JP3401037B2 - 複合エステル化合物 - Google Patents

複合エステル化合物

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JP3401037B2 JP35003792A JP35003792A JP3401037B2 JP 3401037 B2 JP3401037 B2 JP 3401037B2 JP 35003792 A JP35003792 A JP 35003792A JP 35003792 A JP35003792 A JP 35003792A JP 3401037 B2 JP3401037 B2 JP 3401037B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な複合エステル化
合物に関する。更に詳しくは、本発明はアジピン酸を必
須成分に含む二塩基酸、2−エチル−1.3−ヘキサン
ジオールを必須成分として含む二官能性アルコール、及
び一官能性アルコールから製造された合成樹脂用の可塑
剤として有用な新規な複合エステル化合物に関する。
【0002】従来より二塩基酸(HOCOACOO
H)、ジオール(HOXOH)、及びモノアルコール
(ROH)の反応により下記構造式(4) に該当する複合
エステルの報告がある(米国特許第 2,703,811号)。 構造式(4) RO(COACOOXO)n COACOOR………(4) また、ジオール成分として本発明に関係する2−エチル
−1.3−ヘキサンジオールを使用して、下記構造式
(5) に該当する複合エステルの報告もある(米国特許第
3,194,764号)。 構造式(5) X−Y−Z−Y−X………(5) 前記構造式(5) において、Yは二塩基酸、Zはジオー
ル、Xはモノアルコールを示す。前記した複合エステル
は、何れも化学量論量の原料を使用して製造される化合
物であると説明されており、かつ何れも潤滑油成分とし
ての有用性が検討されている。
【0003】前記複合エステル類(complex esters)
は、いずれもブロードな分子量分布を有する複合エステ
ル(composite esters)である。即ち、前記米国特許に
記載された製造技術は、分子量分布の異なった複合エス
テルを与えるものの、分子量分布がコントロールされた
ものを与えないものである。別言すれば、前記製造技術
は、分子量分布のコントロール技術を確立していないも
のであり、例えばnの数を固定して目的の化合物を製造
しようとすることはできないものである。
【0004】また、本発明者らは、ジエステルとジオー
ルを使用して、主としてn=1に相当し前記米国特許の
目的としたビス化合物を製造する方法、及び製造された
オリゴマーを含む複合エステル化合物をポリ塩化ビニル
用可塑剤として使用する方法について先に提案した(特
公平 1-25733号)。また、脱水エステル化反応によるビ
ス化合物を製造する方法についても先に提案した(特願
平 4-51540号、米国特許第 4,661,622号)。
【0005】更にまた、本発明者は、二塩基酸とジオー
ルから複合エステルを製造する際に、末端基となる一価
アルコールを添加しつつエステル化反応をおこなうこと
により、生成複合エステルの分子量をコントロールし、
分子量や酸、ジオール類の組合わせの異なった複合エス
テル類が得られること、そしてこれらが可塑剤または潤
滑油として有用であることも先に提案した(特願平3−
348414号)。なお、前記した末端基となる一価ア
ルコール(末端モノアルキルアルコール)は、その炭素
数は特に限定されないがC 6 〜C 12 のものが使用され
る。
【0006】しかしながら、前記した可塑剤は、十分に
満足のいく特性をもっていない。即ち、前記した複合エ
ステル類は、ポリエステル系の可塑剤と比較した場合、
実用的に充分な耐揮発性で、低粘度で加工時の作業性が
良く、可塑性能にも優れているが、大きな欠点を持って
いる。これは、製造時に多量の低揮発性の副生成物が生
成し、従来の可塑剤と比較して製造コストが高いという
ことである。
【0007】また、従来の可塑剤を使用した樹脂の長期
の耐候性を調査してみると湿度の高い環境下において
は、複合エステルの製造工程において不可避的に副生す
るオリゴマーの存在により、樹脂の強度が低下すること
