JP2009081375A - リフロー炉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半田ペーストを塗布した基板を搬送する搬送手段、搬送手段によって通過する基板に熱を付加する加熱炉3、加熱炉3に生じる熱ガスを吸入する吸入口18、吸入された熱ガスを浄化冷却する冷却装置5を備えたリフロー炉1であって、基板の搬送ラインの加熱炉3の下流側に冷却ゾーン9を配置し、冷却装置5によって冷却されたクリーン11排気を冷却ゾーン8へ循環させる構成とした。
【選択図】図1
Description
半導体素子やコンデンサ、チップ抵抗などの電子部品を搭載するプリント基板の所定位置に、ソルダペーストを印刷機で印刷する。そして、このプリント基板をコンベアに載せてフロー炉へ搬送し、リフロー炉の熱によりソルダペーストを溶着するはんだ付けを行なっている。
また、一般的に、回路基板を搬送するための搬送手段として、炉の入口から出口に亘って連続的に延びるレールを有し、このレールに案内されて移動する無端チェーンによって回路基板の搬送が行われる。
このようなリフロー炉に関する技術として特開2007−173410号公報記載の技術が知られている。
すなわち、電子部品の半田付けのために使用されるソルダペーストは、フラックスと粉末半田とを混合した粘調な半田付け材料であり、フラックスは、松脂、チキソ剤、活性剤などの固形成分を溶剤に溶かして適度な粘度に調整されている。ソルダペーストのフラックスはリフロー炉で加熱されることにより気化するため、この気化したガスにより汚染されるおそれがある。
従来、このような熱ガスはダクトによって屋外へ排出されているが、排気ダクトの配設作業に手間と費用を要するという問題があった。
本発明は係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、リフロー炉に排気ガスの浄化冷却装置を付設することによって、屋内であっても作業環境に影響を与えない機構とし、さらに浄化冷却後のクリーン排気を炉内に循環させることによって、安定した半田付け処理と装置の効率的な稼働を実現したリフロー炉を提供することにある。
請求項1記載のリフロー炉では、基板の搬送ラインの加熱部の下流側に冷却ゾーンを配置したので、半田付け処理の直後に急速冷却することができ、半田結晶組織の微細化、結晶強度の確保、表面の光沢の向上等の効果が得られる。
また、冷却装置によって冷却されたクリーン排気を冷却ゾーンへ循環させる構成としたので、排気を再利用して効率的に冷却することができる。
基板搬送コンベア2は、制御系統が一定の寸法単位で図の左側から右側に基板を定寸送りする機構となっており、チェーンコンベア2によりリフロー炉内に搬送される電子部品搭載基板はヒータで順次加熱されてリフロー面の半田が溶融し、電子部品を基板に半田付けする。
リフロー炉の入口部分の昇温ゾーン6では基板に徐々に熱が付与される。昇温ゾーン6に続く予熱ゾーン7では徐々に熱が高まり半田付時の急激なヒートショックを和らげる。この昇温ゾーン6と予熱ゾーン7が存在することにより良好な半田ボールの形成及びブリッジ発生等が回避され半田処理の安定性が確保される。
加熱ゾーン8では最も高温となり半田を溶融させて基板上に電子チップを溶着させる。加熱ゾーン8では無酸素状態とするために、N2供給装置10により窒素ガス(N2)が供給されて半田ペーストと電子部品の溶着が行われる。
加熱ゾーン8に続く冷却ゾーン9では、クリーン排気11の噴射を受けて急速冷却され、結晶組織の微細化、結晶強度の確保、表面の光沢の向上等の効果を与える。
ヒータ14の熱はファン13によって、風調節板15、ネット16を通過して下に吹き付けられ基板17に照射される。下に吹き付けられた熱風は基板の下側に回り込んだ後に循環路を経由して上に達し、再びファン13により下に吹き付けられる。このように、ヒータ14から発生する熱は、上方から下方に吹き付けられながら炉内で循環してプリント基板17を加熱する。
加熱ゾーン8においては、基板の下側への熱風の入り込みは阻止されて基板の半田処理面である上側のみに照射される。
冷却ゾーン9ではクリーン排気11が導入されて、ファン13によって基板に吹き付けられ、吹きつけられたクリーン排気は基板下側に回り込んだ後に循環路を経由して上に達し、再びファン13により下に吹き付けられる。
混合室21は一方側に熱ガスの導入管26が接続され、他方側に霧状体の排出管27が接続された一連の中空部を有する閉塞空間である。ここでは、吸入された熱ガスが微細水粒と接触し、熱ガス中に含まれるフラックス等の気化ガスが微細水粒に吸着され、吸着された後に排出管27から気水分離装置23へ送られることになる。
この微細水粒による吸着方法では、水槽のエアレーションによる気液の接触に比較すると、気液の接触面積が増大するために、確実にガス中に含まれる気化物を吸着する。
このクリーン排気11は冷却装置4によって浄化されているので、屋内に排出しても作業環境に影響を与えない。
出口側の冷却装置5から排出されるクリーン排気11は、導入管29によって冷却ゾーン9に循環され、冷却ゾーン9のファン13によって基板17に吹き付けられて冷却し、その後のクリーン排気は熱ガスと一部混ざり合って再び吸入口18から吸入される。
したがって、吸入口18から吸い込む気流には、熱ガスと、循環するクリーン排気が含まれるが、これらの吸入された気流は混合室21と気水分離装置23を経由して一部は循環に利用され、一部は装置外へ排気されることになる。このクリーン排気は冷却浄化されているため作業所内に放出しても作業環境に影響を与えない。
クリーン排気11は微細水粒との接触により冷却されるため、外気よりも低い温度に維持することが可能であり、外気を導入するよりも高い冷却効果が得られる。
半田付けに最適な温度プロファルを得るためには、試料をリフロー炉に通して温度測定を行ない、その測定データを基にして、ヒータ温度の設定値を補正変更するという操作を何回か繰り返すことにより、あるいは経験値を基に設定されるが、従来では、基板の搬送速度を変えることにより受熱量の調整を行う手法が採用されている。しかし、この搬送速度の調整のみでは、細かな温度プロファイル設定に十分対応することができない。
出口側冷却装置5からクリーン排気導入管(図示せず)を伸ばして、加熱炉3の加熱ゾーン8に接続し、加熱ゾーン8では上部または下部からクリーン排気を送出する。クリーン排気が導入された加熱ゾーンではファンによりクリーン排気が拡散されて、内部の温度が低下する。
クリーン排気の導入管は、加熱炉3の一カ所から噴出させる構成の他、加熱炉3に設定した各区分ごとに搬送方向上に複数設けることも可能であり、これらの導入管に同時にクリーン排気11を導入することにより迅速な冷却が可能となる。
加熱炉3へのクリーン排気11の導入は、冷却ゾーン9に送られていたクリーン排気を切換弁操作により加熱ゾーン8へ送ることにより可能となる。
これにより、熱ガスの浄化が行われると共に、加熱炉のクールダウンが素早く行われ、適切な温度プロファイルの設定が短時間で可能となり、効率的に装置を稼働できる。
前記実施例では、出口側冷却装置5のクリーン排気を冷却ゾーンに循環させる構成としたが、第2実施例のリフロー炉では、出口側冷却装置5に加えて入口側冷却装置4のクリーン排気も冷却ゾーンに循環させる構成である。
第2実施例のリフロー炉では、入口側冷却装置4のクリーン排気11の排気管を冷却ゾーンへの導入管29と合流させて冷却ゾーン9へ送り込む。
冷却ゾーン9ではクリーン排気11が増量して送り込まれることになるが、出口側冷却装置5がその増量分を吸入口から吸い込み、吸い込んだ後に一部は再び冷却ゾーン9へ循環し、その他は装置外へ排出する。
加熱炉3のクールダウン操作については、前記第1実施例と同様に冷却ゾーン9に送られていたクリーン排気11を切換弁操作により予熱ゾーン7及び加熱ゾーン8へ送ることにより行う。
本実施例のリフロー炉によれば、2台の冷却装置のクリーン排気を有効利用することができると共に、熱ガスが確実に浄化冷却される。
半田ペーストを塗布したプリント基板を搬送コンベア2によって、昇温ゾーン6、予熱ゾーン7、加熱ゾーン8を通過させる。昇温ゾーン6、予熱ゾーン7では徐々に温度が加えられてヒートショックが緩和され、加熱ゾーン8では半田が溶着される。
加熱ゾーン8の下流に配置された冷却ゾーン9では、冷却装置5からのクリーン排気11がファンによって噴射されて、半田付け処理が終わったプリント基板を冷却する。プリント基板が急速冷却されることにより、結晶組織の微細化、結晶強度の確保、表面の光沢の向上等の効果が得られる。
吸入された気化ガスは冷却装置4,5にて微細水粒との接触により冷却除去されて、一部は廃棄され、一部は冷却ゾーン9へ循環する。
循環するクリーン排気11は冷却されるために、外気よりも低温に維持することが可能であり、半田処理後の基板を効率的に冷却する。
第2実施例のリフロー炉においては、入口側冷却装置4から排出されるクリーン排気及び出口側冷却装置5から排出されるクリーン排気を共に冷却ゾーンへ循環させるので、2台の冷却装置のクリーン排気を有効利用することができると共に、熱ガスが確実に浄化冷却される。
処理基板の切換えを行う場合にはコンベア部は稼働した状態のまま、ヒータ部を停止して加熱炉3内にクリーン排気11を導入する。これにより、炉内はクールダウンされ、適切な温度プロファイルの設定切換えが迅速に行われる。
例えば、冷却装置4,5に電気クーラーを付加し、冷却水を常に低温に維持する機構を採用する場合であっても本発明に含まれる。
2 コンベア
3 加熱炉
4 冷却装置
5 冷却装置
6 昇温ゾーン
7 予熱ゾーン
8 加熱ゾーン
9 冷却ゾーン
10 N2供給装置
11 クリーン排気
12 モータ
13 ファン
14 ヒータ
15 風調整板
16 上ネット
17 基板
18 吸入口
19 ダクト
20 ブロアー
21 混合室
22 微細水粒発生装置
23 気水分離装置
24 冷却水
25 貯留層
26 導入管
27 排出管
28 ポンプ
29 導入管
Claims (5)
- 半田ペーストを塗布した基板を搬送する搬送手段、搬送手段によって通過する基板に熱を付加する加熱炉、加熱炉に生じる熱ガスを吸入する吸入口、吸入された熱ガスを浄化冷却する冷却装置を備えたリフロー炉であって、
基板の搬送ラインの加熱部の下流側に冷却ゾーンを配置し、冷却装置によって冷却されたクリーン排気を冷却ゾーンへ循環させる構成としたリフロー炉。 - リフロー炉へ搬送する基板種類の切換え時に、冷却装置によって冷却されたクリーン排気を加熱炉へ循環させる構成とした請求項1記載のリフロー炉。
- リフロー炉の基板の入口側及び出口側に吸入口を接続し、それぞれの吸入口に対応する入口側冷却装置と出口側冷却装置を配置したことを特徴とする請求項1または2記載のリフロー炉。
- 前記冷却装置は内部に貯留した冷却水を霧化して噴霧する微細水粒発生装置、その微細水粒発生装置からの霧と導入した熱ガスを接触させる混合室、混合した霧から水分を分離してクリーン排気を生成する気水分離装置を備えたことを特徴とする請求項1、2または3記載のリフロー炉。
- 入口側冷却装置から排出されるクリーン排気及び出口側冷却装置から排出されるクリーン排気を共に冷却ゾーンへ循環させる構成とした請求項1、2、3または4記載のリフロー炉。
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