JP3907725B2 - カドミウムおよび鉛を含有しない厚膜ペースト組成物 - Google Patents

カドミウムおよび鉛を含有しない厚膜ペースト組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚膜ペースト組成物に関し、特に、バインダとしてカドミウムおよび鉛を含有しないガラスフリット類を用い、導体相にルテニウム系化合物を用いる厚膜ペースト組成物に関する。本発明の組成物は、例えば、厚膜抵抗体およびサーミスタを製造するために用いられる。
【0002】
なお、本明細書の記述は本件出願の優先権の基礎たる米国特許出願第08/359,768号(1994年12月20日出願)の明細書の記載に基づくものであって、当該米国特許出願の番号を参照することによって当該米国特許出願の明細書の記載内容が本明細書の一部分を構成するものとする。
【0003】
【従来の技術】
厚膜材料は、有機ビヒクル中に、金属、ガラス、および/またはセラミック粉末を混合した混合物である。これらの材料は、非導電性基板上に適用されて、導電性、抵抗性、または絶縁性膜を形成する。厚膜材料は、エレクトロニックおよび軽電機部品に広く用いられる。
【0004】
個々の組成物の性質は、当該組成物を構成する特定の成分に依存する。全ての組成物は、三つの主要成分を含んでいる。導電相は電気的性質を決定し、最終的な膜の機械的性質に影響を与える。導体組成物では、導体相は、一般的には、貴金属または貴金属類の混合物である。抵抗性組成物では、導電性相は、一般的に、金属酸化物である。誘電性組成物では、機能相は、一般的には、ガラスまたはセラミックである。
【0005】
組成物のバインダは、通常、ガラス、結晶酸化物、または両者の混合物である。バインダは、膜を互いに固定し、それを基板に接着する。バインダはまた、最終的な膜の機械的性質に影響を与える。
【0006】
組成物のビヒクルは、ポリマ類の有機溶媒溶液である。ビヒクルは、組成物の適用特性を決定する。
【0007】
組成物においては、機能相およびバインダは、一般的には、粉末状であり、完全にビヒクル中に分散されている。
【0008】
厚膜材料は、基板上に塗布される。基板は、最終的な膜の支持体となるが、また、キャパシタ誘電性等の電気的な機能を有していてもよい。基板材料は、一般的には、非導電性である。
【0009】
最も一般的基板材料は、セラミックである。高純度(一般的には96%)酸化アルミニウムは最も広く用いられる。特別の用途では、種々のチタン酸塩セラミック類、マイカ、酸化ベリリウムおよび他の基板が用いられる。これらは一般に、その用途で要求される特定の電気的および機械的性質のために用いられる。
【0010】
ディスプレイなどのように、基板が透明でなければならない用途では、ガラスが用いられる。
【0011】
厚膜技術は、材料および用途と同程度に、プロセスにより明確にされる。基本的な厚膜プロセスの工程は、スクリーン印刷、乾燥、および焼成である。厚膜組成物は、一般的に、スクリーン印刷により基板上に適用される。ディッピング、バンディング、ブラッシング、またはスプレイングは、不規則な基板に対して時折用いられる。厚膜(TF)抵抗体類およびサーミスタペースト類は、セラミック回路ボードに用いられている。サーミスタるいは、抵抗の温度係数が大きい熱感応抵抗体類であり、これらには二種類ある。第一の種類は、温度上昇と共に抵抗の正の変化を示し(PTC)、第二の種類は、温度上昇と共に抵抗の負の変化を示す(NTC)。NTCサーミスタ類は、通常、焼結された半導体材料からなり、室温で10〜1,000,000オームの抵抗値を示す素子を作成するために用いられる。このようなサーミスタ類の動作範囲は、75〜1275Kに拡がる。したがって、これらは温度センサとしての広範囲な使用を提供する。
【0012】
しかしながら、サーミスタ類は、電子的時間遅延、低周波数オシレータのキャパシタインダクタ、サージサプレッサ、電圧または電流リミッタガス圧センサ、熱伝導性検出器、液体若しくはガスフローセンサ、および、固体若しくは液体レベルインジケータとしての用途など、広範囲に用いられる。空気(酸化性)雰囲気での処理についての文献には、種々の組成物が記載されている。これらの組成物の大部分は、導電性相としてのルテニウム化合物類およびバインダとなる鉛カドミニウムガラス類を基礎としており、空気(酸化性)雰囲気を必要とする。
【0013】
LaB6 およびドープされた酸化錫などの導電性相は、不活性および還元性雰囲気で処理するものとして開示されている。これらの組成物は、鉛およびカドミニウムを含まないガラス類を含有している。しかしながら、これらの組成物は、導電性相が空気中で酸化するので、空気中では処理できない。空気中での酸化は、電気的性質の本質的な変化のため、これらの導電性相を絶縁体(LaB6 )および抵抗体の用途には不適当なもの(ドープされたSnO2 )とする。
【0014】
従来の抵抗性のペースト類は、低抵抗において高い正の抵抗温度係数(TCR)を有する傾向にある;通常、≧10Ω/□/milである。これらの抵抗性ペーストでTCRが低いものに対しては、通常、TCRドライバをそれらに添加する。しかしながら、酸化マグネシウム、Nb25 およびTiO2 などのTCRドライバをTCRの小さなものに添加すると、抵抗も増加してしまう。抵抗の増加を補償するためには、通常、導電性相をもっと添加する。TCRおよび抵抗を最適化した結果、従来の低抵抗ペースト類は、導電性相が高体積部分となり、ガラス質相が少なくなる。この処理は、低抵抗ペースト類の安定性に影響し、中程度範囲の100Ω/□〜100kΩ/□の抵抗ペースト類より安定性が劣る。
【0015】
TFサーミスタ組成物、特にNTC(負の抵抗温度係数)タイプのものは、低抵抗でより大きいTCRを有している。さらに、低抵抗NTCペースト類を製造するのは困難である。ジェイ・ホルマダリー(J.Hormadaly)の米国特許第5,122,302号には、Rが減少したときにTCRが増加するNTCタイプの厚膜サーミスタペーストが開示されているが、1kΩ/□〜1MΩ/□の範囲だけが開示されているだけである。
【0016】
ここで、出願の時点で出願人が知っている、もっとも近い従来技術を次に挙げる。ジェイ・ホルマダリー(J.Hormadaly)の米国特許第4,707,346号、第4,613,539号、およびピー・ドノフュー(P.Donohue)の第4,966,926号には、LaB6 、および、例えば、Sn2-x2-y-z Nby Snz7-x-z/2 (ここで、x=0−0.55;y=0−2;z=0−0.5)のパイロクロア相をベースとする、タンタルおよび/またはニオブ・ドープされた酸化錫導電性材料の組成物などの導電性層が開示されている。これらの材料は、広範囲のエレクトロニックおよび軽電機部品の厚膜抵抗組成物の調製に使用することができる。これらの材料は、カドミニウムおよび鉛を含まないガラスを含み、不活性または還元性雰囲気中で処理される。これらは、導電性相が酸化されるので、空気中では処理できない。空気中の酸化は、電気的性質の本質的な変化のため、これらの導電性相を絶縁体(LaB6 )および抵抗の用途には不適当なもの(ドープされたSnO2 )とする。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、無毒で、鉛およびカドミウムが含まれていないフリット系で、融点が低く、膨張および優れたぬれ性を与える耐水性が中程度のものは、上述した組成物での用途では、当業界では知られていない。したがって、ガラスフリットを含む広範な種類の製品から鉛およびカドミニウムを減らすまたは除去する努力と矛盾ぜずに、本発明は、厚膜ペースト組成物の処方に有用であるとして知られている鉛およびカドミニウムを含まないガラスフリットを取り扱う。本発明の組成物は、現在用いられている抵抗およびサーミスタ組成物にかわり、無毒で、カドミニウムおよび鉛を含まない厚膜を提供する。
【0018】
本発明の目的は、次の通り:
・CdおよびPdを含まない抵抗性ペースト類を提供すること;
・従来のTCRドライバ類を使用することなく、低抵抗組成物のTCRを低くする方法を提供すること;
・低抵抗NTCサーミスタ類を提供すること;および
・抵抗を低くし、TCRドライバ類の使用を排除することにより、現存する技術の向上すること;
である。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、基板上に抵抗またはサーミスタのパターンを形成するのに好適な厚膜ペースト組成物であって、(a)RuO 、一般式(McBi 2−c )(M′ Ru 2−d )O 7−e に対応する化合物、およびこれらの混合物からなる群から選択される、ルテニウム系導電性材料5〜65重量%と;(b)5〜70モル%のBi 、および17.4〜30モル%のSiO を含み、鉛およびカドミウムを含まないガラス組成物95〜35重量%とのベース固形物を含有し、(a)および(b)の全てが有機媒体中に分散されていることを特徴とする厚膜ペースト組成物である。
【0021】
ここで、上記一般式中、Mは、イットリウム、インジウム、および原子番号57〜71の希土類金属からなるグループの少なくとも一種を含むものであり、M′は、プラチナ、チタン、クロム、ロジウム、およびアンチモンの少なくとも一種であり、cは、0〜2の範囲の数であり、dは通常0〜0.5の数であって、M′がロジウムの場合には例外的に0〜1であり、M′がプラチナおよびチタンの場合には例外的に1より大きい範囲の数であり、eは、0〜1の範囲の数である。
【0024】
また、前記導電性材料は、例えば、Bi2 Ru27 である。
【0025】
また、前記導電性材料は、例えば、BiGdRu27 である。
【0026】
また、前記導電性材料は、例えば、Bi1.5 Cu0.5 Ru26.1 である。
【0027】
また、前記導電性材料は、例えば、RuO2 である。
【0028】
また、前記導電性材料は、例えば、Co2 RuO4 である。
【0029】
本発明の他の態様は、第1の態様の組成物の厚膜をセラミック基板上に有し、前記厚膜は焼成されて前記有機媒体が揮発し、焼結した前記ガラスの液相となっていることを特徴とする抵抗体にある。
【0030】
本発明のさらに他の態様は、(a)請求項1の分散体のパターン化された厚層を形成する工程、(b)前記厚層を乾燥する工程、および(c)前記乾燥された層を前記有機媒体が揮発し、前記ガラスが焼結して液相となるように焼成する工程、を含むことを特徴とする抵抗体の製造方法にある。
