JP3908161B2 - バックドア用雨垂れチャンネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のバックドアの開状態で、リアウインドウガラス等を伝って流れる雨水を集めて、リアパネルに雨垂れ状に落下させる雨垂れチャンネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を説明するに当たり、本発明の図面を援用する。図2に示されるように、車体の後面に、一対のダンパー1を介して跳ね上げ式に開閉されるバックドアBを備えた車両Tが存している。この種の車両Tでは、バックドアBの上部に、リアウインドウガラスGが取付けられている。近時、この種の車両TのリアウインドウガラスGは、デザイン的見地からその車幅のほぼ全長に亘って取付けられている。図4に示されるように、このリアウインドウガラスGは、上下方向に全体が緩やかにわん曲していて、その裏面の周縁部の近傍が、シーラー(図示せず)により、バックドアBを構成するドアパネル2の上部に取付けられたインナーパネル2aに固着されている。前記インナーパネル2aの周辺部は、アウターパネル2bによってマスキングされている。そして、リアウインドウガラスGの裏面の端縁部には、その全周に亘って塩ビ等の軟質樹脂材より成るウインドウモール3が貼り付けられている。このウインドウモール3は、主に装飾、リアウインドウガラスGの端面部の保護、シーラーの流出防止、雨水の排水案内等の機能を有していて、前記リアウインドウガラスGの裏面に貼り付けられる断面略台形状のモール本体部3aと、該モール本体部3aの下端面からその全長に亘り、リアウインドウガラスGの端縁部を覆うようにして延設された薄肉のリップ部3bとから構成されている。
【0003】
また、図1に示されるように、車両Tの後面(背面部)には、リアパネル4が、全周に亘って略リング状に設けられていて、車室に臨むリア開口Vが形成されている。図4に示されるように、前記リアパネル4の内周縁部は手前側(外側)に屈曲されていて、当該屈曲部4aに、ゴム等の材料より成るバックドアシール5が取付けられている。このバックドアシール5は、前記リアパネル4の屈曲部4aに取付けられる例えばソリッドゴム製の取付部5aと、該取付部5aの上縁部に、その全長に亘って形成された例えば発泡ゴム製の断面リング状のシール部5bとから構成されている。バックドアBが閉じられると、前述したアウターパネル2bが、前記バックドアシール5のシール部5bを押圧して変形させる。これにより、車両Tのリア開口Vにおける水密が図られている。
【0004】
そして、図3に示されるように、雨天時における荷物の積み下ろしに支障がないように、開状態におけるバックドアBの周縁部で車両Tの後面と重なる部分は、平面視において、リアパネル4の上方に配置されている。このため、前記バックドアBの周縁部から落下した雨水は、リアパネル4の部分を流れて車外に排水され、リア開口Vから車室内に浸入することはない。
【0005】
しかし、リアウインドウガラスG等を流れる雨水が、その周縁部からウインドウモール3のリップ部3bを伝って落下しようとするとき、該雨水が前記リップ部3bの裏面部に回り込むと、リア開口Vから車室内に浸入するおそれがある。この不具合を改善するために各種の技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
上記した不具合を防止するために、図2及び図3に示されるように、開状態におけるバックドアBの最も低くなる部分(バックドアBの両側部の前端側裏面部)の2ケ所に、雨水を集めて、リアパネル4に雨垂れ状にして落下させるための雨垂れチャンネルA’が取付けられる。従来の雨垂れチャンネルA’は、その外壁部8の上端部に突出部18(後述)が設けられていない形態であり、リアウインドウガラスGの周縁部にほぼ沿って取付けられていて、当該部分のウインドウモール3のリップ部3bは切除されている。このため、リアウインドウガラスG等を流れる雨水は、前記リップ部3bの切除部分6から、該雨垂れチャンネルA’に形成された雨水集水溝7に集水され、その排水端部7aからリアパネル4の部分に落下する。こうすることによって、ウインドウモール3のリップ部3bを伝って落下する雨水が、リア開口Vから車室内に浸入することが防止される。
【0007】
