JPH0435629B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は特許請求の範囲第１項の前文に示さ
れるタイプの斜板式アキシヤルピストンポンプに
関する。

特許請求の範囲第１項の前文に示されるよう
な、複数個のピストンを備える斜板式アキシヤル
ピストンポンプは、西ドイツ特許出願公開明細書
第1939242号に開示されている。ピストンヘツド
は、引込プレートにより、斜板に接触した状態に
保持されている。圧力スプリングは、引込プレー
トに対して間接的に作用すると共に、アキシヤル
ピストンポンプの構造部材に支持されており、こ
の部材はハウジングに関して固定されている。公
知の構造においては、圧力室内の圧力がスプリン
グ力に抗して作用できるようになつており、さら
に圧力室と吸引室とを所定圧力より高い圧力にお
いて連結させるようになつている調整弁は、これ
らピストン間の中央に配置されている。この調整
弁のスプリング力は、バルブスプール上に作用す
ると共に引込プレート上に間接的に支持されてい
る圧力スプリングにより発生される。したがつ
て、公知の構造においては、その効力を重ね合わ
すことができる２つの圧力スプリングが設けられ
ているが、相互影響は意図されておらず、さらに
バルブスプリングのスプリング力が、引込プレー
トを斜板に対して保持する圧力スプリングの力に
比較して低いことから、相互影響は生じない。前
記後者の圧力スプリングは、その力が、アキシヤ
ルピストンポンプが運転されている間、引込プレ
ートを斜板から持上げようとする力より大きくな
るように調整される。

この型式の斜板式アキシヤルピストンポンプ
は、西ドイツ特許出願公告明細書第1001593号に
記載され、説明されている。この公知のアキシヤ
ルピストンポンプの場合は、引込プレートは球体
ヘツド上に支持されると共に、ピストンの給送移
動方向において、そのために特別に配置された装
置、すなわち斜板上のフランジにより固定されて
いる。この型式の構造は製造および組付けが高価
になるだけであなく、特に長時間の運転（摩耗）
後は、引込プレートのがたにより大きな運転騒音
が発生するようになる。

この発明の目的は、簡単かつ安価に製造できる
と共に容易に組付けることができる斜板への引込
プレートの固定方法を見出すことである。

この目的は特許請求の範囲第１項に記載の構成
により達成される。この発明の構成によれば、圧
力調整弁のバルブ本体に作用するスプリングのス
プリング力が、引込プレートを斜板に固定するた
めに利用されている。この固定は弾性状態で行な
われ、たとえば摩耗によりベアリングに遊びが発
生することがなく、したがつて運転騒音は低レベ
ルに維持される。この固定には特別に配置される
装置を必要とせず、既に存在すると共にこの発明
により構成される装置を利用している。

特許請求の範囲第２項の構成においては、スプ
リングピストンが、バルブスプリングと引込プレ
ートとの間に挿入配置されている。この構成は製
造および組付けに便利である。引込プレートの支
持のために必要な球状摺動面を、スプリングピス
トン上に形成することができる。

さらに特許請求の範囲第４項の構成におけるバ
ルブスプリングのための支持面は、簡単にスプリ
ングピストン上に形成することができる。

特許請求の範囲第５項の構成においては、圧力
調整弁が開の時、作動流体が圧力室から吸引室へ
戻されるようになつている。

特許請求の範囲第６項の構造においては、圧力
調整弁が開の時、斜板に向けて引込プレートに作
用する力をバツクアツプするようになつている。
この補強効果は、作動流体が中空シリンダ内の通
路を流出する時に生じる動的圧力に基づくもので
ある。

特許請求の範囲第７項の構成は、通路が、別体
の小型構造部片として、スプリングピストン内に
簡単かつ安価に形成できる点で有利である。

球体が引込プレートとスプリングピストンとの
間に挿入配置される場合は、スプリングピストン
と通路とを特許請求の範囲第８項に記載のように
構成することが好ましい。

製造および組付けの点で同様に有利な実施例
が、特許請求の範囲第９項に含まれている。この
場合、比較的高精度で形成すべき作動面はポンプ
ブロツク内に集中されると共に、そこに都合よく
組み込むことができる。さらに、ポンプブロツク
は、斜板式アキシヤルピストンポンプの精巧な摩
耗部片から成り、これらの部片は摩耗した時に、
容易かつ簡単に交換できるように構成されてい
る。さらに、ポンプブロツクは組付け後に、自動
的に吸引室および圧力室間を分離する。

