JP2006041292A - インダクタンス素子、半導体装置およびインダクタンス素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インダクタンス素子と基板との間に生じる寄生容量を低減し、基板ノイズを抑制する。
【解決手段】 シリコン半導体基板1上に第1導電膜パターン3からなるインダクタンス部が設けられ、このインダクタンス部の下方領域のシリコン半導体基板1中に、n型不純物拡散領域5とp型半導体基板領域1aとが交互に積層された積層領域が設けられている。この積層領域の周辺部は、絶縁材料からなるトレンチ部7によって囲まれて積層領域とシリコン半導体基板1が分離されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 シリコン半導体基板1上に第1導電膜パターン3からなるインダクタンス部が設けられ、このインダクタンス部の下方領域のシリコン半導体基板1中に、n型不純物拡散領域5とp型半導体基板領域1aとが交互に積層された積層領域が設けられている。この積層領域の周辺部は、絶縁材料からなるトレンチ部7によって囲まれて積層領域とシリコン半導体基板1が分離されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えばデジタル信号回路、アナログ信号回路、高周波(RF)信号回路などのICチップなどに設けられたインダクタンス素子、これを用いた半導体装置およびインダクタンス素子の製造方法に関する。
従来、高周波デバイスに用いられるインダクタンス素子において、高いQ(Quality Factor)値を得ることは、その性能上で重要な課題である。
しかしながら、シリコン半導体基板上にインダクタンス素子を形成した場合、インダクタンス素子を構成する螺旋状導電膜パターンの配線抵抗およびインダクタンス素子と基板との間に生じる寄生容量(キャパシタ)によって、Q値が減少することが問題になっている。
また、システムオンチップ(SOC)のように、一つのICチップ内にデジタル信号回路、アナログ信号回路、高周波(RF)信号回路などの複数種類の信号回路が集積化された半導体装置では、これらの回路ブロック間の相互作用、特に、シリコン半導体基板を通してアナログ信号回路や高周波(RF)信号回路にカップリングされるデジタルスイッチングノイズは、デバイス特性を低下させる。
特に、高周波(RF)信号回路が同一ICチップに集積化された場合、インダクタンス素子のように大きな面積を有するRF受動素子では、シリコン半導体基板と受動素子との間で容易にカップリングが生じるため、特性が低下する。
このための対策として、以下のような技術が提案されている。
例えば特許文献1に開示されている従来技術では、インダクタンス素子の直下に、トランジスタのゲート材料に用いるポリシリコン層が形成され、そのポリシリコン層が基板と同電位にされている。この構成によって、インダクタンス素子とポリシリコン層との間の容量とポリシリコン層自体の抵抗とがインダクタンス素子への寄生容量と寄生抵抗となるため、寄生抵抗と寄生容量とを小さくすることができる。
また、特許文献2に開示されている従来技術では、インダクタンス素子下方の半導体基板に複数の溝が形成されている。その溝に充填された絶縁材料によって基板の絶縁性が向上し、インダクタンス素子から基板への高周波電流のリークや基板からインダクタンス素子への誘導電流が防止されるため、インダクタンス素子の損失低減を図ることができる。
特開2000−188373号公報
特開2000−77610号公報
しかしながら、上述した従来技術は、以下のような問題を有している。
例えば特許文献1の従来技術では、インダクタンス素子の直下にポリシリコン層が形成され、このポリシリコン層が基板と同電位にされていることによって、インダクタンス素子に形成される寄生抵抗と寄生容量とを小さくすることができるとされているが、この方法ではインダクタンス素子の配線−ポリシリコン層による寄生容量が大きくなり、インダクタンス特性が劣化する。
また、特許文献2の従来技術では、インダクタンス素子下方の半導体基板に複数の絶縁用の溝が設けられ、これにより、誘導電流が防止されるため、インダクタンス素子の損失低減は可能であるが、この方法では、基板ノイズを抑制するためには効果がない。