ところが、車両Tのデザインの関係から、前記バックドアBを閉じたとき、リアウインドウガラスGの周縁部とリアパネル4との間が狭く、前記雨垂れチャンネルA’における雨水集水溝7の集水容量を大きくできない場合がある(図4参照)。このような場合、バックドアBの開状態で、雨水集水溝7から側方に溢れた雨水が、雨垂れチャンネルA’の外壁部8の外側壁面8aを伝ってリアパネル4よりも内側の部分(リア開口Vの部分)に斜め内側方向に落下して、車室内に浸入する場合がある。また、雨垂れチャンネルA’の直下にダンパー1が配置されていると、前記雨水がダンパー1に当たって飛散することもある(図5参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−219939号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した不具合に鑑み、バックドアの開状態で、雨垂れチャンネルから落下 する雨水が、車室内に浸入しないようにすることを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、上側を回転中心として上下方向に開閉可能に取付けられ車体の後部開口部を閉じるバックドアが開状態のときに、前記バックドアの最も低い位置となる幅方向の両側部の前端側裏面に左右一対となって取付けられ、バックドアの表面を伝わって流れる雨水を集めて車体の前記後部開口部よりも外側に雨垂れ状に落下させるバックドア用雨垂れチャンネルであって、前記雨垂れチャンネルは、前記バックドアの裏面側に位置するインナーパネルに設けられた取付孔に固定ピンを介して取付可能に、固定ピン挿通孔が形成されると共にインナーパネルに沿う形状に形成された取付部と、前記取付部と一体に成形され前記取付部よりも車体の幅方向外側に位置しバックドアの幅方向側部に沿って延びる雨水集水溝部からなり、前記雨水集水溝部は、前記取付部側の内壁部と前記内壁部の外側に設けられた底部と前記底部から立ち上がる外壁部とからなり、前記底部の前端側の排水端の裏面には下側に向けて突出する断面形状が略三角形の突出部が形成され、前記突出部の先端は鋭角のシャープなエッジに形成されていて、前記突出部の先端から雨水が落下することを特徴としている。
【0011】
バックドアの開時において、リアウインドウガラス等を伝ってバックドアの最も低い位置である両側部の前端側に向けて流れる雨水は、この部分に取付けられた雨垂れチャンネルの集水溝部に集水されて、その前端から車体のリアパネル上に落下する。請求項1の発明によれば、集水溝部の底部の前端側の排水端の裏面に突出部が形成されていて、集水された雨水が雨水集水溝部の前端から落下するときに雨水は水切りされて水滴状となって落下するため、車体のリア開口から車室内に浸入するのを防止できる。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記外壁部の上端部の外側に、前記雨水集水溝部から側方に溢れた雨水を落下時に水切りして車体の前記後部開口部から車内側に入るのを防止する水切用突出部が前記雨水集水溝部の溝方向に沿って形成され、前記水切用突出部の先端はシャープなエッジに形成されていることを特徴としている。請求項2の発明によれば、多量の雨水が集中的に前記チャンネルの雨水集水溝部に集水された場合には、雨水集水溝部に達した雨水は、雨水集水溝部の外壁部を乗り超えて、外壁部の上端から落下するが、この部分に形成された水切用突出部により確実に水切りされる。このため、雨水集水溝部に達して、外壁部を乗り超えて流れる雨水は、外壁部の外側面を伝って下方に流れて車体のリア開口から内部に浸入することなく、水切用突出部により確実に水切りされて、その直下の車体のリアパネル上に落下する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2の発明において、前記水切用突出部の底面部は、アンダーカット状に形成されていることを特徴としている。このため、水切用突出部から落下しようとする雨水が、その底面部に回り込むことが防止され、前記水切用突出部における水切りが確実に行われる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3に記載の発明を前提として、前記突出部及び前記水切用突出部は、バックドアの開状態で、バックドア開閉用の左右一対の各ダンパーの位置よりも僅かに車外側に配置されていることを特徴としている。この発明では、バックドアの開状態で、雨水集水溝部を形成する外壁部を乗り超えて落下する雨水がダンパーに当たり、その裏側にまで伝わって落下することがなく、車体のリア開口から車室内に雨水が浸入することを防止できる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明を前提として、前記雨垂れチャンネルは、オレフィン系熱可塑性エラストマーから射出成形されていることを特徴としている。