JP3807890B2 - はんだ付け装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、傾斜して設けられたトンネル状チャンバ内の低酸素濃度の不活性ガス雰囲気中で、電子部品を搭載したプリント配線板のような板状の被はんだ付けワークの被はんだ付け部に溶融はんだの噴流波を供給することで、前記被はんだ付け部のはんだ付けを行うはんだ付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
低酸素濃度の不活性ガス雰囲気中では、プリント配線板の被はんだ付け部や溶融はんだの酸化が抑制される。したがって、プリント配線板のはんだ付け前に塗布されるフラックスの塗布量を少なくしても大気中での通常の塗布量と同様のはんだ付け性が得られる特徴がある。
【0003】
そのため、はんだ付け後にプリント配線板に残存するフラックス残渣の量も著しく少なくなり、当該プリント配線板のはんだ付け後の洗浄を行う必要がなくなる。また、低酸素濃度の不活性ガス雰囲気中では、溶融はんだの流動性が高まり、微細な被はんだ付け部にも確実に溶融はんだが供給され、いわゆるマイクロソルダリングが可能となる。
【0004】
さらに、一般的に酸化速度の速い鉛フリーはんだの酸化が抑制され、ドロスの発生量を大幅に削減することができる。そのため、ドロスとして失われる高価なはんだ量を大幅に削減することが可能となり、はんだ付けに伴うコストも削減することができるようになる。もちろん、従来の鉛を含むはんだにおいても同様である。
【0005】
低酸素濃度の不活性ガス雰囲気中ではんだ付けを行うためには、大気から隔離され封止されたチャンバ内に窒素ガス(N2 ガス)等の不活性ガスを供給し、この封止された雰囲気中ではんだ付けを行う必要がある。このようなはんだ付け装置の技術としては、例えば、特開平6−198486号公報の技術がある。
【0006】
一方で、プリント配線板に予め塗布されたフラックスがプリヒータにより加熱された際や、溶融はんだの噴流波に接触した際に、フラックスに含まれるアルコール類が気化したガスやフラックスヒュームを発生する。また、はんだ槽のはんだからはんだの微粒子等が遊離し浮遊発生する。そのため、これらのフラックスヒュームやフラックスの溶媒であるアルコール類が気化したガス、微粒子等の異物がチャンバ内に滞留し、プリント配線板や搭載電子部品そしてチャンバ内に付着する問題がある
そこで、これらのフラックスヒューム等のガスや微粒子等の異物を捕集し除去する技術が用いられている。例えば、特開平7−77346号公報には、トンネル路を構成するトンネル状チャンバ内の雰囲気を、冷却部とフィルタ部とから構成された捕集装置にファンにより導き、この雰囲気中に含まれるフラックスヒュームや微粒子等の異物を効率良く除去した後にこのトンネル状チャンバに還流させ、循環させる技術が開示されている。
【0007】
さらに、前記特開平7−77346号公報には、搬送コンベアの搬送方向から見てはんだ槽の後段側に設けられた吸い込み口筺からトンネル状チャンバ内雰囲気を吸い込み、はんだ槽の前段側に設けた吐出口筺からトンネル状チャンバ内に還流させ、このトンネル状チャンバの仰角方向へ向けて雰囲気を循環させ、この雰囲気中に含まれるフラックスヒュームや微粒子等の異物を捕集装置で除去する技術が開示されている。また、はんだ槽の上方において、搬送コンベアの搬送方向と直交する水平方向へ雰囲気を循環させ、この雰囲気中に含まれるフラックスヒュームや微粒子等の異物を捕集装置で除去する技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
プリント配線板などの板状の被はんだ付けワークを搬送コンベアで搬送しながら溶融はんだの噴流波に接触させてはんだ付けを行う場合においては、特開平7−77346号公報にも開示されているように、プリント配線板をその搬送方向に向けて仰角搬送することが行われている。
【0009】
すなわち、これにより溶融はんだの噴流波とプリント配線板とが離脱するピールバックポイントの離間角度(プリント配線板の搬送方向と溶融はんだの噴流波が流れる方向とが成す角度)が大きくなって、被はんだ付け部に供給された過剰な溶融はんだを剥がし取るように作用し、はんだブリッジ(隣り合う被はんだ付け部に跨がってはんだが付着する現象)等のはんだ付け不良の発生を少なくすることができるからである。
【0010】
この仰角搬送の角度は、プリント配線板の種類等の実装状態に合わせて通常約1°〜7°程度の間で可変し調節して使用されているが、約3°〜5°程度の間で使用されることが最も多い。そのため、搬送コンベアもこの仰角に合わせて設置されているが、通常のはんだ付け装置ではこの角度を可変し調節できるように構成されている。また、トンネル状チャンバもこの搬送コンベアと一体となって、その搬送仰角に合わせて角度が可変され調節される構成となっている。
【0011】
一方で、トンネル状チャンバに設けられたプリヒータやはんだ槽は高温であるために、トンネル状チャンバ内にその仰角方向へ向かって雰囲気が流れる熱対流を発生し、これによりトンネル状チャンバ内の雰囲気が流出する一方で外気すなわち大気が進入する問題がある。
【0012】
