JP3904955B2 - リフローはんだ付け装置 - Google Patents

リフローはんだ付け装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3904955B2
JP3904955B2 JP2002075329A JP2002075329A JP3904955B2 JP 3904955 B2 JP3904955 B2 JP 3904955B2 JP 2002075329 A JP2002075329 A JP 2002075329A JP 2002075329 A JP2002075329 A JP 2002075329A JP 3904955 B2 JP3904955 B2 JP 3904955B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
heating
atmosphere
flux
reflow soldering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002075329A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003275866A (ja
Inventor
博 沢辺
Original Assignee
日本電熱計器株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本電熱計器株式会社 filed Critical 日本電熱計器株式会社
Priority to JP2002075329A priority Critical patent/JP3904955B2/ja
Publication of JP2003275866A publication Critical patent/JP2003275866A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3904955B2 publication Critical patent/JP3904955B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板等の被はんだ付けワークをリフローはんだ付けする装置に関する。
【0002】
プリント配線板上に電子部品をはんだ付けする際にリフローはんだ付け装置が使用されている。リフローはんだ付け装置は、予めはんだが供給された被はんだ付け部を加熱してこのはんだを溶融させ、プリント配線板に形成された回路パターンと電子部品とのはんだ付けを行う装置である。
【0003】
このリフローはんだ付け装置の搬入口や搬出口にはガスカーテンを形成して加熱炉内の雰囲気が漏洩しないように構成されているが、前記はんだと併せて使用されているフラックスの固形分が多いと、このガスカーテンを形成する吹き口体にフラックスヒュームが結露して滴下し、プリント配線板を汚染する場合があった。
【0004】
【従来の技術】
リフローはんだ付け装置の加熱方式としては、赤外線等による熱線加熱、熱風加熱、蒸気加熱、伝熱加熱、これらを併用した加熱等の方式がある。これら何れの方式においても、高温の雰囲気を維持するためにチャンバ形式の加熱炉内においてプリント配線板を加熱し、リフローはんだ付けが行われる。
【0005】
これらの加熱は窒素ガス等の不活性ガスを供給して低酸素濃度の雰囲気中で行われることもあり、加熱炉内の雰囲気を封止して不活性ガスの消費量を抑制するとともにこの加熱炉内の高温の雰囲気を封止して加熱効率の向上を図るために、その搬入口や搬出口に加熱炉外の大気や窒素ガス等を吹き口体から噴出させてガスカーテンを形成することが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このはんだ付けの際のはんだと併せて使用されているフラックスが蒸発し気化してフラックスヒュームとなり、加熱炉内やその搬入口や搬出口にもフラックスヒュームを含む雰囲気が形成される。なお、このフラックスヒュームの加熱炉内における蓄積を防止するために、このフラックスヒュームを排出し除去するための手段を設けて構成したリフローはんだ付け装置も存在する。しかし、フラックスヒュームの蓄積は解消されるものの加熱炉内やその搬入口や搬出口にフラックスヒュームの雰囲気が形成されることには変わりがない。
【0007】
そのため、固形分の多いフラックス等が使用された場合においては、ガスカーテンを形成する吹き口体の表面にフラックスヒュームが結露し易くなって、滴下することもある。この結露すなわち液化したフラックスがプリント配線板上に滴下すると、このプリント配線板を汚染してその回路の作動に障害を与えたり、その信頼性を低下させるので好ましくない。
【0008】
