライン等においてデ
ィスクブレーキ全体としての部品点数を削減できると共
に、ブレーキ組立時の作業性や生産性等を向上させるこ
とができる。
【0062】なお、前記実施の形態では、ランプカバー
19側に半凹球面状のボール嵌合溝21を設け、ランプ
シャフト22側に円弧状の傾斜溝24を設ける構成とし
たが、本発明はこれに限らず、ランプカバー側に円弧状
の傾斜溝を設け、ランプシャフト側に半凹球面状のボー
ル嵌合溝を設ける構成としてよく、またランプカバーと
ランプシャフトの両方に円弧状の傾斜溝を設ける構成と
してもよい。
【0063】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、ランプカバーを固定部材によってキャリパに着脱
可能に設け、ランプシャフトに取付けられた回動レバー
の回動範囲をこの固定部材によって規制する構成とした
ので、ランプカバー、ランプシャフト、ボール等により
プッシュロッドを押動するボールランプ機構を構成で
き、ディスクブレーキを駐車ブレーキとして使用する場
合には、このボールランプ機構によりブレーキ操作力と
比較して大きな制動力をディスクに効率よく付与できる
と共に、当該ディスクブレーキを車重が大きい大型車両
等に対しても適用することができる。しかも、ストッパ
兼用の固定部材によってランプカバー用の固定部材とラ
ンプシャフト用のストッパとを兼用でき、ボール−ラン
プ式のディスクブレーキとしての構造を簡略化して部品
点数を削減することができる。
【0064】また、ランプカバーとキャリパとを別体に
形成したので、ボールランプ機構に代えて例えばカム機
構等をキャリパに取付けるだけで、カム−ストラット式
のディスクブレーキを構成でき、単一のキャリパ等をボ
ール−ランプ式とカム−ストラット式のディスクブレー
キとの間で共通化することができる。従って、ブレーキ
の製造ライン等においてディスクブレーキ全体としての
部品点数を削減でき、ブレーキ組立時の作業性や生産性
等を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるボール−ランプ式の
ディスクブレーキを示す正面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみたディスクブレ
ーキの縦断面図である。
【図3】図2中の矢示III − III方向からみたボールラ
ンプ機構の拡大断面図である。
【図4】ボールランプ機構を示す図2中の要部拡大断面
図である。
【図5】本発明の実施の形態によるキャリパ等の適用例
としてカム−ストラット式のディスクブレーキを示す縦
断面図である。
【符号の説明】
2 キャリパ 2C カバー取付部(シリンダ底部) 5 シリンダ 8 ピストン 12 プッシュロッド 19 ランプカバー 20 ランプ収容空間 22 ランプシャフト 22A 押圧板部 22B 軸部 24 傾斜溝 25 ボール 26 回動レバー 28,29 取付ボルト(固定部材)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリパのピストンが収納される有底の
    シリンダと、 前記ピストンを機械的に進退させるために、該シリンダ
    内で一端側が前記ピストンと係合し、他端側が該シリン
    ダの底部から外部に臨んで設けられたプッシュロッド
    と、 該プッシュロッドの他端側を外側から覆うように前記シ
    リンダの底部に取付けられ、前記シリンダの底部との間
    にランプ収容空間を形成したランプカバーと、 一端側が前記プッシュロッドを軸方向に押圧する押圧板
    部となって該ランプカバーのランプ収容空間に設けら
    れ、他端側が該ランプカバーに回動可能に設けられた軸
    部となったランプシャフトと、 該ランプシャフトの押圧板部と前記ランプカバーの内側
    面のうち少なくとも一方に設けられ、該ランプシャフト
    の回動方向に沿って溝深さが漸次変化した傾斜溝と、 該傾斜溝と前記ランプカバーとの間に転動可能に設けら
    れ、前記ランプシャフトの回動変位により前記押圧板部
    に対して押圧力を発生させるボールと、 前記ランプシャフトの軸部に取付けられ、前記ランプカ
    バーの外側から前記ランプシャフトを回動操作する回動
    レバーと、 前記シリンダに対して前記ランプカバーを固定すると共
    に、前記ランプカバーの外部へと突出し該回動レバーの
    回動範囲を規制するストッパ兼用の固定部材とから構成
    してなるディスクブレーキ。
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