オレフィン系熱可塑性エラストマーは、撥水性が良好であるため、更に確実に水切りが行われる。また、成形性も良好であるため、シャープなエッジを有するように成形が容易である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態をあげて、本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明に係る雨垂れチャンネルAが取付けられた車両Tの半断面背面図、図2はバックドアBを開いた状態の車両Tの後部の側面図、図3は開状態のバックドアBの半断面平面図、図4は図1のX−X線断面図、図5は図3のY−Y線断面図、図6は図5の要部の拡大図、図7は雨垂れチャンネルAの斜視図である。図1ないし図3に示されるように、車両Tの後面(背面部)には、その上端部を回動支点(図示せず)として跳ね上げ式に開閉されるバックドアBが取付けられている。また、車両Tの背面部に設けられたリアパネル4の上部で、その幅方向の両端部には、一対のダンパー1の各基端部が取付けられている。そして、一対のダンパー1の各ピストン棒1aの先端部は、前記バックドアBにおける高さ方向のほぼ中央部の両端部の裏面部に取付けられている。バックドアBが開閉されるとき、一対のダンパー1の各ピストン棒1aが進退する。こうすることによって、前記バックドアBを緩速状態で開閉させることができると共に、該バックドアBを開状態で保持することができる。なお、図2において、9は、ドアパネル2の上端部に設けられたスポイラーである。
【0017】
図1ないし図3に示されるように、本実施形態における車両TのバックドアBは、その開状態で、ドアパネル2におけるリアウインドウガラスGの部分が、車両Tの前後方向にほぼ沿って僅かに前傾状態に配置されると共に、前記ドアパネル2の下部がほぼ水平状態に配置される。そして、この状態におけるバックドアBの両側縁部で最も低くなる部分、即ち、スポイラー9の両側部の後縁側の裏面と、リアウインドウガラスGの両側部の前端側の裏面とに跨がって、一対の雨垂れチャンネルAが取付けられている。本実施形態の一対の雨垂れチャンネルAは、バックドアBの閉状態で、リアウインドウガラスGの周縁部に沿って、しかも、車両Tの左右中心線CLに向かう傾斜姿勢で取付けられている。ここで、図3に示されるように、車両Tの前方を向く方向をP1 、同じく側方を向く方向をP2 、同じく左右中心線CL側の斜前方を向く方向をP1'、同じく斜前側方を向く方向(車外方向)をP2'とする。そして、前記方向P1 と方向P2 とが成す角度は90度である(図7参照)。
【0018】
本実施形態の雨垂れチャンネルAについて説明する。一対の雨垂れチャンネルAは、対称形状であることを除いて同一の構成であるため、一方側(運転席側)の雨垂れチャンネルAについてのみ説明する。この雨垂れチャンネルAは、熱可塑性エラストマー(TPO)より成り、射出成形により成形されている。そして、図3、図4及び図7に示されるように、平面視において略台形状であると共に、横断面視において略クランク形状である。即ち、この雨垂れチャンネルAは、ほぼ密着状態でインナーパネル2bに取付けられる取付部11と、その取付状態でアウターパネル2aとインナーパネル2bとの接合部の配置方向にほぼ沿って、前記取付部11から斜め下方に延設される内壁部12と、該内壁部12の下端縁部から、前記取付部11とほぼ並行にして車外方向P2'に延設され、車両Tの左右中心線CL側の斜前方を向く方向P1'に二段に屈曲する底板部13と、該底板部13の端縁部から傾斜状態で立設される外壁部8とから構成されている。そして、前記した外壁部8、内壁部12及び底板部13により、雨水集水溝7が形成されている。図8に示されるように、雨垂れチャンネルAはその取付状態におけるバックドアBの開状態で、前記底板部13のうちの手前側の底板部13aは、水平面に対して大きな傾斜角θ1 でもって方向P1'に向かって前傾して急傾斜部となっていると共に、奥側の底板部13bは、前記傾斜角θ1 よりも小さな傾斜角θ2 で前傾して緩傾斜部となっている。これにより、雨水集水溝7に集水された雨水Wが、確実に排水される。そして、平面視における前記取付部11の一端部には、インナーパネル2bに設けられた第1取付孔14に挿通される位置決め用突起部11aが突設されていると共に、その他端部には、インナーパネル2bに設けられた第2取付孔15に対応する固定ピン挿通孔11bが設けられている。前記外壁部8の上端部には、車外方向P2'に突出する突出部18が形成され、該突出部18の先端はシャープな第2エッジ先端部21(半径0.5mm以下)を成す第2水切用エッジ部E2 (後述)が設けられている。