前述の構成はさらに、圧力室が特許請求の範囲
第１０項に記載される構造にされた場合は、ダイ
アフラムバルブプレートの調整を簡単に可能にす
る。

特許請求の範囲第１１項の構成においては、バ
ルブ本体は、それ自体公知であるように、十分に
テストされた円錐ヘツドまたは球形ヘツドを備え
ている。

特許請求の範囲第１２項に記載される吸引室の
形状は、鋳造物を利用する場合はそれを最初から
設けることができると共に、特別の処理が不要で
あるという点で有利である。したがつて、作動領
域を吸引室と連結するために必要なことは、ポン
プブロツクに容易かつす速やく形成させることが
できる短かい半径方向の貫通孔を設けることだけ
である。

特許請求の範囲第１３項によると、圧力調整弁
は圧力リリーフ弁であつて、このリリーフ弁は所
定の作動圧力までは閉位置で、この圧力を越えた
時のみ、たとえば安全のために開位置になること
により、作動流体を圧力室から吸引室へ戻り流動
させることができ、したがつて圧力室内が高圧に
なることはない。したがつて、バルブスプリング
の力と、円錐または球体ヘツドの開口面とは、所
定方法により相互に調整される。

本発明の代表的実施例を概略図面を参照して、
以下に詳細に説明する。

この図面において、斜板式アキシヤルピストン
ポンプは、長手方向断面図で示されている。

この斜板式アキシヤルピストンポンプは、総体
的に１で示されるハウジングと、駆動シヤフト２
と、総体的に３で示されるポンプ機構と、矢印で
示される吸引ライン５に連結される吸引室４と、
これも矢印で示される圧力ライン７に連結される
圧力室６とから成る。

ポンプ機構３は、駆動シヤフト２の端部に配置
されて、このシヤフト２により回転されるように
配置された斜板８と、円形に配置されてポンプの
軸心１１に沿つて中空シリンダ１２内を案内され
ると共に、その自由前側部の前方に作動領域１３
を形成する複数個のピストン９と、引込プレート
１４（後述する）と、総体的に１５で示される圧
力リリーフ弁と、ダイアフラムバルブプレート１
６と、ポンプ機構３の可動部片がその内部または
その上に配置されたポンプブロツク１７とから成
る。

圧力リリーフ弁１５は、ポンプの軸心１１に沿
つて中央に配置されると共に、該圧力リリーフ弁
１５はその円錐ヘツド１９がバルブシート（孔）
２１と共働するバルブ本体１８と、バルブスプリ
ング２２とから成り、このバルブスプリング２２
は一方で円錐ヘツド１９に作用すると共に他方で
スプリングピストン２４の同軸孔２３内に受容さ
れている。

スプリングピストン２４は、中空シリンダ２５
内を、ポンプ軸心１１に沿つて移動できるように
され、またシリンダ２５の基部はバルブシート２
１を形成している。引込プレート１４およびスプ
リングピストン２４は、対向摺動凹面２６，２７
を備えており、これら摺動面２６，２７は球面の
一部として形成されると共に、その面２６，２７
間に球体２８が収容されている。運転時、回転す
る斜板８はピストン９に往復運動を行なわせる。
ピストン９の引込移動２９はそれぞれの場合、ピ
ストン９の球形ヘツド３３を包囲する摺動シユー
３２のフランジ３１を、背部から把持している引
込プレート１４によつて生じる。バルブスプリン
グ２２がスプリングピストン２４に指示されてい
るから、それにより生じるスプリング力は球体２
８により引込プレート１４に伝達され、したがつ
て引込プレート１４は、斜板８に押圧されて、そ
こに固定される。したがつて圧力リリーフ弁１５
のスプリング力が同時に、引込プレート１４を固
定する目的に利用される。

ピストン９が給送運動３４を行なうと、作動領
域１３の作動流体は圧力通路３５を介して圧力室
６へ圧入されて、ダイアフラムバルブプレート１
６を持上げるようになつており、このダイアフラ
ムバルブプレート１６は給送運動３４の完了後は
直ちに閉止される。ピストン９がその戻り運動の
過程で半径方向の吸引通路３６を開けると、作動
流体が、ポンプブロツク１７を包囲する環体部３
７内へ延びる吸引室４から作動領域１３へ送出さ
れ、そこでピストン９の次の給送運動３４によ
り、この作動流体が圧力室６へ圧入されることに
なる。

圧力室６内の圧力が所定値を越えると、圧力リ
リーフ弁１５のバルブ本体１８が開き、作動流体
が、中空シリンダ２５およびスプリングピストン
２４内の軸心方向通路３９および半径方向通路４
１を介して、吸引室４へ戻り流動することにな
る。

ポンプブロツク１７は、肩部４３，４４を形成
するフランジ４２を備えている。ポンプブロツク
１７はこれらの肩部４３，４４により、ハウジン
グの第１部分４５と第２部分４６の間にクランプ
止めされ、したがつて前記ブロツクはその周縁上
においてしつかりとロツクされた状態に同時に抱
持され、軸心方向および半径方向の双方向におい
て固定される。このクランプ止めは同時に、肩部
４４に重なるダイアフラムバルブプレート１６を
固定する機能も有している。