上記従来技術以外にも、一般的な技術において、Deep Nwell(基板内の表面から深い部分に形成されるn型ウェル領域)が基板ノイズ抑制のために用いられたりしているが、この方法では、インダクタンス素子のQ値を改善する効果はない。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、インダクタンス素子のQ値を低下させる原因の一つであるインダクタンス素子と半導体基板との間に生じる寄生容量を低減しかつ、半導体基板を介して生じる基板ノイズを抑制できるインダクタンス素子、これを用いた半導体装置およびインダクタンス素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のインダクタンス素子は、半導体基板上に設けられた導電膜パターンからなるインダクタンス部と、該インダクタンス部の下方領域の該半導体基板中に設けられ、該インダクタンス部と該半導体基板間に直列に複数のキャパシタが形成された積層構造の積層領域とを有しており、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明のインダクタンス素子における積層領域は、前記インダクタンス部と前記半導体基板間に直列にpn接合面が複数形成されている。
さらに、好ましくは、本発明のインダクタンス素子における積層領域は、前記半導体基板がp型半導体基板の場合に、n型不純物拡散領域とp型半導体基板領域とが交互に積層されている。
さらに、好ましくは、本発明のインダクタンス素子における積層領域は、前記半導体基板がn型半導体基板の場合に、p型不純物拡散領域とn型半導体基板領域とが交互に積層されている。
さらに、好ましくは、本発明のインダクタンス素子における積層領域は、n型不純物拡散領域とp型不純物拡散領域とが交互に積層されている。
さらに、好ましくは、本発明のインダクタンス素子において、積層領域の周辺部が絶縁材料によって囲まれてシリコン半導体基板と電気的に分離されている。
さらに、好ましくは、本発明のインダクタンス素子における積層領域は、各層厚が1〜2ミクロン(マイクロメートル:μm)で層数が3〜5である。
さらに、好ましくは、本発明のインダクタンス素子において、積層領域上に設けられた素子分離層と、該素子分離層上に設けられた層間絶縁層とを更に有し、該層間絶縁層上に前記インダクタンス部が設けられている。
本発明のインダクタンス素子の製造方法は、請求項2に記載のインダクタンス素子を製造するインダクタンス素子の製造方法であって、前記半導体基板の所定領域にn型不純物を注入深さを変えて複数回注入した後に、熱拡散処理を行うことによって、n型不純物拡散領域とp型半導体基板領域とが交互に積層された前記積層領域を形成する積層領域形成工程と、該積層領域上に層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜上に所定のインダクタンス値を有するように予め設定された導電膜をパターン形成して前記インダクタンス部を形成する工程とを有しており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明のインダクタンス素子の製造方法は、請求項2に記載のインダクタンス素子を製造するインダクタンス素子の製造方法であって、前記半導体基板の所定領域にp型不純物を注入深さを変えて複数回注入した後に、熱拡散処理を行うことによって、p型不純物拡散領域とn型半導体基板領域とが交互に積層された前記積層領域を形成する積層領域形成工程と、該積層領域上に層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜上に所定のインダクタンス値を有するように予め設定された導電膜をパターン形成して前記インダクタンス部を形成する工程とを有しており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明のインダクタンス素子の製造方法は、請求項2に記載のインダクタンス素子を製造するインダクタンス素子の製造方法であって、前記半導体基板の所定領域にn型不純物およびp型不純物を注入深さを変えて交互に複数回注入した後に、熱拡散処理を行うことによって、n型不純物拡散領域とp型不純物拡散領域とが交互に積層された前記積層領域を形成する積層領域形成工程と、該積層領域上に層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜上に所定のインダクタンス値を有するように予め設定された導電膜をパターン形成して前記インダクタンス部を形成する工程とを有しており、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明のインダクタンス素子の製造方法における積層領域形成工程は、前記積層領域の周辺部を囲むように、トレンチアイソレーション法により絶縁材料からなるトレンチ部を形成する工程をさらに有する。
本発明の半導体装置は、請求項1〜8のいずれかに記載の上記インダクタンス素子を用いて回路構成しており、そのことにより上記目的が達成される。
上記構成により、以下、本発明の作用について説明する。
本発明にあっては、半導体基板上に、絶縁膜を介して所定のインダクタンス値を有するように予め設定された導電膜パターンからなるインダクタンス部が形成されたインダクタンス素子において、このインダクタンス部下方の半導体基板中に不純物注入によりn型不純物拡散領域とp型半導体基板領域、p型不純物拡散領域とn型半導体基板領域、または、n型不純物拡散領域とp型不純物拡散領域とが交互に積層された積層領域が設けられている。
これにより、インダクタンス素子と半導体基板との間に直列にpn接合面が多層に形成される。寄生容量(または浮遊容量;キャパシタ)を半導体基板に対してシリーズ(直列)に接続すると、キャパシタをシリーズ接続した場合の式(1/C=Σ1/Cn)から分かるように、直列接続されたキャパシタの数が多いほど、トータルの容量値を小さくすることが可能となる。よって、ICチップに内蔵されるRF用のインダクタンス素子(コイル素子)において、インダクタンス素子と半導体基板との間に生じる寄生容量を低減して、インダクタンス素子のQ値低下を抑制することが可能となる。
また、インダクタンス素子のような大きな面積を有するRF受動素子では、半導体基板と受動素子との間で容易にカップリングが生じるが、n型不純物拡散領域によって、半導体基板を介して生じるノイズのシールド効果が得られるため、基板ノイズの抑制に対して有効である。
さらに、その積層領域は、トレンチアイソレーション法によりその周辺部が絶縁材料からなるトレンチ部によって囲まれて半導体基板と電気的に分離されている。これにより、半導体基板の絶縁性が向上し、インダクタンス素子への基板ノイズを抑制することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、インダクタンス素子と半導体基板との間に生じる寄生容量を低減して、インダクタンス素子のQ値低下を抑制することができると共に、半導体基板を介して生じるノイズをシールドして基板ノイズを抑制することができる。このため、デジタル信号回路、アナログ信号回路およびRF信号回路などが集積化された半導体装置において、半導体基板を通してアナログ信号回路やRF信号回路にインダクタンス素子がカップリングしたり、基板ノイズによりデバイス特性が劣化したりすることを防いで、高性能で信頼性が高い半導体装置を得ることができる。
以下に、本発明のインダクタンス素子およびその製造方法の実施形態1〜3について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1におけるインダクタンス素子の平面図であり、図2は図1のA−A’線断面図である。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1におけるインダクタンス素子の平面図であり、図2は図1のA−A’線断面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態1のインダクタンス素子10は、半導体基板としてのシリコン半導体基板1上に、層間絶縁膜2を介して所定のインダクタンス値を有するように予め設定された螺旋状の第1導電膜パターン3からなるインダクタンス部が形成されている。
螺旋状の第1導電膜パターン3の中央部の端部は第2導電膜パターン4と接続されて外部に引き出されている。
このインダクタンス部の下方のp型のシリコン半導体基板1中には、n型不純物拡散領域5およびp型半導体基板領域1aが交互に4層積層(通常は3〜5層)された積層領域が設けられており、その積層領域の周辺部が絶縁材料からなるトレンチ部7によって囲まれてシリコン半導体基板1とこの積層領域とが電気的に分離されている。
このインダクタンス素子10は、例えば以下のようにして作製することができる。
まず、フォトリソグラフィー技術により、インダクタンス部が形成される領域の下方部が開口されるように、シリコン半導体基板1上にレジスト膜をパターニングする。
このレジスト膜をマスクとしてn型不純物をシリコン半導体基板1内に注入する。
このn型不純物は、注入エネルギーを調整してn型不純物の注入深さを変化させて、複数回連続して注入を行う。さらに、熱拡散処理によりn型不純物を拡散させてn型不純物拡散領域5を形成する。このとき、各n型不純物拡散領域5を互いに接続させないように注入条件および熱処理条件を設定する。
これにより、図2に示すように、複数のn型不純物拡散領域5が所定の間隔を開けて積層され、各n型不純物拡散領域5の間に、不純物拡散が為されていないp型半導体基板領域1aが形成されて、n型不純物拡散領域5とp型半導体基板領域1aとが交互に積層された積層領域が形成される。
この積層領域は、インダクタンス部とシリコン半導体基板1との間に直列にpn接合面が複数形成されて、インダクタンス部とシリコン半導体基板1との間に直列に複数のキャパシタが形成された領域となっている。
次に、トレンチアイソレーション技術により、n型不純物拡散領域5およびp型半導体基板領域1aからなる積層領域の周辺部を取り囲むように溝(トレンチ)を形成し、シリコン半導体基板1上に絶縁材料膜を成膜する。これにより、溝内が絶縁材料で埋め込まれて絶縁用のトレンチ部7が形成されると共に、インダクタンス部の形成領域に対応する領域上に素子分離膜8が形成される。
その後、この素子分離膜8上に層間絶縁膜2を形成し、更にその上に螺旋状の第1導電膜パターン2および配線引出用の第2導電膜パターン4を形成してインダクタンス素子10を作製する。
以上のようにして作製された本実施形態1のインダクタンス素子10において、インダクタンス素子10のQ値を減少させる寄生容量Cおよび寄生抵抗Rは、図3に示すように、インダクタンス素子10のコイルLおよび配線抵抗(第1導電膜パターン3の配線抵抗)Rと、シリコン半導体基板1と層間絶縁膜2との間に生じる層間容量C1(層間絶縁膜2部分の容量)および積層領域の容量C2とである。
これに対して、インダクタンス部の下に積層領域を設けていない従来のインダクタンス素子では、インダクタンス素子のQ値を減少させる寄生容量および寄生抵抗は、図4に示すように、インダクタンス素子のコイルLおよび配線抵抗Rと、シリコン半導体基板1とインダクタンス素子との間に生じる層間容量C1および基板容量C3である。
ここで、積層領域容量C2は、各n型不純物拡散領域5および各p型半導体領域1aの容量が直列に接続されたものであり、上記基板容量C3の場合に比べて容量値が小さくなるため、寄生容量を低減させてインダクタンス素子10のQ値減少を抑制することができる。
本実施形態1において、インダクタンス素子10が形成されたシリコン半導体基板1上に、デジタル信号回路、アナログ信号回路、RF信号回路などの複数の信号回路が集積化された半導体装置を作製することができる。
この場合に、本実施形態1では、n型不純物拡散領域5およびトレンチ部7によって基板ノイズをシールドすることができるため、シリコン半導体基板1を介してアナログ信号回路やRF信号回路とインダクタンス素子10とがカップリングされることを防いでデバイス特性の低下を防ぐことができる。
(実施形態2)
上記実施形態1では、半導体基板がp型シリコン半導体基板の場合に、n型不純物拡散領域とp型半導体基板領域とが交互に積層された積層領域を、インダクタンス部の下方基板中に設けた場合について説明したが、本実施形態2では、半導体基板がn型シリコン半導体基板の場合に、p型不純物拡散領域とn型半導体基板領域とが交互に積層された積層領域を、インダクタンス部の下方基板中に設けた場合について説明する。これ以外は、本実施形態2は上記実施形態1の場合と同様である。
(実施形態2)
上記実施形態1では、半導体基板がp型シリコン半導体基板の場合に、n型不純物拡散領域とp型半導体基板領域とが交互に積層された積層領域を、インダクタンス部の下方基板中に設けた場合について説明したが、本実施形態2では、半導体基板がn型シリコン半導体基板の場合に、p型不純物拡散領域とn型半導体基板領域とが交互に積層された積層領域を、インダクタンス部の下方基板中に設けた場合について説明する。これ以外は、本実施形態2は上記実施形態1の場合と同様である。
この場合にも、積層領域は、インダクタンス部とシリコン半導体基板間に直列にpn接合面が複数形成されて、インダクタンス部とシリコン半導体基板間に直列に複数のキャパシタが形成されている。
本実施形態2のインダクタンス素子は、例えば以下のようにして作製することができる。
まず、フォトリソグラフィー技術により、インダクタンス部が形成される領域の下方が開口されるように、シリコン半導体基板上にレジスト膜をパターニングする。
このレジスト膜をマスクとしてp型不純物をシリコン半導体基板内に注入する。
このp型不純物は、注入エネルギーを調整してp型不純物の注入深さを変化させて、複数回連続して注入を行う。さらに、熱拡散処理によりp型不純物を拡散させてp型不純物拡散領域を形成する。このとき、各p型不純物拡散領域を互いに接続させないように注入条件および熱処理条件を設定する。
これにより、複数のp型不純物拡散領域が所定の間隔を開けて積層され、各p型不純物拡散領域の間に、不純物が拡散されていないn型半導体基板領域が形成されて、p型不純物拡散領域とn型半導体基板領域とが交互に積層された積層領域が形成される。
次に、トレンチアイソレーション技術により、p型不純物拡散領域およびn型半導体基板領域の周辺部を取り囲むように溝を形成し、シリコン半導体基板上に絶縁材料膜を成膜する。これにより、溝が絶縁材料で埋め込まれてトレンチ部が形成されると共にインダクタンス部の形成領域に対応する領域上に素子分離膜が形成される。
その後、素子分離膜上に層間絶縁膜を形成し、更にその上に螺旋状の第1導電膜パターンおよび配線引出用の第2導電膜パターンを形成して本実施形態2のインダクタンス素子を作製する。
本実施形態2において、インダクタンス素子が形成されたシリコン半導体基板上に、デジタル信号回路、アナログ信号回路、RF信号回路などの複数の信号回路が集積化された半導体装置を作製することができる。
この場合に、本実施形態2では、p型不純物拡散領域およびトレンチ部によって基板ノイズをシールドすることができるため、シリコン半導体基板を介してアナログ信号回路やRF信号回路とインダクタンス素子とがカップリングされることを防いでデバイス特性の低下を防ぐことができる。
(実施形態3)
上記実施形態1ではn型不純物拡散領域とp型半導体基板領域とを交互に積層して積層領域とし、上記実施形態2では、p型不純物拡散領域とn型半導体基板領域とを交互に積層して積層領域として説明したが、本実施形態3では、n型不純物拡散領域とp型不純物拡散領域とを交互に積層して積層領域とした場合について説明する。
(実施形態3)
上記実施形態1ではn型不純物拡散領域とp型半導体基板領域とを交互に積層して積層領域とし、上記実施形態2では、p型不純物拡散領域とn型半導体基板領域とを交互に積層して積層領域として説明したが、本実施形態3では、n型不純物拡散領域とp型不純物拡散領域とを交互に積層して積層領域とした場合について説明する。
図5は、本発明の実施形態3におけるインダクタンス素子の断面図であり、これは図1のA−A’線部分に相当している。なお、図1および図2と同様の作用効果を奏する部材には同様の符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態2のインダクタンス素子20は、上記実施形態1の場合と同様に、シリコン半導体基板1上に、層間絶縁膜2を介して所定のインダクタンス値を有するように予め設定された螺旋状の第1導電膜パターン3からなるインダクタンス部が形成されている。この第1導電膜パターン3の中央の端部は第2導電膜パターン4と接続されて配線が外部に引き出されている。
このインダクタンス部の下方部に相当するシリコン半導体基板1中には、n型不純物拡散領域5およびp型不純物拡散領域6が交互に4層積層(通常は3〜5層)された積層領域が設けられており、その積層領域の周辺部が絶縁材料からなるトレンチ部7によって囲まれて、この積層領域がシリコン半導体基板1と電気的に分離されている。
このインダクタンス素子20は、例えば以下のようにして作製することができる。
まず、フォトリソグラフィー技術により、インダクタンス部が形成される領域の下方部うが開口されるように、シリコン半導体基板1上にレジスト膜をパターニングする。このレジスト膜をマスクとしてn型不純物およびp型不純物をシリコン半導体基板1内に注入する。
このn型不純物およびp型不純物は、注入エネルギーを調整してn型不純物およびp型不純物の注入深さを変化させて、交互に複数回連続して注入を行う。さらに、熱拡散処理によりn型不純物およびp型不純物を拡散させてn型不純物拡散領域5およびp型不純物拡散領域6を形成する。このとき、各n型不純物拡散領域5およびp型不純物拡散領域6を互いに接続させないように、注入条件および熱処理条件を設定する。
これにより、図5に示すように、複数のn型不純物拡散領域5が所定の間隔を開けて積層され、各n型不純物拡散領域5の間にp型不純物拡散領域6が形成されて、n型不純物拡散領域5とp型不純物拡散領域6とが交互に積層された積層領域が形成される。
