JPH06653B2 - 酸化スズを含むパイロクロール化合物の製造方法 - Google Patents

酸化スズを含むパイロクロール化合物の製造方法

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JPH06653B2
JPH06653B2 JP3084243A JP8424391A JPH06653B2 JP H06653 B2 JPH06653 B2 JP H06653B2 JP 3084243 A JP3084243 A JP 3084243A JP 8424391 A JP8424391 A JP 8424391A JP H06653 B2 JPH06653 B2 JP H06653B2
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sno
glass
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化錫のドーピング方法
に関する。さらに詳細には、本発明は厚膜抵抗体に使用
されるのに適したパイロクロール(pyrochlore)関連化
合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】厚膜材料は金属、ガラスおよび/または
セラミック粉末を有機媒質に分散させた混合物である。
不導性支持体に塗布して導電性、抵抗性または絶縁性塗
膜を形成する、これらの材料は様々な電子工学および軽
電気部品に使用される。
【0003】このような厚膜組成物の特性は組成物の中
の特定の成分によって左右される。このような厚膜組成
物はほとんどが三種類の主成分を含有している。導電相
は電気的性質を確定し、最終塗膜の機械的性質を左右す
る。結合剤(通常は、ガラスおよび/または結晶性酸化
物)は厚膜同士を保持し、そして、該厚膜を支持体に接
着させる。有機媒質(ビヒクル)は分散媒として機能
し、該組成物の塗装特性(特に、そのレオロジー)を左
右する。
【0004】マイクロ回路に使用される厚膜抵抗体にと
っては高い安定性とプロセス感受性が低いことが絶対必
須条件である。特に、抵抗体の抵抗率(resistivity)(Ra
v)は広範な温度条件にわたって安定でなければならな
い。従って、抵抗温度係数(Thermal Coefficient of Re
sistance, TCR)はいかなる厚膜抵抗体においても決定的
に重要な変数である。厚膜抵抗体組成物は機能(導電)
相と永久結合剤相とからなるので、導電相および結合剤
相の特性ならびにその導電相と結合剤相同志の相互作用
および支持体との相互作用は抵抗率(Rav) およびTCR
値の双方に影響を及ぼす。
【0005】従来、厚膜抵抗体組成物は普通、貴金属酸
化物と多酸化物(polyoxide) ならびに、場合により、卑
金属酸化物とその誘導体からなる機能相を有していた。
しかし、これらの材料を配合して高抵抗率の膜を作成し
た場合、多くの欠点を有していた。例えば、貴金属を配
合して適当な低TCR値を得ようとすると、貴金属の電
力取扱適性は著しく劣る。他方、貴金属を配合して良好
な電力取扱適性を得ようとすれば、TCR値が著しく負
になる。更に、RuO2 のような金属酸化物およびルテ
ニウムパイロクロールのような多酸化物を抵抗体用の導
電相として使用する場合、空気焼成しなければならな
い。従って、このような材料を安価な卑金属ターミナル
と共に使用することはできない。更にまた、六硼化金属
のような卑金属を使用する場合、該卑金属を配合してそ
の電力取扱能力を損うことなく高い抵抗値(例えば、≧
30kΩ/□)を得ることはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】抵抗体中での使用につ
いて評価された卑金属材料はAs2 3 ,Ta2 5
Sb2 5 およびBi2 3 のようなその他の金属酸化
物でドープされた酸化錫(SnO2 )である。これらの
材料は米国特許第2,490,825号明細書および、
Transactions of British Ceramic Society (1974
年1月)Vol 73、7〜17頁にD.B.Binns によって開
示されている。しかし、これらの材料は半導体である。
即ち、これらの材料は極めて高い負のTCR値を有す
る。R.L.Whalers とK.M.Merzはカナダ特許第1,06
3,796号明細書に、高抵抗率において極めて高い負
のTCR値を有するSnO2 およびTa2 2 を基材と
する抵抗体の使用を開示している。更に、これらの材料
は1000℃以上の加工温度を必要とする。
【0007】抵抗体の分野で大きな進歩が達せられたに
もかかわらず、30kΩ/□〜30MΩ/□の範囲内
で、わずかに負のTCR値を、また、このましくは、ま
れに、わずかに正のTCR値を与える安価な抵抗体材料
に対する強い要望が厳として存在している。このような
材料は医療用機器および高信頼性電子回路網の双方の用
途について特に必要とされる。
【0008】本発明は、このような抵抗体材料に使用す
るのに適した金属酸化物でドープされた酸化錫よりなる
材料の製造方法を開発することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は極めて望ましい
低TCR値を有する厚膜抵抗体を製造するために主とし
て利用される、SnO−SnO2 −Ta2 5 −Nb2
5 系から誘導されるパイロクロール関連化合物を使用
して、酸化錫をタンタルおよび/またはニオブでドーピ
ングしてパイロクロール関連化合物を製造する方法に関
する。
【0010】すなわち、本発明は、酸化錫にTa
2 5 、Nb2 5 をドープして、 式、Sn2-x 2+Tay3Nby2Sny1 4+7-x-y1/2 ただしx=0 〜0.55;y3 =0 〜2 ;y2 =0 〜2 ;y
1 =0 〜0.5 であり、y1 +y2 +y3 =2 である式に
相当するパイロクロールを生成する方法であって、Sn
O,SnO2 とTa2 5 ,Nb2 5 およびその混合
物からなる群から選ばれる金属五酸化物の微粉混合物を
非酸化性雰囲気中で500℃以上の温度で焼成するパイ
ロクロール関連化合物を製造する方法を提供する。
【0011】
【実施例】
X線分析から明らかなように、SnO−SnO2 −Ta
2 5 −Nb2 5 系から得られた前記の化合物はパイ
ロクロール関連構造を有している。しかし、このパイロ
クロール関連構造の正確な性質は未だ解明されていな
い。該化合物を称呼する便宜上、“パイロクロール”お
よび“パイロクロール関連化合物”という用語は互換的
に使用される。
【0012】厚膜抵抗体組成物に添加するために前記の
パイロクロールを別途に製造すること、または、導電相
の一成分としてまたは完成された抵抗体材料として直接
該組成物を製造することが望ましいかどうかにかわりな
く、様々な作業条件下で抵抗体特性(特に、TCR)に
悪影響を与えるような化学的副反応を実際的に完全にな
くすために、使用する金属酸化物は全て高純度のものが
好ましい。例えば、金属酸化物の純度は99wt%以上で
あり、99.5wt%またはこれ以上の純度が好ましい。Sn
2 の場合、純度は特に絶対的要因である。
【0013】パイロクロール成分類(即ち、SnO,S
nO2 ,Ta2 5 および/またはNb2 5 )の粒径
は、パイロクロールを製造する際の、その技術的効果の
観点からすれば、何ら重要な要件ではない。しかし、完
全な混合と完全な反応を促進させるために、該成分類は
微粉体であることが好ましい。一般的に好ましい粒径は
0.1 〜80μm であり、特に好ましい粒径は10〜40
μm である。パイロクロール関連化合物類(パイロクロ
ール類)自体は、SnO,SnO2 および金属五酸化物
の微粉体混合物を非酸化性雰囲気中で500〜1100
℃で焼成することによって製造される。好ましい焼成温
度は700〜1000℃である。
【0014】本発明の製造方法により製造されたパイロ
クロールを使用して厚膜抵抗体の導電相を製造するに
は、次の二種類の基本的方法がある。その第一の方法
は、パイロクロール粉末5〜95wt%、SnO2 粉末9
5〜5wt%と混合し、そして、この混合物を焼成して導
電相を製造することからなる。好ましいパイロクロール
粉末の使用量は20〜95wt%である。
【0015】導電相を形成する第2の方法では、Sn
O,SnO2 および金属五酸化物の微粉体混合物を調製
する。ここで、SnO対金属五酸化物のモル比は1.4 〜
3.0 であり、また、SnO2 はSnOおよび金属五酸化
物の化学量論的な量よりも過剰量配合される。SnO2
は全酸化物類のうち5〜95wt%を構成する。次いで、
この混合物を600〜1100℃で焼成する。かくし
て、パイロクロールは一個の固相として生成され、そし
て、過剰量のSnO2 は焼成反応生成物の第2層を構成
する。パイロクロールを単独で製造する場合、好ましい
焼成温度は600〜1000℃である。
【0016】このような方法で形成された導電相を無機
結合剤および有機媒質と混合して、スクリーンの印刷の
可能な厚膜組成物を製造することができる。或る場合に
は、SnO2 を組成物に添加して抵抗率のレベルを変化
させること、または、抵抗の温度係数を変化させること
が望ましいこともある。しかし、このようなことは、使
用すべき無機結合剤の組成を変化させることによって為
し得る。以下本発明の製造方法により製造されたパイロ
クロールを使用して抵抗体を製造するにあたって考慮す
べき事項について説明する。
【0017】 A 無機結合剤 前記のパイロクロールを含有する抵抗体用の無機結合剤
として最も頻繁に使用されるものはガラスである。この
ガラスは900℃未満の融点を有する、実質的に鉛、カ
ドミウムまたはビスマスのいずれをも含有しないガラス
組成物である。好ましいガラスフリットはホウケイ酸の
バリウム、カルシウムまたはその他のアルカリ土類金属
塩のようなホウケイ酸塩である。このようなガラスフリ
ットの製造は周知であり、また、例えば、酸化物の形を
したガラス構成成分をいっしょに溶融させ、そして、該
溶融組成物を水中に注ぎ入れてフリットを製造すること
からなる。当然、バッチ成分はフリット製造の常用条件
下で所望の酸化物をもたらすような化合物であればどん
な化合物であってもかまわない。例えば、酸化硼素は硼
酸から得られ、二酸化ケイ素はフリントから得られ、酸
化バリウムは炭酸バリウムから得られる。ガラスはボー
ルミル中で水と共に微粉砕(磨砕)してフリットの粒径
を低下させ、そして、実質的に均一な粒径のフリットを
得ることが好ましい。
【0018】本発明の製造方法により製造されたパイロ
クロールを使用して製造する抵抗体組成物に特に好まし
いガラスフリットはSnO2 10〜50モル%、B2
3 20〜60モル%、BaO10〜35モル%、CaO
0〜20モル%、MgOo〜15モル%、NiO0〜1
5モル%、Al2 3 0〜15モル%、SnO2 0〜5
モル%、ZrO2 0〜7モル%および金属フッ化物0〜
5モル%(ここで、該金属はアリカリ金属類、アリカリ
土類金属類およびニッケルからなる群から選択され
る。)からなり;B2 3 +Al2 3 /SiO2 +S
nO2 +ZrO2 のモル比は0.8 〜4であり;BaO,
CaO,MgO,NiOおよびCaF2 の全量は15〜
50モル%であり;そして、Al2 3 ,B2 3 ,S
iO2 ,SnO2 およびZrO2 の全量は50〜85モ
ル%(好ましくは、60〜85モル%)であり;Bi,
CdおよびPbを含有しないフリットである。このよう
なガラス類が特に望ましい。なぜなら、このようなガラ
スは前記のパイロクロールと併用した場合、高い抵抗レ
ベルで、極めて高い正の高温抵抗温度係数(Hot Tempera
ture Coefficient of Resistance, HTCR) 値をもたらす
からである。
【0019】このようなガラス類は、所望成分を所望の
割合で混合し、そして、この混合物を加熱して溶融物を
生成することからなる常用のガラス製造技術によって製
造される。当業界で周知なように、加熱はピーク温度ま
で行なわれ、また、溶融物が完全に液化し、そして、均
質になるような時間にわたって行なわれる。現行の製造
作業では、成分をプラスチックボールと共にポリエチレ
ンジャーの中で振盪することによって予備混合し、そし
て、その後、白金製のルツボの中で所望の温度で溶融す
る。この溶融物を1100〜1400℃のピーク温度で
1〜1.5 時間にわたって加熱する。その後、この溶融物
を冷水中に注ぎ込む。急冷中の水の最大温度は、水対溶
融物の容量比を増大させることによってできるだけ低い
温度に維持する。水から粗製フリットを分離した後、こ
のフリットを風乾するか、またはメタノールで洗浄する
ことによって水を置換することによって残留水を除く。
次いで、この粗製フリットを、アルミナボールを使用し
て、アルミナ容器中で3〜15時間にわたってボールミ
ル磨砕する。粗製フリットによって捕捉されるアルミナ
は、もしあるとしても、X−線回折分析によって測定さ
れるように、認められうる制限範囲内ではない。
【0020】微粉砕されたフリットスラリーをミルから
とりだした後、デカントして過剰量の溶剤を除去し、そ
して、フリット粉末を室温で風乾する。次いで、乾燥粉
末を325メッシュ篩を篩過させることによって巨大粒
子を全て除去する。
【0021】フリットの主要な二特性は、これが無機結
晶質粒状材料の液相焼結を促進し、そして、厚膜抵抗体
の製造における加熱−冷却サイクル(焼成サイクル)の
間の失透によって非晶質または結晶質材料を生成するこ
とである。この失透プロセスは先駆非結晶性(ガラス
様)材料と同一の組成を有する単一の結晶相か、あるい
は、先駆ガラス様材料の組成と異なった組成を有する多
くの結晶相のいずれかをもたらす。
【0022】本発明の製造方法により製造されたパイロ
クロールを使用する抵抗体において特に好ましい結合剤
組成物は、前記のビスマス、カドミウムおよび鉛を含有
しないガラス95〜99.9wt%と、CaF2 ,BaF2
MgF2 ,SrF2 ,NaF,LiF,KFおよびNi
2 からなる群から選択される金属フッ化物5〜0.1wt
%からなる。このような金属フッ化物をフリットと併用
すると、これらの材料から製造される抵抗体の抵抗率を
低下させる。
【0023】 B 有機媒質 有機媒質を使用する主たる目的は、組成物の微粉体をセ
ラミックまたはその他の支持体に容易に塗布できるよう
な形にするために、該組成物微粉体の分散用ビヒクルと
して使用することである。従って、有機媒質はまず第一
に、固形物を適正な安定度で分散させる得るうなもので
なければならない。第二に、有機媒質のレオロジー特性
は、分散液に良好な塗布特性を与えるようなものでなけ
ればならない。
【0024】ほとんどの厚膜組成物はスクリーン印刷に
よって支持体に塗布される。従って、該組成物は適当な
粘度を有しなければならない。かくして、該組成物は容
易にスクリーンを通過できる。更に、該組成物はスクリ
ーン通過後、迅速に固化し、かくして、良好な分離性を
もたらすために、該組成物はチキソトロープなものでな
ければならない。レオロジー特性が最も重要であるが、
好ましくは、有機媒質も配合して、固形分および支持体
に適正な湿潤性を与え、良好な乾燥速度をもたらし、更
に、手荒な取扱いにも十分に耐えうる乾燥被膜強度を与
え、また、良好な焼成特性を与える。焼成組成物の申し
分のない外観も重要である。
【0025】これら全ての基準からすれば、広範な不活
性液体類が有機媒質として使用できる。ほとんどの厚膜
組成物の有機媒質は例えば、樹脂の溶剤溶液であり、ま
た、しばしば、樹脂とチキソトロープ剤の双方を含有す
る溶剤溶液である。通常、このような溶剤は130〜3
50℃の範囲内の温度で沸騰する。
【0026】この目的に断然最もしばしば使用される樹
脂はエチルセルロースである。しかし、エチルヒドロキ
シエチルセルロース、ウッドロジン、エチルセルロース
とフェノール樹脂との混合物、低級アルコール類のポリ
メタクリレートエステル、およびエチレングリコールモ
ノアセテートのモノブチルエーテルのような樹脂類も使
用できる。
【0027】厚膜用に最も広範に使用される溶剤は、α
−またはβ−テルピネオールあるいはこれらの混合物の
ようなテルペン類と、ケロシン、ジブチルフタレート、
ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、
ヘキシレングリコール、高沸点アルコール類およびアル
コールエステル類のようなその他の溶剤類の併用物であ
る。これらの溶剤類とその他の溶剤類との様々な組合せ
を配合して各用途に応じた所望の粘度と揮発度を得る。
【0028】通常使用されるチキソトロープ剤は水添カ
ストール油、その誘導体およびエチルセルロースを含
む。もちろん、チキソトロープ剤を常に添合する必要は
ない。なぜなら、あらゆる懸濁液に固有の剪断減粘性と
組合せられた溶剤/樹脂特性だけがここでは適当だから
である。
【0029】分散液中の有機媒質対固形物の比率は大幅
に変化させることができる。この比率は分散液の塗布方
法および使用される有機溶剤の種類によって左右され
る。通常、良好な伸びを得るには、分散液は、相補的
に、60〜90%の固形分と40〜10%の有機媒質を
含有している。このような分散液は通常、半流動体程度
のものであり、そして、一般的には、“ペースト”と呼
ばれる。
【0030】ペーストは三本ロール練り機で容易に製造
される。低剪断速度、中剪断速度および高剪断速度にお
いてブルツクフィールド粘度計で室温で測定した場合の
ペーストの粘度は典型的には、次の範囲内にある。
【0031】 有機媒質(ビヒクル)の使用量およびタイプは主に、最
終の所望塗料粘度および印刷厚みによって決定される。
【0032】 C 配合および塗布 本発明の方法により製造されたパイロクロールを使用し
て組成物を製造する場合、粒状の無機固形物を有機媒質
と混合し、そして、三本ロール練り機のような適当な装
置で分散させて懸濁液を調製し、かくして、粘度が4se
c -1の剪断速度で、約100〜150Pa.Sの範囲内にあ
る組成物を得る。
【0033】下記の実験例では、次の方法によって配合
を行なった。
【0034】ペーストの成分類と必要量よりも約5wt%
少ない量の所定の有機成分類を容器中でいっしょに秤量
する。次いで、この成分類をはげしく混合して均質なブ
レンドを調製し、その後、このブレンドを三本ロール練
り機のような分散装置を通過させて粒子の良好な分散性
を得る。Hegmanゲージを使用して、ペースト中の粒子の
分散状態を測定する。この装置はスチールのブロック中
の、その一端に深さ25μm (1ミル)の一本の溝と、
その他端に深さ0インチ以下の坂路とからなる。ブレー
ドを使用して、ペーストを溝の長さにそってひきおろ
す。凝集塊の直径が溝の深さよりも大きい場合には、掻
ききずが溝の中にあらわれる。申し分のない分散液なら
ば、典型的には、10〜18μm の第4掻ききず点を与
える。十分に分散されたペーストで溝の半分が被覆され
ない点は典型的には3〜8μm である。20μm の第4
掻ききず測定値および10μm の“半溝”測定値は分散
が不十分な懸濁液であることを示す。
【0035】ペーストの製造に使用される有機成分のう
ちの残しておいた5%を添加し、完成配合物の粘度が4
sec -1の剪断速度で140〜200Pa.Sとなるようにペ
ーストの樹脂含量を調節する。
【0036】次いで、この組成物を、通常はスクリーン
印刷法によって、未乾燥塗膜の厚みが、約30〜80ミ
クロン、好ましくは、35〜70ミクロンおよび最も好
ましくは40〜50ミクロンとなるように、アルミナセ
ラミックのような支持体に塗布する。本発明の電極組成
物は自動印刷法または常法どうりの手作業による印刷法
のいずれかによって支持体に印刷できる。200〜32
5メッシュのスクリーンによる自動スクリーンステンシ
ル法を用いることが好ましい。印刷されたパターンは焼
成前に200℃未満の温度、例えば、約150℃の温度
で乾燥させる。無機結合剤および微粉状金属の双方を焼
結させるための焼成は、有機物を約300〜600℃で
焼尽し、約800〜950℃の最高温度が約5〜15分
間にわたって持続されるような温度条件で、換気の行き
とどいたベルトコンベアー炉中で行ない、続いて、過焼
結、中間温度における望ましからざる化学反応または急
速冷却にともなって発生する支持体破壊を防ぐために、
ゆっくりと制御しながら放冷することが好ましい。全体
の焼成手順は約1時間かけて行なうことが好ましい。す
なわち、焼成温度に達するまでに20〜25分間焼成温
度が約10分間、そして、放冷に約20〜25分間であ
る。或る場合には、30分間程度の短い全体サイクル期
間も使用できる。
【0037】 D サンプル製造 抵抗温度係数(TCR)について試験すべきサンプルは
次のようにして製造した。
【0038】試験すべき抵抗体配合物のパタ―ンを大き
さが1×1インチの符号をつけたAlsimag 614セラミ
ック支持体10個の各々にスクリーン印刷し、そして、
室温で平衡化させ、次いで、150℃で乾燥させた。焼
成前の、乾燥塗膜10個の各セットの平均厚さはブラッ
シ・サーフアナライザ(Brush Surfanalyzer)で測定した
22〜28ミクロンでなければならない。乾燥した印刷
支持体を、35℃/分の加熱速度で850℃にまで加熱
し、850℃で9〜10分静置し、そして、30℃/分
の放冷速度で室温にまで放冷するサイクルを用いて、約
60分間かけて焼成する。
【0039】 E 抵抗率測定および計算 前記のようにして製造した支持体を温度制御されたチャ
ンバー内のターミナルポストにとりつけ、そして、デジ
タル式オーム計に電気的に接続する。チャンバー内の温
度を25℃にあわせ、そして、平衡化させ、その後、各
支持体の抵抗率を測定し、その結果を記録する。
【0040】チャンバーの温度を次いで−55℃にまで
低下させ、そして、平衡化させ、そして低温抵抗温度係
数(Cold Temperature Coefficient of Resistance, TC
R) を測定し、そして、その結果を記録する。 HTCR={(R125 −R25)×(10,000)/R25}ppm /度C CTCR={(R-55 −R25)×(12,500)/R25}ppm /度C ただし、R125 、R25、R-55 はそれぞれ125 度C、25
度C、-55 度CにおけるRの値である。
【0041】R25の値およびHTCRならびにCTCR
の値を平均し、そして、R25の値を25ミクロンの乾燥
印刷厚さに標準化し、そして、抵抗率を25ミクロンの
乾燥印刷厚さにおける平方あたりのオームとして報告す
る。多数の試験値の標準化は次の関係式を算出する。 標準化抵抗率 =平均測定抵抗率×平均乾燥印刷厚さ(ミクロン)/25ミクロン F レーザートリミング安定性 厚膜抵抗体のレーザートリミングは混成微小形電子回路
の製造にとって重要な技法である。(この技法はD.W.Ha
mer およびJ.V.Biggers によって、“Thich Film Hybri
d Microcircuit Technology ”p.173ff(Wiley,1
972)に詳述されている。)この技法の有用性は、同
じ抵抗性インクを一群の支持体に印刷した特別な抵抗体
の抵抗体がガウス分布に似た分布を示すことを考慮する
ことによって理解できる。全ての抵抗体に同一の設計値
をもたせて適正な回路性能を得るにはレーザーを使用し
て、抵抗体材料の微小部分を除去(揮発)して抵抗値を
そろえる。トリミングした抵抗体の安定性はトリミング
後に生じる抵抗値の部分的変化(ドリフト)の尺度であ
る。抵抗値をその設計値付近にとどめて適正な回路性能
をうるために低抵抗値ドリフト(高安定性)が必要であ
る。
【0042】 G 分散係数 分散係数(CV)は試験した抵抗体の平均および単一抵
抗率の関数であり、これは関係式σ/Ravによって表わ
される。ここで、 σ={Σi (Ri −Rav2 /(n−1)}1/2 の平方根 (式中、Ri はサンプルの測定された抵抗率である; Ravは全サンプルの計算された平均抵抗率 (Σi Ri /n)である; nはサンプルの数である; CV=σ/R×100%) [実験例] 下記の実験例では、Cd,BiおよびPbを含有しない
様々なガラスフリットを使用した。これらフリットの組
成を下記の表1に示す。下記の実験例において、ガラス
フリットを特定するために、以下に挙示されたガラスに
ローマ数字を付す。
【0043】 表 1 組成物 ガラス組成物(モル%) 番号 I II III IV V VI VII VIII IX X 成分Y BaO 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 CaO 9.52 5.0 5.0 MgO 5.0 10.0 10.0 5.0 10.0 10.0 6.5 6.5 NiO 5.0 10.0 Al2 3 5.0 B2 3 55.0 45.0 45.0 45.0 45.0 45.0 45.0 37.09 40.0 42.0 SiO2 15.0 20.0 23.0 23.0 23.0 25.0 23.0 32.56 27.0 25.0 SnO2 25 2.0 2.0 ZrO2 5.0 2.0 2.0 2.0 1.0 1.0 1.0 CaF2 1.0 実験例1 パイロクロール製造:タンタルでドーピングされた式S
1.75 2+Ta1.75Sn0.25 4+6.625 で示されるスズパ
イロクロール組成物を本発明の第1の目的に従って次の
ように製造した。
【0044】分散媒として水を使用し、SnO71.42
g、Ta2 5 117.16gおよびSnO2 11.42 gをボー
ルミル磨砕することによって各200gのバッチを2つ
調製した。完全に混合した後、この混合物を乾燥し、そ
してアルミナルツボに入れ、非酸化性(チッ素)雰囲気
の炉中で加熱した。この混合物は最初、600℃で24
時間加熱し、そして、その後、900℃で更に24時間
加熱した。この混合物を磨砕せず、あるいは、その逆で
焼成中に処理した。
【0045】 実験例2 導電相製造:実験例1の方法で製造したパイロクロール
を使用して下記のように抵抗体用の導電相を製造した。
実験例1のパイロクロール100gと精製SnO2 40
0gを各々含有する2つの別々のバッチを磨砕溶媒とし
てイソプロピルアルコールを使用して1時間ボールミル
磨砕した。ボールミル混合が終了した後、パイロクロー
ルとSnO2 の混合物をチッ素雰囲気下の炉中に配置
し、そして、900℃±10℃の温度で24時間焼成し
た。焼成および放冷後、得られた粉末を磨砕溶媒として
イソプロピルアルコールを固形物2kgあたり500g
の量で使用して、8時間にわたって各々、Y−磨砕し
た。この2種類の粉末を換気されたフード中に配置し、
室温(約20℃)で大気に蒸発させることによって乾燥
させた。
【0046】 実験例3 導電相製造:実験例1の方法で製造したパイロクロール
を使用して次のように別の導電相を製造した。20wt%
に相当する量の実験例1のパイロクロールを80wt%の
SnO2 と、磨砕溶媒にイソプロピルアルコールを用い
て、ボールミル中で混合した。得られた混合物を乾燥さ
せ、次いで、窒素雰囲気下の炉中で600℃で13時間
加熱した。次いで、この焼成混合物を放冷し、磨砕する
ことによって再粉砕し、そして、900℃で24時間に
わたって再加熱した。加熱された最終生成物をイソプロ
ピルアルコール中で再び磨砕して粒径を更に低下させ、
表面積を増大させた。
【0047】 実験例4〜11 厚膜組成物の製造:下記の表2に列挙したペースト固形
物の混合物を前記の方法で24wt%の有機媒質に分散さ
せることによって8種類の一連のスクリーン印刷可能な
厚膜ペーストを製造した。 組成物の評価:8種類の厚
膜ペーストの各々を使用して前記のような方法で抵抗体
膜を形成した。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係
数(CV)および高温抵抗温度係数(HTCR)を測定
した。抵抗体ペーストの組成および該組成物から形成し
た抵抗体の電気的性質を次の表2に示す。
【0048】 表 2 配 合 効 果 実験例番号 4 5 6 7 8 9 10 11 成 分 SnO 1.18 2.50 5.00 7.50 3.68 6.70 6.70 5.86 Ta2 5 2.11 4.08 8.16 12.24 12.24 10.75 10.75 9.64 SnO2 66.45 63.16 56.58 50.00 53.82 55.45 55.45 48.79 ガラスI 27.09 ガラスII 27.09 ガラスIII 31.50 ガラスIV 2.63 2.63 2.63 2.63 2.63 3.50 ガラスVIII 26.32 26.32 26.32 26.32 26.32 CaF2 1.32 1.32 1.32 1.32 1.32 0.71 抵抗体特性 Rav 191.5 27.1 43.3 102.1 80.3 72.97 148.9 20.43 (kΩ/□) CV(%) 99.7 4.2 4.4 4.2 4.5 10.8 7.2 11.0 HTCR -4254 -282 -200 -222 -177 +57.1 +70.4 -47.8 (ppm/C) 表2の結果から明らかなように、多量のTa2 5 の役
割は抵抗率を高めることであり、また、ガラスを一層高
い比率で使用すると1MΩ/□よりも高い抵抗率が得ら
れる。また、表2のデータは、別のガラス組成物を使用
すると一層負のHTCR値が得られることを例証してい
る。実際、正のHTCR値も得られる。要するに、本実
験例の組成物および方法を使用し、パイロクロールまた
はガラスの量を増大させることによっておよび/または
別のガラスを使用することによって、20kΩ/□〜2
0MΩ/□の全範囲にわたって抵抗率を制御できる。
【0049】実験例12〜19厚膜組成物の製造:下記
の表3に列挙した様々な量の固形物の混合物を前記の方
法で24wt%の有機媒質に分散させることによって8種
類の一連のスクリーン印刷可能な厚膜ペーストを製造し
た。 組成物の評価:8種類の厚膜組成物の各々を使用
して前記のような方法で一連の抵抗体膜を製造した。焼
成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数(CV)および
高温抵抗温度係数(HTCR)を測定した。抵抗体ペー
ストの組成および該組成物から製造した抵抗体の電気的
性質を次の表3に示す。
【0050】 表 3 抵抗体の電気的性質に対するSnOおよびSnO2 配合成分の効果 実験例番号 12 13 14 15 16 17 18 19 成 分 SnO 65.66 2.50 61.58 5.00 6.70 Ta2 5 4.08 4.08 4.08 8.16 8.16 8.16 10.75 10.75 SnO2 65.66 63.16 61.58 56.58 62.15 55.45 ガラスVIII 26.32 26.32 26.32 26.32 26.32 26.32 ガラスIV 2.63 2.63 2.63 2.63 2.63 2.63 ガラスI 27.09 27.09 CaF2 1.32 1.32 1.32 1.32 1.32 1.32 抵抗体特性 Rav 1783.0 “高” 27.1 1491.0 “高” 43.3 702.9 149.9 (kΩ/□) CV(%) 78.0 4.2 81.4 4.4 188.5 7.2 HTCR -6998 -282 -200 -6708 -200 -4285 +70 (ppm/C) (注)“高”は250 MΩ/□以上であることを示す。
【0051】SnOが配合されていなければ、抵抗体は
高い負のHTCR値および受容することのできないほど
高いCV値を有することとなるので、SnOは本発明の
抵抗体のパイロクロール部分の必須成分である。このこ
とは実験例12のデータにより実証されている。他方、
SnOをSnO2 と併用せず単独で使用した場合、得ら
れる焼成材料は抵抗体ではなく、絶縁体である。また、
実験例14は、SnOとSnO2 を併用した抵抗体は全
て例外なく良好なHTCR値、良好なCV値および全く
申し分のない抵抗率を有することを実証している。 実
験例15〜17は、系中でTa2 5 を多量に有する実
験例12〜14と同じ現象を示すことを例証している。
最後に、実験例18と19はTa2 5 の配合量がわず
かに高い別のガラス組成物の使用例を示す。
【0052】 実験例20〜25 厚膜組成物の製造:実験例1のパイロクロール組成物と
SnO2 および無機結合剤からなる混合物を前記の方法
で24wt%の有機媒質中に分散させることによって6種
類の一連のスクリーン印刷可能な厚膜組成物を調製し
た。無機結合剤として三種類の異なったガラスを使用し
た。また、パイロクロール/SnO2 の比率も変化させ
た。
【0053】組成物の評価:6種類の厚膜組成物の各々
を使用して前記のような方法で一連の抵抗体膜を形成し
た。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数(CV)
および高温抵抗温度係数(HTCR)を測定した。抵抗
体ペーストの組成および該ペーストから製造した抵抗体
の電気的性質を次の表4に示す。
【0054】 表 4 SnO2 /パイロクロール配合効果 実験例番号 20 21 22 23 24 25 成 分 パイロクロール 7.28 7.28 7.28 14.57 14.57 14.57 (注) SnO2 65.56 65.56 65.56 58.28 58.28 58.28 ガラスII 25.17 25.17 ガラスIII 25.17 25.17 ガラスVIII 25.17 25.17 ガラスIV 1.32 1.32 1.32 1.32 1.32 1.32 CaF2 0.66 0.66 0.66 0.66 0.66 0.66 抵抗体特性 Rav 112.6 69.3 19.9 423.21 139.1 29.1 (kΩ/□) CV(%) 6.9 6.3 12.5 5.3 4.7 22.3 HTCR +174 -88 -502 +431 +396 -814 (ppm/C) (注)表中の“パイロクロール”はSn1.75 2+Ta1.75Sn0.25 4+6.625 であ る。
【0055】実験例17のデータを実験例20のデータ
と比較し、実験例18のデータを実験例21のデータと
比較し、そして、実験例19のデータを実験例22のデ
ータと比較すると、パイロクロールの量を増加させれば
一層高い抵抗率が得られることが理解される。これら同
一のデータはまた、別のガラス組成物を使用すればHT
CRをコントロールできることを示している。
【0056】実験例26〜38厚膜組成物の製造:実験
例3の導電相と無機結合剤からなる混合物を前記の方法
で24wt%の有機媒質に分散させることによって13種
類の一連のスクリーン印刷可能な厚膜組成物を形成し
た。三種類の異なったガラスを基本的な無機結合剤とし
て使用した。
【0057】組成物の評価:13種類の厚膜組成物の各
々を使用して前記のような方法で一連の抵抗体膜を製造
した。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数(C
V)および高温抵抗温度係数(HTCR)を測定した。
抵抗体ペーストの組成および該ペーストから製造した抵
抗体の電気的性質を次の表5に示す。
【0058】 表 5 (その1) 抵抗体の電気的性質に対するガラス組成物の効果 実験例番号 26 27 28 29 30 31 32 成 分 実験例3 66.86 65.51 74.28 66.27 67.62 68.97 70.33 の導電相 ガラスVIII 29.71 30.93 23.10 ガラスIII 30.29 29.08 27.86 26.64 ガラスII − − − − − − − ガラスIV 3.11 3.24 2.30 3.11 2.98 2.84 2.70 CaF2 0.32 0.32 0.32 0.32 0.32 0.32 0.32 抵抗体特性 Rav 68.4 83.7 44.6 1134.4 728.3 488.7 422.2 (kΩ/□) CV(%) 4.1 6.0 3.8 5.2 10.0 4.7 7.1 HTCR -5 -6 -126 +317 +350 +392 +398 (ppm/C) 表 5 (その2) 抵抗体の電気的性質に対するガラス組成物の効果 実験例番号 33 34 35 36 37 38 成 分 実験例3 67.62 66.27 62.13 60.78 60.81 61.08 の導電相 ガラスVIII − − − − − − ガラスIII − − − − − − ガラスII 29.08 30.29 34.04 35.25 36.22 35.95 ガラスIV 2.98 3.11 3.51 3.65 2.97 2.98 CaF2 0.32 0.32 0.32 0.32 抵抗体特性 Rav 751.94 1394.3 7459 10214 32890 85140 (kΩ/□) CV(%) 6.8 9.4 8.4 9.9 4.8 9.75 HTCR +385 +320 +257 +100 +3 -129.5 (ppm/C) 実施例26〜38は、組成物がビスマス、カドミウム、
鉛を含有しないタイプのものである場合、導電相中の本
発明の方法により製造したパイロクロールの配合量を高
めて一層高い抵抗率を得ることによって、さらにまた、
無機結合剤の組成を変化させることによって、30kΩ
/□〜100MΩ/□に及び全範囲の抵抗体を組立てら
れることを明白に例証している。
【0059】 実施例39〜45 厚膜組成物の製造:前記の全ての実施例で使用されたタ
ンタルのかわりにニオブをドーピング剤として使用し、
パイロクロールを含有する一連のスクリーン印刷の可能
な厚膜組成物を製造した。SnO/Nb2 5 /SnO
2 (2:1:31.96 モル比)の混合物をボールミル磨砕
することによってニオブ含有配合物を製造した。
【0060】ボールミル磨砕した混合物を大気下の炉中
で100℃±10℃の温度で乾燥した。その後、窒素雰
囲気の炉中で900℃で24時間加熱した。この焼成生
成物を次いで更に微粉砕してその表面を増大させた。実
験例39〜42では、前記のニオブ含有パイロが抵抗体
の導電相の基本成分であった。実験例43〜45では、
ニオブ型材料と同じ方法で製造したタンタル型パイロク
ロールを、極く少量のニオブ型材料と共に基本導電相と
して使用した。タンタル型パイロクロールはモル比が
2:1:28.65 のSnO/Ta2 5 /SnO2 混合物
から製造した。
【0061】組成物の評価:7種類の厚膜組成物の各々
を使用して前記のような方法で一連の抵抗体膜を形成し
た。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数(CV)
および高温抵抗温度係数(HTCR)を測定した。厚膜
ペーストの組成および該ペーストから製造した一連の抵
抗体の各々の電気的性質を次の表6に示す。
【0062】 表 6 ニオブ系スズパイクロールの特性 実験例番号 39 40 41 42 43 44 45 成 分 Nb系導電相 66.86 65.51 74.28 66.27 67.62 68.97 70.33 Ta系導電相 66.86 65.51 74.28 66.27 67.62 68.97 70.33 ガラスX 29.1 ガラスVIII 29.1 ガラスIII 29.1 28.7 28.7 28.7 ガラスII 29.1 ガラスIV 3.0 3.0 3.0 3.0 2.9 2.9 2.9 CaF2 0.3 0.3 0.3 0.3 0.32 0.3 0.3 抵抗体特性 Rav 2.373 0.5677 13.251 16.912 0.712 0.602 0.629 (kΩ/□) CV(%) 4.9 2.7 9.1 4.6 4.7 7.2 10.6 HTCR -3582 -3453 -3559 -3556 +176 +95 +4 (ppm/C) 実験例39〜42は、Nb型導電相がタンタル型導電相
の電気的性質とは異なる電気的性質を有している事実を
例証している。即ち、Nb型パイロクロールは極めて高
い負のHTCR値によって示されるように半導体的特性
を示すのに対して、タンタル型パイロクロールは金属型
の挙動(即ち、温度が上昇するにつれて、抵抗値も上昇
すること)を示す。
【0063】実験例43〜45は、タンタル型厚膜抵抗
体組成物用のTCR変性剤としてNb型導電相の使用を
例証する。特に、Nb型材料は抵抗値をほとんど変化さ
せることなく、HTCR値を相当変化させる。
【0064】 実験例46 抵抗体用の導電相を次のように製造した。
【0065】SnO2 405.7 g、Ta2 5 58.5gおよ
びSnO35.71 gからなる微粉体混合物を、磨砕用溶媒
として蒸留水を使用し、1時間にわたってボールミル粉
砕することによって製造した。この磨砕混合物を120
℃の炉中で乾燥した。次いで、この乾燥混合物をアルミ
ナ製のルツボに入れ、そして、875℃で24時間加熱
した。875℃での加熱が終了した後、磨砕溶媒に蒸留
水を使用して、こり反応混合物を6時間Y−磨砕した。
その後、100℃の炉中で乾燥した。
【0066】前記の方法における反応体類の特性は、焼
成生成物が実験例1と同じ式を有するパイロクロール2
0wt%と遊離SnO2 80wt%とを含有するものであ
る。この手順は当然、パイロクロール合成と導電相の形
成とを別々の操作で行なうことを避けるためのものであ
る。
【0067】実験例47〜51厚膜組成物の製造:下記
の表7に列挙した固形物の混合物を前記の方法で26wt
%の有機媒質に分散させることによって5種類の一連の
スクリーン印刷可能な厚膜組成物を製造した。
【0068】組成物の評価:5種類の厚膜組成物の各々
を使用して前記のような方法で抵抗体膜を形成した。焼
成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数(CV)および
高温抵抗係数(HTCR)を測定した。組成物およびそ
の電気的性質を次の表7に示す。
【0069】 表7 導電相およびガラス配合効果 実験例番号 47 48 49 50 51 (固体含量,wt%) 成 分 実験例46の導電相 70.33 67.62 67.62 70.30 67.62 ガラスIII - - 29.07 - - ガラスIX 26.64 29.07 - - - ガラスII - - - 26.63 29.07 ガラスIV 2.70 2.97 2.97 2.70 2.97 CaF2 0.32 0.32 0.32 0.32 0.32 抵抗体特性 Rav(MΩ/□) 0.149 0.229 0.930 1.268 2.169 CV(%) 2.6 5.4 4.8 5.5 7.8 HTCR(ppm/度C) +172 +141 +298 +369 +288 表7のデータは、導電相の濃度が増大すると抵抗値が下
がり、そして、HTCRが上昇することを示している。
ガラス組成物の、抵抗値およびHTCRの双方を変化さ
せる効果は実験例48,49および51の結果を比較す
ることによって、また同様に、実験例47と実験例50
の結果を比較することによって実証される。注目すべき
ことは、高い抵抗値範囲内の全てのCV値が例外なく受
容可能な範囲内にあること、即ち、CV値は全て約10
%未満であることである。
【0070】 実験例52〜56 厚膜組成物の製造:実験例2の導電相、Y−磨砕したS
nO2 および無機結合剤からなる混合物を前記の方法で
26wt%の有機媒質に分散させることによって5種類の
一連のスクリーン印刷可能な厚膜ペーストを製造した。
【0071】組成物の評価:5種類の厚膜ペーストの各
々を使用して前記のような方法で抵抗体膜を製造した。
焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数(CV)およ
び高温抵抗温度係数(HTCR)を測定した。抵抗体ペ
ースト固形物の組成物および該ペーストから形成した抵
抗体の電気的性質を次の表8に示す。
【0072】 表8 低端パイロクロール抵抗体 実験例番号 52 53 54 55 56 (固体含量,wt%) 成 分 実験例2の導電相 33.81 43.95 50.72 59.51 67.62 SnO2 33.81 23.67 16.91 8.11 - ガラスVIII 29.08 29.08 29.08 29.08 29.08 ガラスIV 2.98 2.98 2.98 2.98 2.98 CaF2 0.32 0.32 0.32 0.32 0.32 抵抗体特性 Rav(kΩ/□) 29.5 35.8 44.2 52.8 67.1 CV(%) 6.2 3.2 3.9 5.1 5.0 HTCR(ppm/℃) -78 +8 +19 +52 +49 表8のデータは“低端(low-end) ”抵抗体の形成に本発
明が有用であることを例証している。特に、導電相対S
nO2 の比率を高めることによって、抵抗値を高めるこ
とができ、更に、HTCR値を正にすることができる。
CV値はこの範囲の全体にわたって極めて良好な値に維
持される。
【0073】 実験例57 抵抗体用の導電相を本発明の製造方法により得られたパ
イクロールを使用して次のように製造した。
【0074】SnO26.78 g、Ta2 5 43.94 gおよ
びSnO2 429.28gを含有する微粉体混合物を磨砕溶媒
の蒸留水中で1時間にわたってボールミル磨砕した。磨
砕混合物を100℃の炉中で乾燥させた。次いで、この
乾燥混合物をアルミナ製のルツボに入れ、そして、チッ
素雰囲気下で875℃で24時間にわたって加熱した。
放冷後、磨砕溶媒として再び蒸留水を使用して焼成組成
物を6時間にわたってY−磨砕した。磨砕組成物を次い
で約100℃の炉中で乾燥させた。
【0075】実験例58〜60厚膜組成物の製造:実験
例57の導電相、SnO2 およびガラスからなる混合物
を前記の方法で26wt%の有機媒質に分散させることに
よって3種類の一連のスクリーン印刷可能な厚膜ペース
トを製造した。
【0076】組成物の評価:3種類の厚膜ペーストの各
々を使用して前記のような方法で抵抗体膜を製造した。
焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数(CV)およ
び高温抵抗温度係数(HTCR)を測定した。抵抗体ペ
ーストの固体含量の組成および該ペーストから形成した
抵抗体の電気的性質を次の表9に示す。
【0077】 表9のデータも同様に、平均抵抗率およびHTCRをコ
ントロールするのに別のガラスからなる本発明が有用で
あることを示している。これら3種類の低端抵抗体はい
ずれも極めて低い分散係数を有していた。
【0078】 実験例61〜65 厚膜組成物の製造:実施例57の導電相、実施例39〜
45のニオブ型導電相、SnO2 およびガラスからなる
混合物を前記の方法で25wt%の有機媒質に分散させる
ことによって5種類の一連のスクリーン印刷可能な厚膜
ペーストを製造した。 組成物の評価:5種類の厚膜ペ
ーストの各々を使用して前記のような方法で一連の抵抗
体膜を形成した。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散
係数(CV)および高温抵抗温度係数(HTCR)を測
定した。抵抗体ペーストの組成および該ペーストから製
造した抵抗体の電気的性質を次の表10に示す。
【0079】 表10 TCR変調剤としてニオブ型パイロクロールを含有する30kΩ/□−30M Ω/□抵抗体 実験例番号 61 62 63 64 65 (固体含量,wt%) 成 分 実験例57のTa型導電相 38.95 67.62 37.82 66.86 64.19 実験例42のTa型導電相 - - 27.01 - - Nb型導電相 - 0.68 27.01 0.41 - SnO2 28.67 - - - ガラスVIII 29.08 7.44 - - - ガラスIV 2.98 2.98 2.97 2.97 3.24 ガラスIX - 20.96 - - - ガラスIII - - 29.17 ガラスII - - 29.44 32.57 C2 2 0.32 0.32 0.32 0.32 - 表10のデータもまた同様に、本発明の方法により製造
されたパイロクロールを使用することにより30kΩ/
□〜30MΩ/□の全範囲にわたる抵抗体が形成できる
ことを実証している。また、同データはニオブ型パイロ
クロールならびに該パイロクロールから製造した導電相
がHTCR値を調節できることを示している。
【0080】 実験例66〜80 A.パイロクロール製造 15種類の一連の異なったパイロクロール組成物を本発
明の方法に従って製造した。各々のパイロクロールは各
成分の粉体混合物をアセトンでスラリー化させ、次いで
風乾させることによって製造した。風乾後、この混合物
を磨砕し、そして、アルミナ製のルツボに入れた。そし
て、これをチッ素雰囲気下の炉中で900℃±20℃の
温度で24時間にわたって加熱した。24時間経過後、
ルツボの加熱を止め、そして、焼成パイロクロールを窒
素素雰囲気中でルツボに入れられたままゆっくりと放冷
した。
【0081】 B.評価 15種類のパイロクロールの各々について、ノレルト(N
orelco) 回折計を使用し、CuKαで照射することによ
ってX−線回折試験を行ない、該パイロクロール中に存
在する固相の数を測定した。各パイロクロールの組成お
よび相データを下記の表11に示す。
【0082】さらに、実験例66,67,71,71,
72および73のパイロクロールについては、ギニエ(G
uinier) カメラを用いて強度(I),H,KおよびLミ
ラーインデックスおよびD−値を測定した。Hgg-Guinie
r データを使用し最小自乗法によりセル(cell)寸法のデ
ータの精度をあげた。かくして得られたセルパラメータ
ーを表11の次の表12に示す。
【0083】 表11 パイロクロール相データ 実験例 組成 構造式変数(1) 固相(s) 番 号 (モル) SnO SnO2 Ta2 5 X Y3 1 66 2.00 - 1.00 0 2.00 0 (2)+(3) 67 2.00 0.25 1.75/2 0 1.75 0.25 (2)+(3) 68 2.00 0.50 1.50/2 0 1.50 0.50 (2)+(4) 69 2.00 0.75 1.25/2 0 1.25 0.75 (2)+(4) 70 1.50 1.00 1/2 0.5 1.00 1.00 (2)+(4) 71 1.75 - 1.00 0.25 2.00 0 (2) 72 1.65 - 1.00 0.35 2.00 0 (2) 73 1.55 - 1.00 0.45 2.00 0 (2) 74 1.75 0.25 1.75/2 0.25 1.75 0.25 (2) 75 1.75 0.35 1.65/2 0.25 1.65 0.35 (2)+(4) 76 1.75 0.45 1.55/2 0.25 1.55 0.45 (2)+(4) 77 2.00 0.45 1.55/2 0 1.55 0.45 (2) 78 1.65 0.25 1.75/2 0.35 1.75 0.25 (2)+(4) 79 1.65 0.45 1.55/2 0.35 1.55 0.45 (2)+(4) 80 1.65 0.45 1.55/2 0.35 1.55 0.45 (2)+(4) (1) 構造式、Sn2-x 2+Tay3Sny1 4+7-x-y1/2中のX,Y1 およびY3 変数 (2) パイロクロール (3) Sn痕跡 (4) SnO2 前記のX−線回折データは、全ての事例において、タン
タルがパイロクロール構造中に完全に結合されており、
遊離のTa2 5 は全く存在していないことを実証して
いる。固相の数が2よりも多い例は皆無であった。Sn
2 が全く存在していなかった各例においては、パイロ
クロール相がたった1つしか存在しないものぱかりであ
った。単一相生成物は実験例77からも得られた。実験
例66および67ではスズであると思われる第2相が極
めて少量であるが示された。
【0084】パイロクロール成分を焼成する際、市販の
チッ素ガスを使用した。市販のチッ素ガスは痕跡量の酸
素を含有しているので、各組成中の微小量のSnOはS
nO2 に酸化される可能性がある。従って、表11にお
いて、構造式変数で特定されたパイロクロールの組成は
理論上の組成であり、XおよびY3 の実際の値はそれぞ
れ示された値よりもわずかに低く、また、わずかに高
い。
【0085】 表12 パイロクロールセルパラメーター 実験例番号 セルパラメーター(オングストローム) 66 10.5637 ± 0.0002 67 10.5851 ± 0.0003 71 10.5589 ± 0.0004 72 10.5559 ± 0.0004 73 10.5525 ± 0.0004 前記のセルパラメーターはパイロクロール構造自体が立
方体であることを示している。X−線回折の測定結果も
計算D−値と実測D−値とのすぐれた一致性を示した。
【0086】興味あることには、本発明の方法により製
造されたパイロクロール組成物はパイロクロールの組成
に関連して個別的な色がつきやすい。例えば、SnO2
/Ta2 5 の比率が漸増する実験例66〜70におけ
る肉眼でみえるパイロクロールの色の範囲は次のとうり
である。
【0087】 さらに、実験例39〜45のパイロクロールのような、
ニオブ−含有パイロクロールは、黄色の鉛顔料が使用さ
れるであろう多くの用途において、それを顔料として使
用するに足る明黄色を有していた。他方、若干のパイロ
クロールは全く無色であり、白色の厚膜を製造するのに
使用できる。
【0088】 実験例81〜86 厚膜組成物の製造:実験例66,67,71,72およ
び73のパイロクロールの各々をSnO2 と混合し、次
いで、この混合物を前記の方法で26wt%の有機媒質に
分散させることによって、6種類の一連のスクリーン印
刷可能な厚膜組成物製造した。6種類の厚膜組成物の各
々を使用して前記のような方法で一連の抵抗体を製造し
た。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数(CV)
および高温抵抗温度係数(HTCR)を測定した。各一
連の抵抗体組成物の組成および電気的性質を次の表13
に示す。
【0089】 表 13 厚膜抵抗体中における種々のパイクロール類の使用 [実験例番号] 81 82 83 84 85 86 ( 固体含有、重量% ) パイクロール の成分 実験例66 13.51 67 13.51 68 13.51 71 13.51 72 13.51 73 13.51 SnO2 54.05 54.05 54.05 54.05 54.05 54.05 ガラスIX 32.43 32.43 32.43 32.43 32.43 32.43 [抵抗体特性] Rav 61.27 55.12 50.02 54.29 46.36 41.14
CV(%) 5.4 2.4 2.4 5.5 5.4 3.1 HTCR(ppm/C) +234 +225 -15 +185 +144 -15 前記のデータは、本発明に関連する全てのパイロクロー
ル組成物が抵抗材料として使用されるとき広範囲の抵抗
率とHTCR特性を有し、また極めて低いCV特性を有
する厚膜抵抗体の製造に使用できることを証明してい
る。
【0090】 実験例87〜89 厚膜組成物の製造:実験例2の導電相と無機結合剤を前
記の方法で26wt%の有機媒質中で混合することによっ
て3種類の一連のスクリーン印刷可能な厚膜組成物を製
造した。4種類のガラスとCaF2 を含有する3種類の
異なった主要無機結合剤として使用した。
【0091】組成物の評価:3種類の厚膜組成物の各々
を使用して前記のような方法で一連の抵抗体を形成し
た。焼成抵抗体の平均抵抗率(Rav)、分散係数(C
V)および高温抵抗温度係数(HTCR)を測定した。
抵抗体ペーストの組成および該ペーストから形成した一
連の抵抗体の電気的性質を次の表14に示す。
【0092】 前記のデータは102 倍の範囲に及ぶ抵抗値を有する抵
抗体の形成に実験例2の導電相が有用であることを証明
している。これらの導電相はいずれも極めて申し分のな
いCV値と良好な正のHTCR値を有していた。
【0093】前記のデータから明らかなように、本発明
の方法により製造されたパイロクロールを含有する抵抗
材料は温度変化に対して極めて鈍感であり、また、高
温、高湿条件に対して極めて耐性である抵抗体をもたら
すことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SnOと、SnO2 と、Ta2 5 ,N
    2 5 およびそれらの混合物からなる群から選択され
    る金属五酸化物の微粉混合物とを、非酸化性雰囲気中
    で、500℃以上の温度で焼成して Sn2-x 2+Tay3Nby2Sny1 4+7-x-y1/2 に相当するパイロクロール関連化合物を製造し、 y1 +y2 +y3 =2;であることを特徴とするパイロ
    クロール化合物の製造方法。
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