すなわち、従来はこのガスカーテンを形成する吹き口体にフラックスの腐食作用に耐え得るステンレス部材等の金属部材が使用されていた為に、この吹き口体に常温の大気や窒素ガスを供給するとその表面温度がフラックスヒュームの露点以下の温度に低下し、この吹き口体の表面にフラックスヒュームの結露を促進させてしまうのである。
【0009】
本発明の目的は、リフローはんだ付け装置に使用されるガスカーテンの吹き口体にフラックスヒュームが結露しないようにこの吹き口体を構成することによって、プリント配線板の品質や機能を阻害し低下させたり信頼性を低下させることなくリフローはんだ付けを行うことができるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のリフローはんだ付け装置は、ガスカーテンを形成する吹き口体を、フラックスに対する耐腐食性を備える素材であってその表面温度がフラックスヒュームの露点以下にならないような熱伝導率と厚さにひいては熱抵抗を備えて構成したところに特徴がある。
【0011】
すなわち、被はんだ付け部に予めはんだが供給された被はんだ付けワークの少なくとも前記被はんだ付け部を加熱してリフローはんだ付けを行う加熱炉の搬入口と搬出口とに前記加熱炉内の雰囲気温度よりも低い温度の雰囲気を吹き出してガスカーテンを形成する場合の吹き口体の素材としてフラックスに対する耐腐食性を有する樹脂部材を使用するとともに前記樹脂部材で構成された吹き口体は表面温度がフラックスヒュームの露点以上の温度に保持される厚さに構成されたリフローはんだ付け装置である。
【0012】
樹脂部材は一般的にフラックスに使用される酸やアルカリさらには溶剤に対して耐腐食性を有し、その熱伝導率も金属部材の1/100〜1/数1000以下の極めて小さな値である。
【0013】
そのため、ガスカーテンを形成する吹き口体がフラックスヒュームに侵されることがない。また、熱伝導率が極めて小さくその値は一般的に0.5W/(m・K)以下であり、その厚さを数mm程度の厚さに構成することにより、加熱炉内の雰囲気温度よりも低い温度の常温の大気や窒素ガス等を吹き口体から吹き出してガスカーテンを形成しても、この吹き口体の表面温度がフラックスヒュームの露点以下に低下することが無い。したがって、この吹き口体の表面にフラックスヒュームが結露しさらには滴下することを防止することができるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のリフローはんだ付け装置は、次のような実施形態例において実現することができる。
【0015】
(1)構成
図1は、本発明のリフローはんだ付け装置の実施形態例の側断面すなわち縦断面を示す図である。なお、窒素ガス供給系およびフラックスヒューム除去系そしてガスカーテン形成系はシンボル図で描いてある。
【0016】
この例は、加熱炉13(すなわち加熱手段4を備えた炉体1)を3つの領域に区画して形成したいわゆる3ゾーン構成のリフローはんだ付け装置で、プリント配線板2を搬送する搬送コンベア3を境にして加熱手段4を設けた加熱室を上下対称に設けた構造であり、この加熱室が6室設けてある。そして、プリント配線板2の搬送方向Aに沿って1ゾーン目が昇温部加熱室5、2ゾーン目が均温部加熱室6、3ゾーン目がリフロー部加熱室7である。なお、この例の他にも4ゾーン構成や多いものでは8ゾーン構成の装置もある。
【0017】
加熱手段4としては、公知の熱風加熱手段や赤外線加熱手段を使用するか、またはこれらの加熱手段を併用して使用する。プリント配線板2への供給熱量は、熱風加熱手段では熱風温度により最終供給熱量が決まり、熱風の風速で単位時間当たりの供給熱量が決まる。また、赤外線加熱手段では、赤外線ヒータの表面温度の概ね4乗に比例して供給熱量を増加させることができる。そして、これらの熱風温度や熱風の風速、赤外線ヒータの表面温度を調節することによりプリント配線板2の加熱温度を調節し、目的とする加熱温度プロファイルを得る仕組みとなっている。
【0018】
また、搬送コンベア3の詳細は図示しないが、通常使用されている搬送コンベアであり、平行2条の搬送チェーンによりプリント配線板2の両側端部を保持して搬送する構成となっている。なお、搬入口8および搬出口9には並設した抑止板10によりラビリンスシール部すなわち入口ラビリンス部11と出口ラビリンス部12とを構成し、各加熱室5,6,7の内部と外部すなわち炉体1の外部との封止性を確保している。
【0019】
はんだを溶融させるリフロー部加熱室7には窒素ガスが供給され、このリフロー部加熱室7に最も酸素濃度の低い窒素ガス雰囲気を形成している。すなわち、ボンベやPSA方式等の窒素ガス供給装置14から開閉弁15を通ってフィルタ16で不要物を除去した後圧力制御弁17で目的の圧力に維持し、流量調節弁18と流量計19とで目的とする流量に調節して供給される。圧力計20は圧力モニタ用である。