修理または検査のためには、ネジ４７をゆる
め、圧力室６を包囲し覆つているハウジングの第
２部分４６を取りはずすだけで良い。すると、ポ
ンプブロツク１７の圧力側が露出される。ポンプ
機構３を徹底的に検査することが必要ならば、ポ
ンプブロツク１７は軸心方向に簡単に引出すこと
ができる。その組立は、露出されたポンプブロツ
ク１７の斜板８を除いて、ポンプ機構３全体を挿
入することにより簡単、容易に行なえる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明の斜板式アキシヤルピストンポ
ンプの１実施例の長手方向断面図である。 １……斜板式アキシヤルピストンポンプ、４…
…吸引室、６……圧力室、８……斜板、９……ピ
ストン、１４……引込プレート、１５……調整
弁、１８……バルブ本体、２２……スプリング、
３３……ピストンヘツド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ピストンヘツドが引込プレートにより斜板に
   対して接触状態に保持されている複数個のピスト
   ンを有し、該引込プレートがスプリング力により
   前記斜板に対して押圧されており、更に、前記ピ
   ストン間の中央に配置される調整弁を有し、該調
   整弁は、そのバルブスプールに圧力室内の圧力が
   スプリング力に抗して作用できるようになつてい
   ると共に、所定圧力より高圧において、圧力室と
   吸引室の間を連結させるようになつている斜板式
   アキシヤルピストンポンプにおいて、前記バルブ
   スプールと前記引込プレートとの間に配置固定さ
   れた単一スプリングにより、前記スプリング力が
   適用されるようにしたことを特徴とする斜板式ア
   キシヤルピストンポンプ。 ２ 前記バルブスプリングが前記ピストンの引込
   運動の方向において、スプリングピストンに支持
   されており、前記スプリングピストンは中空シリ
   ンダ内を案内されることにより、ポンプの軸心方
   向に沿つて移動できるようにしたことと、前記引
   込プレートに対する支持が球面により行なわれる
   ようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第１
   項に記載の斜板式アキシヤルピストンポンプ。 ３ 球形の一部の形状を有する摺動面が、前記ス
   プリングピストンと前記引込プレートに設けられ
   ていることと、前記スプリングピストンと前記引
   込プレートとの間に球体が配置されていることを
   特徴とする特許請求の範囲第２項に記載の斜板式
   アキシヤルピストンポンプ。 ４ 前記バルブスプリングの、前記バルブ本体か
   ら遠い方の端部が、前記スプリングピストンの孔
   内またはその突出部上に受容されていることを特
   徴とする特許請求の範囲第２項に記載の斜板式ア
   キシヤルピストンポンプ。 ５ 前記圧力調整弁が、前記圧力室と前記吸引室
   を連結する通路内に配置されていることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項に記載の斜板式アキシ
   ヤルピストンポンプ。 ６ 前記中空シリンダが、前記スプリングピスト
   ンの前記引込プレートから遠い側の前記通路の一
   部となつていることを特徴とする特許請求の範囲
   第５項に記載の斜板式アキシヤルピストンポン
   プ。 ７ 前記通路がスプリング巻き部（スプリングボ
   ルト）を通して長手方向に延びていることを特徴
   とする特許請求の範囲第５項に記載の斜板式アキ
   シヤルピストンポンプ。 ８ 前記スプリングピストンが前記吸引室内に延
   びると共に、この領域で前記通路がＴ字形に分岐
   していることを特徴とする特許請求の範囲第７項
   に記載の斜板式アキシヤルピストンポンプ。 ９ 前記ピストンの作動領域がポンプブロツク内
   に配置され、前記ポンプブロツクがフランジまた
   はその類似物により前記ハウジングの第１および
   第２半体の間に着座されていると共に前記吸引室
   と前記圧力室を分離していることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項に記載の斜板式アキシヤルピ
   ストンポンプ。 １０ 前記作動領域と前記圧力室の間に延びる前
   記通路が、前記ポンプブロツク内に軸心方向に連
   続しており、前記通路を覆う前記ダイアフラムバ
   ルブプレートが前記フランジと、前記ハウジング
   の第２半体との間に保持されていることを特徴と
   する特許請求の範囲第９項に記載の斜板式アキシ
   ヤルピストンポンプ。 １１ 前記圧力調整弁のバルブ本体が、円錐ヘツ
   ドまたは球形ヘツドを有することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項に記載の斜板式アキシヤルピ
   ストンポンプ。 １２ 前記吸引室が前記ポンプブロツク周囲に環
   状に半径方向吸引通路まで延びており、この通路
   が前記環状領域を前記ピストン作動領域へ連結し
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第８項に
   記載の斜板式アキシヤルピストンポンプ。 １３ 前記圧力調整弁が圧力リリーフ弁であるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の斜
   板式アキシヤルピストンポンプ。