また、プリント配線板が搬送コンベアによって搬送される際に、トンネル状チャンバ内の雰囲気をこのトンネル状チャンバ外へ持ち出すと同時にトンネル状チャンバ外の大気を持ち込み、これによってもトンネル状チャンバ内に外気すなわち大気が進入する問題があり、そのため、多量の不活性ガスを供給しているにもかかわらず、トンネル状チャンバ内の酸素濃度が目的とする値に低下しない問題がある。
【0013】
このような、トンネル状チャンバ内の雰囲気の不要な流動を抑制するために、搬送コンベアの搬送方向に沿って多数の板状部材をその板面がこの搬送方向に交差する向きに設けて、このトンネル状チャンバ内に不要な雰囲気流動を抑制するいわゆるラビリンス流路を形成する技術が用いられている。しかし、このラビリンス流路の技術を用いても、プリント配線板の搬送通路を確保する必要があるので、不要な雰囲気流動に対する抵抗はその構造によって決まる値に、おのずと制限されてしまう問題がある。
【0014】
他方で、雰囲気封止性の高いトンネル状チャンバにおいては、このトンネル状チャンバ内にフラックスヒュームや微粒子等の異物が滞留しないように、捕集装置の除去能力を向上させる必要がある。すなわち、特開平7−77346号公報の技術において、ファンによる単位時間当たりの雰囲気循環流量を大きくする必要がある。
【0015】
しかし、トンネル状チャンバ内および捕集装置間を循環する単位時間当たりの雰囲気循環流量を大きくすると、このトンネル状チャンバ内を循環する雰囲気の風速が大きくなってこのトンネル状チャンバ内の雰囲気に不要な雰囲気流動が発生し、これによリトンネル状チャンバ内にチャンバ外雰囲気すなわち大気が進入し易くなる問題が発生する。
【0016】
本発明の目的は、トンネル状チャンバ内の雰囲気の清浄度をさらに一層向上させることおよびこのトンネル状チャンバ内の低酸素濃度を安定に維持することを両立させることを目的とする。すなわち、フラックスヒュームやアルコール類等のガス、浮遊する微粒子等の異物を捕集し除去する捕集装置とトンネル状チャンバとの間を循環する雰囲気の単位時間当たりの流量を増大させても、このトンネル状チャンバ内の低酸素濃度を安定に維持することができるはんだ付け装置を実現することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のはんだ付け装置は、プリント配線板などの板状の被はんだ付けワークの仰角搬送方向へ傾斜したトンネル状チャンバを備えたはんだ付け装置において、はんだ槽の上方のトンネル状チャンバ内の雰囲気が、プリント配線板の搬送方向とは逆向きの俯角方向へ循環するように構成したところに特徴がある。
【0018】
つまり、板状の被はんだ付けワークを搬送する搬送手段と、前記搬送手段に沿って前記搬送手段を覆うように設けられたトンネル状チャンバと、前記トンネル状チャンバに順次配設され前記板状の被はんだ付けワークの予備加熱を行うプリヒータと、前記プリヒータの後段側に設けられ前記板状の被はんだ付けワークに溶融はんだの噴流波を供給するはんだ槽と、前記はんだ槽の後段側に前記トンネル状チャンバ内に不活性ガスを供給するガス供給口体とを設けたはんだ付け装置において、次のように構成する。
【0019】
すなわち、前記搬送手段は、前記板状の被はんだ付けワークをその搬送方向へ仰角搬送するために傾斜して設けられた第1の搬送手段でなり、前記トンネル状チャンバは、前記第1の搬送手段に沿って傾斜して設けられており、前記はんだ槽の前段側の上方に前記トンネル状チャンバ内の雰囲気を導き出すための吸い込み口体を設けるとともに、前記はんだ槽の後段側であって前記ガス供給口体の後段側の上方に前記吸い込み口体から導き出された雰囲気をトンネル状チャンバ内に還流させる吐出口体を設け、前記吸い込み口体と吐出口体との間に雰囲気中に含まれるフラックスヒュームを捕集し除去する捕集装置と、前記トンネル状チャンバ内の雰囲気を前記吸い込み口体から前記捕集装置へそして前記吐出口体へと循環させる循環手段とを設けるように構成する。
【0020】
これにより、トンネル状チャンバ内の雰囲気は、循環手段により吸い込み口体から吸い込まれて捕集装置、吐出口体の順に流れ、再びトンネル状チャンバ内に還流する。そして、トンネル状チャンバ内においては吐出口体から吸い込み口体へ雰囲気が流れる。
【0021】
すなわち、以上の一連の流路をトンネル状チャンバ内雰囲気が循環して流れるようになり、その過程で雰囲気中に含まれるフラックスヒュームや微粒子等の異物が捕集装置で捕集され除去される。特に、フラックスヒュームはトンネル状チャンバ内の上方に上昇するので吐出口体や吸い込み口体を上方に設けることにより、この吸い込み口体からフラックスヒュームを容易に吸い込むことができる。
【0022】
また、前記の雰囲気循環過程では、トンネル状チャンバ内の上方において吐出口体から吸い込み口体へ雰囲気が流れるが、この循環方向は、プリヒータおよびはんだ槽によってトンネル状チャンバ内に発生する熱対流の方向すなわちトンネル状チャンバの仰角方向とは逆向きの俯角方向となる。したがって、トンネル状チャンバ内に発生する熱対流を抑止する方向に雰囲気が循環することになり、この循環による雰囲気の熱対流による不要な雰囲気流動を抑制する。
【0023】