【0031】
【発明の実施の形態】
A.無機バインダ
フリットは、焼結された活性相(金属、抵抗体および誘電体)粉体の結合に必要であるので、軟化点および焼成中のフリットの粘性は勿論、金属粉末および基板に対するぬれ特性は、全て重要な特性である。フリットの粒径は、臨界的に制限されるものではなく、本発明に有用なフリットは、典型的には、約0.5〜4.5ミクロン、好適には、約1〜3ミクロンの平均粒径を有する。バインダの量は、典型的には、導電性組成物(有機媒体を除いて)の、約1〜95重量%、好ましくは、約5〜85重量%、さらに好ましくは、約10〜70重量%である。固体表面の液体によるぬれは、一般的には、液体−固体界面と、接点での液体表面への接線との間に形成される接触角によって決定される。接触角が小さいほど、示されるぬれ性が良好であり、固形物の所定の表面積を完全にぬらすのに必要なガラスが少なくなる。好適な焼成温度は、600℃〜1000℃である。
【0032】
フリットは、組成物の重要な成分であり、厚膜導体と基板との間の歪みを最小にするのを助ける。この最小化は、その熱膨張性、それぞれの弾性率、および相対厚さに依存する。
【0033】
抵抗体およびサーミスタ組成物の従来のガラス類は、カドミニウムおよび鉛フリット類をベースとしてきた。現行の毒性および環境問題に対処するために、組成物から鉛およびカドミウムを排除することは、軟化点および流動性が低く、しかも、ぬれ性、熱膨張および必要な特性を兼ね備えているという好適なガラスを見つけだす選択の範囲を制限する。本発明は、成分:Bi23 、SiO2 、CuO、Zn、Co、Fe23 およびMnOをベースとするガラス系列で予期しない突出した性能を取り扱う。
【0034】
組成的には、上記ガラスは、第2のガラスとブレンドしてもよい。本発明で第2のガラスとして用いられるガラスは、65〜85モル%のガラス形成酸化物類および35〜15モル%のガラス変性酸化物類を含んでいるホウケイ酸ガラス類である。
【0035】
第1のガラス形成酸化物類は、ガラス中に22〜55%の濃度で用いられるB23 と、ガラス中に40〜10%の濃度で用いられるSiO2 である。ガラスは、焼成中のガラスの粘性が過度に高くならないことを確保するために、少なくとも25%のB23 を含有しなければならない。しかしながら、B23 の含有量が約55%を越えると、ガラスの耐久性が、受け入れられないレベルまで低下する傾向がある。
【0036】
ガラスはまた、濃度30%までの条件付きガラス形成酸化物を含んでいてもよい。このような条件付きガラス形成酸化物としては、Al23 、Bi23 、ZrO2 、およびこれらの混合物を挙げることができる。これらの条件付きガラス形成酸化物は、本発明の全ての用途に本質的に考慮されるものではないが、やはり、ガラスはこのような第2のガラス形成酸化物を、少なくとも約10%、好ましくは15%含むのが好ましい。特に、Bi23 は、ガラスの粘性を低くし、ガラスの焼成範囲を増大するために好ましい。一方、Al23 は、ガラス形成範囲を増すだけでなく、その耐久性を向上するのに好ましい。
【0037】
本発明の任意の第2のガラス中に用いられる主なガラス変性剤は、アルカリ土類金属酸化物であり、これは全ガラスの35%まで用いることができる。アルカリ土類金属酸化物は、個々にまたは混合物で用いることができる。しかしながら、厚膜処理条件にさらされたときにガラスが結晶化しがちにならないように、10%を越えないMgOを用いるのが好ましい。80%までの第1のアルカリ土類金属酸化物ガラス変成剤を、ZnO、Cux O(Cu2 OまたはCuO)またはZrO2 などの第2のまたは代用ガラス変成剤に置き換えることができる。しかしながら、ガラスバインダは、焼成温度におけるガラスの粘性が高く成り過ぎないように、これらの代用ガラス形成剤の何れかを15%を越えない量だけ含むべきである。
【0038】
本発明は、上述した説明に限定されるものではない。さらに、表1の実施例1〜10の二種またはそれ以上のガラスを表の実施例11とブレンドすることによって得られる範囲を有する単一のカドミウムおよび鉛を含有しないガラスまで広げて、本発明の開示された組成範囲を得てもよい。さらに、本発明の組成範囲はまた、二種またはそれ以上の好適なガラスを混合することにより、または一種のガラスを製造することにより、またはガラスを適当な結晶相と混合することにより、得てもよい。
【0039】
B.電気機能材料
本発明は、主な導電性相が酸化ルテニウム系である抵抗組成物に関する。酸化ルテニウム系抵抗体の業界の現状では、これは、RuO2 と次の一般式に対応するルテニウム化合物とを含むものと知られている。
【0040】
(McBi2−c)(M′Ru2−d)O7−eここで、Mは、イットリウム、インジウム、原子番号57〜71の希土類金属からなるグループの少なくとも一種を含むもの、M′は、プラチナ、チタン、クロム、ロジウム、およびアンチモンの少なくとも一種である、cは、0〜2の範囲の数、dは、0〜約0.5の数で、M′がロジウムの場合には、dは0〜1であり、またはMがプラチナおよびチタンの場合には、dは1より大きい範囲の数であることを条件とする、およびeは、0〜1の範囲の数である。
【0041】
これらの化合物およびその製造方法は、ボウチャード(Bouchard)の米国特許第3,583,931号およびドイツ特許出願OS1,816,105号に記載されており、これらは参照としてここに取り入れられる。
【0042】
上述したルテニウム含有材料の粒径は、本発明の技術的効果の見地からは臨界的に制限されない。しかしながら、勿論、それらが適用される、通常はスクリーン印刷であるが、その方法に、および焼成条件に、適した粒径とすべきである。したがって、金属材料粒子は、10μmより大きくすべきでなく、好ましくは約5μmより小さくすべきである。実際には、入手できる金属の粒径は、0.1μm程度に低い。ルテニウム成分は、平均粒子径が、少なくとも5m2 /g、さらに好ましくは、少なくとも8m2 /gのものが好ましい。
【0043】
好適なルテニウム化合物としては、Bi2 Ru27 およびRuO2 を挙げることができる。特に本発明の用途に好適なのは、RuO2 などのルテニウム系酸化物、およびビスマスおよびルテニウム酸ビスマスガドリニウムなどのRuのパイロクロア様ポリナリー(polynary)酸化物である。
【0044】
コバルトルテニウム材料は、通常、複合固形物に対して15重量%以上の濃度で用いられる。30〜60重量%、特に、30〜50重量%が好ましい。
【0045】
コバルトルテニウムは、材料がその機能においてより効果的となるため、高表面積を有するのが好ましい。少なくとも0.5m2 /gmの表面積が好ましい。典型的には、本発明に用いられるCo2 RuO4 は、約0.8m2 /gmの表面積を有する。
【0046】
コバルトルテニウムは、非常に簡単に製造でき、(1)CO34 およびRuO2 の水性ディスパーション(分散体)を形成し、(2)ディスパーションを乾燥し、次いで、(3)乾燥したディスパーションを少なくとも約850℃の温度で空気中で焼成することにより、コバルトルテニウムを生成する。
【0047】
通常、化学量論的な量のCo34 およびRuO2 を用いるのが好ましい。しかしながら、少し過剰なRuO2 はコバルトルテニウム材料の効果に全く有害ではない。反応をアルミナ容器で行った場合、少量のCoAl24 lが形成される場合があることに注意をすべきである。しかしながら、これは、プラチナまたはたの不活性材料の容器を用いることにより、容易に避けることができる。
【0048】
本発明のルテニウム酸塩成分の場合には、ルテニウム酸コバルトの粒径は、臨界的に制限されないが、組成物が適用される方法に好適な粒径とすべきである。
【0049】
さらに、焼成によりRuO2 を生成するルテニウム化合物である、RuO2 の前駆物質も本発明に好適に用いられ、これらの材料のいかなる混合物もまた使用できる。好適な非パイロクロアRuO2 前駆物質の典型例は、ルテニウム金属、ルテニウムレジネート類、BaRuO3 、Ba2 RuO4 、CaRuO3 、Co2 RuO4 、LaRuO3 、およびLi2 RuO3 である。
【0050】
組成物は、ルテニウム系成分を5〜75重量%含んでもよく、10〜60重量%含むのが好ましい。
【0051】
C.有機媒体
無機粒子は、機械的混合(例えば、ロールミル)により本質的に不活性な液体媒体(ビヒクル)と混合され、スクリーン印刷に好適なコンシステンシーおよびレオロジーを有するペースト様組成物を形成する。このペースト様組成物は、従来の方法により従来の誘電性基板上に「厚膜」として印刷される。
【0052】
不活性な液体は何れもビヒクルとして用いてもよい。種々の有機液体は、単独で、または厚膜化剤および/または安定化剤および/または他の通常の添加剤と共に、ビヒクルと用いてもよい。用いることができる有機液体の典型例は、脂肪族アルコール類;このようなアルコール類の例えば、酢酸エステル類、プロピオン酸エステル類のエステル類;パインオイル、ターピネオールおよびその類似物などのテルペン類;および低級アルコール類のポリメタクリレート類などの樹脂類の溶液;およびエチルセルロースのパインオイル、エチレングリコールモノアセテートモノブチルエーテル等の溶媒の溶液である。好適なビヒクルは、エチルセルロースおよびベータ−ターピネオールをベースとしたものである。ビヒクルは、基板に適用された後の迅速な凝結を促進するために揮発性液体を含有していてもよい。
【0053】
ディスパーションにおいて固体物に対するビヒクルの比は、かなり変化することができ、ディスパーションが適用される方法、および用いられるビヒクルの種類に依存する。通常、良好なカバレッジ(適用範囲)を達成するために、ディスパーションは、相補的に、60〜90%の固体物と40〜10%のビヒクルとを含有する。本発明の組成物は、勿論、その有益な特性に影響を与えない他の材料を添加することにより変形されてもよい。そのような処方は、当業者によく知られている。
【0054】
ペーストは、三段ロールミルにより好都合に調製される。ペーストの粘度は、典型的には、ブルックフィールド(Brookfield)HBT粘度計で、低、中、高のせん断速度で測定した場合には、以下の表1に記載の範囲に入る。
【0055】
【表1】
Figure 0003907725
【0056】
用いられるビヒクルの量は、最終的な所望の処方の粘度により決定される。
【0057】
(試験手順)
高温および低温での抵抗温度係数(TCR)は次のように計算される:
【0058】
【数1】
高温TCR=[(R125 ℃−R25℃)/R25℃]×(10,000) ppm/℃
低温TCR=[(R-55 ℃−R25℃)/R25℃]×(-12,500 )ppm/℃
25℃、高温および低温TCRの値は平均値であり、R25℃の値は25ミクロンの乾燥印刷厚さに標準化され、抵抗率は25ミクロン乾燥印刷厚さで、単位面積(スクエア)当たりのオーム数で表した。複数の試験値の標準化は、次の関係式で計算した。
【0059】
【数2】
標準化抵抗率
=[(測定抵抗値の平均)×(乾燥印刷厚さ(ミクロン)の平均)]/25ミクロン
分散係数(CV)は、試験した抵抗の平均および個々の抵抗率の関数であり、Ravの関係式として表現される。
【0060】
【数3】
Figure 0003907725
【0061】
(抵抗率測定および計算)
試験基板を温度が制御されたチャンバ中のターミナルポスト上に載置し、ディジタルオーム計(抵抗計)に電気的に接続する。チャンバ内の温度は25℃に調節して平衡させ、その後、各基板の抵抗率を測定し、記録する。
【0062】
次に、チャンバの温度を125℃に上昇して平衡状態にし、その後、再度各基板の抵抗率を測定し、記録する。
【0063】
次に、チャンバの温度を−55℃に冷却して平衡状態にし、低温抵抗率を測定し、記録する。
【0064】
(ガラス調製)
ガラスフリットの調製はよく知られており、例えば、ガラス成分を成分の酸化物の形で互いに溶融し、溶融した組成物を水の中に注ぐことにより、フリットを形成する。勿論、バッチの材料を、フリット製造の通常の条件で所望の酸化物を得るいかなる化合物としてもよい。例えば、酸化ホウ素はホウ酸から得られ;二酸化シリコンはフリントから製造され;酸化バリウムは炭酸バリウムから製造され;などである。ガラスは、好ましくは、フリットの粒径を小さくし、実質的に均一な粒径のフリットを得るために、水を用いたボールミルで粉砕される。ガラスは、従来のガラス製造技術で、所望の成分を所望の割合で混合して混合物を加熱して溶融物とすることにより調製される。当業界で知られているように、加熱はピーク温度で、溶融物が全体的に液体となって均一となる時間だけ行う。現状では、成分はプラスチックボールを有するポリエチレンジャー中で振り動かすことにより予備混合され、その後、所定の温度のプラチナ製るつぼ中で溶融される。溶融物は、1100℃〜1400℃のピーク温度で1〜1.5時間加熱される。その後、溶融物は、冷水中に注がれる。急冷の間の水の最大温度は、溶融物に対する水の比を高めることによりできる限り低く抑える。水から分離した粗フリットは、空気中で乾燥することによりまたは水をメタノールですすぐことにより、残った水が除去される。粗フリットは、アルミナボールを用いたアルミナコンテナ中で3〜15時間ボールミルされる。材料からアルミナを取り出し、たとえあったとしても、X線回折で測定されるような観察限界内で存在しないようにする。粉砕されたフリットスラリーをミルから取り出した後、過剰の溶媒をデカンテーションで除去し、フリット粉末を室温で空気乾燥する。乾燥された粉末は、次いで、325メッシュのスクリーンを通して大きい粒子を除去する。
【0065】
フリットの主な二つの性質は、無機結晶微粒子材料を焼結している液体相を補助すること、および厚膜組成物の製造において加熱・冷却サイクル(焼成サイクル)中に失透することにより非結晶(アモルファス)または結晶材料を形成することである。この失透プロセスでは、非結晶(ガラス質)材料前駆物質と同一の組成を有する単一結晶相、またはガラス材料前駆物質とは異なる組成を有する多結晶の何れかを得ることができる。
【0066】
(組成物調製)
本発明の組成物の調製では、無機固体物の微粒子を有機キャリアに混合し、三段ボールミルのような好適な装置で分散して、懸濁液を形成し、この結果、粘度が、4sec-1のせん断速度で約100〜150パスカル・秒の組成物を得る。
【0067】
以下の実施例では、調合は次のように実施した。実施例で用いた有機媒体は、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ターピネオール、エチルセルロース、および大豆レシチンの混合物からなる。ペーストの成分は、有機成分の5%(約5%の重量に相当する)を引いたものを、容器内に一緒に計り込む。次いで、成分は、勢いよく混合されて均一のブレンドとする。続いて、ブレンドを三段ミルなどの分散装置に通し、粒子の良好な分散を達成する。ペースト中の粒子の分散状態を見るために、ヘグマン(Hegman)ゲージが用いられる。この器具は、スチールのブロックで、一端が25μm(1mil)の深さで他端で0の深さまで傾斜しているチャンネル(溝)を有するものからなる。ブレードは、ペーストを長さ方向に沿って塗りつけるように使用される。凝集体の直径がチャンネルの深さより大きいところでは、チャンネル内にスクラッチが発生する。満足する分散体は、典型的には、10〜18μmの第四のスクラッチポイントを与える。チャンネルの半分が良好な分散ペーストではカバーされていないポイントは、典型的には、3〜8μmの間である。第四スクラッチ測定が>20μm、および「半チャンネル」測定が>10μmは、分散が悪い懸濁液であることを示す。
【0068】
次に、ペーストの有機成分からなる残りの5%を加え、そして樹脂含有量を、全て調合した後の粘度が4sec-1のせん断速度で140〜200Pa・sの範囲に入るように調整する。次に、組成物を、アルミナセラミックなどの基板上に、通常、スクリーン印刷などの方法で、ウェット厚さが、約30〜80ミクロン、好ましくは、35〜70ミクロン、最も好ましくは、40〜50ミクロンとなるよう適用する。本発明の組成物は、従来の自動印刷機または手動印刷機の何れによっても、基板上に印刷できるが、好ましくは、200〜325メッシュスクリーンを用いた自動スクリーンステンシル技術を用いるのがよい。次いで、印刷パターンを、200℃より低温で、好ましくは約150℃で、5〜15分間、焼成前に乾燥する。無機バインダと微粉砕された粒子金属の両者を焼結するための焼成は、好適には、所定の温度分布を有する、良好に換気されたベルトコンベア炉で実施する。ここで、所定の温度分布は、約300〜600℃で有機材料を焼き尽くし、続いて、約700〜1000℃の最高温度区間が約5〜15分間続き、その後、制御されたクールダウンサイクルがあるというものである。最後のクールダウンサイクルは、過焼成、中間温度での要求されない化学反応、あるいは速すぎるクールダウンにより起こり得る基板破砕を防ぐためのものである。焼成処理全体は、焼成温度に達するまでの約20〜25分、焼成温度での約10分間、およびクールダウンでの約20〜25分を含み、約1時間行われるのが好ましい。ある例では、総サイクル時間は、30分と短い時間となる。
【0069】
(実施例1〜11)
10種のガラスを上述した方法で調製し、粉砕し、X線回折(XRD)および示差熱分析(DTA)により特性を示した。DTAから得られるガラス転移温度(Tg)および膨張測定は、300〜550℃、好ましいものは350〜500℃の範囲にあった。本発明に係る10種のガラスは、表2に示した。実施例11は、デラウエア(DE)のウィルミントン(Wilmington)のイー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pontde Nemours and Company)により製造されている商業的に入手できる製品である。
【0070】
モル%で示した組成を、商業的に入手可能なCdおよびPbが含有されないガラス(実施例11)と共に、表2に示した。全ての実験ガラスは、SiO2 を30.0モル%含み、他の70モル%は、表2の実施例2のようにBi23 からなり、または遷移金属酸化物とBi23 との組み合わせである。Bi23-SiO2 系は、遷移金属に対する非常に強力な溶媒であり、SiO2 の濃度を30モル%に固定した場合、これらのガラスは実質的な量の遷移金属酸化物を溶解することができる。
【0071】
【表2】
Figure 0003907725
(実施例12〜16)
次のサンプルは、TF抵抗体用の新しいビスマス酸塩ガラスとしての適用性を説明するものである。さらに、性質の向上および抵抗範囲の広がりは、フィラー類およびTCRドライバ類の添加により実現され得る。
【0072】
【表3】
Figure 0003907725
【0073】
*実施例14、15および16は、実施例12および13を適当量ブレンドすることにより調製した。(実施例12および13は、ロールミルにより調製した。)
実施例12〜16の性質は、表3、および図1および図2に示す。表3は、実施例2のガラス(70m/o Bi23 ;30m/o SiO2 )非常に負のTCRおよび全く低い抵抗率を与えることを示している。実施例11とのブレンドは、抵抗率およびHTCRを増加し、ギャップ(HTCR−CTCR)を減少する。図2は、低いTCRおよびギャップを有する組成物が、(実施例11)/(実施例11+実施例2)の比が0.9〜1.0の範囲にあるときに得られ、この比の範囲(図1)の抵抗率が1.5kΩ/□/milであることを示している。
【0074】
(実施例17〜21)
【0075】
【表4】
Figure 0003907725
【0076】
*実施例19、20および21は、実施例17および18の適当量のブレンドすることにより調製した。(実施例17および18は、ロールミルにより調製した。)
(Bi1 Gd)Ru27 が20重量%の実施例17〜21を、表4、および図3および図4に示す。
【0077】
再び、それらの中で顕著なのは、ビスマス酸塩ガラスによりもたらされた低TCR、および実施例11ガラスの添加によりもたらされたTCRおよびRの増加である。ここで、また、実施例11ガラスの添加によりギャップ(HTCR−CTCR)が減少した。低TCR、低ギャップおよびより高い抵抗(図3および図4)は、(実施例11)/(実施例11+実施例2ガラス)の比が0.9〜1.0の範囲にあるときのようである。
【0078】
(実施例22〜26)
電気的性質は、同様なビスマス酸塩とともに、RuO2 等の他の導電体を用いることによって達成されることを、表5、および図5および図6に示す。
【0079】
【表5】
Figure 0003907725
【0080】
*実施例24、25および26は、実施例22および23の適当量のブレンドすることにより調製した。(実施例22および23は、ロールミルにより調製した。)
表5、および図5および図6は、RuO2 /ビスマス酸塩ガラス(22)による低抵抗率と、同時に非常に低TCRであることを示している。これらは特異な性質であり、通常は、TCRが増加すると抵抗が減少する。この特異な性質は、現存している製品に用いるのに有用である;これらの新規なビスマス酸塩ガラスを現存する低抵抗組成物に添加すると、低TCRとなり、抵抗率を減少して、安定性を多分強化するTCRドライバ類(Nb25 、MnOx )の存在を排除できることが予測される。この系の低TCRおよびギャップの組成物は、(実施例11)/(実施例11+実施例2ガラス)の比が1.6〜2.4の範囲に位置する(図6)。実施例11のガラスでのHTCRの増加は、高抵抗(R)のときに有益である;通常、TCRはRとともに減少し、HTCRの増加は、TCRをより低下し、高Rのときの取り扱い性およびノイズ(通常、RuO2 系抵抗の問題)を改善するTCRドライバ類の添加を許容する。
【0081】
(実施例27〜31)
表6、および図7および図8は、他の導電性Bi2 Ru27 (ルテニウム酸ビスマス)および銅含有ビスマス酸塩ガラスである実施例3のガラス、30Bi23 40CuOx 30SiO2 の使用を示している。
【0082】
【表6】
Figure 0003907725
【0083】
*実施例29、30および31は、実施例27および28の適当量のブレンドすることにより調製した。(実施例27および28は、ロールミルにより調製した。)
実施例27〜31で用いたBi2 Ru27 h、かなり低い表面積を有するルテニウム酸ビスマスである。しかしながら、それは、依然として、CdおよびPbを含有しない系の性質を示している。表6、および図7および図8は、ビスマス酸塩ガラス(実施例3)は高濃度のCuOを含有するが、依然として低TCRをもたらすことを示している。しかしながら、高表面積ルテニウム酸ビスマスを有する同じガラス(実施例3)は、異なる挙動を示す。
【0084】
(実施例32〜34)
次の三つの実施例(32〜34)は、CoRuO4 (サーミスタ材料)の現場処方の試験を示している。ここで、二種のCo含有ビスマス酸塩ガラスは、当業界で挑戦している低抵抗NTCサーミスタを製造する。典型的には、抵抗が減少するとNTCサーミスタのTCRが増加し、これは、完全に負のTCRを有する低抵抗のNTCサーミスタを得るために有益である。
【0085】
CoRuO4 の現場処方の試験の組成は、表7に示す。
【0086】
【表7】
Figure 0003907725
【0087】
表7のデータは、Co含有ガラス/RuO2 の組み合わせは、低抵抗率および完全に負のTCRを示す結果になることを示す。再焼成で、TCRは減少し、抵抗率は増加する。
【0088】
さらに、実施例32および33は、焼成の回数の作用として、TCRの普通でない挙動を示す。これらの実施例は、実施例34と比較される。(実施例34は、同じ濃度のRuO2 を含有するが、単純なケイ酸ビスマスガラス70Bi23 、30SiO2 を含む。)実施例32、33および34の電気的比較は、焼成回数の作用として表6に示し、対応するHTCRは図9に示す。二種のCo含有ガラス(実施例32および33)は、低抵抗率および負のTCRを有し、これは本発明のガラスだけにある独特なものである。実施例34のHTCRは、第1回焼成後の実施例32および33のHTCRより小さい。焼成回数が増加するにつれて、実施例32および33は、HTCRが単調に減少するが、一方、実施例34では、第2回焼成後にHTCRの増加があり、第3回および第4回焼成後にHTCRで非常に小さな変化がある。
【0089】
如何なる理論および説明にとらわれることなしに、コバルト含有ガラスの特異な挙動が、低抵抗NTCサーミスタに効果的に利用されることが確信される。Co2 RuO4 は、実施例32および33で現場処方されることが推測される。
【0090】
(実施例35〜47)
実施例4、5および9のガラス混合物を用い、これらを(Bi1 Gd)Ru27 およびCo2 RuO4 と混合し、有機媒体を95重量%のレベルまで添加することにより、一連の12種の厚膜組成物を調製した。このデータは、表8に示した。表8は、この系の種々の組成物のRおよびTCRを示す。
【0091】
RuO2 −Co2 RuO4 −ビスマス酸塩ガラス。実施例35は、参照点としてなる;単純系RuO2 −実施例5ガラス(コバルトガラス)である。
【0092】
これらの実施例は、低抵抗率で、小さい負のTCRを示している。実施例36、37および46は、単純系Co2 RuO2 −実施例5ガラスにおけるRおよびTCRを示す。実施例36、44、および45は、Co2 RuO4 の濃度固定に対する、Co2 RuO4 −Bi−ガラス系のガラス組成の効果を示している。
【0093】
亜鉛ガラス(実施例44)は、CoおよびFeガラスを含有している組成物、実施例36および45のそれぞれより、TCRが大きい。実施例36、44および45は、CoおよびFeガラスがTCRを低くする点で優れていることを示す。実施例46および47は、vΩ範囲での非常に負のTCRを示す。繰り返すが、これらの負のTCRは、本発明のCo2 RuO4 −CoおよびFeビスマス酸塩ガラスだけにある独特のものである。実施例38〜43は、RuO2 −Co2 RuO4 −ガラス5の系を取り扱う。ここで、RuO2 とCo2 RuO4 とを異なる比で用いると抵抗はぴったり合うが、TCRは依然として低く、低抵抗NTCサーミスタに最適である。
【0094】
【表8】
Figure 0003907725
【0095】
【発明の効果】
本発明は、鉛およびカドミウムを含まない厚膜ペースト組成物であり、基板上の抵抗またはサーミスタパターンを形成するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例11−実施例2−BiGdRu27 の系で、導体濃度を30重量%と一定にした場合の、ガラス比[実施例11/(実施例11+実施例2)]に対する抵抗を示すグラフである。
【図2】実施例11−実施例2−BiGdRu27 の系で、導体濃度を30重量%と一定にした場合の、ガラス比[実施例11/(実施例11+実施例2)]に対する、HTCR,CTCRおよびギャップ(GAP)(HTCR−CTCR)を示すグラフである。
【図3】実施例11−実施例2−BiGdRu27 の系で、導体濃度を20重量%と一定にした場合の、ガラス比[実施例11/(実施例11+実施例2)]に対する抵抗を示すグラフである。
【図4】実施例11−実施例2−BiGdRu27 の系で、導体濃度を20重量%と一定にした場合の、ガラス比[実施例11/(実施例11+実施例2)]に対する、HTCR,CTCRおよびギャップ(GAP)(HTCR−CTCR)を示すグラフである。
【図5】実施例2−実施例11−RuO2 の系で、導体濃度を20重量%と一定にした場合の、ガラス比[実施例11/(実施例11+実施例2)]に対する抵抗を示すグラフである。
【図6】実施例2−実施例11−RuO2 の系で、導体濃度を20重量%と一定にした場合の、ガラス比[実施例11/(実施例11+実施例2)]に対する、HTCR,CTCRおよびギャップ(GAP)(HTCR−CTCR)を示すグラフである。
【図7】実施例3−実施例11−Bi2 Ru27 の系で、導体濃度を30重量%と一定にした場合の、ガラス比[実施例11/(実施例11+実施例3)]に対する抵抗を示すグラフである。
【図8】実施例3−実施例11−Bi2 Ru27 の系で、導体濃度を30重量%と一定にした場合の、ガラス比[実施例11/(実施例11+実施例3)]に対する、HTCR,CTCRおよびギャップ(GAP)(HTCR−CTCR)を示すグラフである。
【図9】[実施例11/(実施例3+実施例11)]焼成の回数に対するHTCRを示すグラフである。

Claims (9)

  1. 基板上に抵抗またはサーミスタのパターンを形成するのに好適な厚膜ペースト組成物であって、(a)RuO、一般式(McBi2−c)(M′Ru2−d)O7−eに対応する化合物、およびこれらの混合物からなる群から選択される、ルテニウム系導電性材料5〜65重量%と;(b)5〜70モル%のBi、および17.4〜30モル%のSiOを含み、鉛およびカドミウムを含まないガラス組成物95〜35重量%とのベース固形物を含有し、(a)および(b)の全てが有機媒体中に分散されていることを特徴とする厚膜ペースト組成物。
    ここで、上記一般式中、Mは、イットリウム、インジウム、および原子番号57〜71の希土類金属からなるグループの少なくとも一種を含むものであり、M′は、プラチナ、チタン、クロム、ロジウム、およびアンチモンの少なくとも一種であり、cは、0〜2の範囲の数であり、dは通常0〜0.5の数であって、M′がロジウムの場合には例外的に0〜1であり、M′がプラチナおよびチタンの場合には例外的に1より大きい範囲の数であり、eは、0〜1の範囲の数である。
  2. 請求項1において、前記ガラス組成物が、さらに、BaO、MgO、ZnO、CuO、CoO、MnO、Fe、Al、およびBからなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする厚膜ペースト組成物。
  3. 請求項1において、前記導電性材料が、BiRuであることを特徴とする厚膜ペースト組成物。
  4. 請求項1において、前記導電性材料が、BiGdRuあることを特徴とする厚膜ペースト組成物。
  5. 請求項1において、前記導電性材料が、Bi1.5Cu0.5Ru6.1であることを特徴とする厚膜ペースト組成物。
  6. 請求項1において、前記導電性材料が、RuOであることを特徴とする厚膜ペースト組成物。
  7. 請求項1において、前記導電性材料が、CoRuOであることを特徴とする厚膜ペースト組成物。
  8. 請求項1の組成物の厚膜をセラミック基板上に有し、前記厚膜は焼成されて前記有機媒体が揮発し、焼結した前記ガラスの液相となっていることを特徴とする抵抗体。
  9. (a)請求項1の分散体のパターン化された厚層を形成する工程、(b)前記厚層を乾燥する工程、および(c)前記乾燥された層を前記有機媒体が揮発し、前記ガラスが焼結して液相となるように焼成する工程、を含むことを特徴とする抵抗体の製造方法。
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