が判明した。更に、長期使用のもとでは、耐水性は重要
な特性であるが、この点でも従来の複合エステル系可塑
剤は十分に優れた特性を有していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来より提案されて来
た複合エステル系可塑剤には、前記したように要求特性
からみて十分に満足のいくものではない。本発明は、低
揮発性で可塑性に優れ、かつ長期の耐候性、耐水性に優
れる可塑剤として有用な新規な複合エステル化合物を提
供しようとするものである。本発明の複合エステル化合
物は、その構成成分として前記した特性を発揮させるた
めにアジピン酸と2−エチル−1.3ヘキサンジオール
とのエステル成分を必要成分とするものであり、あるい
はその他のジオール成分やその他の二塩基酸成分として
フタール酸との共縮合タイプからなるものであり、これ
により前記した特性において優れた可塑剤が提供され
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、下記構造式(1)で示されるアジピン酸と2−
エチル−1.3−ヘキサンジオールよりなるアジピン酸
エステル結合を、一分子中に少なくとも一単位有する下
記構造式(2)または下記構造式(3)で示される複合
エステル化合物。 構造式(1) −OCO(CH24 COOCH2 CH(C25)CH(C37)O− ……………(1) 構造式(2) RO(COACOOX2EO)n COACOOR ……………(2) 構造式(3) RO(COACOOX2EO)n (COBCOOX)m COBCOOR ……………(3) R:アルキルモノアルコールの 6 〜C 12 のアルキル基 X2E:2−エチル−1.3−ヘキサンジオール残基 X:2−エチル−1.3−ヘキサンジオール以外のジオール残基 A:アジピン酸残基 B:アジピン酸又はフタール酸の酸残基 n:1以上の数字 m:0以上の数字 を表わす。
【0010】以下、本発明の技術的構成を詳しく説明す
る。前記したように、本発明は特定の二成分、即ち二塩
基酸成分としてアジピン酸ジオール成分として2−エチ
ル−1.3−ヘキサンジオールを必須成分として調製し
た複合エステル化合物が、可塑剤として極めて有用な特
性を有するという知見をベースとするものである。ここ
で、前記二成分の選択が特殊なものである点を説明す
る。なお、いうまでもないことであるが、前記した従来
技術の複合エステルの製造技術においては、本発明の前
記二成分を組合わせることを開示も示唆もされていない
ものである。
【0011】可塑剤の特性として、前記したように可塑
剤を配分した樹脂系の耐水性は重要な特性である。一般
にポリエステル系可塑剤として、アジペート系は耐水性
が悪く、分子量が2000以上になると幾分良くなるもの
の、まだ不十分なものである。前記した耐水性を改善す
るため、一般には、低分子量のオリゴマーが耐水性の悪
化原因であるとして、低分子量のオリゴマーを除去する
ことが行なわれている。しかしながら、複合エステルは
特にポリエステルに対比すると低分子量のオリゴエステ
ルで高可塑性であり耐熱性に優れた可塑性を示すが、高
分子量化してポリエステルポリマーとして耐水性を良く
すると、その分子量は2000〜4000分子量が要求され、そ
の結果高粘度で可塑剤としての性能が悪くなり、アジピ
ン酸ポリエステルの使用限界がある。本発明の複合エス
テルは、複合エステルのジオール成分として使用されて
きたものであるが、低分子量領域の複合エステルにおい
て、優れた耐水性を有することは前記したことから予測
困難なものである。また、前記構造式(3) のmも低い値
のものであり、同様にこのものが優れた耐水性を有する
ことは予測困難である。
【0012】一方、本発明の他の必須成分であるジオー
ルとしての2−エチル−1.3−ヘキサンジオール成分
は、前記構造式(2) においてn=1〜7までの低分子量
の複合エステル化合物を製造するとき、一般のジオール
に対比して反応速度が低下、副生成物を多く生成する
が、後述する反応方法によって有利に前記アジピン酸成
分と反応して所望の最終反応物を与えるものである。
【0013】また、2−エチル−1.3−ヘキサンジオ
ール成分の特殊性は、次の点からもいえることである。
前記したように耐水性において、アジペート系はフタレ
ート系よりも悪く、使用したモノアルコール(ROH)