さらに、はんだ槽の後段側であり前記吐出口体との間に設けられたガス供給口体から、トンネル状チャンバ内に不活性ガスが供給されるが、この不活性ガスが前記俯角方向に循環する雰囲気に誘引されてはんだ槽の上方およびプリヒータ方向ヘ流れるようになり、この領域の酸素濃度を低下させることができるようになる。
【0024】
そして、この雰囲気の循環方向がトンネル状チャンバを俯角方向へ流れる熱対流を抑止する方向であるために、単位時間当たりの雰囲気循環流量を従来よりも多くしても、トンネル状チャンバ内の雰囲気に不要な流動を与えることがなく、安定した低酸素濃度を維持することができる。そのため、トンネル状チャンバ内で発生するフラックスヒュームや微粒子等の異物の単位時間当たりの捕集量を向上させることができる。
【0027】
なお、次のような構成を付加することも有効である。
【0028】
すなわち、前記搬送手段は、前記第1の搬送手段の後段に前記板状の被はんだ付けワークを俯角搬送する第2の搬送手段を有し、前記トンネル状チャンバは、前記第2の搬送手段に沿って延長して設けられ、その縦断面が「へ」の字状に構成されるとともに前記板状の被はんだ付けワークの搬入口と搬出口とが水平面から同じ高さに構成されるものである。
【0029】
このようにトンネル状チャンバを構成すると、トンネル状チャンバの頂部またはその近傍に、熱対流で発生した相対的に温度の高い雰囲気が集まる。そのため、はんだ槽の後段側すなわちトンネル状チャンバの頂部近傍に不活性ガスを供給するガス供給口体を設けると、供給された不活性ガスによりトンネル状チャンバ内の雰囲気がこのトンネル状チャンバの搬入口および搬出口から溢れ出て流れ出す(溢流する)ようになる。
【0030】
その結果、このトンネル状チャンバ内に低酸素濃度の安定した雰囲気を形成することができる。しかも、搬入口と搬出口とが水平面から同じ高さになっているので、この搬入口および搬出口から溢流する雰囲気流量が平衡しやすい。なお、前記搬入口と搬出口とを水平面から同じ高さに構成する他の理由は、はんだ付け装置の前段や後段に設けられる他の装置とのインライン使用において必要な事項でもある。
【0031】
しかし、トンネル状チャンバの仰角部分すなわち板状の被はんだ付けワークの仰角搬送部分にプリヒータおよびはんだ槽を配設するため、この仰角部分においてはこのトンネル状チャンバの頂部方向へ向かう熱対流を発生する。他方で、この頂部から板状の被はんだ付けワークが俯角方向へ搬送される俯角部分においては、高温の手段を備えていない。
【0032】
また、板状の被はんだ付けワークの搬送方向が仰角方向および俯角方向に搬送され、それに伴いトンネル状チャンバ内の低酸素濃度の不活性ガス雰囲気は、その搬送方向へ流れるように誘引され持ち出され搬出口から流出し、反対の搬入口からは大気が持ち込まれて進入する。
【0033】
そのため、はんだ槽の後段側でトンネル状チャンバの頂部近傍に設けたガス供給口体から不活性ガスを供給しても、はんだ槽およびプリヒータ方向へ不活性ガスが相対的に流れ難い。
【0034】
この溢流の不平衡(溢流の単位時間当たりの流量の不平衡)は極僅かなものであるが、完全な平衡状態もしくはプリヒータおよびはんだ槽に向かって、板状の被はんだ付けワークが搬送される仰角方向とは逆の俯角方向に流れる不活性ガスの流れが相対的に多くなるように雰囲気の流れを形成することができれば、予備加熱工程およびはんだ付け工程の各プロセスを構成するプリヒータおよびはんだ槽が配設された領域の酸素濃度を一層低くすることができる。逆に言えば、単位時間当たりの不活性ガス供給流量を従来より少なくしても、従来と同様の低酸素濃度を実現することができる。
【0035】
本発明においては、先にも説明したように、熱対流や板状の被はんだ付けワークの搬送に伴う雰囲気の流れを抑止するように雰囲気を循環させ、フラックスヒュームや微粒子等の異物を捕集し除去する構成であるので、異物を捕集するための単位時間当たりの雰囲気循環流量を大きくして単位時間当たりの捕集量を増大させることができる。
【0036】
それとともに、はんだ槽の上方において板状の被はんだ付けワークが搬送される仰角方向とは逆の俯角方向に循環する雰囲気により、はんだ槽と吐出口体との間に設けられたガス供給口体から供給された不活性ガスを、プリヒータおよびはんだ槽の方向すなわち俯角方向に流れるように誘引することが可能となり、縦断面が「へ」の字状のトンネル状チャンバ内からの雰囲気の溢流に、平衡を形成することができるようになる。
【0038】
そして、本発明では、先に説明した構成にさらに次の構成を有するところに重要な特徴がある。
【0039】
すなわち、前記トンネル状チャンバ内に前記搬送手段の搬送方向に沿って多数の板状部材をその板面が前記搬送方向に交差する向きに設けて前記トンネル状チャンバ内に不要な雰囲気流動を抑制するラビリンス流路を形成するとともに、少なくとも前記吐出口体から前記吸い込み口体の区間において前記搬送手段の両側部に前記板状部材が設けられていない雰囲気通路を形成し、前記吐出口体の吐出口が前記雰囲気通路に結合されて成るよう構成する。
【0040】
これにより、吐出口体からトンネル状チャンバ内に還流した雰囲気は、搬送手段で搬送される板状の被はんだ付けワークの板面に直接に吹き当たることがなくなり、前記トンネル状チャンバ内の雰囲気に外乱となる不要な雰囲気流動を与えることがなくなる。
【0041】
すなわち、吐出口体からトンネル状チャンバ内に還流した雰囲気が、搬送される板状の被はんだ付けワークの板面に直接に吹き当たると、前記板状の被はんだ付けワークが吐出口体の下方に搬送された場合にのみ、還流した雰囲気が前記板状の被はんだ付けワークの板面方向に流動するようになり、トンネル状チャンバ内に外乱となる不要な雰囲気流動を与えてしまうのである。そして、ラビリンス流路を形成する板状部材が設けられていない板状の被はんだ付けワークの搬送路に沿って外乱となる雰囲気流動を生じ、酸素濃度が不安定に変動してしまう。
【0042】
しかし、搬送手段の両側部に前記板状部材が設けられていない雰囲気通路を形成し、前記吐出口体の吐出口が前記雰囲気通路に結合されて成るよう構成すると、吐出口体からトンネル状チャンバ内に還流する雰囲気が前記通路に沿って流れ、トンネル状チャンバ内の雰囲気が捕集装置と前記トンネル状チャンバ内とを循環するようになる。
【0043】
したがって、ラビリンス流路を形成する板状部材が設けられていない板状の被はんだ付けワークの搬送路に外乱となる不要な雰囲気流動を与えることがなくなり、安定した酸素濃度を維持することができるようになる。
以上のように本発明の構成によれば、トンネル状チャンバ内の雰囲気の清浄度を一層高めることができるようになるとともにトンネル状チャンバ内に発生する熱対流が抑制されるので、このトンネル状チャンバ内へ供給する不活性ガスの単位時間当たりの流量を少なくしても、このトンネル状チャンバ内の酸素濃度を低い値に維持することが可能となり、高価な不活性ガスの浪費を防ぐことができるようになる。また、プリヒータおよびはんだ槽領域における酸素濃度の分布も従来よりも低くなり、トンネル状チャンバ内に一層均一な低酸素濃度の雰囲気を形成することができるようになる。
また、プリヒータおよびはんだ槽領域における酸素濃度の分布も従来よりも低くなり、トンネル状チャンバ内に一層均一な低酸素濃度の雰囲気を形成することができるようになる。
その結果、製造コストの低廉化を図りつつ、清浄度が一層高められたはんだ付け雰囲気中で、プリヒータによって加熱される板状の被はんだ付けワークの酸化を一層抑制し、またはんだ槽の溶融はんだの酸化も一層抑制し、さらに板状の被はんだ付けワークに溶融はんだの噴流波を供給する際のはんだ付け性を一層改善することができるようになる。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるはんだ付け装置の実施形態例を図1を参照して説明する。
【0045】
図1は、本発明のはんだ付け装置の実施形態例を説明するための縦断面図である。なお、N2 ガス供給系およびフラックスヒュームを除去するための雰囲気循環系はシンボル図で示してある。
(1)構成
多数の電子部品(不図示)を搭載したプリント配線板(被はんだ付けワーク)1を搬送する搬送コンベア2,3は、仰角搬送(仰角θ1 )する第1の搬送コンベア2と俯角搬送(俯角θ2 )する第2の搬送コンベア3とにより構成してあり、これらの搬送コンベア2,3を覆うようにトンネル状チャンバ4を設けてある。
【0046】
このトンネル状チャンバ4の縦断面は、図1に示すように「へ」の字状に構成してあり、水平面から搬入口5の高さと搬出口6の高さとが同じ高さになるように構成してある。このように、搬入口5の高さと搬出口6の高さが同じ高さになるように構成することにより、はんだ付け装置を他の装置と連繋してインラインで使用することが容易となる。
【0047】
第1および第2の搬送コンベア2,3は、図6に示すように、プリント配線板1の両側端部を保持する保持爪50を備え、両側端部側に設けられ平行2条に構成されたコンベアフレーム2aから成る。なお、幅の異なるプリント配線板1を保持できるように、通常はコンベアフレーム2aの一方がプリント配線板1の幅方向に移動し調節できるように構成されている。図中の矢印Aはプリント配線板1の搬送方向を示している。
【0048】
また、第1の搬送コンベア2に沿ってトンネル状チャンバ4にプリヒータ7とはんだ槽8とが配設してある。
【0049】
プリヒータ7は、予めフラックスが塗布されたプリント配線板1の予備加熱を行い、フラックスの前置的活性化とプリント配線板1およびこれに搭載された電子部品に与えるヒートヒョックを軽減するために設けられている。
【0050】
また、はんだ槽8には図示しないヒータにより加熱されて溶融状態の溶融はんだ9が収容してあり、この溶融はんだ9を第1のポンプ10により第1の吹き口体12に送出して第1の噴流波13を形成する。また、第2のポンプ11により第2の吹き口体14に送出して第2の噴流波15を形成する。そして、これら噴流波13、15をプリント配線板1の下方側の面すなわち被はんだ付け部が存在する被はんだ付け面に接触させることによりこの被はんだ付け部に溶融はんだ9を供給し、はんだ付けを行う。
【0051】
また、プリヒータ7は、トンネル状チャンバ4内に設けられている。しかし、はんだ槽8は、トンネル状チャンバ4に開口4aを設けてこの開口4aから第1の噴流波13と第2の噴流波15とをトンネル状チャンバ4内に位置するように構成してある。なお、トンネル状チャンバ4の封止を維持するため、トンネル状チャンバ4に設けた開口4aにはスカート4bを設け、このスカート4bをはんだ槽8の溶融はんだ9中に浸漬して完全な封止を実現している。
【0052】
また、トンネル状チャンバ4内には、トンネルの長手方向すなわち搬送コンベア2,3の搬送方向に沿って、多数の板状部材すなわち抑止板16を設けてある。そしてこの抑止板16は、その板面が搬送コンベア2,3の搬送方向Aに対して直交するように設けてある。すなわち、この抑止板16によりトンネル状チャンバ4内にラビリンス流路を形成し、このトンネル状チャンバ4内に不要な雰囲気流動が生じないように構成してあ。
【0053】
なお、この抑止板16は、トンネル状チャンバ4の上壁から搬送コンベア2,3に向けて下向きに設けられているとともに、トンネル状チャンバ4の下壁から搬送コンベア2,3に向けて上向きに設けられている。そのため、平行2条に成る搬送コンベア2,3の両側には、トンネル状チャンバ4の側壁との間に抑止板16の無い通路が形成されている(後述の図4および図6を参照)。
【0054】
また、図1では、はんだ槽8の上方には抑止板16を設けていない例を示している。これは、図1には示していないが、はんだ槽8の上方のトンネル状チャンバ4に耐熱ガラスから成る窓を設け、併せて抑止板16を設けないことにより、プリント配線板1と噴流波13、15との接触状態を生産技術者が目視確認しやすいように配慮したものであり、もちろん当該部分に抑止板16を設けてもよい。
【0055】
トンネル状チャンバ4内に不活性ガスであるN2 ガスを供給するノズル(ガス供給口体)20は、搬送方向Aから見てはんだ槽8の後段側の抑止板16の間に設けてあり、流量調節弁21および流量計22によって目的とするN2 ガス供給流量に調節できるように構成してある。N2 ガスは、ボンベやPSA方式のN2 ガス供給装置23から供給され、開閉弁24および不純物を除去するフィルタ25、目的とする供給圧力に調節する圧力制御弁26を介して前記流量調節弁21に供給される。圧力計27は圧力モニタ用である。
【0056】
2 ガス供給流量は、図示しない酸素濃度計によりトンネル状チャンバ4内の酸素濃度を測定し、例えば、プリント配線板1と溶融はんだ9の噴流波13、15とが接触する領域である第1の噴流波13および第2の噴流波15の近傍の雰囲気をサンプリングして測定し、目的の酸素濃度になるように流量調節弁21を調節して設定する。
【0057】
トンネル状チャンバ4内で発生したアルコール類が気化したガスやフラックスヒューム、はんだの微粒子等の異物は、搬送コンベア2、3の搬送方向Aから見てはんだ槽8の前段側の上方に設けた吸い込み口体28から吸い込む。この吸い込み口体28はパイプ29で捕集装置30に接続され、続いて雰囲気を循環させるためのファン31に接続され、このファン31から吐出口体32に接続されている。この吐出口体32は、搬送コンベア2、3の搬送方向Aから見てはんだ槽8の後段側であり前記N2 ガスを供給するノズル20の後段側の上方に設けてある。
【0058】
捕集装置30は、雰囲気循環の順に冷却部30aとフィルタ部30bとから構成され、冷却部30aは自然空冷手段や水冷等の強制冷却手段により循環雰囲気の温度をフラックスヒュームの液化温度以下(例えば、アルコール類等が溶媒の主成分として使用されているフラックスでは約70℃以下)に冷却できるように構成してある。そして、この冷却部30aに面するように隣接してフィルタ部30bとして不織布や濾紙等から成る粒子フィルタを設けて構成したものである。そして、これらの冷却部30aおよびフィルタ部30bは、メンテナンスのために何れも着脱自在に筐体に設けて構成してある。
【0059】
すなわち、吸い込み口体28から吸い込まれた雰囲気は、捕集装置30の冷却部30aで冷却されて温度低下し、この雰囲気中に含まれていた気体状のフラックスヒュームが霧滴化する。すなわち、この霧滴化して粒子化したフラックスヒュームを隣接して設けたフィルタ部30bの粒子フィルタで直ちに捕捉し捕集することによって、雰囲気中に含まれていた気体状のフラックスヒュームを高効率で除去することが可能となる。もちろん、雰囲気中に含まれていた、溶融はんだ9の微粒子等の異物もフィルタ部30bで併せて捕捉されて捕集され、除去される。
【0060】
次に、図2を参照して、本実施形態例に用いられる吸い込み口体について説明する。
【0061】
図2は、吸い込み口体の構成を説明するための図で、(a)はその全容を説明するための斜視図でその内部を透視して示した図、(b)は(a)の横断面図である。
【0062】
図2において、矢印Aは第1の搬送コンベア2の搬送方向を示すもので、吸い込み口体28は、その長手方向が第1の搬送コンベア2を横切るように配置され、トンネル状チャンバ4の幅と同等かそれよりもやや短く構成され、その口筺33の内部の長手方向に皿条体34を設けてある。この皿条体34の配置は、その雰囲気の流れから見て交互に並べて配置して条状蛇行狭窄流路36を形成し、図2(b)に示すように、吸い込み口35から吸い込まれた雰囲気が蛇行しながら条状蛇行狭窄流路36を流れるように構成してある。
【0063】
すなわち、これにより吸い込み口35の各部から均一な流量で雰囲気を吸い込むことができるようになる。つまり、この条状蛇行狭窄流路36が狭窄と拡大および蛇行を繰り返す整流機構を形成している。なお、継手37は配管(パイプ)29を接続するための手段である。
【0064】
次に、図3を参照して、本実施形態例に用いる吐出口体について説明する。
【0065】
図3は、吐出口体の構成を説明するための図で、(a)はその全容を説明するための斜視図でその内部を透視して示した図、(b)は(a)の横断面図である。
【0066】
図3において、矢印Aは第1の搬送コンベア2の搬送方向を示すものである。
【0067】
吸い込み口体28と同様に、吐出口体32はその長手方向が第1の搬送コンベア2を横切る方向に配置され、トンネル状チャンバ4の幅と同等かそれよりもやや短く構成され、その口筺40の内部の長手方向に皿条体41を設けてある。この皿条体41の配置は、その雰囲気の流れから見て交互に並べて配置し、さらに雰囲気の流れる方向が反転するように皿条体41の向きを反転して配置し、条状反転狭窄流路43を形成するように構成してある。
【0068】
すなわち、図3(b)に示すように、継手44から供給された雰囲気がその流れる方向を反転しながら条状反転狭窄流路43を流れるように構成してあり、吐出雰囲気が拡散されるように構成してある
すなわち、これにより吐出口42の各部から均一な流量で雰囲気を吐出することができるようになる。つまり、この条状反転狭窄流路43が狭窄と拡大および反転を繰り返す拡散整流機構を形成している。
【0069】
次に、図4乃至図6を参照して、本実施形態例に用いる吐出口体からトンネル状チャンバへの還流流路について説明する。
【0070】
図4乃至図6は、吐出口体からトンネル状チャンバ内に還流する雰囲気のトンネル状チャンバ内における流れを特に考慮して構成した流路形成機構を説明するための図で、図4は吐出口体が設けられたトンネル状チャンバ部分を透視して示した図、図5は図4の縦断面図、図6は図4の横断面図である。
【0071】
すなわち、吐出口体32の長手方向の幅はトンネル状チャンバ4の幅よりも幾分狭く構成してあり、短手方向(第1の搬送コンベアの搬送方向Aの方向)の長さはトンネル状チャンバ4内に設けられた抑止板16の間隔と等しく構成してある。これにより、吐出口体32の吐出口42から吐出し還流する雰囲気は、抑止板16の間に供給される。
【0072】
この抑止板16の間には、図4および図5に示すように整流板47によって蛇行流路が形成してある。また、抑止板16の先端には遮蔽板48が、図4および図6に示すように平行2条の第1の搬送コンベア2の両側にのみ開口するように設けてある。なお、前記整流板47の幅も遮蔽板48の幅と同様の幅である。
【0073】
したがって、吐出口体32から均一に吐出した還流雰囲気は、抑止板16の間の蛇行流路を流れながら流速の不均一な分布がさらに拡散され、第1の搬送コンベア2の両側の通路49すなわち雰囲気通路に流れ込んで還流する。
【0074】
なお、図6に示す保持爪50は、プリント配線板1の両側端部を保持するための部材であり、搬送コンベア2,3のコンベアフレーム2aに沿って移動する。これにより、プリント配線板1の両側端部を保持しながら搬送する構成であり、最も一般的な構成例である。
(2)作動
図1において、被はんだ付け部のある下方側の面すなわち被はんだ付け面に予めフラックスを塗布したプリント配線板1を、搬入口5から搬入すると、第1の搬送コンベア2の保持爪50に両側端部を保持されて、搬送仰角θ1 で矢印A方向に搬送される。
【0075】
そして、プリヒータ7により例えばその被はんだ付け部が約100℃程度に予備加熱され、プリント配線板1に塗布されているフラックス中に含まれるアルコール類等の溶媒を気化させるとともにフラックスを前置的に活性化させ、被はんだ付け部の酸化物の還元や有機物等の汚れの除去を開始する。
【0076】
続いて、プリント配線板1の下方側の面すなわち被はんだ付け面を、温度が例えば約250℃程度の溶融はんだ9の第1の噴流波13および第2の噴流波15に接触させ、その被はんだ付け部に溶融はんだ9を供給してはんだ付けを行う。この際にフラックスが完全に活性化し、被はんだ付け部の酸化物の還元や有機物等の汚れの除去を行いながら被はんだ付け部やはんだの酸化を防止して、はんだ濡れ性の良好なはんだ付けが行われる。併せて、この第1および第2の噴流波13,15への接触過程でガス状のフラックスヒュームが発生する。
【0077】
その後、プリント配線板1はトンネル状チャンバ4の頂部で第2の搬送コンベアに移載され、搬送俯角θ2 で搬送されて搬出口6から搬出され、はんだ付けが完了する。
【0078】
この一連のはんだ付け工程は、低酸素濃度のN2 ガス雰囲気中で行われる。すなわち、N2ガスを供給するノズル20から供給されるN 2ガスにより、トンネル状チャンバ4内が低酸素濃度のN2 ガス雰囲気になる。
【0079】
トンネル状チャンバ4内には抑止板16によりラビリンス流路が形成され、熱対流や搬送コンベア2,3の搬送に伴うトンネル状チャンバ4内雰囲気の持ち出しと大気の持ち込み等を抑制するように構成されている。しかし、わずかに発生する熱対流によりトンネル状チャンバ4の頂部には、プリヒータ7やはんだ槽8の溶融はんだ9により加熱されたN2 ガス雰囲気が安定して溜まるようになり、N2ガスを供給するノズル20からN 2ガスが供給されると、それらの雰囲気がトンネル状チャンバ4の搬入口5および搬出口6から矢印D方向に溢流する。
【0080】
すなわち、「へ」の字状のトンネル状チャンバ4内に安定して溜まるこの雰囲気は、N2 ガスを供給するノズル20からN2 ガスが供給されることにより押し出されるようにして搬入口5および搬出口6から溢流し、N2 ガスによる置換が連続して行われてトンネル状チャンバ4内全体に低酸素濃度のN2 ガス雰囲気を安定して形成することができるようになる。
また、搬入口5および搬出口6の水平面高さを同一に構成すると、搬入口5および搬出口6からの雰囲気溢流流量は概ね同一量の平衡状態となり、搬入口5および搬出口6からトンネル状チャンバ4内への大気の進入は最も困難となる。
【0081】
しかし、先にも説明した通り、抑止板16によりラビリンス流路を形成しても、熱対流や搬送コンベア2,3の搬送作動によりトンネル状チャンバ4内に発生する不要な雰囲気流動、すなわち雰囲気が目的としない方向に攪伴されたり大気が進入することを完全には抑止することができない。
【0082】
そこで、従来の技術でも説明したように、トンネル状チャンバ4内で発生するフラックスヒュームやアルコール類が気化したガス、はんだの微粒子等の異物は、トンネル状チャンバ4内の雰囲気を捕集装置30に循環させて捕集し除去するように構成する。
【0083】
一方で、トンネル状チャンバ4内の雰囲気の清浄度を一層向上させるためには、この捕集装置30に循環させる単位時間当たりの雰囲気流量を増大させる必要がある。しかし、この雰囲気循環は、トンネル状チャンバ4内および捕集装置30間での雰囲気循環であり、この循環雰囲気流量が増大すると、この循環に伴ってトンネル状チャンバ4内における雰囲気の流動も大きくなり、トンネル状チャンバ4内の酸素濃度が不安定に変動しやすくなる。酸素濃度の変動は、連続してはんだ付けされる多数のプリント配線板の各々のはんだ付け品質を不安定に変動させ悪化させる要因になる。
【0084】
したがって、トンネル状チャンバ4内に発生する熱対流や搬送コンベア2,3の搬送作動に伴う雰囲気の持ち出しおよび大気の持ち込みを一層抑止することと併せて、トンネル状チャンバ4内の雰囲気の清浄度を一層向上させることを両立させる必要があった。
【0085】
本実施形態例においては、捕集装置30およびトンネル状チャンバ4間を循環する雰囲気を、トンネル状チャンバ4内においては、はんだ槽8の後段側でN2 ガスを供給するノズル20の後段側の上方からはんだ槽8の前段側の上方へ俯角方向で、第1の搬送コンベア2の搬送方向Aとは逆方向の矢印B方向へ循環させる構成としてある。
【0086】
すなわち、プリヒータ7やはんだ槽8によって発生する熱対流の方向とは逆方向であり、これにより前記雰囲気循環の流れによってトンネル状チャンバ4内の雰囲気はこの熱対流を抑止する矢印B方向に誘引され、この熱対流の発生を大幅に抑止することができるようになる。
【0087】
また、第1の搬送コンベア2の搬送方向Aとは逆方向であり、プリント配線板1の搬送作動に伴って、搬入口5からトンネル状チャンバ4内に大気を持ち込もうとする矢印A方向の誘引および搬出口6からトンネル状チャンバ4外にN2 ガス雰囲気を持ち出そうとする矢印A方向の誘引の方向とは逆方向であり、それらも大幅に抑止することができるようになる。
【0088】
このように、熱対流とは逆方向に、かつ搬送コンベア2,3の搬送方向Aとも逆方向に雰囲気を循環させるので、単位時間当たりの雰囲気循環流量を大きくしてもトンネル状チャンバ4内に不要な雰囲気流動を発生させ難く、安定した低酸素濃度を維持したままトンネル状チャンバ4内の清浄度を向上させることができるようになる。
【0089】
また、トンネル状チャンバ4内に不要な雰囲気流動を与える源となっている熱対流や搬送コンベア2,3による雰囲気の持ち出しや大気の持ち込みが抑制されるので、単位時間当たりのN2 ガス供給流量を少なくしても、従来と同様の低い酸素濃度を安定して維持することができる。
【0090】
さらに、はんだ槽8の後段側に設けたN2 ガスを供給するノズル20から供給されたN2 ガスは、吐出口体32から吸い込み口体28へ循環し矢印B方向の流れる雰囲気に誘引され、はんだ付け性に最も影響を与えるプリント配線板1と第1の噴流波13および第2の噴流波15とが接触する領域に誘導(矢印C)されやすくなる。また、同様にプリヒータ7の領域へも誘導されやすくなる。
【0091】
その結果、プリヒータ7の領域および第1の噴流波13および第2の噴流波15の領域の酸素濃度が従来よりも低下し易くなる。したがって、これによって、目的とする酸素濃度を得るための単位時間当たりのN2 ガス供給流量を従来よりも一層少なくすることができる。
【0092】
特に、図4乃至図6に示すように、吐出口体32から流入してトンネル状チャンバ4内に還流し循環する雰囲気の流れを、第1の搬送コンベア2の両側の通路49に導入することにより、この通路49を図1の矢印B方向に雰囲気が流れつつ図6に示す矢印E方向および図5に示す矢印F方向にも流れるようになる。
【0093】
そのため、吐出口体32の吐出口42から還流する雰囲気がプリント配線板1に直接に吹き付けられることがなくなり、両コンベアフレーム2a間の搬送通路に流速の速い雰囲気流動を生じることがなく、一層安定した酸素濃度を得ることができるようになる。
【0094】
なお、図6に示す丸中に「×」印を記載したB矢印は、Bの示す方向が紙面の表側から裏側へ向かう矢印であることを示し、丸中に「・」印を記載したA矢印は、Aの示す方向が紙面の裏側から表側へ向かう矢印であることを示している。
【0095】
ちなみに、図1および図2、図3に示したはんだ付け装置において図4乃至図6の構成を採用したはんだ付け装置においては、捕集装置30に循環する雰囲気の単位時間当たりの流量を従来比約2倍にしても低酸素濃度の乱れは観測されず、また従来と同様の低酸素濃度を維持することが確認されている。
【0096】
【発明の効果】
本発明にかかるはんだ付け装置は、トンネル状チャンバ内の雰囲気の清浄度を一層向上させることができるとともに、前記トンネル状チャンバ内の酸素濃度を安定に維持することができる。しかも、同じ酸素濃度を実現するためのN2 ガス等の不活性ガスの単位時間当たりの供給流量を従来よりも少なくすることができる。
【0097】
その結果、製造コストを低減しつつ、はんだ付け品質の安定したはんだ付けを行うことができるようになり、フラックスヒューム等の異物に汚染されることのない、かつはんだ付け品質の良いプリント配線板ひいては電子機器を製造することができるようになる。
【0098】
また、トンネル状チャンバの搬入口および搬出口からの雰囲気溢流の平衡状態を一層高い平衡状態に維持することができるようになり、トンネル状チャンバ内の酸素濃度を一層安定に維持することができるようになる
【0099】
これらに加えて、搬送コンベアに搬送されるプリント配線板の板面上に循環雰囲気が直接に吹き当たらなくなり、最も重要なプリント配線板の処理領域(はんだ付け工程や予備加熱工程)の酸素濃度をさらに安定に維持することができるようになる。
【0100】
そして、トンネル状チャンバ内の雰囲気の状態が安定するので、捕集装置に循環する雰囲気の単位時間当たりの流量を大幅に大きくすることが可能になり、トンネル状チャンバ内の雰囲気の清浄度をさらに向上させることができるようになる。もちろん、従来と同じ酸素濃度を実現するためのN2 ガス等の不活性ガスの単位時間当たりの供給流量もさらに少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のはんだ付け装置の実施形態例を説明するための縦断面である。
【図2】吸い込み口体の構成を説明するための図である。
【図3】吐出口体の構成を説明するための図である。
【図4】吐出口体が設けられたトンネル状チャンバ部分を透視して示した図である。
【図5】図4の縦断面図である。
【図6】図4の横断面図である。
【符号の説明】
1 被はんだ付けワーク(プリント配線板)
2 第1の搬送コンベア
2a コンベアフレーム
3 第2の搬送コンベア
4 トンネル状チャンバ
4a 開口
4b スカート
5 搬入口
6 搬出口
7 プリヒータ
8 はんだ槽
9 溶融はんだ
10 第1のポンプ
11 第2のポンプ
12 第1の吹き口体
13 第1の噴流波
14 第2の吹き口体
15 第2の噴流波
16 抑止板
20 ノズル(ガス供給口体)
21 流量調節弁
22 流量計
23 N2 ガス供給装置
24 開閉弁
25 フィルタ
26 圧力制御弁
27 圧力計
28 吸い込み口体
29 パイプ
30 捕集装置
30a 冷却部
30b フィルタ部
31 ファン
32 吐出口体
33 口筐
34 皿条体
35 吸い込み口
36 条状蛇行狭窄流路
37 継手
40 口筐
41 皿状体
42 吐出口
43 条状反転狭窄流路
44 継手
47 整流板
48 遮蔽板
49 通路
50 保持爪

Claims (1)

  1. 板状の被はんだ付けワークを搬送する搬送手段と、前記搬送手段に沿って前記搬送手段を覆うように設けられたトンネル状チャンバと、前記トンネル状チャンバに順次配設され前記板状の被はんだ付けワークの予備加熱を行うプリヒータと、前記プリヒータの後段側に設けられ前記板状の被はんだ付けワークに溶融はんだの噴流波を供給するはんだ槽と、前記はんだ槽の後段側に前記トンネル状チャンバ内に不活性ガスを供給するガス供給口体とを設けたはんだ付け装置において、
    前記搬送手段は、前記板状の被はんだ付けワークをその搬送方向へ仰角搬送するために傾斜して設けられた搬送手段でなり、また、前記トンネル状チャンバは、前記搬送手段に沿って傾斜して設けられており、
    前記はんだ槽の前段側の上方に前記トンネル状チャンバ内の雰囲気を導き出すための吸い込み口体を設けるとともに、前記はんだ槽の後段側であって前記ガス供給口体の後段側の上方に前記吸い込み口体から導き出された雰囲気をトンネル状チャンバ内に還流させる吐口体を設け、
    前記吸い込み口体と吐出口体との間に雰囲気中に含まれるフラックスヒュームを捕集し除去する捕集装置と、前記トンネル状チャンバ内の雰囲気を前記吸い込み口体から前記捕集装置へそして前記吐出口体へと循環させる循環手段とを設け、
    前記トンネル状チャンバ内に前記搬送手段の搬送方向に沿って多数の板状部材をその板面が前記搬送方向に交差する向きに設けて前記トンネル状チャンバ内に不要な雰囲気流動を抑制するラビリンス流路を形成するとともに、少なくとも前記吐出口体から前記吸い込み口体の区間において前記搬送手段の両側部に前記板状部材が設けられていない雰囲気通路を形成し、前記吐出口体の吐出口が前記雰囲気通路に結合されて成ること、
    を特徴とするはんだ付け装置。
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