JP3906809B2 - 線路素子及び半導体回路 - Google Patents

線路素子及び半導体回路 Download PDF

Info

Publication number
JP3906809B2
JP3906809B2 JP2003021220A JP2003021220A JP3906809B2 JP 3906809 B2 JP3906809 B2 JP 3906809B2 JP 2003021220 A JP2003021220 A JP 2003021220A JP 2003021220 A JP2003021220 A JP 2003021220A JP 3906809 B2 JP3906809 B2 JP 3906809B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring
line
dielectric film
semiconductor substrate
generation source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003021220A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004006646A (ja
Inventor
隆 中野
弘和 遠矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2003021220A priority Critical patent/JP3906809B2/ja
Publication of JP2004006646A publication Critical patent/JP2004006646A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3906809B2 publication Critical patent/JP3906809B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L27/00Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate
    • H01L27/02Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components specially adapted for rectifying, oscillating, amplifying or switching and having potential barriers; including integrated passive circuit elements having potential barriers
    • H01L27/04Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components specially adapted for rectifying, oscillating, amplifying or switching and having potential barriers; including integrated passive circuit elements having potential barriers the substrate being a semiconductor body
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/52Arrangements for conducting electric current within the device in operation from one component to another, i.e. interconnections, e.g. wires, lead frames
    • H01L23/522Arrangements for conducting electric current within the device in operation from one component to another, i.e. interconnections, e.g. wires, lead frames including external interconnections consisting of a multilayer structure of conductive and insulating layers inseparably formed on the semiconductor body
    • H01L23/5222Capacitive arrangements or effects of, or between wiring layers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/58Structural electrical arrangements for semiconductor devices not otherwise provided for, e.g. in combination with batteries
    • H01L23/64Impedance arrangements
    • H01L23/642Capacitive arrangements
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/30Technical effects
    • H01L2924/301Electrical effects
    • H01L2924/3011Impedance

