JP3907470B2 - 異種複合エステルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、異種複合エステルの製法に関する。ここで複合エステルとは、R(AX)nAR(nは1以上の正数を表す。)の組成式で表され、この式でn=1に相当する複合エステルであるCOMPLEX ESTER(RAXAR)に対比するものとして、COMPOSITE ESTERとして別の概念として考えられる。
【0002】
【従来の技術】
以下、本明細書において、R及びOは一価アルコール(例えば、オクタノールである。)を表し、A及びPは二塩基酸を表し(例えば、Aはアジピン酸、Pはフタル酸である。)、Xはジオール(例えば、エチレングリコールやプロピレングリコールである。)を表し、これらにおける未反応末端基(水酸基及びカルボキシル基)や、これらがエステル結合した生成物におけるエステル結合の記載を省略する場合がある。
複合エステルは一般的に組成物のジオール二塩基酸末端の一価アルコールの反応で得られ、n=1〜7の重合度の異なる化合物の混合物として製造され、その割合は重合度が多くなるにつれて比例して級数的に減少する量の混合組成として製造される。組成については、特に製造方法によってその分布が変動するので、その分布をコントロールして製造された複合エステルは、考慮せずに製造されたものとは、別の組成と考えるべきもので、得られた製品の特性を左右する性質がある。
本発明は、既に出願した異種複合エステルの製造法(特開平7−330684)を改良し、その分布の幅を少なくする方法(特願2001−119252)を採用することによって、特に副生する二塩基酸のジエステルRAR又はRPRの生成を全く防止するか又は極微量にすることを目的にして製造する方法を提起して、そのようにして製造される、異なった2種の二塩基酸、アジピン酸、HOCOACOOHと無水フタール酸P(CO)2O又はその他の無水琥珀酸S(CO)2O等を使用して、組成一般式R(PX)1~2(AX)0~1ARを作る製造方法並びに当該方法で製造される異種複合エステルに関するものである。
【0003】
エステルの分子量分布のコントロールとジエステルの生成に関して、まず3成分(R、A、X)のエステル反応について考えると:
2{R+A+X+A+R} → 2RAXAR (1)
{R+A+X+A+X+A+R} + {R+A+R} → R{AX}2AR + RAR (2)
(1)式に従って4モルの酸A及びモノアルコールRと2モルのジオールXでは2モルのn=1の生成物ができるが(1)、同じモル数の反応で(2)式の反応が起こるとn=21モルと1モルのジエステルができる。(1)(2)の反応は同時に起こるので、(1)を目的に反応しても、nの数に対応した量のRARが必ずできることになる。この副生するジエステルは目的重合度からずれた量だけできるので、逆にジエステルに対応した重合度のものができることになる。分子量分布のコントロールは従ってジエステルの生成を抑えて、無くすることができれば目的分子量重合度の生成物を得ることができることになり、既に重合度分散を2以下にする、ポリエステルの製造方法の出願を行った(特願2001−119252)。
【0004】
その手法は反応様式と共に、エステル化に際して過剰に使用されるアルコール量が問題で、ROHを過剰になるように使用すると、エステル化反応と同時にエステル交換反応も進行して一旦できたポリエステルの末端とROHの反応ではRARができるので、その結果目的重合度が得られない。本発明は、ROHの使用量を制限して使用することによって重合度のコントロールが可能であることを見出したものであり、複合エステルとエステルアルコールの共存するような条件でエステル化を行うことによって、分子量分布が2以下のポリエステルの製造が可能となった。
一方複合エステルではnの値が小さくRARの副生を少なくすることはできるが完全に防止することは不可能であると考えてきたが、反応モル比を上手にコントロールして反応させることによって、特に前記の活性触媒を使用し、必要以上のROHを使用しない製造方法に従って目的重合度の生成物を製造するとRARの副生を防止できると考えられるようになった。
【0005】
前記特許出願には過剰量の範囲として、理論量の0.2〜2倍量と規定したが、低い割合でも活性触媒(特願2000−147554)の使用では特に反応が十分に進行し有用なエステルが製造されることが見出され、従って当該発明の利用にも関連する。副生ジエステルの発生防止については、従来の技術では既に述べた理由から低重合度のエステル類を目的にする程多量に生成し、完全に無くすることができないとの見通しからエステル交換方法で一般式では下記の方法で異種複合エステルを製造できる方法を提案した(特願2000−147554)。
ROH + P(CO)20 → RPH → + HOXOH → RPXOH