の種類により幾分、結果に差があるが2−エチルアルコ
ールが良い結果を与えるので、これを固定してアジピン
酸を主とした複合エステルを調製してみる。この場合、
耐水性に与えるジオール成分の影響が大きく、水溶性の
ジオール成分を使用すると、耐水性の改善の可能性はな
い。しかしながら、ジオール成分として2−エチル−
1.3−ヘキサンジオールを使用した場合、耐水性が大
幅に改善され、かつ複合エステル化合物中に前記構造式
(1) で示される単位が少なくとも一単位含有していれ
ば、十分に目的を達することが判明した。
【0014】次に、本発明の複合エステルを製造する代
表的方法について説明する。 (1)エステル交換方法 これは、二塩基酸(HOCOACOOHまたはROCO
ACOOR)、ジオール(X2E)、及び一官能性末端O
H含有アルコール(一価アルコール)(ROH)から出
発し、二塩基酸とジオール・一価アルコールよりなるジ
エステルROCOACOOX2EOH(以下、エステルア
ルコールという。)との間で脱アルコールエステル交換
反応を行なうことによって複合エステルを製造する方法
である。
【0015】前記したエステル交換方法を反応式で示す
と、以下のようになる。 ROCOACOOX2EOH+ROCOACOOR → RO(COACOOX2En OCOACOOR 前記反応において、エステルアルコールは次のようにし
て生成されるものである。 (i) RCOACOOR+HOX2EOH → ROCOACOOX2EOH+ROH (ii) HOCOACOOH+HOX2EOH+ROH→
ROCOACOOX2EOH+ROCOACOOR+H2
【0016】前記したエステル交換方法において、触媒
の特性を生かした、エステル交換反応を利用した複合エ
ステルの製造方法を採用することができる。前記した触
媒としては、テトラブトキシチタン、チタン酸エステル
などのチタン触媒、二価の錫化合物などのエステル交換
触媒を使用すればよい。前記エステル交換反応を行わな
い単なる脱水エステル化反応では、副生成物として、使
用したアルコールによってエステル交換反応に起因する
副生成物としてのエステルアルコールが残存し、複合エ
ステル生成物の性能を悪化させる。原料となるエステル
アルコールはジエステルより直接エステル交換反応で生
成物を作ることができ、また脱水エステル化反応におい
て予めエステルアルコールとジエステル組成の生成物が
得られるような、反応モル比で脱水エステル化反応を行
なっても良い。エステルアルコールとジエステルの反応
モル比は目的とする複合エステルの分子量に対応して、
反応モル比をコントロールし反応系に添加してエステル
交換反応を行なって目的生成物を得ることができる。
【0017】(2)脱水エステル化反応による製造方法 脱水エステル化法において、ビス化合物(構造式(2) に
おいてn=1のもの)を得ようとするとき、生成物の収
率はほぼ50%程度で、n=2〜7までの混合物が製造
される。その改良法として、オクチルアルコールを末端
アルコールとして有する下記構造式(5) で示される複合
エステルを製造する方法がある。 構造式(5) C8 17O(COACOOX2EO)n COACOOC8 17……(5)
【0018】前記複合エステル化合物は、オクチル末端
変性複合エステルといわれるものである。このものは、
例えば二塩基酸(アジピン酸)とジオール(2−エチル
−1.3−ヘキサンジオール)の当量混合物で脱水エス
テル化反応を開始させ、目的とする複合エステル化合物
の分子量に対応してオクタノール(C8 17OH)の添
加時期を調整し、少量づつ反応系に添加して脱水エステ
ル化反応を進めることによりことにより調製される。こ
の方法により、最終生成物の分子量分布がコントロール
されるとともに、副生物、特にジオクチルアジペート
(DOA)の生成量が少ない目的とする複合エステルが
調製される。前記脱水エステル化反応の後に、脱アルコ
ールエステル交換反応を行なうと、反応時に僅かに副生
する3〜8モル%の低揮発性副生物であるエステルアル
コールを複合エステルに変えることがでるので有利であ
る。
【0019】前記構造式(3) で示される複合エステル化
合物は、前記した反応方式により本発明の必須の二成分
とともに所望の他の成分を使用して調製すればよい。本
発明で必須成分として使用される2−エチル−1.3−
