JP3914736B2 - ラゲッジドアの排水構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車におけるラゲッジドアの排水構造に関し、特にルーフパネルとバックパネルとをラゲッジルーム内に折り畳み格納可能としたコンバーチブル車のように、ラゲッジドア(トランクリッド)を前ヒンジ後開き方式および後ヒンジ前開き方式のいずれの方式によっても開閉可能としたラゲッジドアに好適な排水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗用車のルーフパネルをリアウインドガラスを有するバックパネルとともに二つ折り状態となるように折り畳んでその後方の格納空間に格納可能としたコンバーチブル車が例えば特許第2519353号公報等で知られているが、一部のコンバーチブル車のなかにはラゲッジルームを上記ルーフパネル等の格納空間と荷室とに共用化したものが実用化されている。
【0003】
この場合、ルーフパネル等の格納に際してはラゲッジドアを前開きとする一方で、荷物の積み降ろしに際してはラゲッジドアを後開きとした方が利便性が良く、したがって、上記のようにラゲッジルームをルーフパネル等の格納空間と荷室とに共用化した車両では、ラゲッジドアは後ヒンジ前開き方式および前ヒンジ後開き方式のいずれの方式によっても開閉可能な両開き構造となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなラゲッジドアの両開きが可能なコンバーチブル車では、ラゲッジドア開閉機構の特殊性もしくは車体造形上の制約に起因して、図2に示すようにラゲッジドアを前ヒンジ後開き方式にて開いた場合に、平面視においてラゲッジドアの前端の左右コーナー部がラゲッジルーム内に進入するような軌跡を描くことがある。そして、そのラゲッジドアの開動作の際にラゲッジドア表面に水滴が付着していると、その水滴はラゲッジドアを伝わって先鋭状をなすその前端の左右コーナー部からラゲッジルーム内に滴下することになり、内部の荷物や内装等を濡らしてしまうこととなって好ましくない。
【0005】
なお、上記のラゲッジルームに対するラゲッジドア前端の左右コーナー部の進入量は、車体側方へのラゲッジドア前端の左右コーナー部の回り込み量すなわちラゲッジドア前端の中央部と左右コーナー部となす距離が大きくなるほど顕著となる傾向にある。
【0006】
本発明はこのような課題に着目してなされたもので、ラゲッジドアを前ヒンジ後開き方式にて開いた場合に、ラゲッジドアの前端の左右コーナー部がラゲッジルーム内に進入するような軌跡を描くことがあったとしても、そのラゲッジドアからラゲッジルーム内への水滴の滴下を未然に防止できるようにした構造を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、前ヒンジ後開き方式にてラゲッジルームを開閉可能なラゲッジドアの前端部であって且つ左右のコーナー部が、ラゲッジドアの閉時にはそのラゲッジルームの開口縁部に形成されたドリップチャンネルの上方に位置している一方で、ラゲッジドアの開時に後方へ移動してラゲッジルームの上方に位置するようになっていて、その左右のコーナー部の内側に相当する位置に、ラゲッジドアの閉時に外部から流入する水を捕集して上記ドリップチャンネルに排水する一方で、ラゲッジドアの開時にそのラゲッジドアから流下する水を捕集する水受け部を設け、ラゲッジドアを閉止したときに、水受け部がラゲッジドアの開時に捕集した水を保有したままドリップチャンネルの上方に移動し、その水を上記ドリップチャンネルへ流し込むようになっていることを特徴としている。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1の記載をより具体化したものとして、上記ラゲッジドアの前端部であって且つ左右のコーナー部の内側に相当する位置に、ラゲッジドアの開時にそのラゲッジドアから流下する水を捕集する水受け部を備えたコーナーウエザーストリップを装着してなり、この水受け部は、ラゲッジドアを閉止した時には水受け部自体の勾配のためにその水受け部で捕集した水を上記ドリップチャンネルに排水するようになっていることを特徴としている。
【0009】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項2の記載をより具体化したものとして、上記コーナーウエザーストリップは水受け部として機能するドリップ溝を備えていて、このドリップ溝のうちラゲッジドアの閉止状態で最も低くなる部位がラゲッジルーム外に開放されて上記ドリップチャンネルに連通しているとともに、その最も低くなる部位にはラゲッジドアの閉止状態で下方を指向するように水切りリップが突設されていることを特徴としている。
