JP3907783B2 - 色変換方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力デジタル画像データを入力(色空間)系と異なる色再現域(色空間)、例えば異なる濃度ダイナミックレンジを持つ出力(色再現)系において、入力(色空間)系の原画像に忠実に再現するのに必要な画像信号に変換するための色変換方法に関し、詳しくは、被写体をリバーサルフィルムやネガティブフィルムなどに撮影することによって得られた透過原稿や反射原稿からスキャナ等によって読み取られた画像信号または被写体を直接CCDなどの固体撮像素子を用いて撮影して得られた画像信号もしくは、テレビモニタに表示するために用いられている画像信号などから、透過原稿や被写体やモニタ等に忠実な反射原稿を作成したり、透過原稿や反射原稿や被写体等に忠実にモニタなどに表示するのに必要な画像信号にデジタル変換するための色変換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、撮影されたフィルムをスキャナで読み込み、デジタル画像信号に変換して画像処理を行う系(以後、ハイブリッド系という)や被写体をデジタルカメラなどで撮影して直接デジタル画像信号を得、画像処理を行うデジタル系が増えている。これらのデジタル系やハイブリッド系は、アナログ系に比べて自由な画像処理が行える一方、同時にコストも増大する。従ってハイブリッド系やデジタル系の成否は、コストアップに見合った画質アップの成否に掛かっている。
【0003】
さてハイブリッド系はアナログ系と同じ入力原稿を用いるので、画質アップを図るためには、画像処理をゼロベースで見直す必要がある。これはデジタル系においても同様である。一般に画像処理は、セットアップ、レンジ圧縮(伸張)、意匠の3つに分類できる。これらの画像処理系の3つの要素を視覚系と対比すると、画像処理系におけるセットアップは、視覚系においては輝度順応、色順応に対比され、画像処理系でのレンジ圧縮(伸張)は、視覚系でもレンジ圧縮(伸張)に対比され、画像処理系において意匠を凝らすことは、視覚系では記憶色や好ましい色にすることに対比される。
【0004】
これらの3つの要素の内、セットアップと意匠に関しては一定の研究がなされており、既に幾つかの知見も得られている。一方、レンジ圧縮(伸張)に関しては殆ど知見らしい知見が得られていないのが現状である。
このような状況にあるレンジ圧縮は、通常原シーンとハードコピー間の関係として議論されることが多いが、入力レンジが出力レンジに比べて十分に大きければ、入力が原シーンである必要はない。さらに実際上の問題として原シーンの測定は一般に困難である。このような理由から、ここではリバーサルフィルムをオリジナルと見なして、リバーサルフィルムからペーパー(印画紙)へのレンジ圧縮の従来技術とその問題点を検討する。なおセットアップの問題を回避するために入力原稿は適正に露光されたものに限定し、また意匠の問題を回避するために、ペーパーの再現目標は見た目の印象がリバーサルフィルム原稿に忠実であることとする。
【0005】
ところで、ペーパーはリバーサル原稿に比べてダイナミックレンジが小さいので、例えばペーパーの濃度レンジは約2.0程度であるのに対し、リバーサル原稿の濃度レンジは約3.0程度であるため、そのまま出力すると、ハイライトが跳んだりシャドーがつぶれて、画質を著しく損なう。そこで、レンジ圧縮が必要となるのであるが、しかし、単に軟調化すると、出力された絵としては、コントラストや彩度が劣化して極めて見栄えのしない絵になる。すなわちハイライトシャドーの再現とコントラストおよび彩度の再現がトレードオフの関係になっている。
【0006】
このため写真や印刷等のハードコピー画像の分野では、一旦軟調化した後に重層効果あるいはカラーコレクションで彩度を復帰させる手法や、画面中のシャドー部をマスクで覆ってプリントする(覆い焼きと呼ばれる)手法が用いられる。しかし前者は、彩度向上に伴って色相忠実性が崩れて、例えば肌色が赤くなる等の欠点を持っている。すなわち彩度と色相の再現がトレードオフの関係になってしまう。また覆い焼きは、本質的に2次元演算である為に作業効率が悪く、コストが高くなると云う欠点を持っている。特に近年、自動覆い焼きが実用化されるに至ったが、計算負荷の問題は解消されていない。
【0007】
一方、色彩学の分野でも、レンジ圧縮(伸張)はCIELab上のガマットマッピングの一環として盛んに研究されている。これらの研究においては、コンプレッションとクリッピングの併用が主流をなしているが、両者を使い分けるタイミングが絵柄に依存するという問題を抱えている。
【0008】
また、テレビモニタやビデオプロジェクタ等のソフトコピー画像の分野でも、デジタルカメラやビデオカメラ等で撮影した被写体やスキャナ等で読み取られた透過原稿や反射原稿の画像をテレビモニタやビテオプロジェクタ等に表示する場合や、テレビモニタやビデオプロジェクタ等に表示された画像を反射原稿に複製したりする場合にも、見た目の忠実性が再現目標となるが、濃度ダイナミックレンジなどの色再現域が入出力側で必ずしも一致するものではないため、上述した種々の問題が同様に存在している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、入力色空間系と異なる出力色再現系において極めて簡単かつリアルタイムで入力画像に忠実な出力画像を再現することのできる色変換方法を提供するにある。
また、本発明の第2の目的は、透過原稿、被写体もしくは表示原稿に極めて忠実度の高い反射原稿もしくは表示原稿を得ることができ、そのための画像処理を極めて簡便な処理系でリアルタイムで簡単に実行可能な色変換方法を提供するにある。
本発明の第3の目的は、上記目的に加え、さらに、色バランスあるいは濃度バランスの崩れた透過原稿や撮影条件や表示条件が適正でなかった原画像信号に対しても、色バランスや濃度バランスの良い反射原稿もしくは表示原稿を極めて簡単な処理系によってリアルタイムで簡単に作成することができる色変換方法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になるような3つの信号で表わされた原画像の画像データを入力システムから受け、この画像データに対して色変換して3つの色変換信号を得るに際し、画素毎に、前記3つの信号のうちの最大値、前記3つの信号のうちの最小値、前記3つの信号のうちの中央値及び前記3つの信号の平均値のうちいずれか1つの値を第1の信号成分とし、前記3つの信号の各々から前記第1の信号成分を除いて得られる第2の信号成分を画素毎に求め、前記第1の信号成分の値の増幅処理あるいは減衰処理を画素毎に行うとともに、前記第2の信号成分の値の増幅処理あるいは減衰処理を画素毎に行い、これらの処理結果を加算することにより、3つの色変換信号を生成し、前記第2の信号成分の増幅処理あるいは減衰処理と、前記第1の信号成分の増幅処理あるいは減衰処理は、前記3つの信号毎に係数を乗算する処理であり、かつ前記第1の信号成分の値の増幅処理あるいは減衰処理に用いる係数は、前記3つの信号に共通の係数であることを特徴とする色変換方法を提供するものである。
【0011】
ここで、前記3つの信号を画素毎に(B,G,R)とし、前記3つの色変換信号を(B´,G´,R´)とする時、前記3つの信号から前記3つの色変換信号への色変換は、下記式(1)によって表わされるのが好ましい。
B´=k01{B−f(B,G,R)}+k1 {f(B,G,R)−C1 }+C2
G´=k02{G−f(B,G,R)}+k1 {f(B,G,R)−C1 }+C2
R´=k03{R−f(B,G,R)}+k1 {f(B,G,R)−C1 }+C2 ……(1)
ここで、f(B,G,R)は、前記3つの信号B,G,Rのうちの最大値、前記3つの信号(B,G,R)のうちの最小値、前記3つの信号B,G,Rのうちの中央値及び前記3つの信号B,G,Rの平均値のうちいずれか1つを表し、係数k01,k02,k03とk1 は、正の実数であり、C1は前記入力システムにおける原画像の最小濃度の信号値であり、C 2 は3つの色変換信号の供給先の画像出力システムによって再現される最小濃度の信号値である。また、前記係数k01,k02,k03とk1は、前記入力システム及び前記画像出力システムに応じて異なる一定の値を有することが好ましく、さらに、前記3つの信号の数値が前記画像出力システムによって再現される最大濃度の信号値を超え又は前記最小濃度の信号値を下回る場合、最大濃度の信号値を超える又は前記最小濃度を下回る前記数値を、最大濃度の信号値又は前記最小濃度の信号値にクリップすることが好ましい。また、前記係数k01,k02,k03は、すべて同じ値k0(k0 >0)であるあるのが好ましい。
【0012】
また、前記3つの信号は、これらの3つの信号の各要素の数値がすべて一致し、信号値Nで表わされる時、この信号値Nが対応するグレーの輝度Lの対数の一次関数で表される信号であり、下記式(2)で表わされるのが好ましい。
N=c1 logL+c2 ………(2)
ここで、c 1 、c 2 は、係数である。
また、前記3つの信号は、解析濃度で表される等価中性濃度、積分濃度で表される積分等価中性濃度、露光濃度、対数露光量および測色濃度のいずれかの信号であるのが好ましい。
【0013】
前記3つの信号は、これらの3つの信号の各要素の数値がすべて一致し、信号値Nで表わされる時、この信号値Nが対応するグレーの輝度Lのべき乗の一次関数で表される信号であり、下記式(3)で表わされるのが好ましい。
N = c1 Lγ +c2 ………(3)
ここで、c 1 、c 2 は、係数であり、べき指数γは、0<γ<1を満たす実数である。
また、前記3つの信号は、テレビモニタの信号または下記式(4)で表される信号であるのが好ましい。
NX =(X/X0)1/3 =(L* +16)/116+a* /500
NY =(Y/Y0)1/3 =(L* +16)/116
NZ =(Z/Z0)1/3 =(L* +16)/116−b*/200
………(4)
ただし、X,Y,Zは3刺激値であり、X0 ,Y0 ,Z0 はリファレンスホワイトの3刺激値である。
また、L* はL* a* b* 色空間の明度指数、a* およびb*は知覚色度指数である。
【0014】
また、前記画像データは、明るさ調整および/またはホワイトバランス調整が行われた後のセットアップ済画像データであるのが好ましい。
【0015】
また、本発明の第2の態様は、被写体もしくは3つ以上の色材からなる透過媒体上に形成された原稿画像を3つ以上の色材からなる反射媒体に複製するに際し、前記被写体もしくは前記原稿画像を、互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になり、かつ光の強度に対して対数スケールである3つの信号で表された画像データに変換し、画素毎に、前記3つの信号のうちの最大値、前記3つの信号のうちの最小値、前記3つの信号のうちのメディアン値及び前記3つの信号の平均値のうちいずれか1つの値を第1の信号成分とし、前記3つの信号の各々から前記第1の信号成分を除いて得られる第2の信号成分を画素毎に求め、前記第1の信号成分の値の増幅処理あるいは減衰処理を画素毎に行うとともに、前記第2の信号成分の値の増幅処理あるいは減衰処理を画素毎に行い、これらの処理結果を加算することにより、3つの第1色変換信号に変換した後、この第1色変換信号を前記反射媒体上に複製するための第2色変換信号に変換し、前記第2の信号成分の増幅処理あるいは減衰処理と、前記第1の信号成分の増幅処理あるいは減衰処理は、前記3つの信号毎に係数を乗算する処理であり、かつ前記第1の信号成分の値の増幅処理あるいは減衰処理に用いる係数は、前記3つの信号に共通の係数であることを特徴とする色変換方法を提供するものである。
【0016】
ここで、前記3つの信号を画素毎に(B2,G2,R2)とし、前記3つの第1色変換信号を画素毎に(B3,G3,R3)とする時、前記3つの信号から前記3つの第1色変換信号への変換は、下記式(5)によって行われるのが好ましい。
B3=k0 (B2−A)+k1 (A−min(xy)A)+BW
G3=k0 (G2−A)+k1 (A−min(xy)A)+GW
R3=k0 (R2−A)+k1 (A−min(xy)A)+RW …(5)
ここで、Aは前記3つの信号のうちの最小値、前記3つの信号のうちの中央値及び前記3つの信号の平均値のうちいずれか1つの値であって、k0 およびk1 は定数、(BW,GW,RW)は反射媒体のベース濃度値で、min(xy)AはAの画面全体の画素にわたる最小値を表わす。
【0017】
ここで、中央値は、与えられた(B2,G2,R2)に対して2番目に大きい値をあらわす。
【0018】
また、前記原稿画像は、3つ以上の色材からなる透過媒体上に形成されたカラーポジ画像であり、
前記定数k0 およびk1 は、0.7<k1 <k0 ≦1を満たすのが好ましい。また、前記最小値min(xy)Aを定数で代用する場合には、0.0から0.3の間の定数であるのが好ましく、さらに好ましくは0.1から0.2の間の定数である。