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、線路素子及び半導体回路に関し、特に、動作周波数が高いLSIにおいて電源をデカップリングするのに好適な低インピーダンスの線路素子及びこれを備えた半導体回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル回路が引き起こす電磁干渉の原因は、半導体素子(スイッチング素子)のスイッチング動作に伴って誘起される電磁波である。この電磁波は、主にクロック周波数を基本波とする高次の高調波(高周波ノイズ、高周波電磁波ともいう)を含んでいる。LSI内のスイッチング素子で発生した高周波電磁波の一部は、LSI内の電源分配配線を伝搬する過程において、LSI内やパッケージ内、又はプリント回路基板内で信号配線などに誘導結合する。高周波電磁波が信号配線などに誘導結合すると、信号ケーブルや機器から電磁波として放射され、外部に漏洩することとなる。
【0003】
また、LSI内のスイッチング素子から見た電源分配配線の高周波信号に対するインピーダンスであるサージインピーダンスが大きいと、LSI内のスイッチング素子で発生した高周波電磁波が信号配線に干渉し、信号電圧の歪みを発生させる。このような不都合を抑制するためには、電源デカップリング回路を電源分配配線に挿入することが有効である。
【0004】
従来、半導体素子におけるデカップリングでは、特許文献1に開示される「オン・ダイ型のデカップリング・キャパシタンスを有する半導体ダイ」のように、回路の動作周波数に対応する波長に対して素子の大きさが小さかった。このため、集中定数的にキャパシタンスとして扱われるコンデンサを低インピーダンス素子として電源分配配線に付加することによって電源デカップリングを行っていた。
なお、電源分配配線下の酸化膜は、一般的にはフィールド酸化膜(素子分離部の酸化膜)によって構成されており、その膜厚は通常500〜1000nm(5000〜10000Å)である。
【0005】
ところが、上記構成のコンデンサを電源のデカップリングに用いると、その接続配線部分の直列インダクタンスを考慮しなければならなくなる。
【0006】
図13(a)に示すように、配線20とコンデンサ21との間に接続配線22が存在すると、接続配線22のインダクタンスによって、コンデンサ21のデカップリング素子としての特性が劣化してしまう。
【0007】
この対策としてコンデンサを微細に分割して、LSI内、パッケージ内、プリント基板内に配置する手法が用いられている。
コンデンサを微細に分割して配置することにより、接続配線のインダクタンスを低く抑え、デカップリング特性の劣化を低減することが可能となる。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−270643号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コンデンサを微細に分割して配置した場合でも、コンデンサと電源分配配線とを接続する配線のインダクタンスを無視することはできない。
例えば、図13(b)のようにコンデンサ21を配置したとしても、配線20とコンデンサ21とは、平均してコンデンサ21の幅の1/2だけ離れていることとなるため、コンデンサ21のデカップリング特性の劣化は避けられない。
【0010】
さらに、コンデンサは、キャパシンタンスとインダクタンスとの直列共振周波数以上では、インダクタンス成分が支配的となるため、周波数が高くなるほどインピーダンス特性は大きく劣化してしまう。
【0011】
すなわち、コンデンサを微細に分割して配置したとしても、数百MHz以上の周波数帯域においては、コンデンサ自体がインダクタンス特性を示すため、これを用いて構成したデカップリング回路を容量性にすることは不可能であった。
【0012】
デジタル回路の動作周波数が高周波化してGHzのオーダーに突入している現状では、デカップリング素子は、デカップリング回路としての機能させるために必要である低インピーダンス性を数百MHz以上の周波数帯域においても確保していなければならない。
【0013】
上記のように、従来デカップリング素子として用いられてきたコンデンサは、数百MHz以上の周波数帯域においてはインダクタンス特性を示す。このため、クロック周波数がGHzオーダーのデジタル回路においては、従来デカップリング素子として用いられてきたコンデンサとは異なる構造の低インピーダンス素子や低インピーダンス構造が必要となる。
【0014】
本発明は係る問題に鑑みて為されたものであり、従来デカップリング素子として用いられていたコンデンサではデカップリング特性が劣化してしまう高い周波数帯域においても低インピーダンス性を示す素子、及びこれを備えた半導体回路を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、下記構成A又はBのいずれかに係る線路素子を提供するものである。
A:半導体基板と、該半導体基板上に形成された誘電体膜と、誘電体膜上に形成された配線とを有し、半導体基板と誘電体膜と配線とを含んで線路が構成され、線路は、10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源に接続され、半導体基板と配線との間の配線容量が、高周波発生源が発生させる電磁波の周波数帯域において、線路に入射する電磁波の強度(A)と線路を透過した電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下となるように設定されている
B:半導体基板と、該半導体基板上に形成された誘電体膜と、誘電体膜上に形成された配線とを有し、半導体基板と誘電体膜と配線とを含んで線路が構成され、線路は、10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源に接続され、半導体基板と配線との間の配線容量が100pF以上である。
なお、誘電体膜は、SiO2、SiO、SiN、TaO2、TiO2、Al23、MgO、SrTiO3、ZrO2、LaAlO3から選択された少なくともいずれか一つを含むことが好ましい。また、半導体基板は、シリコン基板であることが好ましい。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、下記構成C又はDのいずれかに係る線路素子を提供するものである。
C:半導体基板の主面に形成された誘電体膜と、誘電体膜を挟んで半導体基板主面に形成された一対の拡散層と、誘電体膜上に形成された配線とを有し、半導体基板と誘電体膜と配線とを含んで線路が構成され、線路は、10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源に接続され、半導体基板と配線との間の配線容量が、高周波発生源が発生させる電磁波の周波数帯域において、線路に入射する電磁波の強度(A)と線路を透過した電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下となるように設定されている
D:半導体基板の主面に形成された誘電体膜と、記誘電体膜を挟んで半導体基板主面に形成された一対の拡散層と、誘電体膜上に形成された配線とを有し、半導体基板と誘電体膜と配線とを含んで線路が構成され、線路は、10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源に接続され、半導体基板と配線との間の配線容量が100pF以上である。
なお、誘電体膜は、SiO2、SiO、SiN、TaO2、TiO2、Al23、MgO、SrTiO3、ZrO2、LaAlO3から選択された少なくともいずれか一つを含むことが好ましい。また、半導体基板は、シリコン基板であることが好ましい。配線は、ポリシリコンで形成されることが好ましい。
【0017】
上記本発明の第1の態様の構成B及び第2の態様の構成Dにおいては、高周波発生源が発生させる電磁波の周波数帯域において、線路に入射する電磁波の強度(A)と線路を透過した電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下であることが好ましい。
【0018】
上記本発明の第2の態様においては、拡散層がグランドに接続されることが好ましく、この場合には、拡散層の各々は、線路の側面に近接するとともに該線路に沿って設けられた導電体を介してグランドに接続されることが好ましい。
【0019】
上記本発明の第2の態様のいずれの構成においても、半導体基板、誘電体膜及び配線とともに線路を形成し、配線と電気的に接続された裏打ち導体をさらに有することが好ましい。
上記の裏打ち導体を有する構成においては、半導体基板、誘電体膜、配線及び裏打ち導体とともに線路を構成する絶縁膜を、配線と裏打ち導体との間にさらに有し、配線と裏打ち導体とが、絶縁膜に少なくとも一つ形成されたコンタクトホールによって電気的に接続されることが好ましい。または、裏打ち導体が配線上に直接形成されることが好ましい。
【0020】
上記本発明の第2の態様のいずれの構成においても、拡散層の外側の半導体基板主面にフィールド酸化膜を有し、誘電体膜はフィールド酸化膜よりも薄く形成されることが好ましい。
【0021】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、下記構成E又はFのいずれかに係る線路素子を提供するものである。
E:半導体基板上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成された導電層と、該導電層上に形成された誘電体膜と、該誘電体膜上に形成された配線とを有し、導電層と誘電体膜との界面、及び、誘電体膜と配線との界面の少なくともいずれかに凹凸が形成され、導電層と誘電体膜と配線とを含んで線路が構成され、線路は、10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源に接続され、導電層と配線との間の配線容量が、高周波発生源が発生させる電磁波の周波数帯域において、線路に入射する電磁波の強度(A)と線路を透過した電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下となるように設定されている
F:半導体基板上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成された導電層と、該導電層上に形成された誘電体膜と、該誘電体膜上に形成された配線とを有し、導電層と誘電体膜との界面、及び、誘電体膜と配線との界面の少なくともいずれかに凹凸が形成され、導電層と誘電体膜と配線とを含んで線路が構成され、線路は、10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源に接続され、導電層と配線との間の配線容量が100pF以上である。