ヘキサンジオールは高価なジオールであが、特に100
%ジオール成分として使用した場合に、耐寒特性が悪く
なる傾向にあり、そのためには、最終製品の耐水性の程
度に応じて使用割合を減じ、その他のジオール成分を併
用することは有効である。例えば、後述する実施例に記
載した1.3−または1.4−ブタンジオール、チオジ
エタノール、トリプロピレングリコール、1.6−ヘキ
サンジオールのほか一般的に複合エステルに使用可能な
エチレングリコールプロパンジオールならびにジまたは
トリエチレングリコールならびにポリプロピレングリコ
ールを併用してもさしつかえない。また、前記構造式
(3) で示される複合エステル化合物を調製する際に使用
する必須成分であるアジピン酸以外の他の二塩基酸とし
ては、フタール酸など所望のものが使用される。
【0020】本発明の複合エステル化合物は、可塑剤と
して有用なものである。本発明の複合エステル化合物
を、一般に優れた可塑剤として知られているDOP(ジ
オクチルフタレート)と比較して同等ないしそれ以上の
優れた特性を示す。例えば、可塑化効率として、塩化ビ
ニル樹脂にDOP50部を配合したときの成形物の表面
硬度と同じ表面硬度になるに必要な量をみると、本発明
の複合エステル化合物は約45〜50である。また、加
熱による揮発減量についてみると、DOPを10とした
とき、本発明の複合エステル化合物は約2であり、優れ
た耐揮発性を有する。更に、耐水性については、DOP
が2.4%であるのに対して、本発明の複合エステル化
合物は同等ないしそれより低い値を示し、耐水性に優れ
ている。なお、耐水性試験は、10mm×10mm×1mmの
テストピースを60℃恒温槽中に設置された3%石けん
水中に浸漬し、48時間後に常温60%湿度下に24時
間放置し、これを2回反復した後、その重量減(%表
示)を測定して行なったものである。以下の実施例にお
ける耐水性試験の内容も、前記と同様である。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
する。なお、本発明は、実施例のものに限定されないこ
とはいうまでもないことである。以下の実施例におい
て、複合エステル化合物の構造式は、次の略記号により
表示される。 (1) O:末端アルコキシ基ROが、2−エチルヘキシ
ルオキシであることを示す。 (2) A:アジピン酸残基であることを示す。 (3) P:フタール酸残基であることを示す。 (4)X2E:2−エチル−1.3−ヘキサンジオール残基
を示す。 (5)X13:1.3−ブタンジオール残基を示す。 (6)XTD:チオジエタノール残基を示す。 (7)XTP:トリプロピレングリコール残基を示す。 (8)XDP:ジプロピレングリコール残基を示す。 (9)X14:1.4−ブタンジオール残基を示す。 (10)XH :1.6−ヘキサンジオール残基を示す。 また、n値において、n=2.5の場合、n=2の化合
物とn=3の化合物の当量混合物と理解すべきである。
【0022】(実施例1) <各種複合エステル化合物 (n=2.5)の耐水性試験>各
種のジアルキルポリ(2.5) (アルカンジイルアジペー
ト)複合エステル化合物を調製し、耐水性(重量減%)
を試験した。結果を以下に示す。 (1) 末端アルコールをROH(2−エチルヘキシルアル
コール)とし、ジオール成分を変化させた場合。 XTP(4.2) ,XDP(3.9) ,X14(2.7) ,XH (2.4) ,X
2E(0.9) (本発明)。 (2) ジオール成分をX13 (1.3 ブタジエンジオール) と
し、モノアルコール成分を変化させた場合。 ドデシルオクチルエステル(2.7) ,ステアリルオクチル
−DOP混合物系(3.2) 、イソデシルジエステル(1.9)
。 (3) その他のエステル類 O(AX)8 AO(2.5) ,DOA(ジオクチルアジペー
ト)(8.6) ,DOP(ジオクチルフタレート)(2.4) 。
【0023】(実施例2) ジ2−エチルヘキシルセスキ(2−エチル−1.3−ヘ
キサンジイルアジペート),O(AX2E1.5 AO 146gのアジピン酸および87.6gの2−エチル1
3−ヘキサンジオールの混合物で脱水エステル化反応を
開始し、104gの2−エチルヘキサノールを分割して
添加し、10.8mlの水の留出までに4半分、水21.
6mlまでに残り4半分を少量づつ滴加し最後に1/2量
を添加し、チタン触媒の存在下で過剰分のオクタノール
を追加して計算量の水を除去し酸価をさげて反応を終っ
た。脱触媒ののちアルカリ洗浄および水洗浄を行ない、
蒸留してDOA留分82.9gを除き残留液として生成
物202.6gを得た。生成物の21℃の粘度は352
センチポイズ(以下、cPで記載する。)であった。な
お、以下、最終生成物である複合エステル化合物の特性
値として可塑化率、加熱減量、耐水性を示す。可塑化率
とは、ポリ塩化ビニル100部に複合エステル化合物を
配合して可塑化シートを作成し、その表面硬度がDOP
50部配合のものと同等となる量をいう。加熱減量は、
160℃で2時間熱処理した後の減量割合(%)で示さ
れる。耐水性は前記した通りである。前記(実施例2)
の最終生成物の可塑化率は46.2、加熱減量は2.7
%、耐水性は2.6%であった。
【0024】(実施例3) ジ2−エチルヘキシルポリ(ジ)(2−エチル−1.3
−ヘキサンジイルアジペート),O(AX2E2 AO 204.4gのアジピン酸および117.4gの2−エ
チル13−ヘキサンジオールの混合物で脱水エステル化
反応を開始し、156gの2−エチルヘキサノールを水
留出4/14までに2/14、水留出8/14までに1
/2を少量づつ加え、チタン触媒の存在下で脱水反応を
おこなった。脱触媒、アルカリ水洗の後、蒸留してDO
A留分137.4gを除き残留液として275.6gの
生成物を得た。生成物は粘度は337cP、可塑効率5
1.3、加熱減量1.3%、耐水性1.66%であっ
た。
【0025】(実施例4) ジ2−エチルヘキシルポリ(2−エチル−1.3−ヘキ
サンジイルアジペート),O(AX2E1.8 AO:(エ
ステル交換反応による調製例) ジ2−エチルヘキシルアジペート185.6g( 0.5モ
ル)と2−エチル13−ヘキサンジオール73.4gに
テトラブトキシチタン1.0gを加え減圧下190〜2
00℃に加熱撹拌してエステル交換反応を行なって生成
する2−エチルヘキサノール25gを蒸留除去した。次
いでジブチルアジペート129g( 0.5モル)を加え加
熱撹拌してエステル交換反応を進め、生成したブタノー
ルを蒸留し、最後にさきに蒸留除去したオクタノール留
分を反応器に戻してエステル交換反応を行なうと最終的
にブタノールが生成し、未反応のオクタノールを含む留
分78.gを回収して反応を終了した。脱触媒、アルカ
リ洗浄及び水洗浄の後、蒸留してDOA留分81.85
g(0.22モル)を除き計算によるn=1.8の生成物が
蒸留残液として193g得られた。生成物は粘度は24
6cP、可塑効率51.0、加熱減量1.3%、耐水性
1.70%であった。
【0026】(実施例5) ジ2−エチルヘキシルポリ(2−エチル−1.3−ヘキ
サンジイルアジペート−1.3−ブタンジイルアジペー
ト),O(AX2E)AX13AO 146gのアジピン酸および48.7gの2−エチル1
3−ヘキサンジオール30gの13−ブタンジオールで
反応を開始し、オクタノール86.7gを分割して水留
出1/3までに1/4、水留出2/3までに2/4、次
いで残量を添加し、脱水エステル化反応をチタン触媒の
存在下でおこなった。常法に従って脱触媒、アルカリ洗
水洗を行ない、蒸留してDOA留分66.6gを除き残
留残液として213gを得た。生成物は粘度は395c
P、可塑効率50.8、加熱減量0.9%、耐水性1.
70%であった。
【0027】(実施例6) ジ2−エチルヘキシルポリ(2−エチル−1.3−ヘキ
サンジイルアジペート−1.3−ブタンジイルアジペー
ト),O(AX2E)AX13AO この実施例は、<O(AX2E)AO+O(AX13)AO
>の混合物系の調製例である。146gのアジピン酸、
36.0gの2−エチル13−ヘキサンジオール、及び
22.5gの13−ブタンジオールの混合物で脱水エス
テル化反応を開始し、130gの2−エチルヘキサノー
ルを部分添加し水の計算量の1/3量の留出までに1/
6量、次の水留出2/3量までに1/3量を少量づつ反
応液に添加、最後に残り1/2の2−エチルヘキサノー
ル加え、チタン触媒の存在下に充分酸価をさげて反応を
終了した。脱触媒、アルカリ洗浄及び水洗浄を行なった
後、蒸留してDOA留分120.7gを除き250℃/
0.4mmHg以上の残留残液として生成物182.9gを
得た。生成物は粘度は242cP、可塑効率47.4、加
熱減量1.9%、耐水性2.72%であった。
【0028】(実施例7) ジ2−エチルヘキシルポリ(2.5 )(2−エチル−1.
3−ヘキサンジイルアジペート),O(AX2E2.5
O アジピン酸204.4gと2−エチル13−ヘキサンジ
オール146gの混合物で脱水エステル化反応を開始
し、2−エチルヘキサノール104gを分割して部分添
加し、水留出3/7量までに1/4量、水留出5/7量
までに1/4量、次いで残り1/2量を添加し、チタン
触媒の存在下脱水エステル化反応を行ない、最後は過剰
のオクタノールを追加して充分酸価をさげて反応を終了
した。情報に従って脱触媒、洗浄処理後、蒸留してDO
A留分37gを除き250℃/0.4mmHg以上の蒸留残
液として生成物245.1gを得た。生成物は粘度56
6cP、可塑効率51.7、加熱減量1.2%、耐水性
1.71%、(0.90%第1回測定値)であった。
【0029】(実施例8) ジ2−エチルヘキシルポリ(1,1.5 )(2−エチル−
1.3−ヘキサンジイルアジペート−1.3−ブタンジ
イルアジペート),OAX2E(AX131.5 AO アジピン酸204.4g、2−エチル13−ヘキサンジ
オール58.8g及び13−ブタンジオール54.1g
の混合物で脱水エステル化反応を開始し、2−エチルヘ
キサノール104gを部分的に分割滴加し、水5/14
量の留出までに1/6、水留出10/14までに1/
3、最後に1/2のオクタノールを加え、チタン触媒の
存在下にエステル化反応を行なって低酸価とした。後処
理後蒸留してDOA留分54.7g(10.56 モル%)と
残留生成物258gを得た。生成物は粘度527cP、可
塑効率49.9、加熱減量0.8%、耐水性1.77%
であった。
【0030】(実施例9) ジ2−エチルヘキシルポリ(1.5 ,1)(2−エチル−
1.3−ヘキサンジイルアジペート−1.3−ブタンジ
イルアジペート),O(AX2E1.5 (AX13)AO 204.4gのアジピン酸に58.8gの2−エチル1
3−ヘキサンジオール、及び54.1gの13−ブタン
ジオールを加えて脱水エステル化反応を開始し、2−エ
チルヘキサノール104gを分割して添加し、水留出5
/14までに1/6、水留出10/14までに1/3、
次いで1/2のオクタノールを添加し、チタン触媒の存
在下に脱水エステル化反応を行なった。常法に従って後
処理し、蒸留してDOA留分54.7gを除き250℃
/0.5mmHgで蒸留残液258gを得た。生成物は粘度
461cP、可塑効率50.4、加熱減量1.2%、耐水
性1.70%であった。
【0031】(実施例10) ジ2−エチルヘキシルポリ(1.5 ,1)(2−エチル−
1.3−ヘキサンジイルアジペート−1.3−ブタンジ
イルアジペート)+DOP この実施例は、<O(AX2E1.5 (AX13)AO+D
OP>の混合物系の特性を評価するものである。実施例
9で調製した複合エステル化合物とDOPとの同重量の
混合物を作ってその可塑剤特性を比較検討した。その結
果は、可塑性能、耐水性はDOPと同等であり、揮発減
量はDOPよりも改善された。本実施例の混合物系は粘
度217cP、可塑効率49.4、加熱減量7.1%、耐
水性2.50%であった。
【0032】(実施例11) ジ2−エチルヘキシルポリ(1.75,0.75)(2−エチル
−1.3−ヘキサンジイルアジペート−1.3−ブタン
ジイルアジペート),O(AX2E1.75(AX130.75
AO 204.4gのアジピン酸、102.4gの2−エチル
13−ヘキサンジオール、及び28.5gの13−ブタ
ンジオールの混合物で反応を開始し、オクタノール10
4gを部分添加し、脱水エステル化反応をチタン触媒の
存在下に行なった。常法に従って後処理し、蒸留してD
OA留分81.1gを除き、250℃/0.4mmHgで蒸
留残液322.8gを得た。生成物は粘度578cP、可
塑効率53.0、加熱減量1.3%、耐水性1.54%
であった。
【0033】(実施例12) ジ2−エチルヘキシルポリ(1.5 ,1)(2−エチル−
1.3−ヘキサンジイルアジペートチオジエタンジイル
アジペート),O(AX2E1.5 (AXTD)AO 170.3gのアジピン酸、73.8gの2−エチル1
3−ヘキサンジオール、及び41.5gのチオジエタン
ジオールの混合物で反応を開始し、オクタノール86.
7gを分割して添加し、チタン触媒の存在下に脱水エス
テル化反応を行なった。後処理後蒸留して蒸留残液とし
て生成物235.2gを得た。生成物は粘度470cP、
可塑効率51.9、加熱減量1.6%、耐水性3.00
%であった。
【0034】(実施例13) ジ2−エチルヘキシルポリ(トリ)(2−エチル−1.
3−ヘキサンジイルアジペート),O(AX2E3 AO 146gのアジピン酸に109.5gの2−エチル13
−ヘキサンジオールを加えて反応を開始し、2−エチル
ヘキサノール65gを分割して加えて脱水エステル化反
応を行なった。常法により後処理をした後蒸留してDO
A留分45.8gを除き、250℃以上の蒸留残液24
8.0gを得た。生成物は粘度913cP、可塑効率5
3.6、加熱減量1.4%、耐水性1.87%であっ
た。
【0035】(実施例14) ジ2−エチルヘキシルポリ(1,2)(2−エチル−
1.3−ヘキサンジイルアジペート−1.3−ブタンジ
イルアジペート),O(AX2E)(AX132 AO 175.2gのアジピン酸、43.6gの2−エチル1
3−ヘキサンジオール、及び54.6gの13−ブタン
ジオールで反応を開始し、2−エチルヘキサノール78
gを分割して添加し、水留出1/3までに21g、次い
で39gを加えながら脱水エステル化反応を行なった。
常法により後処理したのち、蒸留してDOA留分として
51.5gを除き、生成物260gを得た。生成物は粘
度565cP、可塑効率49.1、加熱減量1.6%、耐
水性2.39%であった。
【0036】(実施例15) ジ2−エチルヘキシルポリ(2,1)(2−エチル−
1.3−ヘキサンジイルアジペート−1.3−ブタンジ
イルアジペート),O(AX2E2 (AX13)AO 175.2gのアジピン酸、87.8gの2−エチル1
3−ヘキサンジオール、及び27.4gの13−ブタン
ジオールで反応を開始し、2−エチルヘキサノール78
gを分割して添加し、水留出2/8から滴加をはじめ、
水留出2/3までに留出量に応じて1/2量のオクタノ
ールを添加し、最後に残量を加えて脱水エステル化反応
を終了した。後処理後蒸留してDOA留分45.6g(1
0.27モル%)を除き、残留液として267.3gを得
た。生成物は粘度716cP、可塑効率51.3、加熱減
量1.3%、耐水性2.00%であった。
【0037】(実施例16) ジ2−エチルヘキシルポリ(2,0)(2−エチル−
1.3−ヘキサンジイルアジペートフタレート),O
(AX2E2 PO 無水フタール酸59.2gと38.9gの13−ブタン
ジオールに28gのトルエンを加えて80−90℃で撹
拌し無水物を反応させた。アジピン酸116.9g及び
2−エチル13−ヘキサンジオール58.9gを加えて
脱水エステル化反応を進め、水の1/4が留出したとき
から104gの2−エチルヘキサノールを滴加し、最後
にチタン触媒の存在下に充分酸価を下げて反応を終了し
た。後処理後蒸留しDOAとDOPよりなる留分11
1.4gを除き蒸留残液として220.3gを得た。生
成物は粘度788cP、可塑効率52.6、加熱減量1.
4%、耐水性1.49%であった。
【0038】(実施例17) ジ2−エチルヘキシルポリ(1.5,1)(2−エチル−
1.3−ヘキサンジイルアジペート−1.3−ブタンジ
イルフタレート),O(AX2E1.5 (AX13)PO 無水フタール酸49.3gと13−ブタンジオール30
gにトルエン30gを加え60−75℃で撹拌し無水物
を反応させた。アジピン酸170.3g及び2−エチル
13−ヘキサンジオール74.0gを加えて反応を開始
し、オクタノールを不文添加した。即ち、水留出2/8
より5/8までに1/2を添加し、最後に残量1/2を
添加し、チタン触媒の存在下に脱水エステル化反応を行
ない充分酸価を下げて脱水エステル化反応を終了した。
後処理後蒸留してDOA及びDOP留分として211g
を除き、蒸留残液234gを得た。生成物は粘度422
cP、可塑効率52.3、加熱減量2.0%、耐水性2.
37%であった。
【0039】
【発明の効果】本発明は可塑剤に最適な新規な複合エス
テル化合物に関する。特に可塑剤の要求特性からデザイ
ンされた二塩基酸成分としてアジピン酸、ジアルコール
成分として2−エチル−1.3−ヘキサンジオールを必
須のモノマー成分として調製される複合エステル化合物
に関するものである。本発明の複合エステル化合物は可
塑剤として使用したとき、可塑化率や低揮発性の面で優
れるとともに長期の耐候性、耐水性の点でも優位性を示
す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式(1)で示されるアジピン酸
    と2−エチル−1.3−ヘキサンジオールよりなるアジ
    ピン酸エステル結合を、一分子中に少なくとも一単位有
    する下記構造式(2)または下記構造式(3)で示され
    る複合エステル化合物。 構造式(1) −OCO(CH24 COOCH2 CH(C25)CH(C37)O− ……………(1) 構造式(2) RO(COACOOX2EO)n COACOOR ……………(2) 構造式(3) RO(COACOOX2EO)n (COBCOOX)m COBCOOR ……………(3) R:アルキルモノアルコールの 6 〜C 12 のアルキル基 X2E:2−エチル−1.3−ヘキサンジオール残基 X:2−エチル−1.3−ヘキサンジオール以外のジオール残基 A:アジピン酸残基 B:アジピン酸又はフタール酸の酸残基 n:1以上の数字 m:0以上の数字 を表わす。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の構造式(2) で示される
    複合エステル化合物から成る合成樹脂用可塑剤。
  3. 【請求項3】 合成樹脂が塩化ビニル樹脂である請求項
    2に記載の可塑剤。
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