【0019】
また、前記原稿画像は、3つ以上の色材からなる透過媒体上に形成されたカラーポジ画像であり、前記3つの信号は、前記カラーポジ画像を3つの一次独立な分光感度を有するスキャナの読み取りによる各画素毎の解析濃度を、予め定められたルックアップテーブルを用いて変換して得られた3色の等価中性濃度の信号であり、前記3つの第1色変換信号は、色変換された3色の等価中性濃度の信号であり、さらに、前記第2色変換信号に変換されるのが好ましい。
【0020】
また、前記原稿画像は、3つ以上の色材からなる透過媒体上に形成されたカラーポジ画像であり、前記3つの信号は、前記カラーポジ画像を3つの一次独立な分光感度を有するスキャナの読み取りによる各画素毎の積分濃度を、予め定められたルックアップテーブルを用いて変換して得られた3色の積分等価中性濃度の信号であり、前記3つの第1色変換信号は、色変換された3色の積分等価中性濃度の信号であるのが好ましい。
【0021】
また、前記3つの信号は、前記被写体を3つの一次独立な分光感度を有する固体撮像素子の撮像による露光濃度を、ルックアップテーブルを用いて変換して得られた3色の積分等価中性濃度の信号であり、前記3つの第1色変換信号は、色変換された3色の積分等価中性濃度の信号であるのが好ましい。
【0022】
また、前記3つの信号は、前記被写体を3つの一次独立な分光感度を有する固体撮像素子の撮像による露光濃度を、ルックアップテーブルを用いて変換して得られた3色の積分等価中性濃度の信号であり、前記3つの第1色変換信号は、色変換された3色の積分等価中性濃度の信号であるのが好ましい。
【0023】
または、前記スキャナまたは前記固体撮像素子またはカラーネガフィルムの3つの一次独立な分光感度をB,G,Rとし、画素毎に、前記解析濃度、前記積分濃度または前記露光濃度を濃度(B1,G1,R1)とし、前記3つの等価中性濃度または積分等価中性濃度を濃度(B2,G2,R2)とし、前記等価中性濃度の信号である3つの第1色変換信号または前記積分等価中性濃度の信号である3つの第1色変換信号を濃度(B3,G3,R3)とし、前記第2色変換信号を濃度(B4,G4,R4)とする時、前記画素毎の濃度(B1,G1,R1)は、予め作成された第1のルックアップテーブルLUT1を介して下記式(6)に従って前記濃度(B2,G2,R2)に変換され、
B2=LUT1B (B1)
G2=LUT1G (G1)
R2=LUT1R (R1) ………(6)
前記濃度(B3,G3,R3)は、予め作成された第2のルックアップテーブルLUT2を介して下記式(7)に従って前記濃度(B4,G4,R4)に変換され、プリンタに出力されるのが好ましい。
B4=LUT2B (B3)
G4=LUT2G (G3)
R4=LUT2R (R3) ………(7)
ここで、濃度B4,G4,R4が前記反射媒体の最大濃度あるいは最小濃度を越えた場合には、超えた値にクリップする。
【0024】
または、前記スキャナまたは前記固体撮像素子またはカラーネガフィルムの3つの一次独立な分光感度をB,G,Rとし、画素毎に、前記解析濃度、前記積分濃度または前記露光濃度を濃度(B1,G1,R1)とし、前記3つの等価中性濃度または積分等価中性濃度を濃度(B2,G2,R2)とし、前記等価中性濃度の信号である3つの第1色変換信号または前記積分等価中性濃度の信号である第1色変換信号を濃度(B3,G3,R3)とし、前記第2色変換信号を濃度(B4,G4,R4)とする時、
前記画素毎の濃度(B1,G1,R1)は、予め作成された第1のルックアップテーブルLUT1を介して下記式(8)に従って3色の積分等価中性濃度(B2 0 ,G2 0 ,R2 0 )に変換され、
B2 0 =LUT1 B (B1)
G2 0 =LUT1 G (G1)
R2 0 =LUT1 R (R1) ………(8)
次いで、下記式(9)によりセットアップを行うことによって、濃度(B2,G2,R2)が求められ、
前記濃度(B3,G3,R3)は、予め作成された第2のルックアップテーブルLUT2を介して式(7)に従って前記濃度(B4,G4,R4)に変換され、プリンタに出力されるのが好ましい。
B2=B2 0 −BS+AS
G2=G2 0 −GS+AS
R2=R2 0 −RS+AS ………(9)
ここでBS,GS,RSは、
min (xy) B2 0 ≦BS≦max (xy) B2 0
min (xy) G2 0 ≦GS≦max (xy) G2 0
min (xy) R2 0 ≦RS≦max (xy) R2 0
を満たす値である。なおmin (xy) B2 0 ,min (xy) G2 0 ,min (xy) R2 0 はB2 0 ,G2 0 ,R2 0 の画面全体の画素に亘る最小値を表し、max (xy) B2 0 ,max (xy) G2 0 ,max (xy) R2 0 はB2 0 ,G2 0 ,R2 0 の画面全体の画素に亘る最大値を表わす。また、ASは、BS,GS,RSのうち最大値である。
【0027】
また、前記第1および第2のルックアップテーブルLUT1およびLUT2を、予め前記透過媒体および前記反射媒体の前記3つの色材の分光吸収波形を測定し、光源S(λ)の下でグレーになるような分光吸収波形を複数の明度について発生させ、これらのグレー分光吸収波形の1つをf(λ)とする時、これらのグレー分光吸収波形f(λ)をそれぞれ比視感度曲線V(λ)および前記スキャナのフィルタの分光吸収波形B(λ),G(λ),R(λ)により積分し、光学濃度DV ,DB ,DG ,DR データを下記式(10)に従って作成し、前記透過媒体および前記反射媒体それぞれについて、光学濃度DV を縦軸、光学濃度DB ,DG ,DR を横軸にプロットすることにより作成するのが好ましい。
【数4】
【0028】
また、前記第1のルックアップテーブルLUT1は、画素毎に視覚的にグレーと認められる複数の色に対して3つの数値が一致し、かつ光の強度に対して対数スケールである信号に変換するために用いられるものであり、前記第2のルックアップテーブルLUT2は、前記第1色変換信号を前記第2色変換信号に変換するために用いるものであり、前記第1のルックアップテーブルは恒等変換であり、前記第2のルックアップテーブルは、反射媒体上に形成されるグレースケールに関する前記固体撮像素子または前記カラーネガフィルムの分光感度による積分濃度と視覚濃度を、それぞれ横軸、縦軸にプロットすることにより作成されるのが好ましい。
【0029】
また、前記色変換方法を用いて、第1の媒体上に形成されているカラー画像を第2の媒体に複製するに際し、互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になる前記3つの信号は、第1の媒体上に形成されているカラー画像の積分等価中性濃度の信号であり、この積分等価中性濃度の信号に対して、色変換の処理を施すことが好ましい。ここで、積分等価中性濃度は、各要素の数値がすべて一致した時の信号値が対応する輝度の対数またはべき乗の一次関数であるのが好ましい。但し、べき指数γは0<γ<1を満たす実数である。
【0030】
また、前記色変換方法を用いて、撮影被写体を媒体に複製するに際し、互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になる前記3つの信号は、前記撮影被写体の3つの独立な分光感度の露光濃度から変換した積分等価中性濃度の信号であり、この積分等価中性濃度の信号に対して、色変換の処理を施すことが好ましい。ここで、露光濃度および積分等価中性濃度は、各要素の数値がすべて一致した時の信号値が対応する輝度の対数またはべき乗の一次関数であるのが好ましい。但し、べき指数γは0<γ<1を満たす実数である。
【0031】
また、前記第1および第2のルックアップテーブルLUT1およびLUT2を作る際のグレースケールまたはグレーは、L* a* b* 空間において測色グレーからb* 軸の負側に少し変移した視覚的に最も好ましいグレー、もしくは測色グレーであるのが好ましい。
また、前記反射媒体のベース濃度値(BW,GW,RW)の代わりに反射媒体のベースに関する濃度計の濃度VWを測定し、濃度(VW,VW,VW)を用いるのが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明に係る色変換方法を添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細に説明する。
ます、本発明の第2の態様の色変換方法について説明する。
【0033】
図1は、本発明の第2の態様の色変換方法のフローの一例を示す説明図である。
同図に示すように、本発明の第2の態様の色変換方法は、透過原稿画像、例えばリバーサルフィルムに撮影されたカラーポジ画像をスキャナで光電的に読み取り、画素毎の原画像信号として収録し、これらを画素毎に視覚的にグレーと認められる複数の色に対して3つの数値が一致し、かつ光の強度に対して対数スケールであるような信号、例えば等価中性濃度(以下、END(Equivalent Neutral Density)ともいう)や解析濃度であるこの等価中性濃度を積分濃度に拡張した濃度(以下、本発明においては、積分等価中性濃度(積分END)という)に変換する。
【0034】
ところで、本発明の第2の態様においては、入力となる原稿画像としてリバーサルフィルムのカラーポジ画像を挙げているが、本発明はこのような特定のハードコピーに限定されるわけではなく、ENDや積分END(以下、INDともいう)などの上述した信号に変換できる入力であればどのようなものでもよい。例えば、本発明は、被写体を直接CCD等の固体撮像素子で撮影して、例えばデジタルカメラやビデオカメラ等のCCDを用いて撮影してデジタル画像信号とした後、反射プリントに出力する系や被写体をカラーネガティブフィルムに撮影して、得られたカラーネガ画像をスキャナやCCDで読み取りデジタル画像信号とした後、反射プリントとして出力する系にも適用可能である。なお、ここでは、画素毎に視覚的にグレーと認められる複数の色に対して3つの数値が一致し、かつ光の強度に対して対数スケールであるような信号を、INDを代表例として挙げて説明する。また、一次独立な3つの色として、3原色青(B)、緑(G)、赤(R)を代表例として挙げて説明し、INDをDB ,DG ,DR で表わすが、本発明はこれに限定されず、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3色またはその他の1次独立な3色の組み合わせであってもよいことはもちろんである。
【0035】
次に、本発明法の特徴部分であるIND;DB ,DG ,DR からの明度成分および各色の色度成分の算出を行う。
ところで、前述したように、レンジ圧縮ではハイライト・シャドーの描写、コントラスト保存、彩度保存および色相保存の4件の仕様が満たされることが望ましい。
しかし、要求される仕様の総数が4件であるのに対して、自由度はB,G,Rの3つに過ぎない。すなわち4つの仕様が互いに独立ならば、全てを満たすことは不可能である。レンジ圧縮においては、何ができて何ができないかを良く見極めることが重要であり、本発明では原稿、特に透過ポジ原稿への忠実性を重要視する点から、色相保存とハイライト・シャドーの描写を行う。なお、説明を簡単にするために、ここでは、ブロック色素(各色素の吸収波形が矩形で、BGR濃度が揃った時にグレーになる)系を用いて説明を行う。
【0036】
さて色彩学によれば色相は真数比B:G:Rで与えられるから、濃度(対数スケール)で色相を保存するには、BとGとの間やGとRとの間等の濃度差を保存すれば良い。ここで色相保存のために自由度が2つ失われる。
さらに視覚系の性質から、ハイライト・シャドーの大半の色は無彩色あるいはその近傍に属している。そこで与えられた色から無彩色成分のみを抽出し、圧縮(すなわち軟調化)することができれば、ハイライト・シャドーの描写が実現できると考えられる。
【0037】
すなわち、任意に与えられた色を色度成分と明度成分とに分離し、色度成分を保存し明度成分を圧縮すれば、色相保存とハイライト・シャドーの描写とを同時に実現できる。そこで与えられた色のBGR濃度を(DB ,DG ,DR )とし、その明度をDA として、以下のような式(11)に分解する。
【数5】
ここで右辺中の第1項を色度成分、第2項を明度成分と解釈することができる。
【0038】
このように与えられた色のBGR濃度(DB ,DG ,DR )に対して第1項の色度成分および第2項の明度成分に分解することができれば、明度成分DA を圧縮する上記画像処理は下記式(12)のように表わされ、第1色変換(色空間圧縮)されたBGR濃度、すなわち第1色変換(以下、単に色補正という)積分END(DrB,DrG,DrR)を算出することができる。
【数6】
ここで、kは0<k<1を満たすような圧縮係数である。
【0039】