【0019】
この雨垂れチャンネルAがインナーパネル2bに取付けられるとき、前記位置決め用突起部11aが、インナーパネル2bの第1取付孔14に挿通される。この状態で、取付部11の固定ピン挿通孔11bとインナーパネル2bの第2取付孔15とが合致し、下方から固定ピン16が挿通される。この固定ピン16は、可撓性を有する樹脂材より成り、その先端部には、略円錐状の抜止部16aが設けられている。この抜止部16aの最大外径は、固定ピン挿通孔11b及び第2取付孔15の各内径よりも大きい。前記固定ピン16が、雨垂れチャンネルAの取付部11に設けられた固定ピン挿通孔11bから、インナーパネル2bの第2取付孔15に挿通されるとき、その抜止部16aは、その外周部分をすぼめながら、前記各孔11b,15に挿通される。そして、各孔11b,15から抜け出た後、再び拡開される。このようにして、雨垂れチャンネルAが、インナーパネル2bの所定位置に取付けられる。この状態で、外壁部8の第2水切用エッジ部E2 は、その全長に亘って、リアウインドウガラスGの外周面の延長面よりも僅かに内側に配置される。このため、前記外壁部8は、リアウインドウガラスGの周縁部に沿うように屈曲されている。
【0020】
「従来の技術」で記載したように、ウインドウモール3において、雨垂れチャンネルAが取付けられる部分のリップ部3bは切除されている。このため、当該切除部分6におけるリアウインドウガラスGの端縁部と、雨垂れチャンネルAの外壁部8との間には、僅かな隙間Qが形成されている。リアウインドウガラスG等を流れる雨水Wは、前記隙間Qから雨垂れチャンネルAの雨水集水溝7に浸入する。なお、雨垂れチャンネルAの外壁部8における手前側の部分(取付状態における後方部分)は、ウインドウモール3のリップ部3bと重ね合わせて、雨水Wが漏れないように切除されている。
【0021】
図7及び図8に示されるように、前記雨水集水溝7における排水端部7a、即ち、底板部13の前端の裏面部には、該雨水集水溝7の溝幅方向(雨水集水溝7を横切る方向)に沿って断面略三角形状の第1水切用エッジ部E1 が設けられている。この第1水切用エッジ部E1 の端面部は、前記排水端部7aと連続して設けられていると共に、その下端縁部には、鋭角状の第1エッジ先端部17aを有する突出部17が形成されている。雨水集水溝7を流れる雨水Wが雨水集水溝7の排水端部7aから排水されるとき、該雨水Wは、前記排水端部7aを伝って第1水切用エッジ部E1 の第1エッジ先端部17aから、そのまま車両Tのリアパネル4の部分に鉛直方向に落下する。前記第1エッジ先端部17aは鋭角状となっているため、前記雨水Wが雨垂れチャンネルAの奥側の底板部13bの裏面部に回り込んで、車内側斜め下方に落下することはない。即ち、水切りが行われる。
【0022】
次に、雨垂れチャンネルAの外壁部8に設けられた第2水切用エッジ部E2 について説明する。雨垂れチャンネルAの雨水集水溝7を構成する外壁部8の上端部には、その全長に亘って、断面略三角形状の突出部18の先端に第2先端エッジ部21を有する第2水切用エッジ部E2 が車外方向P2'に突出されている。図7に示されるように、本実施形態の雨垂れチャンネルAの第2水切用エッジ部E2 は、外壁部8の上端部から斜め下方に延設された突出部18と、該突出部18の下端部から外壁部8に向けて、底板部13とほぼ並行にして延設された底面部19とから成る。即ち、前記突出部18の外表面部と前記底面部19の交叉部が、鋭角状の第2エッジ先端部21を形成する。また、図5に示されるように、バックドアBの開状態で、前記底面部19はほぼ水平に配置されると共に、前記第2エッジ先端部21はリアパネル4の直上に配置される。雨水集水溝7から溢れ、車外方向P2'に流れる雨水Wは外壁部8を乗り超えて、前記突出部18を伝って下方に流れる。そして、第2エッジ先端部21に達すると、前述した第1水切用エッジ部E1 と同様な作用で水切りが行われ、その真下のリアパネル4の部分に雨垂れ状に落下する。本実施形態における第1及び第2の各エッジ先端部17a,21の形状は鋭角であるが、鋭角でなくて鈍角であってもよい。また、各エッジ先端部17a,21の半径は、0.5mm以下(好ましくは、可能な限り小さい半径であること)であれば構わない。
【0023】
