JP2004221317A - 半導体装置 - Google Patents

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Satoshi Sakurai
智 櫻井
Yoshikuni Matsunaga
良国 松永
Tomoyuki Miyake
智之 三宅
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Abstract

【課題】800MHz以上の高周波回路においてモノリシックキャパシタのQ値を向上し、挿入損失を低減することのできる技術を提供する。
【解決手段】下部電極4、容量絶縁膜5および上部電極6からなるキャパシタC1の周りに、上部電極6と下部電極4との間を囲む壁状のガードG1(タングステンコンタクト8、プラグ7、下部電極4と同一層の金属層4a、プラグ11および上部電極6と同一層の金属層6a)を配置し、打ち抜き層9を介して半導体基板1に接続してガードG1をGND電位とする。これにより、上下電極間から漏れる輻射電力が抑えられるので、輻射損失が小さくなり、Q値を向上することができ、また挿入損失を低減することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特に、半導体基板上に能動素子および受動素子を一体に形成した集積回路、例えばMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit:モノリシックマイクロ波集積回路)に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話の送信用アンプに用いられている高周波パワーアンプモジュールは、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)などの能動素子を1つの半導体チップで構成し、受動素子(例えば、キャパシタ、インダクタ、抵抗などの集中定数素子やマイクロストリップ線路などの分布定数回路)を半導体チップとは別にモジュール基板に搭載しこれを構成している。しかしながら、このような外付け部品を多数使用するモジュールは小型化が難しく、携帯電話の小型化への要求に対応することができない。
【0003】
そこで、1つの半導体チップ内に能動素子と受動素子とが形成された集積回路をモジュールに用いる検討が行われている。
【0004】
例えば、アナログ回路用容量素子の小面積化を図る半導体集積回路を提供し、それを用いたアナログ・デジタル混在半導体回路の高速化を図る技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、能動素子と受動素子とを同一半導体基板上に形成した半導体集積回路において、MIM(Metal Insulator Metal)キャパシタの上下電極間の絶縁不良を回避できる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−316415号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平11−54706号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
例えばLC共振回路のQ(Quality Factor)値はインダクタのQ値とキャパシタのQ値とから決まるため、インダクタおよびキャパシタのQ値が高いほど共振回路のQ値は高くなり、共振器としての性能が良くなる。すなわち、低周波、高周波にかかわらず回路を構成する素子が高いQ値を持つことは重要である。なお、Q値は、一般に式(1)で表される。
【0009】
式(1) 1/Qo=1/Qc+1/Qe+1/Qu+1/Qr
ここでQeは誘電体に基づくもの、Quは磁性体に基づくものである。誘電体の誘電率εおよび磁性体の透磁率μは、DC回路や低周波回路では複素数として扱われないが、高周波回路では複素数ε=ε’−jε”、μ=μ’−jμ”として扱われることから、Qe=ε’/ε”、Qu=μ’/μ”と定義される。またQcは導体損失に基づくもの、Qrは輻射電力に基づくものであり、Qc=ωWt/Pc、Qr=ωWt/Prと定義される。ωは電気角、Wtはリアクティブエネルギーの時間平均値、Pcは導体損失により失われる電力、Prは自由空間に輻射される輻射電力により失われる電力である。Qoは全体のQ値である。なお、それぞれのQの定義は与えられた構造の形態によって異なるが、上記したそれぞれのQは最も一般的な定義を示している。
【0010】
また、素子単体のQ値は損失tanδの逆数であることから、式(1)は式(2)で表すことができる。
【0011】
式(2) tanδo=tanδc+tanδe+tanδu+tanδr
ここで、tanδoは全損失(1/Qo)、tanδcは導体(電極)に基づく損失(1/Qc)、tanδeは媒質(電極間の媒質)の誘電体に基づく損失(1/Qe)、tanδuは媒質(電極間の媒質)の磁性体に基づく損失(1/Qu)、tanδrは電極から輻射される輻射電力に基づく損失(1/Qr)である。
【0012】
ところで、半導体基板上に能動素子と受動素子とが一体に形成された集積回路に使用されるモノリシックキャパシタとして、一般に絶縁体層を金属電極で挟んだ平行平板構造のMIMキャパシタが用いられている。
【0013】
しかしながら、上記MIM構造のモノリシックキャパシタについて本発明者が検討したところ、以下の問題点が明らかとなった。
【0014】
すなわち、モノリシックキャパシタは、直流回路や低周波回路では集中定数回路となるが、800MHz以上の高周波回路では分布定数回路としての要素が顕著となる。このため、800MHz以上の高周波回路にモノリシックキャパシタを用いた場合、式(2)に示す電極から輻射される輻射電力に基づく損失tanδr、いわゆる輻射損失がモノリシックキャパシタを取り囲む状態に大きく影響されるようになり、周波数が高くなるに従って輻射損失へ与える影響は大きくなる。例えば、モノリシックキャパシタの上下電極間で発生した電束や電界が外側に引っ張られて、相対的に大きい輻射損失が発生するようになる。輻射損失が大きくなると、モノリシックキャパシタのQ値が小さくなり、また不要な結合や挿入損失などの問題が生じてしまう。
【0015】
本発明の目的は、800MHz以上の高周波回路においてモノリシックキャパシタのQ値を向上することのできる技術を提供することにある。
【0016】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0018】
本発明は、同一半導体基板上に下部電極、容量絶縁膜および上部電極からなるモノリシックキャパシタとモノリシックインダクタとを有する半導体装置において、上記モノリシックキャパシタの側面部に絶縁層を挟んで上部電極と下部電極との間を囲む第1の導電層が配置され、上記モノリシックインダクタの側面部に絶縁層を挟んで第2の導電層が配置されるものである。
【0019】
本発明は、同一半導体基板上に下部電極、容量絶縁膜および上部電極からなるモノリシックキャパシタを備えた800MHz以上の高周波回路を有する半導体装置において、上記モノリシックキャパシタの側面部に絶縁層を挟んで上部電極と下部電極との間を囲む第1の導電層が配置されるものである。
【0020】
本発明は、同一半導体基板上に下部電極、容量絶縁膜および上部電極からなるモノリシックキャパシタとモノリシックインダクタとを有する半導体装置において、上記モノリシックキャパシタと上記モノリシックインダクタとがモノリシックマイクロ波集積回路の一部を構成し、上記モノリシックキャパシタの側面部に絶縁層を挟んで上部電極と下部電極との間を囲む第1の導電層が配置され、上記モノリシックインダクタの側面部に絶縁層を挟んで第2の導電層が配置されるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1である1ポート構成のモノリシックキャパシタを示す半導体基板の要部平面図および要部断面図である。図1(a)は、モノリシックキャパシタの要部平面図、図1(b)は、同図(a)のA−A’線におけるモノリシックキャパシタの要部断面図である。
【0023】
1ポート構成のキャパシタC1は、半導体基板1に形成されたエピ層2上のLOCOS(Local Oxidation of Silicon)酸化膜3に囲まれた領域に形成され、下部電極4、容量絶縁膜5および上部電極6によって構成されたMIM構造をなしている。下部電極4は金属膜、例えばアルミニウム(Al)合金膜からなり、プラグ7、タングステン(W)コンタクト8および打ち抜き層9を介して半導体基板1に接続されてGND電位となる。上部電極6は金属膜、例えばアルミニウム合金膜からなり、引き出し電極10(上部電極6と同一層)によって上部電極6に電圧が印加される。容量絶縁膜5は、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはシリコン窒化酸化膜などにより構成される。
【0024】
さらに、キャパシタC1の側面部を取り囲むように絶縁膜ISOを介して連続した壁状のガードG1が配置されている。ガードG1は導電性の材料からなり、例えばタングステンコンタクト8、プラグ7、下部電極4と同一層の金属層4a、プラグ11および上部電極6と同一層の金属層6aを下から順に積層して構成され、打ち抜き層9を介して半導体基板1に接続されてGND電位となる。なお、引き出し電極10とガードG1とが接触しないように、引き出し電極10が形成される領域では、ガードG1の一部を構成する金属層6aおよびプラグ11を形成しない。
【0025】
ガードG1は、キャパシタC1の側面部に上部電極6と下部電極4との間を囲んで配置されており、ガードG1の幅Wは任意に選ぶことかできるが、ガードG1とキャパシタC1との距離dは20μm以内が望ましい。また、ガードG1は、打ち抜き層9によって半導体基板1に接続されるが、ガードG1の全てに連続した打ち抜き層9を設けても良く、あるいはガードG1の一部または数ヶ所に打ち抜き層9を設けても良い。
【0026】
なお、ガードG1を打ち抜き層9を介してGND電位である半導体基板1に接続することによってガードG1を接地したが、絶縁膜ISOの表面に達するガードG1を形成し、これに接続して形成されるパッド電極を介してガードG1を接地してもよい。
【0027】
キャパシタC1は上部電極6と下部電極4との間に誘電体としてシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などからなる容量絶縁膜5を使って容量値を得ているが、シリコン酸化膜の誘電率は約4、シリコン窒化膜の誘電率は約7であり、これらの容量絶縁膜5の誘電率は、半導体基板1またはエピ層2の誘電率(約12)と比して小さい。このため、上下電極間で発生した電束や電界が上下電極間から外側に引っ張られて輻射損失が発生し、キャパシタC1のQ値が小さくなる。さらに、複数のキャパシタC1を接近させて配置すると、上下電極間から漏洩した電界によって、隣接するキャパシタC1間で不要な結合が生じてしまう。
【0028】
しかし、キャパシタC1の周りをガードG1で囲むことにより、上下電極間から漏れる輻射電力が抑えられるので、輻射損失が小さくなり、Q値を向上することができる。さらに、隣接するキャパシタC1間での不要な結合を防ぐことができ、また挿入損失を低減することができる。
【0029】
図2は、本実施の形態1である2ポート構成のモノリシックキャパシタを示す半導体基板の要部平面図および要部断面図である。図2(a)は、モノリシックキャパシタの要部平面図、図2(b)は、同図(a)のB−B’線におけるモノリシックキャパシタの要部断面図である。
【0030】
2ポート構成のキャパシタC2は、半導体基板1に形成されたLOCOS酸化膜3の上方に形成され、下部電極4、容量絶縁膜5および上部電極6によって構成されたMIM構造をなしている。下部電極4は金属膜、例えばアルミニウム合金膜からなり、引き出し電極12(下部電極4と同一層)によって下部電極4に電圧が印加される。上部電極6は金属膜、例えばアルミニウム合金膜からなり、引き出し電極10(上部電極6と同一層)によって上部電極6に電圧が印加される。
【0031】
さらに、キャパシタC2の側面部を取り囲む連続した壁状のガードG2が絶縁膜ISOを介して配置されている。ガードG2は、前記ガードG1と同様であり、例えばタングステンコンタクト8、プラグ7、下部電極4と同一層の金属層4a、プラグ11および上部電極6と同一層の金属層6aを下から順に積層して構成され、打ち抜き層9を介して半導体基板1に接続されてGND電位となる。なお、引き出し電極10とガードG2とが接触しないように、引き出し電極10が形成される領域では、ガードG2の一部を構成する金属層6aおよびプラグ11を形成しない。また、引き出し電極12とガードG2とが接触しないように、引き出し電極12が形成される領域では、ガードG2の一部を構成するプラグ11、金属層4aおよびプラグ7を形成しない。
【0032】
2ポート構成のキャパシタC2においては、ガードG2を設けない場合と比べて、Q値は若干の向上に止まるが、前記1ポート構成のキャパシタC1と同様に、隣接するキャパシタC2間での不要な結合を防ぐことができ、また挿入損失を低減することができる。
【0033】
次に、前記2ポート構成のキャパシタC2の製造方法を図3〜図7を用いて工程順に説明する。
【0034】
まず、図3(a)に示すように、例えばエピ層2が形成されたp型のシリコン単結晶からなる半導体基板1を用意する。続いて、エピ層2の表面に素子分離用のLOCOS酸化膜3を周知の方法で形成した後、エピ層2の上層にCVD(Chemical Vapor Deposition)法でシリコン酸化膜13を堆積する。
【0035】
次に、図3(b)に示すように、レジストパターンをマスクとしてガードG2が形成される領域のシリコン酸化膜13をエッチングした後、さらにエピ層2および半導体基板1をエッチングして、エピ層2および半導体基板1に溝13aを形成する。続いて、この溝13aにp型不純物、例えばボロンが添加されたシリコン多結晶膜を埋め込むことによって、ガードG2が形成される領域のエピ層2および半導体基板1に打ち抜き層9を形成する。
【0036】
次に、図4(a)に示すように、シリコン酸化膜13の上層にタングステン膜を、例えばスパッタ法で堆積した後、タングステン膜をエッチバックすることによって、打ち抜き層9上のシリコン酸化膜13に囲まれた領域に、打ち抜き層9と接してガードG2の一部として機能するタングステンコンタクト8を形成する。
【0037】
次に、図4(b)に示すように、シリコン酸化膜13の上層にシリコン酸化膜14を、例えばCVD法で堆積した後、レジストパターンをマスクとしたエッチングにより、タングステンコンタクト8上のシリコン酸化膜14を除去する。続いて、ガードG2の一部として機能するプラグ7をタングステンコンタクト8に接して形成する。プラグ7は、例えばアルミニウム合金膜からなる金属膜によって構成される。
【0038】
次いで、シリコン酸化膜14の上層に金属膜、例えばアルミニウム合金膜を、例えばスパッタ法で堆積した後、この金属膜をレジストパターンをマスクとしてエッチングし、キャパシタC2の下部電極4およびプラグ7に接してガードG2の一部として機能する金属層4aを形成する。
【0039】
次に、図5(a)に示すように、下部電極4および金属層4aの上層にシリコン酸化膜15を、例えばCVD法で堆積した後、図5(b)に示すように、レジストパターンをマスクとしたエッチングにより、下部電極4および金属層4a上のシリコン酸化膜15を除去する。
【0040】
次に、図6(a)に示すように、ガードG2の一部として機能するプラグ11を金属層4aに接して形成した後、下部電極4上に容量絶縁膜5、例えばシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜を形成する。プラグ11は、例えばアルミニウム合金膜からなる金属膜によって構成される。
【0041】
次に、図6(b)に示すように、シリコン酸化膜15の上層に金属膜、例えばアルミニウム合金膜を、例えばスパッタ法で堆積した後、この金属膜をレジストパターンをマスクとしてエッチングし、容量絶縁膜5上にキャパシタC2の上部電極6およびプラグ11に接してガードG2の一部として機能する金属層6aを形成する。
【0042】
その後、図7に示すように、上部電極6および金属層6a上にシリコン酸化膜16を堆積して、キャパシタC2が略完成する。
【0043】
図8は、本実施の形態1であるモジュール回路図の一例である。
【0044】
このモジュール回路はRFパワーアンプモジュールのGSM/DCS3段アンプの一例であり、アンプ17、入力整合回路18、1−2段間整合回路19a、2−3段間整合回路19b、出力整合回路20および幾つかの電源ライン用容量などが形成されている。整合回路で使用されているマイクロストリップ線路はインダクタや配線で置き換えても良い。また、電源ライン用容量は電源の安定化または高調波の制御を行う機能を有する。
【0045】
整合用のキャパシタは入力整合回路18および段間整合回路19a,19bで使用されるので、3段アンプ構成をした場合は、信号線に対し直列に入るキャパシタの数は3個となる。このキャパシタにQ値が相対的に大きい本発明のモノリシックキャパシタを適用することによって、キャパシタのQ値が仮に30%向上したとすると、キャパシタにおける信号の通過損失は0.2dB程度良くなり、出力などの他の条件が一定であれば、上記3個のキャパシタにより効率は1%程度向上する。また、高周波制御用のLCフィルタにQ値の高い本発明のモノリシックキャパシタを用いると、LCフィルタの選択度が高くなり基本周波数の減衰が抑えられて、1%程度の効率向上に繋がると考えられる。これらのことから、本発明のモノリシックキャパシタを用いることにより、アンプモジュールの総合効率が2%程度向上すると推測できる。
【0046】
また、モジュールのキャパシタに、不要な結合や挿入損失が相対的に小さい本発明のモノリシックキャパシタを用いることによって、電界効果トランジスタなどの能動素子が形成された半導体チップにキャパシタが取り込みやすくなり、キャパシタを内蔵するSi−MMICを用いたモジュールを形成することができる。Si−MMICに搭載される回路の一例を、図中の破線で囲んだ領域に示す。キャパシタを能動素子が形成された半導体チップに取り込み、外付けのチップ部品を削減することによってアンプモジュールの小型化が実現でき、コストを下げることができる。
【0047】
図9は、アンプモジュールにおける総合効率の向上率とキャパシタのQ値の向上率との関係を示すシミュレーション結果のグラフ図である。
【0048】
キャパシタのQ値が30%、60%、100%向上した場合、アンプモジュールの総合効率はそれぞれ1.9%、2.5%、3.2%向上しており、キャパシタのQ値の向上率が大きくなるに従い、アンプモジュールの総合効率も高くなることがわかる。
【0049】
図10は、本実施の形態1であるモノリシックキャパシタおよびモノリシックインダクタを内蔵するSi−MMICの一部を示すチップ平面図である。なお、図中、21は電界効果トランジスタ、22はモノリシックキャパシタ、23はモノリシックインダクタ、24はダイオード、25はパッド、26は配線を示す。
【0050】
ガードを設けない従来のモノリシックキャパシタをSi−MMICに搭載した場合、近接素子間で相互に及ぼす影響を減少させるためには、隣接するモノリシックキャパシタ間の距離を50μm程度、モノリシックキャパシタと他の素子との距離を20μm程度とする必要がある。
【0051】
しかし、本発明のモノリシックキャパシタ22では、モノリシックキャパシタ22の周りにガード22aを設けているので、隣接するモノリシックキャパシタ22間の距離およびモノリシックキャパシタ22と他の素子との距離を従来よりも小さくすることができる。すなわち、モノリシックキャパシタ22とガード22aとの距離は両者が接触しない距離、例えば10μmと設定でき、ガード22aの幅は製造工程における最小加工寸法、例えば5μmと設定できる。従って、本発明のモノリシックキャパシタ22を適用したSi−MMICでは、モノリシックキャパシタ22間の距離は25(=10+5+10)μmとなり、従来の約1/2とすることができる。従って、ガード22aの設置は、Si−MMICの小型化にも寄与することができる。
【0052】
また、モノリシックインダクタ23の周りにもガード23aを設けており、隣接する回路との不要な磁気的結合を低減することができる。
【0053】
図11は、インダクタにおけるガードの必要性を説明するためのインダクタの概略図である。
【0054】
モノリシックインダクタ23の近辺に配線26を配置すると、モノリシックインダクタ23から発生する磁束が配線26との間に磁気的結合を生み、磁気的結合によって配線26のインダクタンスが変化し、配線26のインピーダンスも変化する。インピーダンスが変化すると電界効果トランジスタ21が期待した性能を発揮しなくなり、また、相互にノイズなどの不要なものを伝え合ってしまう。このような磁気的結合を防止するために、モノリシックインダクタ23の周りにシールド23aを設置することが望ましい。
【0055】
図12は、本実施の形態1であるモノリシックキャパシタおよびモノリシックインダクタを内蔵するSi−MMICの一部を示す半導体基板の要部断面図である。図には、2ポート構成のモノリシックキャパシタ、電界効果トランジスタ(FET)およびモノリシックインダクタを示している。
【0056】
2ポート構成のキャパシタCは、半導体基板1に形成されたLOCOS酸化膜3の上方に形成されており、下部電極4は第1層の配線L1、上部電極6は第2層の配線L2によって構成される。第1および第2層の配線L1,L2は、例えばアルミニウム合金膜からなる。
【0057】
さらに、キャパシタCを取り囲むように配置されたガードGCは、タングステンコンタクト8、プラグ7、第1層の配線L1で構成される金属層L1a(下部電極4と同一層)、プラグ11および第2層の配線L2で構成される金属層L2a(上部電極6と同一層)を下から順に積層して構成され、打ち抜き層9を介して半導体基板1に接続されている。プラグ7,11は、例えばアルミニウム合金膜からなり、打ち抜き層9は、例えば高濃度のp型不純物が添加されたシリコン多結晶膜からなる。
【0058】
電界効果トランジスタTrは、エピ層2に形成されたLOCOS酸化膜3に囲まれた活性領域に形成されている。エピ層2の表面に一対のドレインが形成されており、一方のドレインは低不純物濃度のn型半導体領域27と高不純物濃度のn型半導体領域28とによって構成され、他方のドレインはp型半導体領域29に囲まれたn型半導体領域28によって構成されている。また図示はしないが、半導体基板1の裏面にソースが形成されている。
【0059】
型半導体領域27およびn型半導体領域28で囲まれたエピ層2の上にはシリコン酸化膜でゲート絶縁膜30が構成されている。さらに、その上にはシリコン多結晶膜からなるゲート電極31が設けられている。ゲート電極材料のシリコン多結晶膜にはn型不純物、例えばリンが導入されている。また、ゲート電極31の上部には、ガードGCの一部を構成するタングステンコンタクト8と同じタングステンコンタクト8が積層されている。
【0060】
インダクタLは、半導体基板1に形成されたLOCOS酸化膜3の上方に形成されており、第2層の配線L2と第3層の配線L3とによって構成される。第3層の配線L3は、例えばアルミニウム合金膜からなる。
【0061】
さらに、インダクタLを取り囲むように配置されたガードGLは、タングステンコンタクト8、プラグ7、第1層の配線L1で構成される金属層L1a、プラグ11、第2層の配線L2で構成される金属層L2a、プラグ32および第3層の配線L3で構成される金属層L3aを下から順に積層して構成され、打ち抜き層9を介して半導体基板1に接続されている。
【0062】
なお、図12に示したSi−MMICでは、キャパシタCを第1層の配線L1および第2層の配線L2で構成し、インダクタLを第2層の配線L2および第3層の配線L3で構成したが、例えばキャパシタCを第2層の配線L2および第3層の配線L3で構成し、インダクタLを第1層の配線L1および第2層の配線L2で構成してもよい。すなわちキャパシタCおよびインダクタLの電極は、連続した2層の配線を用いればよい。キャパシタCを第2層の配線L2および第3層の配線L3で構成した場合は、キャパシタCを取り囲むガードGCは、タングステンコンタクト8、プラグ7、第1層の配線L1で構成される金属層L1a、プラグ11、第2層の配線L2で構成される金属層L2a、プラグ32および第3層の配線L3で構成される金属層L3aからなる積層膜となる。また、インダクタLを第1層の配線L1および第2層の配線L2で構成した場合は、インダクタLを取り囲むガードGLは、タングステンコンタクト8、プラグ7、第1層の配線L1で構成される金属層L1a、プラグ11および第2層の配線L2で構成される金属層L2aからなる積層膜となる。
【0063】
次に、前記図12に示したSi−MMICの製造方法を図13〜図17を用いて工程順に説明する。
【0064】
まず、図13に示すように、例えばエピ層2が形成されたp型のシリコン単結晶からなる半導体基板1を用意する。続いて、エピ層2の上層にCVD法でシリコン酸化膜13を堆積した後、レジストパターンをマスクとしてキャパシタCのガードGCとインダクタLのガードGLが形成される領域のシリコン酸化膜13をエッチングし、さらにエピ層2および半導体基板1をエッチングして、エピ層2および半導体基板1に溝13aを形成する。
【0065】
次いで、エピ層2の上層にp型不純物、例えばボロンが添加されたシリコン多結晶膜を、例えばCVD法で堆積した後、このシリコン多結晶膜をエッチバックすることにより、溝13aの内部にシリコン多結晶膜を埋め込み、ガードGC,GLが形成される領域に打ち抜き層9を形成する。次に、キャパシタ形成領域、インダクタ形成領域および素子分離領域(図示せず)のエピ層2の表面に、素子分離用のLOCOS酸化膜3を周知の方法で形成した後、電界効果トランジスタ形成領域の一部にp型半導体領域29を形成するためのp型不純物、例えばボロンをイオン注入する。
【0066】
次に、図14に示すように、シリコン酸化膜13を除去し、エピ層2の表面を洗浄した後、半導体基板1に熱酸化処理を施して、エピ層2の表面にゲート絶縁膜30を形成する。続いて、CVD法でn型不純物、例えばリンが添加されたシリコン多結晶膜を堆積した後、レジストパターンをマスクとしてこのシリコン多結晶膜をエッチングし、シリコン多結晶膜からなるゲート電極31を形成する。
【0067】
その後、レジストパターンおよびゲート電極31をマスクとしてエピ層2にn型不純物、例えばヒ素(As)をイオン注入し、ゲート電極31の片側のエピ層2にドレインの一部を構成する低不純物濃度のn型半導体領域27を形成する。続いて、レジストパターンおよびゲート電極31をマスクとしてエピ層2およびp型半導体領域29にn型不純物、例えばヒ素をイオン注入し、ゲート電極31の両側のエピ層2およびp型半導体領域29にドレインの他の一部を構成する高不純物濃度のn型半導体領域28を形成する。さらに、図示はしないが、半導体基板1の裏面にn型不純物をイオン注入して、ソースを構成するn型半導体領域を形成する。
【0068】
次に、図15に示すように、半導体基板1上に厚さ1μm程度のシリコン酸化膜を堆積した後、レジストパターンをマスクとしてシリコン酸化膜をエッチング法で加工することにより、ガードGC,GLが形成される領域の打ち抜き層9上、電界効果トランジスタTrのゲート電極31上、電界効果トランジスタTrのドレインの一部を構成するn型半導体領域28上にコンタクト33を形成する。
【0069】
続いて、シリコン酸化膜13の上層にタングステン膜を、例えばスパッタ法で堆積した後、タングステン膜をエッチバックすることによって、コンタクト33の内部にタングステン膜を埋め込み、タングステンコンタクト8を形成する。打ち抜き層9上に形成されたタングステンコンタクト8は、ガードGC,GLの一部として機能する。
【0070】
次に、タングステンコンタクト8の上層にシリコン酸化膜34を堆積する。シリコン酸化膜34は、例えばTEOS((tetra Ethyl Ortho Silicate:Si(OHC)とオゾン(O)とをソースガスに用いたプラズマCVD法、または有機シランの熱分解によるCVD法で堆積することができる。
【0071】
次に、レジストパターンをマスクとしてシリコン酸化膜34をエッチング法で加工することにより、タングステンコンタクト8上にコンタクト35を形成する。続いてシリコン酸化膜34の上層に金属膜、例えばアルミニウム合金膜を堆積し、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法でこの金属膜の表面を平坦化することによって、上記コンタクト35の内部に金属膜を埋め込み、プラグ7を形成する。このプラグ7は、ガードGC,GLの一部として機能する。
【0072】
次に、シリコン酸化膜34の上層に厚さ0.4μm程度の金属膜、例えばアルミニウム合金膜を、例えばスパッタ法で堆積した後、この金属膜をレジストパターンをマスクとしてエッチングし、第1層の配線L1を形成する。この第1層の配線L1により、キャパシタCの下部電極4およびガードGC,GLの一部として機能する金属層L1aが構成される。
【0073】
次に、図16に示すように、第1層の配線L1の上層に厚さ1.5μm程度のシリコン酸化膜36、例えばTEOS酸化膜を堆積した後、このシリコン酸化膜36をレジストパターンをマスクとしてエッチングし、第1層の配線L1に達するコンタクト37を形成する。続いて、シリコン酸化膜36の上層に金属膜、例えばアルミニウム合金膜を堆積し、例えばCMP法でこの金属膜の表面を平坦化することによって、上記コンタクト37の内部に金属膜を埋め込み、プラグ11を形成する。このプラグ11は、ガードGC,GLの一部として機能する。
【0074】
次に、レジストパターンをマスクとしてキャパシタ形成領域のシリコン酸化膜36をエッチングして、下部電極4を露出した後、容量絶縁膜5として機能する厚さ0.1μm程度のシリコン酸化膜38を堆積する。
【0075】
続いて、シリコン酸化膜36,38の上層に厚さ1.2μm程度の金属膜、例えばアルミニウム合金膜を、例えばスパッタ法で堆積した後、この金属膜をレジストパターンをマスクとしてエッチングし、第2層の配線L2を形成する。この第2層の配線L2により、キャパシタCの上部電極6およびガードGC,GLの一部として機能する金属層L2aが構成される。
【0076】
次に、図17に示すように、第2層の配線L2の上層に厚さ1.0μm程度のシリコン酸化膜39、例えばTEOS酸化膜を堆積した後、このシリコン酸化膜39をレジストパターンをマスクとしてエッチングし、第2層の配線L2に達するコンタクト40を形成する。続いて、シリコン酸化膜39の上層に金属膜、例えばアルミニウム合金膜を堆積し、例えばCMP法でこの金属膜の表面を平坦化することによって、上記コンタクト40の内部に金属膜を埋め込み、プラグ32を形成する。このプラグ32は、ガードGLの一部として機能する。
【0077】
次に、シリコン酸化膜39の上層に厚さ2.0μm程度の金属膜、例えばアルミニウム合金膜を、例えばスパッタ法で堆積した後、この金属膜をレジストパターンをマスクとしてエッチングし、第3層の配線L3を形成する。この第3層の配線L3により、インダクタLの電極、ガードGLの一部として機能する金属層L3aおよび引き出しパッドL3bが構成される。
【0078】
その後、第3層の配線L3の上層を厚さ1.0μm程度のパッシベーション膜41で覆い、引き出しパッドL3b上のパッシベーション膜41を除去して引き出しパッドL3bを露出させる。これにより、Si−MMICが略完成する。
【0079】
このように、本実施の形態1によれば、モノリシックキャパシタの周りをガードで囲むことにより、モノリシックキャパシタを構成する上部電極と下部電極との間から漏れる輻射電力が抑えられるので、モノリシックキャパシタのQ値が向上し、また隣接するモノリシックキャパシタ間での不要な結合や挿入損失を低減させることができる。
【0080】
モノリシックキャパシタのQ値の向上により、例えばモノリシックキャパシタを搭載したモジュールの効率を高くすることができる。さらに、不要な結合または挿入損失の低減により、半導体チップにモノリシックキャパシタが取り込みやすくなるので、能動素子に加えて半導体チップに受動素子であるモノリシックキャパシタを取り込み、外付け部品を削減することによってモジュールの小型化が実現でき、コストを下げることができる。さらにモノリシックキャパシタの周りにガードを設けることにより、近接素子間の距離を小さくできるので半導体チップを小型化することができる。
【0081】
(実施の形態2)
図18は、本発明の実施の形態2である1ポート構成のモノリシックキャパシタを示す半導体基板の要部平面図および要部断面図である。図18(a)は、モノリシックキャパシタの要部平面図、図18(b)は、同図(a)のC−C’線におけるモノリシックキャパシタの要部断面図である。
【0082】
1ポート構成のキャパシタC3は、半導体基板1に形成されたエピ層2上のLOCOS酸化膜3に囲まれた領域に形成され、下部電極4、容量絶縁膜5および上部電極6によって構成されたMIM構造をなしている。下部電極4は金属膜、例えばアルミニウム合金膜からなり、プラグ7、タングステンコンタクト8および打ち抜き層9を介して半導体基板1に接続されてGND電位となる。上部電極6は金属膜、例えばアルミニウム合金膜からなり、引き出し電極10(上部電極6と同一層)によって上部電極6に電圧が印加される。
【0083】
上部電極6および容量絶縁膜5の周りには、上部電極6と下部電極4との間を囲む連続した壁状のガードG3が絶縁膜ISOを介して配置されている。このガードG3は、プラグ11および上部電極6と同一層の金属層6aを積層して構成されており、下部電極4に接続され、さらにプラグ7、タングステンコンタクト8および打ち抜き層9を介して半導体基板1に接続されてGND電位となる。なお、引き出し電極10とガードG3とが接触しないように、引き出し電極10が形成される領域では、ガードG3の一部を構成するプラグ11および金属層6aを形成しない。
【0084】
図19は、本発明の実施の形態2である2ポート構成のモノリシックキャパシタを示す半導体基板の要部平面図および要部断面図である。図19(a)は、モノリシックキャパシタの要部平面図、図19(b)は、同図(a)のD−D’線におけるモノリシックキャパシタの要部断面図である。
【0085】
2ポート構成のキャパシタC4は、半導体基板1に形成されたLOCOS酸化膜3上に形成され、下部電極4、容量絶縁膜5および上部電極6によって構成されたMIM構造をなしている。下部電極4は金属膜、例えばアルミニウム合金膜からなり、プラグ11を介して接続された引き出し電極12(上部電極6と同一層)によって下部電極4に電圧が印加される。上部電極6は金属膜、例えばアルミニウム合金膜からなり、引き出し電極10(上部電極6と同一層)によって上部電極6に電圧が印加される。
【0086】
上部電極6および容量絶縁膜5の周りには、上部電極6と下部電極4との間を囲む連続した壁状のガードG4が絶縁膜ISOを介して配置されている。このガードG4は、プラグ11および上部電極6と同一層の金属層6aを積層して構成されており、下部電極4に接続されている。なお、引き出し電極10とガードG4とが接触しないように、引き出し電極10が形成される領域では、ガードG4の一部を構成するプラグ11および金属層6aを形成しない。
【0087】
このように、本実施の形態2によれば、ガードを設けない場合と比べて、Q値は若干の向上に止まるが、隣接するモノリシックキャパシタ間での不要な結合を防ぐことができ、また挿入損失を低減することができる。
【0088】
(実施の形態3)
図20は、本発明の実施の形態3である1ポート構成のモノリシックキャパシタを示す半導体基板の要部平面図および要部断面図である。図20(a)は、モノリシックキャパシタの要部平面図、図20(b)は、同図(a)のE−E’線におけるモノリシックキャパシタの要部断面図である。
【0089】
1ポート構成のキャパシタC5は、半導体基板1に形成されたエピ層2上のLOCOS酸化膜3に囲まれた領域に形成され、下部電極4、容量絶縁膜5および上部電極6によって構成されたMIM構造をなしている。下部電極4は金属膜、例えばアルミニウム合金膜からなり、プラグ7、タングステンコンタクト8および打ち抜き層9を介して半導体基板1に接続されてGND電位となる。上部電極6は金属膜、例えばアルミニウム合金膜からなり、引き出し電極10(上部電極6と同一層)によって上部電極6に電圧が印加される。
【0090】
上部電極6および容量絶縁膜5の周りには、上部電極6と下部電極4との間を囲むガードG5が絶縁膜ISOを介して配置されている。このガードG5は、導電性の材料からなる複数の柱42によって構成されており、複数の柱42がそれぞれ千鳥状に配置されて上部電極6および容量絶縁膜5の周りを囲っている。このガードG5は下部電極4に接続されて、プラグ7、タングステンコンタクト8および打ち抜き層9を介して半導体基板1に接続されてGND電位となる。なお、ガードG5を構成する複数の柱42は円柱であってもよい。また、引き出し電極10とガードG5とが接触しないように、引き出し電極10が形成される領域では、ガードG5の一部を構成する柱42を形成しない。
【0091】
このように、本実施の形態3によれば、ガードを千鳥状に配置された複数の柱で構成することにより、ガードの幅を相対的に小さくすることができる。
【0092】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0093】
たとえば、前記実施の形態では、本発明のモノリシックキャパシタをモジュールに用いるSi−MMICに適用した場合について説明したが、同一半導体基板上に能動素子および受動素子を一体に形成したいかなる集積回路にも適用することができる。
【0094】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0095】
モノリシックキャパシタの周りを導電性のガードで囲むことにより、800MHz以上の高周波回路においてモノリシックキャパシタの上下電極の間から漏れる輻射電力が抑えられるので、モノリシックキャパシタのQ値が向上し、また隣接するモノリシックキャパシタ間での不要な結合や挿入損失を低減させることができる。これにより、半導体チップにモノリシックキャパシタが取り込みやすくなるので、半導体基板上に電界効果トランジスタ、モノリシックキャパシタおよびモノリシックインダクタなどを一体に形成し、外付け部品を削減することによってモジュールの小型化が実現でき、コストを下げることができる。また、モノリシックキャパシタの周りにガードを設けることにより、近接素子間の距離を小さくできるので、モノリシックキャパシタを搭載した半導体チップを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1である1ポート構成のモノリシックキャパシタを示す半導体基板の要部平面図および要部断面図である。(a)は、モノリシックキャパシタの要部平面図、(b)は、同図(a)のA−A’線におけるモノリシックキャパシタの要部断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1である2ポート構成のモノリシックキャパシタを示す半導体基板の要部平面図および要部断面図である。(a)は、モノリシックキャパシタの要部平面図、(b)は、同図(a)のB−B’線におけるモノリシックキャパシタの要部断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1である2ポート構成のモノリシックキャパシタの製造方法を示す半導体基板の要部断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1である2ポート構成のモノリシックキャパシタの製造方法を示す半導体基板の要部断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1である2ポート構成のモノリシックキャパシタの製造方法を示す半導体基板の要部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1である2ポート構成のモノリシックキャパシタの製造方法を示す半導体基板の要部断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1である2ポート構成のモノリシックキャパシタの製造方法を示す半導体基板の要部断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1であるモジュール回路図の一例である。
【図9】パワーアンプにおける総合効率の向上率とキャパシタのQ値の向上率との関係を示すグラフ図である。
【図10】本発明の実施の形態1であるモノリシックキャパシタおよびモノリシックインダクタを内蔵するSi−MMICの一部を示すチップ平面図である。
【図11】インダクタにおけるガードの必要性を説明するためのインダクタの概略図である。
【図12】本実施の形態1であるモノリシックキャパシタおよびモノリシックインダクタを内蔵するSi−MMICの一部を示す半導体基板の要部断面図である。
【図13】本実施の形態1であるモノリシックキャパシタおよびモノリシックインダクタを内蔵するSi−MMICの製造方法を示す半導体基板の要部断面図である。
【図14】本実施の形態1であるモノリシックキャパシタおよびモノリシックインダクタを内蔵するSi−MMICの製造方法を示す半導体基板の要部断面図である。
【図15】本実施の形態1であるモノリシックキャパシタおよびモノリシックインダクタを内蔵するSi−MMICの製造方法を示す半導体基板の要部断面図である。
【図16】本実施の形態1であるモノリシックキャパシタおよびモノリシックインダクタを内蔵するSi−MMICの製造方法を示す半導体基板の要部断面図である。
【図17】本実施の形態1であるモノリシックキャパシタおよびモノリシックインダクタを内蔵するSi−MMICの製造方法を示す半導体基板の要部断面図である。
【図18】本実施の形態2である1ポート構成のモノリシックキャパシタを示す半導体基板の要部平面図および要部断面図である。(a)は、モノリシックキャパシタの要部平面図、(b)は、同図(a)のC−C’線におけるモノリシックキャパシタの要部断面図である。
【図19】本実施の形態2である2ポート構成のモノリシックキャパシタを示す半導体基板の要部平面図および要部断面図である。(a)は、モノリシックキャパシタの要部平面図、(b)は、同図(a)のD−D’線におけるモノリシックキャパシタの要部断面図である。
【図20】本実施の形態3である1ポート構成のモノリシックキャパシタを示す半導体基板の要部平面図および要部断面図である。(a)は、モノリシックキャパシタの要部平面図、(b)は、同図(a)のE−E’線におけるモノリシックキャパシタの要部断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 エピ層
3 LOCOS酸化膜
4 下部電極
4a 金属層
5 容量絶縁膜
6 上部電極
6a 金属層
7 プラグ
8 タングステンコンタクト
9 打ち抜き層
10 引き出し電極
11 プラグ
12 引き出し電極
13 シリコン酸化膜
13a 溝
14 シリコン酸化膜
15 シリコン酸化膜
16 シリコン酸化膜
17 アンプ
18 入力整合回路
19a 1−2段間整合回路
19b 2−3段間整合回路
20 出力整合回路
21 電界効果トランジスタ
22 モノリシックキャパシタ
22a ガード
23 モノリシックダイオード
23a ガード
24 ダイオード
25 パッド
26 配線
27 n型半導体領域
28 n型半導体領域
29 p型半導体領域
30 ゲート絶縁膜
31 ゲート電極
32 プラグ
33 コンタクト
34 シリコン酸化膜
35 コンタクト
36 シリコン酸化膜
37 コンタクト
38 シリコン酸化膜
39 シリコン酸化膜
40 コンタクト
41 パッシベーション膜
42 柱
ISO 絶縁膜
C キャパシタ
C1 キャパシタ
C2 キャパシタ
C3 キャパシタ
C4 キャパシタ
C5 キャパシタ
L インダクタ
G1 ガード
G2 ガード
G3 ガード
G4 ガード
G5 ガード
GC ガード
GL ガード
Tr 電界効果トランジスタ
L1 第1層の配線
L1a 金属層
L2 第2層の配線
L2a 金属層
L3 第3層の配線
L3a 金属層
L3b 引き出しパッド
d 距離
W 幅

Claims (19)

  1. 同一半導体基板上に下部電極、容量絶縁膜および上部電極からなるモノリシックキャパシタとモノリシックインダクタとを有する半導体装置であって、
    前記モノリシックキャパシタの側面部に絶縁層を挟んで前記上部電極と前記下部電極との間を囲む第1の導電層が配置され、前記モノリシックインダクタの側面部に絶縁層を挟んで第2の導電層が配置されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、前記第1の導電層をGND電位とすることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1記載の半導体装置において、前記第1の導電層は、前記モノリシックキャパシタの側面部を囲む連続体であることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1記載の半導体装置において、前記第1の導電層は、前記モノリシックキャパシタの下部電極と接続していることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1記載の半導体装置において、前記第1の導電層は壁状の構造をなすことを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1記載の半導体装置において、前記第1の導電層は複数の柱からなる構造をなすことを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項6記載の半導体装置において、前記柱は円柱であることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項6記載の半導体装置において、前記柱は千鳥配置されていることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項1記載の半導体装置において、前記半導体基板はシリコンからなることを特徴とする半導体装置。
  10. 同一半導体基板上に下部電極、容量絶縁膜および上部電極からなるモノリシックキャパシタを備えた800MHz以上の高周波回路を有する半導体装置であって、
    前記モノリシックキャパシタの側面部に絶縁層を挟んで前記上部電極と前記下部電極との間を囲む第1の導電層が配置されていることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項10記載の半導体装置において、前記半導体基板上にモノリシックインダクタを有し、前記モノリシックインダクタの側面部に絶縁層を挟んで第2の導電層が配置されていることを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項10記載の半導体装置において、前記第1の導電層をGND電位とすることを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項10記載の半導体装置において、前記半導体基板はシリコンからなることを特徴とする半導体装置。
  14. 同一半導体基板上に下部電極、容量絶縁膜および上部電極からなるモノリシックキャパシタとモノリシックインダクタとを有し、前記モノリシックキャパシタと前記モノリシックインダクタとがモノリシックマイクロ波集積回路の一部を構成することを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項14記載の半導体装置において、前記半導体基板はシリコンからなることを特徴とする半導体装置。
  16. 請求項14記載の半導体装置において、前記モノリシックキャパシタは整合回路に用いられることを特徴とする半導体装置。
  17. 請求項16記載の半導体装置において、前記モノリシックキャパシタの側面部に絶縁層を挟んで前記上部電極と前記下部電極との間を囲む第1の導電層が配置されていることを特徴とする半導体装置。
  18. 請求項17記載の半導体装置において、前記モノリシックインダクタの側面部に絶縁層を挟んで第2の導電層が配置されていることを特徴とする半導体装置。
  19. 請求項17記載の半導体装置において、前記半導体基板上にトランジスタを有することを特徴とする半導体装置。
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