さらに、リバーサル原稿画像中の最も明るい点を反射媒体であるペーパーの白地DrWに合わせるというセットアップ条件を入れれば下記式(13)を得ることができる。
【数7】
ここでmin(xy)DA はDA の画面全体の画素にわたる最小値を表わす。以後、簡単のために、添字iがB,G,Rを表わすものとして、
Dri=Di −DA +k(DA −min(xy)DA )+DrW、または
Dri (x,y)=Di (x,y) −DA (x,y) +k{DA (x,y)
−min(xy)DA (x,y) }+DrW
のような略記法を用いる。
【0040】
この式が実際に上述した仕様を満足していることは下記式(14)からも明らかである。すなわち、任意のi≠jに対して
となることから、明度の定義に関わらず濃度差が保存されていることがわかる。また
DrA=kDA <DA 、または
=k(DA −min(xy)DA )<DA
であるから、明度成分が圧縮されていることがわかる。従って、明度DA を定義すれば、本発明の色変換方法のアルゴリズムを確定することができる。明度の定義については後述する。
【0041】
こうして、明度成分(DA −min(xy)DA )のみが圧縮された色補正積分END(DrB,DrG,DrR)が算出されると、この濃度信号(DrB,DrG,DrR)がプリンタ、すなわちこのプリンタに用いられる反射媒体および反射媒体上に形成される3つ以上の色材に応じた出力画像信号(デバイスデペンデントデータ)に変換され、プリンタによって反射媒体上に透過原稿画像が複製された反射再生画像を得ることができる。このようにして複製された反射媒体上への再生画像は、色相が十分に保存され、ハイライト・シャドーが実現され明度成分のみが圧縮された透過原稿画像が忠実に再現された画像である。
【0042】
次に、明度成分DA を設定する方法について説明する。
本発明においては、明度成分DA は、与えられた濃度(DB ,DG ,DR )に対して各濃度DB ,DG ,DR の最大値、最小値もしくは中間値で表わすのが好ましい。すなわち最大値で表わす場合は、DA =max(DB ,DG ,DR )、最小値の場合はDA =min(DB ,DG ,DR )、中間値はDA =median(DB ,DG ,DR )として表わすことができる。ここで、medianは、与えられた濃度(DB ,DG ,DR )に対して2番目に大きい(または小さい)値を返す関数である。
色彩学の通常の常識に従えば、明度DA は
と定義されるべきである。しかしこの定義は全ての視覚現象を説明できるわけではない。例えばヘルムホルツコールラウシュ効果、ハント効果、ベゾルトブリュッケル効果等は説明できない。現在でも明るさに関する様々なモデルが検討されているが、全ての視覚現象を説明できるモデルは見出されていない。従って、本発明では明度の定義をゼロベースで行う。
【0043】
さて、明度DA は少なくとも次の不等式を満たさなくてはならない。
min{DB ,DG ,DR }≦DA ≦max{DB ,DG ,DR }
まず最大値と最小値を押さえる意味でmin{DB ,DG ,DR }とmax{DB ,DG ,DR }の2つを明度の定義として採用することができる。CIE表色系に慣れてしまうと、これらはいささか奇妙な定義であるが、全ての色を白と黒と完全色の比で記述するオストワルト表色系の立場では極めて自然な定義になっている。すなわちmin{DB ,DG ,DR }は黒量に、max{DB ,DG ,DR }は白量に相当する。
なおオストワルト表色系はドイツ工業規格DINのベースになっており、またmin{DB ,DG ,DR }は印刷分野でアンダーカラーと呼ばれ、墨版生成(下色除去、UCR: Uuder Color Removal)に用いられる。その意味で、両者とも十分な実績を誇る定義である。
【0044】
しかしながらこの両者は明度の取り得る最大値と最小値であり、明るさを過大にあるいは過小に評価している可能性は否めない。そこで第3の明度を色の見えから帰納的に定義する。
さて明度DA を定めれば、下記式(15)により色度ベクトルΔDi が定まる。
【数8】
ここでΔDB ,ΔDG ,ΔDR に対して、
ΔDB >0⇔Y(イエロー,yellow)、ΔDG >0⇔M(マゼンタ,
magenta )、ΔDR >0⇔C(シアン,cyan)
ΔDB =0⇔無彩色(グレー,neutral )、ΔDG =0⇔neutral 、
ΔDR =0⇔neutral
ΔDB <0⇔B(ブルー,blue)、ΔDG <0⇔G(グリーン,green )、
ΔDR <0⇔R(レッド,red )
という解釈を対応させれば、任意の色度ベルトルに対して色の解釈を対応させることができる。なお記号P⇒Qは、命題『PならばQ』を表す。この解釈系は補色の関係にある解釈が同時に出現しないことや、色相環上で隣り合う色相しか同時に出現できないことに特徴がある。これはHeringが色の見えに関して与えた反対色モデルと実質的に同等な解釈モデルである。
【0045】
この解釈系の下で、明度を定めると、与えられた色の解釈、すなわち色の見えが定まる。例えば、明度DA をmin{DB ,DG ,DR }で定義すれば、肌色は次のように解釈される。ここで、DB >DG >DR であることに注意すると、
【数9】
であるから、DA =min(xy)Di の下で肌色はイエローマゼンタと解釈される。このように明度を定めれば色度の解釈が定まるが、逆に色度の解釈を定めれば明度の定義が導かれる。
【0046】
ところで、肌色は明らかにイエローレッドとして知覚されるから、
【数10】
また、黄緑は文字通りイエローグリーンとして知覚されるから、
【数11】
さらに、青空色はシアンブルーとして知覚されるから、
【数12】
でなくてはならない。
【0047】
すなわち
肌 色⇒DB >DG >DR ⇒DA =DG
黄 緑⇒DB >DR >DG ⇒DA =DR
青 空⇒DR >DG >DB ⇒DA =DG
という関係を満たすような明度を定義すれば、色の見えと両立する明度が定義されたことになる。
【0048】
このような明度を計算可能な関数として与える必要があるが、このような解釈を与える明度DA は、{DB ,DG ,DR }の中央値に他ならない。従って、本発明における明度DA として{DB ,DG ,DR }の中央値を設定することができる。なお、数値解析の分野で中央値を与える演算はメディアン(median)演算と呼ばれるので、本発明においてもこれに倣って、
DA =median{DB ,DG ,DR }
と表記する。なお、以降の説明では簡単のため、明度DA の定義に応じて以下のような名前を用いる。
DA =max {DB ,DG ,DR }の場合には、OCC(上色圧縮,
Over Color Compression) といい、
DA =median{DB ,DG ,DR }の場合には、MCC(中央色圧縮,
Median Color Compression) といい、
DA =min {DB ,DG ,DR }の場合には、UCC(下色圧縮,
Under Color Compression)という。
このようにして、明度成分DA を設定することができる。以上の説明においては、簡略化のため、ブロック色素系における濃度DB ,DG ,DR や明度DA を用い、ブロック色素系でENDや積分ENDを定義して説明しているが、以上の説明がブロック色素でない現実の色材においても同様に成り立つことはいうまでもない。本発明において用いられるENDや積分ENDは、むしろ現実の色材においてこそ有効である。
【0049】
また、上述した例においては、明度成分DA として、与えられた濃度(DB ,DG ,DR )として、max(DB ,DG ,DR )、min(DB ,DG ,DR )もしくはmedian(DB ,DG ,DR )を例示しているが、本発明はこれに限定されず、min(DB ,DG ,DR )≦DA ≦max(DB ,DG ,DR )を満足すれば、どのような関数であってもよい。例えば濃度DB ,DG ,DR の平均値、すなわちDA =1/3(DB +DG +DR )であってもよい。
【0050】
ところで、本発明においては、色相の保存とハイライトおよびシャドーの描写は確実に行われるが、彩度は正確には保存されず、若干高くなる傾向にある。一般には彩度が若干高くなることは視覚的には好まれることが多いため、本発明の最も特徴とする変換は上記式(13)で十分であるが、彩度を調整する必要がある場合には、0<k1 <k0 ≦1を満たすパラメータk0 およびk1 を用いて、上記式(13)の代わりに下記式(16)を用いるのが好ましい。
ここで、パラメータk1 は圧縮係数であり、上記式(13)における圧縮係数kと同じである。
【0051】
パラメータk1 (またはk)(明度係数ともいう)としては、入力となるリバーサルフィルムのカラーポジ画像などの原稿画像や被写体の濃度のダイナミックレンジと再現される反射プリントの再現可能な濃度のダイナミックレンジとに応じて0<k1 (k)<1.0を満たす範囲において適宜設定すればよいが、リバーサル原稿画像を反射プリントとして出力する場合の濃度ダイナミックレンジの比および人間の視覚等を考慮すると、パラメータk1 (k)は0.7<k1 (k)<1.0を満たす範囲内の数値とするのが好ましい。パラメータk1 (k)のさらに好ましい範囲は0.75≦k1 (k)≦0.9を満たす範囲である。また、パラメータk0 (彩度係数ともいう)の値としては、再現反射プリントの彩度の上昇に応じて適宜設定すれば、もしくは視覚的に最も良い値を設定すればよく、特に制限的ではないが、例えば圧縮パラメータk1 以上であるのがよく、k1 ≦k0 ≦1.0を満たす範囲内の数値にするのがよい。また、パラメータk0 およびk1 は、定数に限定されず、(B,G,R)に応じてパラメータk0 とk1 の値を変化させることによって、例えば、銀塩写真感光材料で用いられるS字型曲線のような非線型な変換を行ってもよい。
【0052】
また、上述した例においては、反射プリントペーパーなどの反射媒体の白地DrWに合わせるために、原稿画像中の最も明るい点(画素点;x,y座標点として示す)として、明度成分の最も小さい値min(xy)DA を用いているけれども、本発明はこれに限定されず、原稿画像の明度成分DA に直接依存しない0.0から0.3の間の定数としてもよく、より好ましくは0.1から0.2の間の定数であるのがよい。この定数値としては、被写体の撮影光源などを含む撮影環境や原稿画像が形成される透過媒体のベース濃度、および透過媒体自身や透過媒体上の用いられる3色以上からなる色材等に応じて、さらには必要に応じて反射プリントの反射媒体や色材を考慮して0.0から0.3の間で適宜選択すればよい。
また、上述した例では、原稿画像中の最も明るい点が合わせられる反射プリントペーパーなどの反射媒体のベース濃度値(等価中性濃度や積分等価中性濃度などの信号値)としてペーパーなどの反射媒体の白地の濃度(DrW,DrW,DrW)を用いているが、これらの白地の濃度としては、原稿画像を収録するスキャナやCCD等で読み取って、変換したENDや積分END等の信号値(BW,GW,RW)を用いるのが好ましい。また、反射媒体の白地DrWとして、こうして求めた濃度値BW,GW,RWのうちの1つを用いて表わしてもよいし、反射媒体の白地やベース濃度を直接濃度計、好ましくはビジュアル濃度計で計測し、その測定値VWを用いて表わしてもよい。
【0053】
本発明の第2の態様の色変換方法は、基本的に以上のように構成される。なお、本発明においては、被写体もしくは原稿画像からENDもしくは積分ENDなどの画素毎に視覚的にグレーと認められる複数の色に対して3つの数値が一致し、かつ光の強度に対して対数スケールであるような信号への変換および本発明の色変換方法によるレンジ圧縮がなされた色補正ENDもしくは色補正積分ENDなどの色補正信号から出力される反射プリントの反射媒体および色材、すなわち反射プリントを出力するプリンタに依存する第2色変換された画像データ信号(第2色変換信号)への変換は、特に限定的ではないが、ルックアップテーブルを用いて行うのが好ましい。
【0054】
まず、ENDまたは積分ENDなどの前述した3つの信号を得るためのおよび第2色変換のためのルックアップテーブルのLUT1およびLUT2の作成方法について説明する。
本発明に用いられる3つ以上の色材からなる透過媒体上、例えばリバーサルフィルムにグレースケールを形成して、このグレースケールの透過濃度を複数点について3つの1次独立な分光感度を有するスキャナおよび第4の感度を有する濃度計によって測定する。ここでスキャナは、例えばピーク波長436nm(B)、546nm(G)、644nm(R)を持つISOの狭帯域フィルタを備え、3つの1次独立な分光感度B,G,Rにおける濃度を測定できるように構成するのがよい。また、第4の感度を有する濃度計はビジュアル濃度計であるのが好ましい。
【0055】
こうして測定されたスキャナによる透過濃度をB,G,R毎に横軸に、濃度計による透過濃度をB,G,R毎に縦軸にプロットし、スキャナによって収録された原稿画像の原画像信号をENDや積分ENDに変換する第1のルックアップテーブルLUT1を作成する。この第1のルックアップテーブルLUT1は、B,G,R毎にそれぞれ1次元ルックアップテーブルLUT1B ,LUT1G ,LUT1R の3つから構成される。ここで、スキャナによる透過濃度は、ENDの場合にはスキャナ解析濃度であり、積分ENDの場合にはスキャナ積分濃度である。
【0056】
一方、反射媒体についても、同様に、グレースケールを形成し、このグレースケールを前述したスキャナおよびビジュアル濃度計で計測し、B,G,R毎に、スキャナによる反射濃度を縦軸に、濃度計による反射濃度を横軸にプロットして、反射媒体のための色補正ENDや色補正積分ENDから反射プリント出力のための第2色変換信号に変換する第2のルックアップテーブルLUT2を作成する。この第2のルックアップテーブルLUT2も、第1のルックアップテーブルLUT1と同様に、LUT2B ,LUT2G ,LUT2R の3つの1次元ルックアップテーブルから構成される。また、このスキャナによる反射濃度も、透過濃度と同様にスキャナ解析濃度(ENDの場合)またはスキャナ積分濃度(積分ENDの場合)である。こうして、予め、第1および第2のルックアップテーブルLUT1およびLUT2が作成される。
【0057】
このようにして作成された第1および第2のルックアップテーブルLUT1およびLUT2を用いて、本発明の色変換方法を実施する。
まず、リバーサルフィルムに形成されたカラーポジ画像をスキャナで読み取り、得られた原画像信号を画素毎のスキャナ積分濃度(または、解析濃度)(B1,G1,R1)に変換する。こうして得られた原稿画像のスキャナ積分濃度(または解析濃度)(B1,G1,R1)を上述の第1のルックアップテーブルLUT1を介して下記式(6)に従って積分END(またはEND)(B2,G2,R2)に変換する。
B2=LUT1B (B1)
G2=LUT1G (G1)
R2=LUT1R (R1) ……(6)
【0058】
次いで、こうして得られた画素毎の積分END(またはEND)(B2,G2,R2)を画素毎に下記式(5)により色補正積分END(または色補正END)(B3,G3,R3)に変換する。
B3=k0 (B2−A)+k1 (A−min(xy)A)+BW
G3=k0 (G2−A)+k1 (A−min(xy)A)+GW
R3=k0 (R2−A)+k1 (A−min(xy)A)+RW …(5)
なお、この式(5)は、上記式(16)において、Dri(DrB,DrG,DrR)を(B3,G3,R3)に、Di (DB ,DG ,DR )を(B2,G2,R2)に、DA をAに、DrW(DrW,DrW,DrW)を(BW,GW,RW)に置き換えた式である。
【0059】
従って、上記式(5)において、Aは積分END(またはEND)(B2,G2,R2)に対して定まる明度成分であって、min{B2,G2,R2}≦A≦max{B2,G2,R2}を満たす関数、k0 およびk1 は0<k1 <k0 を満たす定数、(BW,GW,RW)は反射媒体のベースのスキャナ濃度を第2ルックアップテーブルLUT2により逆変換した値で、min(xy)AはAの画面全体の画素(x,y)にわたる最小値を表わすことはいうまでもない。
この時、明度成分Aは、OCC(A=max{B2,G2,R2})、UCC(A=min{B2,G2,R2})もしくはMCC(A=median{B2,G2,R2})のいずれかが選択される。
【0060】
最後に、こうして得られた色補正積分END(または色補正END)(B3,G3,R3)は、予め作成された上記第2のルックアップテーブルLUT2を介して下記式(7)に従って本発明の第2色変換信号である積分濃度(または解析濃度)(B4,G4,R4)に変換され、プリンタに出力され、反射プリントが得られる。
B4=LUT2B (B3)
G4=LUT2G (G3)
R4=LUT2R (R3) ………(7)
ここで、積分濃度(または解析濃度)B4,G4,R4が前記反射媒体の最大濃度あるいは最小濃度を越えた場合には、超えた値にクリップする必要がある。
こうして、得られた、反射プリントは、原稿画像、特に透過原稿が忠実に再現された反射原稿である。
【0061】
ところで、上述した本発明の第2の態様の色変換方法は、原稿画像に忠実な反射原稿を作成するものであるので、入力原稿画像が適正な色および濃度を持つ場合、すなわち、色バランスおよび濃度バランスの良い画像である場合には、出力反射原稿画像も適正な色および濃度を持ち、色バランスおよび濃度バランスの良い画像に仕上げることができる。しかしながら、ユーザが持ち込む原稿画像は適正な色および濃度を持ち、色バランスおよび濃度バランスの良い画像ばかりであるとは限らない。例えば、通常、ユーザによって持ち込まれるリバーサルフィルムなどの透過ポジ原稿やカラーネガフィルムなどの透過ネガ原稿は、その大半が適正な色および濃度バランスを持つ画像であるが、その1〜2割は、色および濃度バランスが崩れた原稿画像であるといわれている。
【0062】
このため、ユーザから持ち込まれた色バランスおよび濃度バランスの崩れている原稿にそのまま本発明の色変換方法を適用すると、出力される反射プリントにも色バランスおよび濃度バランスが崩れた画像がそのまま再現されてしまうことになる。
そこで、ユーザから色バランスおよび濃度バランスの崩れている原稿が持ち込まれた場合には、上述した本発明の色変換方法を適用する前に、光電的に読み取られた原稿画像データの色バランスおよび濃度バランスを修正するために、セットアップを行って、適正なバランスを持つ原稿画像信号に変換しておく必要がある。
【0063】
以下に、本発明において、行うことのできるセットアップ方法について説明する。
本態様においては、得られた原稿画像のスキャナ積分濃度(または解析濃度)(B1,G1,R1)を上述の第1のルックアップテーブルLUT1を介して下記式(8)に従って積分END(またはEND)(B20 ,G20 ,R20 )に変換する。
B20 =LUT1B (B1)
G20 =LUT1G (G1)
R20 =LUT1R (R1) ………(8)
【0064】
次いで、下記式(9)により積分END(またはEND)(B20 ,G20 ,R20 )にセットアップを行って、積分END(またはEND)(B2,G2,R2)を求める。
B2=B20 −BS+AS
G2=G20 −GS+AS
R2=R20 −RS+AS ………(9)
ここでBS,GS,RSは、
min(xy)B20 ≦BS≦max(xy)B20
min(xy)G20 ≦GS≦max(xy)G20
min(xy)R20 ≦RS≦max(xy)R20
を満たす値である。なおmin(xy)B20 ,min(xy)G20 ,min(xy)R20 はB20 ,G20 ,R20 の画面全体の画素に亘る最小値を表わし、max(xy)B20 ,max(xy)G20 ,max(xy)R20 はB20 ,G20 ,R20 の画面全体の画素に亘る最大値を表す。
また、ASは、BS,GS,RSによって定まる実数であり、例えば、ASとしてmax{BS,GS,RS}を用いることができる。
【0065】
こうして得られたセットアップ積分END(セットアップEND)(B2,G2,R2)にレンジ圧縮のための本発明の色変換処理を上述したように施して、反射プリントを出力する。こうして得られた反射プリントは、色および濃度バランスが崩れている透過原稿から得られたものであっても、バランスのよい画像が再現されたものとなる。
なお、上述した例では、スキャナ積分濃度(解析濃度)を積分END(END)に変換した後に、積分END(END)をセットアップしているが、本発明はこれに限定されず、原画像の画像信号の色および濃度バランスを修正するために用いられるセットアップ方法であればどのようなセットアップ方法でもよく、例えば、スキャナ積分濃度(解析濃度)の段階で行うセットアップ方法であってもよいなど、従来公知のセットアップ方法を行うものであってもよい。
【0066】
上述した例においては、原稿画像として3つ以上の色材からなる透過媒体上に形成されたカラーポジ画像を用い、この透過ポジ画像を3つの一次独立な分光感度を有するスキャナを用いて収録した画素毎の原画像信号から変換してスキャナによる積分濃度を得た後、このスキャナ積分濃度を変換して得られた3色の積分ENDを用いてレンジ圧縮変換を行う系を代表例として説明しているが、本発明はこれに限定されず,図2に示すように(また、括弧書きで示しているように)、透過ポジ画像からスキャナを用いて収録された画素毎の原画像信号から変換してスキャナによる解析濃度を得た後、このスキャナ解析濃度を変換して得られた3色のENDを用いてレンジ圧縮変換を行う系であってもよいことはもちろんである。
【0067】
また、入力原稿画像信号として、被写体を3つの一次独立な分光感度を有するCCDなどの固体撮像素子を用いて直接収録された画素毎の原画像信号を用い、これを変換して固体撮像素子による露光濃度を得た後、この露光濃度を変換して得られた3色の積分ENDを用いてレンジ圧縮変換を行う系であってもよいし、被写体を3つの一次独立な分光感度を有するカラーネガフィルムに撮影し、カラーネガフィルムに撮影された被写体を、スキャナまたは固体撮像素子などを補助的に用いて、カラーネガフィルムによる画素毎の露光濃度に変換した後、この露光濃度を変換して得られた3色の積分ENDを用いてレンジ圧縮変換を行う系であってもよい。
露光濃度は、被写体に関する撮影感光材料あるいは撮像デバイスの分光感度による積分濃度である一方、グレーの被写体に対してはその数値が揃うという性質を持っているので、前記分光感度による積分等価中性濃度と等価である。従って、露光濃度から積分等価中性濃度への変換は恒等変換(y=x)である。
【0068】
また、上述した例では、第1および第2のルックアップテーブルLUT1およびLUT2を作成するために、透過媒体および反射媒体上に形成されたグレースケールの透過濃度および反射濃度を測定するために、スキャナのB,G,Rに対して第4の分光感度を有する濃度計、好ましくはビジュアル濃度計を用いているけれども、本発明はこれに限定されず、ビジュアル濃度計でなくても良いことは勿論、グレースケールのビジュアル透過濃度およびビジュアル反射濃度もしくはこれらの濃度と等価であると見なせる濃度を計測できればどのような手段を用いてもよい。例えば、濃度計の代わりにスキャナのB,G,Rのいずれかを用いてもよい。
また、上述した例では、第1および第2のルックアップテーブルLUT1およびLUT2を作成するために、スキャナおよび濃度計で透過媒体および反射媒体上に形成されたグレースケールの透過濃度および反射濃度を実測しているけれども、本発明はこれに限定されず、透過媒体および反射媒体上に形成されたグレースケールから得られるスキャナ透過濃度および反射濃度ならびにビジュアル透過濃度およびビジュアル反射濃度もしくはこれらの濃度と等価であると見なせる濃度を得ることができれば、どのような手段を用いてもよく、透過媒体および反射媒体上に形成されたグレースケールを用いなくても良いし、勿論濃度計を用いなくても良い。
【0069】
例えば、以下のようにして第1および第2のルックアップテーブルLUT1およびLUT2を作成してもよい。
まず、透過媒体および反射媒体の3つの色材の分光吸収波形を測定し、光源S(λ)の下でグレー、例えば測色グレー(Lab空間でa* =b* =0)になるような分光吸収波形(以下、グレー波形という)を複数の明度について発生させる。次に、これらのグレー波形をそれぞれ比視感度曲線V(λ)およびスキャナのフィルタの分光吸収波形B(λ),G(λ),R(λ)により積分し、光学濃度DV ,DB ,DG ,DR データを作成する。これらの光学濃度DV ,DB ,DG ,DR は、グレー波形の1つをf(λ)とする時、下記式(10)に従って与えられる。こうして得られた光学濃度DV ,DB ,DG ,DR から、透過媒体および反射媒体のそれぞれについて、光学濃度DV を縦軸、光学濃度DB ,DG ,DR を横軸にプロットすることにより、透過媒体に関する第1のルックアップテーブルLUT1および反射媒体に関する第2のルックアップテーブルLUT2を作成することができる。
【0070】
【数13】
【0071】
ところで、上述した例では、第1および第2のルックアップテーブルLUT1およびLUT2を作成する際のグレースケールやグレーとして、測色グレーを用いているが、本発明はこれに限定されるわけではなく、視覚的に最も無彩色に見えるグレーであればどのようなグレーでもよい。本発明においては、測色グレーよりむしろ、図4において、L* a* b* 空間において測色グレー(a* =b* =0)から、b* 軸の負側に少し変移した視覚的に最も好ましいグレー、すなわち点線で囲まれた領域で示されるグレーが良く、より好ましくは破線で囲まれた領域で示されるグレー、さらに好ましくは実線で囲まれた領域で示されるグレーが最も好ましい。
本発明の第2の態様の色変換方法は、基本的に以上のように構成される。
【0072】
次に、本発明の第1の態様の色変換方法について説明する。
ところで、上述した本発明の第2の態様においては、入力を被写体または透過原稿画像とし、本発明の色変換処理における色変換アルゴリズムを適用する画像信号として、ENDや積分ENDなどの視覚的にグレーと認められる複数の色が一致し、かつ光の強度に対して対数スケールであるような信号を挙げているが、本発明はこれに限定されず、これらに加え、テレビモニタの信号のように視覚的にグレーと認められる複数の色が一致し、かつ光の強度に対してべき乗スケールであるような信号に拡張することができるし、色変換アルゴリズムを色空間を圧縮するものから圧縮伸張するものまで拡張することができる。
【0073】
すなわち、本発明の第1の態様の色変換方法においては、拡張された色変換アルゴリズムの対象となるデジタル画像データ信号として、互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になるような信号で表された画像データを定義することができる。
このように定義された画像データを対象とする本発明の第1の態様の色変換方法の拡張された色変換アルゴリズムのフローを含む画像再生システムを図3に示す。図3に点線による囲みで示す本発明の第1の態様の色変換方法のフロー色変換アルゴリズムは、図1および図2に示す本発明の第2の態様の色変換方法のフロー色変換アルゴリズムの第3〜5工程の色変換アルゴリズムと明度成分の圧縮に加え伸張を含む点を除いて同一であるので、拡張された色変換アルゴリズムの個々の工程については、詳細な説明を省略する。
【0074】
同図に示すように、本発明の第1の態様の色変換方法においては、対象とする入力画像は、リバーサルフィルムやOHPなどの透過ポジ原稿やネガフィルムなどの透過ネガ原稿などの透過原稿画像であっても、写真プリントと印刷物等の反射原稿画像であってもよいし、被写体そのものであってもよいし、CRTやLCD等の表示装置のモニタ表示画像やビデオプロジェクタ等の投影表示画像であってもよく、直接または収録または撮影後、直接もしくは変換によって互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になるような信号で表された画像データを得ることができるものであれば、どのような画像であってもよい。
【0075】
ここで、透過ポジ原稿画像、透過ネガ原稿画像および反射原稿画像などの場合には、図1および図2に示す第2の態様と同様に、スキャナ(透過原稿用スキャナおよび反射原稿用スキャナなど)やCCDなどの固体撮像素子を用いて収録し、画素毎に光学濃度に変換し、等価中性濃度(END)や積分等価中性濃度(積分ENDまたはIND)に変換する。
【0076】
すなわち、この場合には、ENDやINDなどを表わす、互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になるような信号で表された画像データとして、仮に3つの要素をR,G,Bとし、これらの3つの画像データ信号の各要素の数値がすべて一致し、信号値Nで表される時(B=G=R=N)、この信号値Nが、下記式(2)で示される、対応するグレーの輝度Lの対数の一次関数で表される信号を用いることができる。
N=c1 logL+c2 ………(2)
ここで、c1 およびc2 は係数である。
このような対数スケールで表される画像データ信号としては、信号値が揃ったグレーの信号値Nが上記式(2)で表されるものであればどのようなものでもよいが、例えば上述したENDやINDの他、露光濃度、対数露光量や測色濃度等も挙げることができる。
【0077】
一方、被写体を直接デジタルカメラやビデオカメラで撮影する場合や、CRTやLCD等の表示装置に表示されたモニタ表示画像や、ビデオプロジェクタ等に投影された投影表示画像などの場合には、直接デジタル画像データ信号B,G,Rを得ることができる。この場合には、これらのデジタル画像データ信号を表わす、互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になるような信号で表された画像データとして、3つの画像データ信号の各要素B,G,Rの数値が一致し、信号値Nで表される時(B=G=R=N)、この信号値Nが下記式(3)で示される、対応するグレーの輝度Lのべき乗の一次関数で表される信号を用いることができる。
【0078】
【数14】
ここで、べき指数γは、0<γ<1を満たす実数である。また、c1 およびc2 は係数である。
このようなべき乗(指数)スケールで表される信号としては、信号値が揃ったグレーの信号値Nが上記式(3)で表されるものであれば、どのようなものでもよいが、例えば、モニタに表示することのできるデジタルカメラやビデオカメラ等の出力信号、モニタの信号、ビデオプロジェクタ等の信号などを挙げることができる。なお、モニタの信号の場合には、べき指数γは、1/1.95〜1/2.4で与えられるが、一般的には1/2.2としてもよい。
【0079】
ところで、これらのデジタルカメラやモニタなどの表示用デジタル画像データ信号B,G,Rを、例えばCIEXYZ表色系の3刺激値X,Y,Zに、例えばCCIR−rec709(国際無線通信諮問委員会勧告709)などに従った下記式(17)によって変換し、得られた3刺激値X,Y,Zを、例えば下記式(18)に従って変換し、近似的にべき乗スケールで表される信号NX ,NY ,NZ を本発明法で対象とする互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になるような信号で表された画像データとして用いることもできる。
【0080】
なお、カラーマネージメントの隆盛に伴って、画像データが測色値(L* ,a* ,b* )等で与えられることが多くなっているが、このような場合には、NX ,NY ,NZ は、下記式(19)で示されるCIEXYZ表色系からCIEL* a* b* 表色系への変換式を変形することにより、下記式(4)によって求めることができる。
このような変換を施すことにより、NX ,NY ,NZ は数値が揃った時に測色グレーになり、かつその時の数値は対応するグレーの輝度の1/3乗になっているので、本発明法を容易に適用することができる。
【0081】
ところで、本発明法において色変換の対象とする画像データ信号として、上述したような対数スケールで表される信号とべき乗(指数)スケールで表される信号とを用いることができるのは、色彩学においても認められているように、人間の明るさに対する感覚は、被写体の輝度に対して対数法則、例えば写真等の評価に広く用いられる視覚濃度(Visual density)でも、指数法則でも表すことができることがよく知られており、両者、すなわち対数関数と指数関数は高い類似性を示すことが知られていることからもいえる。
【0082】
このようにして、本発明の第1の態様の色変換方法が対象とする画像データ信号B,G,R(またはNX ,NY ,NZ ;以下においては、必要に応じて説明の単純化のため、これらのNX ,NY ,NZ もB,G,Rに置き換えて説明する)が得られると、図3中点線で囲まれた本態様の色変換アルゴリズムが実行される。
ここでは、まず、これらの3つの要素の画像データ信号B,G,Rのうちの最大値 max(B,G,R)と最小値 min(B,G,R)との間で定義される明度成分f(B,G,R)(=f)求める。続いて、3つの要素の画像データ信号B,G,Rから明度成分f(B,G,R)を減算して除き、各要素の色度成分{B−f(B,G,R)}(=B−f),{G−f(R,G,B)}(=G−f),{R−f(B,G,R)}(=R−f)を算出する。
【0083】
次に、明度成分fを3つの画像データ信号B,G,Rに応じて伸張または圧縮して、すなわち増幅または減衰させて、所定の変換倍率k1 (k1 >0)でダイナミックレンジ変換(k1 f)を行う。ここで、ダイナミックレンジの変換倍率k1 (k1 >0)は、3つの画像データ信号B,G,Rに応じて決定される。0<k1 <1であればダイナミックレンジ(従って色空間)の圧縮(明度成分の減衰)であり、k1 >1であればダイナミックレンジの伸張(明度成分の増幅)となる。
【0084】
続いて、3つの要素の画像データ信号B,G,Rに応じて、3つの要素の各々の色度成分B−f,G−f,R−fをそれぞれ所定の倍率k01,k02,k03(k01,k02,k03>0)で増幅または減衰させる。こうして色修正が行われた各色度成分k01(B−f),k02(G−f),k03(R−f)を得ることができる。こうして得られたダイナミックレンジが変換された明度成分k1 fをそれぞれ色修正された各色度成分k01(B−f),k02(G−f),k03(R−f)に付加(加算)して、色変換された画像データ信号B´,G´,R´(N´X ,N´Y ,N´Z )を算出する。なお、色修正の方法としては、上述した単なる倍率変更の他に、例えば、マトリクス演算などによる色修正を行ってもよい。
【0085】
こうして、本態様の色変換アルゴリズムによって色変換された画像データ信号を得ることができる。本態様の色変換アルゴリズムは下記式(1)によって表すことができる。
ここで、f(B,G,R)は、任意の3つの画像データ信号B,G,Rに対して min(B,G,R)≦f(B,G,R)≦ max(B,G,R)を満たす関数であり、係数k01,k02,k03とk1 は3つの画像データ信号B,G,Rに応じて定まる正の実数であり、定数C1 とC2 は、色変換系あるいは画像によって定まる定数である。
なお、通常、係数k01,k02,k03は各要素の色度成分の色修正の倍率、明度係数k1 は明度成分のダイナミックレンジ変換倍率ということができ、C1 とC2 は、それぞれ入出力媒体のステイン濃度を用いることができる。
【0086】
ここで、色相や彩度の調整、あるいは好ましい色再現などの特定の色修正を行わない場合には、色修正係数k01,k02,k03は、すべて同じ値k0 (彩度係数k0 >0)とすることができる。この時上記式(1)は、下記式(20)のように表すことができる。
【数16】
【0087】
ここで、上記式(2)で示される対数スケールで表される画像データ信号および上記式(3)で示されるべき乗スケールで表される画像データ信号を用いて、忠実な色再現を行う場合、彩度(色修正)係数k0 および明度係数k1 は、各々の色変換系に応じて好適な値を定めることができる。例えば、色変換系と彩度係数k0 および明度係数k1 の好ましい範囲との関係の一例を下表に示す。
────────────────┬─────────┬────────
入力/出力色変換系 │ 彩度係数k0 │ 明度係数k1
────────────────┼─────────┼────────
リバーサルフィルム/反射プリント│1.0 ≦k0/k1≦1.3 │0.7 ≦k1 ≦1.0
ネガフィルム/反射プリント │0.7 ≦k0/k1≦1.3 │1.0 ≦k1 ≦2.0
CCDカメラ/反射プリント │0.7 ≦k0/k1≦1.3 │1.0 ≦k1 ≦2.0
モニタ/反射プリント │0.7 ≦k0/k1≦1.3 │1.0 ≦k1 ≦2.0
────────────────┴─────────┴────────
【0088】
また、上記式(1)および(20)における定数項C1 およびC2 は、互いに対応させられる入力信号値と出力信号値である。例えば、ネガフィルムを写真ペーパにプリントする系(ネガペーパ系)では、反射率18%のグレーをペーパ上で視覚濃度0.75のグレーに仕上げるのが良いとされており、またリバーサルからプリントを作る際には、リバーサルフィルム原稿中の最も明るい白をペーパ上で最も明るい白に仕上げるのが良いといわれている。従って、前者の場合は、C1 は反射率18%のグレーに相当する信号値が入り、C2 には視覚濃度0.75のグレーに相当する信号値が入る。また後者の場合では、C1 にはリバーサルフィルム原稿中の最も明るい白、あるいはリバーサル感光材料のステインまたはベースに相当する信号値が入り、C2 には反射媒体(ペーパ)の白地(ステインあるいはベース)に相当する信号値が入る。
【0089】
また、本態様において、色変換前の3つの画像データ信号をNX ,NY ,NZ とし、変換後の3つの画像データ信号をN´X ,N´Y ,N´Z とする時、上記式(20)は下記式(21)のように表すことができる。
【数17】
【0090】
本態様においても、第2の態様と同様に明度成分f(B,G,R)(f(NX ,NY ,NZ ))としては、画像データ信号B,G,R(NX ,NY ,NZ )の最大値 max(B,G,R)( max(NX ,NY ,NZ ))と最小値 min(B,G,R)( min(NX ,NY ,NZ ))との間のどのような値に設定してもよいが、例えば最大値 max(B,G,R)、最小値 min(B,G,R)および中間値median(B,G,R)(median(NX ,NY ,NZ ))のいずれかに設定するのが好ましく、より好ましくは、中間値median(B,G,R)に設定するのがよい。
【0091】
また、本態様においても、第2の態様と同様に、変換前の画像データ信号B,G,Rは、本態様の色変換前に、予めセットアップによって色バランスや濃度バランスが修正された適正なバランスを持つ画像データ信号に変換しておくのが好ましい。セットアップの方法は、第2の態様と同様に、前述したような種々の方法および従来公知の方法を用いることができることはいうまでもない。
【0092】
このようにして得られた色変換信号B´,G´,R´(N´X ,N´Y ,N´Z )は、図3に示すように、そのまま、もしくはデバイスに応じたデータ信号(デバイスデペンデントデータ:DDD)に変換され、被写体、原稿画像もしくはモニタ表示画像などの原画像に忠実な再生画像として複製される。例えば、デバイスがプリンタである時、得られた色変換信号B´,G´,R´(N´X ,N´Y ,N´Z )がプリンタに応じた光学濃度となっていれば、そのまま、そうでなければプリンタに応じた光学濃度B´,G´,R´に変換した後、プリンタに入力され、プリンタによって反射媒体上に複製され、原画像に忠実な反射再生画像(プリント)が得られる。一方、モニタの場合には、得られた色変換信号B´,G´,R´(N´X ,N´Y ,N´Z )がモニタに応じた信号になっていれば、そのまま、そうでなければモニタに応じた信号(B´,G´,R´)に変換した後、モニタに入力され、モニタに複製表示され、原画像に忠実なモニタ表示再生画像が得られる。
【0093】
本発明の第1の態様の色変換方法を適用する画像再生システムにおいては、入力画像となる原画像は、上述したように、被写体、透過ポジ画像、透過ネガ画像、反射画像、モニタ表示画像、ビデオプロジェクタ投影画像などに限定されないが、出力画像となる再生画像も上述した反射再生画像やモニタ表示再生画像に限定されず、OHPペーパやリバーサルフィルムなどの透過ポジ媒体やネガフィルムなどの透過ネガ媒体等の透過媒体に複製された再生画像であっても、ビデオプロジェクタなどに投影された投影再生画像であってもよいことはもちろんである。すなわち、本発明の第1の態様の色変換方法は、本態様の色変換アルゴリズムによってダイナミックレンジ変換や色修正などによる色空間変換を行うために、入出力色空間で定義される入出力画像の画像データ信号が互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になるような信号で表された画像データであれば、もしくはこれに変換されるものであれば、入出力画像や入出力色空間などのようなものであってもよく、特に制限されるものではない。また、本態様の色変換アルゴリズムを実行する前後において、セットアップや、好ましい色再現のための従来公知の画像データ処理を行ってもよい。
本発明の第1の態様の色変換方法およびこれを適用する画像再生システムは、基本的に以上のように構成される。
【0094】
次に、本発明の第3および第4の態様の色変換方法について説明する。
これらの態様の色変換方法の最も特徴とするところは、ダイナミックレンジ変換や色修正等の色変換を行う際に、前述した第2の態様において定義した積分等価中性濃度(積分ENDまたはIND)を用いることにある。
すなわち、第3の態様においては、透過ポジ媒体、透過ネガ媒体、反射媒体、モニタの表示媒体やビデオプロジェクタの投影媒体などの第1の媒体(入力媒体)上に形成されているカラー画像を反射媒体、モニタの表示媒体、ビデオプロジェクタの投影媒体や透過媒体などの第2の媒体(出力媒体)に複製する場合に、これらの媒体を3つ以上の独立な分光感度による積分ENDで管理し、すなわちこれらの第1および第2の媒体上のカラー画像データを画素毎の積分ENDデータとして取り扱い、これらの積分ENDを用いて色再現域変換、例えばダイナミックレンジ変換や色修正等の処理を行うものである。
【0095】
同様に、第4の態様においては、被写体を上述した種々の媒体に複製する場合に、被写体をデジタルカメラやビデオカメラ等で撮影して、直接、または一旦、ネガフィルムやポジフィルムの透過媒体に撮影した後に、スキャナや固体撮像素子を用いて、3つ以上の独立な分光感度の露光濃度に変換するとともに出力媒体をこれらの3つ以上の独立な分光感度の露光濃度による積分ENDで管理して、すなわち被写体および出力媒体上のカラー画像データを画素毎の積分ENDデータとして取り扱い、これらの積分ENDを用いて色再現域変換、例えばダイナミックレンジ変換や色修正等の処理を行うものである。
【0096】
ここで、本発明の第3の態様および第4の態様において用いられる露光濃度および積分等価中性濃度は、上述した対数スケールで表される画像データのみならず、べき乗スケール(但し、べき指数γは0<γ<1)で表される画像データであってもよい。
また、これらの第3および第4の態様において行われる色再現域変換や色修正等は、本発明の第1および第2の態様の色変換方法の色変換アルゴリズムによる原画像の忠実再現を行うものに限定されず、従来公知の色再現域変換や色修正や色空間変換などを行うものであってもよい。例えば、階調変更とマトリクス演算の併用による、あるいは3次元変換による色再現域変換や、色相や彩度の調整あるいは好ましい色再現などの色修正を行うものであってもよい。
【0097】
【実施例】
以下に、本発明の色変換方法を実施例に基づいてより具体的に説明する。
(実施例1)
リバーサルフィルムとしてプロビア、135フォーマット(CRH)(富士写真フイルム社製)を用い、出力プリンタとしてピグトログラフィー3000、200dpi (PG3000)(富士写真フイルム社製)を用い、専用のカラーペーパー(DCP)(富士写真フイルム社製)に出力した。また、スキャナは、SG1000(大日本スクリーン社製)を用いたが、フィルタはISO狭帯域フィルタ(TCD)に差し替え、アパーチャは25μmとした。なお、ISO狭帯域フィルタのピーク波長は、B;436nm,G;546nm,R;644nmである。
予め、リバーサルフィルムCRH上に形成された測色グレースケールをスキャナSG1000およびビジュアル濃度計(X−RITE社製)で測定し、BGR毎に横軸にスキャナ積分濃度、縦軸にビジュアル濃度をプロットして、第1のルックアップテーブルLUT1を作成した。また、カラーペーパーDCP上に形成された測色グレースケールを同様にスキャナSG1000およびビジュアル濃度計で測定し、BGR毎に横軸にビジュアル濃度、縦軸にスキャナ積分濃度をプロットして、第2のルックアップテーブルLUT2を作成した。
【0098】
こうして、図5(a)に示すように、本発明の第2の態様の色変換方法を実施するためのシステムを構成した。ここで、TCDint はスキャナ積分濃度を表し、Dは、リバーサルフィルムCRHの積分ENDを表し、Dr は、カラーペーパーDCPの積分ENDを表す。また、process は、本発明の色変換方法のダイナミックレンジ(色空間)圧縮プロセスを表す。なお、積分ENDはスキャナの分光感度に全面的に依存する。特に、測色品質係数が1である場合には、LUT1およびLUT2は全く不要になる。その意味で積分ENDはスキャナ積分濃度をγ補正した信号であると云える。
【0099】
こうして、複数コマの透過ポジ画像を反射プリントした。
ここで行ったレンジ圧縮アルゴリズムは、明度成分の選択に関して、以下の3つであった。
OCC:Dri=k0 {Di (x,y)−max Di (x,y)}
+k1 {max Di (x,y)−min (xy)max Di (x,y)}+DrW MCC:Dri=k0 {Di (x,y)−medianDi (x,y)}
+k1 {medianDi (x,y)−min (xy) median Di (x,y)} +DrW
UCC:Dri=k0 {Di (x,y)−min Di (x,y)}
+k1 {min Di (x,y)−min (xy) minDi (x,y)}+DrW …(22)
パラメータk1 は、反射プリントの見た目の印象がリバーサルと最も近くなるように最適化されるが、コマ毎に最適化するのではなく、全てのコマについて同一の値を用いている。パラメータk0 の値は、いずれの場合も1とし、パラメータk1 の値は、OCCで0.90、MCCで0.85およびUCCで0.75を用いた。また、カラーペーパーDCPのベース濃度(DrW,DrW,DrW)は、(0.1,0.1,0.1)を用いた。
【0100】
(実施例2)
実施例1と同様のハード構成で、リバーサルフィルム(CRH)の画像を出力プリンタ(PG3000)でカラーペーパー(DCP)に再現した。この時用いた第1および第2のルックアップテーブルLUT1およびLUT2は、以下のようにして作成した。
リバーサルフィルム(CRH)およびカラーペーパー(DCP)のそれぞれについて、各色材の分光吸収波形を測り、ついで東芝社製色評価用蛍光灯S(λ)の下で測色グレー(a* =b* =0)になるような分光吸収波形(以下、グレー波形という)を複数の明度について発生させた。
これらのグレー波形をそれぞれ比視感度曲線V(λ)およびスキャナフィルタの分光吸収波形B(λ),G(λ),R(λ)により積分し、光学濃度DV ,DB ,DG ,DR データを作成した。これらの濃度は、グレー波形の1つをf(λ)とする時、上記の計算式(9)で求めた。
【0101】
リバーサルフィルム(CRH)およびカラーペーパー(DCP)のそれぞれについて、グラフの横軸にDB ,DG ,DR をとり、縦軸にDV をプロットすることによりルックアップテーブルを作成した。ここでは、リバーサルフィルム(CRH)に関する第1のルックアップテーブルをLUT1、カラーペーパー(DCP)に関する第2のルックアップテーブルをLUT2とした。
なお、これらの第1および第2のルックアップテーブルLUT1およびLUT2により変換された信号は、測色グレーに対しては数値が一致し、かつ光の強度に対して対数スケールになっている本発明の3つの信号になっている。
【0102】
リバーサル原稿をスキャナで収録し、画素毎のスキャナ濃度DB ,DG ,DR に変換した後に第1のルックアップテーブルLUT1により変換した。次いで、上記変換式(22)で示されるUCC,MCCおよびOCCの3種類の変換を行った。なお、パラメータk0 の値は、いずれの場合も1とし、パラメータk1 の値は、OCCで0.90、MCCで0.85およびUCCで0.75を用いた。また、カラーペーパーDCPのベース濃度DrW(DrW,DrW,DrW)は、カラーペーパーDCPのビジュアル濃度0.1(0.1,0.1,0.1)を用いた。
こうして得られた値(DrB,DrG,DrR)を第2のルックアップテーブルLUT2により再びスキャナ濃度に変換し、プリンタPG3000に供給し、反射プリントを得た。
【0103】
(実施例3)
実施例1と同様のハード構成で、リバーサルフィルム(CRH)の画像を出力プリンタ(PG3000)でカラーペーパー(DCP)に再現した。この時用いた第1および第2のルックアップテーブルLUT1およびLUT2は、以下のようにして作成した。
予め、リバーサルフィルムCRH上に形成された測色グレースケールをスキャナSG1000およびビジュアル濃度計(X−RITE社製)で測定し、BGR毎に横軸にスキャナ解析濃度、縦軸にビジュアル濃度をプロットして、第1のルックアップテーブルLUT1を作成した。また、カラーペーパーDCP上に形成された測色グレースケールを同様にスキャナSG1000およびビジュアル濃度計で測定し、BGR毎に横軸にビジュアル濃度、縦軸にスキャナ解析濃度をプロットして、第2のルックアップテーブルLUT2を作成した。
【0104】
こうして、図5(b)に示すように、本発明の第2の態様の色変換方法を実施するためのシステムを構成した。ここで、TCDana はスキャナ解析濃度を表し、Dは、リバーサルフィルムCRHのENDを表し、Dr は、カラーペーパーDCPのENDを表す。また、process は、本発明の色変換方法のダイナミックレンジ(色空間)圧縮プロセスを表す。なお、ENDはEvans により導入された概念で、与えられた色材の組に対して等価なグレーのビジュアル濃度の値を色材に対して付与するというものである。ところで、ENDは色材固有の値である為に、スキャナの分光感度に依存しない。
こうして、複数コマの透過ポジ画像を反射プリントした。
なお、レンジ圧縮アルゴリズムにおける明度成分の選択、パラメータk0 およびk1 ならびにカラーペーパDCPのベース濃度についても実施例1と同様にした。
【0105】
このようにして実施例1、2および3で得られた反射プリント(DCP)を目視で観察し、評価した。その結果、まず、全般的な特徴として、リバーサルフィルム原稿画像(以下、リバーサル原稿という)にきわめて忠実なプリントが得られ、リバーサル原稿特有の色のしっかり載ったプリントに仕上がっていた。また、いづれもオリジナルより彩度が高くなっていた。なお、リバーサル原稿にきわめて忠実なプリントであるため、反射プリントは、リバーサル原稿の特徴を究めてよく反映していた(すなわち、このプリントは、リバーサル原稿に起因する問題であるが、ネイチャーフォトに関しては素晴らしいが、ポートレートに関しては肌色の濃度が高くなりすぎるという傾向を示した)。また、花などの鮮やかな色で一部色目くらが起こっていた。この具体的な原因として、濃度と視覚の対応が線形でない、すなわちウェーバーフェフナー則が厳密には成り立っていないことや、色相が真数比では定義されないこと等が考えられるが、パラメータk0 の値を変化させることにより、高彩度(色めくら)の改善が可能である。なお、高彩度化は、忠実再現の点からは問題であるが、一般ユーザ向けの場合には好まれる傾向にあり、望ましい結果であると言える。
【0106】
なお、明度成分の選択の違いによる評価は以下の通りである。
OCCに関しては、コントラストが非常に高く(オリジナルより高い)、従って、顔の明るさと黒のしまりが両立していた。また、白の抜けが良かった(オリジナルより良かった)。しかし、色目くらが甚だしかった。
MCCに関しては、原稿に非常に忠実であった。
UCCに関しては、肌色の明るさと黒の締まりがトレードオフになっていた。コントラストが低かった。しかし、色目くらに関しては最良であった。
【0107】
3種のいずれの変換式も、入力原稿であるリバーサルフィルム画像に極めて印象の近いプリントが得られた。これは、従来法では実現できなかった忠実度である。また、この方法は極めて簡便であるので、演算速度およびコストに関しても従来にない画期的なものであった。
従って、本発明の第2の態様の色変換方法の効果は明らかである。
また、オリジナルに対する忠実度という観点ではMCCがベストであるが、プリント自体の好ましさという観点ではOCCの方が良いといえる。これは、リバーサルフィルム画像と反射プリント画像の観察条件の相違に由来している可能性があるといえる。
【0108】
ところで、図5(a)に示すシステムにおいて実施例1および2で用いられた積分ENDはスキャナの分光感度に全面的に依存するのに対し、図5(b)に示すシステムにおいて、実施例3で用いられたENDが色材固有の値である為に、スキャナの分光感度に依存しない。なお、ENDが解析濃度であるために、透過原稿画像と反射原稿画像との色材の差異を考慮できていないときには、ある色相、例えばマゼンダ系の色相がずれる可能性がある。また、ENDでは、リバーサルフィルムCRHが透過で観察されるのに対して、カラーペーパーDCPは反射で観察されるので副吸収が相対的に大きくなることも考慮できない。しかしながら、透過原稿画像と反射原稿画像との色材の差異が問題にならない場合や十分に考慮出来る場合には、実施例3のように、このENDを用いるシステムでは透過原稿画像に忠実な反射プリント画像を再生することができる。
【0109】
(実施例4)
適正に露光された富士写真フイルム社製カラーリバーサルフィルム(フジクロームプロビア)を、実施例3と同様にして、大日本スクリーン社製ドラムスキャナ(SG1000)で収録し、画素毎の光学濃度に変換し、等価中性濃度(END)に変換された画像データに対して、以下に示す変換を行った。
【数18】
ここで、k0 =1.0、k1 =0.9であり、また0.16と0.1はそれぞれ、カラーリバーサルフィルムとカラー印画紙のステイン濃度である。
実施例3と同様にして、変換された画像データを、等価中性濃度(END)で管理された富士写真フイルム社製カラープリンタ(ピクトログラフィー(PG)3000)を用いて出力した結果、カラーリバーサルフィルムに極めて忠実な反射プリントが得られた。
【0110】
(実施例5)
被写体を富士写真フイルム社製デジタルスチルカメラ(DS300)を用いて撮影し、得られる画像データに対して以下に示す変換を行った。
【数19】
ここで、k0 =1.1,k1 =0.9である。また信号の値が0以下の場合は0に、255を超える場合は255にそれぞれクリップする。
上記画像データをソニー社製PCモニタ(Multiscan17seII )に表示した。その結果、被写体に忠実なモニタ画像が得られた。
【0111】
(実施例6)
PCモニタ(Multiscan17seII )上に表示されている画像データに対して以下に示す変換を行った。
【数20】
ここで、k0 =1.7、k1 =1.5である。また信号の値が0以下の場合は0に、255を超える場合は255にそれぞれクリップする。
上記画像データをカラープリンタ(ピクトログラフィー3000)を用いて出力した。その結果、モニタ画像に忠実な反射プリントが得られた。
【0112】
(実施例7)
PCモニタ(Multiscan17seII )上に表示されている画像データを、CCIR−rec709に従って3刺激値X,Y,Zに変換し、得られた3刺激値X,Y,Zに以下に示す変換を行った。
【数21】
ここでX0 ,Y0 ,Z0 は、B=G=R=255の時の3刺激値である。この画像データに対して、以下に示す変換を行った。
【数22】
ここで、k0 =1.7、k1 =1.5である。また信号の値が1.0を超える場合には1.0に、0.0以下の場合は0.0にそれぞれクリップする。
上記画像データを測色値に変換し、印画紙の白地をリファレンスホワイトとする測色値で管理されたカラープリンタ(ピクトログラフィ3000)に出力した。その結果、モニタ画像に忠実な反射プリントが得られた。
【0113】
(実施例8)
富士写真フイルム社製カラーネガフィルム(SG400)を、予め白色光を用いて階調露光し、現像後、第日本スクリーン社製ドラムスキャナ(SG1000)を用いて測定し、スキャナ積分濃度を横軸に、露光濃度を縦軸にプロットすることにより第一のルックアップテーブルを作成した。
一方、富士写真フイルム社製プリンタ(ピクトログラフィ3000)で用いられる専用カラーペーパーに対して、実施例2と同様に測色グレー波形を発生させ、カラーネガフィルム(SG400)の分光感度あるいは比視感度曲線を掛けて積分して、光学濃度データを計算した。カラーネガフィルム(SG400)の分光感度による積分濃度を縦軸に、視覚濃度を横軸にプロットすることにより、第二のルックアップテーブルを作成した。
被写体を撮影したカラーネガフィルム(SG400)を、現像後、スキャナ(SG1000)で収録し画素毎の積分濃度に変換した後、第一のルックアップテーブルを介して露光濃度に変換し、以下の演算を行った。
【数23】
ここで、Nは反射率が18%であるようなグレーの露光濃度である。次いで、(B´,G´,R´)を第二のルックアップテーブルを介してカラーネガフィルムの分光感度による積分濃度に変換し、富士写真フイルム社製プリンタ(ピクトログラフィ3000)を用いて出力した。その結果、被写体に極めて忠実なプリントが得られた。
なお、本実施例において彩度係数k0 が明度係数k1 に比べて相対的に小さいのは、本カラーネガフィルムの化学的彩度強調(重層効果)が大きいためである。従って、重層効果の弱いカラーネガフィルムを用いた場合、あるいはスキャナ積分濃度を露光濃度に変換する際に重層効果を取り除く操作を行った場合には、彩度係数k0 はもう少し大きい方が好ましい。
【0114】
(実施例9)
実施例1から4において、リバーサル原稿を画素毎の等価中性濃度あるいは積分等価中性濃度(B,G,R)に変換した後、以下の変換を施した。
B´=1.0−10-(B-0.16)/3
G´=1.0−10-(G-0.16)/3
R´=1.0−10-(R-0.16)/3
次いで、以下の色変換を行った。
【数24】
次いで、以下の変換を行った。
B´=−3 log10(1−B)+0.1
G´=−3 log10(1−G)+0.1
R´=−3 log10(1−R)+0.1
この信号を、前記第二のルックアップテーブルを介して解析濃度あるいは積分濃度に変換し、富士写真フイルム社製プリンタ(ピクトログラフィ3000)を用いて出力した。その結果、リバーサル原稿に極めて忠実なプリントが得られた。本実施例から、等価中性濃度あるいは積分等価中性濃度を対数スケールから1/3乗スケールに変換しても、本発明の効果は全く同様であることがわかる。
【0115】
(実施例10)
実施例8において、スキャナおよびプリンタを大日本スクリーン社製ドラムスキャナ(SG1000)および富士写真フイルム社製プリンタ(ピクトログラフィ3000)から富士写真フイルム社製デジタルラボシステムフロンティア(高速スキャナ/画像処理ワークステーションSP−1000およびレーザプリンタ/ペーパプロセッサLP−1000P)を変えて、実施例8と同様にして、被写体を撮影した富士写真フイルム社製カラーネガフィルム(SG400)からプリントを出力した。その結果、被写体に極めて忠実なプリントが得られた。
【0116】
実施例4〜10から明らかなように、本発明の第1の態様の色変換方法を適用することによって得られた反射プリントの再生画像やモニタの表示再生画像は、入力原画像がリバーサルフィルムなどの透過原稿画像、被写体、モニタ表示画像のいずれであっても、入力原画像に忠実に再現されたものであった。従って、本発明の第1の態様の色変換方法の効果は、明らかである。
なお、上記実施例1〜10によって本発明の第3の態様の色変換方法の効果は明らかであり、この様な効果が本発明の第4の態様の色変換方法に及ぶことも明らかである。
【0117】
本発明に係る色変換方法は、基本的に以上のように構成されるが、本発明はこれに限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の改良や設計の変更をしてもよいことは勿論である。
【0118】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、以下のような効果を奏する。
1)入力原画像が、被写体や透過原稿画像や反射原稿画像やモニタなどの表示画像であっても、入力原画像に極めて忠実な反射プリントなどのハードコピー画像を作成することができ、モニタなどに入力原画像に極めて忠実な再生画像(ソフトコピー画像)を表示することができる。
2)被写体や透過原稿に極めて忠実な反射プリントを作成することができる。
これらはアナログ系と一線を画するプリント画質である。
3)リアルタイムで実行可能な極めて簡便な処理系である。
4)色バランスあるいは濃度バランスの崩れている透過原稿や表示画像に対しても、バランスの良い反射原稿や表示画像を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る色変換方法の一実施例を示すフローチャートである。
【図2】 本発明に係る色変換方法の別の一実施例を示すフローチャートである。
【図3】 本発明に係る色変換方法の別の一実施例を示すフローチャートである。
【図4】 本発明の色変換方法に用いられるルックアップテーブルの作成に使用される好ましいグレーの一例を示すグラフである。
【図5】 (a)および(b)は、それぞれ本発明の色変換方法を実施するためのシステムの一例を示す説明図である。
Claims (23)
- 互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になるような3つの信号で表わされた原画像の画像データを入力システムから受け、この画像データに対して色変換して3つの色変換信号を得るに際し、
画素毎に、前記3つの信号のうちの最大値、前記3つの信号のうちの最小値、前記3つの信号のうちの中央値及び前記3つの信号の平均値のうちいずれか1つの値を第1の信号成分とし、前記3つの信号の各々から前記第1の信号成分を除いて得られる第2の信号成分を画素毎に求め、
前記第1の信号成分の値の増幅処理あるいは減衰処理を画素毎に行うとともに、前記第2の信号成分の値の増幅処理あるいは減衰処理を画素毎に行い、これらの処理結果を加算することにより、3つの色変換信号を生成し、
前記第2の信号成分の増幅処理あるいは減衰処理と、前記第1の信号成分の増幅処理あるいは減衰処理は、前記3つの信号毎に係数を乗算する処理であり、かつ前記第1の信号成分の値の増幅処理あるいは減衰処理に用いる係数は、前記3つの信号に共通の係数であることを特徴とする色変換方法。 - 前記3つの信号を画素毎に(B,G,R)とし、前記3つの色変換信号を(B´,G´,R´)とする時、
前記3つの信号から前記3つの色変換信号への色変換は、下記式(1)によって表わされることを特徴とする請求項1に記載の色変換方法。
B´=k01{B−f(B,G,R)}+k1 {f(B,G,R)−C1 }+C2
G´=k02{G−f(B,G,R)}+k1 {f(B,G,R)−C1 }+C2
R´=k03{R−f(B,G,R)}+k1 {f(B,G,R)−C1 }+C2 ………(1)