【0010】
したがって、請求項1,2に記載の発明では、例えば表面に水滴が付着していることを知らずにラゲッジドアを前ヒンジ後開き方式にて開いた場合に、ラゲッジドアの前端の左右コーナー部がラゲッジルームの上方に移動しても、ラゲッジドアの前端部の左右コーナー部から伝わり落ちる水は水受け部によって捕集されることになり、ラゲッジルーム内に滴下するようなことはなくなる。そして、その水受け部で捕集された水はラゲッジドアを閉止した時点で上記ドリップチャンネルへ流し込まれることになる。
【0011】
特に請求項2に記載のように、ラゲッジドアの前端部であって且つ左右コーナー部の内側に相当する位置に水受け部を備えたコーナーウエザーストリップが装着されていて、さらにその水受け部が所定の勾配を有していると、上記水受け部で捕集された水は、ラゲッジドアを閉止した時点で水受け部自体の勾配のために上記ドリップチャンネルへ自然排水されることになる。
【0012】
同時に、請求項3に記載のように、水受け部として機能するドリップ溝のうち最も低くなる部位の水切りリップが形成されていると、ドリップ溝内の水はこの水切りリップを伝わってラゲッジルーム外に流下もしくは滴下することとなり、その水切り効果のためにドリップ溝からの排水性能が一段と良好なものとなる。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ラゲッジドア開時にそのラゲッジドアの前端の左右コーナー部がラゲッジルームの上方に移動しても、ラゲッジドアの前端部の左右コーナー部から伝わり落ちる水は水受け部によって確実に捕集されることになるため、水がラゲッジルーム内に滴下するようなこともなければ、それによって荷物や内装を濡らしてしまうこともなくなる。
【0014】
特に請求項2に記載の発明によれば、上記水受け部はラゲッジドアの閉止状態で所定の勾配を有していることから、水受け部で捕集した水はラゲッジドアの閉止と同時に確実にラゲッジルーム外に速やかに排出できる利点がある。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、水受け部として機能することになるドリップ溝のうち最も低くなる部位に水切りリップが突設されているため、その水切り効果のためにドリップ溝からの排水性能が一段と向上する利点がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1以下の図面は本発明の好ましい実施の形態を示す図であり、特に図1はコンバーチブル車のルーフ展開使用状態から格納状態に至る過程の概略を示している。
【0017】
図1の(A)に示すように、コンバーチブル車の車体1は、居室上部を覆うルーフパネル2と、リアウインドガラス3が装着されたバックパネル4のほか、前開きが可能なラゲッジドア(トランクリッド)5により開閉可能なラゲッジルーム6とを備えている。ルーフパネル2およびバックパネル4はいわゆるハードパネルとして鋼板等にて構成されていて、両者は図示しないヒンジをもって折り畳み(二つ折り)可能に連結されている。
【0018】
そして、同図に示すように、上記ルーフパネル2およびバックパネル4が展開使用状態にあるときには、ルーフパネル2はフロントウインドガラス側のフロントルーフレール7と突き合わされている一方、例えば電動制御によりルーフパネル2およびバックパネル4を折り畳み格納する際には、同図(B)に示すように最初にラゲッジドア5が前開き方式にて開き、次いでルーフパネル2が後方に平行移動しながらバックパネル4が図示しないヒンジを回転中心として後方に傾動し、最終的にはルーフパネル2とバックパネル4とが二つ折り状態となり且つバックパネル4が展開時の姿勢に対してほぼ反転姿勢となる状態をもって双方のパネル2,4がラゲッジルーム6内に格納される。これをもって車体1はいわゆるオープンカーの形態となる。
【0019】
ここで、上記ラゲッジルーム6はラゲッジスペースとバックパネル4等の格納空間とに共用化されていることから、ラゲッジドア5としては、上記バックパネル4等の格納の際には後ヒンジ前開き方式にて開くことができる一方で、図2に示すように荷物の積み降ろしの際には前ヒンジ後開き方式にて開くことができるいわゆる両開き式のものが採用されている。
【0020】
図3は図1,2の車体1の右後方側を斜め上方から見た斜視図を、図4は図3のA−A線に沿う断面図すなわちバックパネル4の下縁部の断面図をそれぞれ示しており、ラゲッジルーム6の開口縁にはその全周にラゲッジウエザーストリップ8Aまたは8Bが閉ループ状に装着されている。すなわち、ラゲッジルーム開口縁の平面視にて前側に相当する部分(バックパネル4の下縁に沿う部分)にはフロント側のラゲッジウエザーストリップ8Aが、それ以外の部分(ラゲッジルーム開口縁の左右両側および後側に相当する部分)にはリア側のラゲッジウエザーストリップ8Bがそれぞれ装着されていて(図8,10,11参照)、両者の端末部同士はラゲッジドア5のコーナー部20に相当する部分で相互に近接している。これらのラゲッジウエザーストリップ8A,8Bは、断面略U字状のウエルト部9と一体に中空状のシールリップ10を形成したものであることから、ラゲッジドア5の閉時にはそのシールリップ10にラゲッジドア5のインナパネル5aが弾接することでシールされる。
【0021】
また、フロント側のラゲッジウエザーストリップ8Aのうちラゲッジルーム6よりも前側に相当する部分には、図4に示すようにアウタウエザーストリップ11が両面テープ12にて接合固定されている。このアウタウエザーストリップ11は略偏平状のベース部13と一体に中空状のシールリップ14を形成したものであり、ラゲッジドア5の閉時にはラゲッジドア5の前縁部がシールリップ14に弾接し、結果としてシールリップ10,14による二重シール構造にてラゲッジルーム6の内外がシールされることになる。
【0022】
そして、上記アウタウエザーストリップ11のベース部13とその端部のフランジ部15とで排水溝16が形成されており、万が一ラゲッジドア5の前縁部とシールリップ14の弾接によるシール部から内側に雨水等が浸入した場合にはその水が排水溝16にて捕集される。
【0023】
なお、上記フロント側のラゲッジウエザーストリップ8Aとアウタウエザーストリップ11は、その長手方向両端部では図8に示すように両シールリップ10,14が徐々に消失しながら断面形状が漸次小さくなり且つシールリップ17a,17bを有する端末型成形部17をもって収束しており、したがって上記排水溝16はラゲッジルーム6の両側部上端に形成されたクウォーターパネル(リアフェンダーパネル)33側のドリップチャンネル34に開口している。
【0024】
図5は図3のB部の詳細を示しており、同図に示すようにラゲッジドア5の前端部であって且つ先鋭状をなす左右のコーナー部20の内側に相当する位置には、変形皿状のコーナーウエザーストリップ21が装着されている。このコーナーウエザーストリップ21は、図6,7のほか図8〜10に示すように、ラゲッジドア5のコーナー部20を形成しているインナパネル5aを受容することになるパネル受容凹部22のほか、ラゲッジドア5の閉止状態において車幅方向中央部側からその車幅方向両端に向かって下り勾配となる第1のドリップ溝23と、この第1のドリップ溝23に連続するようにラゲッジドア5のコーナー部20の最先端に相当する位置に形成されて、第1のドリップ溝23よりも深さが大きく且つラゲッジドア5の閉止状態において後方側に向かって下り勾配となる第2のドリップ溝24とを備えていて、この第2のドリップ溝24は同じくラゲッジドア5の閉止状態において後方側に向かって下り勾配となる開放通路25をもって外部に開放されていて、最終的には上記開放通路25を形成しながら斜め下方を指向することになる先鋭状の水切りリップ26をもって収束している。なお、コーナーウエザーストリップの一部にはその軽量化のために空隙部27が形成されている(図8〜10参照)。
【0025】
図5,6および図8に示すように、上記コーナーウエザーストリップ21のパネル受容凹部22には円錐台形状の突起部28が形成されているとともに、それに隣接して両面テープ29が貼着されるようになっていて、ラゲッジドア5側のインナパネル5aに形成された取付穴30に突起部28を嵌合させることによって、その嵌合保持力と両面テープ29の接着力をもってコーナーウエザーストリップ21がラゲッジドア5のコーナー部20の内側に固定されている。
【0026】
そして、コーナーウエザーストリップ21の装着状態では、図8〜10に示すように第1,2のドリップ溝23,24を形成している周壁部31とラゲッジドア5の前縁部との間には所定の隙間Gが確保されていることから、少なくとも第1,2のドリップ溝23,24は後述するようにラゲッジドア5を後開き方式にて開いた際にそのラゲッジドア5から流れ落ちる水滴を捕集するための水受け部として機能することになる。
【0027】