【0020】
リフロー部加熱室7に窒素ガスが供給されることにより、このリフロー部加熱室7内の低酸素濃度の窒素ガス雰囲気は隣接する均温部加熱室6→昇温部加熱室5→入口ラビリンス部11へと移動して搬入口8から周囲に放出される。また、このリフロー部加熱室7内の低酸素濃度の窒素ガス雰囲気は隣接する出口ラビリンス部12へと移動して搬出口9から周囲に放出される。
【0021】
このように、加熱炉13内の雰囲気が窒素ガスに置換されて低酸素濃度の窒素ガス雰囲気を形成する。しかし、搬入口8や搬出口9の外側には、温度の低いすなわち密度の高い大気が存在するため、どうしてもこの大気がこの搬入口8や搬出口9から加熱炉13内へ進入する。また、それに伴って加熱炉13内の雰囲気が搬入口8や搬出口9から放出されることになる。すなわち、加熱炉13内への大気の侵入と加熱炉13内からの雰囲気の漏出が生じる。
【0022】
この大気の侵入と雰囲気の漏出を防止するために、入口ラビリンス部11と出口ラビリンス部12には、エアカーテンすなわちガスカーテンを形成するように構成している。すなわち、エアカーテンを形成する吹き口体21が入口ラビリンス部11と出口ラビリンス部12に設けられ、これらの吹き口体21からエアすなわち大気を吹き出すように構成してある。
【0023】
エアカーテンを形成する大気すなわち空気は圧縮空気供給装置22から供給され、開閉弁23を通ってフィルタ24で不要物を除去した後圧力制御弁25で目的の圧力に維持し、流量調節弁26と流量計27とで目的とする流量に調節して供給される。圧力計28は圧力モニタ用である。
【0024】
また、本実施形態例のリフローはんだ付け装置では、リフロー部加熱室7内で発生したフラックスヒュームを除去するフラックスヒューム捕集装置30を設けてあり、フラックス捕集後の雰囲気すなわち低酸素濃度の窒素ガス雰囲気を出口ラビリンス部12にガスカーテンを形成するための雰囲気として使用している。すなわち、出口ラビリンス部12に2段のガスカーテンを形成し、しかもリフロー部加熱室7に隣接する側のガスカーテンにはこのリフロー部加熱室7内の低酸素濃度の窒素ガス雰囲気を使用しているので、大気の侵入を阻止して搬出口9に近い位置にあるこのリフロー部加熱室7内の酸素濃度の上昇を極めて良好に抑止することができるようになる。
【0025】
なお、フラックスヒューム捕集装置30は、冷却部31でフラックスヒュームを冷却して露点以下(約70℃程度)の雰囲気温度に降温させることでこのフラックスヒュームを霧滴化し、その後にフィルタ部32の粒子フィルタで捕集するように構成してある。すなわち、冷却部31とフィルタ部32とを隣接して設けて構成してある。ブロワ33は雰囲気循環用の手段で、ひいては吹き口体34により出口ラビリンス部12に低酸素濃度の窒素ガス雰囲気によるガスカーテンを形成するための手段となる。
【0026】
そして、このエアカーテンを形成する吹き口体21内へは常温(約25℃)の大気が供給されて吹き出し、またフラックスヒューム捕集装置30でフラックスヒュームを除去された雰囲気すなわち低酸素濃度の窒素ガス雰囲気は約30〜40℃程度の温度となって吹き口体34へ供給され吹き出す。これにより、リフロー部加熱室7で加熱されたプリント配線板2の冷却も促進できる。
【0027】
なお、リフロー部加熱室7内の雰囲気温度は通常約200℃〜250℃程度である。そのため、出口ラビリンス部12内における雰囲気温度も約100℃〜150℃程度の温度になっている。また、昇温部加熱室5内の雰囲気温度は通常約150℃〜200℃程度である。そのため、入口ラビリンス部11内における雰囲気温度も約80℃〜100℃程度になっている。
【0028】
図2は、ガスカーテンを形成する吹き口体の構成例を説明するための図で、(a)は吹き口体21,34に多数の透孔35を列条に配設した例を示す斜視図、(b)は吹き口体21,34にスリット状の透孔36を設けた例を示す斜視図、(c)は(a)および(b)に示す吹き口体21,34の横断面を示す図である。
【0029】
吹き口体21,34の素材としては、その熱伝導率が金属部材に対して遙に小さい(例えば、1/100〜1/数1000程度)樹脂部材を使用する。例えば、従来使用されていたフラックスやその溶剤に対する耐腐食性に優れた18−8ステンレス部材の熱伝導率は約16W/(m・K)程度である。なお、参考までに鉄部材は約64W/(m・K)、銅部材は約340W/(m・K)程度である。
【0030】
これに対し、本発明において使用する樹脂部材としては、もちろんフラックスやその溶剤に対する耐腐食性に優れた部材であり、例えば、ポリプロピレン系樹脂でその熱伝導率は約0.08〜0.17W/(m・K)、ふっ素系樹脂でその熱伝導率は約0.13〜0.25W/(m・K)、さらにエポキシ系樹脂でその熱伝導率は約0.17〜0.21W/(m・K)、塩化ビニル系樹脂でその熱伝導率は約0.13〜0.29W/(m・K)、アクリル系樹脂でその熱伝導率は約0.13〜0.25W/(m・K)、フェノール系樹脂でその熱伝導率は約0.17〜0.33W/(m・K)、ポリエチレン系樹脂でその熱伝導率は約0.33〜0.5W/(m・K)、等々である。
【0031】
また、これらの吹き口体21,34として使用する素材の厚さdとしては、その熱伝導率が0.5W/(m・K)以下であれば、雰囲気温度が150℃以下では2mm以上、200℃以下では1.8mm以上、250℃以下では1.7mm以上が必要である。(したがって、この吹き口体21,34の単位表面積当りの熱抵抗によって、これらの条件を規定することもできる。)これよりも厚さdが薄くなると(熱抵抗が小さくなると)吹き口体21,34へ供給される大気の温度(約25℃)が低いためその吹き口体21,34の表面温度がフラックスヒュームの露点(約70℃)以下に低下してその表面に結露を生じるようになる。
【0032】
このように、ガスカーテンを形成する吹き口体21,34が設けられる雰囲気の温度に応じて、この吹き口体21,34に必要な最低限の厚さを設定できる。このように、樹脂部材の熱伝導率が金属部材と比較して極めて小さいため、その厚さdを金属部材と同等にしてもその表面温度がフラックスヒュームの露点温度以下になることはない。
【0033】
なお、フラックス捕集装置30から供給される低酸素濃度の窒素ガス雰囲気の温度は約30〜40℃程度であるが、これはフラックス捕集装置30の冷却部31の冷却能力やブロワ33による単位時間当たりの雰囲気循環流量によって変わるので、最低で常温程度(約25℃程度)に到達することを考慮して、当該ガスカーテンを形成する吹き口体34に使用する素材の厚さdとしては、前記エアカーテン用の吹き口体21として使用する素材の厚さdと同程度にするとよい。ちなみに、窒素ガスの熱伝導率は約0.024W/(m・K)程度であり、大気の熱伝導率は約0.023W/(m・K)程度である。
【0034】
(2)作動
次に、本発明のリフローはんだ付け装置の実施形態例の作動を説明する。搬送コンベア3により搬入口8から搬入されたプリント配線板2は矢印A方向へ搬送され、昇温部→均温部→リフロー部の順に各加熱室5,6,7を通って加熱され、はんだ付けが完了したプリント配線板2は搬出口9から搬出される。
【0035】
各加熱室5,6,7におけるプリント配線板2の加熱到達温度は、各加熱室5,6,7の加熱手段4からプリント配線板2へ供給される熱量で調節され、熱風温度や熱風の風速、さらには赤外線ヒータの表面温度等々によって調節される。これにより、プリント配線板2は目的とする所定の加熱温度プロファイルで加熱されてリフローはんだ付けが行われる。
【0036】
リフロー部加熱室7には窒素ガスが供給されていて、この窒素ガスは、隣接する均温部加熱室6さらに昇温部加熱室5へ流れて行き、これらの各加熱室5,6,7に低酸素濃度の窒素ガス雰囲気を形成する。そして、リフロー部加熱室7には最も低酸素濃度の窒素ガス雰囲気が形成される。
【0037】
リフロー部加熱室7に継続して窒素ガスが供給されることにより、この窒素ガスは最終的には搬入口8や搬出口9から流れ出るが、この搬入口8および搬出口9にはそれぞれラビリンス部11,12を設けて大気の侵入を抑止するように構成してあるので、各加熱室5,6,7には大気が侵入し難い構成となっている。
【0038】
また、各ラビリンス部11,12にはエアカーテンが形成されるとともに、出口ラビリンス部11にはフラックスヒューム除去後の低酸素濃度の窒素ガス雰囲気を媒体とするガスカーテンも併設して形成する構成としている。そのため、搬出口9に近いリフロー部加熱室7への大気の侵入が更に抑止され、これら各ラビリンス部11,12やエアカーテンを含むガスカーテンにより、少ない窒素ガス消費流量で低酸素濃度の窒素ガス雰囲気を形成することができるようになる。
【0039】
このように、プリント配線板2は,低酸素濃度の窒素ガス雰囲気中でその被はんだ付け部やはんだの酸化を抑止され、良好な濡れ性のはんだ付けを行うことができるようになり、さらに微細な被はんだ付け部にも十分にはんだが濡れて良好なはんだ付け性を得ることができる。
【0040】
そして、入口ラビリンス部11や出口ラビリンス部12に設けられてエアカーテンを形成するための吹き口体21、さらにフラックスヒューム除去後の低酸素濃度窒素ガス雰囲気でガスカーテンを形成するための吹き口体34は、フラックスに対して耐腐食性であり熱伝導率が金属部材と比較して遙に小さい樹脂部材で構成されているため、これらの吹き口体21,34に常温程度の大気や窒素ガスが供給されても、その表面温度がフラックスヒュームの露点温度以下に低下することはない。したがって、これらの吹き口体21,34の表面にフラックスヒュームが結露することはなく、これらの吹き口体21,34から液化したフラックスヒュームが滴下してプリント配線板2を汚染することも解消される。
【0041】
また、この樹脂部材で構成された吹き口体21,34の厚さdも金属部材を使用した場合と同等の厚さでよいため、使い勝手も優れている。なお、リフローはんだ付け装置においてガスカーテンが使用される雰囲気の温度は100〜150℃程度であるが、仮に吹き口体21,34を使用する雰囲気温度が200℃を越える場合には、特に耐熱性に優れているふっ素系樹脂を使用することが好ましい。
【0042】
このように、樹脂部材はその熱伝導率が0.5W/(m・K)以下と金属部材と比較して1/100〜1/数1000程度であり、リフローはんだ付け装置の加熱炉13の封止用として使用するガスカーテンの吹き口体21,34の部材として好適であり、その厚さdも2mm程度でよいため金属部材と同じ寸法で使用することが可能であり、このような条件によりフラックスヒュームの結露や滴下の発生を防止することができる。しかも、フラックスに対する耐腐食性を有している。その結果、ガスカーテンの封止作用を有効に利用しながら窒素ガスの消費流量を少なくして、プリント配線板2を汚染することなく品質と信頼性に優れたプリント配線板2のリフローはんだ付けを行うことができるようになる。
【0043】
さらに、ステンレスなどの金属パイプの表面に、前述の樹脂部材をコーティングして形成した吹き口体を使用しても良い。
【0044】
なお、入口ラビリンス部11や出口ラビリンス部12を構成する部材(たとえば抑止板10など)として同様の樹脂部材を使用すれば、各ラビリンス部11,12が周囲の大気に接触していてもそのプリント配線板2に臨む面の温度がフラックスヒュームの結露温度以下に低下することを防止することができる。したがって、当該ラビリンス部11,12にフラックスヒュームが結露して滴下することも防止することができるようになる。
【0045】
さらに、低酸素濃度の不活性ガス雰囲気中(例えば窒素ガス雰囲気中)でフローはんだ付けを行うフローはんだ付け装置においても雰囲気形成用のチャンバを有しているため、このチャンバ内の高温部(予備加熱用ヒータの近傍やはんだ槽の近傍)がフラックスヒュームの露点以上すなわち約70℃以上の温度になる場合においては、当該各部にガスカーテンを形成したり窒素ガスを供給したりする吹き口体の部材として同様の樹脂部材を使用することにより、フラックスヒュームの結露と滴下を防止することができるようになる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明のリフローはんだ付け装置によれば、リフローはんだ付け装置に使用されるガスカーテンの吹き口体にフラックスヒュームが結露しなくなり、結露により液化したフラックスヒュームがプリント配線板に滴下することがなくなる。したがって、被はんだ付けワークであるプリント配線板の品質と機能を阻害し低下させたり信頼性を低下させることもなくリフローはんだ付けを行うことができるようになる。また、窒素ガスの消費流量を増大させる必要もなく、低コストのリフローはんだ付け実装が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリフローはんだ付け装置の実施形態例の側断面すなわち縦断面を示す図である。
【図2】ガスカーテンを形成する吹き口体の構成例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 炉体
2 プリント配線板
3 搬送コンベア
4 加熱手段
5 昇温部加熱室
6 均温部加熱室
7 リフロー部加熱室
8 搬入口
9 搬出口
10 抑止板
11 入口ラビリンス部
12 出口ラビリンス部
13 加熱炉
14 窒素ガス供給装置
15,23 開閉弁
16,24 フィルタ
17,25 圧力制御弁
18,26 流量調節弁
19,27 流量計
20,28 圧力計
21,34 吹き口体
22 圧縮空気供給装置
30 フラックスヒューム捕集装置
31 冷却部
32 フィルタ部
33 ブロワ
35,36 透孔

Claims (1)

  1. 被はんだ付け部に予めはんだが供給された被はんだ付けワークの少なくとも前記被はんだ付け部を加熱してリフローはんだ付けを行う加熱炉の搬入口と搬出口とに前記加熱炉内の雰囲気温度よりも低い温度の雰囲気を吹き出してガスカーテンを形成する場合の吹き口体の素材としてフラックスに対する耐腐食性を有する樹脂部材を使用するとともに前記樹脂部材で構成された吹き口体は表面温度がフラックスヒュームの露点以上の温度に保持される厚さに構成されて成ることを特徴とするリフローはんだ付け装置。
JP2002075329A 2002-03-19 2002-03-19 リフローはんだ付け装置 Expired - Fee Related JP3904955B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002075329A JP3904955B2 (ja) 2002-03-19 2002-03-19 リフローはんだ付け装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002075329A JP3904955B2 (ja) 2002-03-19 2002-03-19 リフローはんだ付け装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003275866A JP2003275866A (ja) 2003-09-30
JP3904955B2 true JP3904955B2 (ja) 2007-04-11

Family

ID=29204432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002075329A Expired - Fee Related JP3904955B2 (ja) 2002-03-19 2002-03-19 リフローはんだ付け装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3904955B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4915981B2 (ja) * 2005-07-14 2012-04-11 エスペック株式会社 熱処理装置
JP4818952B2 (ja) * 2007-02-26 2011-11-16 株式会社鈴木 リフロー炉
JP4978723B2 (ja) * 2010-09-17 2012-07-18 千住金属工業株式会社 はんだ付け装置
JP6502910B2 (ja) * 2016-10-28 2019-04-17 株式会社タムラ製作所 リフロー装置
JP6998666B2 (ja) * 2017-03-27 2022-02-04 株式会社タムラ製作所 リフロー装置
JP7066655B2 (ja) * 2019-04-24 2022-05-13 株式会社タムラ製作所 搬送加熱装置
JP2023144355A (ja) * 2022-03-28 2023-10-11 株式会社タムラ製作所 搬送加熱装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003275866A (ja) 2003-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4580716A (en) Apparatus and method for vapor phase solder reflow
JP6188671B2 (ja) 水蒸気リフロー装置及び水蒸気リフロー方法
US5913589A (en) Combination product cooling and flux management apparatus
JP3904955B2 (ja) リフローはんだ付け装置
US20100012709A1 (en) Reflow furnace
JP5366395B2 (ja) フラックス回収装置
JP2709365B2 (ja) ベーパーリフローはんだ付け装置
JP2018069290A (ja) リフロー装置
JP2009277786A (ja) リフローはんだ付け装置
JP3597878B2 (ja) 雰囲気炉の排ガス吸引装置
JP4902487B2 (ja) リフロー装置、フラックス回収装置およびフラックスの回収方法
JP6677844B1 (ja) 加熱装置及びはんだ接合済対象物の製造方法
JP4902486B2 (ja) リフロー装置
JPH07202405A (ja) はんだ付け装置
JP2005079466A (ja) 冷却機構を備えたリフロー装置及び該リフロー装置を用いたリフロー炉
JP4665763B2 (ja) 不活性雰囲気リフロー炉
JP3933879B2 (ja) 水蒸気雰囲気による溶融はんだの酸化防止方法
JP3807890B2 (ja) はんだ付け装置
JP3926084B2 (ja) フロー式はんだ付け装置
JPS62148083A (ja) ベ−パ−リフロ−式はんだ付け装置
JP2018069264A (ja) リフロー装置
JP2001320163A (ja) リフロー装置およびその基板加熱方法
JP6688831B2 (ja) 搬送加熱装置
JP2000340938A (ja) はんだ付け方法およびはんだ付け装置
JPH05262U (ja) 不活性ガスリフロー装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees