JP3409068B2 - ジオールジエステルならびにそれを使用して造られる複合エステルならびにポリエステル - Google Patents

ジオールジエステルならびにそれを使用して造られる複合エステルならびにポリエステル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【記号の説明】本明細書でOは酸素を表わす場合と、エ
ステル結合しているオクチル残基を表わす場合がある。
Pはフタ−ル酸残基を表わす。ジオールを次の略号で示
す。 1,2-プロパンジオール = XP; エチレングリコール = XE; ジエチレングリコール = XDE; ジプロピレングリコール = XDP; 1,3-ブタンジオール = X13B; 1,4-ブタンジオール = X14B; 2-エチルヘキサンジオール = X2E; トリプロピレングリコール = XTP。 Aはアジピン酸残基を示すが、特に規定される場合には
ジカルボン酸一般を意味する場合もある。X、A、Pに
隣接するエステル結合の-O-CO-部分を省略した省略記号
を用いる場合がある。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、低揮発性で、長期使用
に対して可塑剤の揮発による硬化を防止した、ポリ塩化
ビニールに添加され、特にポリ塩化ビニールフイルムに
使用される、耐揮発性高分子量可塑剤の製造方法に関連
する。本発明はまた、フタ−ル酸残基を含む単位の重合
度が少なくとも0.3以上の耐水性に優れた、フタ−ル
酸残基を含む単位とアジピン酸残基を含む単位からなる
異種複合エステルに関する。
【0003】
【従来の技術】可塑剤として有用な本発明に記載される
化合物は、下記一般式で記載される構造を有する。 RO(COACOOXO)n(COPCOOXO)mCOACOOR ここでRは一般的に使用されるアルキルアルコールの残
基、Xはジオールの残基、m,nは重合度を表わす0以
上の数を表わすがm+nは0よりも大きい。使用される
二塩基酸は、本明細書でHOCOPCOOHで示されるフタ−ル
酸、及びHOCOACOOHで示される主としてアジピン酸であ
る飽和脂肪族ジカルボン酸である。また使用されるアル
コ−ルは、二官能性アルコールHOXOH、ならびに一官能
性アルコールROHである。化合物、即ち複合エステル並
びに異種複合エステルはこれから製造され、可塑剤とし
て使用したとき耐水性、耐揮発性及び対移行性の優れた
性質を有する。
【0004】ここで複合エステルは、上記一般式でmが
0の場合であり、式 RO(COACOXO)nCOACOOR の一般式で示され、本質的にはnの数が1-7の化合物の混
合物として製造されるものであり、重合度の記載はない
が化学式は既に1930年アメリカ化学会誌に報告されてい
る(JACS52巻3221頁)。本発明者はその単一
複合エステルについての製造研究ならびに組成割合の研
究を行ってきた(高分子論文集47,177(1990))。また複
合エステルの製造方法についてエステル交換反応による
方法を特公平1-25733に、脱水エステル化反応について
特公平4-51540及び米国特許第4661622号に開示した。さ
らに異なる二塩基酸よりなる複合エステルを異種複合エ
ステルと称してその製造方法を特開昭62-234044に、ま
た分子量分布を考慮した脱水エステル化反応による方法
を特開平5-155810に開示した。またジオール成分として
2-エチル-1,3-ヘキサンジオールを使用すると、耐水性
が向上することも分かっている。
【0005】ポリエステル可塑剤は、その分子量に対応
して揮発性が減少する。分子量が大きい1500以上ではそ
の粘度が高く、塩化ビニールの可塑剤として使用すると
きは、可塑性能が悪い。また製造時に酸価を下げた低い
エステルを造ることが簡単ではない。一方、複合エステ
ルは低粘度高可塑性であるが、アジピン酸ジエステルで
ある ROCOACOOR
【0006】(文中DOAと略して記載する)の副生量
が多く不利な点は免れない。とくに分子量分布を考慮
し、また目的のnの複合エステル混合物を製造する方法
として、過剰のDOA副生の条件下でオクタノールを逐
次添加するエステル化反応によって、分布のコントロー
ルされた複合エステルが得られることが見いだされてい
る。即ち、前記特開平5-1558102記載の技術に依って、
ジオールとして一般的な1,3-ブタンジオールを使用した
場合には、n=2.5を目的とした時、使用したアジピン酸
のほぼ93%が複合エステルとなり、またn=3以上では、ほ
ぼ97%が目的の複合エステルになることが判明してい
る。n=3以下の特にnの数の小さい複合エステルを製造
するときは、アジピン酸ジエステルの副生量を多くする
ことが必要である。高分子量のオリゴマーを含まない複
合エステルは、低粘度高可塑性で分子量に対応して低揮
発性であり、非常に優れた可塑剤として使用される可能
性をもっている。
【0007】エステル化反応の一般的な方法では、酸に
対して多量のアルコール使用することが常識的であり、
使用しないと末期の速度が遅く従って低酸価生成物を得
ることが出来ない。複合エステル製造では過剰量の一官
能性アルコールを使用すると、エステルアルコ−ルが副
生し、分子量ならびに分布に大きく影響するので好まし
くないが、酸価を下げるために止むを得ず出来るだけ少
量使用される。ポリエステルであっても、充分エステル
交換反応を行ってエステルアルコ−ルを反応させない
と、残存して混在するエステルアルコールが加熱減量、
耐水性、電気特性、その他の可塑剤の性能を低下させる
事が判明しており、複合エステルを脱水エステル化反応
で製造する際に最後にエステル交換反応を行うことが必
要であることも既に分かっている。
【0008】従来、記載された複合エステル製造時のエ
ステル交換反応(特公平4-51540及び米国特許4661622)
では200℃までで充分であるとの見方をしてきた。記
載された方法に対し更に高温低圧下にエステル交換反応
を行うことが必要で、また250度までの高温処理によ
って格段と向上することが分かっている。また特に重合
度の低いnの数の小さな複合エステルの製造時には、副
生するジエステルの量を予め予測し、副生量以外が反応
して目的物を生成するとして、反応モル数をコントロー
ルして製造することによって、目的の平均分子量の複合
エステルを製造することが出来ることも判明した。
【0009】
【課題を解決する手段】本発明は、ジオールジエステル
の生成を経る異種複合エステル並びに複合エステルの製
造方法に関するものである。
【0010】第一の特徴 複合エステルに使用されるジオ−ル成分は、その分子長
が長いほど、柔軟な可塑剤となることが予想され、1,3-
ブタンジオ−ル、1,4-ブタンジオール、並びに1,6-ヘキ
サンジオール等が検討されまた、エチレングリコ−ルな
らびにプロピレングリコールおよびそのポリマーの検討
も行われてきた。しかしエチレングリコールやプロピレ
ングリコールは揮発性で定量的に反応させることが難し
いことから、むしろ敬遠されてきた。本発明の方法で
は、低級のジオ−ルでも有利に原料として使用できる。
従って、本発明は廉価なジオール成分を使用する経済的
な複合エステルの製造方法である。プロピレングリコー
ルは190℃の沸点を有し、エステル化反応ならびにエ
ステル交換反応に当たって容易に揮発し、その結果、目
的重合度より大幅に生成物の重合度が下がり、同時に生
成物の収量が減少する。このエステル化反応のし難さを
改善するために、予め二塩基酸と過剰量のジオールを反
応させ、ジオ−ルジエステルを製造し、これをジオール
として使用する複合エステルの製造方法の検討を行った
結果、本発明を完成するに至った。
【0011】使用されるジオールジエステル 使用されるジオールジエステルの重合度は、酸とジオー
ルの反応量比でコントロールされ、ジオールの過剰量が
大きいほど重合度pは小さく、即ち1に近く、酸のモル
量に近くなるに従ってp値は大きくなる。この様にして
得られるジオ−ルジエステルの重合度ならびに平均分子
量を計算すると、ジオールと酸のモル比2:1ではp値
は1.8ないし2.3となり、モル比4:1〜7:1の
反応では1.05ないし1.3となる。必要に応じてジ
オールを添加して平均分子量を調節し、また適当な重合
度のジオ−ルジエステルを製造し、反応を行う。
【0012】HOCOACOOH + HOXOH → HOX{AX}pOH (明細書の記載中、X、A、Pに隣接するエステル結合の-
O-CO-部分は省略して記載する場合がある)
【0013】ジオ−ルジエステルはプロパンジオールよ
り作られるものに限定されるものではなく、その他のジ
オール並びにジオールの混合物も使用出来、特長によっ
て使い分けることが出来る。
【0014】反応式を理解しやすくするために、二塩基
酸の残基はアジピン酸をA、フタール酸をPとする。ジオ
ールのアルコール残基をX、2-エチルヘキサノールをOcO
Hと記載し、DOPはOPOと記載し、アジピン酸ジオクチル
エステルはOAO、ジオールはX(OH)2とする。
【0015】本発明の複合エステル製造反応の種類 イ)エステル交換法での複合エステル生成反応は次式に
よって表わされる。 OAO+HOX{(A又はP)X}pOH+OAO →O(AX)n(PX)mAO + 2 OcOH (2) ロ)異種複合エステルのエステル交換法は次式によって
表わされる。 OAO+HOX(PX)pOH+{HOX(AX)pOH}+OAO → O(PX)m(AX)nAO +2OcOH (3) ハ)逐次添加の脱水エステル化法は次式によって表わさ
れる。 2 HOCOACOOH+HOX(PX)pOH+{HOX(AX)pOH}+2ROH → O(PX)m(AX)nAO (4) ニ)フタ−ル酸との反応方式では、同無水物をPOで表わ
すと、 2 PO + HOX(AX)pOH → HPX(AX)pPH +2OcOH → OPX(AX)pPO (5) で表わされる。
【0016】それぞれ分子量、粘度の異なる複合エステ
ルを記載する実施例等には、生成化合物をO(PX)m(AX)nA
Oとして表わし、実験結果から判明するフタ−ル酸残基
を含む単位の重合度mおよびアジピン酸残基を含む単位
の重合度nを与えている。一方ジオールジエステル製造
等に使用したジオ−ル類は、次の用にそれぞれXに記号
を付記して記載する。 1,2-プロパンジオール = XP; エチレングリコール = XE; ジエチレングリコール = XDE; ジプロピレングリコール = XDP; 1,3-ブタンジオール = X13B; 1,4-ブタンジオール = X14B; 2-エチルヘキサンジオール = X2E; トリプロピレングリコール = XTP
【0017】第二の特徴 ジオ−ルジエステルを使用して複合エステルを製造する
ときの第二の効果は、生成物の分子量分布のコントロー
ルができる点である。前記の如くジオールの反応中での
揮発を最低限にすることが第一の特長であるが、また反
応で分子量分布をコントロールすることが出来る。反応
過程でオクタノールの過剰量を使用することは、エステ
ル交換反応を起こして、分子量の異なる低級複合エステ
ルへの異性化を起こし、分子量分布が広くなる。しかし
ジオールジエステルを使用し、減圧下でオクタノールを
除きながら反応させる本発明の方法では、分子量分布が
狭く、n=2の化合物を最も多く含むフラクションの複
合エステルが初めて合成できた。この反応方式では、副
生するジエステル中のOPOの副生を防止することが出来
る。
【0018】分子量分布の狭い目的物を得る為の要件 一般的な複合エステルの製造方法のジオール成分のかわ
りに、ジオ−ルジエステルを単に反応系に添加して、脱
水エステル化反応またはエステル交換反応を行っても良
い。しかし何れの場合でも分子量分布をコントロールし
目的重合度の生成物を得るためには、エステル交換反応
時のアルコール成分とOAOとのモル比が重要である。従
ってOAOの量を実験結果に基づいて予め予測し、未反応
で残るように過剰に使用することが必要である。これら
の反応においては、目的外のエステル交換反応が進行す
るので、反応方法としては減圧下に行うジオール後添加
方式が最も好ましい。
【0019】目的外の反応とは下記の如く、中間体とし
て考えられるOAXAXOHとオクタノールとのエステル交換
反応(6)が同時に進行するものと思われ、後添加方式で
生成するオクタノールを反応系外に除く条件下で初めて
(2)'式による反応生成物n=2の生成が確認された。 OAO + HOXPXOH + OAO →OAX(PX)AO + 2OcOH(2)' HOXAXOH + OAO → OAXAXOH + OcOH (6-1) OAXAXOH + OcOH → 2 OAXOH (6-2) OAXOH + OAO → OAXAO + OcOH (6-3) OAXAXOH + OcOH → OAXAO + HOXOH (6-4) OAXAXAO + OcOH → OAXAXOH + OAO (6-5)
【0020】(6)式の中間体のエステルアルコールは生
成物であるOAXAXAOからもでき、これらの副反応の結果
生成物中のn=1の割合が増加し、分布を測定するとn=1よ
り順次幾何級数的にn の数に従って減少する分布をも
った複合エステル混合物となると考えられ、(2)及び
(2')の反応で、本来n=2が生成すべき反応であるが、n=1
を主とする反応生成物ができる原因となっていると考え
る。対比して、ジオ−ル成分としてエチレングリコール
またはプロピレングリコールを用いて造ったフタ−ル酸
のジオ−ルジエステルを使用する場合では、特に顕著に
n=2の割合がn=1より多く、主として主反応である(2)'式
による反応が進行した。アジピン酸のジオールジエステ
ルを使用する場合でも特定の条件下ではn=2の多い生成
物が得られるが、副反応も多い。いずれにせよ、減圧下
オクタノールを除くような条件下で反応生成物を得た場
合に初めてn=2の生成物の割合の多い複合エステル生成
物を得る事が出来る。この反応において、HOXPXOHを使
用した場合に全部が(3)で記載された反応であると、OPO
の副生は全くない事になる。
【0021】減圧添加様式で反応を行った場合にOPOの
副生は0.5%以下にする事ができるが、最初は反応混合
物を使用してエステル交換反応を行うとOPOが副生ジエ
ステル中に2〜5%含まれ、更に反応混合物を使用して脱
水エステル化条件で反応生成物を得る時には、20%以上
ものOPOがOAO中に副生し、HOXPXOHのフタ−ル酸とジオ
−ルとの結合が、エステル交換反応を受けてオクチルエ
ステルに変わっている。この様な場合生成物中のmおよ
びnが目的よりずれ、製造条件でかなりの変動がある。
特に副生OAOは反応系に循環使用したいので、OPOの分離
が必要となる。
【0022】一方脱水エステル化反応では、ジオールジ
エステルの常時過剰量の存在は、当然前記(6)式に示
す反応が進むので、分子量分布はもとより目的分子量よ
りのずれが大きく、従ってオクタノールを反応の進行に
応じて添加する逐次添加方式を採用すると、これらの問
題点を克服し、定量的な反応を進めることが出来、目的
からのずれを最小限にすることが可能である。
【0023】第三の特徴 第三の特徴はフタ−ル酸単独の複合エステルはその重合
度が大きくなると極端に粘度が高くなり、可塑剤として
は非常に不利である。従って出来るだけ粘度の低いポリ
エステルとする事が好ましいが、アジピン酸は酸強度が
強く加水分解をうけ易く、耐水性が悪い。改良の為にフ
タ−ル酸を部分的に含む複合エステルが好ましいが、高
分子化合物でいうフタ−ル酸エステルのブロック重合体
の形式は粘度が高い。 しかし、ジオ−ルジエステルを
使用してフタ−ル酸との反応を行うと、組成は主として
交互共重合タイプとなることが推測される。実際は反応
中でオリゴマーの生成が起こり分子量は(XAXP)m+
nの形で高分子量化するので、その割合の少ない生成物
を得る事が必要であるが、定量的な反応形式を選択する
ことによって、適当な粘度の複合エステル割合の多い低
揮発性複合エステルを製造することが出来る。
【0024】可塑剤として使用するときは、高沸点複合
エステルを主成分として一般的なDOPまたはDOAと
の混合使用も有り得るので、混合物として製造し使用す
ることも出来るが、複合エステルとしては、対揮発性と
同時に長期使用を考慮し耐水性の優れた可塑剤が必要と
なるものと考えられ、その様な目的に、部分的にフタ−
ル酸重合度を0.3以上特に廉価なジオ−ル成分として
プロパンジオールを使用するときは、0.5−0.6以
上を持つ複合エステルにすることによって顕著に、その
耐水性も保持することが出来る。すでにフタ−ル酸を0.
5以上を有する複合エステルが、耐水性を持つことは、
高分子討論会で報告した。しかしそれらの中にプロパン
ジオール系化合物は未検討であったが、今回確認されそ
れらの化合物に関するものである。
【0025】次ぎに具体的に製造方法に付いてのべる。ジオールジエステルの製造 ジオ−ルジエステルHOXAXOHまたはHOXPXOHの製造方法
は、 ジオール類の過剰量4〜7モル量とアジピン酸ま
たはフタ−ル酸の低級ジエステルとのエステル交換反応
またはフタ−ル酸アジピン酸との直接脱水エステル交換
反応によって、チタン触媒の存在下、脱アルコールまた
は脱水反応を行い、最後に、ジオールを減圧蒸留除去し
て、HOX(AX)pOHの形でジオールジエステルを得る事がで
きる。
【0026】ジオールの使用量は生成物の重合度pに大
きく影響し、等モル関係ではその値は2に近くなる。
低揮発性高可塑性の可塑剤を目的にした場合はpの数が
少ない方が好ましく、ジオ−ルの使用量を4-7モル当量
の大過剰を使用する。7モル当量の場合のp=1.03ないし1.2
でジオール蒸留条件によって、分子量が大きくなる。p
=1に見合う量のジオールを添加し、分子量を揃えて使
用することが好ましいが、実際には補正量を反応時にジ
オールに加えまたは同時に、使用することも出来る。(A
X)nのnのコントロールのためにはその他のジオ−ルに
変えて使用することもできる。この目的には異種ジオー
ルを混合使用して、可塑剤として使用したときの柔軟温
度をコントロールするために使用され、HOXPXOHまたはH
OXAXOHの分子量を揃える目的と同時に実施することがで
きる。pは過剰量のジオールを蒸留除去する際温度を上
げ脱ジオ−ルすることによって大きくなるので、従って
除去量をコントロールすることが必要である。
【0027】フタ−ル酸ジオールジエステルを使用する
特徴 HOXPXOHは主として複合エステルを可塑剤として使用し
たときに、アジピン酸に起因する耐水性の悪さを改善す
る目的で使用され、mの値は0.3ないし3.0程度までの値
となるが、その数が多くなるに従って、粘度が急激に上
昇し、可塑化効率が悪くなる。 特に異種複合エステル
中の(PX)mのmの量は、HOXPXOHの使用割合で決まるが、
その他のジオールを直接添加混合して反応させる外に、
HOXAXOHとの混合ジエステルを使用して反応割合をコン
トロールすることも出来、混合物にするとその粘度が下
って、脱酸素処理が容易になり、使用し易くなる特長が
でる。ジオ−ル成分との組合せでエチレングリコール系
プロパンジオール系では(PX)mのmは0.3以下では耐水性
が不十分で、高湿度下の厳しい条件では、加水分解によ
る劣化がおこり、可塑化物上に析出が見られる様にな
る。
【0028】ジオールの成分 ジオ−ル成分は前記の耐水性、電気特性、柔軟温度に関
連し、オクタンジオールは性能は良いが価格が高い、エ
チレングリコールは価格は良いが耐水性が悪い等の一長
一短が有り、特長に応じて使い分ける必要がある。多く
の実験例の中からプロピレングリコールとジプロピレン
グリコールを使用した複合エステルの性能はほぼ満足出
来るものであって、とくにプロピレングリコールを使用
した際に、ジオールの反応効率は本法によって初めて9
0%以上にすることが出来、その性能と対比して、廉価
な複合エステルを製造する優れた方法となった。
【0029】複合エステルの重合度 複合エステルの重合度はジエステル成分DOAとジオール
との反応モル比によってきまる。従って可塑剤用複合エ
ステルを目的として、低揮発性でDOPと同等または幾分
悪い程度の可塑性を目的とするときは、生成物の粘度を
500cP以下としてm+nを3程度迄として製造する
ことが好ましい。 また、汎用可塑剤と混合使用する目
的では、副生するジエステルを最小限にして製造される
中程度の分子量でm+nが8〜9程度のものが使用さ
れ、高分子量で移行性の少ないポリエステルでは、分子
量が2000程度とすることによって、ポリエステルが製造
できる。一方pの少ないものとジエステル例えばジブチ
ルアジペートを予めエステル交換しポリエステルジオー
ルとしたのち本発明の条件下でポリエステルとすること
も出来る。
【0030】重合度mおよびnは次のようにして計算さ
れる。蒸留によって副生したジエステルをGC分析によ
ってDOPとDOAを確認し平均の分子量を算出し、そ
の値を使用して副生したジエステルのモル数を計算し、
エステル回収率で補正したジエステル回収率qを計算
し、反応したAおよびPの反応量[1ーq]を算出す
る。一方オクタノ−ル中またはエステル化反応で未反応
で回収された量を差し引いたジオールの反応量[X]を
使用してm+n=[X]/{[1−q]−[X]}が計
算され、使用したフタール酸量よりDOPとして回収さ
れた量を差し引いた反応量[P]よりm=[P]/
{[1−q]−[X]}が計算され更にm+nよりmを
差し引いてnの値が算出される。
【0031】全く同様に反応したジオ−ル量「X]と二
塩基酸量[A]または[P]よりp=[A]/{[X]
−[A]}によってジオールジエステルの重合度pが計
算される。
【0032】実施例の記載に当たっては、これらの計算
を行って得られた化合物についてその粘度を記載した。
また可塑剤として使用した時の対揮発性を、180度揮
発減量として、また一部分に付いて、50PHRシート
を使用してJIS法で測定した柔軟温度を記載し、比較
の為に各種ジオ−ル成分を使用した際の耐水性(1%石
鹸水浸漬60℃48時間72時間60RHで乾燥後の重
量減%)測定結果を記載する。これらの揮発性はDOPと
の対比では1/7以下であり、柔軟温度は分子量に対応し
て高くジオールの種類フタ−ル酸含量で影響されるが、
大略−20ないし−12度となった。
【0033】耐水耐移行性異種複合エステル及びポリエ
ステル その耐水対移行性異種複合エステルおよびポリエステル
に関連して述べる。分子量分布のコントロールされた複
合エステル製造方法として、末端アルコールであるオク
タノールを脱水エステル化反応時に逐次添加する事によ
って、分子量をコントロールできることが、分かってい
る。特開平5-1558102参照。この場合にも多量のオクタ
ノールの存在下ではエステルアルコールが生成し分布が
悪くなるが、逐次添加する方法は、特に本発明では、ジ
オールの反応率が良いために、生成物中の副生DOA量
を減少させることができる特長がある。一方既に述べた
異種複合エステルの耐水性移行性を検討したところ、フ
タ−ル酸を含まない複合エステル類に対比し異種複合エ
ステルは優れた耐水性対移行性を示すことが判明した。
また反応に当たっては、フタ−ル酸ジオ−ルジエステル
を使用することによって、フタ−ル酸の反応速度が遅い
短所を大幅に改善することが出来た。フタ−ル酸を含む
ポリエステルでは粘度が上がるばかりではなく、アジピ
ン酸に対比してフタ−ル酸のエステル化反応速度が遅い
ためにポリエステルの末端フタ−ル酸がエステル化され
ずアルカリ洗浄で除去することが難しく酸価の低いポリ
エステルか得られ難いが、この方法によって容易に耐水
対移行性の優れたポリエステルを得ることが出来た。前
述のエステル交換法と逐次添加脱水エステル化法を比較
すると、前者では、副生ジエステル中のDOPの混入を
少なくするために、ジオールジエステルの添加法が採用
され反応時間が非常に短く、生成物の粘度の低い複合エ
ステル類の製造に適しているが、DOAの回収量が多い
短所がある。一方後者では分子量の高いポリエステル並
びに比較的高分子量の複合エステル製造時に副生DOA
(この場合はDOPが混入する)を最小限にして製造す
る方法で、アジピン酸とジオ−ルジエステルの反応モル
比5:3生成物の重合度 m+nが3.5以上で初めて副生割
合を3%以下にすることが出来たが、2:1の反応では
11〜17%のジエステルが副生する。短所として全体
の反応速度が遅く、適切なオクタノール添加時期と触媒
使用量を上手に使って着色のない生成物を得る技術が必
要で、誤ると副生量がすぐ増大し、分子量が増大する。
【0034】分子量の計算されるジオールジエステル 次に分子量の計算されるジオ−ルジエステルについて述
べる。本発明に記載したジオ−ルジエステルは、平均分
子量を計算して使用し、何れも反応モル量通りの反応が
進行した。分布は当然複合エステルの場合と同様n=1か
ら順次大きくなるに従ってその割合が減少するものと思
われ、HPLCによる測定では分離不十分で正しい平均分子
量の測定は出来ていないが、測定可能な複合エステルの
場合と同じであれば計算による平均分子量と全く同じ値
となる。従ってこの様にして製造されたジオ−ルジエス
テルは、ポリウレタン用のポリエステルポリオール成分
などのその他の工業用原料としても使用されるものと考
える。
【0035】フタ−ル酸をアジピン酸に変えて末端フタ
ール酸系複合エステルを製造すると、前記の記号を使用
して(PX)mのmが3でも末端オクタノール複合エス
テルの粘度は7000CPにもなって粘度が高く、可塑性
能が高分子量化に従って急激に悪化する。(PXAX)
の繰り返し単位である交互共重合方式の重合体を得るな
ら、粘度が低くフタ−ル酸の耐水性を利用することが出
来ると考えられる。即ちXAXに相当するジオ−ルジエ
ステルの末端アルコール基を無水物反応で、フタ−ル酸
と反応させ、次いでオクタノールを逐次添加して、末端
酸基をエステル化し、最後にエステル交換反応を行っ
て、製品とするが、既に前に記載した様に、過剰のオク
タノールの影響ならびに無水物反応の定量的反応の難し
さから、使用したフタ−ル酸の10−20モル%がDO
Pとなって副生し、その結果生成物である複合エステル
の粘度が上昇した。しかしながら無水フタ−ル酸の反応
モル数を予め5ー30%過剰に使用して、副生ずるDO
Pとの混合物として製造することによって、粘度も比較
的下げまた混合物中の複合エステルの割合も多い生成物
を作る事が出来、また短い分子長のプロパンジオールに
代えジプロピレングリコールにすることによって、粘度
が比較的低い生成物も得られた。これらの生成物はDO
Pとの混合物である為に、DOPの揮発性が残るがDO
Pが揮発した後複合エステル割合に対応し揮発性の少な
い複合エステル混合物として使用することが可能である
ことが判明した。
【0036】以下に実施例について述べる
【実施例】フタ−ル酸の1,2-プロパンジオ−ルジエステルの使用
【0037】実施例 1 アジピン酸1モル、146g、2-エチルヘキサノール(オクタノ
ール)320g、2.45モルを脱水エステル化反応装置にいれ190
ー240℃で加熱攪拌し、生成した水を除き1時間後0.45gの
テトラブトキシチタンを加え、酸価を測定しながら加熱
攪拌した。2時間後酸価0.1を確認した後、蒸留装置に切
り替え、弱減圧で過剰分のオクタノール54gを蒸留除去
した。次いで別途製造したHOXPPXPOH、0.167モル、47gとH
OX13BOH、0.1667モル、15gの混合液を190ー240℃で80mmHg
ないし20mmHgの減圧下反応液に添加脱オクタノールを行
い、最後は0.5mmHgで充分エステル交換反応をおこなっ
て、47gのオクタノールを回収した。(HOXPPXPOHは次の
如く製造した。1モルのフタール酸無水物、148gに456g、6
モルの1,2-プロパンジールHOXPOHを加え、100℃で加熱攪
拌1時間半後反応温度を上げ、留出液は約15分毎に減圧
蒸留して水を除き,反応機に戻し脱水エステル化反応を
行った。7時間後酸価0.09となり、反応を終了した。減
圧下110℃以下でHOXPOHを蒸留して除き、261.5gの生成
物を得た。分析使用量6.18gを除き計算量よりの不足量1
4.5gを加えてHOXPPXPOH276gを製造した。なおその組成
は、p=1.236と計算され、その0.809モルと0.191モルのHOXPO
Hとの混合物分子量282、0.979モルとして取り扱う事がで
きる。
【0038】複合エステル反応液は100℃で5%アルカリ
水溶液3mLを加え触媒を加水分解し、活性白土濾過しア
ルカリ洗浄ならびに水洗し、蒸留して160ないし210℃/
0.4mmHgで蒸留液156.1gを除き、265℃/0.4以上の残留液
として生成物152.7gを得た。OAXPPXPAO、0.167モル、OA
X13BAO 0.167モル 計 222.0g OAO の副生 123g の計算値
に対しエステルの回収率 89.5%、 従って OAO の補正副
生量 0.461 モル 反応した[A+P]=1+0.167-0.461=0.706 反
応に使用した [Xp+X13]=0.166×3=0.5, n=0.5/(0.706-
0.5)=2.43、m=0.167/(0.206)=0.81、生成物はO(AXP)
0.81(PXP)0.81(AX13)0.81AO と計算される。その粘度は
21℃で 362 cP であった。この可塑剤を 50 PHR 使用
し有機錫系安定剤 2 PHRとともにポリ塩化ビニール樹脂
を使用して作られた成形物を使用して表面硬度を測定し
可塑化効率を測定すると、51 PHR 使用とDOP 50 PHR が
同等と判断された。 160℃加熱減量 2 時間値は 2.1%
で DOP 17%に対し1/8以下であり、耐水性の値(48時間1
%石鹸水60℃浸漬、72時間乾燥後の重量減少率)は0.99
であり、DOPの値 0.8〜1.2に比較してほぼ同等の耐水性
を示した。
【0039】実施例 2 反応(4) 実施例 1 と全く同様にして、1 モル の DOA を作り、p=
1.24のHOXPPXPOH、0.167 モル、47g を減圧下反応液に滴
加し、前と同様に処理し、248g の DOA ど 105.6g の生
成物を得、計算の結果これはO(AXP)1.30(PXP)1.30AOで
あり、その粘度は401cP 高速液体クロマトグラフィによ
る分析では第1ピーク;44%, 第2ピーク;52%, 第3ピーク;
3% 及び第4ピーク;1% のピークを持ち、フタール酸系で
は n=1 生成の異常反応の割合が少ない結果となった。
耐水性は m の値が大きいだけ優れ0.90 で加熱減量 2.2
% 柔軟温度は -9.5℃であった。
【0040】実施例 3 反応(2) 0.64 モル の DOA に 0.16 モルの HOXPPXPOH 45.1gを加え
加熱攪拌してエステル交換反応を主として常圧で行っ
た。 このジオールジエステル は、ジメチルフタレート
2/3 モル と 4 モル の プロパンジールを 5g の チタン触媒を
使用してエステル交換反応で脱 メタノール反応を行って、p=
1.158 分子量 314.で 5.7g の 1,3-ブタンジオールを加
えて平均分子量を調節し、284 としたものである。 こ
の反応で得られた OAO 留分 126.2g は DOP 13.6% が確
認された。 265℃以上/0.4mmHg の生成物110.5g につい
ては計算による組成は O(AXP)1.51(PXP)0.84AO、粘度は
380cP であり、耐水性 0.56、加熱減量 1.76% 柔軟温
度 -9.0℃で製造時に DOP が副生した外は性能は優れた
ものであった。
【0041】実施例 4 反応(4) 0.92 モル 134.3g の アジピン酸と 0.08モル のジオールジ
エステル実施例3使用と同じ HOXPPXPOH 22.6g および
1,3-ブタンジオール 0.24モル 21.6g に 156g 1.2モル の
アジピン酸を加えて脱水エステル化反応を行った。 5
時間後酸価 0.09となり減圧下エステル交換反応を行っ
て、21g を回収した。 実施例 1 同様後処理し蒸留し
て、DOA 留分 138.9g を得たが、DOP を 5.25% 含み使
用したフタール酸の 1/4 強が反応しないで DOP として
留去された。 残留液として 140.8gの生成物を得、その
組成は O(AXP)0.51(PXP)0.30(AX13)1.22AO、粘度 192 c
P で耐水性は 1.22 で幾分 DOP より悪いが、ほぼ近い
性能を示し、柔軟温度も-20.5、揮発減量 2.8% で耐揮
発性で、ジオール成分が HOXPOH と HOX13OH の混合物
となったため耐寒性を備え、性能的には優れたものであ
った。
【0042】実施例 5 反応(2) DOA 1モル に 200℃ ないし 230℃ で 20mmHg の減圧下
0.2モル の HOXPPXPOH 55.4g と HOXDPOH 0.15モル 20.1g
混合物を逐次添加エステル交換反応を行った。生成物は
DOA 138.0g と 376 cP の残留液 173.0g でその組成は
O(AXP)0.89(PXP)0.89(AXDP)1.66AOで有り、耐水性 0.88
揮発減量 2.31% 柔軟温度 -14.0℃で DOP の副生もな
く、製品の性能も優れたものであった。
【0043】実施例 6 反応(4) 無水フタール酸 2/3 モル に プロパンジール 7モル 532g
をいれて 100℃で攪拌した後 アジピン酸 1/3 モル 48.6g
を加え、200〜240℃で脱水エステル化反応を行った。
6 時間後その酸価が 0.08 となり減圧下 HOXPOH を蒸留
し、p=1.07の ジオールジエステル を得 HOXDPOH で補
正をして使用した。 HOXPAXPOH-HOXPPXPOH(1:2) 分子
量 283.2 0.25 モル を 20mmHg 減圧下 200ー230℃で DOA
1 モル370g に滴加し反応を進め、59g の オクタノール
を回収(91%) した。 実施例 1と同様処理し、DOA 201.5
g 残留液 176.2g その粘度 421 cP を得た。 その組成
は O(AXP)1.62(PXP)0.81AO で可塑化効率 52 耐水性は
0.50 加熱減量 2.07%柔軟温度 -12℃であった。
【0044】実施例 7 反応(4) アジピン酸 1 モル 146g に 6 モル 456g の 1,2-プロパン
ジール を加えて反応末期に 1.8g のテトラブトキシチ
タンを加え脱水エステル化反応を行った。 4 時間後酸
価が 0.1 以下になったのち、110℃以下で蒸留し、残留
液としてジオールジエステル HOXPAXPOH を得た。250.9
g の不足量を HOX2EOH 15.1g を加えて補正し、分子量
266 として使用した。0.86モル の 318.2g の DOA に 200
-240℃/20mmHg の減圧下比較的速い速度で添加しながら
脱 オクタノールエステル交換反応を行った。 計算によ
る n は 2.76であるが、高速液体クロマトク゛ラフ による結果
は n=2 が 61.9% で平均分子量は 696n=1.75 を示し、
0.065モル 約 20% の プロパンジオール が エステル交換
反応時に外れて蒸留していることが分かった。生成物の
粘度は174cP、柔軟温度 -22℃、加熱減量2.80%であり、
耐水性は2.36であった。 同様の反応について減圧を 50
-80mmHg で行った結果は、粘度213cP、n=2.76 の複合エ
ステルO(AX)2.76AOを得た。耐水性は2.46であった。柔
軟温度は -20℃ 耐水性2.46 加熱減量 2.18% で可塑剤
として使用したときは幾分耐水性が悪かった。 HPLCの
結果は n=2.89 平均分子量 908 であったが、此の場合
の生成物の分布は、n=1:34.2%, n=2;23.6%, n=3;14.4%,
n=4;8.2%, n=5;4.4% と nの数が増すにつれてその割合
が減少する通常の複合エステルの分子量分布となった。
反応の条件によって特に アジピン酸のジオールジエス
テル HOXAXOH は、異常反応が進み易く、多量の n=1 の
生成が見られた。 しかし HOXPOH の効率は添加速度が
遅いと向上してほぼ定量的に進行した。
【0045】フタ−ル酸のエチレングリコ−ルジエステ
ルの使用 実施例 8 反応(4) 無水フタール酸 1 モル 148g と エチレンク゛リコール 7 モル 434gよ
り脱水エステル化反応を行って後減圧で蒸留し得られた
生成物 258g を 1 モルとして使用した。HOXEPXEOH の 0.
16モル と HOX2EOH 0.08モル DOA 0.84モル より O(AXE)
0.81(PXE)0.81(AX2E)0.4AO、その粘度 425cP を得た。
柔軟温度 -15.5℃耐水性 2.31 加熱減量 2.35%で幾分耐
水性は改善されるが、エチレングリコールの使用は耐水
性が劣る結果となった。
【0046】実施例 9 反応(4) 実施例 7 と同じく HOXEPXEOH 0.14モル 1,3-ブタンジオ
ール 0.187 モルより O(AXE)0.98(PXE)0.98(AX13)080AO、
粘度 329 cP を得、柔軟温度 -16.0℃ 耐水性 1.58 加
熱減量 2.47% であった。
【0047】実施例 10 反応(4) 前と同様 HOXEPXEOH 0.163モル 1,4-ブタンジオール X14B
0.13モルと、1モルの DOAを使用し減圧下添加反応を行って
O(AXE)0.95(PXE)0.55(AX14B)046AO、粘度237cP、柔軟
温度 -19.0℃、加熱減量3.40%を得た。
【0048】フタ−ル酸の1,3-ブタンジオ−ルジエステ
ルの使用 実施例 11、12 0.8 モル 118.4g の フタール酸無水物と 4.8 モル の 1,3-ブタ
ンジオール 混合物を加熱脱水エステル化反応を行いテ
トラブトキシチタン1.2g を加えて反応を続け酸価を0.1
とした。 減圧下ジオール を蒸留し p=1.04の生成物を
得た。 1 モル 370g の DOA に 0.167 モル 48.3g の HOX
13BPX13BOH を200℃/25mmHgで添加エステル交換反応を
行って、37g(96%) の オクタノール を除去した。 例 1
に記載した常法に従って後処理蒸留して、DOA 258.7g
生成物 105.5g を得計算による組成 O(AX13B)1.31(PX
13B)1.31AO で HPLC による分析では n=1;20.7%, n=2;3
1.9%, n=3;17.9%, n=4;9.95%, n=5;5.0%, n=6;2.3% の
分布を示し n=2 の割合が多いが、n=1 の副生割合も多
かった。 その粘度は 569cPであった。 また DOA 1 モル
に対し、0.234モルのHOX13BPX13BOHとの反応生成物は O(A
X13B)2.05(PX13B)2.05AOで n=2 に分布の ピークを持ち
その粘度は 839cP であった。 何れも耐水性、加熱減量
は良いが、柔軟温度は比較的高いことが予想された。 X
PXPX の形の分子構造が多くなると、粘度が急激にあが
る事が分かる。
【0049】フタ−ル酸のジプロピレングリコ−ルジエ
ステルの使用 実施例 13 3 モル のジプロピレングリコールHOXDPOH と 0.5 モル の
ジブチルフタレートBPBに 3g のテトラブトキシチタン
を加え減圧下に 220ー230℃ に加熱攪拌し生成するブタ
ノール71g を除去し、エステル交換反応を行い、110ー11
5℃/0.5 mmHg でジオール を除去し、ジオールジエステ
ル HOXDPPXDPOH 196.6g 計算による n=1.03 で 3.6g
のジオール を加えて補正して使用した。 1 モル 370g の
DOA と 0.167モル の HOXDPPXDPOH 66.3g より減圧下添
加エステル交換反応を行って、230.4g の DOA と 137.0
g の蒸留残液を得, その粘度は 432cP 計算による組成
O(AXDP)1.0(PXDP)1.0AOで、耐水性 0.88 加熱減量 2.09
% 柔軟温度-12.0℃であった。
【0050】実施例 14 実施例 13 で得られたジオールジエステル HOXDPPXDPOH
0.116 モル 53.1g とHOXDPOH 0.116モル 17.8g を0.8 モル
の DOA 中に 200-230/25mmHg で添加し エステル交換反
応を行った。 DOA 130.8g 残留液 159.7g を得その粘度
は 299cP で組成は O(AXDP)1.55(PXDP)0.78AO であっ
た。また成形物を使用した耐水性は 1.20加熱減量 2.25
柔軟温度は -18.0℃であった。
【0051】実施例 15-17 4 モル 536g のジプロピレングリコールと 0.267 モル 39.5
g の フタール酸無水物の混合物を 100℃で 1.5 時間加
熱攪拌し無水物を反応させた後, フタール酸の倍モル 0.5
33 モル の アジピン酸を加え加熱攪拌して脱水エステル
化反応を行った。 1 時間後 チタン触媒を 2g 加えジプロ
ピレングリコールを抜きながら反応を行い 3 時間後酸
価を 0.08 とした。 減圧下に 120℃以下で蒸留してジ
オールを除き残留液として 280.1g の計算による p=1.3
44 を得た。 HOXDPOH 27.1g を加えて補正し、平均分子
量 385 として取り扱った。 アジピン酸ジオクチルエ
ステル DOA 0.8 モル 300g に前記ジオールジエステル1:2
混合物 HOXDPPXDPOH-HOXDPAXDPOH(1:2) の モル数を替え
0.2モル 77g、0.24 モル 92.3g、0.28 モル 107.7g を減圧下
添加エステル交換反応をそれぞれ行って、DOA 144.8g、
127.0g, 97.8g 残留液 162.5g, 182.0g、206.9g を得
た。 それらの組成は O(AXDP)2.74(PXDP)0.55AO, O(AX
DP)3.30(PXDP)0.65AO および O(AXDP)3.35(PXDP)0.67AO
で、粘度は 326cP、334cP、393cP 耐水性 0.91、0.89,
0.69 加熱減量は 2.61, 2.03, 2.65 柔軟温度は -19.5,
-19.0, -16.5℃ であった。
【0052】アジピン酸のジプロピレングリコ−ルジエ
ステルの使用 実施例 18 ジプロピレングリコールHOXDPOH 3.2 モル 429g、シ゛フ゛チルア
シ゛ヘ゜ート BAB 0.8 モル 206.4g を使用して エステル交換法
によって HOXDPAXDPOH の製造を行った。 145-185℃で1
00-25 mmHgの減圧下、チタン触媒1.8gとともに加熱攪拌
して、生成するブタノールを除き エステル交換反応を
行った。 117g の留出液を得、反応を終了し、減圧で 1
20℃までの温度でジオール を除き残留液として 254.7g
計算による、n=1.80 を得た。 HOXDP(AXDP)1.80OH 分
子量 573 としてその 0.111 モル 63.6g を使用して、そ
の 3 倍 モル 0.37 モルDOA 137g を使用して減圧下 エステ
ル交換反応を行った。 生成物は副生 DOA 45.9g 残留液
113.8g その粘度は 360 cP で生成物は O(AXDP)2.44AO
と計算され耐水性は2.20であった。理論的には n=1.8
からは n=2.8 が生成されることになるが、実験結果に
は n=2.4 となり HOX(AX)POH では分子量が小さくなる
レトロ反応が進行する。従って アジピン酸単独系につ
いては、ジオールを過剰に使用する必要はなく、p の大
きなものを使用しても良いが フタール酸が混った系で
は n の減少するレトロ反応の現象は確認出来なかっ
た。
【0053】フタ−ル酸のジエチレングリコ−ルジエス
テルの使用 実施例 19 ジエチレングリコール6モルと無水 フタール酸1モルより製
造した、HOXDEPXDEOH 0.2 モル、64.4g及び1,3-ブタンジ
オール0.15モル、13.5g の混合物を使用して、1 モルのDOA
と減圧下にエステル交換反応を行った。生成物として D
OA 168.5g 残留液として 182.4g を得た。その組成は O
(AXDE)1.10(PXDE)1.10(AX13B)0.83AOであり、その粘度
は 376 cPポリ塩化ビニール可塑化シートとして評価す
ると、耐水性 2.16、加熱減量 2.55%、柔軟温度 -16.5
℃で、耐寒性は良いが、耐水性が劣る結果となった。
【0054】対移行性異種複合エステルならびにオクタ
ノールの逐次添加法による製造例 実施例 20 反応(3)フ゜ロヒ゜レンク゛リコール 304g 4 モル に無水 フタール酸 1/3 モル 4
9.4g を加えて 100℃で 1.5 時間加熱攪拌した。ついで
アジピン酸 2/3 モル 97.4g を加え脱水エステル化反応
を行った。 1 時間後 チタンテトラフ゛トキサイト゛1.5g を加え、プ
ロパンジール中の水を除きながら反応を進め、最後は
温度を上げ230℃で反応を行った。 2.5時間後酸価 0.12
となり、反応を終了した。 減圧で 110℃以下で蒸留し
た結果252.7g の生成物が得られその計算による重合度
p=1.267 平均分子量320.であった。
【0055】この プロパンジオールジエステル 0.3 モル
96g と アジピン酸 0.4 モル 58.4gの混合物を脱水 エス
テル化反応装置にいれ加熱攪拌し、200-230℃反応を進
め、水の留出に応じて オクタノール 0.2 モル 26g を 4.
5/8 当量より 6.5/8 当量の水留出の間に添加しながら
反応を進めた。反応が約 80% 進んだ時から触媒として
0.34g のテトラブトキシチタンを 4g のオクタノール過
剰量に溶かして少量ずつ加え、3 時間後酸価が 0.1 と
なった。 実施例 1 と同様後処理し蒸留して副生した D
OA 0.2gをのぞき生成物 149.2g 0.15 モル計算量に対し8
9.8% 収率を得た。 その粘度は 1671 cP で、計算によ
る組成は0(AXP)5.53(PXP)1.27AOとなった。耐水性のテ
スト結果は 1.7 、加熱減量 1.0% 柔軟温度は -5℃で 5
0PHRより20PHR ポリ塩化ビニールシートへの移行率(重
ね合せプレスシートの12時間後の減量%)は DOP の 3%
にたいして 1.1% 、ポリエチレンに対しては DOP の値
が 9.5% に対して 0.84% であった。
【0056】実施例 21 実施例 20 に記載した プロパンジオールジエステル 0.
3モル、ジプロピレングリコール0.4モルを混合使用し アジ
ピン酸の モル 比を変え0.8 モル を使用し、0.2モルのオクタ
ノール を 13/16 モル 当量の水留出時から 14.5/16 モル
当量までに逐次添加脱水 エステル化反応を行った。 後
処理は前同様に行って、生成物として DOA 0.3g を回収
し、ポリエステル生成物 216.6g を得た。 その粘度は
4354 cPでその組成はO(AXP)4.27(AXDP)4.0(PXP)2.53AO
であった。分子量に対応して移行率が少なく対PVC0.
4%、対ポリエチレン 0.8% であった。
【0057】実施例 22 実施例 20 に記載した プロパンジオールジエステル と
同様に製造しジプロピレングリコールで補正した、p=1.
07 の ジオールジエステルとジプロピレングリコールを
使用し、アジピン酸との モル比を替え、0.3モル+0.2 モル と
0.6 モル を使用し、0.2 モル のオクタノール を使用し、
8.5/12 モル 当量の水留出から 10.2/12 モル 当量までの間
に逐次添加して、脱水 エステル化反応を行った。 生成
物は、0.20g の DOA と 196.06g のホ゜リエステル生成物
粘度 1812cP でその計算による組成はO(AXP)4.02(AXDP)
2.01(PXP)2.01AOであった。 耐水性1.0、対 PVC 移行率
は1.1%、対ポリエチレン1.4%であった。
【0058】実施例 23 前例と同じく調整したアジピン酸とフタ−ル酸のモル比
1:2で製造したプロパンジオールジエステル、平均分子
量 275.3、0.3 モル、82.6gと、アジピン酸 0.6モル、87.6g
に、0.6 モルのオクタノールを、1.2/4 モル当量の水留出よ
り3/4 モル 当量の水留出の間に逐次添加し、脱水エステ
ル化反応を行って、DOA 3.28gと生成物197.0gを得た.
計算によるn=2.06でその組成はO(AXP)1.37(PXP)0.68A
O、粘度は265cPであった。 耐水性1.2で移行率は対 PVC
は1.4%、対ポリエチレンは3.0で幾分多いが、DOPに対比
すると大幅に少なくなった.
【0059】実施例 24 0.3 モル 44.4g の無水フタール酸と 6 モル の プロパンジ
ール 456g を混合し、脱酸素したのち 100℃で加熱攪拌
して無水物を反応させた。次いで0.7 モル 102.2g アジピ
ン酸を加え反応温度を上げ最高 210℃までの温度で留出
する プロパンジール を除き、順次まとめて減圧下に蒸
留して水を除去し プロパンジール は反応系に返した。
反応開始 20 分後 0.8g のテトラブトキシチタン触媒
を添加し 3時間後酸価 0.1 とした。 75-90℃/0.6 mmHg
で プロパンジール を蒸留し、残留した反応液の重量
から、その重合度は 1.111 と計算され分子量は 289.3
として次の反応を行った。 プロパンジオールジエステ
ル 0.21 モル 60.8g、アジピン酸 0.35モル、51.1gの混合物
を脱酸素し、加熱攪拌して脱水エステル化反応(反応モ
ル比=ジオールジエステル:アジピン酸:オクタノール=
3:5:4)を開始し、3/10 当量の水の留出から 6.5/10 ま
でに 0.14 モル 18g のオクタノール 7/10 から 9.0/10
の水留出の間に、残りの 0.14 モル のオクタノール を逐
次添加した。最後に過剰量として 9.5g を 4 回に分け
追加して添加し酸価を 0.1 に下げた。反応終了後 200
℃/0.5 mmHg で エステル交換を行って僅かに生成する
オクタノール を除去した。水および少量のアルカリ水
を加え触媒を不活性化さらに活性白土濾過アルカリ洗浄
水洗を行った後減圧下に蒸留した。 265℃/0.5 mmHg ま
でに蒸留された前留物(DOA)は 1.9g で残留液 127.8g
分析使用量を含め エステル 回収率 99% で副生二塩基
酸割合も 0.9% であった。生成物の粘度は 409cPその組
成はO(AXP)2.58(PXP)0.74AOで耐水性テスト結果は1.0で
ほぼ DOP と同等、柔軟温度も -14℃ で加熱減量2%以下
の優れた可塑剤であった。二塩基酸の反応割合は逐次添
加の仕方によって大幅に変動し、本実施例の反応割合で
も、DOAの副生割合は本記載の 0.9%から13%までの変動
があり、過剰オクタノールの使用量を含めて、オクタノ
ールの厳密な添加時期が、定量的反応生成物を得る為の
要因であった。
【0060】実施例 25 フタール酸と アジピン酸との モル比を 1:2 で製造したX
PX-XAX 混合物を前例に準じて製造しその際反応温度を
あげ プロパンジール を除きながら脱水 エステル化反
応を行って生成物を得た。 その際の p=1.498分子量計
算値 354.6 を使用して、逐次添加 エステル化法による
複合 エステル 製造を行った。 ジオールジエステル
0.3モル 106.4g アジピン酸 0.45モル 65.7g の混合物で反
応を始め、0.3モル のオクタノール 39g を 3.5/6モル 当量
の水の留出より、5/6 モル 当量の水留出の間に逐次添加
し、脱水 エステル 化反応を行った。 DOA 8.53g を副
生し生成物は 151.05g エステル の理論量に対する回収
率 84.6% で補正した DOA 副生量を計算し、反応した A
+P=0.877, n=5.90, m=0.79 組成はO(AXP)5.11(PXP)0.79
AO粘度 466 cP であった。耐水性0.94で優れた値であり
その移行率は、対 PVC1.50% 対 PE 0.97% であり、柔軟
温度は -5.0℃で幾分幾分高いが、低温特性以外の耐水
耐熱対移行性については優れた可塑剤であった。
【0061】実施例 26 6 モルのジプロピレングリコールと 1 モル のジブチルフタ
レートより エステル交換法で製造した ジオールジエス
テル 平均分子量 398.4 を使用しその 0.194モル 77.1g
と アジピン酸 0.38 モル 56.6g の混合物を使用して脱水
エステル化反応を開始し、その 1.8/4 当量の水の留出
から、3/4 当量の水留出の間にオクタノール 0.388 モル
50.4g を逐次添加し最後は少量の過剰オクタノール を
加えて酸価を下げて反応を終了した。生成物は20.9gのD
OA、7.5gのDOPと112.0gの生成物で、その粘度は丁度100
0cPであり、その組成はO(AXDP)1.55(PXDP)1.93AOであっ
た。フタ−ル酸含量が高い分耐水性が優れその値は0.67
であった
【0062】実施例 27 6 モル のジプロピレングリコールと 1 モル のフタ−ル酸
を反応し次いで 0.5 モルの アジピン酸を加えて脱水 エ
ステル 化反応を行って製造した分子量 420 p=1.11 の
混合 ジオールジエステル を使用してオクタノール 逐
次添加脱水 エステル 化を行った。ジオールジエステル
混合物 0.2モル84g アジピン酸 0.44モル 64.3g の混合物で
反応を始め、5.4g の水の留出より 12g の留出の間に
0.48 モル 62.4g のオクタノール を添加し最後に過剰量
のオクタノール を添加して酸価をさげ、エステル交換
反応後脱触媒処理蒸留を行って揮発分として DOP DOA
混合物 44.6g と生成物 100.6g を得た。その粘度は699
cP であった。また可塑剤として使用したときの耐水性
は1.05であった。
【0063】実施例 28 フタール酸無水物 55.5g 0.375 モル と分子量 577 p=1.1
7 の ジプロピレングリコールジアジペート 86.6g、0.1
5モル との トルエン溶液を 80ー120 度で反応した後、0.3
75 モル 48.75g のオクタノール を添加して脱水エステル
化反応を行った。最後は過剰量のオクタノール 9.8g を
少量づつ添加して酸価を下げ、最後にエステル 交換反
応を行って生じたオクタノール を除き、脱触媒水洗後
蒸留して揮発分を除去した。 その粘度は 735 cP であ
った。 更に蒸留すると DOA 15.8g DOP 37.7g および複
合 エステル O(PX)1.87(AX)3.34PO、1950cPが得られ
た。
【0064】735cPのジエステルとの混合物は DOP より
僅かに可塑化効率が悪く同じ表面硬度を得るためには 1
割程度多く使用することが必要であったが、揮発成分
として DOP および DOA を含むけれど DOP に対比する
と揮発減量はほぼ 1/3 で対揮発性可塑剤として使用で
きる可能性があり、耐水性は1.10で優れた値となった。
【0065】実施例 29 オクタノールを逐次添加して、O(AX)n(PX)mAOを製造す
る際に使用したジオ−ルジエステルXAXとXPX2:1の混合
物を使用した際の、末端オクタノ−ル2に対して使用し
たアジピン酸の割合モル量とジオ−ルジエステルの反応
モル比ならびに反応しなかった二塩基酸のモル量(qの
値)を下の表に記載した。参照例として直接13ブタン
ジオ−ルを使用した際のq値を記載した。その結果はジ
オ−ルジエステルを使用した場合にq値が一段と少なく
副生するDOAが少なく、二塩基酸の反応割合が向上し
た。
【0066】 ジオ−ルジエステル使用例 反応モル比 2:2.3:1.3 2:2:1 2:2.5:1.5 2:3:2 (O:A:X) (3:3.5:2) (4:5:3) 生DOA%q値 17-18% 11-12% 7% 3% 1,3-ブタンジオ−ル使用例 反応モル比 2:2:1 2:2.5:1.5 2:3:2 2:4:3 2:5:4(O:A:X) (4:5:3) 副生DOA%q値 22-27% 18% 11-12% 5% 3%
【0067】 実施例のまとめ 性 質 RO(COACOOXO)n(COPCOOXO)mCOACOOR 移行% 実施例 生成物の簡易化学式 耐水性1) 加熱減量2) PVC3) PE4) 対照 DOP 0.8〜1.2 17% 3 9.5 1 O(AXP)0.81(PXP)0.81(AX13)0.81AO 0.99 2.1% 2 O(AXP)1.30(PXP)1.30AO 0.90 2.2% 3 O(AXP)1.51(PXP)0.84AO 0.56 1.76% 4 O(AXP)0.51(PXP)0.30(AX13)1.22AO 1.22 2.8% 5 O(AXP)0.89(PXP)0.89(AXDP)1.66AO 0.88 2.31% 6 O(AXP)1.62(PXP)0.81AO 0.50 2.07% 7 O(AX)2.76AO 2.36/2.46 2.18% 8 O(AXE)0.81(PXE)0.81(AX2E)0.4AO 劣る 2.35% 9 O(AXE)0.98(PXE)0.98(AX13)080AO 1.58 2.47% 10 O(AXE)0.95(PXE)0.55(AX14B)046AO 3.40% 11 O(AX13B)1.31(PX13B)1.31AO 良い 良い 12 O(AX13B)2.05(PX13B)2.05AO 良い 良い 13 O(AXDP)1.0(PXDP)1.0AO 0.88 2.09% 14 O(AXDP)1.55(PXDP)0.78AO 1.20 2.25 15 O(AXDP)2.74(PXDP)0.55AO 0.91 2.61 16 O(AXDP)3.30(PXDP)0.65AO 0.89 2.03 17 O(AXDP)3.35(PXDP)0.67AO 0.69 2.65 18 O(AXDP)2.44AO 2.20 19 O(AXDE)1.10(PXDE)1.10(AX13B)0.83AO 2.16 2.55% 20 O(AXP)5.53(PXP)1.27AO 1.7 1.0% 1.1 0.84 21 O(AXP)4.27(AXDP)4.0(PXP)2.53AO 1.0 0.4 0.8 22 O(AXP)4.02(AXDP)2.01(PXP)2.01AO 1.0 1.1 1.4 23 O(AXP)1.37(PXP)0.68AO 1.2 1.4 3.0 24 O(AXP)2.58(PXP)0.74AO 1.0 2%以下 1.50 0.97 25 O(AXP)5.11(PXP)0.79AO 0.94 26 O(AXDP)1.55(PXDP)1.93AO 0.67 27 − 1.05 28 O(PX)1.87(AX)3.34PO 1.10 DOPの1/31)2) 実施例1参照3)4) 実施例20参照
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−330684(JP,A) 特開 平5−140396(JP,A) 特開 平5−331338(JP,A) 特開 平5−155810(JP,A) 特開 平7−18167(JP,A) 特開 昭60−45547(JP,A) 「第44回ポリ塩化ビニル(PVC)討 論会」講演予稿集,1993年12月 3日, 第7〜14頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アジピン酸及びフタール酸から選択され
    る1種又は2種のジカルボン酸又はそれらのアルキルエ
    ステル; 1,2-プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレ
    ングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ブタンジ
    オール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-
    エチルヘキサンジオール、トリプロピレングリコールか
    ら選択されるジオール、並びに C4〜C10飽和脂肪族の一官能性アルコ−ルから、 式 RO(COACOOXO)n(COPCOOXO)mCOACOOR 〔式中、Xは同一又は異なるものである該ジオ−ルの残
    基、Aはアジピン酸残基、Pはフタ−ル酸残基、RはC
    4〜C10アルキル基、n及びmは0又はそれ以上の数を
    表わすが、m+nが0より大きいことを条件とする〕の
    複合エステル又はポリエステルを製造するに当たって、 予め、該ジオールの全部または一部と、フタ−ル酸また
    はアジピン酸またはそれらの低級アルキルエステルの一
    部とを、該ジオ−ルの過剰で反応させ、式A及び/又は
    A’のジオールジエステル HOX(COC4H6COOX)pOH HOX(COC6H4COOX)pOH ( A ) ( A’) 〔ここでXは上に定義の通りであり、pはジオールジエ
    ステルの重合度である〕を造り、該ジオ−ル成分として
    使用する方法。
  2. 【請求項2】 ジカルボン酸のジオールジエステルとア
    ジピン酸ジエステルとの脱アルコールエステル交換反応
    を行うことからなる、複合エステル類または異種複合エ
    ステルを製造する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 アジピン酸又はフタール酸から選択され
    るジカルボン酸またはそれらのアルキルエステル; 1,2-プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレ
    ングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジ
    オール、1,4-ブタンジオール、2-エチルヘキサンジオー
    ル、トリプロピレングリコールから選択されるジオー
    ル、 並びにC4〜C10飽和脂肪族の一官能性アルコ−ルから
    出発するが、 予め、該ジオールまたはその一部と、フタ−ル酸または
    アジピン酸またはそれらの低級アルキルエステルの一部
    とを、該ジオ−ルの過剰で反応させ、式A及び/又は
    A’のジオールジエステル HOX(COC4H6COOX)pOH HOX(COC6H4COOX)pOH ( A ) ( A’) 〔ここでXは該ジオ−ルの残基であり、pはジオールジ
    エステルの重合度である〕を造り、このジカルボン酸ジ
    オールジエステル(A)及び又は(A')を含むジオ−
    ル成分を使用して、フタ−ル酸またはアジピン酸又はそ
    のアルキルエステル及び該一官能性アルコ−ルと反応さ
    せて、式 RO(COACOOXO)n(COPCOOXO)mCOACOOR 〔式中、Xは該ジオ−ルの残基、Aはアジピン酸残基、
    Pはフタ−ル酸残基、RはC4〜C10アルキル基、m及
    びnは0以上の数であるが、但しm+nは0より大きい
    ことを条件とする〕の複合エステルまたはポリエステル
    を製造する方法において、 該飽和脂肪族の一官能性アルコ−ルを逐次添加して反応
    をすすめることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 式HOXOH〔式中Xは、プロパンジオ
    ール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
    プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタ
    ンジオール、2-エチルヘキサンジオール、及びトリプロ
    ピレングリコールからなる群から選択されるジオールの
    残基〕のジオールと、式HOCOACOOH〔式中Aは
    アジピン酸及びフタール酸からなる群から選択される1
    種又は2種のジカルボン酸の残基〕のジカルボン酸とを
    反応させることにより、式 HOX(COACOOX)pOH の化合物の種々の重合度の分子からなるジオールジエス
    テル組成物を製造するにあたり、式 p=[A]/{[X]−[A]} 又は [X]/[A]=(1+p)/p 〔式中pは1より大きく2以下であるジオールジエステ
    ルの重合度、[X]はジオールのモル濃度、[A]はジカル
    ボン酸のモル濃度である〕及び求めようとするジオール
    ジエステルの重合度pから計算される、ジカルボン酸対
    ジオールのモル比を該ジオ−ルの化学量論的過剰量にし
    て、該ジオールと該ジカルボン酸とを反応させることに
    より該ジオールジエステル混合物からなる分子量の計算
    される組成物を製造することを含む方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法で製造され、フタ
    −ル酸残基を含む単位の重合度が0.3以上である、フタ
    −ル酸残基を含む単位とアジピン酸残基を含む単位から
    なる複合エステル化合物。
  6. 【請求項6】 一官能性飽和脂肪族アルコ−ルが2-エチ
    ルヘキサノールである請求項1〜3のいずれか一に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3及び6のいずれか一の方法
    により製造された物質を含む可塑剤。
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