JP4978723B2 - はんだ付け装置 - Google Patents

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Description

本発明は、所定の位置にエアーカーテンエリアを有して、プリント基板の部品取付箇所に溶融はんだを噴出させて、プリント基板と電子部品とをはんだ付け処理する噴流はんだ付け装置や、クリームはんだによって電子部品が載置されたプリント基板をリフロー処理することにより電子部品とプリント基板とをはんだ付け処理するリフロー装置等に適用可能なはんだ付け装置に関するものである。
従来から、プリント基板の所定の面に電子部品をはんだ付け処理する場合には、噴流はんだ付け装置や、リフロー装置等が使用される。噴流はんだ付け装置によれば、フラクサーや、プリヒーター、噴流はんだ付け処理部、冷却機等を所定の位置に配設されて構成される。この噴流はんだ付け装置では、電子部品をプリント基板にはんだ付けする場合、プリント基板の一面にフラクサーでフラックスを塗布し、プリヒーターでプリント基板を予備加熱し、噴流はんだ付け槽でプリント基板と電子部品とをはんだ付けし、冷却機でプリント基板を冷却する。これらの処理により、はんだ付けが完了する(特許文献1参照)。
また、リフロー装置に関して特許文献2には、はんだ付けリフロー炉が開示されている。はんだ付けリフロー炉によれば、筒状のマッフル、断熱壁、予熱用ヒーター、リフロー用ヒーター、冷却装置及びエアーカーテンを備えている。
マッフルの外周部位には断熱壁を介して入口側から出口側に向かって予熱用ヒーター、リフロー用ヒーター及び冷却装置が配置されている。マッフルの入口側及び出口側にはエアーカーテンが設けられ、エアーカーテンには窒素ガスが導入される。エアーカーテンはマッフルの出入口から外気が流入することを防止したり、内部への塵埃等の流入を防止したり、マッフル内部から外部への窒素ガスの流出を防止するように機能する。
マッフルはその内部がプリント基板を搬入する搬入部及びそれを搬出する搬出部を除いて密閉され、エアーカーテンから噴出される窒素ガスによって、窒素雰囲気となされている。マッフルの内部にはメッシュベルトが設けられ、プリント基板を所定の方向に搬送するようになされる。
これを前提にして、塗布されたクリームはんだの粘着力によって電子部品が載置されたプリント基板がリフロー装置に搬入されると、メッシュベルトによって、プリント基板が搬送され、予熱用ヒーターにより予備加熱され、その後、リフロー用ヒーターによって、クリームはんだがリフロー処理され、電子部品とプリント基板とがはんだ付けされ、その後、冷却装置によって冷却される。これらのリフロー処理により、はんだ付けが完了する。
さらに、この種のリフロー装置に関連して特許文献3には、はんだ付け方法及びはんだ付け装置が開示されている。このはんだ付け装置は、トンネルタイプの加熱炉及びエアーカーテンを備え、電子部品と基板等のようにワーク同士のはんだ付け処理を行う。加熱炉は窒素雰囲気室及び水素雰囲気室を有し、加熱炉でワークの出入口となる部分にエアーカーテンが設けられる。窒素雰囲気室はその内部に窒素ガスが充填され、ワーク同士のはんだ付けを行われる。エアーカーテンは出入口から外気が流入することを防止したり、窒素雰囲気室への塵埃等の流入を防止したり、窒素雰囲気室内部から外部への窒素ガスの流出を防止するように機能する。
水素雰囲気室は窒素雰囲気室中に分離形成するように配置され、ワークの出し入れが自在な部屋である。水素雰囲気室は内部に水素ガスが充填され、ワークの還元処理が行われる。水素ガスは水素雰囲気室のみに充填される。搬送機構は、窒素雰囲気中から水素雰囲気中へ、及び、水素雰囲気中から窒素雰囲気中へワークを連続的に搬送する。これを前提にして、水素雰囲気中で還元処理を終了したワークを窒素雰囲気中ではんだ付処理するようにした。
このようにはんだ付け装置を構成すると、酸化物(酸化膜)を除去した高品質のはんだ付け処理を行うことができる。水素ガスの使用量をワークの還元処理に必要な最小量にすることができる。はんだ付け装置の構造の簡略化や小型化、はんだやワーク等の加熱・冷却効率が向上できるというものである。
特開2001−230538号公報(第6頁 図1) 特開平 01−118369号公報(第3頁 図2) 特開平 10−202362号公報(第3頁 図1)
ところで、従来例に係るはんだ付け装置によれば、特許文献1に見られるような噴流はんだ付け装置の搬出部や、特許文献2や特許文献3等に見られるリフロー炉内に、エアーカーテンを導入しようとした場合に、特許文献2や特許文献3等に見られるエアーカーテンをそのまま適用した場合、装置の搬入部や搬出部等から外気が流入することを防止したり、窒素等の不活性雰囲気室への塵埃等の流入を防止したり、不活性雰囲気室の内部から外部への窒素(不活性)ガスの流出を防止する機能、すなわち、エアーカーテンエリアで搬送経路上の雰囲気を遮断する機能はそのまま得られるが、常時、エアーカーテンエリアを形成する形態が採られるので、プリント基板がエアーカーテンエリアを通過することに伴って、エアーカーテンエリアを形成するエアーがプリント基板面によって一時的に遮断されるため、エアーカーテンが乱れるという問題がある。
すなわち、常時、エアーカーテンエリアを形成する形態であると、プリント基板(以下で単に基板ともいう)がエアーカーテンエリアに突入するとき、その先端部がエアーカーテンエリア前面側のエアーの吹き上げを遮断するので、乱流を引き起こす。基板がエアーカーテンエリアを通過するときも、基板がエアーの吹き上げを遮断するので、エアーカーテン全体が乱流を引き起こす。基板がエアーカーテンエリアから離脱するとき、その後端部がエアーカーテンエリア後面側のエアーの吹き上げを遮断するので、乱流を引き起こすことが考えられる。
そこで、本発明はこのような課題を解決したものであって、エアーカーテンエリアを形成する送風機構の駆動方法を工夫して、当該エアーカーテンエリアによる搬送経路上の雰囲気を遮断する機能に優先して乱流の発生を防止できるようにすると共に、基板が乱流の発生を伴うことなくエアーカーテンエリアを通過できるようにしたはんだ付け装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の第1のはんだ付け装置は、電子部品を取り付けた基板を予備加熱し、予備加熱後の前記基板をはんだ付け処理部に搬送し、前記基板に電子部品をはんだ付けするはんだ付け装置において、前記基板を搬送する搬送経路の所定位置に設けられ、当該搬送経路上に気体を送風して雰囲気を遮断するエアーカーテンエリアを形成する送風機構と、前記基板が前記エアーカーテンエリアを通過する直前に送風を停止すると共に、前記基板が当該エアーカーテンエリアを通過中も送風を停止し、前記基板が当該エアーカーテンエリアを通過した直後に送風を再開するように前記送風機構を制御する制御部とを備えることを特徴とするものである。
本発明に係る第1のはんだ付け装置によれば、電子部品を取り付けた基板を予備加熱し、予備加熱後の基板をはんだ付け処理部に搬送し、この基板に電子部品をはんだ付けする場合に、エアーカーテンエリアを形成する送風機構は、基板を搬送する搬送経路の所定位置に設けられ、当該搬送経路上に気体を送風して雰囲気を遮断する。これを前提にして、制御部は、基板がエアーカーテンエリアを通過する直前に送風を停止すると共に、基板が当該エアーカーテンエリアを通過中も送風を停止し、基板が当該エアーカーテンエリアを通過した直後に送風を再開するように送風機構を制御するようになる。
この制御によって、当該送風機構による搬送経路上の雰囲気を遮断する機能に優先して乱流の発生を防止できるようになると共に、基板が乱流の発生を伴うことなくエアーカーテンエリアを通過できるようになる。
請求項2に記載のはんだ付け装置は、請求項1において、前記制御部によって制御される送風機構は、所定の位置に吸気口及び排気口を有した本体部と、前記本体部内に回転自在に係合され、前記吸気口から吸い込んだ気体を排気口から吹き出すファン部と、前記ファン部を駆動する駆動部とを有することを特徴とするものである。
請求項3に記載のはんだ付け装置は、請求項2において、前記制御部は、前記駆動部をオン制御して前記送風機構から搬送経路へ気体を送風して前記エアーカーテンエリアを形成すると共に、前記駆動部をオフ制御して当該送風機構から搬送経路への気体の送風を停止することを特徴とするものである。
請求項4に記載の第2のはんだ付け装置は、電子部品を取り付けた基板を予備加熱し、予備加熱後の前記基板をはんだ付け処理部に搬送し、前記基板に電子部品をはんだ付けするはんだ付け装置において、前記基板を搬送する搬送経路の所定位置に設けられ、当該搬送経路上に気体を送風して雰囲気を遮断するエアーカーテンエリアを形成する送風機構と、前記送風機構の排気口に設けられたシャッター機構と、前記基板が前記エアーカーテンエリアを通過する直前に送風を停止すると共に、前記基板が当該エアーカーテンエリアを通過中も送風を停止し、前記基板が当該エアーカーテンエリアを通過した直後に送風を再開するように前記シャッター機構を制御する制御部とを備えることを特徴とするものである。
本発明に係る第2のはんだ付け装置によれば、電子部品を取り付けた基板を予備加熱し、予備加熱後の基板をはんだ付け処理部に搬送し、この基板に電子部品をはんだ付けする場合に、エアーカーテンエリアを形成する送風機構は、基板を搬送する搬送経路の所定位置に設けられ、当該搬送経路上に気体を送風して雰囲気を遮断する。これを前提にして、制御部は、基板がエアーカーテンエリアを通過する直前に送風を停止すると共に、基板が当該エアーカーテンエリアを通過中も送風を停止し、基板が当該エアーカーテンエリアを通過した直後に送風を再開するようにシャッター機構を制御するようになる。
この制御によって、当該シャッター機構による搬送経路上の雰囲気を遮断する機能に優先して乱流の発生を防止できるようになると共に、基板が乱流の発生を伴うことなくエアーカーテンエリアを通過できるようになる。
請求項5に記載のはんだ付け装置は、請求項4において、前記制御部によって開閉制御されるシャッター機構は、前記送風機構の排気口を閉蓋又は開蓋するシャッター部と、前記シャッター部を開閉駆動する駆動部とを有することを特徴とするものである。
請求項6に記載のはんだ付け装置は、請求項5において、前記制御部が前記駆動部をオン制御して前記シャッター部を開蓋状態にして前記送風機構から搬送経路へ気体を送風して前記エアーカーテンエリアを形成すると共に、前記駆動部をオフ制御して前記シャッター部を閉蓋状態にして前記送風機構から搬送経路への気体の送風を阻止することを特徴とするものである。
請求項7に記載のはんだ付け装置は請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記搬送経路に投入される前記基板を検出して基板投入情報を出力する検出部を備え、前記制御部は、前記検出部から出力される基板投入情報に基づいて前記基板の搬送方向の長さを示す基板長さ情報と、前記基板が搬送経路に投入された時刻からエアーカーテンエリアへ到達するまでの経過時間を示す基板到達情報と、前記基板がエアーカーテンエリアを抜ける時刻を示す基板抜け情報とを算出することを特徴とするものである。
請求項8に記載のはんだ付け装置は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記送風機構の本体部に空気又は不活性気体又はこれらの混合気体を導入することを特徴とするものである。
本発明に係る第1のはんだ付け装置によれば、搬送経路の所定位置に設けられて気体を送風するための送風機構を制御する制御部を備え、この制御部は、基板がエアーカーテンエリアを通過する直前に送風を停止すると共に、基板が当該エアーカーテンエリアを通過中も送風を停止し、基板が当該エアーカーテンエリアを通過した直後に送風を再開するように制御するものである。
この構成によって、当該送風機構による搬送経路上の雰囲気を遮断する機能に優先して乱流の発生を防止できるようになると共に、基板が乱流の発生を伴うことなくエアーカーテンエリアを通過できるようになる。
本発明に係る第2のはんだ付け装置によれば、気体を送風してエアーカーテンエリアを形成するための送風機構の排気口に設けられたシャッター機構を制御する制御部を備え、この制御部は、基板がエアーカーテンエリアを通過する直前に送風を停止すると共に、基板が当該エアーカーテンエリアを通過中も送風を停止し、基板が当該エアーカーテンエリアを通過した直後に送風を再開するようにシャッター機構を制御するものである。
この構成によって、当シャッター機構による搬送経路上の雰囲気を遮断する機能に優先して乱流の発生を防止できるようになると共に、基板が乱流の発生を伴うことなくエアーカーテンエリアを通過できるようになる。
これにより、乱流発生防止機能を有した送風機構付きの噴流はんだ付け装置や、リフロー装置等を提供できるようになる。なお、上記雰囲気とは、窒素ガス等の不活性ガスを含んだ雰囲気(窒素ガス雰囲気または不活性ガス雰囲気と記載)、または、窒素ガス等の不活性ガスを含まない雰囲気(単に雰囲気と記載)の概念を表すものである。
本発明に係る実施形態としての噴流はんだ付け装置100の構成例を示す概念図である。 送風機構99における送風機904の構成例を示す斜視図である。 送風機904の組立例を示す分解斜視図である。 送風機904の動作例を示す断面図である。 噴流はんだ付け装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。 (A)〜(D)は第1の実施例としての送風機構99の制御例を示すブロック図である。 送風機904の制御例を示す動作タイミングチャートである。 第2の実施例としての送風機構99の制御例を示すタイムチャートである。 第3の実施例としての制御部65の内部構成例を示すブロック図である。 送風機構99の他の制御例を示すフローチャートである。 第4の実施例としての複数のプリント基板に対応する情報記録例を示す表図である。 第4の実施例に係る送風機構99の制御例を示すフローチャートである。 第5の実施例としてのリフロー装置200の構成例を示す概念図である。 2つの送風機構99a,99bの制御例を示すフローチャートである。 第6の実施例としてのシャッター機構950の構成例を示す説明図である。 シャッター機構950の動作例を示す説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施例としてのはんだ付け装置について説明する。
<長さ既知のプリント基板1枚をはんだ付けする場合>
図1に示す噴流はんだ付け装置100は、はんだ付け装置の一例を構成し、電子部品を取り付けたプリント基板1(Printed circuit board:以下でPCBともいう)を予備加熱し、予備加熱後のプリント基板1を不活性ガスの雰囲気中に搬送し、不活性ガスの雰囲気中で電子部品をプリント基板1にはんだ付けし、はんだ付け後のプリント基板1を冷却するものである。
この例では、噴流はんだ付け装置100にプリント基板1を取り込む側を上流側といい、プリント基板1を取り出す側を下流側という。プリント基板1は上流側から下流側へ搬送されるものとする。プリント基板1の搬送方向は、図1において、白抜き矢印Iに示すように左端側から右端側へ搬送される。
噴流はんだ付け装置100は本体架台101を有している。本体架台101には、搬送部10、熱処理部20、蓋体支持密閉機構30、仕切り部材40、チャンバー50、噴流はんだ槽60、両端ガス供給機構70、蓋体ユニット80、冷却処理部90及び送風機構99が備えられる。
本体架台101は、少なくとも、梁枠部材102及び当該梁枠部材102の四隅に脚部103,104及び脚部105,106(図示せず)を有している。梁枠部材102及び脚部103〜106は鉄骨部材から構成される。
梁枠部材102上にはプリント基板1の搬送経路を構成する搬送部10が設けられる。搬送部10はチャンバー50を貫いてその上流側及び下流側に渡って配置されている。搬送部10は溶融はんだ7の切れを良くするために、本体架台101に対して所定の仰角θを有して斜め取り付けられる。仰角θは、例えば、5°乃至10°程度である。
搬送部10は電子部品を取り付けたプリント基板1をチャンバー50の方向に搬送するものである。搬送部10には、無終端状のチェーン部材11及びL字爪状の複数の搬送チャック12を備える。チェーン部材11はプリント基板1の搬送方向の両側に設けられる。搬送チャック12は所定の配置ピッチでチェーン部材11に取り付けられる。当該プリント基板1は、両側の搬送チャック12の間にプリント基板1を挟んで搬送するようにセットされる。
チャンバー50の上流側には熱処理部20が設けられる。熱処理部20は上部に開口部201を有してプリント基板1を熱処理する。当該開口部201はプリント基板1が搬送される範囲を蓋体で覆うようになされている。本例の場合では、所定の複数の蓋体31,32,33,34で開口部201を密閉するように塞がれる。すなわち、熱処理部20はプリント基板1を搬送するためにトンネル状を成し、例えば、電子部品を取り付けたプリント基板1を所定の温度に、パネルヒーターで加熱したり、遠赤外線ヒーターによって熱せられた空気、不活性ガス等の雰囲気をファンで循環する熱風として、その熱風で加熱するようになされている。
この例で、熱処理部20がチャンバー50を基準にしてその上流側の搬送部10を覆うように設けられる。熱処理部20の最上流側には基板搬入口202が設けられる。プリント基板1は基板搬入口202で搬送部10にセットされる。基板搬入口202には基板検出センサ18が配設される。基板搬入口202で搬送部10にセットされたプリント基板1を検出してPCB検出データD18を発生する。PCB検出データD18は図5に示す制御部65に出力される。熱処理部20は、例えば、4つの予備加熱ゾーン21,22,23,24(プリヒーターゾーン)から構成される。
熱処理部20では、電子部品を取り付けたプリント基板1を徐々に加熱して最適なはんだ処理温度に加熱するために、予備加熱ゾーン21〜24は、各々加熱雰囲気を形成する。熱処理部20の下流側にはチャンバー50に至る基板連通口203が設けられる。上述の搬送部10は、予備加熱後のプリント基板1を基板連通口203を通過してチャンバー50内に搬送する。熱処理部20には蓋体支持密閉機構30が設けられる。蓋体支持密閉機構30は蓋体31,32,33,34を支持して開口部201を密閉するものである。
この例で、蓋体31,34には仕切り部材40が設けられる。仕切り部材40は複数のラビリンス部43から構成される。ラビリンス部43は、外部から熱処理部20に塵埃等が入らないようにすると共に、窒素ガスのチャンバー50内から外部への漏洩を防止する。
熱処理部20の基板連通口203にはチャンバー50(処理容器)が連接して備えられる。チャンバー50内は、不活性ガスが導入され、不活性ガス雰囲気が形成される。不活性ガスには窒素ガス(N)や、アルゴンガス(Ar)が一般的に使用される。チャンバー50は、不活性ガスの雰囲気中で、電子部品をプリント基板1にはんだ付け処理する。
チャンバー50の下方には、噴流はんだ槽60が設けられる。噴流はんだ槽60は所定の温度に加熱された溶融はんだ7が収容される。噴流はんだ槽60は、窒素ガスの雰囲気中で溶融はんだ7を噴流し、電子部品をプリント基板1にはんだ付け処理する。噴流はんだ槽60は、2系統の噴出ノズル61,62を有している。噴出ノズル61,62はプリント基板1の搬送方向に並べて配置される。
上流側の噴出ノズル61は、はんだを粗く噴流してはんだ付け処理する一次はんだ付け処理時に使用される。下流側の噴出ノズル62は、はんだを細密に噴流してはんだ付け処理する二次はんだ付け処理(仕上げ用)に使用される。噴流はんだ槽60は、例えば、ステンレス(SUS)板を箱状に形成して構成される。噴流はんだ槽60内には、噴流ポンプ(以下単にポンプ8,9という)が設けられる。ポンプ8,9には、例えば、複数枚、好ましくは、4枚以上の羽根を有するスクリューポンプが使用される。
ポンプ8はモーター68により駆動され、噴流はんだ槽60に収容された溶融はんだ7を所定の圧力で噴出ノズル61に供給する。ポンプ9はモーター69により駆動され、噴流はんだ槽60に収容された溶融はんだ7を所定の圧力で噴出ノズル62に供給する。噴出ノズル61,62から噴出される溶融はんだ7は、図5に示す噴流はんだ駆動部66によって制御される。なお、チャンバー50及び噴流はんだ槽60は、はんだ付け処理部を構成する。
この例で、本体架台101の下方であって、噴流はんだ槽60に隣接して両端ガス供給機構70が設けられる。両端ガス供給機構70は、噴流はんだ槽60の液面上に、例えば、窒素ガス(N)を噴出し、電子部品をはんだ付けする側に、窒素ガス雰囲気を形成する。両端ガス供給機構70は、例えば、ガス供給部71,72、N2ガスタンク74及びノズル管路75を有している。ガス供給部71,72の各々の一端はN2ガスタンク74に接続される。
ガス供給部71の他端はノズル管路75の一端に接続され、ガス供給部72の他端はノズル管路75の他端に接続される。ガス供給部71,72は、噴流はんだ槽60の液面上をノズル管路75を介して窒素ガス雰囲気にするための窒素ガスを個々に調整する。なお、ガス供給部73は、チャンバー50内を窒素ガス雰囲気にするための窒素ガスの流量を調整する。
チャンバー50の上方には、本例においては、当該チャンバー50上の開口部501を塞ぐ(覆う)ように蓋体ユニット80が着脱自在に取り付けられる。蓋体ユニット80は雰囲気送入口801及び雰囲気排出口802を有している。
この雰囲気送入口801及び雰囲気排出口802には雰囲気清浄化部81が接続される。雰囲気送入口801は、雰囲気清浄化部81でフラックスヒュームが除去された後の窒素ガスをチャンバー50内に送入する部分である。雰囲気排出口802は、チャンバー50内でフラックスヒュームを含んだ窒素ガスを雰囲気清浄化部81へ排出する部分である。
雰囲気清浄化部81は、雰囲気排出口802から排出されるフラックスヒュームを含んだ窒素ガスを清浄化し、清浄化後の窒素ガスを雰囲気送入口801に供給するように雰囲気を循環させるためのファン(送風機)813を有している。例えば、雰囲気清浄化部81は、雰囲気送入口803及び雰囲気排出口804を有した筺体83、及び、当該筺体83内に設けられた複数のパイプ82から構成されている。当該パイプ82の内側には空気(冷気)が通風される。
このフラックスヒュームを含んだ窒素ガス雰囲気(窒素ガス+雰囲気)は筺体83内に導入され、そのパイプ82の外側を通過する際に、フラックスヒュームがパイプ82に当たって冷やされ、フラックスヒュームが結露(凝結)してパイプ82の外側に付着する。これにより、フラックスヒュームと窒素ガス雰囲気とを分離できるようになる。
チャンバー50の下流側には冷却処理部90が設けられる。例えば、冷却処理部90はチャンバー50を基準にしてその下流側の搬送部10を覆うように設けられる。上述の搬送部10は、はんだ付け処理後のプリント基板1を冷却処理部90へ搬送する。冷却処理部90は、搬送部10によって搬送されてくる、電子部品がはんだ付けされたプリント基板1を冷却する。
冷却処理部90は上部に開口部901を有しており、当該開口部901は所定の複数の蓋体91,92で塞がれ、冷却処理部90がトンネル状を構成している。蓋体91,92には、仕切り部材40が備えられ、開口部901と蓋体91,92との間には蓋体支持密閉機構30が備えられている。
冷却処理部90には図示しない空冷ファンが設けられ、電子部品を取り付けたプリント基板1の上下面に窒素ガスや冷風を吹き付けることで、当該プリント基板1に対する冷却処理を施す。冷却処理部90の下流側には外部に至る基板搬出口902が設けられる。冷却後のプリント基板1は基板搬出口902から取り出される。
基板搬出口902にはエアーカーテンエリア927を形成する送風機構99が設けられ、搬送経路上に気体を送風して雰囲気を遮断するようになされる。この気体には空気又は不活性気体又はこれらの混合気体が含まれ、これらのいずれかが搬送経路上に導入され、幅の広い膜状の吹き出し気流によるエアーカーテンエリア927が形成される。送風機構99は、クロスフローファン(Cross Flow Fan)等の送風機904、下側ガイド板905及び上側ガイド板906から構成される。
送風機904は本体架台101に取り付けられる。下側ガイド板905は搬送部10の下方に設けられ、上側ガイド板906は搬送部10の上方に設けられる。下側ガイド板905及び上側ガイド板906は搬送部10の幅方向とほぼ等しい長さを有し、かつ、内面が例えば、R形状を有している。もちろん、下側ガイド板905及び上側ガイド板906はL形状でも、ストレート形状であってもよい。下側ガイド板905及び上側ガイド板906はステンレスや、鉄板等の金属部材や、硬質樹脂から構成される。
ここで、図2を参照して、送風機904の構成例について説明する。図2に示す送風機904は、モーター96、ケーシング913、補強部材914、右側面板915、左側面板917及びファン部919を有して貫流送風機や多翼送風機等を構成する。もちろん、図3に示すようなファンカバー910もその構成に含まれる。
ファンカバー910、ケーシング913、補強部材914、右側面板915及び左側面板917は、送風機904の本体部を構成する。本体部には、所定の位置に吸気口911(図3参照)及び排気口912が設けられる。ファン部919は本体部内に回転自在に係合される。
この例では、右側面板915には軸受け部916が設けられ、左側面板917には軸受け部918が設けられる。右側面板915及び左側面板917は鉄板を例えば、五角形状に外側に折り曲げ加工して形成される。右側面板915及び左側面板917の間にはファン部919が回転自在に係合されている。右側面板915には開口部956,957が設けられる。開口部956等は、排気口912が塞がれた場合に、エアーを逃がすように機能する。
ファン部919はシロッコファンと同じ前向きの羽根を有している。ファン部919は羽根の幅が直径に比べて大きい羽根車状を成しており、気流は軸に垂直な方向から吸い込まれる。ファン部919は軸部921及び軸部922を有している。ファン部919の一方の軸部921は回転自在に軸受け部916に係合され、他方の軸部922は回転自在に軸受け部918に係合されている。
送風機904では、右側面板915と左側面板917との間に、ケーシング913と補強部材914とが配置される。このケーシング913と補強部材914とにより排気口912が構成される。ケーシング913は流れを規制するために断面J状を成している。ケーシング913は鉄板を折り曲げ加工して形成される。補強部材914はケーシング913と共に流れを規制するために断面凹状を成している。補強部材914も鉄板を折り曲げ加工して形成される。
ファン部919の軸部922にはモーター96が接続(直結)され、ファン部919を所定の方向に回転するように動作する。これらにより送風機904を構成する。送風機904は、気体の流れが回転軸に対し、垂直な面内を流れ、排気口912を軸方向に長く設定できる。また、排気口912から排気ダクト907の方向に風速が得られる。
続いて、図3を参照して、送風機904の組立例について説明する。まず、モーター96、ケーシング913、補強部材914、右側面板915、左側面板917及びファン部919を準備する。送風機904の組み立て方については、何通りかが有るが、例えば、最初にモーター96を左側面板917の外側に取り付けてビス等により固定する。モーター96は、モーター軸961がファン部919の側に向くように配置する。
ファン部919には両端に軸部921,軸部922を有した羽根車状のものを使用する。軸部922には、例えば、モーター軸961が嵌合可能な穴部がその中心位置に形成されたものを準備する。そして、左側面板917の軸受け部918にファン部919の軸部922を嵌合すると共に、軸部922をモーター軸961に接続する。接続方法は、例えば、軸部922の内側の穴部にモーター軸961を嵌合して軸部922の外部からビス等によりモーター軸961を固定する。
もちろん、これに限られることはない。例えば、モーター軸961の断面を多角形状やD状等に加工し、軸部922の穴部の断面を多角形状やD状等に加工し、これらの断面多角形状のモーター軸961と、軸部922の断面多角形状の軸穴とを嵌合する方式や、断面D状のモーター軸961と、軸部922の断面D状の軸穴とを嵌合する方式等を採ってもよい。外側からのビスが省略できる。
その後、右側面板915の軸受け部916にファン部919の軸部921を嵌合する。そして、右側面板915と左側面板917との間にケーシング913と補強部材914とを配置する。ケーシング913及び補強部材914の一端を右側面板915に当接して固定する。
一方、ケーシング913及び補強部材914の他端を左側面板917に当接して固定する。ファンカバー910には断面横U状を成したものを準備する。例えば、ファンカバー910は鉄板を折り曲げ加工して形成する。ファンカバー910にはスリット状の吸気口911が設けられたものを使用する。吸気口911は例えば、ファンカバー910を打ち抜き加工して形成する。
そして、ファンカバー910を右側面板915及び左側面板917に位置合わせして取り付け、図示しないビス等でファンカバー910を右側面板915及び左側面板917に固定して送風機904を完成する。
続いて、図4を参照して、送風機構99の動作例について説明する。図4に示す送風機904は搬送部10の下方の冷却部取付架台908に取り付けられ、送風機構99の一部を構成する。送風機構99は図5に示す制御部65によって制御される。図中、白抜き矢印は空気(エアー)の流れの方向である。この例では、図2に示したモーター96がファン部919を時計方向に回転すると、ファンカバー910の吸気口911から吸い込んだ空気がケーシング913にガイドされて排気口912を介して排気ダクト907に導かれ、当該排気ダクト907の上方へ吹き出すようになされる(白抜き矢印参照)。
例えば、送風機904が排気口912から上方に空気を吹き出すと、プリント基板1の搬送経路を一旦縦断した後、図1に示すように上側ガイド板906の左側部906aは、送風機904から受けた空気を一旦基板搬出口902の側、すなわち、プリント基板1の搬送方向に導いた後(図中の右向き矢印を参照)、上側ガイド板906の右側部906bで、その空気を下方に向き、再度、プリント基板1の搬送経路を縦断するように導く。下側ガイド板905は上方から受けた空気を上方に向くように導く。
このように送風機構99は、基板搬出口902に空気を対流させてエアーカーテンエリア927を形成する。このエアーカーテンエリア927は、送風機904から上側ガイド板906の左側部906aに至る空気が、上側ガイド板906の右側部906bから下側ガイド板905へ、さらに下側ガイド板905から上側ガイド板906の左側部906aに至り対流する空気によるエアーカーテンから構成される。
この送風機構99によって、エアーが下側ガイド板905及び上側ガイド板906間を対流(循環)するエアーカーテンエリア927が形成されるので、外部から冷却処理部90に塵埃等が入らないようにできると共に、窒素ガスのチャンバー50内から外部への漏洩を防止できるようになる。この結果、窒素ガス資源を効率良く使用できるようになる。
しかも、エアーカーテンエリア927を通過するプリント基板1の通過タイミングに対応して空気の送出又はその停止をするように制御されるので、エアーカーテンエリア927による搬送経路上の雰囲気を遮断する機能に優先して乱流の発生を防止できるようになる。
本例の場合、送風機904から吹き出された空気を、一旦、上側ガイド板906(左側部906a)で基板搬出口902の側に導く、このため、基板搬出口902を介して外部から炉内に大気が侵入することを抑制する働きがより顕著にとなるので好ましい。
しかしながら、送風機904から吹き出された空気を、基板搬出口902と反対側の噴流はんだ槽60の側に吹き出すように構成した場合でも、空気(エアー)が下側ガイド板905及び上側ガイド板906間を対流(循環)するようになるので、外部から冷却処理部90に塵埃等が入らないようにできると共に、窒素ガスのチャンバー50内から外部への漏洩を防止できるようになる。その結果、窒素ガス資源を効率良く使用できるようになる。
また、本例の場合のエアーカーテンエリア927を循環するようにしたが、特許文献2や特許文献3等に開示されているように、循環せずに一方向に吹き出す空気で、エアーカーテンエリア927を形成するようにしてもよい。
続いて、図5を参照して、噴流はんだ付け装置100の制御系の構成例について説明する。図5に示す噴流はんだ付け装置100の制御系によれば、入力部64及び供給制御部605の他に、搬送駆動部14、モニタ16、基板検出センサ18、予熱駆動部25、制御部65、噴流はんだ駆動部66、冷却駆動部93、エアーカーテン駆動部95、ヒューム除去駆動部97が備えられる。これらは制御部65に接続される。
モニタ16は噴流はんだ付け処理に係る設定画面等を表示データD16に基づいて表示する。モニタ16には、例えば、タッチパネル付きの液晶表示装置が使用される。タッチパネルは、入力部64の一部を構成する。表示データD16には、プリント基板1にはんだ付けされる電子部品の高さ情報や、プリント基板1にはんだ付けされる電子部品の実装分布情報等が含まれる。この他に、電子部品がはんだ付けされる基板の枚数情報、はんだ付け処理条件を示す設定情報等である。
制御部65は、所定の制御プログラムに基づいて生成した搬送駆動データD14を搬送駆動部14に出力して搬送制御を実行する。同様にして、予備加熱制御データD25を予熱駆動部25に出力して予備加熱制御を実行する。同様に、はんだ槽制御データD66を噴流はんだ駆動部66に出力して噴流はんだ制御を実行する。同様にして、冷却制御データD93を冷却駆動部93に出力して冷却制御を実行する。
制御部65は同様にして、カーテン制御データD95をエアーカーテン駆動部95に出力してモーター制御を実行する。制御部65は、エアーカーテンエリア927を通過するプリント基板1の通過タイミングに対応してエアーの送出又は停止をするように送風機構99を制御する。
同様にして、ヒューム除去制御データD97をヒューム除去駆動部97に出力してモーター制御を実行する。同様に、実装分布データD64を供給制御部605に出力して窒素ガス供給制御を実行する。
搬送駆動部14は制御部65から入力した搬送駆動データD14に基づいてモーター制御信号S15を生成する。搬送駆動部14には搬送部10を駆動するモーター15が接続される。モーター15はモーター制御信号S15を入力してチェーン部材11等を駆動する。チェーン部材11の搬送チャック12にセットされたプリント基板1は、予備加熱ゾーン21,22,23,24等を通過して順次チャンバー50内に搬送される。
基板検出センサ18は制御部65に接続される。基板検出センサ18は、基板搬入口202で搬送部10にセットされたプリント基板1を検出して得たPCB検出データD18を制御部65に出力する。PCB検出データD18には、例えば、プリント基板1の先端エッジを検出した時刻が含まれる。基板検出センサ18には反射型や、透過型の光学センサが使用される。
制御部65には、以下で説明する実施例によっては、基板検出センサ18の他に、例えば、到達検出センサ19及び抜け検出センサ39が接続される。到達検出センサ19はエアーカーテンエリア927の先頭部側(上流側)に配置され、エアーカーテンエリア927に到達される直前のプリント基板1を検出して基板到達を示す到達検出情報D19を制御部65に出力する。
抜け検出センサ39はエアーカーテンエリア927の後端部側(下流側)に配置され、エアーカーテンエリア927から抜け出る直後のプリント基板1を検出して基板抜けを示す抜け検出情報D39を制御部65に出力する。到達検出センサ19及び抜け検出センサ39には反射型や、透過型等の光学センサが使用される。
予熱駆動部25は制御部65から入力した予備加熱制御データD25に基づいて発熱制御信号S21〜S24を生成する。予熱駆動部25には複数のヒーター26乃至29(発熱体)が接続される。この例では、ヒーター26乃至29は4つの予備加熱ゾーン21〜24に配置される(図1参照)。図1に示した予備加熱ゾーン21は、ヒーター26が設けられ、発熱制御信号S21に基づいて発熱する。予備加熱ゾーン22は、ヒーター27が設けられ、発熱制御信号S22に基づいて発熱する。予備加熱ゾーン23は、ヒーター28が設けられ、発熱制御信号S23に基づいて発熱する。予備加熱ゾーン24は、ヒーター29が設けられ、発熱制御信号S24に基づいて発熱する。これらの発熱によって、プリント基板1が予備加熱処理される。
噴流はんだ駆動部66は制御部65から入力したはんだ槽制御データD66に基づいて発熱制御信号S67、モーター制御信号S68及びS69を生成する。噴流はんだ駆動部66にはヒーター67及び2個のモーター68,69が接続される。ヒーター67は、発熱制御信号S67に基づいて発熱し、噴流はんだ槽60を所定の温度に加熱する。モーター68はモーター制御信号S68に基づいて噴出ノズル61に溶融はんだ7を噴流させる。モーター69はモーター制御信号S69に基づいて噴出ノズル62に溶融はんだ7を噴流させる。
冷却駆動部93は制御部65から入力した冷却制御データD93に基づいてモーター制御信号S94を生成する。冷却駆動部93にはファン用のモーター94が接続される。モーター94は、モーター制御信号S94に基づいて図示しないファンを回転する。これにより、電子部品をはんだ付けした後のプリント基板1が冷却される。
エアーカーテン駆動部95は制御部65から入力したカーテン制御データD95に基づいてモーター制御信号S96を生成する。エアーカーテン駆動部95には駆動部の一例を構成する送風用のモーター96が接続される。モーター96は、モーター制御信号S96に基づいて図1〜図4に示したファン部919を回転する。
制御部65は、常時、モーター96をオン制御して送風機構99から搬送経路へ気体を送風し、基板検出センサ18から得られたPCB検出データD18に基づいてモーター96をオフ制御して当該送風機構99から搬送経路へのエアーを停止するようにエアーカーテン駆動部95を制御する。
これにより、プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過していないタイミングで、基板搬出口902に対流(循環する)エアーカーテンを形成できるようになる。しかも、エアーカーテンエリア927を通過するプリント基板1の通過タイミングに対応して空気の送出又は停止をするように制御されるので、エアーカーテンエリア927による搬送経路上の雰囲気を遮断する機能に優先して乱流の発生を防止できるようになる。
また、ヒューム除去駆動部97は制御部65から入力したヒューム除去制御データD97に基づいてモーター制御信号S98を生成する。ヒューム除去駆動部97には、ポンプ駆動用のモーター98が接続される。モーター98は、モーター制御信号S98に基づいて図1に示したポンプを駆動する。これにより、フラックスヒュームを除去した窒素ガスをチャンバー50に送入できるようになる。
供給制御部605は制御部65から入力した実装分布データD64や、図示しないN2センサから出力されるN2濃度検知信号S17等に基づいて供給制御信号S71,S72,S73,S74を生成する。供給制御部605には、4つのガス供給部71,72,73,741が接続される。ガス供給部71は、供給制御信号S71に基づいて窒素ガスの供給圧力をP1に調整する。ガス供給部72は、供給制御信号S72に基づいて窒素ガスの供給圧力をP2に調整する。これにより、ノズル管路75に供給する窒素ガスを調整できるようになる。
ガス供給部73は、供給制御信号S73に基づいて窒素ガスの供給圧力をP3に調整する。また、ガス供給部741は、供給制御信号S74に基づいて窒素ガスの供給圧力をP4に調整する。これにより、冷却処理部90において、電子部品を取り付けたプリント基板1の上下面に窒素ガスを吹き付けることで、当該プリント基板1に対する冷却処理が施される。これらにより、噴流はんだ付け装置100の制御系を構成する。
続いて、図1〜図5及び、図6A〜Dを参照して、第1の実施例としての送風機904の制御例について説明する。この実施例では、常時、噴流はんだ付け装置100の基板搬出口902付近に形成されているエアーカーテンエリア927を、到達検出センサ19及び抜け検出センサ39から得られる到達検出情報D19及び抜け検出情報D39に基づいて送風機構99を制御する場合を例に挙げる。到達検出センサ19及び抜け検出センサ39には透過型の光学センサが使用される場合を想定する。プリント基板1は搬送部10にセットされ、所定の搬送方向、この例では、左側端から右側端へ移動するように搬送される。
なお、図中、xはプリント基板1の搬送方向の長さである。プリント基板1の長さxは例えば、x=350mm程度である。Lは、噴流はんだ付け装置100の搬送方向の長さである。噴流はんだ付け装置100の長さLは例えば、L=5145mm程度である。Lcは、エアーカーテンエリア927における搬送方向の長さである。エアーカーテンエリア927の長さLcは例えば、400mm程度である。Vはプリント基板1の搬送速度であり、例えば、0.2〜0.5m/min程度である。
エアーカーテンエリア927の先頭部側(上流側)に配置された到達検出センサ19は、本例の場合、到達検出センサ19の出力がプリント基板1の到達によりハイレベルからローレベルになると、プリント基板1が到達検出センサ19を通過した後も、ローレベルを維持する。到達検出センサ19の出力がローレベルからハイレベルに復帰するのは、後述する抜け検出センサ39の出力がローレベルからハイレベルになったことをトリガにして到達検出センサ19がリセットされることによって行われるようになっている。
エアーカーテンエリア927の後端部側(下流側)に配置された抜け検出センサ39は、プリント基板1の到達によって、抜け検出センサ39の出力がハイレベルからローレベルに、また、エアーカーテンエリア927から抜け出るプリント基板1を検出して、抜け検出センサ39の出力がローレベルからハイレベルの論理値を抜け検出情報D39として制御部65に出力する。
すなわち、本例の場合、到達検出センサ19及び抜け検出センサ39の出力が共にハイレベルの時に、エアーカーテンエリア927が形成状態となり、到達検出センサ19及び抜け検出センサ39のいずれかの出力がローレベルの時には、エアーカーテンエリア927が非形成状態となる。
この例で、基板投入時、図6Aに示す基板検出センサ18は、図1に示した基板搬入口202で搬送部10にセットされたプリント基板1を検出し、PCB検出データD18を図5に示した制御部65に出力する。PCB検出データD18には、例えば、プリント基板1の先端エッジを検出した時刻が含まれる。
このとき、エアーカーテンエリア927の先頭部側(上流側)に配置された到達検出センサ19は、プリント基板1がエアーカーテンエリア927に到達していないので、基板未到達を示す到達検出情報D19を制御部65に出力する。基板未到達を示す到達検出情報D19は到達検出センサ19に透過型の光学センサが使用されていることから、ハイレベルの論理値を示す。
また、エアーカーテンエリア927の後端部側(下流側)に配置された抜け検出センサ39も、エアーカーテンエリア927から抜け出るプリント基板1を検出していないので、基板未検出を示す抜け検出情報D39を制御部65に出力する。基板未検出を示す抜け検出情報D39は抜け検出センサ39に透過型の光学センサが使用されていることから、ハイレベルの論理値を示す。
制御部65は、基板未到達を示す到達検出情報D19及び基板未検出を示す抜け検出情報D39に基づいて送風機構99を制御する。送風機構99は、図1に示した基板搬出口902に空気を対流させてエアーカーテンエリア927を形成する。エアーカーテンエリア927は排気口912から吹き出されるエアーによって形成される(図1〜図5参照)。
そして、図6Aに示したプリント基板1が図1に示した搬送部10によって、左側端から右側端へ移動するように搬送され、図6Bに示すプリント基板1がエアーカーテンエリア927に突入する直前の状態に至る。この突入直前の状態から、プリント基板1がエアーカーテンエリア927に突入すると、到達検出センサ19がプリント基板1の先端部を検出し、当該プリント基板1が到達検出センサ19の検出範囲を抜けるまで、例えば、基板到達を示す到達検出情報D19を発生する。基板到達を示す到達検出情報D19は例えば、ローレベルの論理値を示し、この状態を維持する。
なお、抜け検出センサ39は、この時点で、エアーカーテンエリア927から抜け出る直後のプリント基板1を検出していないので、基板未検出を示す抜け検出情報D39を制御部65に出力する。
制御部65は、基板到達を示す到達検出情報D19及び基板未検出を示す抜け検出情報D39に基づいて送風機構99を制御する。送風機構99は、図6Aに示したエアーカーテンエリア927の形成状態から図6Bに示すような非形成状態にする。送風機構99は、エアーの吹き出しを停止する。排気口912からエアーが吹き出されないので、エアーカーテンエリア927は非形成状態となる。
更に、図6Cに示すプリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過中の状態によれば、到達検出センサ19がプリント基板1を検出したままであり、当該プリント基板1が到達検出センサ19の検出範囲を抜けても、上述のように基板検出中を示す到達検出情報D19を発生する。基板検出中を示す到達検出情報D19も、ローレベルの論理値を示す。
なお、プリント基板1が抜け検出センサ39の検出範囲に突入すると、エアーカーテンエリア927の通過中を示す抜け検出情報D39を発生する。エアーカーテンエリア927の通過中を示す抜け検出情報D39は、ローレベルの論理値を示す。このエアーカーテンエリア927の通過中を示す抜け検出情報D39は制御部65に出力される。
制御部65は、基板検出中を示す到達検出情報D19及びエアーカーテンエリア927の通過中を示す抜け検出情報D39に基づいて送風機構99を制御する。送風機構99は、図6Bと同様にして、エアーカーテンエリア927を非形成状態のままにする。送風機構99は、エアーの吹き出しを停止したままである。排気口912からは、依然としてエアーが吹き出されていないので、エアーカーテンエリア927は非形成状態のまま維持される。
抜け検出センサ39は、当該プリント基板1がエアーカーテンエリア927を抜けるまで、通過中を示す抜け検出情報D39を発生する。プリント基板1がエアーカーテンエリア927を抜け、抜け検出センサ39がプリント基板1の後端エッジを検出すると、基板抜けを示す抜け検出情報D39はローレベルの論理値からハイレベルの論理値に変化する。
抜け検出情報D39のローレベルの論理値からハイレベルの論理値に変化をトリガとして、到達検出情報D19のローレベルの論理値からハイレベルの論理値へリセットさせ、基板未検知を示す到達検出情報D19及び基板抜けを示す抜け検出情報D39は制御部65へ出力される。
制御部65は、基板未検出を示す到達検出情報D19及び基板抜けを示す抜け検出情報D39に基づいて送風機構99を制御する。送風機構99は、基板搬出口902に空気を対流させてエアーカーテンエリア927の形成を再開する。送風機構99は、エアーの吹き出しを再開するので、排気口912からエアーが吹き出され、エアーカーテンエリア927が形成状態となされる(図1〜図5参照)。
続いて、図7A〜Eを参照して、第1の実施例に係る送風機904の他の制御例について説明する。この例では、図6A〜Dに示した到達検出センサ19及び抜け検出センサ39が省略され、電源オンと共に送風機構99が動作して、常時、エアーカーテンエリア927を形成する場合である。
この場合に、プリント基板1が当該噴流はんだ付け装置100に投入された時刻(先端エッジ検出時刻に相当)から、基板の搬送速度と基板検出センサ18からエアーカーテン位置までの距離とから算出される所要時間T0に余裕時間α(マージン)を考慮して予め設定された到達所要時間T1を経過した後、停止時間T2だけ送風機構99を停止する場合を例に挙げる。
時間計測方法としては、一例として搬送手段の回転軸にロータリーエンコーダーを取り付け、このロータリーエンコーダーからのパルス出力に基づいて時間計測を行うことができる。このロータリーエンコーダーから発生するパルスは、アドレスとして使用したり、そのパルス数をカウントすることでプリント基板1の位置情報として使用することもできる。
ここに所要時間T0は、プリント基板1が当該噴流はんだ付け装置100に投入された時刻t0から当該プリント基板1がはんだ付け処理を受け、その後、エアーカーテンエリア927に至るまでの経過時間である。
また、到達所要時間T1とは、所要時間T0からマージンα分を考慮した時間である。すなわち、T1=T0−αである。通過時間T3とは、プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過する時間をいい、通過時間T3は、プリント基板1の搬送方向の長さx(x=350mm程度)と、エアーカーテンエリア927の基板搬送方向の長さLc(Lc=400mm程度)と、搬送速度V(V=0.2〜0.5m/min程度)から決まる時間である。
停止時間T2は、送風機構99のモーター96を停止する時間であり、上述の通過時間T3の後にもマージンβ分を考慮している。停止時間T2にはマージンα及びβを考慮した時間が設定される。すなわち、T2=T3+α+βである。
もちろん、プリント基板1は搬送部10によって所定の搬送速度Vで搬送され、当該プリント基板1がはんだ付け処理される場合を前提とする。この例では、プリント基板1が図7Aに示す時刻t0で当該噴流はんだ付け装置100に投入された場合を想定する。
これらを制御条件にして、図7Aに示す時刻t0で、当該噴流はんだ付け装置100へプリント基板1の投入が検出されると、図7Cに示すPCB検出データD18が発生される。PCB検出データD18は、基板検出センサ18から制御部65へ出力される。制御部65では、PCB検出データD18の立ち上がりに同期して、図5に示したカウンタ65a(タイマーでもよい)が起動される。カウンタ65aは図7Bに示すCLK信号を発生し、到達所要時間T1に至ると、時刻t14でカウント値を出力し、更に、送風機構99の停止時間T2の経過後に、時刻t18でカウント値を出力する。
これらのカウント値は制御部65からカーテン制御データD95として、エアーカーテン駆動部95に出力される。エアーカーテン駆動部95は、時刻t14で出力されるカウント値をトリガにして、図7Dに示すモーター制御信号S96をオン(ハイレベル)からオフ(ローレベル)に制御する。モーター96は、モーター制御信号S96がハイレベルからローレベルへ立ち下がることで停止する。
また、エアーカーテン駆動部95は、時刻t18で出力されるカウント値をトリガにして、同図に示すモーター制御信号S96をオフ(ローレベル)からオン(ハイレベル)に制御する。モーター96は、モーター制御信号S96がローレベルからハイレベルに立ち上がることで回転を再開する。これにより、送風機構99によるエアーカーテンエリア927が再形成される。
図7Eに示すT3はプリント基板1(PCB#1)がエアーカーテンエリア927を通過する時間である。通過時間T3は、プリント基板1の先端部がエアーカーテンエリア927に進入し、その後端部がエアーカーテンエリア927を抜けるまでに要する時間である。この例で、停止時間T2は通過時間T3に比べて長く設定される。例えば、通過時間T3の前後に乱流を防止するために余裕時間α及びβ(マージン)を加算して、T2=T3+α+βに設定するようになされる。余裕時間αとして、例えば、「1秒」が設定される。もちろん、余裕時間αは「1秒」に限られることはなく、「2秒」、「3秒」・・・であってもよいし、αとβのマージンは異なる値で設定しても、また、同じ値に設定してもよい。
このように通過時間T3に対して停止時間T2を設定すると、プリント基板1の先端部がエアーカーテンエリア927に進入する1秒前にモーター96を停止できる。また、プリント基板1の後端部がエアーカーテンエリア927を抜けてから1秒を経過した後にモーター96を駆動できるようになる。
このように、第1の実施例としての噴流はんだ付け装置100によれば、電子部品を取り付けたプリント基板1を予備加熱し、予備加熱後のプリント基板1をはんだ付け処理部に搬送し、プリント基板1に電子部品をはんだ付けする場合に、制御部65がエアーカーテンエリア927を通過するプリント基板1の通過タイミングに対応して空気の送出又は停止をするように送風機構99を制御するようになる。
この制御によって、プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過する直前に送風を停止すると共にプリント基板1の通過中も送風を停止し、プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過した直後に送風を再開できるので、当該送風機構99による搬送経路上の雰囲気を遮断する機能に優先して乱流の発生を防止できるようになる。プリント基板1が乱流の発生を伴うことなくエアーカーテンエリア927を通過できるようになる。これにより、乱流発生防止機能を有したエアーカーテンエリア927付きの噴流はんだ付け装置100を提供できるようになる。
なお、送風機構99の送風停止のタイミングや、送風停止後のエアーカーテンエリア927の再形成を行うタイミングは、プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過する前に送風を停止し、プリント基板1が送風機構99を完全に通過した後に、エアーの送風を再開してエアーカーテンエリア927を再形成するのが好ましいが、生産効率を考慮して適宜決定することができる。すなわち、マージンα,βの値は正の他、零の値を含むものである。
また、上側ガイド板906は、1つの部材で構成する場合について説明したが、これに限られることはなく、上側ガイド板906の左側部906aを一部品で構成し、その右側部906bを一部品で構成し、上側ガイド板906を計2つの部材に分けて構成してもよい。下側ガイド板905についても同様である。
<第1の実施例に対して基板連続投入した場合>
続いて、図8A〜Hを参照して、第2の実施例としての送風機904の制御例について説明する。この例では、第1の実施例と同様にして、電源オンと共に送風機構99が動作して、常時、エアーカーテンエリア927を形成する場合であって、第1の実施例と異なり、長さxが既知の複数枚同種のプリント基板1が連続して当該噴流はんだ付け装置100に投入される場合である。この場合、最初のプリント基板1が当該噴流はんだ付け装置100に投入された時刻(先端エッジ検出時刻に相当)を基準にして、当該プリント基板1毎に予め設定された到達所要時間T1を経過した後、停止時間T2だけ送風機構99を停止する動作を繰り返す場合を例に挙げる。
ここに到達所要時間T1は、各々のプリント基板1が当該噴流はんだ付け装置100に投入された時刻から当該プリント基板1がはんだ付け処理を受け、その後、エアーカーテンエリア927に至るまでの経過時間から第1の実施例と同様にしてマージンαを考慮したものである。停止時間T2は、第1の実施例と同様にしてマージンα,βを考慮した、送風機構99のモーター96を停止する時間である。
もちろん、複数のプリント基板1は搬送部10によって一定の搬送速度Vで順次搬送され、当該プリント基板1が連続してはんだ付け処理される場合を前提とする。この例では、第1番目のプリント基板1が図8Aに示す時刻t0で当該噴流はんだ付け装置100に投入された場合を想定する。
これらを制御条件にして、図8Aに示す時刻t0で、当該噴流はんだ付け装置100へ第1番目のプリント基板1(図中ではPCB#1と記述する)の投入が検出されると、図8Cに示すPCB検出データD18が発生される。PCB検出データD18は、基板検出センサ18から制御部65へ出力される。制御部65では、PCB検出データD18の立ち上がりに同期して、図5に示したカウンタ65a(タイマーでもよい)が起動される。カウンタ65aは時刻t0を基準とした、図8Bに示すCLK信号を発生し、到達所要時間T1に至ると、例えば、時刻t160でカウント値を出力し、更に、送風機構99の停止時間T2に至ると、時刻t180でカウント値を出力する。
更に、第2番目のプリント基板1(図中ではPCB#2と記述する)の投入が、図8Aに示す時刻t40で検出されると、図8Cに示すPCB#2の投入を検出した旨を示すPCB検出データD18が発生される。同様にして、第3番目のプリント基板1(図中ではPCB#3と記述する)の投入が時刻t80で検出されると、図8Cに示すPCB#3の投入を検出した旨を示すPCB検出データD18が発生される。第4番目のプリント基板1(図中ではPCB#4と記述する)の投入が時刻t120で検出されると、図8Cに示すPCB#4の投入を検出した旨を示すPCB検出データD18が発生される。以下、PCB#5〜PCB#8が検出される。
これらのカウント値は制御部65からカーテン制御データD95として、エアーカーテン駆動部95に出力される。エアーカーテン駆動部95は、時刻t160で出力されるカウント値をトリガにして、図8Dに示すモーター制御信号S96をオン(ハイレベル)からオフ(ローレベル)に制御する。モーター96は、モーター制御信号S96がハイレベルからローレベルへ立ち下がることで停止する。図8Eに示すプリント基板1(PCB#1)は、送風機構99が停止している期間に通過時間T3を要して、エアーカーテン非形成領域を通過する。
また、エアーカーテン駆動部95は、時刻t180で出力されるカウント値をトリガにして、同図に示すモーター制御信号S96をオフ(ローレベル)からオン(ハイレベル)に制御する。モーター96は、モーター制御信号S96がローレベルからハイレベルに立ち上がることで回転を再開する。これにより、送風機構99によるエアーカーテンエリア927が再形成される。
更に、連続して搬送されてくるプリント基板1(PCB#2)に関しては、エアーカーテン駆動部95は、時刻t200で出力されるカウント値をトリガにして、図8Dに示すモーター制御信号S96をオン(ハイレベル)からオフ(ローレベル)に制御する。モーター96は、モーター制御信号S96がハイレベルからローレベルへ立ち下がることで停止する。図8Fに示すプリント基板1(PCB#2)は、送風機構99が停止している期間に通過時間T3を要して、エアーカーテン非形成領域を通過する。
また、エアーカーテン駆動部95は、時刻t220で出力されるカウント値をトリガにして、同図に示すモーター制御信号S96をオフ(ローレベル)からオン(ハイレベル)に制御する。モーター96は、モーター制御信号S96がローレベルからハイレベルに立ち上がることで回転を再開する。これにより、送風機構99によるエアーカーテンエリア927が再形成される。
また、連続して搬送されてくるプリント基板1(PCB#3)に関しては、エアーカーテン駆動部95は、時刻t240で出力されるカウント値をトリガにして、図8Dに示すモーター制御信号S96をオン(ハイレベル)からオフ(ローレベル)に制御する。モーター96は、モーター制御信号S96がハイレベルからローレベルへ立ち下がることで停止する。図8Gに示すプリント基板1(PCB#3)は、送風機構99が停止している期間に通過時間T3を要して、エアーカーテン非形成領域を通過する。
また、エアーカーテン駆動部95は、時刻t260で出力されるカウント値をトリガにして、同図に示すモーター制御信号S96をオフ(ローレベル)からオン(ハイレベル)に制御する。モーター96は、モーター制御信号S96がローレベルからハイレベルに立ち上がることで回転を再開する。これにより、送風機構99によるエアーカーテンエリア927が再形成される。
更に、連続して搬送されてくるプリント基板1(PCB#4)に関しては、エアーカーテン駆動部95は、時刻t280で出力されるカウント値をトリガにして、図8Dに示すモーター制御信号S96をオン(ハイレベル)からオフ(ローレベル)に制御する。モーター96は、モーター制御信号S96がハイレベルからローレベルへ立ち下がることで停止する。図8Hに示すプリント基板1(PCB#4)は、送風機構99が停止している期間に通過時間T3を要して、エアーカーテン非形成領域を通過する。
また、エアーカーテン駆動部95は、時刻t300で出力されるカウント値をトリガにして、同図に示すモーター制御信号S96をオフ(ローレベル)からオン(ハイレベル)に制御する。モーター96は、モーター制御信号S96がローレベルからハイレベルに立ち上がることで回転を再開する。これにより、送風機構99によるエアーカーテンエリア927が再形成される。
図8E〜Hに示した通過時間T3の各々は、第1の実施例と同様にして、プリント基板1の先端部がエアーカーテンエリア927に進入し、その後端部がエアーカーテンエリア927を抜けるまでに要する時間である。この例でも、第1の実施例と同様にして停止時間T2は通過時間T3に比べて長く設定される。通過時間T3の前後には、乱流を防止するために余裕時間α及びβ(マージン)を加算して、T2=T3+α+βに設定するようになされる。余裕時間α,βとして、例えば、第1の実施例と同様にして「1秒」が設定される。もちろん、余裕時間αは「1秒」に限られることはなく、「2秒」、「3秒」・・・であってもよいし、αとβのマージンは異なる値で設定しても、また、同じ値に設定してもよい。
このように第2の実施例に係る送風機904の制御例によれば、複数の所定の長さを有するプリント基板1が連続して当該噴流はんだ付け装置100に投入される場合であって、最初のプリント基板1が当該噴流はんだ付け装置100に投入された時刻t0を基準にして、当該プリント基板1毎に予め設定された到達所要時間T1を経過した後、停止時間T2だけ送風機構99を停止する動作を繰り返すようになされる。
この制御によって、連続して搬送されてくるプリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過する直前に送風を停止できると共に、プリント基板1の通過中も送風を停止し、プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過した直後に送風を再開できるので、当該エアーカーテンエリア927による搬送経路上の雰囲気を遮断する機能に優先して乱流の発生を防止できるようになる。連続して搬送されてくるプリント基板1が乱流の発生を伴うことなくエアーカーテンエリア927を通過できるようになる。
しかも、マージンα,βの値を共に「1秒」に設定したときには、通過時間T3に対して停止時間T2を第1の実施例と同様にして長く設定すると、連続して投入されるプリント基板1の先端部がエアーカーテンエリア927に進入する1秒前にモーター96を停止できる。また、プリント基板1の後端部がエアーカーテンエリア927を抜けてから1秒を経過した後にモーター96を駆動できるようになる。これにより、乱流発生防止機能を有したエアーカーテンエリア927付きの噴流はんだ付け装置100を提供できるようになる。
なお、送風機構99の送風停止のタイミングや、送風停止後のエアーカーテンの再形成を行うタイミングは、プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過する前に送風を停止し、プリント基板1がエアーカーテンエリア927を完全に通過した後に、エアーの送風を再開してエアーカーテンエリア927を再形成するのが好ましいが、生産効率を考慮して適宜決定することができる。すなわち、マージンα,βの値は正の他に零の値を含むものである。
<基板長を自動検出する場合:マージン無し>
続いて、図9及び図10を参照して、第3の実施例としての送風機構99の制御例について説明する。この例では、停止時間T2にマージンα,βを設定しない場合を挙げる。図9Aに示す制御部65は、タイマー65b、比較演算部65c及びメモリ部65dを有して構成される。タイマー65b、比較演算部65cにはタイマー65b及びメモリ部65dが接続される。タイマー65bは、逐次、現在の時刻を示す時間情報D(i)を発生する。
メモリ部65dには、基板投入情報D(t)、距離情報D(L)、基板到達情報D(T)、基板抜け情報D(S)、基板長さ情報D(x)及び搬送速度情報D(V)が記憶される。基板投入情報D(t)は、基板検出センサ18から出力されるPCB検出データD18に含まれる。基板投入情報D(t)には、例えば、一定の搬送速度Vで搬送されるプリント基板1の先端エッジを検出した時刻ta及び、プリント基板1の後端エッジを検出した時刻tbが含まれる。
距離情報D(L)は基板搬入口202からエアーカーテンエリア927の先頭部分に至る距離L(実測)を示す情報である。距離Lは、例えば、図1に示した基板検出センサ18の光軸から送風機構99の排気ダクト907の一方の壁面に至る距離である。基板到達情報D(T)は、プリント基板1が基板搬入口202(搬送経路)に投入された時刻(taに相当)からエアーカーテンエリア927へ到達するまでの経過時間を示す情報である。基板到達情報D(T)は実施例1(図7)の所要時間T0に相当する。この例では、マージンαを設けないので、基板到達情報D(T)が到達所要時間T1にも相当する。
基板抜け情報D(S)は、プリント基板1がエアーカーテンエリア927の後端部分を抜ける時刻を示す情報である。基板長さ情報D(x)は、プリント基板1の搬送方向の長さxを示す情報である。搬送速度情報D(V)はプリント基板1を搬送する搬送速度Vを示す情報である。
比較演算部65cは、エアーカーテン駆動部95にカーテン制御データD95を出力するために、例えば、タイマー65bから出力される時間情報D(i)と基板到達情報D(T)とを比較し、両者が一致したか否かを検出する。これらにより制御部65の内部を構成する。
なお、図9Bにはエアーカーテン駆動部95で2個のモーター96a,96bを制御する構成例を示している。図9Bに示すエアーカーテン駆動部95には駆動部の一例を構成する送風用のモーター96a,96bが接続される。モーター96aは、モーター制御信号S9aに基づいて図1〜図4に示したファン部919を回転する。モーター96bは、モーター制御信号S9bに基づいて同図に示したファン部919を回転する。これにより、後述するように2個の送風機構99a,99bをエアーカーテン駆動部95によって時分割に制御できるようになる(図14参照)。
続いて、図10を参照して、第3の実施例に係る送風機構99の制御例について説明する。この例では、プリント基板1(図中では、PCBと記述する)を1枚ずつ噴流はんだ付け装置100に投入して、はんだ付け処理する場合であって、アイドリング状態で送風機構99を駆動する制御部65が、基板投入情報D(t)及び距離情報D(L)をソフトウエア処理して基板長さ情報D(x)、基板到達情報D(T)及び基板抜け情報D(S)をリアルタイムに計算し、これらの情報をエアーカーテン駆動部95に設定する場合である。ここにアイドリング状態とは、噴流はんだ付け装置100内にプリント基板1が投入されておらず、はんだ付け処理が行われていない状態をいう。
これらを制御条件にして、図10に示すステップST1で制御部65は運転条件の設定を受け付ける。このとき、ユーザは運転条件として、図5に示した入力部64を操作して枚葉処理モードを設定する。ここに枚葉処理モードとは、プリント基板1を1枚ずつ噴流はんだ付け装置100に投入して、はんだ付け処理するモードをいう。また、ユーザは、はんだ付け処理をするプリント基板1の枚数を制御部65に設定する。
ユーザは運転条件を設定するとエアーカーテンエリア927が設けられた搬送経路の基板搬入口202にプリント基板1を投入する。すると、ステップST2で、図5に示した基板検出センサ18はプリント基板1(図中ではPCBと記述)の投入を検出して基板投入情報D(t)を制御部65に出力する。
ステップST3で制御部65は基板投入情報D(t)に基づいて図9に示したタイマー65bを起動する。タイマー65bは制御基準となる現在の時刻を示す時間情報D(i)を逐次、制御部65に出力する。
ステップST4で制御部65はプリント基板1の基板長さを計測する。このとき、制御部65は、搬送速度Vで搬送されるプリント基板1の先端エッジ検出時刻taと後端エッジ検出時刻tbとの差分及び、搬送部10の搬送速度情報D(V)から基板長さ情報D(x)を算出する。搬送部10により搬送されるプリント基板1の搬送速度をVとし、当該プリント基板1の長さをxとすると、制御部65がx=(tb−ta)・Vを演算することで、基板長さ情報D(x)が得られる。
ステップST5で制御部65はプリント基板1の基板到達情報D(T)からその接近時刻ti及び、その基板抜け情報D(S)から抜け時刻tjを演算する。基板到達情報D(T)は、距離情報D(L)と搬送速度情報D(V)から算出される。基板搬入口202からエアーカーテンエリア927に至るプリント基板1の基板到達時間をTとし、基板搬入口202からエアーカーテンエリア927に至る距離をLとすると、制御部65がT=L/Vを演算することで、基板到達情報D(T)が得られる。接近時刻tiは、基板到達時間Tにおけるタイマー65bから出力される時間情報D(i)であって、例えば、第1の実施例の時刻t16に相当する。
基板抜け情報D(S)は、基板長さ情報D(x)と搬送速度情報D(V)から算出される。エアーカーテンエリア927の基板搬送方向の長さLcとして、当該エアーカーテンエリア927から抜け出るプリント基板1の通過時間をSとすると、制御部65がS=(x+Lc)/Vを演算することで、基板抜け情報D(S)が得られる。抜け時刻tjは通過時間Sにおけるタイマー65bから出力される時間情報D(i)であって、例えば、第1の実施例の時刻t18に相当する。
ステップST6で制御部65はプリント基板1が接近したか否かを判別する。その際の判断基準は、タイマー65bから出力される時間情報D(i)と基板到達情報D(T)とを比較し、両者が一致したか否かを検出することで行われる(情報比較検出処理)。プリント基板1が接近していない場合は、情報比較検出処理を継続する。
プリント基板1が接近した場合は、時間情報D(i)と基板到達情報D(T)とが一致し、接近時刻tiを確定するので、ステップST6で制御部65は送風機構99の動作を停止する。このとき、制御部65はエアーカーテン駆動部95へ基板到達情報D(T)に基づくカーテン制御データD95を出力する。エアーカーテン駆動部95は、モーター96をオフさせるモーター制御信号S96を出力する。モーター96がオフすることで、ファン部919が停止する。これにより、基板到達情報D(T)に基づいて送風機構99の動作を停止することができる。
その後、ステップST7で制御部65はプリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過したかを判別する。その際の判断基準は、タイマー65bから出力される時間情報D(i)と基板抜け情報D(S)とを比較し、両者が一致したか否かを検出することで行われる(情報比較検出処理)。プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過していない場合は、情報比較検出処理を継続する。
プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過した場合は、時間情報D(i)と基板抜け情報D(S)とが一致し、抜け時刻tjを確定するので、ステップST8で送風機構99の駆動を再開するように制御する。このとき、制御部65はエアーカーテン駆動部95へ基板抜け情報D(S)に基づくカーテン制御データD95を出力する。エアーカーテン駆動部95は、モーター96をオンさせるモーター制御信号S96を出力する。モーター96がオンすることで、ファン部919が回転する。これにより、基板抜け情報D(S)に基づいて送風機構99を動作させることができる。
そして、ステップST9で制御部65は全てのプリント基板1のはんだ付け処理を終了したか否かを判別する。その際の判別基準は、例えば、ステップST1で設定されたプリント基板1の枚数をカウントアップしたか否かを検出する。カウントアップ信号が検出されない場合は、全てのプリント基板1のはんだ付け処理が終了していないと判断して、ステップST2に戻って上述したステップST2〜ステップST8を繰り返す。カウントアップ信号が検出された場合は、全てのプリント基板1のはんだ付け処理が終了したと判断して、送風機構99の制御を終了する。
このように、第3の実施例としての噴流はんだ付け装置100によれば、電子部品を取り付けたプリント基板1を1枚ずつ噴流はんだ付け装置100に投入して、予備加熱し、予備加熱後のプリント基板1をはんだ付け処理部に搬送し、プリント基板1に電子部品をはんだ付け処理する場合であって、アイドリング状態で送風機構99を駆動する制御部65が、基板投入情報D(t)及び距離情報D(L)をソフトウエア処理して基板長さ情報D(x)、基板到達情報D(T)及び基板抜け情報D(S)をリアルタイムに計算し、これらの情報をエアーカーテン駆動部95に設定するようにした。
この制御によって、プリント基板1の長さが各々異なる場合であっても、基板長さ情報D(x)、基板到達情報D(T)及び基板抜け情報D(S)に基づいて当該プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過する直前に送風を停止できると共に、プリント基板1の通過中も送風を停止し、プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過した直後に送風を再開できるようになる。
従って、プリント基板1の長さが各々異なる場合であっても、当該エアーカーテンエリア927を形成する送風機構99による搬送経路上の雰囲気を遮断する機能に優先して乱流の発生を防止できるようになる。長さが各々異なるプリント基板1が乱流の発生を伴うことなくエアーカーテンエリア927を通過できるようになる。これにより、乱流発生防止機能を有したエアーカーテンエリア927付きの噴流はんだ付け装置100を提供できるようになる。
本例では、マージンα,βを設定しない場合について説明したが、第1の実施例と同様にしてマージンα,βを設定してエアーカーテン駆動部95を制御してもよい。また、この実施例においては、プリント基板1の搬送方向の長さを自動的に検出するようにしたので、好ましくは、プリント基板1の搬送方向の長さが未知の場合に適用できるが、プリント基板1の搬送方向の長さが所定の長さを有する場合も適用できる。
<第3の実施例に対して複数の基板が連続投入される場合:情報記録及び制御例>
この実施例では、実施例1の制御例を実施例2に適用したように、実施例3の複数のプリント基板1をはんだ付けする際の制御例を第4の実施例においても、同様に適用できるようにした。その際には、図11に示すように複数のプリント基板1に対応する情報記録を行い、情報記録によって得られた基板投入情報D(t)に基づいて送風機構99を並列に制御すればよい。
続いて、図11を参照して、第4の実施例としての複数のプリント基板1に対応する情報記録例について説明する。この例では、複数のプリント基板1を連続してはんだ付け処理する場合である。
各々のプリント基板1を規則正しく周期的に噴流はんだ付け装置100に投入する場合を想定すると、図9に示した基板検出センサ18は、連続して投入されるプリント基板1を周期的に検出するようになる。基板検出センサ18は、プリント基板1を検出する毎に、基板投入情報D(t)を制御部65に出力する。
制御部65では、周期的に基板投入情報D(t)を入力し、連続して投入されるプリント基板1毎に当該基板投入情報D(t)及び距離情報D(L)をソフトウエア処理して基板長さ情報D(x)、基板到達情報D(T)及び基板抜け情報D(S)をリアルタイムに計算し、これらの情報をエアーカーテン駆動部95に設定するためにメモリ部65dに記憶するようになる。
この例では、図に示したメモリ部65dには、図11に示すような情報記録領域が割り当てられる。この情報記録領域には、プリント基板1を識別する番号(例えば、NO.PCB#1)と共に、投入時刻tx、接近時刻ti及び抜け時刻tjが記述される。例えば、1枚目のプリント基板1を識別するNO.PCB#1に対して、投入時刻t0、接近時刻t160及び抜け時刻t180が記述される。2枚目のプリント基板1を識別するNO.PCB#2に対して、投入時刻t40、接近時刻t200及び抜け時刻t220が記述される。
3枚目のプリント基板1を識別するNO.PCB#3に対して、投入時刻t80、接近時刻t240及び抜け時刻t260が記述される。4枚目のプリント基板1を識別するNO.PCB#4に対して、投入時刻t120、接近時刻t280及び抜け時刻t300が記述される。5枚目のプリント基板1を識別するNO.PCB#5に対して、投入時刻t160、接近時刻t320及び抜け時刻t340が記述される。以下、同様にして、設定された枚数分のプリント基板1に係る投入時刻tx、接近時刻ti、抜け時刻tjが各々記述される。制御部65では、メモリ部65dの記述内容を参照して、エアーカーテン駆動部95を制御するようになる。
続いて、図12を参照して、複数のPCB投入時の送風機構99の制御例について説明する。この例では、周期的に基板投入情報D(t)を記憶し、連続して投入されるプリント基板1毎に当該基板投入情報D(t)及び距離情報D(L)をソフトウエア処理して基板長さ情報D(x)、基板到達情報D(T)及び基板抜け情報D(S)をリアルタイムに計算し、これらの情報をエアーカーテン駆動部95に設定するためにメモリ部65dに記憶する場合を前提とする。制御部65は、メモリ部65dの情報記録内容を参照し、情報記録に並行してエアーカーテン駆動部95を制御する。
これらを制御条件にして、ステップST11で制御部65は運転条件の設定を受け付ける。このとき、ユーザは運転条件として、図5に示した入力部64を操作して連続処理モードを設定する。ここに連続処理モードとは、プリント基板1を周期的に連続して噴流はんだ付け装置100に投入しはんだ付け処理するモードをいう。この例でも、ユーザは、はんだ付け処理をするプリント基板1の枚数を制御部65に設定する。
ユーザは運転条件を設定すると、エアーカーテンエリア927を形成する送風機構99が設けられた搬送経路の基板搬入口202に第1番目のプリント基板1を投入する。すると、一方で、ステップST12において、図9に示した基板検出センサ18は第i番目(i=1〜n)のプリント基板1(図中ではPCBと記述)の投入を検出して基板投入情報D(t)を制御部65に出力する。
ステップST13で制御部65は第1番目のプリント基板1の基板投入情報D(t)をメモリ部65dに記憶すると共に、図9に示したタイマー65bを起動する。タイマー65bは制御基準となる現在の時刻を示す時間情報D(i)を逐次、制御部65に出力する。その際の投入時刻txを示す基板投入情報D(t)は、例えば、第3の実施例の時刻t0に相当する。
ステップST14で制御部65は第1番目のプリント基板1の基板長さを計測する。このとき、制御部65は、搬送速度Vで搬送される第1番目のプリント基板1の先端エッジ検出時刻taと後端エッジ検出時刻tbとの差分及び、搬送部10の搬送速度情報D(V)から基板長さ情報D(x)を算出する。搬送部10により搬送されるプリント基板1の搬送速度をVとし、当該プリント基板1の長さをxとすると、制御部65がx=(tb−ta)・Vを演算することで、基板長さ情報D(x)が得られる。
ステップST15で制御部65は第1番目のプリント基板1の基板到達情報D(T)からその接近時刻ti及び、その基板抜け情報D(S)から抜け時刻tjを演算する。基板到達情報D(T)は、距離情報D(L)と搬送速度情報D(V)から算出される。基板搬入口202から送風機構99に至るプリント基板1の基板到達時間をTとし、基板搬入口202から送風機構99に至る距離をLとする(図1参照)と、制御部65がT=L/Vを演算することで、第1番目のプリント基板1の基板到達情報D(T)が得られる。接近時刻tiは、基板到達時間Tにおけるタイマー65bから出力される時間情報D(i)であって、例えば、第3の実施例の時刻t160に相当する。
基板抜け情報D(S)は、基板長さ情報D(x)と搬送速度情報D(V)から算出される。エアーカーテンエリア927の基板搬送方向の長さLcとして、当該エアーカーテンエリア927から抜け出る第1番目のプリント基板1の通過時間をSとすると、制御部65がS=(x+Lc)/Vを演算することで、第1番目のプリント基板1の基板抜け情報D(S)が得られる。抜け時刻tjは通過時間Sにおけるタイマー65bから出力される時間情報D(i)であって、例えば、第3の実施例の時刻t180に相当する。
ステップST16で制御部65はメモリ部65dに当該プリント基板1の投入時刻tx、接近時刻ti及び抜け時刻tjを記憶する(時刻情報記録)。例えば、第1番目のプリント基板1を識別するNO.PCB#1に対して、投入時刻t0、接近時刻t160及び抜け時刻t180が記述される(図11参照)。
上述の基板投入情報D(t)等のメモリ部65dへの記憶処理に並行して、ステップST17で、制御部65は、当該メモリ部65dから基板投入情報D(t)等を読み出し処理を実行する。そして、ステップST18で、制御部65は第1番目のプリント基板1が接近したか否かを判別する。その際の判断基準は、タイマー65bから出力される時間情報D(i)と第1番目のプリント基板1の基板到達情報D(T)とを比較し、両者が一致したか否かを検出することで行われる(情報比較検出処理)。当該プリント基板1が接近していない場合は、情報比較検出処理を継続する。
第1番目のプリント基板1が接近した場合は、時間情報D(i)と基板到達情報D(T)とが一致し、接近時刻tiを確定するので、ステップST19で制御部65は送風機構99の動作を停止する。このとき、制御部65はエアーカーテン駆動部95へ第1番目のプリント基板1の基板到達情報D(T)に基づくカーテン制御データD95を出力する。エアーカーテン駆動部95は、モーター96をオフさせるモーター制御信号S96を出力する。モーター96がオフすることで、ファン部919が停止する。これにより、第1番目のプリント基板1の基板到達情報D(T)に基づいて送風機構99の動作を停止することができる。
その後、ステップST20で制御部65は当該プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過したかを判別する。その際の判断基準は、タイマー65bから出力される時間情報D(i)と第1番目のプリント基板1の基板抜け情報D(S)とを比較し、両者が一致したか否かを検出することで行われる(情報比較検出処理)。当該プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過していない場合は、情報比較検出処理を継続する。
第1番目のプリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過した場合は、時間情報D(i)と基板抜け情報D(S)とが一致し、抜け時刻tjを確定するので、ステップST21で送風機構99の駆動を再開するように制御する。このとき、制御部65はエアーカーテン駆動部95へ第1番目のプリント基板1の基板抜け情報D(S)に基づくカーテン制御データD95を出力する。エアーカーテン駆動部95は、モーター96をオンさせるモーター制御信号S96を出力する。モーター96がオンすることで、ファン部919が回転する。これにより、第1番目のプリント基板1の基板抜け情報D(S)に基づいて送風機構99を動作させることができる。
そして、ステップST22で制御部65は全てのプリント基板1のはんだ付け処理を終了したか否かを判別する。その際の判別基準は、例えば、ステップST11で設定されたプリント基板1の枚数をカウントアップしたか否かを検出する。カウントアップ信号が検出されない場合は、全てのプリント基板1のはんだ付け処理が終了していないと判断して、ステップST12に戻って制御部65は第2(番目)以降のPCBが検出されたかを判別する。その際の判別基準は、図9に示した基板検出センサ18から、第2番目のプリント基板1(図中ではPCBと記述)の投入を示す基板投入情報D(t)が制御部65に出力され、それを検出することで行われる。以後の処理は上述した通りであるので、その説明を省略する。
このように、第4の実施例としての噴流はんだ付け装置100によれば、連続して投入されるプリント基板1の基板投入情報D(t)を周期的に入力し、当該プリント基板1毎に基板投入情報D(t)及び距離情報D(L)をソフトウエア処理して基板長さ情報D(x)、基板到達情報D(T)及び基板抜け情報D(S)をリアルタイムに計算し、これらの情報をエアーカーテン駆動部95に設定するためにメモリ部65dに記憶する。制御部65は、メモリ部65dの情報記録内容を参照し、当該情報記録に並行してエアーカーテン駆動部95を制御するようになる。
この制御によって、連続投入されるプリント基板1の長さが各々異なる場合であっても、基板長さ情報D(x)、基板到達情報D(T)及び基板抜け情報D(S)に基づいて当該プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過する直前に送風を停止できると共に、プリント基板1の通過中も送風を停止し、プリント基板1がエアーカーテンエリア927を通過した直後に送風を再開できるようになる。
従って、連続投入されるプリント基板1の長さが各々異なる場合であっても、当該エアーカーテンエリア927を形成する送風機構99による搬送経路上の雰囲気を遮断する機能に優先して乱流の発生を防止できるようになる。長さが各々異なるプリント基板1が乱流の発生を伴うことなくエアーカーテンエリア927を通過できるようになる。これにより、乱流発生防止機能を有したエアーカーテンエリア927付きの噴流はんだ付け装置100を提供できるようになる。
<複数のエアーカーテンエリアを備えたリフロー装置に適した実施例>
続いて、図13を参照して、第5の実施例としてのリフロー装置200の構成例について説明する。この例では、リフロー装置200に複数(この例では2つ)のエアーカーテンエリア927a,927bを形成するための送風機構99a,99bが配置される場合である。
図13に示すリフロー装置200は、はんだ付け装置の他の一例を構成し、装置本体部211とコンベア52とを備えている。装置本体部211は、搬入口10aと搬出口10bとを有したトンネル状の筐体からなる。コンベア52は、搬入口10aから搬出口10bに至る搬送経路Xに沿うようにして延在しており、プリント基板3を装置本体部211の搬入口10aから搬出口10bに向かって所定の速度で搬送する。搬入口10aには、第1の実施例で説明したような基板検出センサ18が配設される。搬入口10aでコンベア52にセットされたプリント基板3を検出してPCB検出データD18を発生する。PCB検出データD18は図5に示した制御部65に出力される。
装置本体部211の内部には、搬送経路Xに沿って、予備加熱ゾーンZ1、加熱ゾーンZ2および冷却ゾーンZ3が順番に設けられている。予備加熱ゾーンZ1は、クリームはんだに含まれる溶剤を揮発させるための領域であり、ヒーター42、ファン44およびモーター46等が設置される。クリームはんだとしては、例えば錫−銀−銅や錫−亜鉛−ビスマス等を含有する鉛フリーはんだが用いられる。このはんだの融点は、例えば180℃〜220℃程度である。加熱ゾーンZ2は、プリント基板3を加熱することによりはんだを溶融させるための領域であり、ヒーター42、ファン44およびモーター46等が設置される。
なお、予備加熱ゾーンZ1と加熱ゾーンZ2では、ヒーター42、ファン44およびモーター46の構成は、同一構成を用いて温度設定のみ異なるようにすることが一般的には行われているが、異なる構成としても良い。異なる構成を採用した場合においても基本的な構成および機能は同一であるため、便宜上説明を省略する。
ヒーター42は、コンベア52の上下のそれぞれに対向するようにして配置され、予備加熱ゾーンZ1および加熱ゾーンZ2内部の空気を加熱する。この例では、図12に示すように、予備加熱ゾーンZ1には上下のそれぞれに3個のヒーター42が配置され、加熱ゾーンZ2には上下のそれぞれに2個のヒーター42が配置される。
モーター46は、コンベア52の上下のそれぞれに対向するようにして配置され、各ゾーンに配置されるファン44を回転駆動させる。この例では、図12に示すように、予備加熱ゾーンZ1には上下のそれぞれに3個のモーター46が配置され、加熱ゾーンZ2には上下のそれぞれに2個のモーター46が配置される。
ファン44は、例えばターボファンやシロッコファン等から構成され、モーター46に電気的に接続される。このファン44は、モーター46の駆動により回転駆動し、ヒーター42によって加熱された熱風を予備加熱ゾーンZ1および加熱ゾーンZ2の内部で循環させてプリント基板3の上面および下面のそれぞれに吹き付ける。この例では、予備加熱ゾーンZ1には上下のそれぞれに3個のファン44が配置され、加熱ゾーンZ2には上下のそれぞれに2個のファン44が配置される。
この例では、第1の送風機構99a及びエアーカーテンエリア927aは加熱ゾーンZ2と冷却ゾーンZ3との間に配置される。第2の送風機構99b及びエアーカーテンエリア927bは装置本体部211の搬出口10bに配置される。送風機構99a,99bには第1の実施例で説明した送風機904が使用される。送風機構99a,99bには、空気又は窒素(N2)等の不活性気体又はこれらの混合気体が導入される。送風機構99a,99bは、第2の実施例で説明した制御部65によって制御される。
続いて、図9A、図9B及び図14を参照して、送風機構99a,99bの制御例について説明する。この例では、図10に示したステップST6〜ステップST8の処理内容や、図12に示したステップST17〜ステップST21の処理内容に相当する部分が、図14に示すステップST71〜ステップST78の処理内容に置き換えられる。従って、図14に示すステップST71〜ステップST78の処理内容について説明をする。他の処理内容については、図9及び図12と同様であるので、その説明を省略する。
すなわち、図14に示すステップST71で制御部65はプリント基板1(図中ではPCBと記述する)が第1のエアーカーテンエリア927aに接近したか否かを判別する。その際の判断基準は、図9Aに示したタイマー65bから出力される時間情報D(i)と当該プリント基板1の基板到達情報D(Ta)とを比較し、両者が一致したか否かを検出することで行われる(情報比較検出処理)。プリント基板1が接近していない場合は、情報比較検出処理を継続する。
基板到達情報D(Ta)は、距離情報D(La)と搬送速度情報D(V)から算出される。基板到達情報D(Ta)は、プリント基板1が搬入口10aに投入された時刻(taに相当)から第1のエアーカーテンエリア927aへ到達するまでの経過時間を示す情報である。基板到達情報D(Ta)はエアーカーテンエリア927aまでの到達所要時間に相当する。距離情報D(La)は搬入口10aからエアーカーテンエリア927aに至る距離La(実測)を示す情報である。
プリント基板1がエアーカーテンエリア927aに接近した場合は、時間情報D(i)と基板到達情報D(Ta)とが一致し、接近時刻tiを確定するので、ステップST72で制御部65は第1の送風機構99aの動作を停止する。このとき、図9Aに示した制御部65はエアーカーテン駆動部95へプリント基板1の基板到達情報D(Ta)に基づくカーテン制御データD95を出力する。エアーカーテン駆動部95は、図9Bに示すモーター96aをオフさせるモーター制御信号S9aを出力する。モーター96aがオフすることで、ファン部919が停止する。これにより、プリント基板1の基板到達情報D(Ta)に基づいて送風機構99aの動作を停止することができる。
その後、ステップST73で制御部65は当該プリント基板1がエアーカーテンエリア927aを通過したかを判別する。その際の判断基準は、タイマー65bから出力される時間情報D(i)とプリント基板1の基板抜け情報D(S)とを比較し、両者が一致したか否かを検出することで行われる。当該プリント基板1がエアーカーテンエリア927aを通過していない場合は、情報比較検出処理を継続する。
プリント基板1がエアーカーテンエリア927aを通過した場合は、時間情報D(i)と基板抜け情報D(S)とが一致し、抜け時刻tjを確定するので、ステップST74で送風機構99aの駆動を再開するように制御する。このとき、制御部65はエアーカーテン駆動部95へプリント基板1の基板抜け情報D(S)に基づくカーテン制御データD95を出力する。エアーカーテン駆動部95は、モーター96aをオンさせるモーター制御信号S9aを出力する。モーター96aがオンすることで、ファン部919が回転する。これにより、プリント基板1の基板抜け情報D(S)に基づいて送風機構99aを動作させることができる。
更に、ステップST75で制御部65はプリント基板1が第2のエアーカーテンエリア927bに接近したか否かを判別する。その際の判断基準は、タイマー65bから出力される時間情報D(i)と当該プリント基板1の基板到達情報D(Tb)とを比較し、両者が一致したか否かを検出することで行われる。当該プリント基板1が接近していない場合は、情報比較検出処理を継続する。
基板到達情報D(Tb)は、距離情報D(Lb)と搬送速度情報D(V)から算出される。基板到達情報D(Tb)は、プリント基板1が搬入口10aに投入された時刻(taに相当)から第2のエアーカーテンエリア927bへ到達するまでの経過時間を示す情報である。基板到達情報D(Tb)はエアーカーテンエリア927bまでの到達所要時間に相当する。距離情報D(Lb)は搬入口10aからエアーカーテンエリア927bに至る距離Lb(実測)を示す情報である。
プリント基板1がエアーカーテンエリア927bに接近した場合は、時間情報D(i)と基板到達情報D(Tb)とが一致し、接近時刻tiを確定するので、ステップST76で制御部65は送風機構99bの動作を停止する。このとき、制御部65はエアーカーテン駆動部95へ第1番目のプリント基板1の基板到達情報D(Tb)に基づくカーテン制御データD95を出力する。エアーカーテン駆動部95は、モーター96bをオフさせるモーター制御信号S9bを出力する。モーター96bがオフすることで、ファン部919が停止する。これにより、プリント基板1の基板到達情報D(Tb)に基づいて送風機構99bの動作を停止することができる。
その後、ステップST77で制御部65は当該プリント基板1がエアーカーテンエリア927bを通過したかを判別する。その際の判断基準は、タイマー65bから出力される時間情報D(i)と第1番目のプリント基板1の基板抜け情報D(S)とを比較し、両者が一致したか否かを検出することで行われる。当該プリント基板1がエアーカーテンエリア927bを通過していない場合は、情報比較検出処理を継続する。
プリント基板1がエアーカーテンエリア927bを通過した場合は、時間情報D(i)と基板抜け情報D(S)とが一致し、抜け時刻tjを確定するので、ステップST78で送風機構99bの駆動を再開するように制御する。このとき、制御部65はエアーカーテン駆動部95へプリント基板1の基板抜け情報D(S)に基づくカーテン制御データD95を出力する。エアーカーテン駆動部95は、モーター96bをオンさせるモーター制御信号S9bを出力する。モーター96bがオンすることで、ファン部919が回転する。これにより、プリント基板1の基板抜け情報D(S)に基づいて送風機構99bを動作させることができる。
このように、第5の実施例に係るエアーカーテンエリア927a,927bを形成する送風機構99a,99bを備えたリフロー装置200によれば、電子部品を取り付けたプリント基板1をリフロー装置200に投入して、予備加熱ゾーンZ1で予備加熱し、予備加熱後のプリント基板1を加熱ゾーンZ2に搬送する。加熱ゾーンZ2でプリント基板1に電子部品をはんだ付け処理する場合であって、アイドリング状態で送風機構99a,99bを駆動する制御部65が、基板投入情報D(t)及び距離情報D(La),D(Lb)をソフトウエア処理して基板長さ情報D(x)、基板到達情報D(Ta),D(Tb)及び基板抜け情報D(S)をリアルタイムに計算し、これらの情報をエアーカーテン駆動部95に設定するようにした。
この制御によって、プリント基板1の長さが各々異なる場合であっても、基板長さ情報D(x)、基板到達情報D(Ta),D(Tb)及び基板抜け情報D(S)に基づいて当該プリント基板1が各々のエアーカーテンエリア927a,927bを通過する直前に送風を停止できると共に、プリント基板1の通過中も送風を停止し、プリント基板1が各々のエアーカーテンエリア927a,927bを通過した直後に送風を再開できるようになる。
従って、プリント基板1の長さが各々異なる場合であっても、当該エアーカーテンエリア927a,927bを形成する送風機構99a,99bによる搬送経路上の雰囲気を遮断する機能に優先して乱流の発生を防止できるようになる。長さが各々異なるプリント基板1が乱流の発生を伴うことなく、2つのエアーカーテンエリア927a,927bを通過できるようになる。これにより、乱流発生防止機能を有した2つのエアーカーテンエリア927a,927b付きのリフロー装置を提供できるようになる。
なお、第1のエアーカーテンエリア927aは加熱ゾーンZ2と冷却ゾーンZ3との間で断熱効果をもたらす。このエアーカーテンエリア927aの断熱効果によれば、加熱ゾーンZ2から冷却ゾーンZ3への高温雰囲気の流出を妨げたり、冷却ゾーンZ3から加熱ゾーンZ2への低温雰囲気の流入を妨げるようになる。
また、第2のエアーカーテンエリア927bは加熱ゾーンZ2と搬出口10bとの間で断熱効果や外気侵入防止効果をもたらす。このエアーカーテンエリア927bの断熱効果や外気侵入防止効果によれば、冷却ゾーンZ3から外気への冷却雰囲気の流出を妨げたり、外気から冷却ゾーンZ3への低温雰囲気の流入を妨げるようになる。
もちろん、複数のエアーカーテンエリア927a,927bを第1の実施例で説明した噴流はんだ付け装置100に適用してもよい。この場合には、噴流はんだ付け装置100のチャンバー50と、冷却処理部90との間にエアーカーテンエリア927aを配置してもよい。同様な断熱効果が期待できる。
<シャッター機能付きのエアーカーテン機構>
続いて、図15及び図16を参照して、第6の実施例としてのシャッター機能付きの送風機構99cの構成例及びその動作例について説明する。図15に示す送風機構99cは制御部65によって開閉制御されるシャッター機構950を有している。シャッター機構950は、例えば、送風機904と冷却部取付架台908との間に配設される。
シャッター機構950は、機構本体部951、シャッター部952、連接棒953及びソレノイド部954を有して構成される。機構本体部951は所定部位に開口部を有した筺体を成している。機構本体部951の開口部は排気口912の開口部と同じ大きさを有している。機構本体部951の開口部と排気口912の開口部とが位置合わせされて冷却部取付架台908に取り付けられる。
機構本体部951内には摺動自在にシャッター部952が組み込まれている。シャッター部952は平板状を有し、かつ、機構本体部951の開口部(排気口912の開口部)を遮る面積を有している。シャッター部952は、送風機構99cの排気口912を閉蓋又は開蓋する。図15に示すシャッター部952は開状態である。
シャッター部952には連接棒953が接続される。連接棒953には駆動部の一例を構成するソレノイド部954が接続される。ソレノイド部954は連接棒953を可動自在に係合し、ソレノイド部954は連接棒953を介してシャッター部952を摺動するように開閉駆動する。シャッター部952はソレノイド部954によって機構本体部951の開口部(排気口912の開口部)を遮るように動作する。これらによりシャッター機構950を構成する。
この例では、図15に示す制御部65にエアーカーテン駆動部95及びモーター96が接続される。制御部65がモーター96を直接駆動する。例えば、電源オンと共にモーター96にモーター制御信号S96を出力する。モーター96は、当該はんだ付け装置がアイドリング状態のときも、プリント基板1がはんだ付け処理の最中であるときも、プリント基板1が図示しないエアーカーテンエリアを通過している間も、モーター制御信号S96に基づいてファン部919を連続して回転する。
一方、エアーカーテン駆動部95には駆動部の一例を構成するソレノイド部954が接続される。エアーカーテン駆動部95は制御部65から入力したカーテン制御データD95に基づいてソレノイド制御信号S9cを生成する。エアーカーテン駆動部95はソレノイド部954にソレノイド制御信号S9cを出力する。ソレノイド部954は、ソレノイド制御信号S9cに基づいてシャッター部952を開閉する。
例えば、シャッター機構950を開制御して送風機構99cから搬送経路へ空気を送風する場合、エアーカーテン駆動部95は制御部65から入力したカーテン制御データD95に基づいてハイレベルのソレノイド制御信号S9cを生成する。ソレノイド部954は、ハイレベルのソレノイド制御信号S9cに基づいてシャッター部952を開く(ソレノイド部954のオン制御)。これにより、送風機904を介して送風機構99cから搬送経路へ空気が送風され、図示しないエアーカーテンエリアが形成される。
また、図16に示すようにシャッター機構950を閉制御して送風機構99cから搬送経路への空気の送風を停止する場合は、エアーカーテン駆動部95は制御部65から入力したカーテン制御データD95に基づいてローレベルのソレノイド制御信号S9cを生成する。ソレノイド部954は、ローレベルのソレノイド制御信号S9cに基づいてシャッター部952を閉じる(ソレノイド部954のオフ制御)。これにより、図示しないエアーカーテンエリアから搬送経路への空気の送風が阻止される。この間も、モーター96が駆動しているので、送風機904では開口部956,957を介して空気を逃がすようになされる。この空気を積極的に他の機能に利用してもよい。
このように第6の実施例に係る送風機構99cによれば、送風機904と冷却部取付架台908との間にシャッター機構950が配設され、このシャッター機構950が制御部65によって開閉制御されるものである。
この開閉制御によって、送風機構99cから搬送経路への空気の送風を瞬時に停止又は再開できるようになる。従って、噴流はんだ付け装置100の基板搬出口902や、そのチャンバー50と冷却処理部90との間、リフロー装置200の搬出口10b、その加熱ゾーンZ2と冷却ゾーンZ3との間等において、瞬時に、図示しないエアーカーテンエリアを形成状態又はそれを非形成状態とすることができる(図6A〜D参照)。
本実施例のシャッター機構による送風阻止と、上述した実施例1乃至5に記載の送風を停止する機能を組み合わせてもよい。このように構成することにより、エアーカーテンエリア927,927bを形成状態又はそれを非形成状態とすることが確実にできる。
本発明は、エアーカーテンエリアを有して、プリント基板の部品取付箇所にはんだを噴出させ、プリント基板と電子部品とをはんだ付け処理する噴流はんだ付け自動装置や、フラックスを含むはんだペースト上に電子部品が実装されたプリント基板をリフロー処理することにより電子部品とプリント基板とをはんだ付け処理するリフロー装置等に適用して極めて好適である。
7 溶融はんだ
8,9 ポンプ
10 搬送部
11 チェーン部材
12 搬送チャック
14 搬送駆動部
15,46,68,69,94,96,98 モーター
16 モニタ
18 基板検出センサ(検出部)
20 熱処理部
21〜24 予備加熱ゾーン
25 予熱駆動部
26〜29,42,67 ヒーター
30 蓋体支持密閉機構
31〜34,91,92 蓋体
40 仕切部材可動機構
43 ラベリンス部(仕切部材)
44 ファン
48 冷却部材
50 チャンバー(処理容器)
52 コンベア
60 噴流はんだ槽
61,62 噴出ノズル
64 入力部
65 制御部
65a カウンタ
65b タイマー
65c 比較演算部
65d メモリ部
70 両端ガス供給機構
71〜73,741 ガス供給部
74 N2ガスタンク
75 ノズル管路
80 蓋体ユニット
81 ガス清浄化部(雰囲気清浄化部)
82 パイプ
90 冷却処理部
93 冷却駆動部
95 エアーカーテン駆動部
99,99a,99b,99c 送風機構
100 噴流はんだ付け装置
101 本体架台
102 梁枠部材
103〜106 脚部
200 リフロー装置
801,803 雰囲気送入口
802,804 雰囲気排出口
904 送風機
905 下側ガイド板
906 上側ガイド板
927,927a,927b エアーカーテンエリア
950 シャッター機構

Claims (8)

  1. 電子部品を取り付けた基板を予備加熱し、予備加熱後の前記基板をはんだ付け処理部に搬送し、前記基板に電子部品をはんだ付けするはんだ付け装置において、
    前記基板を搬送する搬送経路の所定位置に設けられ、当該搬送経路上に気体を送風して雰囲気を遮断するためのエアーカーテンエリアを形成する送風機構と、
    前記基板が前記エアーカーテンエリアを通過する直前に送風を停止すると共に、前記基板が当該エアーカーテンエリアを通過中も送風を停止し、前記基板が当該エアーカーテンエリアを通過した直後に送風を再開するように前記送風機構を制御する制御部とを備えることを特徴とするはんだ付け装置。
  2. 前記制御部によって制御される送風機構は、
    所定の位置に吸気口及び排気口を有した本体部と、
    前記本体部内に回転自在に係合され、前記吸気口から吸い込んだ気体を排気口から吹き出すファン部と、
    前記ファン部を駆動する駆動部とを有することを特徴とする請求項1に記載のはんだ付け装置。
  3. 前記制御部は、
    前記駆動部をオン制御して前記送風機構から搬送経路へ気体を送風して前記エアーカーテンエリアを形成すると共に、前記駆動部をオフ制御して当該送風機構から搬送経路への気体の送風を停止することを特徴とする請求項2に記載のはんだ付け装置。
  4. 電子部品を取り付けた基板を予備加熱し、予備加熱後の前記基板をはんだ付け処理部に搬送し、前記基板に電子部品をはんだ付けするはんだ付け装置において、
    前記基板を搬送する搬送経路の所定位置に設けられ、当該搬送経路上に気体を送風して雰囲気を遮断するエアーカーテンエリアを形成する送風機構と、
    前記送風機構の排気口に設けられたシャッター機構と、
    前記基板が前記エアーカーテンエリアを通過する直前に送風を停止すると共に、前記基板が当該エアーカーテンエリアを通過中も送風を停止し、前記基板が当該エアーカーテンエリアを通過した直後に送風を再開するように前記シャッター機構を制御する制御部とを備えることを特徴とするはんだ付け装置。
  5. 前記制御部によって開閉制御されるシャッター機構は、
    前記送風機構の排気口を閉蓋又は開蓋するシャッター部と、
    前記シャッター部を開閉駆動する駆動部とを有することを特徴とする請求項4に記載のはんだ付け装置。
  6. 前記制御部は、
    前記駆動部をオン制御して前記シャッター部を開蓋状態にして前記送風機構から搬送経路へ気体を送風して前記エアーカーテンエリアを形成すると共に、前記駆動部をオフ制御して前記シャッター部を閉蓋状態にして前記送風機構から搬送経路への気体の送風を阻止することを特徴とする請求項5に記載のはんだ付け装置。
  7. 前記搬送経路に投入される前記基板を検出して基板投入情報を出力する検出部を備え、
    前記制御部は、
    前記検出部から出力される基板投入情報に基づいて前記基板の搬送方向の長さを示す基板長さ情報と、
    前記基板が搬送経路に投入された時刻からエアーカーテンエリアへ到達するまでの経過時間を示す基板到達情報と、
    前記基板がエアーカーテンエリアを抜ける時刻を示す基板抜け情報とを算出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のはんだ付け装置。
  8. 前記送風機構の本体部に空気又は不活性気体又はこれらの混合気体を導入することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のはんだ付け装置。
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