ここで、f(B,G,R)は、前記3つの信号B,G,Rのうちの最大値、前記3つの信号(B,G,R)のうちの最小値、前記3つの信号B,G,Rのうちの中央値及び前記3つの信号B,G,Rの平均値のうちいずれか1つを表し、係数k01,k02,k03とk1 は、正の実数であり、C1は前記入力システムにおける原画像の最小濃度の信号値であり、C 2 は3つの色変換信号の供給先の画像出力システムによって再現される最小濃度の信号値である。 - 前記係数k01,k02,k03とk1 は、前記入力システム及び前記画像出力システムに応じて異なる一定の値を有する請求項2に記載の色変換方法。
- 前記3つの信号の数値が前記画像出力システムによって再現される最大濃度の信号値を超え又は前記最小濃度の信号値を下回る場合、前記最大濃度の信号値を超える又は前記最小濃度を下回る前記数値を、前記最大濃度の信号値又は前記最小濃度の信号値にクリップする請求項3に記載の色変換方法。
- 前記係数k01,k02,k03は、すべて同じ値k0 (k0 >0)であることを特徴とする請求項2又は3に記載の色変換方法。
- 前記3つの信号は、これらの3つの信号の各要素の数値がすべて一致し、信号値Nで表わされる時、この信号値Nが対応するグレーの輝度Lの対数の一次関数で表される信号であり、下記式(2)で表わされることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の色変換方法。
N=c1 logL+c2 ………(3)
ここで、c1 、c2 は、係数である。 - 前記3つの信号は、解析濃度で表される等価中性濃度、積分濃度で表される積分等価中性濃度、露光濃度、対数露光量および測色濃度のいずれかの信号であることを特徴とする請求項6に記載の色変換方法。
- 前記3つの信号は、これらの3つの信号の各要素の数値がすべて一致し、信号値Nで表わされる時、この信号値Nが対応するグレーの輝度Lのべき乗の一次関数で表される信号であり、下記式(3)で表わされることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の色変換方法。
N = c1 Lγ +c2 ………(2)
ここで、c1 、c2 は、係数であり、べき指数γは、0<γ<1を満たす実数である。 - 前記3つの信号は、テレビモニタの信号または下記式(4)で表される信号であることを特徴とする請求項8に記載の色変換方法。
NX =(X/X0)1/3 =(L* +16)/116+a* /500
NY =(Y/Y0)1/3 =(L* +16)/116
NZ =(Z/Z0)1/3 =(L* +16)/116−b*/200
………(4)
ただし、X,Y,Zは3刺激値であり、X0 ,Y0 ,Z0 はリファレンスホワイトの3刺激値である。
また、L* はL* a* b* 色空間の明度指数、a* およびb*は知覚色度指数である。 - 前記画像データは、明るさ調整および/またはホワイトバランス調整が行われた後のセットアップ済画像データである請求項1〜9のいずれかに記載の色変換方法。
- 被写体もしくは3つ以上の色材からなる透過媒体上に形成された原稿画像を3つ以上の色材からなる反射媒体に複製するに際し、
前記被写体もしくは前記原稿画像を、互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になり、かつ光の強度に対して対数スケールである3つの信号で表された画像データに変換し、
画素毎に、前記3つの信号のうちの最大値、前記3つの信号のうちの最小値、前記3つの信号のうちのメディアン値及び前記3つの信号の平均値のうちいずれか1つの値を第1の信号成分とし、前記3つの信号の各々から前記第1の信号成分を除いて得られる第2の信号成分を画素毎に求め、
前記第1の信号成分の値の増幅処理あるいは減衰処理を画素毎に行うとともに、前記第2の信号成分の値の増幅処理あるいは減衰処理を画素毎に行い、これらの処理結果を加算することにより、3つの第1色変換信号に変換した後、
この第1色変換信号を前記反射媒体上に複製するための第2色変換信号に変換し、
前記第2の信号成分の増幅処理あるいは減衰処理と、前記第1の信号成分の増幅処理あるいは減衰処理は、前記3つの信号毎に係数を乗算する処理であり、かつ前記第1の信号成分の値の増幅処理あるいは減衰処理に用いる係数は、前記3つの信号に共通の係数であることを特徴とする色変換方法。 - 前記3つの信号を画素毎に(B2,G2,R2)とし、前記3つの第1色変換信号を画素毎に(B3,G3,R3)とする時、
前記3つの信号から前記3つの第1色変換信号への変換は、下記式(5)によって行われることを特徴とする請求項11に記載の色変換方法。
B3=k0 (B2−A)+k1 (A−min(xy)A)+BW
G3=k0 (G2−A)+k1 (A−min(xy)A)+GW
R3=k0 (R2−A)+k1 (A−min(xy)A)+RW …(5)
ここで、Aは前記3つの信号のうちの最小値、前記3つの信号のうちのメディアン値及び前記3つの信号の平均値のうちいずれか1つの値であって、k0 およびk1 は定数、(BW,GW,RW)は反射媒体のベース濃度値で、min(xy)AはAの画面全体の画素にわたる最小値を表わす。 - 前記原稿画像は、3つ以上の色材からなる透過媒体上に形成されたカラーポジ画像であり、
前記定数k0 およびk1は、0.7<k1 <k0 ≦1を満たすことを特徴とする請求項12に記載の色変換方法。 - 前記最小値min(xy)Aは、0.0から0.3の間の定数で代用されることを特徴とする請求項12又は13に記載の色変換方法。
- 前記原稿画像は、3つ以上の色材からなる透過媒体上に形成されたカラーポジ画像であり、
前記3つの信号は、前記カラーポジ画像を3つの一次独立な分光感度を有するスキャナの読み取りによる各画素毎の解析濃度を、予め定められたルックアップテーブルを用いて変換して得られた3色の等価中性濃度の信号であり、
前記3つの第1色変換信号は、色変換された3色の等価中性濃度の信号であり、さらに、前記第2色変換信号に変換されることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の色変換方法。 - 前記原稿画像は、3つ以上の色材からなる透過媒体上に形成されたカラーポジ画像であり、
前記3つの信号は、前記カラーポジ画像を3つの一次独立な分光感度を有するスキャナの読み取りによる各画素毎の積分濃度を、予め定められたルックアップテーブルを用いて変換して得られた3色の積分等価中性濃度の信号であり、
前記3つの第1色変換信号は、色変換された3色の積分等価中性濃度の信号である請求項11〜14のいずれかに記載の色変換方法。 - 前記3つの信号は、前記被写体を3つの一次独立な分光感度を有する固体撮像素子の撮像による露光濃度を、ルックアップテーブルを用いて変換して得られた3色の積分等価中性濃度の信号であり、
前記3つの第1色変換信号は、色変換された3色の積分等価中性濃度の信号であることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の色変換方法。 - 前記スキャナまたは前記固体撮像素子またはカラーネガフィルムの3つの一次独立な分光感度をB,G,Rとし、画素毎に、前記解析濃度、前記積分濃度または前記露光濃度を濃度(B1,G1,R1)とし、前記3つの等価中性濃度または積分等価中性濃度を濃度(B2,G2,R2)とし、前記等価中性濃度の信号である3つの第1色変換信号または前記積分等価中性濃度の信号である3つの第1色変換信号を濃度(B3,G3,R3)とし、前記第2色変換信号を濃度(B4,G4,R4)とする時、
前記画素毎の濃度(B1,G1,R1)は、予め作成された第1のルックアップテーブルLUT1を介して下記式(6)に従って前記濃度(B2,G2,R2)に変換され、
B2=LUT1B (B1)
G2=LUT1G (G1)
R2=LUT1R (R1) ………(6)
前記濃度(B3,G3,R3)は、予め作成された第2のルックアップテーブルLUT2を介して下記式(7)に従って前記濃度(B4,G4,R4)に変換され、プリンタに出力されることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載の色変換方法。
B4=LUT2B (B3)
G4=LUT2G (G3)
R4=LUT2R (R3) ………(7)
ここで、濃度B4,G4,R4が前記反射媒体の最大濃度あるいは最小濃度を越えた場合には、超えた値にクリップする。 - 前記スキャナまたは前記固体撮像素子またはカラーネガフィルムの3つの一次独立な分光感度をB,G,Rとし、画素毎に、前記解析濃度、前記積分濃度または前記露光濃度を濃度(B1,G1,R1)とし、前記3つの等価中性濃度または積分等価中性濃度を濃度(B2,G2,R2)とし、前記等価中性濃度の信号である3つの第1色変換信号または前記積分等価中性濃度の信号である第1色変換信号を濃度(B3,G3,R3)とし、前記第2色変換信号を濃度(B4,G4,R4)とする時、
前記画素毎の濃度(B1,G1,R1)は、予め作成された第1のルックアップテーブルLUT1を介して下記式(8)に従って3色の積分等価中性濃度(B20 ,G20 ,R20 )に変換され、
B20 =LUT1B (B1)
G20 =LUT1G (G1)
R20 =LUT1R (R1) ………(8)
次いで、下記式(9)によりセットアップを行うことによって、濃度(B2,G2,R2)が求められ、
前記濃度(B3,G3,R3)は、予め作成された第2のルックアップテーブルLUT2を介して式(7)に従って前記濃度(B4,G4,R4)に変換され、プリンタに出力されることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載の色変換方法。
B2=B20 −BS+AS
G2=G20 −GS+AS
R2=R20 −RS+AS ………(9)
ここでBS,GS,RSは、
min(xy)B20 ≦BS≦max(xy)B20
min(xy)G20 ≦GS≦max(xy)G20
min(xy)R20 ≦RS≦max(xy)R20
を満たす値である。なおmin(xy)B20 ,min(xy) G20 ,min(xy)R20はB20 ,G20 ,R20 の画面全体の画素に亘る最小値を表し、max(xy)B20,max(xy) G20 ,max(xy)R20 はB20,G20 ,R20 の画面全体の画素に亘る最大値を表わす。また、ASは、BS,GS,RSのうち最大値である。 - 前記第1および第2のルックアップテーブルLUT1およびLUT2を、予め前記透過媒体および前記反射媒体の前記3つの色材の分光吸収波形を測定し、光源S(λ)の下でグレーになるような分光吸収波形を複数の明度について発生させ、これらのグレー分光吸収波形の1つをf(λ)とする時、これらのグレー分光吸収波形f(λ)をそれぞれ比視感度曲線V(λ)および前記スキャナのフィルタの分光吸収波形B(λ),G(λ),R(λ)により積分し、光学濃度DV ,DB ,DG ,DRデータを下記式(10)に従って作成し、前記透過媒体および前記反射媒体それぞれについて、光学濃度DV を縦軸、光学濃度DB,DG ,DR を横軸にプロットすることにより作成することを特徴とする請求項18または19に記載の色変換方法。
- 前記第1のルックアップテーブルLUT1は、画素毎に視覚的にグレーと認められる複数の色に対して3つの数値が一致し、かつ光の強度に対して対数スケールである信号に変換するために用いられるものであり、
前記第2のルックアップテーブルLUT2は、前記第1色変換信号を前記第2色変換信号に変換するために用いるものであり、
前記第1のルックアップテーブルは恒等変換であり、前記第2のルックアップテーブルは、反射媒体上に形成されるグレースケールに関する前記固体撮像素子または前記カラーネガフィルムの分光感度による積分濃度と視覚濃度を、それぞれ横軸、縦軸にプロットすることにより作成されることを特徴とする請求項18または19に記載の色変換方法。 - 請求項1〜21のいずれかに記載の色変換方法を用いて、第1の媒体上に形成されているカラー画像を第2の媒体に複製するに際し、
互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になる前記3つの信号は、第1の媒体上に形成されているカラー画像の積分等価中性濃度の信号であり、この積分等価中性濃度の信号に対して、色変換の処理を施すことを特徴とする色変換方法。 - 請求項1〜21のいずれかに記載の色変換方法を用いて、撮影被写体を媒体に複製するに際し、
互いに独立な3つの要素からなり、かつ各要素の数値が揃ったときに視覚的にグレーと認められる色になる前記3つの信号は、前記撮影被写体の3つの独立な分光感度の露光濃度から変換した積分等価中性濃度の信号であり、この積分等価中性濃度の信号に対して、色変換の処理を施すことを特徴とする色変換方法。
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