この積層領域は、インダクタンス部とシリコン半導体基板1との間に直列にpn接合面が複数形成されて、インダクタンス部とシリコン半導体基板1との間に直列に複数のキャパシタが形成された領域となっている。
次に、トレンチアイソレーション技術により、n型不純物拡散領域5およびp型不純物拡散領域6の周辺部を取り囲むように溝を形成し、シリコン半導体基板1上に絶縁材料膜を成膜する。これにより、溝が絶縁材料で埋め込まれてトレンチ部7が形成されると共にインダクタンス部の形成領域に対応した領域上に素子分離膜8が形成される。
その後、従来技術を用いて、この素子分離膜8上に層間絶縁膜2(膜厚5〜6ミクロン)を形成し、更にその上に螺旋状の第1導電膜パターン3および配線引出用の第2導電膜パターン4を形成してインダクタンス素子を作製する。
以上のようにして作製された本実施形態3のインダクタンス素子20においては、インダクタンス素子20とシリコン半導体基板1との間に生じる寄生容量がn型不純物拡散領域5およびp型不純物拡散領域6の容量が直列に接続されたものとなるため、上記実施形態1,2の場合と同様に、寄生容量を低減させてインダクタンス素子のQ値減少を抑制することができる。
本実施形態3においても、上記実施形態1,2の場合と同様に、インダクタンス素子20が形成されたシリコン半導体基板1上に、デジタル信号回路、アナログ信号回路、RF信号回路などの複数の信号回路が集積化された半導体装置を作製することができる。
この場合、本実施形態3では、n型不純物拡散領域5およびトレンチ部6によって基板ノイズをシールドすることができるため、シリコン半導体基板1を介してアナログ信号回路やRF信号回路とインダクタンス素子20とがカップリングされることを防いでデバイス特性低下を防ぐことができる。
以上により、上記実施形態1〜3によれば、シリコン半導体基板1上に螺旋状の第1導電膜パターン3からなるインダクタンス部が設けられ、このインダクタンス部の下方領域のシリコン半導体基板1中に、n型不純物拡散領域5とp型半導体基板領域1a、p型不純物拡散領域とn型半導体基板領域、または、n型不純物拡散領域5とp型不純物拡散領域6とが交互に積層された積層領域が設けられている。この積層領域の周辺部は、絶縁材料からなるトレンチ部7によって囲まれて積層領域とシリコン半導体基板1が電気的に分離されている。これによって、インダクタンス素子とシリコン半導体基板1側との間に生じる寄生容量を低減できて、基板ノイズを抑制することができる。
なお、上記実施形態1ではn型不純物拡散領域とp型半導体基板領域とを交互に積層して積層領域とし、上記実施形態2では、p型不純物拡散領域とn型半導体基板領域とを交互に積層して積層領域として説明し、上記実施形態3では、n型不純物拡散領域とp型不純物拡散領域とを交互に積層して積層領域としたが、これに限らず、要は、この積層領域は、インダクタンス部とシリコン半導体基板1との間に直列にpn接合面が複数形成されるなどして、インダクタンス部とシリコン半導体基板1との間に直列に複数のキャパシタが形成された領域になっていればよい。
また、上記実施形態1〜3では、上記積層領域の層数を4としたが、これに限らず、上記積層領域は、各層厚が1〜2ミクロンで層数が3〜5である。例えばトレンチ深さが5ミクロンの場合に、層厚が1ミクロンで層数が5であり、構造的にも工数的にもこの程度の層厚および層数となる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜3を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜3に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜3の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、例えばデジタル信号回路、アナログ信号回路、高周波(RF)信号回路などのICチップなどに設けられたインダクタンス素子、これを用いた半導体装置およびこのインダクタンス素子の製造方法の分野において、インダクタンス素子と半導体基板との間に生じる寄生容量を低減してインダクタンス素子のQ値低下を抑制し、かつ基板ノイズを抑制することができる。このため、例えばデジタル信号回路、アナログ信号回路およびRF信号回路などが集積化された半導体装置において、高性能で信頼性が高い半導体装置の回路構成を実現することができる。
1 シリコン半導体基板(半導体基板)
1a p型半導体基板領域
2 層間絶縁膜(層間絶縁層)
3 第1導電膜パターン
4 第2導電膜パターン
5 n型不純物拡散領域
6 p型不純物拡散領域
7 トレンチ部
8 素子分離膜(素子分離層)
10,20 インダクタンス素子
1a p型半導体基板領域
2 層間絶縁膜(層間絶縁層)
3 第1導電膜パターン
4 第2導電膜パターン
5 n型不純物拡散領域
6 p型不純物拡散領域
7 トレンチ部
8 素子分離膜(素子分離層)
10,20 インダクタンス素子
Claims (13)
- 半導体基板上に設けられた導電膜パターンからなるインダクタンス部と、
該インダクタンス部の下方領域の該半導体基板中に設けられ、該インダクタンス部と該半導体基板間に直列に複数のキャパシタが形成された積層構造の積層領域とを有するインダクタンス素子。 - 前記積層領域は、前記インダクタンス部と前記半導体基板間に直列にpn接合面が複数形成されている請求項1に記載のインダクタンス素子。
- 前記積層領域は、前記半導体基板がp型半導体基板の場合に、n型不純物拡散領域とp型半導体基板領域とが交互に積層されている請求項2に記載のインダクタンス素子。
- 前記積層領域は、前記半導体基板がn型半導体基板の場合に、p型不純物拡散領域とn型半導体基板領域とが交互に積層されている請求項2に記載のインダクタンス素子。
- 前記積層領域は、n型不純物拡散領域とp型不純物拡散領域とが交互に積層されている請求項2に記載のインダクタンス素子。
- 前記積層領域の周辺部が絶縁材料によって囲まれてシリコン半導体基板と電気的に分離されている請求項1〜5のいずれかに記載のインダクタンス素子。
- 前記積層領域は、各層厚が1〜2ミクロンで層数が3〜5である請求項1〜6のいずれかに記載のインダクタンス素子。
- 前記積層領域上に設けられた素子分離層と、該素子分離層上に設けられた層間絶縁層とを更に有し、該層間絶縁層上に前記インダクタンス部が設けられている請求項1〜7のいずれかに記載のインダクタンス素子。
- 請求項2に記載のインダクタンス素子を製造するインダクタンス素子の製造方法であって、
前記半導体基板の所定領域にn型不純物を注入深さを変えて複数回注入した後に、熱拡散処理を行うことによって、n型不純物拡散領域とp型半導体基板領域とが交互に積層された前記積層領域を形成する積層領域形成工程と、
該積層領域上に層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜上に所定のインダクタンス値を有するように予め設定された導電膜をパターン形成して前記インダクタンス部を形成する工程とを有するインダクタンス素子の製造方法。 - 請求項2に記載のインダクタンス素子を製造するインダクタンス素子の製造方法であって、
前記半導体基板の所定領域にp型不純物を注入深さを変えて複数回注入した後に、熱拡散処理を行うことによって、p型不純物拡散領域とn型半導体基板領域とが交互に積層された前記積層領域を形成する積層領域形成工程と、
該積層領域上に層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜上に所定のインダクタンス値を有するように予め設定された導電膜をパターン形成して前記インダクタンス部を形成する工程とを有するインダクタンス素子の製造方法。 - 請求項2に記載のインダクタンス素子を製造するインダクタンス素子の製造方法であって、
前記半導体基板の所定領域にn型不純物およびp型不純物を注入深さを変えて交互に複数回注入した後に、熱拡散処理を行うことによって、n型不純物拡散領域とp型不純物拡散領域とが交互に積層された前記積層領域を形成する積層領域形成工程と、
該積層領域上に層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜上に所定のインダクタンス値を有するように予め設定された導電膜をパターン形成して前記インダクタンス部を形成する工程とを有するインダクタンス素子の製造方法。 - 前記積層領域形成工程は、前記積層領域の周辺部を囲むように、トレンチアイソレーション法により絶縁材料からなるトレンチ部を形成する工程をさらに有する請求項9〜11のいずれかに記載のインダクタンス素子の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のインダクタンス素子を用いて回路構成した半導体装置。
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