図4に示したラゲッジウエザーストリップ8Aおよびアウタウエザーストリップ11のうちラゲッジドア5のコーナー部20に相当する部分すなわちコーナーウエザーストリップ21に相当する部分では、図8〜10に基づいて先に説明したように、両シールリップ10,14がシールリップ17a,17bを有する端末型成形部17をもって収束しているとともに、その端末型成形部17がリア側のラゲッジウエザーストリップ8Bの端末部と近接していることから、同図に示すようにラゲッジドア5の閉止状態では、コーナーウエザーストリップ21の下面が端末型成形部17のシールリップ17a,17bおよびリア側のラゲッジウエザーストリップ8Bの端末部のシールリップ32にそれぞれ弾接することで初めて双方のラゲッジウエザーストリップ8A,8B同士のシール線が閉ループ状に接続されて、これをもってラゲッジルーム6の内外がシールされることになる。なお、リア側のラゲッジウエザーストリップ8Bはシールリップ32に連続する端末延長部32aを有している。
【0028】
同時に、コーナーウエザーストリップ21のうち第1,2のドリップ溝23,24を形成している周壁部31の先端は端末型成形部17側のシールリップ17aもしくはクウォーターパネル33に直接圧接するようになっていて、ラゲッジドア5の閉止状態では、ラゲッジウエザーストリップ8Aおよびアウタウエザーストリップ11側の端末型成形部17をもって形成される排水溝16の上にこれに重なるようにしてコーナーウエザーストリップ21側の第1,2のドリップ溝23,24が形成される。
【0029】
そして、図4のほか図8,10から明らかなように、バックパネル4をもって形成されるドリップチャンネル18はクウォーターパネル33をもって形成されるドリップチャンネル34に接続されていることから、ラゲッジドア5の閉止状態では上記のアウタウエザーストリップ11側の排水溝16とコーナーウエザーストリップ21側の開放通路25はいずれもこのドリップチャンネル34に連通していることになる。
【0030】
したがって、このような構造によれば、図1の(A)および図3に示すようなラゲッジドア5の閉止状態においてそのラゲッジドア5の前縁部でのシールもしくは排水性能に着目したした場合、図4に示す一般部ではラゲッジウエザーストリップ8Aのシールリップ10およびアウタウエザーストリップ11のシールリップ14にラゲッジドア5が弾接することでいわゆる二重シール構造にてシールされていることから、バックパネル4側から流下する雨水もしくは洗車水等の浸入が阻止される。そして、そのシール部から内側に万が一水が浸入したとしてもそれらの水はアウタウエザーストリップ11の排水溝16にて捕集されて、最終的にはその排水溝16から図8に示したクウォーターパネル33側のドリップチャンネル34に排水される。
【0031】
また、ラゲッジドア5のコーナー部20においては、図8〜10に示したようにコーナーウエザーストリップ21のうち第1のドリップ溝23および第2のドリップ溝24の一部が上方に向かって開口していることから、バックパネル4等から流下する水はそれらの第1,2のドリップ溝23,24によって捕集されて、それらと連通している開放通路25から上記と同様に図8に示したクウォーターパネル33側のドリップチャンネル34に排水される。
【0032】
その一方、図3に示すラゲッジドア5の閉止状態からラゲッジドア5を図2に示すように後開き方式にて開いた場合、ラゲッジドア5は図8〜10の矢印a方向に押し上げられながら回動動作することから、ラゲッジドア5の前縁部のうち一般部(車幅方向の中央部)はリアウインドガラス3の真上に位置するようになるのに対して、ラゲッジドア5の前縁部のコーナー部20は図2に示したように後方に移動しながらラゲッジルーム6の上方に位置するようになる。
【0033】
そして、上記ラゲッジドア5に水滴が付着していた場合、ラゲッジドア5の前縁部のうち一般部から流下した水はリアウインドガラス3およびバックパネル4を流れ落ちた上で図4に示すアウタウエザーストリップ11のシールリップ14で一旦せき止められ、さらにそのシールリップ14を伝わりながら左右方向に流れて、シールリップ14が消失する部分においてドリップチャンネル34に排水される。また、バックパネル4を流れ落ちる水の一部が、万が一図4に示すシールリップ14を乗り越えた場合には、その水は排水溝16にて捕集され、最終的には図8に示すクウォーターパネル33側のドリップチャンネル34に排水される。
【0034】
また、ラゲッジドア5の前縁部のコーナー部20は、図2のほか図11に示したように後方に移動しながらすなわちクウォーターパネル33側のドリップチャンネル34から離れるようにしてラゲッジルーム6の上方に位置するようになることから、コーナーウエザーストリップ21が装着されていない場合には、ラゲッジドア5の前縁部のコーナー部20から流れ落ちる水滴はバックパネル側のドリップチャンネル34までは届かずにラゲッジルーム6内に流れ落ちることになる。
【0035】
そこで、本実施の形態では、その対策として上記のようにコーナーウエザーストリップ21を予め装着してあり、しかもラゲッジドア5を最大開度状態としたとしても特に深さの大きな第2のドリップ溝24が水受け部として機能するように設定してあることから、図11に示すようにラゲッジドア5の前縁のコーナー部20から流れ落ちる水滴の多くは第1のドリップ溝23を流下しながらもしくは第2のドリップ溝24に直接流れ落ちて、その第2のドリップ溝24にて一旦捕集される。これによって、ラゲッジドア5の前縁コーナー部20からラゲッジルーム6側に水滴が落ちるのを未然に防止できることになる。
【0036】
そして、ラゲッジドア5を再び閉止状態とすると、コーナーウエザーストリップ21は第2のドリップ溝24に水Wを保有したままで図10の状態に復帰する。この場合、先にも述べたようにラゲッジドア5の閉止状態では第2のドリップ溝24は後方に向かって下り勾配となりながら開放通路25と水切りリップ26をもって図8に示すクウォーターパネル33側のドリップチャンネル34に開放されているため、それまで第2のドリップ溝24にて保有されていた水Wは直ちに水切りリップ26を伝わりながら上記ドリップチャンネル34に排水されることになる。
【0037】
ここで、ラゲッジドア5が閉止状態となる過程では図8〜10に示した矢印a方向と逆方向の軌跡を描くことから、図4に示した中空状のシールリップ14や図8〜10に示した周壁部31を巻き込んでしまうようなことはなく、図1〜4に示す状態に正しく復帰する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバーチブル車の側面説明図で、(A)はルーフパネルおよびバックパネルの展開仕様状態を示す図、(B)は同じく格納途中の状態を示す図。
【図2】図1の(A)の状態からラゲッジドアを後開き方式にて開いた状態を示す側面説明図。
【図3】図1,2のコンバーチブル車の右後方を斜め上方から見た斜視図。
【図4】図3のA−A線に沿う拡大断面図。
【図5】図3に示すラゲッジドアのB部を拡大した分解斜視図。
【図6】図5に示すコーナーウエザーストリップの平面図。
【図7】図6に示すコーナーウエザーストリップの左側面図。
【図8】図6のC−C線に沿う断面図。
【図9】図6のD−D線に沿う断面図。
【図10】図6のE−E線に沿う断面図。
【図11】図10の状態からラゲッジドアを開いた時の断面図。
【符号の説明】
4…バックパネル
5…ラゲッジドア
6…ラゲッジルーム
20…コーナー部
21…コーナーウエザーストリップ
23…第1のドリップ溝(水受け部)
24…第2のドリップ溝(水受け部)
25…開放通路
26…水切りリップ
Claims (3)
- 前ヒンジ後開き方式にてラゲッジルームを開閉可能なラゲッジドアの前端部であって且つ左右のコーナー部が、ラゲッジドアの閉時にはそのラゲッジルームの開口縁部に形成されたドリップチャンネルの上方に位置している一方で、ラゲッジドアの開時に後方へ移動してラゲッジルームの上方に位置するようになっていて、
その左右のコーナー部の内側に相当する位置に、ラゲッジドアの閉時に外部から流入する水を捕集して上記ドリップチャンネルに排水する一方で、ラゲッジドアの開時にそのラゲッジドアから流下する水を捕集する水受け部を設け、
ラゲッジドアを閉止したときに、水受け部がラゲッジドアの開時に捕集した水を保有したままドリップチャンネルの上方に移動し、その水を上記ドリップチャンネルへ流し込むようになっていることを特徴とするラゲッジドアの排水構造。 - 上記ラゲッジドアの前端部であって且つ左右のコーナー部の内側に相当する位置に、ラゲッジドアの開時にそのラゲッジドアから流下する水を捕集する水受け部を備えたコーナーウエザーストリップを装着してなり、
この水受け部は、ラゲッジドアを閉止した時には水受け部自体の勾配のためにその水受け部で捕集した水を上記ドリップチャンネルに排水するようになっていることをことを特徴とする請求項1に記載のラゲッジドアの排水構造。 - 上記コーナーウエザーストリップは水受け部として機能するドリップ溝を備えていて、
このドリップ溝のうちラゲッジドアの閉止状態で最も低くなる部位がラゲッジルーム外に開放されて上記ドリップチャンネルに連通しているとともに、その最も低くなる部位にはラゲッジドアの閉止状態で下方を指向するように水切りリップが突設されていることを特徴とする請求項2に記載のラゲッジドアの排水構造。
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