2ROH + HOCOACOOH → mRAR → + RPXOH → R(PX)nAR + ROH↑+RAR (3)
【0006】
即ち上記の反応式で無水フタール酸とモノアルコールを反応させ、次いでジオールを反応させて、部分的に複合エステルも含むフタール酸のエステルアルコールを作る。これを別途製造した過剰量のアジピン酸ジエステルに添加脱アルコールエステル交換反応を行い生成物を得て、残存する過剰量のジエステルRARを蒸留除去することによって、異種複合エステルを製造することがでる(式(3))。この際エステル交換反応のRARの量が少ないと生成物の重合度が上がって粘度が高くなり、優れた可塑性のエステルを目的にしては2.5モル量程度を使うと、例えばジオール成分が1,2−プロパンジオールでは生成物の重合度は1.4程度の優れた低粘度450センチポイズの異種複合エステル生成物が製造される。
【0007】
製造の方法から成分式は末端アルコールROHがオクタノールOOHではO(PXp)1.4AOと記載されるが、重合体の成分としてその製造方法に起因するR(PXPX)AR並びにRPXPRの混入が考えられる。また本発明者は異種複合エステルについて脱水エステル化反応ではジエステルの副生を防止できなかったが、その生成を前提に製造することによって、目的からは組成がずれるけれども、各種異種複合エステルを製造してそれらの性能を評価して優れた特性を有することが判明し、可塑剤として使用する特許出願をした(特開平7−330674)。しかし、なおRARの除去必要量が多いために、副生RARの量を減らす製造技術が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来複合エステルは重合度分布をもった組成物として得られ高重合組成物を含むため、特にフタール酸複合エステルでは粘度が高く可塑剤として使用する時は可塑化効率が極端に悪くなり、粘度の低い優れた可塑剤を目的にフタール酸とアジピン酸の共重合に相当するPXAX組成の複合エステルが検討されたが、高重合度の副生物を含まない製造方法ができず特に高重合度の副生物として2塩基酸ジエステルができ、ジエステルを除去することが必要で、フタレートの除去には熱分解による製品酸価の悪化あり、アジペートではその除去が製造原価高の要因となっている。何れも優れた可塑剤ならびに低粘度添加加工助剤として使用されるが、環境ホルモンとして問題視され、含まない可塑剤が求められている。それらの複合エステルの製造に当たって、n=3以上の高分子オリゴマーを含まない組成物を製造するに当たって、末端アルコールを効率良く反応させると、低重合組成になるが、エステル化に当たって末端アルコールによって副次的にエステル交換反応が起こると高重合体となることから末端アルコールを酸とのエステルとすることが考えられる。エステル化に当たって、触媒機能が不十分であった時には、過剰分のコントロールができなかった。特に優れた触媒の利用によって反応が理解されて、反応様式が決まり優れた組成物を製造する手法となった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、減圧下で160℃以下の反応温度でアジピン酸、過剰量のジオール及び末端アルキル(一価)アルコールを反応させる第1段階、別途フタール酸又は無水フタール酸と末端アルキル(一価)アルコールとをモル比ほぼ1:1で反応させる第2段階、該第1段階と該第2段階の生成物を反応させる第3段階、第3段階の生成物を減圧下でエステル交換反応させる第4段階から成る、組成式 R(PX)1〜2(AX)0〜1AR(式中、Rは末端アルキル(一価)アルコール、Aはアジピン酸を表し、Pはフタール酸又は無水フタール酸を表し、Xはジオールを表し、エステル結合の記載を省略する。)で表される異種複合エステルの製造方法であって、前記第3段階で総アルコール当量は酸当量より0.5〜2割多くし、更に、酸価を下げる為にジオールを追加してもよい異種複合エステルの製造方法である。
上記ジオールは炭素数が2〜6の2官能性アルコール又は炭素数が6以下のポリアルキレングリコールであり、例えば、プロパンジオールと12、13、14−ブタンジオール、ジプロピレングリコールとの混合ジオールである。
第1段階では主反応が1/2〜2/3程度進行することが好ましく、第2段階は、過剰使用のジオールを除去するために0.2〜10mmHgの減圧下で行うことが好ましく、第3段階では反応モル当量に併せて追加するジオールを使用して酸に対してアルコール過剰量を使用して脱水エステル化反応を行って、十分酸価を下げさせてエステル化を行うことが好ましく、第4段階は、第3段階の生成物中に過剰量に対応して残存し、又エステル化で生成するエステルアルコールを主成分と反応させることを目的とする。
この異種複合エステルは、酸に対し過剰量のアルコール成分と酸との間で脱水エステル反応を行って酸価を下げ、過剰量に対応するジオール成分より生成又は残存するエステルアルコールと主生成エステルとの間でエステル交換反応を行うことにより生成されたものである。なお、異種複合エステルの組成式は成分の割合を示すものであって、成分の並びを示すものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法について各段階ごとに述べる。
第一段階: 第1の二塩基酸(A、例えば、アジピン酸)を過剰量のジオール(X)の存在下で脱水エステル化反応を通常より低温(160℃以下、好ましくは140〜150℃)で行うと、AXが多く生成する。このような条件で、一価アルコール(R)を少量ずつ添加して反応を進める。2/3〜3/4の反応が進行した後、触媒の添加し、昇温し、190〜210℃でエステル脱水エステル化を進め、酸価を完全に下げ、第1の二塩基酸(アジピン酸)のジエステル(RAR)を含まない、ジオールジエステル(XAX)及びエステルアルコール(RAX)よりなる混合生成物が得られる。この段階では通常減圧するため、未反応のジオール(X)や一価アルコール(R)は除去される。
この段階では、RはXに優先的に反応し、その使用量によって生成物の組成が決まるが、過剰に使用するXは低温0.2〜20mmHgの減圧下で除去される。この温度は圧力で決まり圧力はできるだけ低い方が効果的であるが、Xの完全除去を試みると、XAXは脱XAXAXとなって重合度が上がり、通常条件下では生成物がX(AX)1.05~1.4となり好ましくない。
【0011】
第2段階: 別途、第2の二塩基酸(P、例えば、フタール酸無水物)と末端アルコール(R)をほぼ1:1で無水物反応させて、第2の二塩基酸(フタール酸)のモノエステル(RP)を得る。
第3段階: 第2段階の生成物を第1段階の反応系に添加してその反応を継続させるか、又は、第1段階の生成物を第2段階の反応物に添加してその反応を継続させると、第2の二塩基酸(フタール酸)のモノエステル(RP)と第1の二塩基酸(アジピン酸)のエステルアルコール(RAX)及びジオールジエステル(XAX)との反応によるエステル化反応が進行する。
この反応は脱水エステル化反応で酸とアルコールを目的組成に適合する反応量で行うが、総アルコール当量は酸当量より0.5〜2割多くすることが好ましく、過剰に使用されるアルコール分は次段のエステル交換反応で反応系に取り込まれる。この段階では酸価を下げる為に追加するアルコール(ジオール追加の具体例第2の方法)は酸との反応でエステル化されて実質的に無くなりその代わりにできたエシテルアルコールRPX又はRAXは、過剰に使用した量と併せてエステル化生成物中に残存する。酸当量に対して過剰なアルコール当量となる脱水エステル化反応は特に活性触媒では反応末期でも優れた反応速度で進行して酸は定量的に反応する。酸価が十分に下がらないエステル混合物では次段のエステル交換反応も極度に進行しなくなる。
【0012】
第4段階: 更に第3段階に引き続いて反応系を減圧にすることにより、第3段階の主生成物(RAXPR及びRPXAXPR)と第3段階で残存したエステルアルコール(RAX及び反応で生成するエステルアルコール(RPXAX並びにX追加ではRPX)との間で全ての組み合わせによる生成物ができるが、反応は主としてRAの部位が優先すると判断される。この様にして異種混合エステル(組成式R(PX)1~2(AX)0~1ARが得られるがそれらは大部分は主生成物であるが、エステル交換反応のエステルアルコールは過剰量のアルコール分に対応するもので、主生成物に比べると量は少なくなる。生成が予想される生成物はRAXAXPR,RPXAXAXPR,RPX(AX)0~1AXPR,RAXPXAR,RPXAXPXAR,RPXPXAXPR等でその重合度は2及び3のものとなるが、これらを含めて全体の分子中のフタール酸は1〜2アジピン酸は同じく1〜2の組成を有する混合物として製造される。特にPXPX構造の副生物最終記載の化合物はその生成によってはその量に対応して粘度が急増するが、エステル交換反応に当たって、RAとの反応に対比しRPとの反応は、反応温度が高く、RA構造のものは優先して反応するので、反応に関与する前記主生成物中のRAXPRの割合の多いもの程、低粘度の組成物となる。
この組成物はフタール酸とアジピン酸の組成割合を変えて任意のものが製造されるが、アジピン酸に比しフタール酸が低価格であり、粘度との対応でできるだけ分子中にフタール酸単位が多い方が好ましい製品となる。
【0013】
本発明の方法により異種複合エステルを作ることができたが、2種酸が交互に結合した主としてPXAX構造の異種複合エステルを作ることによって、重合度の高いポリエステル構造を含まず、またフタール酸等の立体障害となるPXPX構造を全く持たないか又は持っていても極僅かな量である異種複合エステルを製造することによって、その粘度は400〜600センチポイズ程度の低粘度の複合エステルであることが判明した。フタール酸ユニットが多い直鎖二塩基酸エステルにおいては、可塑剤として使用する際のフタール酸ジエステルの分子量に対応する対揮発性が完全に解決され、可塑性能は粘度は幾分高いが構造に起因して改善されジエステルと同等となり、直鎖二塩基酸のアジピン酸による柔軟性を合わせ持ちその耐水性が大幅に改善され、フタール酸による耐候性が合わせ持って優れた可塑剤として使用することが可能となった。