なお、誘電体膜は、SiO2、SiO、SiN、TaO2、TiO2、Al23、MgO、SrTiO3、ZrO2、LaAlO3から選択された少なくともいずれか一つを含むことが好ましい。また、半導体基板は、シリコン基板であることが好ましい。また、導電層は、ポリシリコンで形成されることが好ましい。
【0022】
上記本発明の第3の態様構成において高周波発生源が発生させる電磁波の周波数帯域において、線路に入射する電磁波の強度(A)と線路を透過した電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下であることが好ましい。
【0023】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第4の態様として、下記構成G又はHのいずれかに係る半導体装置を提供するものである。
G:10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源と、電源からの電力を高周波発生源へ供給するための電源分配配線と、半導体基板と該半導体基板上に形成された誘電体膜と該誘電体膜上に形成された配線とを含んで構成され、電源分配配線に直列に挿入された線路とを有し、半導体基板と配線との間の配線容量は、高周波発生源から線路に入射する電磁波の強度(A)と、線路を透過して電源へ伝搬する電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下となるように設定されている
H:10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源と、電源からの電力を高周波発生源へ供給するための電源分配配線と、半導体基板と該半導体基板上に形成された誘電体膜と該誘電体膜上に形成された配線とを含んで構成され、電源分配配線に直列に挿入された線路とを有し、線路の半導体基板と配線との間の配線容量が100pF以上である。
なお、誘電体膜は、SiO2、SiO、SiN、TaO2、TiO2、Al23、MgO、SrTiO3、ZrO2、LaAlO3から選択された少なくともいずれか一つを含むことが好ましい。また、半導体基板は、シリコン基板であることが好ましい。
【0024】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第5の態様として、下記構成I又はJのいずれかに係る半導体装置を提供するものである。
I:10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源と、電源からの電力を高周波発生源へ供給するための電源分配配線と、半導体基板と、該半導体基板の主面に形成された誘電体膜と、誘電体膜上に形成された配線とを含んで構成され、電源分配配線に直列に挿入された線路と、誘電体膜を挟んで半導体基板主面に形成された一対の拡散層とを有し、半導体基板と配線との間の配線容量は、高周波発生源から線路に入射する電磁波の強度(A)と、線路を透過して電源へ伝搬する電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下となるように設定されている
J:10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源と、電源からの電力を高周波発生源へ供給するための電源分配配線と、半導体基板と、該半導体基板の主面に形成された誘電体膜と、誘電体膜上に形成された配線とを含んで構成され、電源分配配線に直列に挿入された線路と、誘電体膜を挟んで半導体基板主面に形成された一対の拡散層とを有し、線路の半導体基板と配線との間の配線容量が100pF以上である。
なお、誘電体膜は、SiO2、SiO、SiN、TaO2、TiO2、Al23、MgO、SrTiO3、ZrO2、LaAlO3から選択された少なくともいずれか一つを含むことが好ましい。また、半導体基板は、シリコン基板であることが好ましい。また、配線は、ポリシリコンで形成されることが好ましい。
【0025】
上記本発明の第4の態様の構成H及び第5の態様の構成Jにおいては、高周波発生源から線路に入射する電磁波の強度(A)と、線路を透過して電源へ伝搬する電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下であることが好ましい。
【0026】
上記本発明の第5の態様においては、拡散層がグランドに接続されることが好ましく、この場合には、拡散層の各々は、線路の側面に近接するとともに該線路に沿って設けられた導電体を介してグランドに接続されることが好ましい。
【0027】
上記本発明の第5の態様のいずれの構成においても、半導体基板、誘電体膜及び配線とともに線路を構成し、配線と電気的に接続された裏打ち導体をさらに有することが好ましい。
上記の裏打ち導体を有する構成においては、半導体基板、誘電体膜、配線及び裏打ち導体とともに線路を構成する絶縁膜を、配線と裏打ち導体との間にさらに有し、配線と裏打ち導体とが、絶縁膜に少なくとも一つ形成されたコンタクトホールによって電気的に接続されることが好ましい。または、裏打ち導体が配線上に直接形成されることが好ましい。
【0028】
上記本発明の第5のいずれの構成においても、拡散層の外側の半導体基板主面にフィールド酸化膜を有し、誘電体膜はフィールド酸化膜よりも薄く形成されることが好ましい。
【0029】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第6の態様として、下記構成K又はLに係る半導体装置を提供するものである。
K:10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源と、
電源からの電力を高周波発生源に分配するための電源分配配線と、半導体基板上に設けられた絶縁膜上に形成された導電層と、該導電層上に形成された誘電体膜と、該誘電体膜上に形成された配線とを含んで構成され、電源分配配線に直列に挿入された線路とを有し、導電層と誘電体膜との界面、及び、誘電体膜と配線との界面の少なくともいずれかに凹凸が形成され、導電層と配線との間の配線容量は、高周波発生源から線路に入射する電磁波の強度(A)と、線路を透過して電源へ伝搬する電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下となるように設定されている
L:10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源と、電源からの電力を高周波発生源に分配するための電源分配配線と、半導体基板上に設けられた絶縁膜上に形成された導電層と、該導電層上に形成された誘電体膜と、該誘電体膜上に形成された配線とを含んで構成され、電源分配配線に直列に挿入された線路とを有し、導電層と誘電体膜との界面、及び、誘電体膜と配線との界面の少なくともいずれかに凹凸が形成され、線路の導電層と配線との間の配線容量が100pF以上である。
なお、誘電体膜は、SiO2、SiO、SiN、TaO2、TiO2、Al23、MgO、SrTiO3、ZrO2、LaAlO3から選択された少なくともいずれか一つを含むことが好ましい。また、半導体基板は、シリコン基板であることが好ましい。また、導電層は、ポリシリコンで形成されることが好ましい。
【0030】
上記本発明の第6の態様の構成Lにおいては、高周波発生源から線路に入射する電磁波の強度(A)と、線路を透過して電源へ伝搬する電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下であることが好ましい。
【0031】
上記本発明の第4、第5及び第6の態様のいずれの構成においても、高周波発生源と電源分配配線と線路とは、同一の半導体プロセスにおいて半導体基板に形成されることが好ましい。
【0032】
〔発明の原理〕
以下に、本発明の半導体回路を構成する線路素子の構成及び作用について説明する。
図11に、本発明の半導体回路を示す。この半導体回路は、線路素子17と高周波発生源(例えば、LSI高周波回路。以下、これをスイッチング素子と言い、これを例に説明する。)19とを有する。MOSトランジスタなどから構成されるスイッチング素子19は、電源分配配線を介して直流電源18に接続されている。なお、電源分配配線は線路構造である。
【0033】
スイッチング素子19は、直流電源18から供給される電力によってスイッチング動作を行うが、このスイッチング動作によって電源分配配線に高周波電源電流16を発生させる。すなわち、スイッチング素子19は、高周波電源電流の発生源として動作する。
【0034】
線路素子17は、デカップリング素子として機能する素子であり、可能な限りスイッチング素子19の近くに配置される。
【0035】
線路素子17の特性インピーダンスZcは、直流電源18に直列なインピーダンスZzと並列なインピーダンスZyとで構成されるものとする。スイッチング素子19内のサージインピーダンスZsは未知とし、供給電源線路の特性インピーダンスZ0はデカップリング対象となる周波数帯域において数十Ω程度であるとする。
【0036】
上記半導体回路においては、スイッチング素子19が発生させた高周波電源電流16は、線路素子17の特性インピーダンスZcが小さければ線路素子17によってバイパスされて、直流電源18の側に伝搬しない。すなわち、上記半導体回路においては、線路素子17の特性インピーダンスZcを小さくすることにより、デカップリング特性を向上させることが可能である。
【0037】
図12に、線路素子17を並列アドミッタンスYcに置き換え、Zzを無視することで回路を簡略化して示す。この場合の反射係数Γ及び透過係数Tは、それぞれ二次の散乱行列[S]の要素S11、S21で示され、以下の式(1)〜(3)で表される。なお、式(1)〜(3)において、Yc'=Yc/Y0、Y0=1/Z0、Yc=1/Zcである。
【0038】
【数1】
Figure 0003906809
【0039】
ここで、電源供給線路の特性インピーダンスZ0が線路素子17の特性インピーダンスZcよりもかなり大きいとき、すなわち、Zc/Z0≒0と近似できる場合には、反射係数Γは“−1”となり、透過係数Tは“0”となる。このため、高周波電源電流16は、電源供給系である直流電源18側には透過しないこととなるため、電源デカップリングがなされて電磁放射が抑制される。
換言すると、スイッチング素子19から直流電源18へ伝搬する高周波電源電流16の透過係数Tを上記の式(3)で示した場合に、透過係数Tを実質的に“0”と見なすことができれば、線路素子17はデカップリング素子として良好な特性を示すと言える。
さらに、スイッチング素子19から見た線路素子17のサージインピーダンスの値を非常に小さくすることにより、スイッチング素子19が発生させる信号波の歪みを抑制することができる。
【0040】
前述のように、デカップリング素子として通常のコンデンサを用いた場合には、デカップリングコンデンサと配線との接続配線部分のインダクタンスの影響によりデカップリング特性が劣化する。また、高周波数帯域においては、コンデンサ自体の周波数特性によってデカップリング特性が劣化する。
