JPH0422005B2 - - Google Patents

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JPH0422005B2
JPH0422005B2 JP58095135A JP9513583A JPH0422005B2 JP H0422005 B2 JPH0422005 B2 JP H0422005B2 JP 58095135 A JP58095135 A JP 58095135A JP 9513583 A JP9513583 A JP 9513583A JP H0422005 B2 JPH0422005 B2 JP H0422005B2
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JP
Japan
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sno
pyrochlore
resistor
thick film
composition
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JP58095135A
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Hoomadarii Jeikobu
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EIDP Inc
Original Assignee
EI Du Pont de Nemours and Co
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Publication date
Application filed by EI Du Pont de Nemours and Co filed Critical EI Du Pont de Nemours and Co
Publication of JPS58219703A publication Critical patent/JPS58219703A/ja
Publication of JPH0422005B2 publication Critical patent/JPH0422005B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、厚膜抵抗体等の導電性材料に使用す
るための導電相の製造方法に関する。 〔従来の技術〕 厚膜抗材料は金属、ガラスおよび/またはセラ
ミツク粉末を有機媒質に分散させた混合物であ
る。これは不導電性支持体に塗布して導電性、抵
抗性または絶縁性塗膜を形成する、これらの材料
は様々な電子工学および軽電気部品に使用され
る。 このような厚膜組成物の特性は組成物の中の特
定の成分によつて左右される。このような厚膜組
成物はほとんどが三種の主成分を含有している。
導電相は電気的性質を確定し、最終塗膜の機械的
性質を左右する。結合剤(通常は、ガラスおよ
び/または結晶性酸化物)は厚膜同士を保持し、
そして、該厚膜を支持体に接着させる。有機媒質
(ビヒクル)は分散媒として機能し、該組成物の
塗装特性(特に、そのレオロジー)を左右する。 マイクロ回路に使用される厚膜抵抗体にとつて
は高い安定性とプロセス感受性が低いことが絶対
必須条件である。特に、抵抗体の抵抗率(resisti
vity)(Rav)は広範な温度条件にわつて安定で
なければならない。従つて、抵抗温度係数
(Thermal Coefficient of Resistance,TCR)
はいかなる厚膜抵抗体においても決定的に重要な
変数である。厚膜抵抗体組成物は機能(導電)相
と永久結合剤相とからなるので、導電相および結
合剤相の特性ならびにその導電相と結合剤相同志
の相互作用および支持体との相互作用は抵抗率
(Rav)およびTCR値の双方に影響を及ぼす。 〔発明が解決使用とする課題〕 従来、厚膜抵抗体組成物は普通、貴金属酸化物
と多酸化物(polyoxide)ならびに、場合によ
り、卑金属酸化物とその誘導体からなる機能相を
有していた。しかし、これらの材料を配合して高
抵抗率の膜を作成した場合、多くの欠点を有して
いた。例えば、貴金属を配合して適当な低TCR
値を得ようとすると、貴金属の電力取扱適性は著
しく劣る。他方、貴金属を配合して良好な電力取
扱適性を得ようとすれば、TCR値が著しく負に
なる。更に、RuO2のような金属酸化物およびル
テニウムパイロクロールのような多酸化物を抵抗
体用の導電相として使用する場合、空気焼成しな
ければならない。従つて、このような材料を安価
な卑金属ターミナルと共に使用することはできな
い。更にまた、六硼化金属のような卑金属を使用
する場合、該卑金属を配合してその電力取扱能力
を損うことなく高い抵抗値(例えば、≧30kΩ/
□)を得ることはできなかつた。 抵抗体中での使用について評価された卑金属材
料はAs2O3,Ta2O5,Sb2O5およびBi2O3のような
その他の金属酸化物でドープされた酸化スズ
(SnO2)である。これらの材料は米国特許第
2490825号明細書および、Transactions of
British Cerdmic Society(1974年1月)Vo1 73,
7〜17頁D.B.Binnsによつて開示されている。し
かし、これらの材料は半導体である。即ち、これ
らの材料は極めて高い負のTCR値を有する。R.
L.WhalersとK.M.Merzはカナダ特許第1063796
号明細書に、高抵抗率において極めて高い負の
TCR値を有するSnO2およびTa2O2を基材とする
抵抗体の使用を開示している。更に、これらの材
料は1000℃以上の加工温度を必要とする。 抵抗体の分野で大きな進歩が達せられたにもか
かわらず、30kΩ/□〜30MΩ/□の範囲内で、
わずかに負のTCR値を、また、このましくは、
まれに、わずかに正のTCR値を与える安価な抵
抗体材料に対する強い要望が厳として存在してい
る。このような材料は医療用機器および高信頼性
電子回路網の双方の用途について特に必要とされ
る。 本発明は、厚膜抵抗体等を製造するために使用
される、極めて望ましい低TCR値を有する導電
相を製造する方法を提供することを目的としてい
る。 〔課題を解決するための手段〕 本発明は主としてSnO−SnO2−Ta2O5
Nb2O5系から誘導されるパイロクロール関連化合
物を使用して、酸化スズをタンタルおよび/また
はニオブでドーピングして所望の導電相を得るこ
とを特徴とする。 本発明の第1の発明においては、 Sn2-x 2+Tay3Nby2Sny1 4+O7-x-y1/2 で表され、式中 x=0〜0.55; y3=0〜2; y2=0〜2; y1=0〜0.5;および y1+y2+y3=2 である。パイロクロール関連化合物パイロクロー
ルを非酸化性雰囲気中の焼成により形成し、その
焼成においてSnOと、SnO2と、Ta2O5,Nb2O5
およびこれらの混合物からなる群から選択された
金属五酸化物の微粉混合物とを非酸化性雰囲気中
で900℃以上の温度で焼成し、 SnO対金属五酸化物のモル比を1.4〜3.0とし;
SnO2がSnOおよび金属五酸化物よりも化学量論
的に過剰な量で存在して全金属酸化物の重量の20
〜95重量%の範囲にすることを特徴とする。 本発明の第1の発明においては、パイロクロー
ル関連化合物はSnO2と混合して使用され、 SnO2と次の式 Sn2-x 2+Tay3Nby2Sny1 4+O7-x-y1/2 で表され、式中 x=0〜0.55; y3=0〜2; y2=0〜2; y1=0〜0.5;および y1+y2+y3=2 であるパイロクロール関連化合物との微粉混合物
を非酸化性雰囲気中で焼成し、パイロクロール関
連化合物と混合されるSnO2の配合量が混合物の
重量に基いて20〜95%であることを特徴とする。 〔実施例〕 A パイロクロール成分 X線分析から明らかなように、SnO−SnO2
Ta2O5−Nb2O5系から得られた前記の化合物パイ
ロクロール関連構造を有している。しかし、この
パイロクロール関連構造の正確な性質は未だ解明
されていない。該化合物を称呼する便宜上、“パ
イロクロール”および“パイロクロール関連化合
物”という用語は互換的に使用される。 厚膜抵抗体組成物に添加するために前記のパイ
ロクロールを別途に製造すること、または、導電
相の一成分としてまたは完成された抵抗体材料と
して直接該組成物を製造することが望ましいかど
うかにかかわりなく、様々な作業条件下で抵抗体
特性(特に、TCR)に悪影響を与えるような化
学的副反応を実際外に完全になくすために、使用
する金属酸化物は全て高純度のものが好ましい。
例えば、金属酸化物の純度は99wt%以上であり、
99.5wt%またはこれ以上の純度が好ましい。
SnO2の場合、純度は特に絶対的要因である。 パイロクロール成分類(即ち、SnO,SnO2
Ta2O5および/またはNb2O5)の粒径は、パイロ
クロールを製造する際の、その技術的効果の観点
からすれば、何ら重要な要件ではない。しかし、
完全な混合と完全な反応を促進させるために、該
成分類は微粉体であることが好ましい。一般的に
好ましい粒径は0.1〜80μmであり、特に好ましい
粒径は10〜40μmである。 パイロクロール関連化合物類(パイロクロール
類)自体は、SnO,SnO2および金属五酸化物の
微粉体混合物を非酸化性雰囲気中で500〜1100℃
で焼成することによつて製造される。好ましい焼
成温度は700〜1000℃である。 前記のパイロクロールを含有する厚膜抵抗体の
製造用に適した導電相は二種の基本的方法によつ
て製造できる。第一の方法は、パイロクロール粉
末5〜95wt%をSnO2粉末95〜5wt%と混合し、
そして、この混合物を焼成して導電相を製造する
ことからなる。好ましいパイロクロール粉末の使
用量は20〜95wt%である。 導電相を形成する第2の方法では、SnO,
SnO2および金属五酸化物の微粉体混合物を調製
する。ここで、SnO対金属五酸化物のモル比は
1.4〜3.0であり、また、SnO2はSnOおよび金属五
酸化物の化学量論的な量よりも過剰量配合され
る。SnO2は全酸化物類のうち5〜95wt%を構成
する。次いで、この混合物を600〜1100℃で焼成
する。かくして、パイロクロールは一個の固相と
して生成され、そして、過剰のSnO2は焼成反応
生成物の第2層を構成する。パイロクロールを単
独で製造する場合、好ましい焼成温度は600〜
1000℃である。 このような方法で形成された導電相を無機結合
剤および有機媒質と混合して、スクリーン印刷の
可能な厚膜組成物を製造することができる。或る
場合には、SnO2を組成物に添加して抵抗率のレ
ベルを変化させること、または、抵抗の温度係数
を変化させることが望ましいこともある。しか
し、このようなことは、使用すべき無機結合剤の
組成を変化させることによつても為し得る。 B 無機結合剤 前記のパイロクロールを含有する抵抗体用の無
機結合剤として最も頻繁に使用されるものはガラ
スである。このガラスは900℃未満の融点を有す
る、実質的に鉛、カドミニウムまたはビスマスの
いずれをも含有しないガラス組成物である。好ま
しいガラスフリツトはホウケイ酸のバリウム、カ
ルシウムまたはその他のアルカリ土類金属塩のよ
うなホウケイ酸塩である。このようなガラスフリ
ツトの製造は周知であり、また、例えば、酸化物
の形をしたガラス構成成分をいつしよに溶融さ
せ、そして、該溶融組成物を水中に注ぎ入れてフ
リツトを製造することからなる。当然、バツチ成
分はフリツト製造の常用条件下で所望の酸化物を
もたらすような化合物であればどんな化合物であ
つてもかまわない。例えば、酸化硼素は硼酸から
得られ、二酸化ケイ素はフリントから得られ、酸
化バリウムは炭酸バリウムから得られる。ガラス
はボールミル中で水と共に微粉砕(磨砕)してフ
リツトの粒径を低下させ、そして、実質的に均一
な粒径のフリツトを得ることが好ましい。 本発明の抵抗体組成物中で使用するのに特に好
ましいガラスフリツトはSiO210〜50モル%、
B2O320〜60モル%、BaO10〜35モル%、Ca0〜
20モル%、MgO0〜15モル%、NiO0〜15モル%、
Al2O30〜15モル%、SnO20〜5モル%、ZrO20〜
7モル%および金属フツ化物0〜5モル%(ここ
で、該金属はアルカリ金属類、アルカリ土類金属
類およびニツケルからなる群から選択される。)
からなり;B2O3+Al2O3/SiO2+SnO2+ZnO2
モル比は0.8〜4であり;BaO,CaO,MgO,
NiOおよびCaF2の全量は15〜50モル%であり;
そして、Al2O3,B2O3,SiO2,SnO2およびZrO2
の全量は50〜85モル%(好ましくは、60〜85モル
%)であり;Bi,CdおよびPbを含有しないフリ
ツトである。このようなガラス類が特に望まし
い。なぜなら、このようなガラスは前記のパイロ
クロールと併用した場合、高い抵抗レベルで、極
めて高い正の高温抵抗温度係数(Hot
Temperture Coefficient of Resistance,
HTCR)値をもたらすからである。 このようなガラス類は、所望成分を所望の割合
で混合し、そして、この混合物を加熱して溶融物
を生成することからなる常用のガラス製造技術に
よつて製造される。当業界で周知なように、加熱
はピーク温度まで行なわれ、また、溶融物が完全
に液化し、そして、均質になるような時間にわた
つて行なわれる。現行の製造作業では、成分をプ
ラスチツクボールと共にポリエチレンジヤーの中
で振とうすることによつて予備混合し、そして、
その後、白金製のルツボの中で所望の温度で溶融
する。この溶融物を1100〜1400℃のピーク温度で
1〜15時間にわたつて加熱する。その後、この溶
融物を冷水中に注ぎ込む。急冷中の水の最大温度
は、水対溶融物の容量比を増大させることによつ
てできるだけ低い温度に維持する。水から粗製フ
リツトを分離した後、このフリツトを風乾する
か、または、メタノールで洗浄することによつて
水を置換することによつて残留水を除く。次い
で、この粗製フリツトを、アルミナボールを使用
して、アルミナ容器中で3〜15時間にわたつてボ
ールミル磨砕する。粗製フリツトによつて捕捉さ
れるアルミナは、もしあるとしても、X−線回折
分析によつて測定されるように、認められうる制
限範囲内ではない。 微粉砕されたフリツトスラリーをミルからとり
だした後、デカントして過剰量の溶剤を除去し、
そして、フリツト粉末を室温で風乾する。次い
で、乾燥粉末を325メツシユ篩を篩過させること
によつて巨大粒子を全て除去する。 フリツトの主要な二特性は、これが無機結晶質
粒状材料の液相焼結を促進し、そして、厚膜抵抗
体の製造における加熱−冷却サイクル(焼成サイ
クル)の間の失透によつて非晶質または結晶質材
料を生成することである。この失透プロセスは先
駆非結晶性(ガラス様)材料と同一の組成を有す
る単一の結晶相か、あるいは、先駆ガラス様材料
の組成と異なつた組成を有する多くの結晶相のい
ずれかをもたらす。 本発明のパイロクロール含有抵抗体用の特に好
ましい結合剤組成物は、前記のビスマス、カドミ
ニウムおよび鉛を含有しないガラス95〜99.9wt%
と、CaF2,BaF2,MgF2,SrF2,NaF,LiF,
KFおよびNiF2からなる群から選択される金属フ
ツ化物5〜0.1wt%からなる。このような金属フ
ツ化物をフリツトと併用すると、これらの材料か
ら製造される抵抗体の抵抗率を低下させる。 C 有機媒質 有機媒質を使用する主たる目的は、組成物の微
粉体をセラミツクまたはその他の支持体に容易に
塗布できるような形にするために、該組成物微粉
体の分散用ビヒクルとして使用することである。
従つて、有機媒質はまず第一に、固形物を適正な
安定度で分散させ得るようなものでなければなら
ない。第二に、有機媒質のレオロジー特性は、分
散液に良好な塗布特性を与えるようなものでなけ
ればならない。 ほとんどの厚膜組成物はスクリーン印刷によつ
て支持体に塗布される。従つて、該組成物は適当
な粘度を有しなければならない。かくして、該組
成物は容易にスクリーンを通過できる。更に、該
組成物はスクリーン通過後、迅速に固化し、かく
して、良好な分離性をもたらすために、該組成物
はチキソトロープなものでなければならない。レ
オロジー特性が最も重要であるが、好ましくは、
有機媒質も配合して、固形分および支持体に適正
な湿潤性を与え、良好な乾燥速度をもたらし、更
に、手荒な取扱いにも十分に耐えうる乾燥被膜強
度を与え、また、良好な焼成特性を与える。焼成
組成物の申し分のない外観も重要である。 これら全ての基準からすれば、広範な不活性液
体類が有機媒質として使用できる。ほとんどの厚
膜組成物の有機媒質は例えば、樹脂の溶剤溶液で
あり、また、しばしば、樹脂とチキソトロープ剤
の双方を含有する溶剤溶液である。通常、このよ
うな溶剤は130〜350℃の範囲内の温度で沸騰す
る。 この目的に断然最もしばしば使用される樹脂は
エチルセルロースである。しかし、エチルヒドロ
キシエチルセルロース、ウツドロジン、エチルセ
ルロースとフエノール樹脂との混合物、低級アル
コール類のポリメタクリレートエステル、および
エチレングリコールモノアセテートのモノブチル
エーテルのような樹脂類も使用できる。 厚膜用に最も広範に使用される溶剤は、α−ま
たはβ−テルピネオールあるいはこれらの混合物
のようなテルペン類と、ケロシン、ジブチルフタ
レート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトー
ルアセテート、ヘキシレングリコール、高沸点ア
ルコール類およびアルコールエステル類のような
その他の溶剤類の併用物である。これらの溶剤類
とその他の溶剤類との様々な組合せを配合して各
用途に応じた所望の粘度と揮発度を得る。 通常使用されるチキソトロープ剤は水添カスト
ール油、その誘導体およびエチルセルロースを含
む。もちろん、チキソトロープ剤を常に添合する
必要はない。なぜなら、あらゆる懸濁液に固有の
剪断減粘性と組合せられた溶剤/樹脂特性だけが
ここでは適当だからである。 分散液中の有機媒質対固形物の比率は大幅に変
化させることができる。この比率は分散液の塗布
方法および使用される有機溶剤の種類によつて左
右される。通常、良好な伸びを得るには、分散液
は、相補的に、60〜90%の固形分と40〜10%の有
機媒質を含有している。このような分散液は通
常、半流動体稠度のものであり、そして、一般的
には、“ペースト”と呼ばれる。 ペーストは三本ロール練り機で容易に製造され
る。低剪断速度、中剪断速度および高剪断速度に
おいてブルツクフイールド粘度計で室温で測定し
た場合のペーストの粘度は典型的には、次の範囲
内にある。
【表】 有機媒質(ビヒクル)の使用量およびタイプは
主に、最終の所望塗料粘度および印刷厚みによつ
て決定される。 配合および塗布 本発明の組成物を製造する場合、粒状の無機固
形物を有機媒質と混合し、そして、三本ロール練
り機のような適な装置で分散させて懸濁液を調製
し、かくして、粘度が4sec-1の剪断速度で、約
100〜150Pa.Sの範囲内にある組成物を得る。 下記の実施例では、次の法によつて配合を行な
つた。 ペーストの成分類と必要量よりも約5wt%少な
い量の所定の有機成分類を容器中でいつしよに秤
量する。次いで、この成分類をはげしく混合して
均質なブレンドを調製し、その後、このブレンド
を三本ロール練り機のような分散装置を通過させ
て粒子の良好な分散性を得る。Hegmanゲージを
使用して、ペースト中の粒子の分散状態を測定す
る。この装置はスチールのブロツク中の、その一
端に深さ25μm(1ミル)の一本の溝と、その他端
に深さ0インチ以下の坂路とからなる。ブレード
を使用して、ペーストを溝の長さにそつてひきお
ろす。凝集塊の直径が溝の深さよりも大きい場合
には、掻ききずが溝の中にあらわれる。申し分の
ない分散液ならば、典型的には、10〜18μmの第
4掻ききず点を与える。十分に分散されたペース
トで溝の半分が被覆されない点は典型的には3〜
8μmである。20μmの第4掻ききず測定値および
10μmの“半溝”測定値は分散が不十分な懸濁液
であることを示す。 ペーストの製造に使用される有機成分のうちの
残しておいた5%を添加し、完成配合物の粘度が
4sec-1の剪断速度で140〜200Pa.Sとなるようにペ
ーストの樹脂含量を調節する。 次いで、この組成物を、通常はスクリーン印刷
法によつて、未乾燥塗膜の厚みが、約30〜80ミク
ロン、好ましくは、35〜70ミクロンおよび最も好
ましくは40〜50ミクロンとなるように、アルミナ
セラミツクのような支持体に塗布する。本発明の
電極組成物は自動印刷法または常法どうりの手作
業による印刷法のいずれかによつて支持体に印刷
できる。200〜325メツシユのスクリーンによる自
動スクリーンテンシル法を用いることが好まし
い。印刷されたパターンは焼成前に200℃未満の
温度、例えば、約150℃の温度で乾燥させる。無
機結合剤および微粉状金属の双方を焼結させるた
めの焼成は、有機物を約300〜600℃で焼尽し、約
800〜950℃の最高温度が約5〜15分間にわたつて
持続されるような温度条件で、換気の行きとどい
たベルトコンベヤー炉中で行ない、続いて、過焼
結、中間温度における望ましからざる化学反応ま
たは急速冷却にともなつて発生する支持体破壊を
防ぐために、ゆつくりと制御しながら放冷するこ
とが好ましい。全体の焼成手順は約1時間かけて
行なうことが好ましい。即ち、焼成温度に達する
までに20〜25分間、焼成温度が約10分間、そし
て、放冷に約20〜25分間である。或る場合には、
30分間程度の短い全体サイクル期間も使用でき
る。 サンプル製造 抵抗温度係数(TCR)について試験すべきサ
ンプルは次のようにして製造した。 試験すべき抵抗体配合物のパターンを、大きさ
が1×1インチの符号をつけたAlsimag614セラ
ミツク支持体10個の各々にスクリーン印刷し、そ
して、室温で平衡化させ、次いで、150℃で乾燥
させた。焼成前の、乾燥塗膜10個の各セツトの平
均厚さはブラツシ・サーフアナライザ(Brush
Surfanalyzer)で測定して22〜28ミクロンでなけ
ればならない。乾燥した印刷支持体を、35℃/分
の加熱速度で850℃にまで加熱し、850℃で9〜10
分静置し、そして、30℃/分の放冷速度で室温ま
で放冷するサイクルを用いて、約60分間かけて焼
成する。 抵抗率測定および計算 前記のようにして製造した支持体を温度制御さ
れたチヤンバー内のターミナルポストにとりつ
け、そして、デジタル式オーム計に電気的に接続
する。チヤンバー内の温度を25℃にあわせ、そし
て、平衡化させ、その後、各支持体の抵抗率を測
定し、その結果を記録する。 チヤンバーの温度を次いで−55℃にまで低下さ
せ、そして、平衡化させ、そして低温抵抗温度係
数(Cold Temperature Coefficient of
Resistance,CTCR)を測定し、そして、その結
果を記録する。 HTCR=R125℃−R25℃/R25℃ ×(10000)ppm/℃ CTCR=R-55℃−R25℃/R25℃ ×(−12500)ppm/℃ R25℃の値およびHTCRならびにCTCRの値を
平均し、そして、R25℃値を25ミクロンの乾燥印
刷厚さに標準化し、そして、抵抗率を25ミクロン
の乾燥印刷厚さにおける平方あたりのオームとし
て報告する。多数の試験値の標準化は次の関係式
で算出する。 標準化抵抗率=平均測定抵抗率×平均乾燥
印刷厚さ(ミクロン)/25ミクロン レーザートリミング安定性 厚膜抵抗体のレーザートリミングは混成微小形
電子回路の製造にとつて重要な技法である。(こ
の技法はD.W.HamerおよびJ.V.Biggersによつ
て、“Thich Film Hybrid Microcircuit
Technology”p.173ff(Wiley,1972)に詳述され
ている。)この技法の有用性は、同じ抵抗性イン
クを一群の支持体に印刷した特別な抵抗体の抵抗
体がガウス分布に似た分布を示すことを考慮する
ことによつて理解できる。全ての抵抗体に同一の
設計値をもたせて適正な回路性能を得るにはレー
ザーを使用して、抵抗体材料の微小部分を除去
(揮発)して抵抗値をそろえる。トリミングした
抵抗体の安定性はトリミング後に生じる抵抗値の
部分的変化(ドリフト)の尺度である。抵抗値を
その設計値近辺にとどめて適正な回路性能をうる
ために低抵抗値ドリフト(高安定性)が必要であ
る。 分散係数 分散係数(CV)は試験した抵抗体の平均およ
び単一抵抗率の関数であり、これは関係式σ/
Ravによつて表わされる。ここで、 (式中、Riは単一サンプルの測定された抵抗
率である; Ravは全サンプルの計算された平均抵抗率
(ΣiRi/n)である; nはサンプルの数である; CV=σ/R×100%) 実施例 下記の実施例では、Cd,BiおよびPbを含有し
ない様々なガラスフリツトを使用した。これらフ
リツトの組成を下記の表1に示す。下記の実施例
において、ガラスフリツトを特定するために、以
下に挙示されたガラスにローマ数字を付す。
【表】 実施例 1 パイロクロール製造:タンタルでドーピングさ
れた式Sn2+ 1.75Ta1.75Sn4+ 0.25O6.625で示されるスズパ
イロクロール組成物を本発明の第1の目的に従つ
て次のように製造した。 分散媒として水を使用し、SnO71.42g、
Ta2O5117.16gおよびSnO211.42gをボールミル磨
砕することによつて各200gのバツチを2つ調製
した。完全に混合した後、この混合物を乾燥し、
そしてアルミナルツボに入れ、非酸化性(チツ
素)雰囲気の炉中で加熱した。この混合物は最
初、600℃で24時間加熱し、そして、その後、900
℃で更に24時間加熱した。この混合物を磨砕せ
ず、あるいは、その逆で焼成中に処理した。 実施例 2 導電相製造:実施例1の方法で製造したパイロ
クロールを使用して次に、本発明の第2の目的に
従つて下記のように抵抗体用の導電相を製造し
た。 実施例1のパイロクロール100gと精製
SnO2400gを各々含有する2つの別々のバツチを
磨砕溶媒としてイソプロピルアルコールを使用し
て1時間ボールミル磨砕した。ボールミル混合が
終了した後、パイロクロールとSnO2の混合物を
チツ素雰囲気下の炉中に配置し、そして、900℃
±10℃の温度で24時間焼成した。焼成および放冷
後、得られた粉末を磨砕溶媒としてイソプロピル
アルコールを固形物2Kgあたり500gの量で使用
して、8時間にわたつて各々、Y−磨砕した。こ
の2種類の粉末を換気されたフード中に配置し、
室温(約20℃)で大気に蒸発させることによつて
乾燥させた。 実施例 3 導電相製造:実施例1の方法で製造したパイロ
クロールを使用し、本発明の第3の様相に従つて
次のように別の導電相を製造した。 20wt%に相当する量の実施例1のパイロクロ
ールを80wt%のSnO2と、磨砕溶媒にイソプロピ
ルアルコールを用いて、ボールミル中で混合し
た。得られた混合物を乾燥させ、次いで、チツ素
雰囲気下の炉中で600℃で13時間加熱した。次い
で、この焼成混合物を放冷し、磨砕することによ
つて再粉砕し、そして、900℃で24時間にわたつ
て再加熱した。加熱された最終生成物をイソプロ
ピルアルコール中で再び磨砕して粒径を更に低下
させ、表面積を増大させた。 実施例 4〜11 厚膜組成物の製造:下記の表2に列挙したペー
スト固形物の混合物を前記の方法で24wt%の有
機媒質に分散させることによつて8種類の一連の
スクリーン印刷可能な厚膜ペーストを製造した。 組成物の評価:8種類の厚膜ペーストの各々を
使用して前記のような方法で抵抗体膜を形成し
た。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数
(CV)および高温抵抗温度係数(HTCR)を測
定した。抵抗体ペーストの組成および該組成物か
ら形成した抵抗体の電気的性質を次の表2に示
す。
【表】 表2の結果から明らかなように、多量のTa2O5
の役割は抵抗率を高めることであり、また、ガラ
スを一層高い比率で使用すると1MΩ/□よりも
高い抵抗率が得られる。また、表2のデータは、
別のガラス組成物を使用すると一層負のHTCR
値が得られることを例証している。実際、正の
HTCR値も得られる。要するに、本実施例の組
成物および方法を使用し、パイロクロールまたは
ガラスの量を増大させることによつておよび/ま
たは別のガラスを使用することによつて、20k
Ω/□〜20MΩ/□の全範囲にわたつて抵抗率を
制御できる。 実施例 12〜19 厚膜組成物の製造:下記の表3に列挙した様々
な量の固形物の混合物を前記の方法で24wt%の
有機媒質に分散させることによつて8種類の一連
のスクリーン印刷可能な厚膜ペーストを製造し
た。 組成物の評価:8種類の厚膜組成物の各々を使
用して前記のような方法で一連の抵抗体膜を製造
した。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数
(CV)および高温抵抗温度係数(HTCR)を測
定した。抵抗体ペーストの組成および該組成物か
ら製造した抵抗体の電気的性質を次の表3に示
す。
【表】 SnOが配合されていなければ、抵抗体は高い負
のHTCR値および受容することのできないほど
高いCV値を有することとなるので、SnOは本発
明の抵抗体のパイロクロール部分の必須成分であ
る。このことは実施例12のデータにより実証され
ている。他方、SnOをSnO2と併用せず単独で使
用した場合、得られる焼成材料は抵抗体ではな
く、絶縁体である。また、実施例14は、SnOと
SnO2を併用した抵抗体は全て例外なく良好な
HTCR値、良好なCV値および全く申し分のない
抵抗率を有することを実証している。 実施例15〜17は、系中でTa2O5を多量に有する
実施例12〜14と同じ現象を示すことを例証してい
る。最後に、実施例18と19はTa2O5の配合量がわ
ずかに高い別のガラス組成物の使用例を示す。 実施例 20〜25 厚膜組成物の製造:実施例1のパイロクロール
組成物とSnO2および無機結合剤からなる混合物
を前記の方法で24wt%の有機媒質中に分散させ
ることによつて6種類の一連のスクリーン印刷可
能な厚膜組成物を調製した。無機結合剤として三
種類の異なつたガラスを使用した。また、パイロ
クロール/SnO2の比率も変化させた。 組成物の評価:6種類の厚膜組成物の各々を使
用して前記のような方法で一連の抵抗体膜を形成
した。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数
(CV)および高温抵抗温度係数(HTCR)を測
定した。抵抗体ペーストの組成および該ペースト
から製造した抵抗体の電気的性質を次の表4に示
す。
【表】
【表】 実施例17のデータを実施例20のデータと比較
し、実施例18のデータを実施例21のデータと比較
し、そして、実施例19のデータを実施例22のデー
タと比較すると、パイロクロールの量を増加させ
れば一層高い抵抗率が得られることが理解され
る。これら同一のデータはまた、別のガラス組成
物を使用すればHTCRをコントロールできるこ
とを示している。 実施例 26〜38 厚膜組成物の製造:実施例3の導電相と無機結
合剤からなる混合物を前記の方法で24wt%の有
機媒質に分散させることによつて13種類の一連の
スクリーン印刷可能な厚膜組成物を形成した。三
種類の異なつたガラスを基本的な無機結合剤とし
て使用した。 組成物の評価:13種類の厚膜組成物の各々を使
用して前記のような方法で一連の抵抗体膜を製造
した。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数
(CV)および高温抵抗温度係数(HTCR)を測
定した。抵抗体ペーストの組成および該ペースト
から製造した抵抗体の電気的性質を次の表5に示
す。
【表】
【表】 実施例26〜38は、本発明の組成物がビスマス、
カドミニウム、鉛を含有しないタイプのものであ
る場合、導電相中のパイロクロールの配合量を高
めて一層高い抵抗率を得ることによつて、さらに
また、無機結合剤の組成を変化させることによつ
て、本発明の方法および組成物を使用すれば、
30KΩ/□〜100MΩ/□に及ぶ全範囲の抵抗体
を組立てられることを明白に例証している。 実施例 39〜45 厚膜組成物の製造:前記の全ての実施例で使用
されたタンタルのかわりにニオブをドーピング剤
として使用し、パイロクロールを含有する一連の
スクリーン印刷の可能な厚膜組成物を製造した。
SnO/Nb2O5/SnO2(2:1:31.96モル比)の混
合物をボールミル磨砕することによつてニオブ含
有配合物を製造した。ボールミル磨砕した混合物
を大気下の炉中で100℃±10℃の温度で乾燥した。
その後、チツ素雰囲気下の炉中で900℃で24時間
加熱した。この焼成生成物を次いで更に微粉砕し
てその表面積を増大させた。実施例39〜42では、
前記のニオブ含有パイロクロールが抵抗体の導電
相の基本成分であつた。実施例43〜45では、ニオ
ブ型材料と同じ方法で製造したタンタル型パイロ
クロールを、極く少量のニオブ型材料と共に基本
導電相として使用した。タンタル型パイロクロー
ルはモル比が2:1:28.65のSnO/Ta2O5
SnO2混合物から製造した。 組成物の評価:7種類の厚膜組成物の各々を使
用して前記のような方法で一連の抵抗体膜を形成
した。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数
(CV)および高温抵抗温度係数(HTCR)を測
定した。厚膜ペーストの組成および該ペーストか
ら製造した一連の抵抗体の各々の電気的性質を次
の表6に示す。
【表】
【表】 実施例39〜42は、Nb型導電相がタンタル型導
電相の電気的性質とは異なる電気的性質を有して
いる事実を例証している。即ち、Nb型パイロク
ロールは極めて高い負のHTCR値によつて示さ
れるように半導体的特性を示すのに対して、タン
タル型パイロクロールは金属型の挙動(即ち、温
度が上昇するにつれて、抵抗値も上昇すること)
を示す。 実施例43〜45は、タンタル型厚膜抵抗体組成物
用のTCR変性剤としてNb型導電体の使用を例証
する。特に、Nb型材料は抵抗値をほとんど変化
させることなく、HTCR値を相当変化させる。 実施例 46 抵抗体用の導電相を本発明の第3の目的に従つ
て、次のように製造した。 SnO2405.7g、Ta2O558.5gおよびSnO35.71gか
らなる微粉体混合物を、磨砕用溶媒として蒸留水
を使用し、1時間にわたつてボールミル粉砕する
ことによつて製造した。この磨砕混合物を120℃
の炉中で乾燥した。次いで、この乾燥混合物をア
ルミナ製のルツボに入れ、そして、875℃で24時
間加熱した。875℃での加熱が終了した後、磨砕
溶媒に蒸留水を使用して、この反応混合物を6時
間Y−磨砕した。その後、100℃の炉中で乾燥し
た。 前記の方法における反応体類の特性は、焼成生
成物が実施例1と同じ式を有するパイロクロール
20wt%と遊離SnO280wt%を含有するようなもの
である。この手順は当然、パイロクロールの合成
と導電相の形成とを別々の操作で行なうことを避
けるためのものである。 実施例 47〜51 厚膜組成物の製造:下記の表7に列挙した固形
物の混合物を前記の方法で26wt%の有機媒質に
分散させることによつて5種類の一連のスクリー
ン印刷可能な厚膜組成物を製造した。 組成物の評価:5種類の厚膜組成物の各々を使
用して前記のような方法で抵抗体膜を形成した。
焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数(CV)
および高温抵抗温度係数(HTCR)を測定した。
組成物および電気的性質を次の表7に示す。
【表】 表7のデータは、導電相の濃度が増大すると抵
抗値が下がり、そして、HTCRが上昇すること
を示している。ガラス組成物の、抵抗値および
HTCRの双方を変化させる効果は実施例48,49
および51の結果を比較することによつて、また同
様に、実施例47と実施例50の結果を比較すること
によつて実証される。注目すべきことは、高い抵
抗値範囲内の全てのCV値が例外なく受容可能な
範囲内にあること、即ち、CV値は全て約10%未
満であることである。 実施例 52〜56 厚膜組成物の製造:実施例2の導電相、Y−磨
砕したSnO2および無機結合剤からなる混合物を
前記の方法で26wt%の有機媒質に分散させるこ
とによつて5種類の一連のスクリーン印刷可能な
厚膜ペーストを製造した。 組成物の評価:5種類の厚膜ペーストの各々を
使用して前記のような方法で抵抗体膜を製造し
た。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数
(CV)および高温抵抗温度係数(HTCR)を測
定した。抵抗体ペースト固形物の組成物および該
ペーストから形成した抵抗体の電気的性質を次の
表8に示す。
【表】 表8のデータは“低端(low−end)”抵抗体の
形成に本発明が有用であることを例証している。
特に、導電相対SnO2の比率を高めるとによつて、
抵抗値を高めるとができ、更に、HTCR値を正
にすることができる。CV値はこの範囲の全体に
わたつて極めて良好な値に維持される。 実施例 57 抵抗体用の導電相を本発明の第2の様相に従つ
て次のように製造した。 SnO26.78g,Ta2O543.94gおよびSnO2429.28g
を含有する微米分体混合物を磨砕溶媒の蒸留水中
で1時間にわたつてボールミル磨砕した。磨砕混
合物を100℃の炉中で乾燥させた。次いで、この
乾燥混合物をアルミナ製のルツボに入れ、そし
て、チツ素雰囲気下で875℃で24時間にわたつて
加熱した。放冷後、磨砕溶媒として再び蒸留水を
使用して焼成組成物を6時にわたつてY−磨砕し
た。磨砕組成物を次いで100℃の炉中で乾燥させ
た。 実施例 58〜60 厚膜組成物の製造:実施例57の導電相、SnO2
およびガラスからなる混合物を前記の方法で
26wt%の有機媒質に分散させることによつて3
種類の一連のスクリーン印刷可能な厚膜ペースト
を製造した。 組成物の評価:3種類の厚膜ペーストの各々を
使用して前記のような方法で抵抗体膜を製造し
た。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係数
(CV)および高温抵抗温度係数(HTCR)を測
定した。抵抗体ペーストの固体含量の組成および
該ペーストから形成した抵抗体の電気的性質を次
の表9に示す。
【表】
【表】 表9のデータも同様に、平均抵抗率および
HTCRをコントロールするのに別のガラスから
なる本発明が有用であることを示している。これ
ら3種類の低端抵抗体はいずれも極めて低い分散
係数を有していた。 実施例 61〜65 厚膜組成物の製造:実施例57の導電相、実施例
39〜45のニオブ型導電相、SnO2およびガラスか
らなる混合物を前記の方法で25wt%の有機媒質
に分散させることによつて5種類の一連のスクリ
ーン印刷可能な厚膜ペーストを製造した。 組成物の評価:5種類の厚膜ペーストの各々を
使用して前記のような方法で一連の抵抗体膜を形
成した。焼成塗膜の平均抵抗率(Rav)、分散係
数(CV)および高温抵抗温度係数(HTCR)を
測定した。抵抗体ペーストの組成および該ペース
トから製造した抵抗体の電気的性質を次の表10に
示す。
【表】 表10のデータもまた同様に、本発明により30K
Ω/□〜30MΩ/□の全範囲にわたる抵抗体が形
成できることを実証している。また、同データは
ニオブ型パイロクロールならびに該パイロクロー
ルから製造した導電相がHTCR値を調節できる
ことを示している。 実施例 66〜80 A パイロクロール製造 15種類の一連の異なつたパイロクロール組成物
を本発明の第1の様相に従つて製造した。各々の
パイロクロールは各成分の粉体混合物をアセトン
でスラリー化させ、次いで風乾させることによつ
て製造した。風乾後、この混合物を磨砕し、そし
て、アルミナ製のルツボに入れた。そして、これ
をチツ素雰囲気下の炉中で900℃±20℃の温度で
24時間にわたつて加熱した。24時間経過後、ルツ
ボの加熱を止め、そして、焼成パイロクロールを
チツ素雰囲気中でルツボに入れられたままゆつく
りと放冷した。 B 評価 15種類のパイロクロールの各々について、ノレ
ルコ(Norelco)回折計を使用し、CuKαで照射
することによつてX−線回折試験を行ない、該パ
イロクロール中に存在する固相の数を定した。各
パイロクロールの組成および相データを下記の表
11に示す。 さらに、実施例66,67,71,71,72および73の
パイロクロールについては、ギニエ(Guinier)
カメラを用いて強度(),H,KおよびLミラ
ーインデツクスおよびD−値を測定した。Hgg−
Guinierデータを使用し最小自乗法によりセル
(cell)寸法データの精度をあげた。かくして得
られたセルパラメーターを以下の表12に示す。
【表】 前記のX−線回折データは、全ての事例におい
て、タンタルがパイロクロール構造中に完全に結
合されており、遊離のTa2O5は全く存在していな
いことを実証している。固相の数が2よりも多い
例は皆無であつた。SnO2が全く存在していなか
つた各例においては、パイロクロール相がたつた
1つしか存在しないものばかりであつた。単一相
生成物は実施例77からも得られた。実施例66およ
び67ではスズであると思われる第2相が極めて少
量ではあるが示された。 パイロクロール成分を焼成する際、市販のチツ
素ガスを使用した。市販のチツ素ガスは痕跡量の
酸素を含有しているので、各組成中の微小量の
SnOはSnO2に酸化される可能性がある。従つて、
表11において、構造式変数で特定されたパイロク
ロールの組成物は理論上の組成であり、Xおよび
Y3の実際の値はそれぞれ示された値よりもわず
かに低く、また、わずかに高い。 表 12 パイロクロール セルパラメーター実施例番号 セルパラメーター(Å) 66 10.5637±0.0002 67 10.5851±0.0003 71 10.5589±0.0004 72 10.5559±0.0004 73 10.5525±0.0004 前記のセルパラメーターはパイロクロール構造
自体が立方体であることを示している。X−線回
折の測定結果も計算D−値と実測D−値とのすぐ
れた一致性を示した。 興味あることには、本発明のパイロクロール組
成はパイロクロールの組成に関連して個別的な色
がつきやすい。例えば、SnO2/Ta2O5の比率が
漸増する実施例66〜70における肉眼でみえるパイ
ロクロールの色の範囲は次のとうりである。 実施例番号 66 黄褐色 67 クリーム色 68 黄 色 69 黄色、緑色気味 70 淡緑色 71 黄緑色 さらに、実施例39〜45のパイロクロールのよう
な、ニオブ−含有パイロクロールは、黄色の鉛顔
料が使用されるであろう多くの用途において、こ
れを顔料として使用するに足る明黄色を有してい
た。他方、若干のパイロクロールは全く無色であ
り、白色の厚膜を製造するのに使用できる。 実施例 81〜86 厚膜組成物の製造:実施例66,67,71,72およ
び73のパイロクロールの各々をSnO2と混合し、
次いで、この混合物を前記の方法で26wt%の有
機媒質に分散させることによつて、6種類の一連
のスクリーン印刷可能な厚膜組成物を製造した。
6種類の厚膜組成物の各々を使用して前記のよう
な方法で一連の抵抗体を製造した。焼成塗膜の平
均抵抗率(Rav)、分散係数(CV)および高温抵
抗温度係数(HTCR)を測定した。各一連の抵
抗体組成物の組成および電気的性質を次の表13に
示す。
【表】 前記のデータは、本発明に関連する全てのパイ
ロクロール組成物が広範囲の抵抗率とHTCR特
性を有し、また同様に、極めて低いCV特性を有
する厚膜抵抗体の製造に使用できることを証明し
ている。 実施例 87〜89 厚膜組成物の製造:実施例26の導電相と無機結
合剤を前記の方法で26wt%の有機媒質中で混合
することによつて3種類の一連のスクリーン印刷
可能な厚膜組成物を製造した。4種類のガラスと
CaF2を含有する3種類の異なつた主要無機結合
剤として使用した。 組成物の評価:3種類の厚膜組成物の各々を使
用して前記のような方法で一連の抵抗体を形成し
た。焼成抵抗体の平均抵抗率(Rav)、分散係数
(CV)および高温抵抗温度係数(HTCR)を測
定した。抵抗体ペーストの組成および該ペースト
から形成した一連の抵抗体の電気的性質を次の表
14に示す。
【表】
【表】 前記のデータは102倍の範囲に及ぶ抵抗値を有
する抵抗体の形成に実施例2の導電相が有用であ
ることを証明している。これらの導電相はいずれ
も極めて申し分のないCV値と良好な正のHTCR
値を有していた。 実施例 90〜93 市販の厚膜抵抗体組成物TRWTS105を実施例
87の厚膜組成物と比較した。この比較のために、
前記の方法で、二種類の異なつた支持体に各組成
物を塗布することによつて一連の抵抗体を形成し
た。各抵抗体について平均抵抗率、分散係数、高
温抵抗温度係数および低温抵抗温度係数を測定し
た。これらのデータを下記の表15に示す。
【表】 前記のデータから明らかなように、TS105組成
物は支持体材料の変更に対して極めて敏感であ
り、更に、極めて高いHTCRおよびCTCR値で
示されるように加工条件に対して極めて敏感であ
る。さらに、TS105組成物のCV値も高すぎた。
これに対して、実施例87の組成物は二種類の支持
体に対して比較的にわずかな特性変動を示しただ
けであり、また、極めて低いHTCRおよび
CTCR値で示されるように、極めて広範な加工寛
容度を有していた。更に、CV値はいずれの支持
体の場合も受容できるものであつた。 実施例 94〜97 前記の市販厚膜抵抗体組成物(TRW TS105)
および実施例87〜89の厚膜組成物から一連の抵抗
体を形成することによつて両組成物を比較した。
特にことわらない限り、抵抗体は全て900℃で焼
成した。 三種類の抵抗体をそれぞれ三群にわけて、これ
らを室温(20℃)、150℃および相対温度(RH)
90%で40℃の条件下で1000時間老化させた場合の
レーザートリミング処理抵抗体の安定性について
評価した。各抵抗体の大きさは40×40mmであり、
プランジカツトでトリミングした。実施例94〜96
の抵抗体のトリミングしなかつた場合の安定性に
ついても同様に評価した。前記のレーザートリミ
ング後の安定性に関するデータを下記の表16に示
す。抵抗率の変化率は“Xav”で示されている。
また、各測定値群の標準偏差は“s”で示されて
いる。
【表】 前記のデータから明らかなように、本発明のパ
イロクロール含有ペーストは温度変化に対して極
めて鈍感であり、また、高温、高湿条件に対して
極めて耐性である抵抗体をもたらす。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 次の式 Sn2-x 2+Tay3Nby2Sny1 4+O7-x-y1/2 (式中、x=0〜0.55; y3=0〜2; y2=0〜2; y1=0〜0.5;および y1+y2+y3=2;である。) に相当するパイロクロール関連化合物の微粉体が
    非酸化性雰囲気中で焼成され、 その焼成において、SnOと、SnO2と、Ta2O5
    Nb2O5およびこれらの混合物からなる群から選択
    される金属五酸化物との微粉混合物とが非酸化性
    雰囲気中で、900℃以上の温度で焼成され、 その際SnO対金属五酸化物のモル比は1.4〜3.0
    であり、 SnO2がSnOおよび金属五酸化物よりも化学量
    論的に過剰な量で存在し、全金属酸化物の重量の
    20〜95重量%の範囲にあることを特徴とする導電
    相の製造方法。 2 SnO2と、次の式 Sn2-x 2+Tay3Nby2Sny1 4+O7-x-y1/2 (式中、x=0〜0.55; y3=0〜2; y2=0〜2; y1=0〜0.5;および y1+y2+y3=2;である。) に相当するパイロクロール関連化合物との微粉混
    合物が非酸化性雰囲気中で焼成され、 パイロクロール関連化合物と混合されるSnO2
    の量は微粉混合物の量の20〜95重量%であること
    を特徴とする抵抗体用導電相の製造方法。
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