本発明に係る雨垂れチャンネルAの作用について説明する。図8に示されるように、バックドアBの開状態において、雨水Wは、リアウインドウガラスG等から、ドアパネル2の最も低い部分に向かって流れる(図2参照)。そして、この部分におけるウインドウモール3のリップ部3bは切除されているため、その隙間Qから雨垂れチャンネルAの雨水集水溝7に浸入する。この雨水集水溝7を構成する底板部13a,13b は取付状態においてそれぞれ傾斜角θ1,θ2 でもって前傾するため、前記雨水集水溝7に浸入した雨水Wは、その溝方向(車両Tの左右中心線CL側の斜め前方を向く方向P1 ' )に沿って流れる。そして、雨水集水溝7の排水端部7aから落下する。前記雨水集水溝7の排水端部7aの底面部には、該排水端部7aから連続する第1水切用エッジ部E1 が設けられているため、前記雨水Wは水切りされ、そのまま雨垂れ状となって真下のリアパネル4の部分に落下する。
【0024】
図5及び図6に示されるように、多量の雨水Wが前記雨水集水溝7に浸入し、該雨水集水溝7から溢れると、該雨水Wは、雨垂れチャンネルAの外壁部8を乗り超えて車外方向P2'に流れて落下する。もし、前記外壁部8に第2水切用エッジ部E2 が設けられていない場合、前記雨水集水溝7から溢れた雨水Wは、外壁部8の外側壁面8aを伝って車内側斜め下方に落下するか、雨水集水溝7を構成する底板部13の裏面部に回り込んで車内側斜め下方に落下する。このため、リアパネル4の内側部分に落下して、リア開口Vから車室内に浸入するおそれがある。しかし、本実施形態では、前記外壁部8の上端部に第2水切用エッジ部E2 が設けられていて、しかも、その先端部には鋭角状の第2エッジ先端部21が形成されているため、雨水集水溝7から溢れた雨水Wは、前記第2エッジ先端部21で確実に水切りされて、雨垂れ状となって真下のリアパネル4に落下する。
【0025】
上記したように、雨垂れチャンネルAの雨水集水溝7に集水された雨水Wは、該雨水集水溝7を流れてその排水端部7aから落下する場合には、第1水切用エッジ部E1 によって水切りされて真下に落下し、前記雨水集水溝7から車外方向P2'に溢れてその外壁部8を乗り超えて落下する場合には、第2水切用エッジ部E2 によって水切りされて真下に落下する。この結果、雨水集水溝7に集水された雨水Wは、常にリアパネル4の部分に落下し、車室内に浸入するおそれはない。
【0026】
本実施形態の車両Tは、バックドアBの開状態で、雨垂れチャンネルAの外壁部8のほぼ直下に、ダンパー1が取付けられた形態である。しかし、雨垂れチャンネルAの外壁部8と、雨水集水溝7の排水端部7aは、前記ダンパー1の外側に配置されることが望ましい。これにより、雨垂れチャンネルAの雨水集水溝7の排水端部7aから落下する雨水Wと、前記雨水集水溝7から外壁部8を乗り超えて落下する雨水Wが、ダンパー1に当たって飛散したり、ダンパー1の内側に回り込んで、リア開口Vから車室内に落下したりすることが防止される。
【0027】
上記した実施形態の雨垂れチャンネルAでは、図6に示されるように、第2水切用エッジ部E2 の底面部19と、外壁部8の外側壁面8aとが成す角度は、90度よりも大きくなっている。しかし、バックドアBの開状態で、第2水切用エッジ部E2 の底面部19は、ほぼ水平に配置されるため、第2エッジ先端部21に達した雨水Wが、前記底面部19を伝って外側壁面8aの方に流れるおそれはなく、前記第2エッジ先端部21において雨水Wの水切りが確実に行われる。これにより、雨垂れチャンネルAの成形が容易になるという利点がある。しかし、図9に示されるように、第2水切用エッジ部E2'の底面部22を、外側壁面8aの上方に向かって傾斜状態に形成してもよい。この場合、外側壁面8aと底面部22との交叉部分にアンダーカット部23が形成される。これにより、第2水切用エッジ部E2'の第2エッジ先端部21での雨水Wの水切りの作用が、より確実に行われる。
【0028】
本実施形態の雨垂れチャンネルAは、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)から成る。このため、撥水性が良好なので、エッジによる水切りの効果が高められるが、撥水性塗料等による表面処理をすれば、更に水切りの効果を高めることができる。また、成形性も良好なので、成形が容易である。しかし、他のゴム材(例えば、EPDM)から成るものであっても構わない。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係る雨垂れチャンネルは、バックドアを構成するドアパネルの両端部で、前記バックドアの開状態で最も低くなる部分に左右一対に取付けられ、リアウインドウガラス等を伝って流れる雨水を集めて車体のリアパネルに雨垂れ状に真下に落下させる雨垂れチャンネルであって、前記バックドアの開状態で、雨水集水溝部から落下する雨水を水切りしてリア開口から車室内に入るのを防止する突出部が、前記雨水集水溝部の排水端の裏面に形成され、前記突出部の先端はシャープなエッジに形成されていることを特徴としている。このため、雨水が、雨垂れチャンネルの雨水集水溝部から落下するときに前記エッジで水切りが行われ、該雨水は、車体のリアパネルの部分に落下し、車室内に落下することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る雨垂れチャンネルAが取付けられた車両Tの半断面背面図である。
【図2】 バックドアBを開いた状態の車両Tの後部の側面図である。
【図3】 開状態のバックドアBの半断面平面図である。
【図4】 図1のX−X線断面図である。
【図5】 図3のY−Y線断面図である。
【図6】 図5の要部の拡大図である。
【図7】 雨垂れチャンネルAの斜視図である。
【図8】 図6のZ−Z線断面図である。
【図9】 底面部22にアンダーカット部23が設けられた第2水切用エッジ部E2'の拡大図である。
【符号の説明】
A:雨垂れチャンネル
B:バックドア
CL:左右中心線
E1 :第1水切用エッジ部
E2,E2':第2水切用エッジ部
G:リアウインドウガラス
T:車両(車体)
V:リア開口
W:雨水
1:ダンパー
2:ドアパネル
2b:インナーパネル
4:リアパネル
7:雨水集水溝(雨水集水溝部)
7a:排水端部(排水端)
8:外壁部
17,18:突出部(水切用突出部)
19,22:底面部
21:第2エッジ先端部(エッジ)
23:アンダーカット部
Claims (5)
- 上側を回転中心として上下方向に開閉可能に取付けられ車体の後部開口部を閉じるバックドアが開状態のときに、前記バックドアの最も低い位置となる幅方向の両側部の前端側裏面に左右一対となって取付けられ、バックドアの表面を伝わって流れる雨水を集めて車体の前記後部開口部よりも外側に雨垂れ状に落下させるバックドア用雨垂れチャンネルであって、
前記雨垂れチャンネルは、前記バックドアの裏面側に位置するインナーパネルに設けられた取付孔に固定ピンを介して取付可能に、固定ピン挿通孔が形成されると共にインナーパネルに沿う形状に形成された取付部と、前記取付部と一体に成形され前記取付部よりも車体の幅方向外側に位置しバックドアの幅方向側部に沿って延びる雨水集水溝部からなり、
前記雨水集水溝部は、前記取付部側の内壁部と前記内壁部の外側に設けられた底部と前記底部から立ち上がる外壁部とからなり、
前記底部の前端側の排水端の裏面には下側に向けて突出する断面形状が略三角形の突出部が形成され、前記突出部の先端は鋭角のシャープなエッジに形成されていて、前記突出部の先端から雨水が落下することを特徴とするバックドア用雨垂れチャンネル。 - 前記外壁部の上端部の外側に、前記雨水集水溝部から側方に溢れた雨水を落下時に水切りして車体の前記後部開口部から車内側に入るのを防止する水切用突出部が前記雨水集水溝部の溝方向に沿って形成され、前記水切用突出部の先端はシャープなエッジに形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバックドア用雨垂れチャンネル。
- 前記水切用突出部の底面部は、アンダーカット状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のバックドア用雨垂れチャンネル。
- 前記突出部及び前記水切用突出部は、バックドアの開状態で、バックドア開閉用の左右一対の各ダンパーの位置よりも僅かに車外側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3に記載のバックドア用雨垂れチャンネル。
- 前記雨垂れチャンネルは、オレフィン系熱可塑性エラストマーから射出成形されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のバックドア用雨垂れチャンネル。
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JP2002371328A JP3908161B2 (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | バックドア用雨垂れチャンネル |
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