このため本発明では、図13(c)の線路23のように線路状に形成した素子をデカップリング素子として適用することで、線路素子17のデカップリング特性を向上させている。すなわち、線路構造とすることにより、コンデンサと配線との接続配線長が“0”となるため、接続配線のインダクタンスの影響を受けることが無くなる。また、線路のインピーダンスは、√(L/C)で算出されることからキャパシタンス成分及びインダクタンス成分のみで定まる値となり、周波数に対しては一定値であるため、周波数によるデカップリング特性の劣化が原理的には生じない。
【0041】
図13(b)及び(c)に示すデカップリング素子の透過係数Tを示す行列[S]の要素S21(上記式(3)参照)を、図14に示す。換言すると、図14は、図13(b)及び(c)に示す各デカップリング素子の透過率と周波数との関係を示す図である。図中破線が図13(b)に示されるデカップリング素子の透過係数であり、実線が図13(c)に示されるデカップリング素子の透過係数である。なお、縦軸は透過率(dB)を、横軸は周波数(GHz)を示す。
【0042】
ここで、図13(b)のデカップリング素子は、配線20の長さが2mmで幅が50μm、配線20の下の酸化膜はSiO2で膜厚は500nm(5000Å)、配線容量は2pFである。また、デカップリングコンデンサの容量は8pFであり、デカップリング素子全体としては10pFである。一方、図13(c)のデカップリング素子は、配線(線路23)の長さは2mmで幅が50μm、線路23内の酸化膜はSiO2で膜厚は100nm(1000Å)、配線容量=全容量で10pFである。
【0043】
図13(b)のデカップリング素子の透過率と図13(c)のデカップリング素子の透過率とを比較すると、(c)のデカップリング素子の方が透過率が小さい(すなわち、カット率が高い)ため、デカップリング特性に優れている。
特に、高周波数帯域においては透過率の差が顕著であり、本発明を適用した半導体回路が高周波帯域において優れたデカップリング特性を示すことは明らかである。
【0044】
このように、本発明では、従来は電源分配配線にコンデンサを接続することで行っていた半導体の電源分配配線のデカップリングを、電源分配配線を線路と見なして線路のL(インダクタンス)、C(キャパシンタンス)、R(レジスタンス)を適当な値とし、線路自体にデカップリング特性を持たせた素子を用いて行うことを特徴としている。
【0045】
線路(電源分配配線)自体にデカップリング特性を持たせることにより、コンデンサを用いた従来技術によるデカップリング素子ではデカップリング特性が劣化してしまう高周波数帯域においても、良好なデカップリング特性が得られ、高周波信号源が発生させる電磁波による直流電源の電圧変動の尖頭値を、直流電源電圧の所定%以下(5%以下、より好ましくは3%以下さらに好ましくは1%以下)とすることができる。
【0046】
なお、所望のデカップリング特性を得るためのパラメータとしてはL、C、Rがあるが、LやRは増加すると論理回路スイッチング時の電源電圧変動が増大するなどの問題が生じるため、Cを調整することによってデカップリング特性を調整する必要がある。
【0047】
Cを調整して所望のデカップリング特性を得ようとする場合、10GHzから100GHzの周波数帯域においてデカップリング特性を良好にするためには、線路素子のキャパシタンスCは、現在用いられている半導体の電源分配配線よりも増加させる必要がある。
【0048】
本発明では、線路のキャパシタンス容量(以下、キャパシタンス容量を単に“容量”と称することもある)を増加させる方法として、以下の五つの手法を用いる。
(1)線路内の絶縁膜の膜厚を低減する。
(2)同一チップ内の他の部分で用いている絶縁膜(例えば、トランジスタのゲート絶縁膜)を利用して線路内の絶縁膜の膜厚を低減する。
(3)トランジスタのゲート絶縁膜を利用する場合において、トランジスタのゲート電極の抵抗が配線と異なる場合に、裏打ちしバイパスを設けることにより抵抗を調整し、かつ容量を増加させる。
(4)絶縁膜を従来よりも比誘電率の高い材料で形成し、膜厚調整との併用で等価的に容量を増加させる。
(5)配線表面に凹凸を形成したり、配線自体を凹凸に形成するなどして、半導体基板上で配線が占める面積を増加させること無く、また、絶縁膜を極端に薄くすること無く、容量を増加させる。
なお、上記(4)及び(5)の手法は、その他の手法と併用可能である。
高密度実装化の妨げとならない範囲であれば、線路の面積を大きくして容量を増加させることも可能である。しかし、上記(1)(5)の手法を用いることにより、半導体基板上に線路素子を実装するために必要となる面積を最小限に押さえつつ、線路の容量を増加させることが可能となる。
【0049】
図15に、典型的な従来の半導体の線路の断面を示す。この線路は、基板26の上に酸化膜25と配線24とが積層された構造である。なお、配線24の材料はアルミニウム、酸化膜25の材料はSiO2、基板26の材料は高濃度不純物が拡散されたシリコンである。
ここで、配線24の配線長を2mm、配線幅を50μm、酸化膜25の膜厚を500nm(5000Å)とすると、線路のL、R、Cは、それぞれ、L=1.4nH、R=1.2Ω、C=2pFである。
【0050】
図16に、L及びRを上記の値で一定とし、Cをパラメータとして変化させた場合の線路のMTF(Modulation Transfer Function:振幅伝達関数)を示す。縦軸はMTF(dB)を、横軸は周波数(Hz)を表す。ここでは、線路は10分割のはしご型線路で近似している。線路の容量が増加するのに伴って高周波数帯域においても電磁波が透過しなくなっており、デカップリング特性が向上することが示されている。
【0051】
現在の高速回路においてデカップリング素子に要求される特性は、10〜100GHzの周波数帯域においてMTFが−26dB以下、より好ましくは−30dB以下、特に好ましくは−40dB以下となることである。換言すると、図16からは、特に好ましいデカップリング特性を得るためには、線路素子の容量を100pF以上にする必要があると言える。
【0052】
なお、上述のように、線路素子17の容量は、要求されるデカップリング特性に応じて設定する必要があるため、オンチップ型の半導体回路として、線路素子17とスイッチング素子19と電源分配配線とを同一の半導体基板に形成することが好ましい。さらに加えて言えば、同一の半導体基板に同一の半導体プロセスで形成することが好ましい。このようにすることにより、線路素子17の容量を、スイッチング素子19が電源分配配線に発生させる高周波ノイズをデカップリングするために必要となる値以上に確実に設定できるとともに、線路素子17とスイッチング素子19とを近接させ、より高周波の電磁波の漏洩を低減することが可能となる。さらに、線路素子17とスイッチング素子19とを近接させることにより、これらを接続する配線が半導体基板上で占有する面積を減少させ、高密度実装化を可能とすることができる。
【0053】
以下、線路素子の容量を増加させる手法について、詳細に説明する。
【0054】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
本発明を好適に実施した第1の実施形態について説明する。
図1に、第1の実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の断面構造を示す。この線路素子は、シリコンなどで形成されたP型又はN型の半導体基板3の上に誘電体膜2が形成されており、誘電体膜2上に配線1が形成されたものである。なお、配線1は、スイッチング素子に電力を供給するための電源分配配線の一部分を構成する。
【0055】
半導体基板3には、従来から半導体基板に用いられているあらゆる材料を適用可能であるが、従来から広く用いられているシリコン基板を用いると製造工程が容易となる。
誘電体膜2の材料には、SiO2、SiO、SiN、TaO2、TiO2、Al23、MgO、SrTiO3、ZrO2、LaAlO3などが適用できる。また、これらの酸化膜材料は、単独でも複合でも適用可能である。これらの材料はシリコン半導体プロセスとの整合性が良好であるため、誘電体膜2の材料として好適である。配線1の材料には、ポリシリコンやアルミニウム、アルミニウム合金、銅などの金属を適用できる。
【0056】
10〜100GHzの周波数帯域において良好なデカップリング特性を得るために必要となる100pF以上の配線容量(半導体基板3と配線1との間の容量)は、例えば、配線1を長さ2mmで幅50μmとし、誘電体膜2をSiO2で形成した場合には、膜厚を10nm(100Å)以下とすることで確保できる。
【0057】
なお、比誘電率がSiO2の2倍の“8”であるSiO、窒化シリコン、TaO2、TiO2、Al23及びMgOなどの場合は、膜厚が20nm(200Å)以下であれば100pF以上の配線容量が得られる。同様に、比誘電率がSiO2の4倍の“16”であるSrTiO3、ZrO2などで誘電体膜2を形成する場合は膜厚40nm(400Å)以下、比誘電率がSiO2の6倍の“24”であるLaAlO3などで誘電体膜2を形成する場合は膜厚を60nm(600Å)以下であれば100pF以上の配線容量が得られる。
このように、比誘電率の大きい材料を用いて誘電体膜2を形成することにより、同じ膜厚であれば配線容量を増加させることができ、同じ配線容量であれば膜厚を厚くできる。
【0058】
本実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の製造工程の流れを図2に示す。
まず、半導体基板3の上に誘電体膜2を形成する(ステップS101)。酸化膜を形成するプロセスとしては、CVD法などを適用可能である。なお、誘電体膜2の厚さは、配線容量が100pF以上となる値に制御される。
【0059】
次に誘電体膜2上にアルミニウムなどの金属を蒸着し、金属膜を形成する(ステップS102)。その後、金属膜にパターニングを施して所定幅の配線1を形成する(ステップS103)。例えば、フォトレジストによる写真蝕刻法を用いてパターンを形成し、不要部分を化学浸食(エッチング)によって除去したのち、フォトレジストを洗い落とすことで配線パターンを形成する。
以上の工程によって、半導体基板3上に100pF以上の容量を備えた線路を形成できる。
【0060】
このように、本実施形態に係る半導体回路が備える線路素子は、高周波ノイズが10〜100GHzの帯域であるデジタル回路に適用するために必要なデカップリング特性を備えたものである。
よって、本実施形態によれば、コンデンサではデカップリング特性が劣化してしまう周波数帯域においても良好なデカップリング特性を示す素子を備えた半導体回路を提供できる。
【0061】
〔第2の実施形態〕
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、同一チップ内の他の部分で用いている絶縁膜(例えば、トランジスタのゲート絶縁膜)を利用して線路内の絶縁膜の膜厚を低減することにより、100pFの配線容量を実現するものである。
【0062】
図3に、第2の実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の構成を示す。この線路素子は、シリコンなどで形成された半導体基板3の上に、これと拡散層5,6が間隔を空けて形成されており、拡散層5と6との間の領域に誘電体膜7が配置されている。そして、誘電体膜7の上にはさらに配線8が配置されている。なお、配線8はスイッチング素子に電力を供給するための電源分配配線の一部分を構成する。
拡散層5,6の周囲の半導体基板3上には、素子分離領域(フィールド酸化膜)4が形成されており、フィールド酸化膜4によって囲まれた領域の内外は電気的に分離されている。また、図示するように拡散層5,6は、それぞれグランドに接続することが好ましい。以上の構造においては、半導体基板3と誘電体膜7と配線8とが線路を形成する。なお、半導体基板3と拡散層5,6とは、同一導電型であっても良いし反対導電型であっても良い。例えば、半導体基板3がN型の場合に、N+型の拡散層5,6を設けても良いし、P+型の拡散層を設けても良い。これは、半導体基板3がP型の場合についても同様である。
【0063】
以下、半導体基板3がP型で拡散層5,6がN+型の場合を例に説明する。図3からも明らかなように、半導体基板3、拡散層5,6、誘電体膜7及び配線8からなる構造は、MOS型のトランジスタと同様の構成である。すなわち、本実施形態においては、MOS型トランジスタのゲート電極を線路として利用した構成であり、拡散層5,6がソース及びドレインに、誘電体膜7がゲート絶縁膜に、配線8がゲート電極にそれぞれ該当する構成となっている。
【0064】
誘電体膜7の材料には、SiO2、SiO、SiN、TaO2、TiO2、Al23、MgO、SrTiO3、ZrO2、LaAlO3などが適用できる。また、これらの誘電体材料は、単独でも複合でも適用可能である。これらの材料はシリコン半導体プロセスとの整合性が良好であるため、誘電体膜7の材料として好適である。配線8の材料には、ポリシリコンやアルミニウム、アルミニウム合金、銅などの金属を適用できる。また、拡散層5,6は、不純物(例えば、砒素やリンやボロン)を高濃度に拡散した領域である。なお、半導体基板3については、第1の実施形態と同様である。
【0065】
10〜100GHzの周波数帯域において良好なデカップリング特性を得るために必要となる100pF以上の配線容量(半導体基板3と配線8との間の容量)を得るためには、例えば、配線8を長さ2mmで幅50μmとし、誘電体膜7をSiO2で形成した場合には、膜厚を10nm(100Å)以下とする必要がある。
本実施形態においては、MOSトランジスタのゲート絶縁膜を用いて線路を形成することにより、500〜1000nm(5000〜10000Å)の膜厚が一般的であるフィールド酸化膜4を用いて線路を形成する場合よりも、配線容量を増加させることが容易となる。また、配線容量を備えた線路素子をLSI内のトランジスタと同工程で製造できるため、製造工程を簡略化できる。
【0066】
本実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の製造工程の流れを図4に示す。
まず、半導体基板3上のMOSトランジスタを形成する領域の周囲にフィールド酸化膜4を形成する(ステップS201)。例えば、半導体基板3がシリコンで形成されたP型半導体である場合には、半導体基板3の表面を酸化してフィールド酸化膜4を形成する。次に、半導体基板3表面にゲート絶縁膜として誘電体膜を形成する(ステップS202)。誘電体膜を形成した後、その上に導電膜を形成する(ステップS203)。例えば、減圧CVD法などを用いてポリシリコン膜を形成する。この導電膜上に配線8の形にマスクを施し、不要部分をエッチングした後にマスクを除去して誘電体膜7、配線8を形成する(ステップS204)。その後、半導体基板3表面のフィールド酸化膜4に囲まれた領域のうち、配線8の両脇の領域にイオンを注入して半導体基板3と反対導電型の拡散層5,6を形成する(ステップS205)。例えば、半導体基板3がP型半導体である場合には、N+型の拡散層を形成する。
以上の工程により、半導体基板3と誘電体膜7と配線8とからなる線路を形成できる。
【0067】
配線8に電圧が印加された場合には、実際には半導体基板3もその影響を受けて基板電圧が変動しまうが、線路の両脇に拡散層5,6を設け、これをグランドに接続することで、その影響を抑えて基板電圧の変動を低減できる。
【0068】
一例として、半導体基板3の材料がシリコン、フィールド酸化膜4及び誘電体膜7の材料がSiO2、配線8の材料がポリシリコンの場合、配線8を長さ2mmで幅50μm、配線8の厚さが100nm(1000Å)として、誘電体膜7の膜厚を10nm(100Å)以下とすれば、配線容量を100pF以上とすることができる。
【0069】
図5に、本実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の変形実施例を示す。この変形例では、線路素子を保護するために形成された保護膜40上に形成したグランド配線30と拡散層5,6とを、保護膜40に形成したコンタクト31を介して接続している。この他については図3と同様の構造である。なお、線路素子の構造を理解しやすくするために、(a)においてのみ保護膜40を図示し、(b)及び(c)では図示していない。
【0070】
コンタクト31は、間隔を空けて誘電体膜7に沿わせるとともに、できるだけ線路に近接させて設けられている。このため、コンタクト31の形状は線路が直線状であれば、(a)に示されるように、上面から見た場合には長方形となる形状、すなわち、略平板状となる。なお、コンタクト31の材料としてはアルミニウムやアルミニウム合金、銅などを適用できる。
【0071】
配線8の厚さは、幅と比較すると小さい値ではあるが、コンタクト31をこのように配置することにより、配線8の側面部分を利用して線路全体の配線容量を数%程度増加させることができる。
これにより、線路全体の配線容量をさらに増加させ、線路素子のデカップリング特性をさらに向上させることが可能となる。
【0072】
このように、本実施形態に係る半導体回路が備える線路素子は、高周波ノイズが10〜100GHzの帯域であるデジタル回路に適用するために必要なデカップリング特性を備えたものである。
よって、本実施形態によれば、コンデンサではデカップリング特性が劣化してしまう周波数帯域においても良好なデカップリング特性を示す素子を備えた半導体回路を提供できる。
【0073】
〔第3の実施形態〕
本発明を好適に実施した第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子は、トランジスタのゲート絶縁膜を利用する場合において、トランジスタのゲート電極の抵抗が配線と異なる場合に、裏打ちしバイパスを設けることにより抵抗を調整し、かつ容量を増加させた構成である。
【0074】
図6に、本実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の構成を示す。この線路素子は、シリコンなどで形成されたP型又はN型の半導体基板3の上に、これとは反対導電型の拡散層5,6が間隔を空けて形成されており、拡散層5と6との間の領域に誘電体膜7が配置されている。そして、誘電体膜7の上にはさらに配線8、層間絶縁膜10及び裏打ち配線11が積層配置されている。なお、層間絶縁膜10にはコンタクトホール9が少なくとも一つ形成されており、配線8と裏打ち配線11とはコンタクトホール9を介して電気的に接続されている。なお、配線8とコンタクトホール9と裏打ち配線11とが、スイッチング素子に電力を供給するための電源分配配線の一部分を構成する。
拡散層5,6の周囲の半導体基板3上には、素子分離領域(フィールド酸化膜)4が形成されており、フィールド酸化膜4によって囲まれた領域の内外は電気的に分離されている。また、拡散層5,6は、それぞれグランドに接続されている。以上の構成においては、半導体基板3と誘電体膜7と配線8と層間絶縁膜10と裏打ち配線11とが線路を形成する。
【0075】
図5からも明らかなように、半導体基板3、拡散層5,6、誘電体膜7及び配線8からなる構造は、MOS型のトランジスタである。すなわち、第2の実施形態と同様に、本実施形態もMOS型トランジスタのゲート電極を線路として利用した構成であり、拡散層5,6がソース及びドレインに、誘電体膜7がゲート絶縁膜に、配線8がゲート電極にそれぞれ該当する構成となっている。
【0076】
誘電体膜7や層間絶縁膜10の材料には、SiO2、SiO、SiN、TaO2、TiO2、Al23、MgO、SrTiO3、ZrO2、LaAlO3などを適用できる。これらの材料は、シリコン半導体プロセスとの整合性が良好であるため、誘電体膜7や層間絶縁膜10の材料として好適である。また、これらの誘電体材料は、単独でも複合でも適用可能である。配線8及び裏打ち配線11の材料には、ポリシリコンやアルミニウム、アルミニウム合金、銅などの金属を適用できる。なお、半導体基板3については、第1の実施形態と同様である。
【0077】
MOS型トランジスタのゲート電極を利用する構造の場合、配線8を導電率が比較的低い材料(例えば、不純物拡散されたポリシリコン)で形成すると、配線8の抵抗が大きくなってしまう。この場合には、直流の供給能力が劣化してしまう。
【0078】
本実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子は、アルミニウムなどで裏打ち配線11を形成することで配線8の抵抗を低減している。裏打ち配線11の材料にはアルミニウムの他にもアルミニウム合金や銅などの金属を適用できる。
【0079】
本実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の製造工程の流れを図6に示す。
ステップS301からS304までの工程は、第2の実施形態でのステップS201からS204までの工程と同様である。
配線8を形成したのち、層間絶縁膜10を形成する(ステップS305)。次に、層間絶縁膜10の一部を除去し、コンタクトホール9を形成する(ステップS306)。その後、コンタクトホール9内を含む層間絶縁膜10の表面に、配線11の材料で導電膜を形成する(ステップS307)。その後、この導電膜上に配線8の形にマスクを施し、不要部分をエッチングした後にマスクを除去して裏打ち配線11を形成する(ステップS308)。
【0080】
一例として、半導体基板3の材料をシリコン、フィールド酸化膜4、誘電体膜7及び層間絶縁膜10の材料をSiO2、配線8の材料をポリシリコン、裏打ち配線11の材料をアルミニウムとした場合、配線8を長さ2mmで幅50μm、配線8の厚さが300nm(3000Å)、層間絶縁膜10の厚さを200nm(2000Å)、裏打ち配線11の厚さを1000nm(10000Å)として、誘電体膜7の膜厚を10nm(100Å)以下とすれば、配線容量(半導体基板3と配線8との間の容量)を100pF以上とすることができる。
【0081】
なお、ここでは配線8と層間絶縁膜10と裏打ち配線11とを積層し、層間絶縁膜10に形成したコンタクトホール9を介して配線8と裏打ち配線11とを電気的に接続した構成を示したが、層間絶縁膜10は必ずしも設ける必要はない。例えば、配線8の上に裏打ち配線11を直接積層するようにしてもよい。なお、配線8と裏打ち配線11との間に層間絶縁膜10を設けない構成において、配線8をポリシリコンで形成する場合には、配線8上にバリアメタルを設け、これを介して裏打ち配線11を形成することが好ましい。
【0082】
このように、本実施形態に係る半導体回路が備える線路素子は、高周波ノイズが10〜100GHzの帯域であるデジタル回路に適用するために必要なデカップリング特性を備えたものである。
よって、本実施形態によれば、コンデンサではデカップリング特性が劣化してしまう周波数帯域においても良好なデカップリング特性を示す素子を備えた半導体回路を提供できる。また、配線容量をLSI内のトランジスタと同工程で製造できるため、製造工程を簡略化できる。さらに、直流の供給能力が劣化することもない。
【0083】
〔第4の実施形態〕
本発明を好適に実施した第4の実施形態について説明する。本実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子は、配線表面に凹凸を形成したり、配線自体を凹凸に形成するなどして、半導体基板上で配線が占める面積を増加させること無く、また、絶縁膜を極端に薄くすること無く、容量を増加させた構成である。
【0084】
図7(a)に、本実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の構成の一例を示す。この線路素子は、半導体基板3、絶縁膜12、導体膜13、誘電体膜14及び配線15を有する。半導体基板3は、第1の実施形態と同様にP型又はN型の半導体からなる。半導体基板3の表面には、絶縁膜12、導電層13及び誘電体膜14が積層されており、誘電体膜14の上に配線15が形成されている。なお、配線15はスイッチング素子に電力を供給するための電源分配配線の一部分を構成する。以上の構成においては、導電層13と誘電体膜14と配線15とが線路を形成する。
【0085】
絶縁膜12及び誘電体膜14の材料は、SiO2、SiO、SiN、TaO2、TiO2、Al23、MgO、SrTiO3、ZrO2、LaAlO3などが適用できる。これらの材料は、シリコン半導体プロセスとの整合性が良好であるため、絶縁膜12や誘電体膜14の材料として好適である。また、これらの膜材料は、単独でも複合でも適用可能である。導電層13の材料には、凹凸を容易に形成できる材料を適用することが好ましく、例えばポリシリコンが好適である。配線15の材料には、ポリシリコンやアルミニウム、アルミニウム合金、銅などの金属を適用できる。なお、半導体基板3については、第1の実施形態と同様である。
【0086】
導体膜13と誘電体膜14との界面、及び、誘電体膜14と配線15との界面には凹凸が形成されており、これらの凹凸が線路幅を実質的に広げている。なお、導電層13は、グランド層として使用可能なように形成されている。
【0087】
この線路素子の製造工程の流れを図8に示す。
まず、半導体基板3の上に絶縁膜12を形成する(ステップS401)。酸化膜を形成するプロセスとしては、CVD法などを適用可能である。
【0088】
次に絶縁膜12上に導電層13を形成する(ステップS402)。その後、導電層13に凹凸を形成する(ステップS403)。例えば、ポリシリコンで導電膜13を形成した場合には、ウエットエッチング液を噴霧するなどして表面に凹みを形成できる。また、炉内にSiH4のガスを供給することによって凸起を形成できる。
【0089】
その後、凹凸を形成した導電層13上に誘電体膜14を形成する(ステップS404)。なお、誘電体膜14の厚さは、配線容量(導電層13と配線15との間の容量)が100pF以上となる値に制御される。誘電体膜14を形成した後、その上に金属膜を形成する(ステップS405)。この金属膜上に配線15の形にマスクを施し、不要部分をエッチングした後にマスクを除去して配線15を形成する(ステップS406)。例えば、フォトレジストによる写真蝕刻法を用いてパターンを形成し、不要部分を化学浸食(エッチング)によって除去したのち、フォトレジストを洗い落とすことで配線パターンを形成する。
【0090】
図7(b)に、本実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の別の構成例を示す。(b)に示す半導体回路は、配線自体を凹凸状に形成した構成である。この構成においても、導電層13と誘電体膜14と配線15とが線路を形成する。各部材の材料は、(a)と同様のものを適用可能である。
【0091】
図9に、この線路素子の製造工程の流れを示す。ステップS501及びステップS502の処理は、図8のステップS401及びステップS402とそれぞれ同様である。
【0092】
導電層13を形成した後、導電層13の表面に部分的にマスクを施してからエッチングを行い、導電膜13に起伏を設ける(ステップS503)。その後、ステップS404以降と同様の処理を行って配線パターンを形成する(ステップS504〜S506)。
【0093】
一例として、半導体基板3の材料をシリコン、絶縁膜12及び誘電体膜14の材料をSiO2、導電層13の材料をポリシリコン、配線15の材料をアルミニウムとし、配線15を長さ2mmで幅50μm、配線15の厚さが1000nm(10000Å)、導電膜13の厚さを500nm(5000Å)として、導電層13にエッチングによって幅2.5μmで深さ250nm(2500Å)の凹みを10個形成する。この時、誘電体膜14の膜厚を10nm(100Å)以下とすれば、配線容量(導電層13と配線15との間の容量)を100pF以上とすることができる。
【0094】
このように、本実施形態に係る半導体回路が備える線路素子は、高周波ノイズが10〜100GHzの帯域であるデジタル回路に適用するために必要なデカップリング特性を備えたものである。
よって、本実施形態によれば、コンデンサではデカップリング特性が劣化してしまう周波数帯域においても良好なデカップリング特性を示す素子を備えた半導体回路を提供できる。
【0095】
なお、上記各実施形態は、本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることはない。
【0096】
例えば、上記各実施形態においては、10〜100GHzの周波数帯域でデカップリングを行う場合を例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の周波数帯域においても優れたデカップリング特性を得ることができる。
【0097】
また、上記各実施形態において示した数値はあくまでも一例であり、所望のデカップリング特性が得られるのであれば、例示した数値に限定されるものではない。
【0098】
さらに、上記各実施形態においては、具体例としてシリコン半導体プロセスを用いて説明しているが、ガリウム砒素プロセスなどにおいても適用可能である。このように、本発明は様々な変形が可能である。
【0099】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、従来デカップリング素子として用いられていたコンデンサではデカップリング特性が劣化してしまう高い周波数帯域においても低インピーダンス性を示す素子、及びこれを備えた半導体回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を好適に実施した第1の実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の構成を示す図である。(a)は、断面図。(b)は、斜視図。
【図2】第1の実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明を好適に実施した第2の実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の構成を示す図である。(a)は、A−A’断面図。(b)は、平面図。(c)は、斜視図。
【図4】第2の実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の別の構成例を示す図である。(a)は、B−B’断面図。(b)は、平面図。(c)は、斜視図。
【図6】本発明を好適に実施した第3の実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の構成を示す図である。(a)は、C−C’断面図。(b)は、平面図。(c)は、斜視図。
【図7】第3の実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明を好適に実施した第4の実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の構成を示す図である。(a)は、断面構造の一例を示す。(b)は、断面構造の別の一例を示す。
【図9】第4の実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【図10】第4の実施形態に係る半導体回路に適用される線路素子の別の製造工程の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の半導体回路の回路構成を示す図である。
【図12】本発明の半導体回路の回路構成を簡略化して示す図である。
【図13】デカップリング素子の配置例を示す図である。(a)は、デカップリングコンデンサを接続配線を介して配置した状態を示す図である。(b)は、デカップリングコンデンサを配線に隣接して配置した状態を示す。(c)は、線路の配線自体に容量を持たせてデカップリング素子とした状態を示す。
【図14】デカップリング素子の透過率と周波数との関係を示す図である。
【図15】従来の線路の一例を示す図である。
【図16】振幅伝達関数と周波数との関係を示す図である。
【符号の説明】
1、8、15、24 配線
2、7、14 誘電体膜
3 半導体基板
4 フィールド酸化膜
5、6 拡散層
9 コンタクトホール
10 層間絶縁膜
11 裏打ち配線
12 絶縁膜
13 導電膜
16 高周波電源電流
17 電源デカップリング回路(線路素子)
18 直流電源
19 LSI高周波回路(スイッチング素子)
20 配線
21 コンデンサ
22 接続配線
23 線路
25 酸化膜
26 基板
30 グランド配線
31 コンタクト
40 保護膜

Claims (29)

  1. 半導体基板と、
    該半導体基板上に形成された誘電体膜と、
    前記誘電体膜上に形成された配線とを有し、
    前記半導体基板と前記誘電体膜と前記配線とを含んで線路が構成され、
    前記線路は、10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源に接続され、前記半導体基板と前記配線との間の配線容量が、前記高周波発生源が発生させる電磁波の周波数帯域において、前記線路に入射する電磁波の強度(A)と前記線路を透過した電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下となるように設定されていることを特徴とする線路素子。
  2. 半導体基板と、
    該半導体基板上に形成された誘電体膜と、
    前記誘電体膜上に形成された配線とを有し、
    前記半導体基板と前記誘電体膜と前記配線とを含んで線路が構成され、
    前記線路は、10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源に接続され、前記半導体基板と前記配線との間の配線容量が100pF以上であることを特徴とする線路素子。
  3. 半導体基板の主面に形成された誘電体膜と、
    前記誘電体膜を挟んで前記半導体基板主面に形成された一対の拡散層と、
    前記誘電体膜上に形成された配線とを有し、
    前記半導体基板と前記誘電体膜と前記配線とを含んで線路が構成され、
    前記線路は、10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源に接続され、前記半導体基板と前記配線との間の配線容量が、前記高周波発生源が発生させる電磁波の周波数帯域において、前記線路に入射する電磁波の強度(A)と前記線路を透過した電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下となるように設定されていることを特徴とする線路素子。
  4. 半導体基板の主面に形成された誘電体膜と、
    前記誘電体膜を挟んで前記半導体基板主面に形成された一対の拡散層と、
    前記誘電体膜上に形成された配線とを有し、
    前記半導体基板と前記誘電体膜と前記配線とを含んで線路が構成され、
    前記線路は、10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源に接続され、前記半導体基板と前記配線との間の配線容量が100pF以上であることを特徴とする線路素子。
  5. 前記高周波発生源が発生させる電磁波の周波数帯域において、前記線路に入射する電磁波の強度(A)と前記線路を透過した電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下であることを特徴とする請求項2又は4記載の線路素子。
  6. 前記拡散層がグランドに接続されたことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項記載の線路素子。
  7. 前記拡散層の各々は、前記線路の側面に近接するとともに該線路に沿って設けられた導電体を介してグランドに接続されたことを特徴とする請求項6項記載の線路素子。
  8. 前記半導体基板、前記誘電体膜及び前記配線とともに前記線路を形成し、前記配線と電気的に接続された裏打ち導体をさらに有することを特徴とする請求項3から7のいずれか1項記載の線路素子。
  9. 前記半導体基板、前記誘電体膜、前記配線及び前記裏打ち導体とともに前記線路を構成する絶縁膜を、前記配線と前記裏打ち導体との間にさらに有し、前記配線と前記裏打ち導体とが、前記絶縁膜に少なくとも一つ形成されたコンタクトホールによって電気的に接続されたことを特徴とする請求項8記載の線路素子。
  10. 前記裏打ち導体が前記配線上に直接形成されたことを特徴とする請求項8記載の線路素子。
  11. 前記拡散層の外側の前記半導体基板主面にフィールド酸化膜を有し、前記誘電体膜は前記フィールド酸化膜よりも薄く形成されたことを特徴とする請求項3から10のいずれか1項記載の線路素子。
  12. 半導体基板上に形成された絶縁膜と、
    該絶縁膜上に形成された導電層と、
    該導電層上に形成された誘電体膜と、
    該誘電体膜上に形成された配線とを有し、
    前記導電層と前記誘電体膜との界面、及び、前記誘電体膜と前記配線との界面の少なくともいずれかに凹凸が形成され、
    前記導電層と誘電体膜と前記配線とを含んで線路が構成され、
    前記線路は、10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源に接続され、前記導電層と前記配線との間の配線容量が、前記高周波発生源が発生させる電磁波の周波数帯域において、前記線路に入射する電磁波の強度(A)と前記線路を透過した電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下となるように設定されていることを特徴とする線路素子。
  13. 半導体基板上に形成された絶縁膜と、
    該絶縁膜上に形成された導電層と、
    該導電層上に形成された誘電体膜と、
    該誘電体膜上に形成された配線とを有し、
    前記導電層と前記誘電体膜との界面、及び、前記誘電体膜と前記配線との界面の少なくともいずれかに凹凸が形成され、
    前記導電層と誘電体膜と前記配線とを含んで線路が構成され、
    前記線路は、10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源に接続され、前記導電層と前記配線との間の配線容量が100pF以上であることを特徴とする線路素子。
  14. 前記高周波発生源が発生させる電磁波の周波数帯域において、前記線路に入射する電磁波の強度(A)と前記線路を透過した電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下であることを特徴とする請求項13記載の線路素子。
  15. 10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源と、
    電源からの電力を前記高周波発生源へ供給するための電源分配配線と、
    半導体基板と該半導体基板上に形成された誘電体膜と該誘電体膜上に形成された配線とを含んで構成され、前記電源分配配線に直列に挿入された線路とを有し、
    前記半導体基板と前記配線との間の配線容量は、前記高周波発生源から前記線路に入射する電磁波の強度(A)と、前記線路を透過して前記電源へ伝搬する電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下となるように設定されていることを特徴とする半導体回路。
  16. 10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源と、
    電源からの電力を前記高周波発生源へ供給するための電源分配配線と、
    半導体基板と該半導体基板上に形成された誘電体膜と該誘電体膜上に形成された配線とを含んで構成され、前記電源分配配線に直列に挿入された線路とを有し、
    前記線路の前記半導体基板と前記配線との間の配線容量が100pF以上であることを特徴とする半導体回路。
  17. 10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源と、
    電源からの電力を前記高周波発生源へ供給するための電源分配配線と、
    半導体基板と、該半導体基板の主面に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された配線とを含んで構成され、前記電源分配配線に直列に挿入された線路と、
    前記誘電体膜を挟んで前記半導体基板主面に形成された一対の拡散層とを有し、
    前記半導体基板と前記配線との間の配線容量は、前記高周波発生源から前記線路に入射する電磁波の強度(A)と、前記線路を透過して前記電源へ伝搬する電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下となるように設定されていることを特徴とする半導体回路。
  18. 10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源と、
    電源からの電力を前記高周波発生源へ供給するための電源分配配線と、
    半導体基板と、該半導体基板の主面に形成された誘電体膜と、前記誘電体膜上に形成された配線とを含んで構成され、前記電源分配配線に直列に挿入された線路と、
    前記誘電体膜を挟んで前記半導体基板主面に形成された一対の拡散層とを有し、
    前記線路の前記半導体基板と前記配線との間の配線容量が100pF以上であることを特徴とする半導体回路。
  19. 前記高周波発生源から前記線路に入射する電磁波の強度(A)と、前記線路を透過して前記電源へ伝搬する電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下であることを特徴とする請求項16又は18記載の半導体回路。
  20. 前記拡散層がグランドに接続されたことを特徴とする請求項17から19のいずれか1項記載の半導体回路。
  21. 前記拡散層の各々は、前記線路の側面に近接するとともに該線路に沿って設けられた導電体を介してグランドに接続されたことを特徴とする請求項20記載の半導体回路。
  22. 前記半導体基板、前記誘電体膜及び前記配線とともに前記線路を構成し、前記配線と電気的に接続された裏打ち導体をさらに有することを特徴とする請求項17から21のいずれか1項記載の半導体回路。
  23. 前記半導体基板、前記誘電体膜、前記配線及び前記裏打ち導体とともに前記線路を構成する絶縁膜を、前記配線と前記裏打ち導体との間にさらに有し、
    前記配線と前記裏打ち導体とが、前記絶縁膜に少なくとも一つ形成されたコンタクトホールによって電気的に接続されたことを特徴とする請求項22記載の半導体回路。
  24. 前記裏打ち導体が前記配線上に直接形成されたことを特徴とする請求項22記載の半導体回路。
  25. 前記拡散層の外側の前記半導体基板主面にフィールド酸化膜を有し、前記誘電体膜は前記フィールド酸化膜よりも薄く形成されたことを特徴とする請求項17から24のいずれか1項記載の半導体回路。
  26. 10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源と、
    電源からの電力を前記高周波発生源に分配するための電源分配配線と、
    半導体基板上に設けられた絶縁膜上に形成された導電層と、該導電層上に形成された誘電体膜と、該誘電体膜上に形成された配線とを含んで構成され、前記電源分配配線に直列に挿入された線路とを有し、
    前記導電層と前記誘電体膜との界面、及び、前記誘電体膜と前記配線との界面の少なくともいずれかに凹凸が形成され、
    前記導電層と前記配線との間の配線容量は、前記高周波発生源から前記線路に入射する電磁波の強度(A)と、前記線路を透過して前記電源へ伝搬する電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下となるように設定されていることを特徴とする半導体回路。
  27. 10〜100GHzの周波数帯域に含まれる電磁波を発生させる高周波発生源と、
    電源からの電力を前記高周波発生源に分配するための電源分配配線と、
    半導体基板上に設けられた絶縁膜上に形成された導電層と、該導電層上に形成された誘電体膜と、該誘電体膜上に形成された配線とを含んで構成され、前記電源分配配線に直列に挿入された線路とを有し、
    前記導電層と前記誘電体膜との界面、及び、前記誘電体膜と前記配線との界面の少なくともいずれかに凹凸が形成され、
    前記線路の前記導電層と前記配線との間の配線容量が100pF以上であることを特徴とする半導体回路。
  28. 前記高周波発生源から前記線路に入射する電磁波の強度(A)と、前記線路を透過して前記電源へ伝搬する電磁波の強度(B)との比である透過率((B/A)×100)が−40dB以下であることを特徴とする請求項27記載の半導体回路。
  29. 前記高周波発生源と前記電源分配配線と前記線路とは、同一の半導体プロセスにおいて前記半導体基板に形成されることを特徴とする請求項15から28のいずれか1項記載の半導体回路。
JP2003021220A 2002-04-08 2003-01-29 線路素子及び半導体回路 Expired - Fee Related JP3906809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003021220A JP3906809B2 (ja) 2002-04-08 2003-01-29 線路素子及び半導体回路

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002105186 2002-04-08
JP2003021220A JP3906809B2 (ja) 2002-04-08 2003-01-29 線路素子及び半導体回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004006646A JP2004006646A (ja) 2004-01-08
JP3906809B2 true JP3906809B2 (ja) 2007-04-18

Family

ID=28672352

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003021220A Expired - Fee Related JP3906809B2 (ja) 2002-04-08 2003-01-29 線路素子及び半導体回路

Country Status (6)

Country Link
US (1) US6903438B2 (ja)
EP (1) EP1359667A3 (ja)
JP (1) JP3906809B2 (ja)
KR (1) KR100565142B1 (ja)
CN (1) CN1270377C (ja)
TW (1) TW200306662A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7172947B2 (en) * 2004-08-31 2007-02-06 Micron Technology, Inc High dielectric constant transition metal oxide materials
JP5016210B2 (ja) * 2005-09-16 2012-09-05 シャープ株式会社 圧電薄膜積層トランス及びその製造方法
KR101163220B1 (ko) 2010-08-27 2012-07-06 에스케이하이닉스 주식회사 반도체 집적회로

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL8701997A (nl) * 1987-08-26 1989-03-16 Philips Nv Geintegreerde halfgeleiderschakeling met ontkoppelde dc bedrading.
JPH0548020A (ja) * 1991-08-12 1993-02-26 Mitsubishi Electric Corp 半導体集積回路
US5396198A (en) * 1992-09-09 1995-03-07 Hitachi, Ltd. Electronic circuit device having a series connection of resistor and capacitance as a noise reducing circuit connected to a power source wiring
JP2919241B2 (ja) * 1993-09-13 1999-07-12 日本電気株式会社 電源配線
JPH07130951A (ja) * 1993-10-29 1995-05-19 Toshiba Corp 半導体集積回路装置
US5959320A (en) 1997-03-18 1999-09-28 Lsi Logic Corporation Semiconductor die having on-die de-coupling capacitance
JP3843708B2 (ja) * 2000-07-14 2006-11-08 日本電気株式会社 半導体装置およびその製造方法ならびに薄膜コンデンサ
US6624501B2 (en) * 2001-01-26 2003-09-23 Fujitsu Limited Capacitor and semiconductor device

Also Published As

Publication number Publication date
US6903438B2 (en) 2005-06-07
CN1450637A (zh) 2003-10-22
TW200306662A (en) 2003-11-16
US20030189247A1 (en) 2003-10-09
CN1270377C (zh) 2006-08-16
JP2004006646A (ja) 2004-01-08
EP1359667A3 (en) 2004-12-01
KR100565142B1 (ko) 2006-03-30
EP1359667A2 (en) 2003-11-05
KR20030081081A (ko) 2003-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6903918B1 (en) Shielded planar capacitor
EP1538672B1 (en) Semiconductor device
TWI423515B (zh) 積體電路結構
TWI402960B (zh) 用於半導體之接地屏蔽
US7202126B2 (en) Semiconductor device and method of manufacturing same
CA2381117C (en) Improved multiple terminal capacitor structure
US8587064B2 (en) Semiconductor device
CN205508776U (zh) 半导体装置
TWI517350B (zh) 用於無線應用之高功率半導體裝置及用以形成高功率半導體裝置之方法
JPWO2008078731A1 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP3906809B2 (ja) 線路素子及び半導体回路
TWI459538B (zh) 並聯電容器及具有並聯電容器之射頻功率電晶體
US7586195B2 (en) Semiconductor device
JP2004221317A (ja) 半導体装置
JP3637903B2 (ja) 半導体回路の製造方法
JP4935071B2 (ja) 線路素子および線路素子を適用した半導体回路
WO2023181803A1 (ja) 電子部品及び回路装置
JP7400634B2 (ja) Soi基板及びsoi基板の製造方法
US20230395508A1 (en) Semiconductor structure and fabrication method thereof
JPH08298307A (ja) 半導体装置
KR20030013191A (ko) 집적형 인덕터
JP2005101649A (ja) 半導体回路およびその製造方法
CN114695342A (zh) 改进寄生电容的品质因数
KR19980084131A (ko) 패드의 기생캐패시턴스 감소형 반도체 장치
US20100264509A1 (en) Enhanced Transmission Lines for Radio Frequency Applications

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040701

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110126

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110126

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120126

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130126

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130126

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees