JP3906035B2 - 半導体製造装置の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジスト膜に転写してパターンを形成する際の露光量及びフォーカスの設定を行う半導体製造装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の製造におけるフォトリソグラフィー工程では、パターン露光を行うための装置が使用されており、露光装置と称されている。また、露光装置の一種として縮小投影露光装置(ステッパー)がある。このステッパーでは、光源からの光が、露光パターンが描画されたマスクを透過し、光学系で縮小された後、半導体ウェハへ投影される。
【0003】
マスク上の描画パターンをウェハ上に転写するパターン形成には、転写できるパターンの微細化が要求されている。光学結像理論からは、投影光学系の開口数をNA、露光波長をλとしたとき、解像力(線幅)R、焦点深度DOFはよく知られた以下の式で与えられる。
【0004】
【数1】
【0005】
k1、k2はプロセス係数である。
【0006】
この2つの式はレイリーの式と言われるもので、縮小投影露光装置の結像性能を評価する尺度として活用されてきた。パターンの微細化の要求から、露光波長の短波長化、及び、投影レンズの高NA化がなされており、それと同時にプロセスの改善が同時に行われてきた。しかしながら、近年のデバイスパターンの微細化要求はさらに厳しく、露光量祐度や焦点深度のプロセスマージンを十分に得ることが難しく、歩留まりの減少を引き起こしていた。
【0007】
少ないプロセスマージンで光リソグラフィを行うためには、プロセスマージンを消費する誤差の精密な分析と誤差配分(エラーバジェット)が重要視されてきている。例えば、ウェハ上に多数のチップを同じ設定露光量で露光したつもりでも、PEB(Post Exposure Bake)、現像のウェハ面内の不均一性、レジストのウェハ面内膜厚変動などが原因となって、実効的な適正露光量がばらつき、そのために歩留まりの低下を引き起こしていた。そのために、少ないプロセスマージンを有効に使用し、歩留まりの低下を防ぐために、より高精度の露光量及びフォーカスをモニタして、露光量及びフォーカスにフィードバックまたはフィードフォーワードする制御方法が求められると同時に、各プロセスユニットごとに、プロセスマージンを消費する誤差要因の精密な分析を行い、その分析結果を基に、主要な誤差要因の改善を施す必要もある。
【0008】
露光量の制御方法については、(1) レジストパターン線幅、もしくは、潜像パターン線幅の測定結果を基に露光量を求める手法、(2) レジストパターン線幅や潜像パターン線幅にコリメートされた光を照射して得られた回折光強度の測定データを基に実効的な露光量を求める手法などが報告されている。
【0009】
しかしながら、パターンの線幅の変動要因は露光量だけでなくフォーカスによっても変化するため、通常の上記手法による測定結果からは、露光量値の変動かフォーカスの変動か、または、双方の変動による影響を判定することはできなかった。
【0010】
一方、フォーカスのモニタ方法としては、(1) デフォーカスによる露光後のモニタマークの寸法変動を用いてフォーカスを計測するタイプ、(2) 位相シフトマスクタイプのマークを用いるとこにより、フォーカスの変動をパターンの位置ずれとして計測するタイプの大きく2種類のタイプがある。
【0011】
従来のフォーカスモニタで、フォーカスのずれ量を求め、フォーカス設定値に対してフィードバックすることができたとしても、これらのマークを用いただけでは、適正露光量値の変動を考慮できないため、プロセスの変動要因を抑えて露光マージンを有効に使用することができなかった。
【0012】
これらのことは、露光量祐度、及び、フォーカスマージンの少ないより微細なパターンやより微細な孤立パターンになる程顕著であり、露光量、及び、フォーカスのどちらか一方をモニタし、そこで得られた測定結果を基に、露光装置の設定露光量、PEB温度、現像時間等々にフィードしただけではプロセスの変動要因を押さえきることができないという問題が生じている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにプロセスの変動要因により生じるマージンの減少を抑えるためには、これまでの露光量の変動の測定、及びフォーカスの測定では、上記二つの変動要因を正確に分離して測定することができないため困難であった。
【0014】
本発明では、上記事情を考慮して成されたもので、プロセスの変動要因により生じるマージンの減少を抑えることを可能にする半導体製造装置の制御方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
[構成]
本発明は、上記目的を達成するために以下のように構成されている。
【0016】
(1)本発明に係わる半導体製造装置の制御方法は、露光装置によりマスク上の回路パターンをウェハ上に形成されたレジスト膜に転写してパターンを形成する際の露光量及びフォーカスの設定を行う半導体製造装置の制御方法において、前記マスクには、前記ウェハ上での実効的な露光量を検出するための露光量モニタマーク、及び前記ウェハ上での実効的なフォーカスを検出するためのフォーカスモニタマークの内、少なくとも一方を含むモニタマークが配置され、前記ウェハ上にレジスト膜を塗布する工程と、前記レジスト膜に対して第1の加熱処理を行う工程と、第1の加熱処理が行われたレジスト膜に対して第1の冷却処理を行う工程と、露光量及びフォーカス位置を所定の値に設定し、前記マスクを用いて第1の冷却処理が行われた前記レジスト膜に対して露光処理を行い、前記レジスト膜に、前記モニタマークに対応する潜像を形成する工程と、潜像が形成されたレジスト膜に対して第2の加熱処理を行う工程と、第2の加熱処理が行われたレジスト膜に対して冷却処理を行う工程と、第2の加熱処理が行われたレジスト膜を現像処理し、前記潜像に対応するモニタパターンを形成する工程と、露光処理後、第2の加熱処理後、第2の冷却処理中、第2の冷却処理後、現像処理中、及び現像処理後の少なくともどこか1ヶ所において、前記モニタパターンの状態を測定する計測工程と、測定されたモニタパターンの状態に基づいて、前記レジスト膜に対して行われた露光処理における、実効的な露光量及びフォーカス位置の少なくとも一方を求める工程と、求められた実効的な露光量及びフォーカス位置の何れか一方から、前記マスク用いて露光を行う際の最適な露光量値と前記設定値との差、並びに最適なフォーカス値と設定値との差の少なくとも一方を算出する演算工程と、算出された差に応じて、フォーカス位置の設定値、露光量の設定値、第1の加熱処理の加熱条件、現像処理における現像条件、露光処理が終了してから第2の加熱処理が行われるまでの引き置き時間、第2の加熱処理が終了してから第2の冷却処理が行われるまでの引き置き時間、第2の冷却処理が終了してから現像処理が開始されるまでの引き置き時間、レジスト膜の塗布が終了してから第1の加熱処理が開始されるまでの引き置き時間、第1の加熱処理が終了してから第1の冷却処理が行われるまでの引き置き時間、及び第1の冷却処理が終了してから露光が開始されるまでの引き置き時間の少なくとも1つを変更する工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の好ましい実施態様を以下に記す。
処理条件、及び処理間の引き置き時間の少なくとも1つを変更する工程では、複数のウェハで構成される第1のウェハ群の各ウェハに対してレジスト膜の塗布から露光処理迄の一連の処理を行い、最適な露光量値と前記設定値との差のウェハ間の変動、及び最適なフォーカス値と設定値との差のウェハ間の変動の少なくとも一方を算出し、算出された変動と前記ウェハ上にレジスト膜が塗布されてから該レジスト膜が現像処理されるまでに行われる各処理の処理条件及び各処理間の引き置き時間との相関関係をそれぞれ求める工程と、求められた複数の相関関係の中から相関関係が最も大きい処理或いは各処理間の引き置き時間を抽出する工程と、抽出された処理の処理条件或いは各処理間の引き置き時間が、複数のウェハ間で一定となるように、レジスト膜が塗布された後に行われる処理の処理条件の一つ以上を変更して、第2のウェハ群に対して、レジスト膜のパターンを形成する工程とを含むこと。
【0018】
処理条件、及び処理間の引き置き時間の少なくとも1つを変更する工程では、複数のウェハで構成される第1のウェハ群の各ウェハに対してレジスト膜の塗布から露光処理迄の一連の処理を行い、最適な露光量値と前記設定値との差のウェハ間の変動、及び最適なフォーカス値と設定値との差のウェハ間の変動の少なくとも一方を算出し、算出された変動と前記ウェハ上にレジスト膜が塗布されてから該レジスト膜が現像処理されるまでに行われる各処理の処理条件及び各処理間の引き置き時間との相関関係をそれぞれ求める工程と、求められた複数の相関関係の中から相関関係が最も大きい処理或いは各処理間の引き置き時間を抽出する工程と、抽出された処理の処理条件或いは各処理間の引き置き時間と、実効的な露光量及びフォーカス値の少なくとも一方との関係を求める工程と、第2のウェハ群に対してレジスト膜の塗布から露光処理迄の一連の処理を行う際、抽出された処理の処理条件或いは各処理間の引き置き時間をウェハ毎に処理条件を記憶し、ウェハ毎に記憶された値と求められた関係とに基づいて、抽出された処理以外の処理の処理条件及び各処理間の引き置き時間の少なくとも一つをウェハ毎に変更して、各ウェハ上にレジスト膜のパターンを形成する工程とを含むこと。
【0019】
予め前記露光量モニタマークを用いて得られるレジスト膜上の実効的な露光量の変化と、フォーカス位置のずれ量の変化とに対する前記露光量モニタパターン及びフォーカスモニタパターンの状態を予め計測しておき、予め計測された結果と、前記露光量モニタパターン及びフォーカスモニタパターンの状態の測定結果とに基づいて、最適なフォーカス値と露光装置に設定されたフォーカス設定値との差を算出すること。
【0020】
[作用]
本発明は、上記構成によって以下の作用・効果を有する。
【0021】
レジスト膜に実効的な露光量及びフォーカス位置を測定するための露光量モニタパターン及びフォーカスモニタパターンを形成し、二つのパターンの状態を測定して求められる実効的な露光量及びフォーカス位置と、最適な露光量及びフォーカス位置との差を求めることができる。求められた差に基づいて、露光プロセス条件を、特にロット内の個々のウエハに対して設定することによって、特に、ロット内、及び、ロット間のウエハが均一に常に最大の露光マージンが得られる状態での露光が可能となり、プロセスの変動等により生じるマージンの減少や歩留まりの低下を抑えることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
第1の実施形態において、特にロット内のパターンの寸法変動を抑えることに有効な実施例について示す。
図1には、本手法の基本概念図を示す。
図2に示すように、露光に使用するマスク200には、デバイスパターン201が含まれないダイシング領域202に実効的な露光量をモニタするための露光量モニタマーク203及びフォーカスモニタマーク204の双方が配置されている。
【0023】
フォーカスモニタマーク204は、露光量に依存せず、フォーカス位置にのみ依存して、レジストにパターンを形成するマーク、若しくは、フォーカス位置に依存しない実効的な露光量を用いることにより、露光量に依存しないフォーカス位置を求めるためのマークである。
【0024】
露光量モニタマーク203は、フォーカス位置に依存せず露光量のみに依存してレジストにパターンを形成するマークである。
【0025】
本実施形態では、本ロット(第2のウェハ群)の投入に先立ち、先行ロット(第1のウェハ群)に対して、レジスト膜の塗布(ステップS101)、露光前の加熱(ステップS102)、冷却(ステップS103)、露光(ステップS104)、露光後の加熱(ステップS105)、冷却(ステップS106)、現像(ステップS107)を行いレジスト膜にパターンを形成する。ステップS101〜S107の工程は、従来行われている工程と同様なので詳細な説明を省略する。
【0026】
次に、レジストパターンが形成されたウェハの中から、ロット内の実効的な露光量変動及び、フォーカス変動をモニタするために十分な量のウェハを抽出する(ステップS108)。双方のモニタマークを露光したパターンを測定した(ステップS109)。これらの結果から、ロット内の各ウェハのフォーカス位置に依存しない実効的な露光量、及び、露光量に依存しない実効的なフォーカス位置が求められる(ステップS110)。求められた実効的な露光量及びフォーカス位置の少なくとも一方を用いて、次ロット以降のロットに対してフィードバックをかけて露光する構成になっている(ステップS111)。
【0027】
まず、露光量モニタマークを用いた、フォーカス位置に依存しない露光量の測定について説明する。
【0028】
マスクに形成される露光量モニタマークには、ここでは、Exposure Monitor Structure (Alexander Staikov, SPIE vol. 1261 p.315-324)で提示されているタイプを用いた。この露光量モニタマークの特徴は、マスクパターンの透過部と遮光部の寸法比(デューティー比)を、使用する投影露光装置において解像しない範囲で連続的に変えたパターンを配置することで、ウェハ上でフォーカスの位置に依存しない照射量の傾斜分布を持ったパターンを形成することができる点である。
【0029】
図3には、上記タイプの露光量モニタマークを示す。図3において、301は遮光部を302は透過部を示している。露光量モニタマークは、マークの中央から横方向に広がるにつれて、ピッチPは固定で遮光部の寸法が増加するようにしている。ピッチPは使用する露光条件において解像しないピッチである。
【0030】
本発明者は、使用する露光条件が、露光波長λ=248nm、NA=0.68、σ=0.75、遮蔽率2/3の輪帯照明であることを考慮して、マスクパターンにおける回折光(1次以上の回折光)は投影レンズの瞳に入らず、直進光(0次回折光)のみが瞳に入る条件
P/M≦λ/(1十σ)NA (3)
(Pは露光量モニタマークのピッチ,Mは露光量モニタマークの倍率)
を満たすよう、露光量モニタマークのピッチPをウェハ換算寸法で0.19μmにした。
【0031】
図4には、図3に示した露光量モニタマークをレジスト膜に転写した際に得られるウェハ面上でのA−A’部に対応する光像強度分布を示す。ウェハ面上には、モニタマークで回折された0次回折光のみが照射されるため、像強度分布は透過部の面積の2乗に比例した分布となる。このマークを用いて、露光装置の露光量設定値を変化させて、露光を行うことにより、図5に示すように設定露光量に対して露光量モニタパターン501の長さDが変化して形成される。図5(a)露光量が小さい場合にレジストに形成される露光量モニタパターン、図5(b)は露光量が大きい場合にレジストに形成される露光量モニタパターンを示す平面図である。レジスト膜に形成されたパターンの長さを光学式の線幅測長装置で測定することにより、フォーカス位置に依存しない、実効的な露光量を得るための校正曲線を得ることができる。
【0032】
露光は、Siウエハ上に薬液をスピンコーティング後、加熱処理をして塗布型の反射防止膜(膜厚60nm)を形成し、さらにスピンコーティングにより化学増幅系ポジ型レジスト(膜厚0.4μm)を形成した。この後、100℃、90秒でプリベータ処理を行った。これら一連の処理は、本ロットを処理する露光装置に連結されたトラック内で行われた。これらの処理が終了したウェハを露光装置に搬送して、露光を行って上記露光量モニタマークを転写した。その後、露光後加熱(PEB),冷却,現像を順次行って、レジスト膜に露光量モニタパターンを形成した。
【0033】
露光量モニタパターンの校正を行うため、露光装置の露光量設定値は、本レジストを用いた際のデバイスパターンに最適な露光最設定値である15mJ/cm2 を中心に±20%の範囲で露光量値を変化させて露光を行った。
【0034】
図6には、校正曲線として得られたパターン測長値と露光装置の露光量設定値の関係を示した。計測に用いた光学測長装置の再現性を評価した結果、90nmの再現性が得られた。このことから、本露光量モニタパターンは0.6%の露光量変動を検出可能であることがわかった。これにより、露光量モニタパターン501の長さDを基準に実効的な露光量を記述することができる。尚、図6において、横軸は設定された露光量値を100%としている。
【0035】
次に、フォーカスモニタマーク及び露光量モニタマークを用いた、露光量に依存しないフォーカスの測定について説明する。
フォーカスモニタマークとしては、デフォーカスによる露光後のモニタパターンの寸法変動よりフォーカス位置を計測するタイプを使用した。図7には、本実施形態で使用したフォーカスモニタパターンを形成するために用いた、マスクに形成されているフォーカスモニタマークを示した(寸法はウェハ換算寸法)。フォーカスモニタマークを構成するパターン701は、中央部の幅が0.25μm、先端部の幅が0.1μmと中央部から先端部へと幅が狭くなって形成されている。5つのパターン701が0.25μmの間隔で配置されて、フォーカスモニタマークが形成されている。
【0036】
ここで、本発明者は、上記露光量モニタパターンの計測から得られた実効的な露光量(ここでは、露光量モニタパターンの長さD)に対して、図7に示したフォーカスモニタマークを用いて形成されるフォーカスモニタパターンのパターン長Lの転写後の寸法Wの振る舞いをあらかじめ校正しておくことにより、露光量とフォーカスを独立したパラメータとして、別々に求めることができることに着目した。
【0037】
このフォーカスの校正曲線は、あらかじめ、露光装置の設定露光量とフォーカス位置を振って露光を行い、露光量については、前述したフォーカスに依存しない露光量モニタマークを用いて形成されたパターンの測長結果を実効的な露光量に変換し、最終的には、実効的な露光量とデフォーカス、及び、パターン長Wの3者の関係を求めておいた。
【0038】
図8には、図6に示した露光量校正曲線によって校正した実効的な露光量におけるフォーカスモニタマーク(図7)を用いてレジスト膜に形成されるパターン長Wのフォーカス依存性を示した。
【0039】
尚、上記校正曲線を求めた際には、所望とするフォーカス裕度、及び、露光量裕度の双方を満足する最適な露光値は15mJ/cm2 であり、その時の実効的な露光量としては、露光量モニタパターンの長さDで換算して、13.747μm、フォーカス位置のオフセットは0μmであった。
【0040】
図1に従って露光手順を以下に詳細に説明する。
(ステップS101〜S107)
1ロットのウェハを上記プロセス条件にて投入し、レジストの塗布(ステップS101)、露光前の加熱(ステップS102)、冷却(ステップS103)、露光(ステップS104)、露光後の加熱(ステップS105)、冷却(ステップS106)、現像(ステップS107)を行いレジストパターンを形成する。尚、1ロットは24枚のウェハで構成されている。
【0041】
(ステップS108,S109)
現像が終了しレジストパターンが形成された全ウェハを抽出し(S108)、1ロット(24枚)中の各ウェハにおいて、5ショットの露光量モニタマーク及びフォーカスモニタマークにより形成されたレジストパターンの長さを光学測長装置にて計測する(S109)。
【0042】
(ステップS110)
ステップS109での計測結果から、1ロット内の各ウェハの実行的な露光量Dε(i)(i=1〜24)、及び、フォーカス位置Fε(i)(i=1〜24)を算出する。図9には、1ロット内の実効的な露光量変動分布を示した。また、図10には、1ロット内のフォーカス位置変動分布を示した。
【0043】
1ロット内の露光量変動、及び、フォーカス位置変動は、各ウェハ毎にプロセスユニット間の待機時間やユニット内の雰囲気の違い、露光量誤差、フォーカス誤差等の影響で生じる。発明者は、比較的小規模なロット処理の場合、特に、1回に投入するロットの規模が1ロット単位のような単発なロット処理の場合には、ロット内のウェハの各プロセスユニット条件は系統的にそろっていることに着目した。つまり、ロット内の同じスロット位置のウェハは、プロセスユニットの待機時間等の条件がどのロットにおいても比較的類似した傾向を示した。
【0044】
(ステップS111)
そこで、次に同一ロット内でウェハが流れる場合に、上記S110で得られたロット内の露光量変動分布、フォーカス変動分布を考慮し、1ロット内の各ウェハに対してそれぞれ露光量を設定する。
【0045】
なお、ここでは、設定されている露光量D0及びフォーカス位置F0に対し、i番目に露光が行われるウェハの露光量D(i)及びフォーカス位置F(i)をそれぞれ、
【0046】
【数2】
【0047】
とした。
【0048】
尚、図10に示すように、フォーカス位置については、今回は、変動量が少なかったので、フォーカスについては、特に変調を付加しなかった。その結果、次ロットにおいては、それぞれ、図11に示した露光量変動分布が得られ、前ロットに見られたロット内の露光量変動は抑えられ、実行的な露光量をロット内において均一に形成することができた。
【0049】
尚、上記実施例では、フォーカスのずれ量が小さく、問題ない量であったため、変調を付加しなかったが、ずれ量が大きい場合には、図7に示したフォーカスモニタマークを用いて形成されたマークではフォーカスのずれ方向がわからないため、フォーカス位置をプラスマイナスのどちらにオフセットを付加して露光すべきか判断できない。そこで、図7に示したタイプのフォーカスモニタマークでは、現場で得られるQCデータ等を利用し、フォーカスのずれの傾向からフォーカス位置のオフセットの方向を判断することになる。
【0050】
そこで発明者は、図7に示したフォーカスモニタマークを90度回転したものをあわせて配置し、使用する露光装置の非点収差を利用することによりフォーカスのずれ量をモニタした。今回使用した装置は、90度方向と0度方向のパターンにおける焦点位置の差が0.15μm存在することが既にわかっていた。このような非点収差を利用することで、フォーカス位置のずれ方向についてもモニタすることができるようになる。
【0051】
フォーカスのずれ方向も判断できるタイプのフォーカスモニタマークを図12に示す。図12に示すように、図7に示したフォーカスモニタマークと同様なフォーカスモニタマーク1201,1202が互いに直交するように配置されている。
【0052】
上記露光量モニタマークを用いてレジスト膜に形成された露光量モニタパターンの計測から得られた実効的な露光量に対して図12に示したフォーカスモニタマーク1201,1202の寸法Lv、及びLh部分、露光、現像後のパターン長Wv,Whの振る舞いをあらかじめ校正しておくことにより、露光量とフォーカスを独立したパラメータとして、別々に求めることができる。さらに詳細に具合的なフォーカスのずれ量のモニタ方法を以下に示す。
【0053】
図13には、図12のフォーカスモニタマーク12011,1202を露光した結果えられた実効的な露光量に対する2方向のフォーカスモニタパターンの露光後におけるパターン長Wv及びWh依存性を示した。本発明者は、露光量によりパターン長Wv及びWh自体は変化するものの、ジャストフォーカス付近では、双方の差は露光量の変動に対してあまり変化しないという特徴があることに着目した。そこで、次に、図13より、実効的な露光量が変化した際のパターン長WvとWhとの差とフォーカスのずれ量との関係を求めたところ、図14に示すような校正曲線が得られた。図14に示したフォーカスの校正曲線を利用することによって、フォーカスのずれ量(方向も含めて)は、パターン長WvとWhとの差より求めることができ、露光装置のフォーカス設定値にフィードバックすることができる。
【0054】
尚、今回は、0度方向パターンと90度方向パターンに対して、非点収差以外の収差は顕著でない場合であったが、その他の収差が顕著な場合や、マスク作成等において生じる0度方向パターンと90度方向パターンの形状の違いが顕著な場合、または、フォーカスのずれ量が大きい場合、更にフォーカスモニタの精度を上げる場合には、フォーカスモニタパターンから得られたパターン長WvとWhとの差だけでなく、露光量モニタパターンより得られた実効的な露光量も考慮した校正曲線を用いればよい。
【0055】
また、今回は0度と90度方向のマークを用いたが、互いにベストフォーカス位置が異なる方向のマークであればよく、この方向だけに限定されるものではない。
【0056】
以上の結果より、フォーカスのずれ方向についてもモニタすることができるようになり、更に精度よくフォーカスのずれ量を補正することができ、常に最大の露光マージンが得られる状態で本ロット内のウェハの露光がなされ、歩留まりの低下を抑えることができた。
【0057】
また、その他の露光量の変動に影響されずにフォーカス位置のずれ量をモニタする手法として、位相シフトマスクタイプのマークを用いることにより、フォーカス変動をレジストパターンの位置ずれとして計測する技術を用いてもよい。例えば、フォーカスの変動をレジストパターンの位置ずれとして計測するタイプのフォーカスモニタマークとして、図15に示すような、Phase shift focus monitor application to Lithography tool control(D. Wheeler et. al. SPIE vol. 3051 p.225-223)に記載されたマスクを用いてもよい。図15において、1501は位相変位ガラス、1502は位相無変位ガラス、1503は遮光膜である。このマークを用いた校正方法は、フォーカスモニタマークに対してデフォーカス位置を変化させて露光し、合わせずれ検査装置によって得られた位置ずれ量とフォーカスのずれ量との関係をフォーカスの校正曲線として求めておき、この校正曲線から、露光装置のフォーカス設定値にフィードバックすればよい。
【0058】
またさらに、その他の露光量の変動に影響されずにフォーカス位置のずれ量をモニタする手法として、上述したフォーカスモニタマーク以外に適用可能なフォーカスモニタマークについて説明する。図16は、フォーカスモニタマークの概略構成を説明するためのもので、図16(a)は断面図、図16(b)は平面図である。
【0059】
モニタマークは、マスクのデバイスパターンがない領域(ダイシングライン)の遮光部に形成されている。図16において、1611はガラス等の透明基板、1612は半透明膜、1613は遮光膜を示す。また、1601は遮光膜1613に形成された菱形マーク(第1の開口部)を、1602は半透明膜1612に形成された菱形マーク(第2の開口部)を示す。なお、半透明膜1612は、露光光に対して透過率が6%、位相を180度ずらす作用を持っている。
【0060】
菱形マーク1601を形成した第1のパターン領域及び菱形マーク1602を形成した第2のパターン領域では、各マークが一定のピッチで5つずつ配置されている。そして、菱形マーク1601、1602は、ウェハ換算上でx軸方向の長さが12μm,Y軸方向の幅が0,18μmで、さらにピッチは0.36μmとなっている。尚、第2の開口部である菱形マーク1602の部分では、半透明膜1612を通過する露光光と菱形マーク1602を通過する露光光とに90度の位相差分だけ基板が堀込まれている。このようにすることによって、半透明膜部の菱形マーク1602によりウェハ上に形成された菱形パターンのフォーカス点と、遮光膜部の菱形マーク1601によりウェハ上に形成された菱形パターンとのフォーカス点の間にずれが生じ、図17に示すように、フォーカス位置に対して異なるパターン寸法特性を示す。そして、この2つのマークの露光、現像後のパターン寸法の差をモニタすると、デフォーカスに対して単調減少又は単調増加することを利用し、デフォーカスに対するパターン寸法差の関係を、図18に示すような校正曲線として求めておく。この結果を利用して、露光、現像後のウェハ上のパターン寸法の差(L−L’)を測定することで、フォーカスのずれ量を方向も含めてモニタすることができる。このフォーカスモニタマークも前述したマークと同様、露光量により互いのパターン長は変化するもの、ジャストフォーカス付近では、双方の差は露光量にあまり変化しないという特徴がある。
【0061】
また、さらに感度を上げるために、図16に示したフォーカスモニタマークより精度の高いマークについて説明する。露光用マスク上に、フォーカス点を測定するためのモニタマークとして、半透明膜で形成した菱形マークを配置した。先に説明したマークと異なるところは、第1及び第2のパターン領域のいずれにも半透朋膜を設け、菱形マークの第1のパターン領域では+90度位相差を持たせ、第2のパターン領域では−90度の位相差を持たせたことである。第1のパターン領域では半透明膜を透過する露光光を開口部を通過する露光光に対して位相をほぼ+90度ずらし、第2のパターン領域では半透明膜を通過する露光光を開口部を通過する露光光に対して位相を−90度ずらした。開口部を通過する露光光に対して位相をほぼ+90度ずらした半透明膜部の菱形マークのフォーカス点と遮光膜部に形成された菱形マークのフォーカス点とのずれ量は、前述したマークと同じ量だけ変化する。これに対して、開口部を通過する露光光に対して位相をほぼ−90度ずらした半透明膜部の菱形マークのフォーカス点は、遮光膜部に形成された菱形マークのフォーカス点に対して、前述したずれ量の絶対値は等しく、符号が反対の特性を示す。その結果、前に記載したマークに対して、2倍のフォーカスずれ量の検出感度が実現できる。
【0062】
尚、本実施形態においては、露光装置と独立した光学式の線幅測定器を用いて、フォーカスモニタパターンを測定したが、露光装置自体に内蔵された線幅測定機能やSEM等の光学式以外の測定装置を用いることも可能である。また、モニタマークは、レジストに形成されるパターンが線幅測定装置で測定可能であればよく、楔形であってもよい菱形或いは楔形の形状は、必ずしも先端を鋭利に形成する必要はなく、中央部よりも先端部が細く形成されていればフォーカスモニタマークとして機能を発揮する。さらに、使用する露光条件によって種々変更することで、よりフォーカス検出性能の向上をはかることができる。
【0063】
また、図16に示したフォーカスモニタマークにおいて、第1のパターン領域における遮光部と開口部との関係は、逆にしてもよい。即ち、開口部で囲まれて菱形若しくは楔形の遮光膜で形成されたモニタマークを有するようにしてもよい。同様に、第2のパターン領域における半透明膜部と開口部との関係も逆にしてもよい。即ち、開口部で囲まれて菱形若しくは楔形の半透明膜で形成されたモニタマークを有するようにしてもよい。そして、これらの何れかの組み合わせを用いても、本実施形態と同様な効果が得られる。
【0064】
本実施形態では、第2のパターン領域で菱形マーク1602を通過する露光光に対しその周辺を通過する露光光に位相差を持たせるために90度の位相差を持った半透明膜1612を使用したが、この位相差は90度に限定されたものではなく、遮光部の菱形マーク1601と、半透朋膜部の菱形マーク1602とのベストフォーカス位置変化を生じさせるものであればよい。また、半透明膜としては、SiO2 、酸窒化モリブデンシリサイド(MoSiON),窒化モリブデンシリサイド(MoSiN),弗化クロム(CrF),ジルコニウムシリサイド(GrSiO)などを用いることができる。
【0065】
図19に、図16に示したフォーカスモニタマークの半透明膜部と透過部分との位相差とフォーカスの検出感度の関係を示した。この図から、必要とされるフォーカスずれ量の検出精度としては、0.05μm程度であり、線幅測定器の測定精度が0.02μm程度とするとフォーカスモニタに必要とされる検出感度の限界は、
【0066】
【数3】
【0067】
となり、0.8以上が必要となる。このことから、位相差は45度から150度の間の範囲に設定することが望ましい。
【0068】
また、図3に示したマーク以外に適用が可能な露光モニタマークとして、レジスト膜厚の膜厚計測を利用するタイプである特開2000−12425公報に記載されたマークを用いてもよい。
【0069】
さらに、もう一つ別のタイプとして、合わせずれ検査装置の合わせずれ測長機能を用いた簡便で高速かつ高精度に露光量をモニタできる露光量モニタマークについても適用可能である。適用例を以下に詳細に説明する。
【0070】
従来の合わせ位置ずれ検査装置に用いているマークの一部を、露光量の変動量をパターンの位置ずれとして検出できるようなマークに変更した。そしてこのマークを、使用する露光波長λ,開口数NA,倍率M,コヒーレントファクターσ,ピッチP(ウェハ上換算寸法)とした場合、上記(3)式の条件を満足すればウェハ上でフォーカスの状態に依存しない照射量の傾斜分布を持ったレジストパターンを形成できる。そして、露光量の変動を露光後のレジストパターンの外側パターンと内側パターンの相対位置ずれ量として合わせずれ検査装置でモニタした。
【0071】
図20には、露光量モニタマーク2000を示した。図20に示す露光量モニタマーク2000には、一対の相対位置検出用パターン2004(2004a,b)と、これらの相対位置検出用パターンに挟まれた露光量モニタパターン2001とがx軸方向(一方向)に配列形成されている。また、露光量モニタパターン2001をx軸方向に対して直交するy軸に対して挟むように、一対のy軸方向位置ずれ量検出用マーク2005(2005a,b)が形成されている。露光量モニタパターン2001は、開ロパターン2002と、このパターンに対してx軸方向に接続し、透過する露光光の照射強度分布がx軸方向に単調に変化する露光量モニタ部2003とから形成されている。
【0072】
図21には、露光量モニタマーク中に配置された露光量モニタ部2003の概略構成を示す。図21に示した露光量モニタ部2003は、使用する露光装置(露光波長248nm,NA=0.68,σ=0.75,輪帯遮蔽立2/3)に合わせて、ピッチP(ウェハ上)を解像限界以下の0.19μmとし、透過部と遮光部のデューティー比を透過部が0.625nmづつ増加したパターンをならべて配置し、ウェハ面上でフォーカスに依存しない像強度が0から1までの連続的な分布を実現した。
【0073】
図22には、露光量モニタマーク2000のA−A’部に対応するレジスト上での光強度分布を示した。図22において、2200はレジストにエッジが形成されるエッジ光強度を示している。また、図22において、2202は開ロパターン2002を透過した露光光とエッジ光強度2200との交点を示し、2203は露光量モニタ部2003を透過した露光光強度とエッジ光強度2200との交点を示し、2204a,2202,2203,2204bは、マークに形成されたパターン2004a,2002,2003,2004bに対応する位置を示している。
【0074】
図23は、図20の露光量モニタマークを露光、現像して最終的に得られたレジストパターンのA−A’断面形状を示しており、2301は露光量モニタマークに対応して形成された露光量モニタパターン、2302,2303は開ロパターン2002及び露光量モニタ部2003に対応して形成されたエッジ形成位置、2304a,2304bは相対位置検出用パターン2004に対応して形成された相対位置検出用パターンである。
【0075】
露光量値が変動した場合、エッジ光強度2200の変動として現れ、露光量モニタ部2003によるエッジ形成位置2203が変動するため、それに対応する露光量モニタパターンのエッジ2303位置がシフトする。
【0076】
その結果、適正露光量値の変動は、合わせずれ検査装置により、x軸方向の露光量モニタパターン2301の中心位置M’と装置位置検出用パターン2304a,bの中心位置Mの相対位置ずれ量△として検出できる。
【0077】
上記露光量モニタパターンを用いて実効的な露光量をモニタするためには、あらかじめ、適正露光量からの変動に対する相対位置ずれ量を、図24に示すような校正曲線として求めておけばよい。このようにすることで、上記と同様な手法により実効的な露光量の変動をモニタすることが可能となる。
【0078】
尚、このタイプの露光量モニタマークは、図20に示したものに限られたものではなく、合わせ位置ずれ検査マークの少なくとも一部がウェハ面上において照射量分布が連続的に変化するようなパターンに変更された露光量モニタ部を配置した露光量モニタマークを用いており、合わせ位置ずれ量を求め、その値を用いて実効的な露光量値の変動を求め、フィードバックをかける構成であればよい。
【0079】
検出感度向上のためには、露光量モニタ部を図25や図26に示すように2つ、または、4つにすることも効果的である。また、y軸方向にも付加することで、更に検出感度は向上する。
【0080】
実効的な露光量とフォーカスをモニタするために種々の露光量モニタマーク、及び、フォーカスモニタマークを用いた適用例を示してきたが、上記露光量モニタマーク、フォーカスモニタマークに限られたものではなく、フォーカスモニタマークは、露光量に依存せず、フォーカスのみ依存して、レジストパターンを形成するマーク、若しくは、フォーカス位置に依存しない実効的な露光量を用いることにより、露光量に依存しないフォーカス位置を求めるマークであり、一方、露光量モニタマークは、フォーカス位置に依存せず露光量のみに依存してレジストにパターンを形成するマークを用いて、露光量とフォーカスを分離して求め、次ロットに対してフィードバックする構成であればよい。
【0081】
また、上記実施例においては、フィードバック先として、次ロットの個々のウェハに対して露光装置の露光量設定値を変調して行ったが、露光量設定値以外を変調することも可能である。
【0082】
図27に示すように、実効的な露光量を算出した後(ステップS109)、フォーカス位置に依存しない実効的な露光量,実効的なフォーカス位置を算出する(ステップS110a,S110b)。そして、求められた実効的な露光量から、次ロット内の各ウェハの露光後加熱の時間、若しくは、PEB温度等の加熱条件を設定する(ステップS113)と共に、求められた実効的なフォーカス位置から次ロット内の各ウェハのフォーカス位置の設定値を求める(ステップS114)。又は、図28に示すように、算出された実効的な露光量から、次ロット内の各ウェハの現像時間の変調値を求める(ステップS115)、ようにしても良い。なお、図27,28において、図示された工程は、図1のA−B間に挟まれた工程の代わりに行われるものである。
【0083】
なお、露光量設定値及び現像時間以外に、フォーカス位置の設定値、露光量の設定値、第1の加熱処理の加熱条件、現像処理における現像条件、露光処理が終了してから第2の加熱処理が行われるまでの引き置き時間、第2の加熱処理が終了してから第2の冷却処理が行われるまでの引き置き時間、第2の冷却処理が終了してから現像処理が開始されるまでの引き置き時間、レジスト膜の塗布が終了してから第1の加熱処理が開始されるまでの引き置き時間、第1の加熱処理が終了してから第1の冷却処理が行われるまでの引き置き時間、及び第1の冷却処理が終了してから露光が開始されるまでの引き置き時間の少なくとも1つしても良い。尚、実効的な露光量、及び、フォーカスに影響を及ぼすパラメータであればよく、上記プロセス条件だけに限定されたものではない。
【0084】
(第2の実施形態)
第2の実施形態において、複数のロットが連続処理されている場合に対して、特にロット内のパターンの寸法変動を抑えることに有効な実施例について示す。第1の実施形態では、比較的小規模なロット処理の場合に対して有効であり、特に、1回に投入するロットの規模が1ロット単位の露光のような場合、ロット内のウェハの各プロセスユニット条件は系統的にそろっていることに着目した適用例であった。
【0085】
つまり、ロット内の同じスロット位置のウェハは、プロセスユニットの待機時間等の条件がどのロットにおいても比較的類似した傾向を示す場合に有効な制御方法であった。しかしながら、ロットの規模が大きくなり、一度に多くのロットを連続的に投入した場合、ロット間の同一ロット内のウェハであってもプロセス条件が常に同じ状態ではなく、前のロットとの投入間隔や、前ロットの影響でユニットの状態が異なってくるために、第1の実施形態に示した制御方法だけでは、有効な制御ができないことが多かった。
【0086】
そこで、第1の実施形態を実施した結果得られたロット内における実効的な露光量変動分布、及び、フォーカス変動分布に対して、上記ロットの各ウェハに対して施された各ユニットプロセス処理の履歴データとを比較する工程を付加した。
【0087】
そして、その比較したデータから判断し、どのユニットのどのプロセス条件が一番これらの変動に影響を与えているのかを抽出する工程、つまり、相関の高いユニットプロセス条件を抽出する工程と、その相関関係を解析し、双方の関係を算出する工程とを新たに付加した。そして、そのデータからあらかじめプロセス条件の違いをそれ以降のユニットプロセスで相殺するように制御する制御方法を考案した。
【0088】
具体的な手順を図29,30に従って説明する。尚、露光条件等は、第1の実施形態と同様とした。
(ステップS210)
上記第1の実施形態の手順(ステップS201〜S210)に従って、1ロットの露光を実施した結果、ロット内の実効的な露光量変動分布(図9)、及びフォーカス変動分布(図10)を得る。
【0089】
(ステップS210)
図9に示す実効的な露光量変動分布と、塗布現像装置の各ユニット毎にプロセスのロット内の、各処理条件(露光終了から露光後の加熱処理開始までの引き置き時間、露光後の加熱処理終了から冷却処理開始までの引き置き時間、露光後の加熱処理後の冷却処理終了から現像処理開始までの引き置き時間、レジスト塗布終了から露光前の加熱処理開始までの引き置き時間、露光前の加熱処理後の冷却処理終了から露光開始までの引き置き時間)の履歴とを比較し、相関関係を計測した。
【0090】
本実施形態では、第1の実施形態でも述べたようにロット内でのフォーカス位置変動は少なかったので、露光量変動のみについて相関関係を求めているが、フォーカス位置変動についても相関関係を求めても良い。
【0091】
(ステップS212)
求められた相関関係の中で相関関係が高いものを抽出する。本実施形態では、露光前加熱ユニットの後待機時間であった。
【0092】
(ステップS213)
抽出された露光前加熱ユニットの後待機時間の影響を解析した結果、露光前加熱ユニットの後待機時間は実効的な露光量変動に対して図31に示す関係があることが分かった。
【0093】
(ステップS214)
そこで、本ロット、または大規模にロットを流す場合に際して、実効的な露光量変動に一番影響があることがわかった各ウェハ毎の露光前加熱ユニットでの後待機時間を一定にした。
【0094】
(ステップS301〜S307)
本ロット、または大規模にロットを流す場合に際して、各ウェハ毎の露光前加熱ユニットでの後待機時間を一定して露光・現像を行った。その結果、連続的にロットを処理した場合でも、図9で見られたようなロット内の実効的な露光量変動は抑えられ、どのロットにおいても、ロット内のウェハにおいて均一な実効的な露光量分布(図11のような分布)を得ることができた。
【0095】
また、別の制御方法として、以下に示す制御方法も有効である。図32は、第2の実施形態に係わる半導体装置の製造工程の制御方法の変形例を示すフローチャートである。なお、図32に示す一連の工程は、図30に示した一連の工程の後に続いて行われるものである。
【0096】
ここでは、実効的な露光量変動分布に対して相関が一番高い処理条件を各ウェハ毎に計測・保存し、保存結果に基づいて後の処理条件を各ウェハ毎に変更するというものである。
【0097】
(ステップS410)
ステップ212において、実効的な露光量変動分布と露光前加熱ユニットの後待機時間との相関が一番高いことがわかったので、露光前加熱ユニットの後待機時間を測定、並びに測定結果の保存を行う。
【0098】
(ステップS411)
保存された各ウェハの後待機時間から、ステップS213の解析で求められた図31に示す後待機時間と実効的な露光量変動との関係から、各ウェハ毎の実効的な露光量変動量を求める。
【0099】
(ステップS411,S412,S413)
求められた各ウェハ毎の実効的な露光量変動量から、露光装置の設定露光量、及び、露光後の加熱処理条件(時間及び温度の少なくとも一方)、さらには、現像時間に対してフィードフォーワード制御して処理を行った。
【0100】
その結果、連続的にロットを処理した場合でも、図9で見られたようなロット内の実効的な露光量変動は抑えらえれ、どのロットにおいても、ロット内のウェハにおいて均一な実効的な露光量分布(図10に示すような分布)を得ることができた。
【0101】
なお、必要に応じて、ロット内のウェハを抽出して、相関関係情報を更新することも、高精度に制御するためには有効な手段である。
【0102】
本実施形態では、フォーカス変動に関しては、各ユニット毎のプロセスのロット内履歴分布データとの目立った相関は見られなかったので、特に制御は行なわなかったが相関が高いユニットプロセス条件があれば、同様に適用可能である。
【0103】
尚、今回は、高い相関が得られたユニットプロセス条件が露光前の加熱処理の後待機時間であったが、使用するレジストプロセスによっては、その他の影響が高いユニットプロセス条件についても同様に制御すればよい。
【0104】
また、今回は現像後に実効的な露光量変動、及び、フォーカス変動をモニタする場合について示したが、その他にも、露光後や露光後の加熱処理後の潜像について計測を行い、これらを用いても同様な効果が得られる。
【0105】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが可能である。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、レジスト膜に実効的な露光量及びフォーカス位置を測定するための露光量モニタパターン及びフォーカスモニタパターンを形成し、二つのパターンの状態を測定して求められる実効的な露光量及びフォーカス位置と、最適な露光量及びフォーカス位置との差を求めることができる。そして、求められた差に基づいて、露光プロセス条件を、特にロット内の個々のウエハに対して設定することによって、特に、ロット内、及び、ロット間のウエハが均一に常に最大の露光マージンが得られる状態での露光が可能となり、プロセスの変動等により生じるマージンの減少や歩留まりの低下を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる半導体製造工程の制御方法を示すフローチャート。
【図2】第1の実施形態に係わるマスクの概略構成を示す平面図。
【図3】第1の実施形態に係わる露光量モニタマークの概略構成を示す平面図。
【図4】図3に示す露光量モニタマークをウェハ上に転写して得られる光像強度分布を示す特性図。
【図5】図3に示す露光量モニタマークを用いてレジスト膜に形成される露光量モニタマークの形状を示す平面図。
【図6】露光量モニタマークのパターン長から露光量を得るための校正曲線を示す図。
【図7】第1の実施形態に係わるフォーカスモニタマークの概略構成を示す平面図。
【図8】露光量校正曲線によって校正された実効的な露光量における、フォーカスモニタマークのパターン長Wのフォーカス依存性を示す図。
【図9】1ロット内の実効的な露光量の変動分布を示す図。
【図10】1ロット内の実効的なフォーカス値の変動分布を示す図。
【図11】1ロット内の実効的な露光量の変動分布を示す図。
【図12】フォーカスのずれ方向も判断できるフォーカスモニタマークの概略構成を示す図。
【図13】図12のフォーカスモニタマークを露光した結果えられた、実効的な露光量に対する2方向のフォーカスモニタマークの露光後におけるパターン長Wv及びWh依存性を示す図。
【図14】パターン長WvとWhとの差とフォーカスのずれ量との関係を示す図。
【図15】フォーカスの変動をパターンの位置ずれとして計測するためのフォーカスモニタマークの概略構成を示す図。
【図16】露光量の変動に影響されずにフォーカス位置のずれ量を計測するためのフォーカスモニタマークの概略構成を示す図。
【図17】図16に示すフォーカスモニタマークを用いて形成されたレジストパターン寸法とフォーカス位置とのずれとの関係を示す図。
【図18】図16に示すフォーカスモニタマーク中の二種類のマークを用いて形成されたレジストパターンの寸法差とデフォーカスとの関係を示す校正曲線を示す図。
【図19】図16に示したフォーカスモニタマークの半透明膜部と透過部分との位相差とフォーカスの検出感度の関係を示す図。
【図20】フォーカス位置に依存しない実効的な露光量を求めるために用いる露光量モニタパターンの概略構成を示す平面図。
【図21】図20に示す露光量モニタマークの露光量モニタ部の概略構成を示す図。
【図22】図20に示す、露光量モニタマークのA−A’部に対応するレジスト上での光強度分布を示す図。
【図23】図20に示す露光量モニタマークを露光、現像して最終的に得られたレジストパターンのA−A’断面形状を示す断面図。
【図24】図20に示す露光量モニタマークを露光、現像して最終的に得られたレジストパターンから実効的な露光量を得るための校正曲線を示す図。
【図25】図20に示す露光量モニタマークの変形例の概略構成を示す平面図。
【図26】図20に示す露光量モニタマークの変形例の概略構成を示す平面図。
【図27】第1の実施形態に係わる半導体製造工程の制御方法の変形例を示すフローチャート。
【図28】第1の実施形態に係わる半導体製造工程の制御方法の変形例を示すフローチャート。
【図29】第2の実施形態に係わる半導体製造工程の制御方法を示すフローチャート。
【図30】第2の実施形態に係わる半導体製造工程の制御方法を示すフローチャート。
【図31】露光前加熱ユニットでの待機時間に対する実効的な露光量変動を示す図。
【図32】第2の実施形態に係わる半導体製造工程の制御方法の変形例を示すフローチャート。
【符号の説明】
200…マスク
201…デバイスパターン
202…ダイシング領域
203…露光量モニタマーク
204…フォーカスモニタマーク
Claims (4)
- 露光装置によりマスク上の回路パターンをウェハ上に形成されたレジスト膜に転写してパターンを形成する際の露光量及びフォーカスの設定を行う半導体製造装置の制御方法において、
前記マスクには、前記ウェハ上での実効的な露光量と実効的なフォーカスをそれぞれ別々に分離してモニタするための露光量モニタマーク及びフォーカスモニタマークが配置され、
前記露光量モニタマークは、透過する露光光の照射強度分布が一方向に単調に変化する露光量モニタ部を含み、
前記フォーカスモニタマークは、中央部よりも先端部の幅が短く形成された菱形状のマークを1つ又はそれ以上同一方向にならべて配置した第1のマークと、前記第1のマークを所望の角度だけ回転して配置した第2のマークとの2つの部分で構成されたマーク群からなり、
前記ウェハ上にレジスト膜を塗布する工程と、
前記レジスト膜に対して第1の加熱処理を行う工程と、
第1の加熱処理が行われたレジスト膜に対して第1の冷却処理を行う工程と、
露光量及びフォーカス位置を所定の値に設定し、前記マスクを用いて第1の冷却処理が行われた前記レジスト膜に対して露光処理を行い、前記レジスト膜に、前記露光量モニタマーク及びフォーカスモニタマークに対応する潜像を形成する工程と、
潜像が形成されたレジスト膜に対して第2の加熱処理を行う工程と、
第2の加熱処理が行われたレジスト膜に対して冷却処理を行う工程と、
第2の加熱処理が行われたレジスト膜を現像処理し、前記潜像に対応する露光量モニタパターン及びフォーカスモニタパターンを形成する工程と、
露光処理後、第2の加熱処理後、第2の冷却処理中、第2の冷却処理後、現像処理中、及び現像処理後の少なくともどこか1ヶ所において、前記露光量モニタパターン及びフォーカスモニタパターンの寸法を測定する計測工程と、
前記露光量モニタマークを用いて、レジスト上の実効的な露光量と前記露光量モニタパターンの寸法との関係をあらかじめ求めておいて、該関係と前記露光量モニタパターンの寸法の測定結果とから実効的な露光量を求める工程と、
前記露光装置に設定された露光量設定値と実効的な露光量との差を算出する工程と、
前記実効的な露光量毎に前記フォーカスモニタマークを用いて、前記露光装置に設定されたフォーカス設定値と実効的なフォーカスとの差である方向も含めたフォーカスのずれ量と、フォーカスモニタパターンの寸法との関係をあらかじめ求めておいて、該関係と前記フォーカスモニタパターンの寸法の測定結果とから方向も含めたフォーカスのずれ量を求める工程と、
前記露光量設定値と実効的な露光量との差、及び前記方向も含めたフォーカスのずれ量に応じて、第1の加熱処理の加熱条件、現像処理における現像条件、露光処理が終了してから第2の加熱処理が行われるまでの引き置き時間、第2の加熱処理が終了してから第2の冷却処理が行われるまでの引き置き時間、第2の冷却処理が終了してから現像処理が開始されるまでの引き置き時間、レジスト膜の塗布が終了してから第1の加熱処理が開始されるまでの引き置き時間、第1の加熱処理が終了してから第1の冷却処理が行われるまでの引き置き時間、及び第1の冷却処理が終了してから露光が開始されるまでの引き置き時間の少なくとも1つを変更する工程とを含むことを特徴とする半導体製造装置の制御方法。 - 露光装置によりマスク上の回路パターンをウェハ上に形成されたレジスト膜に転写してパターンを形成する際の露光量及びフォーカスの設定を行う半導体製造装置の制御方法において、
前記マスクには、前記ウェハ上での実効的な露光量と実効的なフォーカスをそれぞれ別 々に分離してモニタするための露光量モニタマーク及びフォーカスモニタマークが配置され、
前記露光量モニタマークは、透過する露光光の照射強度分布が一方向に単調に変化する露光量モニタ部を含み、
前記フォーカスモニタマークは、中央部よりも先端部の幅が短く形成された菱形状のマークを1つ又はそれ以上同一方向にならべて配置した第1のマークと、前記菱形状マークを通過する露光光と所望の位相差で露光光が通過する菱形状マークを1つ又はそれ以上ならべて配置した第2のマークとの2つの部分で構成されたマーク群からなり、
前記ウェハ上にレジスト膜を塗布する工程と、
前記レジスト膜に対して第1の加熱処理を行う工程と、
第1の加熱処理が行われたレジスト膜に対して第1の冷却処理を行う工程と、
露光量及びフォーカス位置を所定の値に設定し、前記マスクを用いて第1の冷却処理が行われた前記レジスト膜に対して露光処理を行い、前記レジスト膜に、前記露光量モニタマーク及びフォーカスモニタマークに対応する潜像を形成する工程と、
潜像が形成されたレジスト膜に対して第2の加熱処理を行う工程と、
第2の加熱処理が行われたレジスト膜に対して冷却処理を行う工程と、
第2の加熱処理が行われたレジスト膜を現像処理し、前記潜像に対応する露光量モニタパターン及びフォーカスモニタパターンを形成する工程と、
露光処理後、第2の加熱処理後、第2の冷却処理中、第2の冷却処理後、現像処理中、及び現像処理後の少なくともどこか1ヶ所において、前記露光量モニタパターン及びフォーカスモニタパターンの寸法を測定する計測工程と、
前記露光量モニタマークを用いて、レジスト上の実効的な露光量と前記露光量モニタパターンの寸法との関係をあらかじめ求めておいて、該関係と前記露光量モニタパターンの寸法の測定結果とから実効的な露光量を求める工程と、
前記露光装置に設定された露光量設定値と実効的な露光量との差を算出する工程と、
前記実効的な露光量毎に前記フォーカスモニタマークを用いて、前記露光装置に設定されたフォーカス設定値と実効的なフォーカスとの差である方向も含めたフォーカスのずれ量と、フォーカスモニタパターンの寸法との関係をあらかじめ求めておいて、該関係と前記フォーカスモニタパターンの寸法の測定結果とから方向も含めたフォーカスのずれ量を求める工程と、
前記露光量設定値と実効的な露光量との差、及び前記方向も含めたフォーカスのずれ量に応じて、第1の加熱処理の加熱条件、現像処理における現像条件、露光処理が終了してから第2の加熱処理が行われるまでの引き置き時間、第2の加熱処理が終了してから第2の冷却処理が行われるまでの引き置き時間、第2の冷却処理が終了してから現像処理が開始されるまでの引き置き時間、レジスト膜の塗布が終了してから第1の加熱処理が開始されるまでの引き置き時間、第1の加熱処理が終了してから第1の冷却処理が行われるまでの引き置き時間、及び第1の冷却処理が終了してから露光が開始されるまでの引き置き時間の少なくとも1つを変更する工程とを含むことを特徴とする半導体製造装置の制御方法。 - 処理条件、及び処理間の引き置き時間の少なくとも1つを変更する工程では、
複数のウェハで構成される第1のウェハ群の各ウェハに対してレジスト膜の塗布から露光処理迄の一連の処理を行い、前記露光量設定値と実効的な露光量との差のウェハ間の変動、及び前記方向も含めたフォーカスのずれ量のウェハ間の変動の少なくとも一方を算出し、算出された変動と前記ウェハ上にレジスト膜が塗布されてから該レジスト膜が現像処理されるまでに行われる各処理の処理条件及び各処理間の引き置き時間との相関関係をそれぞれ求める工程と、
求められた複数の相関関係の中から相関関係が最も大きい処理或いは各処理間の引き置き時間を抽出する工程と、
抽出された処理の処理条件或いは各処理間の引き置き時間が、複数のウェハ間で一定となるように、レジスト膜が塗布された後に行われる処理の処理条件の一つ以上を変更して、第2のウェハ群に対して、レジスト膜のパターンを形成する工程とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体製造装置の制御方法。 - 処理条件、及び処理間の引き置き時間の少なくとも1つを変更する工程では、
複数のウェハで構成される第1のウェハ群の各ウェハに対してレジスト膜の塗布から露光処理迄の一連の処理を行い、前記露光量設定値と実効的な露光量との差のウェハ間の変動、及び前記方向も含めたフォーカスのずれ量のウェハ間の変動の少なくとも一方を算出し、算出された変動と前記ウェハ上にレジスト膜が塗布されてから該レジスト膜が現像処理されるまでに行われる各処理の処理条件及び各処理間の引き置き時間との相関関係をそれぞれ求める工程と、
求められた複数の相関関係の中から相関関係が最も大きい処理或いは各処理間の引き置き時間を抽出する工程と、
抽出された処理の処理条件或いは各処理間の引き置き時間と、実効的な露光量及びフォーカス値の少なくとも一方との関係を求める工程と、
第2のウェハ群に対してレジスト膜の塗布から露光処理迄の一連の処理を行う際、抽出された処理の処理条件或いは各処理間の引き置き時間をウェハ毎に処理条件を記憶し、ウェハ毎に記憶された値と求められた関係とに基づいて、抽出された処理以外の処理の処理条件及び各処理間の引き置き時間の少なくとも一つをウェハ毎に変更して、各ウェハ上にレジスト膜のパターンを形成する工程とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体製造装置の制御方法。
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