【0014】
本発明は可塑剤として優れた性能が期待されるフタール酸、アジピン酸、2官能ジオール及び一価アルコールの4成分よりなり、主として2種の酸が交互に結合し一般式R(PX)1~2(AX)0~1ARで表される異種複合エステルに関する。即ち、アジピン酸のジオールジエステル並びに末端モノアルコールを部分的に反応し、更に反応モル量に対応してジオールを追加して製造されるエステルアルコールを使用し、二塩基酸無水物より得られるモノエステルとの反応で、異種複合エステル並びにエステルアルコールを作り、エステル交換反応によって、目的の異種複合エステルにする。この方法によって、複合エステルではできなかった、副生物である酸ジエステル生成を極微量にする効率の優れた製造法を提供するものである。
【0015】
一般式R(PX)1~2(AX)0~1ARについてR(PX)1~2AOはRPXAXPAとRPXAOとの任意の混合物を意味しており、(AX)0~1は実施例で説明されるが、XAXの100%純度製造は実質的に不可能で従って、その純度重合度に対応しAXAXAの混入割合で計算される数字であり、対応して(AX)ユニットが増加する。ゼロは完全100%理論値であり、エステル混合物中のAX割合の増加分として表される値である。
この組成は極微量の高重合体を含むが全組成として、分子中にフタール酸1以上2ケアジピン酸1以上2ケでできる組成物を意味しその製造方法からPXPXを殆ど含まない組成物である。このような組成物は本特許に記載されたその他の方法によっても、特に反応割合、方法によって可能であり、その方法が特に限定されるものではない。フタール酸と末端アルコール及びジオールからできるRPXを使用してエステル交換反応でPXPX構造を含むが(PX)3以上を含まない生成物を得る方法を先に出願した(特願2000−147554)。また異種複合エステルとして本願と同じ様式の記載ではR(PX)m(AX)nAO m=0.3以上n=0.3以下の組成物を出願し(特開平7−330684)、その(PX)の組成割合は全く含まないものとの混合物で全組成割合が平均して0.3以上の組成物の性能を評価して優れた性能耐水性を保持することを示している。本願の組成物は、異種複合エステルとして数字からはその範囲に入る可能性があるが、(PX)に関しては必ず1つ以上を含む完全な異種複合エステルで、前者がポリマーで説明されるランダムポリマーに対比して、本願の組成物は交互重合ポリマーを主とする複合エステル組成物に関するものである。RPXを使用して本願と同じ手法に従って脱水エステル化反応次いで過剰アルコール分のエステル交換反応の手法によって、アジピン酸ジエステルの副生を完全に防止できなかったので、詳しく記載されていないが、本願のR(PX)1~2(AX)0~1ARが製造されその製造方法についても特に限定するものではない。
【0016】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を例証するが、本発明を限定することを意図するものではない。末端アルコールを2−エチルヘキサノール(オクタノール、O又はOOHの記号で記載する。)を使用するO(PXp)1.5AOの製造を目的に実験室スケールでの反応を例にして以下に説明を行う。
アジピン酸1モル(146g)及び1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール、HOXpOHと略記する。)2.5モル(190g、必要量より1モル過剰)を脱水エステル反応用の1L三つ口反応器に入れ、減圧下に窒素置換を行い、次いで少量20mlの共沸溶剤としてトルエンを加え、140〜160℃に加熱撹伴して脱水エステル化反応を開始した。9mlの水の溜出から27mlの水の流出の間に、少量ずつ2−エチルヘキサノール0.5モル(65g)を添加してエステル化反応を進め、溜出するジオールは反応器に戻しながら反応を行った。プロピレングリコールは水との共沸で溜出するので、1モル量は過剰であり、共沸で溜出する水は30〜40%の水溶液である。添加を終え27mlの水の溜出を確認して、別途調整したチタン触媒2ミリモル(テトラブトキシチタン0.7g量)を加え反応温度を180〜190℃に上げ脱水エステル化反応を続ける。1〜2時間後反応を終えて、次段反応を行う。
【0017】
190℃では過剰のプロパンジオールが蒸留除去されるので、酸価の測定と同時にできれば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、成分ジオールエステルHOXPAXPOH、エステルアルコールOAXPOHの純度と同時にHOXPOHの残存量を測定して、次段反応時の計算基礎データを得る。目的生成物はジオールジエステル0.5モルとエステルアルコール0.5モルとなる。この反応では、オクタノールの反応が早く急激に添加すると、ジエステルDOAが副生するので、DOAが生成しない程度に添加することが必要である。更にアジピン酸とジオールとの反応生成物であるAXは、逐次反応でAXA又はAXAXを生成するので、Xの過剰量の存在で反応を行うことが必要である。そのコントロールのために温度を下げ反応が緩徐に進行する140〜160℃の温度を選択することが必要である。この反応はアジピン酸では無触媒で2〜4時間の反応である。プロパンジオールは150℃を越すと水との共沸では速やかに蒸留除去されるので、過剰量は反応温度によって変わり、従って、溜出分を補正して算出すると同時に反応器に循環して使用する。過剰量が少なく反応の進行が急な場合には、ジオールジエステルポリマーHO(XpA)nXpOHが得られ、nの値は1.4程度に上がるので、HPLCによって確認することができる。一方反応物を減圧下にジオールを除去して、残った生成物の重量から計算によってn重合度の値を計算することができる。減圧濃縮によって残留生成物の理論重量は289gでほぼ近い生成物が得られるが、285gでは組成は0.5OAXOH及び0.447HO(XA)1.12XOHの混合物と計算される。
【0018】
OPHの生成反応(第2段反応): 無水フタール酸1.5モル(222g)と2−エチルヘキサノール1.5モル(195g)に希釈溶剤としてトルエン150gを加え100℃以下の温度で3時間撹伴して無水物反応を行った。この反応は発熱反応で生成物はモノオクチルフタレート(OPHと略記する。)であるが、反応温度は途中の発熱で急激に上昇し、反応量によって希釈液がない場合では特に140℃以上にもなる。この高い温度での反応はジオクチルフタレートDOPが副生し、無水フタール酸の純度も影響するが無水物並びにフタール酸が残存することになる。無水物の残存は触媒活性の低下の原因となるが、特にジオールとの反応では、フタール酸ジオールジエステルHOXPXOHができ次段反応に際しPXPXができて粘度上昇の原因となることが考えられるので、できるだけ純度の高いOPHが得られることが望まれる。OPHの反応量は前記ジオールジエステル並びにエステルアルコールの純度によって決められる。
【0019】
OPH反応液1.30モル量(490g)を使用して、2L三つ口反応器に入れ、前記アジピン酸1モル反応物を添加して撹伴し残存する無水物と触媒を馴染ませた後更に2〜5ミリモル量の触媒液を添加する。活性化触媒はトルエン、少量のプロパンジオール、又はオクタノールにテトラアルコキシチタンを溶解し、チタンモル量の4〜20倍モル量の水溶性ジオールと水との混合液を添加混合反応させて、活性化した触媒が作られる(特願2000−147554)。190〜210℃で脱水エステル化反応を行うと、酸価は一次反応で低下しその半減期は15〜25分である。もしその酸量の低下速度が遅く反応速度が停滞する場合は、前記ジオールジエステルの製造時に重合度が高くまた残ったジオールが除去されて、全アルコール濃度が低くなった場合である。理論量ではOH量は反応量から0.1モル過剰であって、反応は確実に進行して低酸価エステル混合物となる。酸価が下がった生成物は、還留開口部を閉じ、器内を徐々に減圧にして溜出物を除去する。共沸用添加トルエン次いで残存する揮発分と、エステル交換反応で生成する2−エチルヘキサノールが除去される。この除去に対応してエステル交換反応が進み、最後は反応器の温度210℃、減圧度2〜10mmHgで反応が終了するが、完全にするためには副生するDOAの除去も含めて0.2mmHgまで下げることが好ましく、低減圧条件下での加熱撹伴で、揮発分の混在量が確認される。
【0020】
生成するオクタノールの理論量はジオールによるOH過剰量に対応する量であって、この場合は0.1モルであり、13gが除去されることになり、
1.30 OPH + 0.45 HOX(AX)1.1OH + 0.50 OAXOH の反応は、
i) 0.35 OPX(AX)1.1PO + 0.50 OPXAO + 0.10 OPX(AX)1.1OH →
0.35 OPX(AX)1.1PO + 0.40 OPXAO + 0.1 OPX(AX)1.1AXPO
ii) 0.45 OPX(AX)1.1PO + 0.40 OPXAO + 0.1 OAXOH →
0.45 OPX(AX)1.1PO + 0.30 OPXAO + 0.1 OPXAXAO
の2つの反応が予想される。従って、生成物は少なくとも記載される5〜6つの異種複合エステルの混合物であり、エステル交換反応が十分に進行すれば、製品の揮発分の原因となるエステルアルコールは完全になくなる。
一方アジピン酸のエステル化反応によって、DOAが副生する可能性があるが、前記の反応条件で防止され、DOPも純度の良い無水物と反応条件でその生成は防止できることになる。しかし、エステル交換反応に際し一旦生成したオクタノールが生成物の末端エステルで反応するとDOP又はDOAを副生することになるので、エステル交換反応でできるROHが生成物と再び反応しないように速やかに除くことが必要で、減圧下でエステル交換を行うことが必要である。このエステル交換反応は、エステルアルコール類とエステルのAX又はPXの部位で優先的に進むことが分っており、更にAXの部位での反応がより容易に反応し、生成物の粘度は対応して低粘度の生成物として製造することができる。
【0021】
反応生成物は100℃に冷却後少量の希釈剤と微量の水を添加攪拌するとチタンが加水分解され、活性白土の添加で吸着され濾過して触媒残が除去される。その後揮発分を減圧除去して生成物を622g、21℃の粘度420センチポイズを得た。製造されたエステルはDOA及びDOPの副生が無いと反応物のモル数はアジピン酸のモル数でnはフタール酸モル/アジピン酸モルで表され、従って完全にジエステルが生成しないと先の反応生成物の組成はO(PX)1.3AOとして表現される。ジオールジエステルのモル数が少なくなっているので補正をしてO(PX)1.37(AX)0.05AO分子量661、モル数0.95モルの組成式が計算される。
製造される異種複合エステルは主として交互複合エステルで、隣り合った酸の結合は異種酸でPXAの構造であり、特にPXPで表されるフタール酸単独の複合エステル結合では最低でも700センチポイズの高粘度エステルとなることからその生成を極力抑えることによって生成物の粘度の上昇が制御されて有用なエステルとすることができる。一方、特にジオールジエステル製造に当たって残存するジオールとの反応でOPXOHが副生する可能性があり、エステル交換反応ではOPXPXが生成することになるので、OAX末端を有する複合エステルとの混合であることが好ましくその際にはOPXAXとなって粘度の上昇を抑えることができる。従って使用するアジピン酸のジオールエステルとエステルアルコールの比を1:1としたが、9:1から1:9であっても良く其の際のOPH反応量は異なった化学量論量を使用し、生成物の組成として(PX)の重合度1〜2となることが本発明の有用な低粘度生成物を得る要因となる。
【0022】
一方(PX)nの重合度は1以下の生成物では直鎖二塩基酸のモノエステルを選択的に作ることができず、ジエステルが副生し、除去工程が必要となる。OPHは直鎖脂肪酸を部分的に代替することは可能であるが、無水物を利用してもモノエステルとして使用するとが可能となる。この方法で、ジオールジエステルとエステルアルコール1:9では0.1 HOXAXOHと0.9 OAXOHを目的に製造して、1モルのOPHとの反応は
0.1 OPXAXPO + 0.8 OPXAO + 0.1 OAXOH →
0.1 OPXAXPO + 0.7 OPXAO + 0.1 OPXAXAO 又は、
0.1 OPXAXOH + 0.9 OPXAO → 0.1 OPXAXAXPO + 0.8 OPXAO
となり、この反応の生成物は4〜6種の生成物の混合物で、組成はO(PX)1.0AOに近い生成物が得られることになる。実際の反応ではアジピン酸エステルアルコール製造に当たっては末端アルコールの添加反応を厳密に行ってもDOAが部分的に生成することを防止できず、その除去が必要となる許りではなく、生成物の反応モル数が理論量より少なくなりその結果nの値は1より大きくずれOPH反応量も減らす必要が出て来る。DOAは除去する必要性が出て来るが、揮発分を含む生成物の製造条件となる。
【0023】
第2の方法として、使用するOPH使用量を過剰に使用し、過剰量に対応するジオールHOXOHを添加して脱水エステル化反応を行う方法が採用される。前記の反応によって例示すると、無水フタール酸1.6モル(237g)と2−エチルヘキサノール(208g)を使用して1.6モル量のフタール酸モノエステルOPHを製造して、前記と同様にして製造されるアジピン酸エステルを使用し、ジオールエステル0.424 HO(XpA)1.18XpOH 及び 0.5エステルアルコール OAXpOH との1対1混合反応液を添加し(重量法による重合度を示した)、2L反応器中で脱水エステル化反応を開始し、OPH過剰量に対応する量として0.16モル(12.2g)の12−プロパンジオールを添加するが、さらに活性化触媒製造に当たって0.1モル7.6gのプロパンジオールを追加使用して反応を行った。即ち7.6gにテトラブトキシチタン1.7g(5ミリモル)を加えて溶解し、エチレングリコール1g水1gの混合液を添加して撹伴し生成する活性化触媒を添加して160〜210℃で脱水エステル化を行い酸価の低下に応じ最後に6.1gのプロパンジオールを追加してエステル化を行うと、反応は15〜25分の半減期の速度で進行して2〜3時間後に酸価0.1以下にすることができる。
【0024】
次いで反応器を減圧にして最後は2〜0.2mmHgとして、揮発分を除去すると共にエステル交換反応で生成するオクタノールを除去し、DOAの無いことを確認して反応を終える。生成物は100℃に冷却し水少量と希釈溶剤を加えて撹伴し活性白土を加えて、触媒残を吸着し、濾過して白土と共に触媒を除去再び減圧下揮発分を加熱除去して生成物675gが得られた。得られた異種複合エステルの粘度は20℃で520センチポイズの低粘度の生成物で、従来の実験経過からポリ塩化ビニールの可塑剤として使用した際にその可塑化効率はDOP50に対比して50〜52と推測され、フタレートアジペートの特性として耐水性耐候性に優れ揮発減量は殆ど無く非揮発性の可塑剤として使用できることが、先に報告された結果(特開平7−330684記載)からも判断される。
【0025】
この反応は
1.6 OPH + 0.42 HOX(XA)1.18OH + 0.5 OAXOH + 0.26 HOXOH →
エステル化で
0.42 OPX(AX)1.18PO + 0.5 OPXAO + 0.26 OPXOH →
次段交換反応で
0.42 OPX(AX)1.18 PO + 0.24 OPXAO + 0.26 OPXAXPO 又は
エステル化で
0.32 OPX(AX)1.18 PO + 0.5 OPXAO + 0.16 OPXOH + 0.1 OP(AX)1.18OH + 0.1 OPXPO →
次段交換反応で
0.32 OPX(AX)1.18 AXPO + 0.24 OPXAO + 0.16 OPXAXPO + 0.1 OP(AX)1.18AXPO + 0.1 OPXPO
に従って推測される下段の反応では(PXP)の構造の生成物ができ、その反応を無視することはできず過剰にOPH又はHOXOHを試用する量は限度がある。理論的に反応した場合生成物は1.6モルと1モルの反応でその組成はO(PX)1.5AOとなるが、ジオールの重合度補正から組成的にはO(PX)1.73(AXp)0.08AO分子量740 0.92モルと計算される。OPHの使用量はアジピン酸エステルアルコール製造時のアルコール添加量で異なり、OAXが多い場合にはOPX過剰量に対応するOPH及びHOXOHの使用量は当然0.1モル量より大幅に大きくなる。しかしPXPX構造の生成物が増加して、粘度が急増しない程度にする必要がある。
【0026】
1モルのアジピン酸より作ったジオ−ルジエステルとエステルアルコール2対8の生成物と1.8モルフタール酸モノエステルに対応する0.6モル量のジオールを加えて複合エステル1モルとエステルアルコール0.6モルを作ると脱水エステル化反応は0.6モル量のアルコールが過剰で酸は完全にエステル化され、次いでエステル交換で(O(PX)1.8AO)が得られることになる。目的生成物はOPXAXPOであるが、部分的にはOPXPXAXPOができるので、生成物の粘度は幾分高くなる。
(0.2 XAX + 0.8 OAX) + (1.2 OPH + 0.6 OPH) + 0.6HOXOH →
0.2 OPXAXPO + 0.8 OPXAO + 0.6 OPX → 0.8 OPXAXPO + 0.2 OPXAO
【0027】
部分的にPXPや製造時にDOA又はDOP等の副生物を含み除去することが必要な本発明の組成式 R(PX)1〜2AR で表される異種複合エステルは記述の(3)式に従ってアジピン酸ジエステルのRPXとのエステル交換反応で作ることができその場合には(PXPX)が副生するので大過剰のジエステルを使用することが必要で、その回収費用が問題である。本発明はジエステル類ができないが極微量にすることができる特長があるが、本発明の方法を使用して、次段に記載する方法によっても製造されるが、アジピン酸のモノエステルの製造を厳密に行うことができず、目的として反応を行っても、ジエステルと未反応アジピン酸との混合物になる為に、ジエステルの副生を防止することができない。通常の条件で1対1のアジピン酸と末端アルコールとなる1価アルコールの反応では生成物は略 1/3モルづつのモノエステル、ジエステル、未反応酸である。以上の結果から具体的な生成物の条件記載はしないが、次式に従って本発明の方法に従いエステル化し副生するエステルアルコールをエステル交換反応を行うことによって、目的生成物として組成式R(PX)1~2ARの複合エステルが製造できる。
第1段アジピン酸について
3 HOCO(CH2)4 COOH + 3 ROH → HOCOACOOH(Aと略記する) + RAH + RAR
第2段フタール酸について
P(CO)20 + ROH → RPH
RPH + HOXOH → RPXOH(又は RPX)
(3)式の方法に順じRPXOHの脱ROHによるR(PXPX)OHの生成防止目的で減圧下(0.3mmHg)での過剰アルコール除去によって作られたフタール酸エステルアルコールを1割過剰に使用して脱水エステル化反応を行うと
3.3 RPX + A + RAH + RAR → RPXAXPR + RPXAR + RAR + 0.3 RPX
次いでエステル交換反応を行うと
→ RPXAXPR + 0.7 RPXAR + 0.3 RPXAXPR + RAR
以上の反応で1.3 RPXAXPRと0.7 RPXARとの混合組成物R(PX)1.65AR 2モルと1モルのRARの混合物ができる。
なおこの反応は先にジオールを反応させて、過剰アルコールを使用してRPXを製造してもよく、いずれの方法でもPXPXが部分的に微量にできるので生成物の粘度が幾分高くなる。一方、第1段反応で、RARジエステルの副生を押さえるために温度を変えても、RARジエステルの副生を完全に防止することができなかったが、RARジエステルの副生量を少なくすることはできる。
【0028】
本発明は、主としてアジピン酸とフタール酸が交互に結合した構造を有する異種複合エステルの製造方法に関し、主としてその組成はO(PX)1~2AO の組成物の製造法であるが、上下限に近い所では、特にアジピン酸の反応で、ジオールジエステル並びにエステルアルコールの製造を定量的に行うことが困難で、反応条件温度条件更に反応量によって生成物組成が異なり、製造時にジオール成分の揮発性が大きく影響する。12−プロパンジオールは最も工業的に安く有用であるが、共沸蒸留され易く生成物の組成コントロールが難しい。対比してジプロピレングリコールや2エチル13−ヘキサンジオール、16−ヘキサンジオールは揮発性が少なく容易である。12−、13−、並びに14−ブタンジオールは揮発性を考慮する必要があり、エチレングリコールはプロパンジオール同様大過剰の使用が必要である。ジオール成分はその使用目的に対応してジオールを混合使用することも実際上は可能になる。末端アルキルアルコールの使用は特に2エチル−ヘキサノールに制限されず、オキソ法で製造される種々のアルコール並びに混合組成であっても良い。本反応の手法はフタール酸無水物を使った二塩基酸モノエステルを有効に利用した方法であり、その他のマレイン酸、琥珀酸、ヒドロフタール酸についても実施可能であり、部分的に脂肪酸を混入させて使用する可能性もある。
【0029】
可塑剤の使用に当たっては、DOAは簡単に揮発するが低粘度仕様として添加して使用される。またDOPは70〜80℃では4週間で揮発し、屋外仕様のフィルムでは1年間で半分近くも揮発するが、有用な高可塑性可塑剤として使用されて来た。ポリエステル可塑剤の加工用希釈剤としても使用される場合がある。非揮発性可塑剤として使用される際にDOA並びにDOPの部分的混入使用は実際使用に当たっては、揮発減量は増加するが大部分が残存して非揮発性可塑剤として使用することができるので、微量成分としてDOAやDOPが残存するものであっても実用的には問題ないので、製造方法として過剰分として少量のROHを併用し、また厳密に反応モル比をコントロールして得られる生成物に限定するものではない。但し、もしDOA並びにDOPがその揮発性のみならず、環境ホルモンとして生物環境に影響が多い場合には、本発明の異種複合エステル類は分子量が大きく揮発性や浸透性等の生物活性は高分子である分作用が無く生物活性は弱くなるものと考えられ環境ホルモンを全く含まない可塑剤として有用であり、DOPと同等の可塑剤、耐水性、耐候性も保持した非揮発性の優れた可塑剤となると考えられる。
Claims (3)
- 減圧下で160℃以下の反応温度でアジピン酸、過剰量のジオール及び末端アルキル(一価)アルコールを反応させる第1段階、別途フタール酸又は無水フタール酸と末端アルキル(一価)アルコールとをモル比ほぼ1:1で反応させる第2段階、該第1段階と該第2段階の生成物を反応させる第3段階、第3段階の生成物を減圧下でエステル交換反応させる第4段階から成る、組成式 R(PX)1〜2(AX)0〜1AR(式中、Rは末端アルキル(一価)アルコールを表し、Aはアジピン酸を表し、Pはフタール酸又は無水フタール酸を表し、Xはジオールを表し、エステル結合の記載を省略する。)で表される異種複合エステルの製造方法であって、前記ジオールが炭素数が2〜6の2官能性アルコール又は炭素数が6以下のポリアルキレングリコールであり、前記第1段階で前記末端アルキル(一価)アルコールを少量ずつ添加して反応を進め、前記第3段階で総アルコール当量は酸当量より0.5〜2割多くし、更に、酸価を下げる為にジオールを追加してもよい異種複合エステルの製造方法。
- 前記反応温度が140〜150℃である請求項1に記載の製造方法。
- 前記第2段階を0.2〜10mmHgの減圧下で行う請求項1又は2に記載の製造方法。
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